「外交カード」で見る日韓関係

最近の当ウェブサイトでは、時事ネタが続いていましたが、本日は「時事ネタ」のなかでも、少し普段と趣向を変えて、「外交カード」という考え方から日韓関係を切り取って考察してみたいと思います。

「外交カード」について考察する

慰安婦捏造新聞、怪調に飛ばす!?

慰安婦問題を捏造したことで知られる朝日新聞は昨日、安倍総理の平昌(へいしょう)冬季五輪出席が「難しい」と報じました。

安倍首相の平昌出席「難しい」 日本側が「駆け引き」(2017年12月21日10時00分付 慰安婦問題を捏造した朝日新聞デジタルの日本語版より)

これは、19日に来日した康京和(こう・きょうわ)韓国外交部長官(外相に相当)に対し、河野太郎外相が伝えたものとされ、朝日新聞日本語版は

日本政府は慰安婦問題で韓国政府の対応に不信感を募らせており、外交的な「駆け引き」を仕掛けた格好だ

としています。

はて?

私がこの記事を発見した時点で、そのように報じたメディアは朝日新聞以外には見当たりません。朝日新聞はいったい何を根拠にそのように述べたのでしょうか?

複数の日韓関係筋が明らかにした。康氏が会談で「首相を平昌で歓迎したい」との文在寅(ムンジェイン)大統領のメッセージを伝えると、河野氏は文政権が2015年末の日韓合意に反する動きを見せていることに触れ、「このままでは(参加は)難しい」と伝えた。」(下線部は引用者による加工)

あ、なるほど。いつもの「脳内関係者」ですね。

一帯一路構想には「是々非々」が正解』でも指摘したとおり、最近、マス・メディア関係者は裏取り取材を行わず、勝手な思い付きをでっち上げることがあります。

酷い時には、「官邸関係者」が首相官邸に詰めている記者のことだったり、「外交筋」が外交関係を取材している記者のことだったりすることもあります。

朝日グループといえば、虚偽報道・捏造報道で有名です。最近も、森友学園の籠池前理事長の証言だけをベースに、森友学園が設置しようとしている小学校の名前を「安倍晋三記念小学院」だと報じたという前科があります。

つまり、「朝日新聞だけが報じた」ということ自体、それが捏造である可能性が極めて高い、ということです。

さらに、先ほどの記事には続きがあって、

関係筋によると、河野氏の会談での発言は、韓国政府が日韓合意を否定する方向に転じれば日本の対韓感情が悪化し、首相の訪韓が難しくなるとの認識を伝えたものだという。ただ2020年の東京五輪には韓国の協力も必要で、「現時点では首相は参加しないとも伝えていない」(日本外務省関係者)としている。」(下線部は引用者による加工)

とありますが、こうやってさりげなく主観的印象(というかウソ)をちりばめてくるあたり、さすが「捏造報道の総本山」です。

いずれにせよ、私たち日本国民は、朝日新聞といえば「ウソ」「捏造」の代名詞だと考えるべきでしょう。

「オプションの時間価値」で読む安倍外交

ところで、なぜ安倍総理は平昌五輪に「行く」とも「行かない」とも明言していないのでしょうか?

これについて理解するヒントとなる考え方が、金融デリバティブの世界にあります。それが「オプションの時間価値」という金融商品です。

オプションの時間価値とは、「選択権を握っている側としては、不確実性が高ければ高いほど、価値が出る」、というものであり、逆に「選択権を相手に渡している側としては、不確実性が高ければ高いほど、損失が生じる」という経済的性格があります。

そして、これは外交の世界にもそのまま当てはまります。というのも、選択権を持っている側が、最後の最後まで選択権を行使せずに留保しておけば、それ自体が外交カードになるからです。そして、韓国は日本にとって信頼ができない国であるため、外交カードは多ければ多いほど良いに決まっています。

わかりやすくいえば、「選択権を握っている側」とは安倍総理、「選択権を相手に渡している側」とは文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領です。

2月の平昌五輪開会式の前日まで、安倍総理が平昌五輪に出席するか、しないかの態度を留保し続ければ、それだけ韓国政府の行動が縛られることになります。実際、韓国政府は慰安婦問題への対応を平昌五輪後に先送りする考えを示しています。

韓国政府、慰安婦問題への対応を平昌五輪後に先送り(2017年12月18日07時45分付 中央日報日本語版より)

しかし、今の段階で安倍総理側が「平昌五輪には出席しない」と断言してしまうと、その時点で日本は外交カードを切ってしまったことになります。当然、文在寅氏側としても、「どうせ安倍総理は平昌五輪に来てくれないのなら、慰安婦問題への対応を早めよう」と判断してしまう可能性が出てきます。

つまり、現在の日本は、さまざまな部分で韓国に対して優位に立っており、韓国としては日本政府の言いなりになるしかないという状況に、追い込まれつつあるのです。

自縄自縛、愚かな政府と愚かな国民

考えてみれば、慰安婦問題とは、その諸悪の根源が朝日新聞の捏造にあります。自称文筆家・吉田清治の虚偽証言に従い、当時、朝日新聞の記者でもあった植村隆が捏造し、そして、朝日新聞はこれを、じつに30年も放置し続けたのです。

そもそもの出発点が捏造だったということは、1人の日本人の立場にしてみれば悔しいという思いもありますが、それと同時に、当時から変わらない、日本政府・外務省の無為無策ぶり、事なかれ主義には、心底、腹が立ちます。

ただ、韓国政府や韓国国民が、この朝日新聞社の捏造に悪乗りしたあたりから、韓国の軌道が狂ってきたように思います。というのも、日本に対する「慰安婦問題での謝罪・賠償要求」も、しょせんはウソ・捏造をベースにしたものであり、日本が国を挙げて、本気で反撃すれば、韓国としては対抗できるはずがないからです。

仮に、この問題を、韓国に居住する自称元慰安婦が「一時金」として日本からお金を巻き上げる手段として利用するにとどめるなら、記憶のかなたに葬ることができたかもしれません。

しかし、韓国政府の間違いは、欲を出してしまったことです。つまり、この「従軍慰安婦問題」は、「歴史問題」として日本に対し、永遠に切り続けることができるカードだと勘違いしてしまったのです。

そして、歴代韓国政府は自国民に対しては政権支持率を高めて求心力を保つ目的で、この慰安婦問題を使い続け、また、韓国国民も、日本を叩いて溜飲を下げる目的でこの問題に悪乗りしてしまったのです。

その結果、何が発生したのか?

実は、慰安婦問題で追い込まれているのは、むしろ韓国政府と韓国国民の側です。なぜなら、2000年代を通じてインターネットが急速に発達したことをきっかけに、日本国民の大多数が、慰安婦問題は朝日新聞社と韓国の合作による捏造であると理解しつつあるからです。

当然、ありもしないことで謝るなど、日本の国民世論が絶対に許しません。

2015年12月28日の「日韓慰安婦合意」も、安倍政権に対する岩盤の支持層を離反させるという副作用を生みました。そして、「日韓慰安婦合意」よりも、さらに踏み込んで謝罪と賠償を刷るつもりなら、今度こそ安倍政権の本当の支持層が離反することになりかねません。

ということは、「日韓慰安婦合意」の精神を踏みにじり、そこから後退しようものなら、日本という国が、一致団結して韓国にペナルティを与えるということにつながりかねないのです。

つまり、慰安婦問題も、最初は「韓国が日本に対して握っている外交カード」だったはずが、いつのまにか、「日本が韓国に対して握っている外交カード」に化けてしまったのです。

私は「日韓慰安婦合意」の趣旨には賛同できませんが、それでも、「相手の外交カードを奪い取り、逆にこちらの外交カードにしてしまう」という、安倍政権のしたたかさには、良い意味で感心します。

日本が持つ、外交カードの数々

そういえば、日韓関係といえば、こんな報道もありました。

日韓財務対話、年内開催見送り(2017/12/20付 日本経済新聞 朝刊より)

日経の報道によれば、年内の「日韓財務対話」は見送られることになったそうです。

この「日韓財務対話」とは、日韓両国の財相が不定期的に会って話をするというもので、初回は小泉政権時代に谷垣禎一財相(当時)が2006年2月に東京で韓国財相と会談したのが始まりです。

第7回目となる前回は、昨年8月27日に、韓国・ソウルで麻生太郎副総理兼財相と、柳一鎬(りゅう・いっこう)韓国副総理兼企画財政部長官(当時)が会談を行いました。そして、柳氏側から次の提案がなされたのです。

韓国政府は、二国間の経済協力を強化すること、及び、その証として双方同額の新しい通貨スワップ取極を締結することを提案した。本通貨スワップ取極は、地域金融市場の安定を高めるものである。両国政府は、本通貨スワップ取極の詳細について議論を開始することに合意した。

これが、昨年騒がれていた「日韓通貨スワップ」のことです。

ただ、この日韓通貨スワップ再開に向けた協議は、昨年末に韓国・釜山にある日本総領事館前に慰安婦像が設置されたことを受け、今年1月6日に日本政府側が打ち切りました。

このため、日韓通貨スワップ協定は、いまでも再開されず、中ぶらりんの状態が続いているのです。

先ほどの日経の記事によれば、日韓財務対話が見送られた背景として、「従軍慰安婦問題などが壁になり、金融協力を話し合う環境が整っていないと判断した」とあります。

判断したのは日本側でしょうか、韓国側でしょうか?肝心なところが欠落していますが、私の予測では、おそらく日本側の判断でしょう。

日経は「早期開催をめざす日中韓首脳会談などの結果を踏まえ、日程を再調整する」としていますが、これも「韓国側が慰安婦問題の蒸し返しを行わないということを確約しない限りは、日韓財相対話自体もペンディングにするぞ」という、日本側からの脅しと取ることもできるのです。

通貨スワップは有力な外交カード

最強の通貨・日本円と、最強の外貨ポジション

通貨スワップについて言及したついでに、現在、韓国が保持している通貨スワップ協定についても、簡単に触れておきましょう。

日本語で「通貨スワップ」と呼ぶ時には、2通りの意味があります。1つはデリバティブの世界の通貨スワップ(Cross-Currency Swap, CCS)であり、もう1つは国際金融協力の世界の通貨スワップ(Bilateral Swap Agreement, BSA)です(詳しくは『総論:通貨スワップと為替スワップとは?』を参照)。

ここでいう「通貨スワップ」は、もちろん、BSAの方の話です。

BSAとは、国単位で通貨当局同士があらかじめ協定を結んでおき、片方の国の要請で、もう片方の国が通貨を渡してあげる、というものです。

たとえば、日本の場合は、今年10月6日時点で、日本の財務省が、アジアの4ヵ国との間で、次のような契約を締結しています(図表1)。

図表1 日本の財務省とアジアとのBSA一覧
契約相手上限交換条件
インドネシア中央銀行日→尼:227.6億ドル米ドルとインドネシア・ルピア
フィリピン中央銀行日→比:120億ドル相当額米ドルか日本円とフィリピン・ペソ
比→日:5億ドル米ドルと日本円
シンガポール通貨庁(MAS)日→星:30億ドル米ドルとシンガポール・ドル
星→日:10億ドル米ドルと日本円
タイ中央銀行日→泰:30億ドル米ドルとタイ・バーツ
泰→日:30億ドル米ドルと日本円

(【出所】財務省ウェブサイトより)

これらの契約は、形式上、フィリピン、シンガポール、タイについては、相手国から日本にドル資金の支援が行われることもある、という契約になっています。しかし、実質的には、相手国が通貨危機に陥った場合に、日本が相手国を助けるためのものです。

日本自体、100兆円を超える外貨準備を保有していて、しかも、日本円という通貨が世界最強の安全通貨でもあるため、日本が外貨不足(とくにドル不足)に陥る可能性は、それほど高くありません。

あえていえば、人民元でファンディングを行っている邦銀が、中国当局の嫌がらせにより人民元不足に陥る可能性があるくらいでしょうか?

外貨不足の韓国、使い物になるのは豪ドル・スワップのみ

しかし、これに対して韓国が保持するBSAは、非常に心もとない限りです(図表2)。

図表2 韓国が外国と締結するBSAとCMIM
相手国交換条件米ドル換算額
オーストラリア100億豪ドルと9兆ウォン7,666,947,788
マレーシア150億リンギットと5兆ウォン3,672,420,125
インドネシア115兆ルピアと11兆ウォン8,472,703,161
中国(※)3600億元と64兆ウォン54,479,418,886
(BSA小計)74,291,489,960
CMIM参加国から米ドルを引き出す38,400,000,000
合計112,691,489,960

(【出所】各国中央銀行ウェブサイトおよび日本の財務省『CMIM貢献額、買入乗数、引出可能総額、投票権率』より著者作成。米ドル換算額は日本時間2017/12/14 22:00付でWSJより取得したデータに基づく。ただし、中国とのスワップについては10月10日で失効済みであり、現在は韓国当局者が一方的に「延長で合意した」と発言しているのみである。)

韓国が外国との間で保持するBSAは、金額換算でこそ743億ドル程度ですが、その内訳は、非常に怪しい限りです。というのも、仮に韓国が通貨危機に陥れば、真っ先に不足するのは米ドルですが、現在の韓国には、それこそ「喉から手が出るほど」欲しい米ドル建てのBSAがないからです。

というよりも、オーストラリアの通貨(100億豪ドル)を除けば、いずれも「ソフト・カレンシー」ばかりであり、頼りになりません。

まず、マレーシアやインドネシアの通貨は、そのままでは国際的な通貨市場で使い物になりません。そして、両通貨ともに市場が小さすぎるため、米ドルに両替しようとしたら、マレーシア・リンギット、インドネシア・ルピアがともに暴落することにもなりかねないのです。

また、人民元建てのスワップについては、今年の10月10日で失効済みですが、現在、韓国当局者が「延長で合意した」と口頭で主張しているに過ぎず、中国当局は「延長した」とはヒトコトも述べていません。おそらく、韓国当局者が中国当局者からの「口頭での条件付き延長」の承認を取っているに過ぎない状況でしょう。

そうなると、ますます使えるスワップが限られてくるのです。

さらに、BSAを離れ、チェンマイ・イニシアティブ・マルチ化協定(CMIM)については、韓国はむしろASEAN諸国に支援を与える側であり、韓国がこれを引き出すとなれば、ASEAN諸国に頭を下げて回る必要があるため、プライドだけはエベレストよりも高い韓国当局者にそれができるとも思えません。

スワップ巡るメディアの誤解と深掘り

ところで、韓国は先月、カナダとの間での、無制限の「為替スワップ」(Bilateral Liquidity Agreement, BLA)で合意しています。これについて、日本経済新聞社の鈴置編集委員を含めた識者は、これを「通貨スワップ」のカテゴリーに入れていますが、これは通貨スワップ(BSA)ではありません。

通貨スワップと為替スワップの厳密な違いについては、『総論:通貨スワップと為替スワップとは?』を参考にしていただければ良いと思いますが、為替スワップ(BLA)は通貨スワップ(BSA)と異なり、通貨当局が金融危機に際して外貨準備の代替として引き出せるという代物ではありません。

しかも、引き出せる通貨は、米ドルではなくカナダ・ドルです。米ドルを使いたければ、カナダ・ドルを外為市場で米ドルに両替しなければなりません。

したがって、現在でも韓国が、外国との「米ドル建て」(またはユーロ、円、ポンド建ての)スワップを渇望しているという状況に違いはないのです。

ところで、先ほど図表2の説明で、私は「インドネシアとのBSAには意味はない」と申し上げましたが、厳密には、意味がないこともありません。というのも、図表1と照らし合わせて頂ければ、日本がインドネシアに米ドルを提供し、インドネシアがそれを韓国に提供する、ということも、理論的には可能だからです。

仮にルピアの暴落が問題になるとしたら、韓国銀行がインドネシア中銀から調達したルピアを外為市場で一気に売却した場合ですが、裏でインドネシア中銀は、日本政府・財務省から、約227億ドルの範囲で米ドルを調達することが可能です。

したがって、インドネシア中銀が韓国銀行と示し合せ、日本から調達した米ドルを外為市場で売却し、インドネシア・ルピアを回収すれば、ルピアの暴落を避けることができます。

インドネシアを介した日韓間接スワップのカラクリ
  • ①韓国銀行→インドネシア中銀:11兆ウォンを115兆ルピアと交換する
  • ②インドネシア中銀→日本政府財務省:115兆ルピアを約85億ドルと交換する
  • ③韓国銀行はインドネシアから入手した115兆ルピアを外為市場で米ドルに両替する
  • ④インドネシア中銀は日本政府から入手した85億ドルを外為市場でインドネシア・ルピアに両替する

インドネシア中銀としては、放出したルピアの純額は、結局、115兆ルピアで済みます。そして、外為市場を操作して、若干の利益がインドネシア中銀に残る格好にすれば、インドネシアとしても、こうした取引に協力する可能性があるのです。

その意味で、日本はインドネシアに対する通貨スワップを、いったんは停止しても良いかもしれません。

ある国が他国を支配するには…?

ただ、私は感情的に、日本は絶対に韓国にスワップを与えるべきではない、と申し上げるつもりはありません。

一般にある国が他の国を支配するには、2とおりの方法があります。

1つ目は、軍事的に征服・制圧することです。軍事同盟を締結し、国を守ってもらう代わりに、自前の軍隊を持たせない、というのも、間接的には軍事的支配といえます。

ただ、現代国際社会においては、軍事侵略は国際的に強く糾弾されるため、かつて英国がやったような軍事侵略は、難しいのが実情でしょう。

そこで2つ目の支配が考えられます。これは、経済・金融面で、相手を支配してしまうことです。

中国が現在、韓国に対して仕掛けているのは、まさに経済面・金融面での支配です。なぜなら、韓国の貿易高に占める中国の重要性は、次第に強まっているからであり、中国が経済制裁を発動すれば、韓国はひとたまりもないからです。

また、中国は金融面でも韓国を支配しようとしています。先ほど図表2でも示した通り、ドル換算金額だけで見れば、中国が韓国に提供しているBSAの金額は、BSA全体の7割を占めています。その意味でも、韓国はすでに、中国に対し、精神的に反攻できなくなってしまっているのです。

そこで、仮に日本が韓国に対し、

慰安婦合意をきっちりと履行すれば、米ドル建てのBSAを500億ドル程度結ぶかどうか検討してやるよ

と持ちかければ、日本は韓国をコントロールすることができます。

もちろん、実際に結ぶ必要はありません。あくまでもチラつかせるだけです。つまり、先ほど申し上げた「外交カード」の議論ですね。

そして、実際に日本は、いまでも米ドル建てBSAの締結の可能性について、韓国政府に対して含みを持たせているのです。日本政府としては「日韓BSA再開協議を中断する」と言っていますが、「日韓BSAは絶対に再開しない」と言っている訳ではないからです。

また、日韓財務対話自体、「廃止した」のではなく「延期した」という状況にありますが、日韓財務対話が再開された場合、韓国側はおそらく日韓BSAについての話題を再び持ち出すでしょう。

(※ただし、日本の財務省や経済界には、韓国を金融面で支援することが日本のためになると本気で考えている人たちもいるので、このあたりは私たち有権者としても、財務省などの暴走を防ぐために、特別な注意が必要であることは言うまでもありません。)

理論ゲームは面白い!

以上、本日は普段と少々趣向を変えて、日韓関係について、おもに「外交カード」という面から眺めてみました。

同様の思考実験は、別に韓国との間だけではなく、中国、ロシア、あるいは米国との間でも成り立ちます。私は、今後もこうした思考実験を、不定期に掲載したいと考えておりますので、どうか今後もご期待ください。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 清明 より:

     北京オリンピックに、国内政治ほったらかしてホイホイはせ参じた福田元首相。
    その時の役割を、今度の平昌五輪で安倍首相に演じてほしいと望んでいるというのが、朝日の願望記事となっているんでしょう。
    そう読めば、朝日の記事は嘘記事ではなく、参加してほしいという韓国の思いを代弁したと解釈すれば、合点がいくと思うんです(わらい

     安倍首相が福田首相の時と同様、平昌へホイホイ行きたいとしても、今の朝鮮半島情勢下でそれを表明したら、トランプに「安倍、お前は俺を裏切るのか」と、どやしつけられる(わらい
     北朝鮮へは対話などではなく圧力しかないと、俺(トランプ)を説得してきたのお前じゃないのかと。
    北朝鮮に強力な圧力を加え、いつ軍事制裁起こしてもおかしくない状況をみれば、平昌五輪に安倍首相がのこのこ出席しますと表明することは、圧力どころか軍事制裁など起きませんという間違ったシグナルを、北朝鮮や韓国に与えることになるんです。
    そんなこと出来るはずありません。

     問題は韓国が当事者でありながら半島の状況を正しく理解せず、ダチョウのように現実逃避の方向に物事を見ていることなんです。
    これでは、当然日韓関係はうまくいくはずありません。
    日本の外交が変わるというわけではなく、韓国側が常軌を逸しているので日本側がどうこう出来るものではないということです。

  2. 通りすがり より:

    昨日、韓国大田地裁で奥茂治氏の初公判がおこなわれ、韓国検察は懲役1年の求刑をおこなったそうです(判決は来年1月11日予定)。そもそも、奥氏は、父親の虚偽により日韓関係に悪影響があることに胸を痛めた故吉田清治氏の息子さんから依頼を受けて、故吉田清治氏が自費で韓国に建てた謝罪碑の書き換えをしたもので、韓国司法が文句を言う筋合いのものでは無い。実際に、書き換えて暫くたっても誰もそのことに気付かず、奥氏本人が書き換えた事実を公表したのを切っ掛けに事が明るみになったような事案である。吉田清治氏の息子さんも韓国に渡っていないので拘束はされていないが、在宅起訴になっているそうです。

    この裁判で奥氏に厳しい判決が出たら、日本政府としても韓国に厳しく抗議するだけでなく、原因をつくった朝日新聞には吉田氏に纏わる報道の事実関係を内外にしっかり説明させるように指導してほしい。

    また、沖縄で米軍機の部品が落ちた事件に関しても、その整備を請け負っていたのが大韓航空だと分かった瞬間にマスコミはトーンダウンした(一部マスコミは責任の所在を挿げ替えて、未だに米軍に問題があると偏向報道を続けているが)。こういったマスコミのダブルスタンダードはいい加減にしてほしい。まあ、民放連自体が、自分たちに都合の悪い事実は報道する必要は全くないと表明しているので救いようが無いが…。

  3. めがねのおやじ より:

    < 毎日の更新ありがとうございます。
    < 本日の話題に沿って考えてみますと、日韓関係は今や攻守逆転(こんな3等国を真剣に相手していては駄目なんだが)ですね。日韓慰安婦合意の履行は、日本側が一歩も引かず、ただ韓国の広報紙朝日新聞だけが変な記事を書いている。新宿会計士様の本文からですが、「日本がかけひきをしかけた」「2020年の東京五輪には韓国の協力も必要で」??一体どこの新聞ですか。韓国の協力などまっっったく必要ない。国さえ存続しているか怪しい。
    < 日韓売春婦合意履行はまさしく「外交カード」ですね。韓国は先送りにし、最終結論を平昌の後にする予定。どうせ履行したらローソク隊が待ち受けているので、今直ぐに言って貰ってもいいが、日本はもう昔の日本じゃない。履行する以外は国家同士の約束破りだ。世界中に触れ回る。外交カードって、アチラの身から出た錆で、結構他にも使えますね。「徴用工像→河野大臣牽制済み。売春婦像と同じ」「喉から手が出るほど欲しい日韓スワップ→◯◯なら検討してもよい。締結しないが」「平昌五輪→選手団、安倍首相?」「日中韓首脳会談→ポーズで早くやりましょう」「観光ビザ→廃止、短縮」「ユネスコ分担金→払わない、遅らせる」、、。
    < 外貨準備高で日本はなんと100兆円以上、、。気が遠くなる金額であり、更に米、加、ユーロ、英、スイスらと6カ国無期限、無制限の中央銀行同士のスワップを結んでます。対して今や韓国は危機的状況で、日本が知らん顔している今、まともなのは豪ドルの100億ドルのみ。BSAは743億ドルだそうですが、ほとんどが中国であとは東南アジアではねー。こうなったらCMIMをASEANにアタマ下げまくりますか。それでも偉そうな屁理屈言いそうで、見たい気がします。日本は「◯◯するなら、考えてみてもいいが」でエサを見せて実際何もしない、という手がある。ただ日韓議員連盟や日中議員連盟の古狸(自民の河村建夫、二階俊博氏など)は相手を庇うばかりで、何を言い出すか分からない。そんな議連は解体すべし、自民党内の利権に絡んでいるだろう抵抗勢力を、せめて傍系に追いやって欲しい。あと、外交カードは切るポイントが難しいですね。特に日本人は素直過ぎて、中国のように属国の躾みたいな事、不得手です。カードはあまり使うと相手に渡る場合もある。相手有利になっても、ムチャ振りで取り返すシナを見習う事も必要です。
    < 話変わって、米国西海岸のスタバで韓国人留学生が人種差別を受けた、というニュースを見ました。白人女性が日常的に繰り返しているとか。「私は特に韓国人が嫌い。韓国語が気持ち悪い。静かに座ってろ」。ペラペラ韓国語で喧しく喋ってたんでしょ。これ、日本人が言われたなら私はショックですが、韓国は嫌われ者だから仕方ない。我々東洋人同士なら、街で見るその風体、態度、身につけている物、服装、ヘアで、だいたいの確率で半島系か台湾の方か、中国人かが伺える。話を聞いてたら100%言葉で分かる。とにかく中国人は声が大きいし、煩い。対して韓国人は声も大きいし、発音が汚い。下品な感じ(私もですが)。白人女性の怒り、かなり理解できます。
    < ありがとうございました。失礼します。

  4. マロンP より:

    いつも楽しみに拝見しています。
    安倍首相は特に平昌に行く必要はないと思っていますが、どうしても行くならオリンピックの開会式ではなく、パラリンピックの開会式の方が良さそうに思います。
    これなら、3月1日の韓国政府の声明を見て判断できますね。
    財務省が国債残高を気にしているなら外為特会資産の半分でも国債償還に当てればよいのではと思いますが、そうしない所を見ると余り気にしていないのかな?

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