やや異例ですが、本日3回目の更新です。韓国の朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領が任期前に辞任するとの意思を表明したことを受けて、各方面に混乱が続いています。これに関連して麻生太郎副総理兼財相が本日(2日)の閣議後の記者会見で、韓国との間で再開交渉中の「日韓通貨スワップ協定」を巡り、「交渉のしようがない」と述べたそうです。
日韓スワップ交渉、長期停滞へ
最初のニュースはこちらです。
日韓通貨協定の再開、「交渉のしようがない」と麻生財務相 朴大統領辞意表明で(2016.12.2 13:07付 産経ニュースより)
この会見の模様については、まだ財務省や金融庁等のウェブサイトには掲載されておらず、産経ニュースでしか確認できませんが、麻生副総理兼財相は「誰が話を進めるか分からない。交渉のしようがない」と述べたとのことです。いわば、朴大統領が事実上、機能不全状態にあるため、通貨スワップ協定についても交渉が停滞する可能性があるということを示唆した格好です。
従来の日本の財務省であれば、「韓国が混乱していたとしても、韓国に最大限配慮して、日本の方から話を進めてあげる」という姿勢を取っていたのかもしれません。しかし、今回の麻生副総理の発言から判断する限りでは、「日本の方からは積極的に進めたくない」という意向が見え隠れします(もっとも、発言が短すぎ、これだけではいまいち判断しきれないのも事実ですが…)。
いずれにせよ、この問題については産経ニュース以外のメディアの報道についても注意を払ってみたいと思います。
韓国造船業界への補助金巡るOECDへの問題提起
もう一つ、日本外交が(少しずつですが)脱皮しつつあると思しき報道を発見しました。
日本「韓国造船業界の公的支援は不公正」(2016年12月02日10時27分付 中央日報日本語版より)
リンク先記事によれば、韓国政府による造船業界への支援が不公正だとして、日本がOECD造船部会で問題提起を行うとしています。
ただ、インターネットでは「韓国に対する日本からの追い討ちだ!」といった歓喜の声(?)らしきものも上がっていますが、これはそう単純なものではありません。日本が本気で韓国を「追い込む」つもりなら、OECDではなくWTOあたりに提訴するからです。
しかし、私の持論は、「日韓問題を巡っては、できるだけ日韓二国間交渉を行わず、国際社会を巻き込むべきだ」とするものであり、日本政府のこうした動き自体は歓迎すべきものです。
遅まきながら、日本もようやく、妙な対韓配慮外交からの脱皮が出来つつあるのでしょうか、それとも外務省あたりの「媚中・媚韓派」官僚が巻き返すのでしょうか?今後の日本政府の対応が気になるところです。