USDKRWの攻防続く?一時1180割れも再び売られる

本日の「速報」です。本日の前場で韓国の通貨・ウォンが一時、米ドルに対して大きく買われ、1ドル=1180ウォンの大台を割り込む水準に回復しました。ただし、その後、再びウォンはドルに対して売られているようですが、これこそまさに為替介入の証拠ではないでしょうか?

どう見ても不自然なUSDKRW

韓国が為替介入を行っているのではないかとする点を巡り、疑念は尽きないところです。

こうしたなか、当ウェブサイトは4月下旬ごろから、韓国ウォンの下落に注目して来ていて、わが国が「令和の10連休」に入る直前の4月25日(木)の夕方、『【ショートメモ】通貨KRWが下がり出したのか?』で第一報を報告しました。

韓国ウォンの下落はその後も続き、先月19日には、『中韓通貨は「大台」目指す?「通貨暴落」の意味を考える』のなかで、「1ドル=1200ウォンの『大台』を試す展開ではないか」と申し上げたところです。

中韓通貨は「大台」目指す?「通貨暴落」の意味を考える

ただ、その後、韓国ウォンは1ドル=1190ウォン前後で取引されており、5月28日には瞬間的に1ドル=1184.1ウォンにまで買い戻され、その後、再び1ドル=1190ウォンの大台を超える、といった「振り子」のような動きが続いて来ました(図表)。

図表 韓国ウォンの年初からの動き

(【出所】韓国銀行)

こうした韓国ウォンのこの急落を巡って、当初、当ウェブサイトでは2つの仮説を立てていました。それは、

  • ①通貨当局がわざと通貨安誘導を行っている
  • ②本当に韓国の通貨が市場で売られている

です(通貨安の意味については『総論:なぜ通貨安は困るのか 外国から外貨を借りる国の悲哀』あたりもご参照ください)。

総論:なぜ通貨安は困るのか 外国から外貨を借りる国の悲哀

しかし、私自身は最近、上記①②であれば、②の方が真相に近いのではないか、という見方を強めています。その判断材料はいろいろあるのですが、本日の為替市場の動きもこうした見方を補強する材料の1つです。

私自身、韓国の通貨当局が為替介入を繰り返していると考えています。米メディア・WSJのマーケット欄を眺めてみると、本日の韓国の外為市場では、1ドル=1190ウォン程度で始まった取引が、日中、いきなり1180ウォン台を割り込むウォン高・ドル安に動いたからです。

  • 日本時間朝方:1ドル=1188.87ウォン
  • 日本時間正午:1ドル=1179.12ウォン

この動きは、どう考えても不自然ですが、「前場で当局がウォンの大量買い注文を執行した」と考えると、何となく辻褄が合います。

先月の「緊急会合」

こうした見方を裏付ける証拠は、ほかにもあります。それが、先月下旬に米Bloombergが報じた次の記事です。

South Korea Holds Emergency Meeting on Startling Currency Drop(2019年5月22日 16:56 JST付 Bloombergより)

Bloombergの報道を要約し、意訳したうえで箇条書きにすると、次のような内容です(ただし、原文の “South Korea” については「南朝鮮」ではなく「韓国」と表記しています)。

  • 韓国の通貨当局者らは史上に対し、同国の通貨・ウォンの最近の下落が行き過ぎであるとのメッセージを出したが、これは米中貿易戦争の余波を受けて、自国通貨の防衛を余儀なくされていることを示している
  • 匿名を条件に取材に応じた同国企画財政部関係者によると、対応策を議論するために、当局者らが集まる緊急の会合も開かれる
  • 韓国銀行の当局者も最近の同国の通貨の下落が行き過ぎ、経済のファンダメンタルズ面を反映していないと述べている
  • ウリ銀行のエコノミストは、すでに市場の多くのトレーダーが1ドル=1200ウォンを視野に入れているなかで、こうした当局の反応は遅すぎると述べている

この記事が出て来たのは2週間以上前ですが、「韓国の通貨当局の協議」とやらの続報は見当たりません。市場参加者、メディア関係者の多くが韓国の為替市場の動向にそれほど深い関心を払っていないためでしょうか?

ただ、断片的に出て来るさまざまな情報をつなぎ合わせていくと、やはり、韓国の通貨当局が行き過ぎた通貨安に不安を感じ、通貨防衛に出ているとの可能性が高いように思えてなりません。

「用日派」の次の動き

むろん、現時点で「韓国は為替介入を行っているに違いない!」と決めつけるべきではありませんし、また、「韓国の通貨・ウォンの暴落が始まるに違いない!」といった断定をするのも不適切でしょう。

ただ、それと同時に、とくにコリア・ビジネスと関わっている人は、何となく金融市場で韓国ウォンに「嫌な動き」が生じているという事実については、きちんと認識しておく必要があるのではないかと思います。

それと同時に、韓国国内の「用日派」(都合よく日本を利用しようとする勢力)が「日本との通貨スワップが必要だ」と言い出し、日本国内の「媚韓派」がこれに呼応して「日韓通貨スワップは日本のためにもなる」などと喧伝する可能性もあります。

おりしも今月末のG20を前にしたタイミングでもありますので、私自身はかなりの確率で、韓国側からこうした議論が出て来るのではないかと警戒しているのです。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. 和布刈 より:

    この値動きによる曲線というか絶壁は、進撃の巨人のアレをもじった「ウォール・コリア」という呼び方が個人的に好きです。

    1. 774- より:

      そして、地ならしが始まるのですねw

  2. なんちゃん より:

    ブログ主さんの数値と若干違うところもありますが、そんなものだと言うことで。

    5月の後半から、ちょっと攻防してる感じですね。
    以下、高値安値は米ドルの視点ですので、ウォン目線では高安が逆になります。

    5/29高値が、その前の5/21の高値を越えなかったので、
    その間に付けた5/27の安値1182.65を有効に割り込むと、
    値動きの勢いの市場の目線は、直近下目線(ウォン買い)になります。ウォン買いが入りやすくなる。

    それを狙っての今朝の朝一の動きなんでしょうか。1178.80まで割り込んだので一時は成功してますが、その後持ち直し、5/27安値近辺で止まってます。まだ割り込んだと言えるかどうかは微妙なところです。

    それでも、その下の1175あたりはちょっと固いと思いますし、もう少し、後続の売り勢が続いてこないと、どのみちしばらくは厳しい戦いだと思います。

    ウォン売りの勢いは今のところ強いと思います。

  3. 匿名 より:

    先月の韓国の輸出、前年同月比で-9.4%だったという発表がされましたが、それでウォン防衛のために大規模に介入して買い支えたんでしょうか。

  4. ロールパン より:

    為替市場では先月30日の朝方からドル売り・ウォン買い介入が行われているという噂が流れていて、一部の金融情報会社もマーケットニュースで「韓国当局が為替介入を行った模様」と配信したようです。
    しかし実際に介入しているのかどうかについては、介入の噂だけで動いている可能性もあるので今の時点では何とも言えません。

  5. ドイツ銀行ヤバイ より:

    今日は朝からKRWの買い戻しが午前中いっぱい続いたようですが、介入の可能性が高いかと。。。
    午後からはまたじりじり売られてます。
    もう弾切れなのかもしれません。

    それより日本時間16時直前(欧州市場オープン)からドイツ銀行株価が急落中。
    かなり前からヤバそうとは伝えられてきましたが、これは本格的にヤバいかも。

    DBKが逝くなんてことになると、KRWが破たんするどころの騒ぎじゃない?かも?

  6. 実行委員 より:

    韓国は、介入の証拠を突き付けられても「介入してない」と、言い張るでしょう。どんどん介入させたらいいと思います。韓国は、いづれ力尽きますから。それからあとが楽しみ・・
    どんどん、ドルを使わせたらいいと思います。日本も、国/投資家合わせて、持ってるウォンをドルに換えましょうよ。将来、紙くずになります。え?ウォンなんかもってないか・・・
    北朝鮮との瀬取りだって、現場写真を撮られても、「瀬取りじゃない/違う」と言うでしょう。信じられないフィクション国家です。

    北朝鮮だって、日本人を拉致しておいて、「それは、解決済み」ですから。日本も北朝鮮に対しては「戦時中70年以上前のことは、解決済み」で、良いんじゃないでしょうか。
    しょせん『韓国と北朝鮮は、同類』と、見るべきでしょう。疫病神には、できるだけ近づかないほうがいいんですが、拉致被害者がなぁ。

  7. ドイツ銀行ヤバイ より:

    韓国だけが終わるのなら良いのですが、日本企業もただじゃすまないかもです。
    製造業などはサプライチェーンを代替すれば良いだけかもしれませんが、金融はヤバいです。

    特にみずほ銀行などは韓国へ大金を貸し込んでいるようなので連鎖倒産の可能性すら否定できません。
    単純にバ韓国破たんを喜ぶ状況ではないような気がします。

    1. 実行委員 より:

      そうですか。みずほの連鎖倒産なんて、やばいですね。日本の金融関係会社、引き上げの準備してるのでしょうか?韓国嫌いは棚に上げても、今の文政権を見てれば、素人でもマズイと考えられますが・・・
      日本のバブル崩壊まえ、ずいぶんと強引な貸しはがしやったそうじゃないですか。他国(韓国)だったらなおさら、クールに貸しはがしが必要でしょう。韓国パンク直前に、貸しはがししたら、「お前のせいだ」とか、千年も恨まれます。その前に、早く剥がしておかないと、わが身が危ない!

    2. 阿野煮鱒 より:

      みずほ銀行は、システム障害ばかり起こしていて、IT部門に構造的かつ致命的な問題があるとにらんでおりますたので、私は全ての預金を引き揚げてあります。

      融資部門も、これもかなり前から韓国に入れあげておりました。アホな銀行だなあ、と呆れておりました。

      私個人には実害はない(はずです)けれど、アレでもメガバンクの端くれですから、問題が起これば日本経済に深刻な影響が出るのでしょうね。

      あれを野放しにしていた金融庁も含め、センスが悪いことで… と呆れます。

    3. 非国民 より:

      韓国が破たんするとCDSでドイツ銀行が破たんするかも。日本政府はお金はたくさんあるから、みずほを救済するのでは。そしてどこかのメガバンクとくっつけて最強の銀行ができるかも。

      1. りょうちん より:

        みずぽ銀行がくっついた時点で最強からは遠ざかるのでは。
        キングボンビーが付いた様なものでしょうw

      2. 僕は知っている より:

        韓国よりドイツ銀行が先に逝きそうな気もしますけどね。ドイツ銀行東京支店の幹部達の退社が続いているってブルームバーグにも書いてありました。

  8. qwe より:

    去年の4月を上昇の起点と見ればおおよそN値達成したので、押しが入っても不思議じゃない位置だと思います。4時間足Wトップのネック抜けてるから私は下目線ですね。半値押し1130~レンジ上限1145あたりがサポになると予想して強気にS!
    14~16年の上昇局面は上海ショック等中国景気の軟調起因だと思います。
    昨今の状況鑑みるに、似た様な推移辿りそうですね。その上家計債務警鐘なってましたね。
    もしも98年、08年のような金融危機になったらすごいでしょうね。
    残念ながらFXでは取り扱い業者が少ないので利は取れないっぽいです。進出企業、競合他社の株に注目かな?

  9. hiwochan より:

    6/3の値動きは、人民元も似たような動きをしているから、介入の結果ではないでしょう。
    穿った見方をし過ぎてはいませんか。

  10. 門外漢 より:

    G20で2分でも首脳会談に漕ぎ付ければ、「口頭でスワップを約束した!」って言いますよ(笑)。

  11. マスコミ関係の匿名 より:

    5月29日にUSD/KRWが1196までウォン安が進んだのに、ここに来て一時1180割れまで戻ったというのは韓国銀行の必死の介入・血と汗の結晶でしょう。まあ4000億ドルもの巨額の外貨準備があるそうですから余裕で大丈夫でしょうね(笑)
    昨年11月以来日本企業のコリアリスク対応は着々と進み、報道されていませんが既に何社もがジャンピングを含む対策が完了しています。大部分がG20終了の頃を目処にしているようですね。勿論みずほグループも韓国の道連れにはされないでしょう。

  12. 名無しA より:

    今回のはウォン高というのより、ドル安ではないかと思います。
    米国が利下げに動くという観測が広がり、金利が低下
    しています。おそらく、それに乗じて韓銀が介入した
    ものと推察します。

    5月の韓国の貿易収支は22億ドルの黒字という発表が
    あったのも、多少は効いているかも。しかし25日までは
    赤字だったのを、6月分を先食いして黒字にしたそうです。
    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190603-00000032-cnippou-kr

    貿易収支の悪化傾向は続いているので、ウォン安のトレンド
    は変わっていないと思います。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告