日本経済を客観的な数字で読んでみた結果を総括します
『数字で読む日本経済』シリーズ、昨日の『貿易統計に見る「意外と貿易依存度が低い日本」の現状』で、当初自分自身が構想していた内容をひととおり書くことができたと考えています。ただし、途中で例の「GSOMIA騒動」の影響もあり、掲載がブチブチと中断するなど間延びしたことに加え、少し連載が長かったこともあり、読者の皆さまとしては消化不良気味という方も多いでしょう。そこで、本稿ではこのシリーズをまとめてみたいと思います。
目次
数字で読む日本経済を振り返る
当ウェブサイトでは11月8日の『増税から1ヵ月 数字で読む「財政再建論の大間違い」』を皮切りに、『数字で読む日本経済』というシリーズを掲載してみました。
簡単に振り返っておくと、大きくわけてだいたい3つの塊に分かれると思います。
- 国の借金論の大間違い
- カネ余り日本の大問題
- 「中韓は大事な国」は本当か?
本シリーズで書きたかった内容をひととおり終えたこともあり、本稿ではこれらについて、ざっと振り返っておきたいと思います。
国の借金論の大間違い
改めて、本論を振り返る
最初の塊は、第1回目から第5回目までの、「日本は国の借金がたくさんあるから、財政再建のために増税しなければならない」とする議論がいかに誤っているか、という議論です。
つまり、「日本は国の借金が1000兆円を超えている」、「今すぐ財政再建に着手しないといずれ財政破綻する」、といった、非常におどろおどろしい議論なのですが、これについては
- そもそも通貨というものは国の信用を裏付に発行されているものである
- 自国通貨建てで発行されている国債が過大かどうかは国全体の資金余剰との兼ね合いで決まる
- 中央政府の金融負債の負担を削減する手法は、増税だけでなく、資産売却、経済成長という手段がある
- 日本の場合は家計の金融資産の残高が大きすぎ、国内で資金が使われていないという問題点がある
といった議論を踏まえ、正直、「現在の日本で国家財政の破綻はあり得ない」、「現在の日本に必要なのは、増税や国債発行残高の抑制ではなく、むしろ減税と国債の増発である」、と指摘しました。
国の借金論の派生論点
また、この「国の借金」論には、いくつかの派生論点が出て来ます。
現在の日本が必要としているのは「増税」ではなく「減税」であり、「国債発行の抑制」ではなく「国債の大胆な増発」です。本論では議論して来ませんでしたが、現在の日本には、疲弊した地方のインフラ基盤、「働く女性」を支援するための保育施設の拡充など、いくらでも資金需要はあります。
たとえば、教育こそが国家百年の大計の基本ですし、労働力が減少する日本において、女性や高齢者などが働きやすい環境を作ることが必要ですが、そのためには、たとえば保育士に対する待遇の大幅な改善、学童保育制度の拡充、高等教育の機会の保障など必要と考えています。
このため、「働く親を助け、子供の未来に投資するような財政出動」については、今後、是非とも別稿にて議論していきたいと思うところです。
一方、こうした現在の日本経済にとっての正しい処方箋の実施を阻んでいるのが、財務官僚です。
彼らは「国民から直接選挙で選ばれたわけでもないくせに、不当に大きな政治的権力をもち、国益を破壊している」という特徴があるため、当ウェブサイトでは謹んで「国民の敵」という称号をお贈りしたいと考えているのですが、この点についてはまた別途、「国民の敵」という議論につながっていきます。
ちなみに当ウェブサイトが考える「国民の敵」とは、
「有権者や消費者から支持されたわけでもないくせに、不当に大きな政治権力・社会的影響力をもち、国益を邪魔している勢力」
のことです。
この「国民の敵」の筆頭格は財務官僚ですが、それ以外にも、消費者から支持されているわけでもないくせに不当に巨額のカネを視聴者からむしり取っているNHKや、野党第一党として国会の健全な議論を妨害し続ける立憲民主党などの特定野党がその典型例でしょう。
あるいはもっと広く、新聞・テレビを中心とするオールドメディア産業の場合も、「記者クラブ制度」や新聞の再販価格維持制度・個別宅配制度、テレビの電波利権などにより新規参入を阻み、虚報を垂れ流しているため、業界全体として「国民の敵」のような振る舞いをしています。
(※もっとも、どんなに腐った業界であっても、産経新聞のように、比較的公正な報道を心掛けるメディアもありますし、また、どんなに腐ったメディアであっても優れた記者は存在しますので、オールドメディアを十把一絡げにして「国民の敵」と断言すべきではないと思いますが…。)
書き足りない論点①欧州のVAT
また、この「国の借金論」について、今になって読み返してみると、付け加えたい論点が2つあります。
1つ目は、消費税の税率をどこまで上げられるかという議論です。
よく、「欧州諸国ではVAT(※日本でいう消費税のような税金)の税率は10%台後半、あるいは20%台に達しているケースもある」「だから日本もまだまだ消費税を引き上げる余地がある」などと聞くのですが、これについてはそもそもの議論の前提が間違っています。
欧州の場合、軽減税率制度が幅広く設けられており、たとえばいくつかの国では食品、生活必需品にかかるVATの税率がゼロ%である、という事例もあります(※ただし、税率や軽減税率対象品目は国によってもかなりのばらつきがあるようです)。
これについては、以前、『基本に立ち返る:消費税と財務省の、いったい何が問題なのか』のなかで、そのさわりだけ紹介したことがあるのですが、欧州におけるVATの軽減状況や実質税負担について、いちど詳しく調べて報告してみても良いかな、と思っている次第です。
書き足りない論点②能力低すぎる社会保険事務所
つぎに、2つ目の議論は、「税収が足りないならば増税」、という短絡的な議論に対する異論です。
よく、「税収が足りないから税率を引き上げるべきだ」とする議論を見かけるのですが、これについても思慮が足りません。もし現状で税収が足りないのだとしても、税金の捕捉率を100%にすれば、税「率」を引き上げなくても、税「収」を増やすことはできるからです。
はたして、そんなことが可能なのか。
私自身もささやかながら会社を経営しているので、よくわかりますが、会社や個人にとって税金の支払先はじつにたくさんあります。これに加えて、社会保険料は「税金」ではありませんが、広い意味では国から見れば「歳入」であり、民間から見れば「国に納める」という点では、税金とまったく同じです。
おりしもつい先日、法人税の申告を済ませて来たのですが、東京都23区内に住み、会社経営をしていると、
- 会社にかかる法人税、地方法人税、消費税、所得税源泉徴収税額→税務署
- 会社にかかる都民税、事業税、償却資産税、固定資産税→都税事務所
- 会社にかかる住民税特別徴収税額→役職員の居住地の市区町村役場
- 会社にかかる社会保険料、政管健保→社会保険事務所
- 個人にかかる所得税・確定申告先→税務署
という具合に、4つも5つもの役所をグルグル廻らなければならないのが大きな不満です。
税目がたくさんあるのは仕方がないにせよ、正直、この電子化の世の中ですから、少なくとも会社に関する税金はワンストップで年1回の申告ですべて終わるようにしてほしいと思いますし、現在の税務署の能力だと、そのくらいのことはできそうです。
いや、社会保険事務所の事務処理能力があまりにも低すぎるので(※定期的に個人情報漏洩事件を発生させているのもたいていは社会保険事務所です)、だからこそ「税金は納めているが社会保険料を納めていない」という事業者が非常に多いのではないでしょうか。
社会保険事務所の職員は全員解雇して、能力とやる気のある人間のみ税務署で再雇用し、さらに税務署は国税だけでなく、地方税も管轄することにすれば、歳入の捕捉率は非常に上昇しますので、わざわざ税率を上げる必要などありません。
このあたりについても、いずれ詳しく議論したいと考えています。
資金フローの問題点
日本円の実力
さて、『数字で読む日本経済』シリーズ、「国の借金」論の次に議論したのが、日本国内の資金フローです。
- 日本の家計はおカネ持ち 金融資産だけで1860兆円(2019/11/13 05:00付 当ウェブサイトより)
- 金融機関が「リスクマネー」の供給主体になり辛い理由(2019/11/14 05:00付 当ウェブサイトより)
- 金融機関を苦しめているのはマイナス金利政策なのか?(2019/11/15 05:00付 当ウェブサイトより)
- 日本は世界最大の債権国だが、手放しに喜べない理由も(2019/11/16 05:00付 当ウェブサイトより)
- 通貨の機能と外貨準備統計から見た日本円の実力とは?(2019/11/17 05:00付 当ウェブサイトより)
- 欠陥通貨・ユーロとギリシャ問題を日本に当てはめるな(2019/11/18 05:00付 当ウェブサイトより)
- 「国際収支のトリレンマ」に逆らった国・スイスの末路(2019/11/19 05:00付 当ウェブサイトより)
- 外貨準備と通貨スワップ 通貨危機を防ぐための仕組み(2019/11/20 05:00付 当ウェブサイトより)
- (番外編)東アジア共通通貨に対抗し得る円の国際化と通貨スワップ拡大(2019/06/02 05:00付 当ウェブサイトより)
家計資産2000兆円も時間の問題
ここで、「国の借金が1000兆円を超えている!」と主張する人たちが、なかば意図的に無視する論点が、家計金融資産が2000兆円に達しようとしているという事実であり、とりわけ家計が保有する現金・預金が「国の借金」(?)に匹敵する1000兆円弱に達しているという事実です。
現在までの家計資産の増え方を見ていると、あと1年以内に「家計金融資産が2000兆円」、「家計が保有する現金・預金が1000兆円」の大台に達するのも、時間の問題でしょう。
そして、金融商品の世界では、「誰かの金融資産は誰かの金融負債」です。現在の日本では、家計があまりにも巨額の金融資産を保有し過ぎていて、それらの金融資産が預金取扱機関や保険・年金基金などの機関投資家に流れ込み、結局、機関投資家が運用に苦慮している、という状況なのです。
ちなみに預金取扱機関(銀行、信金、信組、農協、労金、系統上部団体など)の全体の預金量は、いまや1500兆円にも達しようとしていて、これに対する貸出金残高が800兆円に留まっている以上、残り700兆円を国債などに投資するしかないという状況にあります。
しかし、国債の発行残高は1100兆円少々に過ぎず、日銀がそのうち500兆円弱、保険・年金基金が200兆円、海外が100兆円以上を保有してしまっていて、預金取扱機関はむしろ国債を買いたくても変えないという状況にあるのです。
巨額の外国貸付は国内資金需要不足の裏返し
実際、資金循環統計や国際決済銀行(BIS)の国際与信統計などを確認すると、日本の金融機関は外国に対し、総額で4.5兆ドル弱(1ドル=110円と仮定すれば、500兆円弱)もの巨額のカネを貸し付けています。
これらの内訳は、債券(さいけん)だけでなく債権(さいけん、つまり貸出金)が含まれるほか、邦銀勢が海外支店勘定で証券金融(とくに外債レポ取引)などによってバランスシートを膨らませているため、水膨れしているという側面があることは否定できません。
しかし、そもそも論として、日本が国として400兆円近くの対外純債権を抱えているということは、家計が2000兆円近い金融資産を保有するなど、国内で資金が有り余っていて、外国におカネを貸さざるを得ないという状態の裏返しでもあるのです。
つまり、国債を買うことができなくなった機関投資家が、やむなく外債などに手を出しているということであり、その結果、日本の対外資産がますます積み上がってしまっている、という状況にあるのです。
通貨危機と最も縁遠い国・日本
ちなみに「国の借金がヤバイ」のであれば、日本円自体が信用されず、日本から資金が逃げていくはずですが、ここでもうひとつ、奇妙な現象が発生していることが知られています。それは、「有事の円買い」です。
リーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発する2008年の金融危機の例を持ち出すまでもなく、何か金融市場でショックが発生した場合、真っ先に「買われる」安全資産が、米ドルと日本円、そしてスイスフランですが、これも冷静に考えるとおかしな話です。
もし市場参加者が「日本は国の借金が多すぎてヤバイ」と思っていれば、金融市場に混乱が生じた際、日本円こそが「まっさきに売られる」はずだからですが、実際に売られた通貨は、2008年の金融危機の際には韓国ウォンなどの新興市場諸国の通貨でした。
また、リーマン危機の少しあとに始まった欧州債務危機では、ユーロという共通通貨を使う国々のなかで、ギリシャに代表される南欧諸国を中心に、財政破綻懸念が相次ぎ、国債の利回りが急騰するという事象が発生しましたが、これも当ウェブサイトの理論の正しさの証拠です。
これに加えて本シリーズでは、「国際収支のトリレンマ」(金融政策の独立、為替相場の安定、資本移動の自由という3つのメリットを同時に享受することは絶対に不可能であるとする経済学の鉄則)も、欧州債務危機や2015年のスイスショックを説明する重要な要素として挙げさせていただきました。
さらに、金融危機を防ぐための仕組みとして、外貨準備や通貨スワップなどの仕組みがある、ということについても、本シリーズで振り返ったとおりです。
日本と外国のつながり
ヒト・モノ・カネで見る日本経済
さて、本『数字で読む日本経済』シリーズの最後の塊が、「ヒト・モノ・カネの流れから見た日本経済」です。
これは、「ヒト・モノ・カネの流れで、日本にとって本当に重要な国とはどこかを探る」というものであり、結論的にいえば、
- ヒトの流れ:日本人の渡航先はよくわからないが、少なくとも居住先として最も重要な国は米国である一方、日本に渡航したがる国は中国や韓国などの近隣国が中心である
- モノの流れ:日本にとって米国が最上位顧客であり、日本はむしろ中国にとってきわめて大事な上顧客である
- カネの流れ:日本にとって最重要視されているのは、世界では米国、欧州諸国でありアジアのなかではタイである
ということです。
「中韓が最も重要な隣国」、本当か?
なぜこの議論を「数字で読むシリーズ」の最後に持ってきたのかといわれれば、それは、「中韓こそが日本にとって最も重要な隣国である」とする議論を、数字の上で検証しようと思ったからです。
「国の借金論」でも申し上げたとおり、基本となる数字をしっかりと見ないで、「国の借金はたくさんあるから消費税の増税が必要だ」などと主張する人が多いのと同様、「日本にとっては中韓との関係が大切だ」、などとする主張についても、数字による裏付けが取れるはずで鵜§。
そして、結論的に言えば、中韓は日本にとって「大切ではない」とは言い切れませんが、少なくとも数字の上では「最も重要な隣国」ではありませんし、日本と中韓との関係が悪化したとしても、それによって日本という国が滅亡する、というレベルではないことは確かです。
もっとも、この「最後の塊」の部分については、11月22日に韓国政府が急遽、『秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定』(いわゆる「日韓GSOMIA」)の事実上の延期を決定したことで、せっかくの連載がブチブチ途切れてしまいました。
この手のシリーズは連続して掲載することに意義があるにも関わらず、読者の皆さまを間延びさせてしまったことについては、本当に申し訳ないと思っている次第です。
これで終わりません
もっとも、この「数字で見る日本経済」シリーズを書いてみて感じたのは、自分のなかでは「当たり前だ」と思っている論点についても、実際に文章に落とし、人々に伝えるのがいかに難しいか、という点です。
とくに、テーマの性質上、1回で終わらないため、執筆している途中でコメント欄にさまざまな疑問が寄せられましたし、それらのすべてについて本シリーズで答えられたとは思っていません。
とくに「国の借金論」については、当ウェブサイトの議論が「現代貨幣理論」(MMT)なる理論と部分的に重なっているらしく、MMTと対比させたコメントもいくつかいただきました。
当初、MMTについても簡単にコメントしようと思っていたのですが、正直、このMMTについては、調べれば調べるほどわけがわからなくなり、結局、MMTについて言及することはほとんどありませんでした。
たとえば、一番重要な「自国通貨建ての国債はいくら発行しても問題ない」などとする部分において、
- 自国通貨を発行し過ぎても問題にならない
と主張している人もいる一方で、
- インフレになる前に通貨発行をやめればよい
などと述べている人もいるなど、MMT論者(最近では “MMTer” と呼ぶこともあるようです)によって主張が少しずつ違うため、それらについていちいち反論するのが非常に非生産的だと気付いたのです(※一般にトンデモ理論においては、論者によって重要な点において主張が食い違うものです)。
それよりも、当ウェブサイトなりのアプローチは、客観的に確認できる統計をベースにしつつ、これに考察を加えて結論を導き出すという方が効率が良いと考えましたが、機会があれば、 “MMTer” の本を1冊買い求め、それについて評論をしても良いかな、と思っている次第です。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
いずれにせよ、最後の方はかなり間延びしてしまいましたが、本稿シリーズをご愛読いただきました皆様、コメントを頂きました皆様には深く感謝申し上げたいと思います。
参考:過去リンク
2021/08/07 05:00 :
2021/05/11 09:30 :
2020/10/25 05:00 :
2020/10/24 05:00 :
2020/10/23 05:00 :
2020/10/22 05:00 :
2020/10/21 05:00 :
2020/10/20 05:00 :
2020/10/19 08:00 :
2020/10/18 05:00 :
2020/10/17 05:00 :
2020/10/16 05:00 :
2020/09/25 05:00 :
2020/07/31 05:00 :
2020/07/30 05:00 :
2020/07/15 05:00 :
2020/07/03 05:00 :
2020/07/02 08:00 :
2020/07/01 16:00 :
2020/06/27 09:00 :
2020/06/25 17:00 :
2020/05/10 09:00 :
2020/03/29 05:00 :
2020/02/03 05:00 :
2020/01/18 08:00 :
2020/01/17 16:30 :
2019/12/27 05:00 :
2019/12/23 05:00 :
2019/12/19 05:00 :
2019/12/07 05:00 :
2019/12/05 05:00 :
2019/12/04 05:00 :
2019/12/03 05:00 :
2019/12/01 05:00 :
2019/11/29 05:00 :
2019/11/28 05:00 :
2019/11/26 13:15 :
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2019/11/14 05:00 :
2019/11/13 05:00 :
2019/11/12 05:00 :
2019/11/11 05:00 :
2019/11/10 05:00 :
2019/11/09 05:00 :
2019/11/08 05:00 :
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
お疲れ様でした。大変楽しく読ませていただきました。
更新お疲れ様です!
読んでて面白かったです。
p.s.
文末がひとつ、
>数字による裏付けが取れるはずで鵜§。
となってました。
大したことではありませんが、社会保険事務所は年金記録問題の際に社会保険庁とともに、日本年金機構(健康保険については全国健康保険協会)と年金事務所に衣替え(ロンダリング?)しています。
貴稿のとおり、相変わらず、そこで働く社員たちは全般的には無能であることに変わりないと思います。また、アルバイトも増えてさらに組織としての無能に磨きがかかっているようです。
私が、公共工事(整備)として取り組んで欲しいもの
とりあえず
①次世代の担い手確保(子育て支援の充実に基づく人口保持)
②自給率工場(工場=法人による農業参入)
③海洋地下資源の開発
④放射能除去装置
⑤宇宙エレベータ
です。
⑥社会インフラのメンテナンスも必要不可欠ですね。
(今後は、スクラップ&ビルドではない気がします)
*****
以前に上記のコメント投稿をさせていただいたのですが、未来に向けての財政出動をするのなら是非とも積極投資をお願いしたいと思います。
③④⑤については夢物語なのかもですが、①②⑥については喫緊の対処事案なのだと思っています。
特に①の事案。国としての体を成すための人口(出生率)を保持したいのであれば、子育て対策にもっと注力してほしいと思います。
例えば児童手当の第3子への支給基準を大幅改定し、子供2人よりも3人の方が楽に生活できるくらいの状況があってもいいのではないでしょうか?
あるいは、子だくさんではなくても晩婚化の抑制(若いお母さんへの手厚い福祉や子育て後の社会復帰保障)を促す仕組みがあれば、社会全体で出生率を押し上げる効果が期待できるのだと思います。
カズ様
①に賛成です
少子化を克服したフランス並みの
政策を日本で実現すると10兆円
かかるとの試案があるそうです
どこからその金を捻出するかが
最大の課題になると思います
日本国内の長期にわたる
コンセンサスが必要になります
日本が世界の中で生き残って
いくには経済力を担保すること
しかないと考えます
日本の先人の方々が命をかけて
築いてくれたこの国を未来に
バトンを渡すために考えなくては
なりません
話はそれますが、桜を見る会ごときで
国会が滞ることが許せません
フランスの出生率は約2%ですが、白人に限ると日本と大差ありません。フランス方式の導入には移民政策の変更がセットで必要となります。
>白人に限ると日本と大差ありません
ああ、そうなんですね。
じゃ、仏の政策は参考になりませんわな。
H様
>どこからその金を捻出するかが最大の課題になる
そんなに深く考えずに内部留保の2割と日銀に開設の当座預金の5%位で高等教育向けの基金を作り奨学金として高等教育を必要とする人間(学生に限らず教授やその他も可能とする)へ出資すればどうでしょうか。
この基金制度を機能させる為に奨学金利用者が知財収入の一部を基金に出資させる様にして知財収入やノーベル賞等の褒賞受賞には「国が」基金出資者全員に何らかの褒賞を与えるシステムにすると良いと思います。
仮に新宿会計士様とコメント主様全員とでお金を出資して奨学基金を作ったとして、その奨学金利用者がノーベル賞を受賞したとすると管理人様だけでなくコメント主様全員とオフィスのバイトさん及び受賞した本人に受賞の感謝状とノーベル賞受賞記念硬貨を送付すると良いのです(笑)。
要は優秀な人材に社会が投資し結果を母体に還元して国家が名誉を与える様にすることで人間がより優秀になる。そういった人間への投資をシステムとして機能させる必要があるのではないでしょうか。
以上です。駄文失礼しました。
デフレが問題なのに消費税増税という誤った対策が続いてきました。
低金利と増税というアクセルとブレーキを踏むような政策がいつまで続くのでしょうか?
デフレスパイラルはこの先も続きそうですね。
それから財務省を始め国の借金が問題だと言っている人が多いのですが国の借金をゼロにした場合金融の世界はどのような状態になるのでしょうかね?
>社会保険事務所の事務処理能力があまりにも低すぎる
全くもって同意します。歳入庁にまとめてほしいです。
細かい話ですが、法令上は、社会保険庁と社会保険事務所は廃止され、
日本年金機構と年金事務所になっております。
事実上は変わっていません。
原因は不祥事であることは明白ですから、事実上も廃止すべきでしょう。
実際、すべてを廃止するのは難しいでしょうが、
せめて、国民の財産を強制的に徴収する権利は与えるべきではないと思います。
有事の円買いについては出所はうろ覚えなのですが、
有事でパニックになった本邦の機関投資家が一斉に外国通貨建ての海外投資を引き上げるから円が買われて円高になるのだ、という意見を見たことがあります
外国人が有事にドルなどの自国通貨を円に替えるから円高になる訳ではない、と言う事らしいです
SEさま
ご記憶のお説で、例えばリーマンショックの時に本邦の機関投資家がアメリカ国債や株式等々を○○ドル売却した、とのデータをお持ちでしょうか。小生は、この時に、三菱BKやSMBCが、或いは本邦の保険会社などが海外金融資産を「大量(保有する30%以上とか)」に放出したとのデータを見た記憶がありません。小生の勉強不足であれば申し訳ありませんが。
また、東日本大震災のときに円高となりましたが、日本の保険会社が保険金支払いの為に「円」が必要となるから海外金融資産を売却して「円」が市場から減少するから、とのもっともらしい論評がありました。しかし、東京海上、損保ジャパン、三井住友海上の損保や日本生命を始めとする生保各社が、実際に売り越したのでしょうか?
今年のJPY/USDは完全にボックス相場になっていますが、多くの証券取引や為替取引にAIが活用され、それこそリスク要因のニュースが世界を駆け巡ると「機械的(自動的)」に売買されてしまいますね。そのロジックは、世界の金融マーケット関係者が、いまだなおJPYの強さ(USDに続き)を堅持しているからの判断、と考えます。
金利の安い円を借りてドルで運用している機関が、有事には手仕舞いのため円を調達するからだ、という説もありましたが。
新宿会計士さま
長らくの連載で有難うございました。データの取得とその整理、作表、作図、そこから導かれる様々な観点からの論述に感心し、小生は、知的好奇心を高揚させ、足りない脳みそをフル回転させながら毎回納得していました。
さて、このようなデータ(事実)に立脚した優れた論説が、ここだけで読まれているのは勿体なさすぎます。多分、新宿会計士さまは、こことは異なる媒体、場所、機会での発表を準備されておられるものと存じます。その折りには、是非ともここに集われる方々に開示いただきたく存じます。
言うまでも無く「数字は生モノ」ゆえ、これからも鋭い分析をお願いいたします。感謝に今後の期待を添えて。
連投失礼いたします。
以前に「MMT現代貨幣理論入門」の読書感想文を投稿したものとして、一言。
①財務省は、主流経済学派とMMTを一緒にして「いくらでも借金してもいい、と言うのは無責任だ」と批判しているように見えます。つまり、財政健全化の御旗の前には、どのような経済理論も受け付けず、主流経済学派もMMT同様にキワモノと言いたいようです。
②クルーグマン教授vsケルトン教授論争で、赤字財政支出をするとクルーグマンは金利が上昇する(常識的です)と言い、ケルトンは金利が低下する!と主張します。一般的に「赤字財政支出」は国債の発行でしょうが、MMTでは政府・中央銀行が発行する通貨すべて(通貨=債務)とのことで、話しがかみ合いません。
③MMTerの中野氏は、主流経済学者の貨幣論は「商品貨幣論」であると決めつけて批判していますが。そのような「主流経済学者」が現代にいるのでしょうか?多かれ少なかれ「信用貨幣論」でありましょうに。
④MMTはハイパーインフレは貨幣量増大により起こるものではないと主張し、ワイマールやジンバブエなど実際その通りです。これはマネタリスト批判ですが、であれば、インフレが過剰にならぬように貨幣量を増大させない、市場から吸い上げる、との金融政策的な主張は矛盾してしまいます。
先日の投稿にも書きましたが、欧米の左派と日本の左派ではMMTの位置づけがネジれています。
アメリカでは、ケルトンが社会主義者とも言えるサンダースの経済政策顧問を努めており、オカシオ=コルテスがMMT支持を主張、イギリスでは労働党党首戦で、MMT論者のマーフィの提案を公約としたコービンが圧勝しています。ところが、もと民主党の方々は財政規律ばかり主張し、MMTをボロカスに批判しています。財務省に忖度しなければならない弱みでも握られているのでしょうかねぇ。なお、山本太郎は賛成しているようですが。
小生がMMT論を不信とするのは、経済学述語の使い方が独特であり、いたずらに主流派とは異なると主張し、「大きな政府でも小さな政府でもMMTは適用される」と言いながらも財政支出拡大に積極的な論説は結局「大きな政府」賞賛でしょう、等々です。なお、日本について「セーフティーネットが不十分」とは、保険も年金も全国民が加入していないアナタから言われたくありませんよと。
日本の場合、夫婦1組あたりの子供の数はここ数十年ほとんど減っていません。
子育て支援策は、ここ数十年あまり変わらなかった夫婦1組あたりの子供の数を増やそうとする政策であり、大変難しいと思います。今までの子育て支援策が少子化の解消につながっていないのも、ある意味当然です。
少子化の原因は子育てのしにくさではなく、未婚率の上昇です。
なので、真の少子化対策は、婚姻率を増加させるための政策となります。
例えば、シンガポールが行っている、政府主催お見合いパーティーなどですが、結果を出すのはなかなか難しいですよね。
新宿会計士 様
数字で見るシリーズ、完結お疲れ様です。
もし既出でしたら申し訳ないのですが、法人税の引き下げと消費税引き上げの関連性について、会計士様はどうお考えでしょうか?
世界的に法人税を昔ほどの高率に設定することは不可能だという風潮(おそらく事実)になっていること自体は理解できます。
昔は、40%、50%は当たり前だったんですね……
単純に(国の)財政健全化のための増税という観点であれば、消費税を引き上げて、それと同時に他の税は据え置く必要があると思うのですが
消費税を引き上げて、法人税を引き下げるのであれば、結局それはお金の徴収元を会社から消費者に付け替えただけで、財政健全化自体には直接影響を及ぼすとは思えない
と最近、ニュースや論考を見ていて思います。
消費増税を財政健全化の旗印に掲げてはいますが、実態は法人税の引き下げに伴う財源確保の代替案なのではないだろうか、と。
財源確保がメインであれば、現在の財務状況が健全かどうかはあまり関係がない……ような気がしますが、これは自分では計算しきれないのでわかりません。
消費者としては納得しづらいのですが、国としてみると反論しづらい(というより他に手がない)ようにみえるのです。
ただ、仮にそうであれば、国債償還のための財政健全化というような本質そらしはやめてもらいたいとも思います。
(もっとも、麻生大臣は消費増税を推していますが、日本の国債について、今まで正確な認識を持っている発言をされています)
消費増税を反対する以上、ここに関しては答えを持っておきたいのですが、明確な答えが見つかりません…
新宿会計士様はどう思われるか、もしよければいつかいつか御論考頂けたらありがたいです。
長文失礼いたしました。
追記
個人的には、よく言われている現在の日本の法人税が世界的に高いか低いかという議論はそれほど意味がないと思っています。
今仮に日本の法人税が低くても、他国が下げてしまえば、比較高率になってしまうし
議論するのであれば、将来の世界的な法人税環境を議論するべきでしょう。
……というのがたぶん財務省のロジックなのでしょうね。
我ながら、気持ち悪い考え方だなと思うのですが……
消費税はもっとあげる必要があるという内外から流れる話も
裏を返せば、「日本はもっと法人税を下げる余地も余力もあります」というような世界に向けたメッセージなのかなあというような気がしないこともないです。考えすぎでしょうか……
これをどうにかするには、国際協調じゃないかと思ったら記事ありますね……
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO51956750Y9A101C1EA1000
日本が輸出立国だ、と言っていた50年前でも、輸出は、GDPの30%程度だった。その時、30%程度で輸出立国?と思っていた。このたかだか30%の輸出を支える為に、国内産業の育成を疎かにしていた。
これが今、GDPが増え無い理由の一つだ。
しかし、この時は、未だ国内に工場がたくさんあった。その後、2000年頃には、輸出依存度は20%程度になっていた。これは、内需が増えたからではなく、工場を根こそぎ海外に移転させ、国内を空洞化させたからだ。
海外工場で製造した物を、第3国にそのまま輸出するからだ。当然、工場のある国の輸出額は増える。
日本には、その企業の決算利益だけがもたらされる。
これが、日本の貿易額が縮小し、貿易黒字額も縮小した理由だ。その一方で、貿易外収支の黒字額は、凄く増えている。
それは当たり前で企業には、株主利益が入るから。
そして、海外生産を前提としているのだから、国内への投資対象が生まれない。
よって、企業の内部留保ばかりが増え続ける。
日本のGDP、国内生産を増やすためのツールであり、雇用の容器である工場を根こそぎ海外移転させてどうやって、国内生産、GDPを増やせるのか?
雇用の容器とは、雇用によって国内にお金が残るからだ。
こういう少し考えれば分かることを、経済学者や、経済官僚や、政治家は分からないらしい。
では何故、日本企業は、工場を海外に移転せざるを得なかったか?
それは、バブルに懲りて、バブルが収まっても、金融引き締めを続けた日銀、財政健全化と言って、財政出動を抑え続けた財務官僚、のおかげだ。
金融を引き締め、有効な財政投資をしなければ、国内経済は縮小するに決まりきっている。
そして今、産業の元が国内にないのだから、日銀がいくら金融を緩め、国債の日銀引き受けをして、市中にお金を注ぎ込んでも、実物経済には染み込まず、投資家という金持ちのストックを増やすだけ。
だから、今、日本の富裕層の数は、世界で5番目に多いと言われる。
ここまで書いて来ると悲しくなって来たので、ここで終了します。
尚、財政投資をしても、政府はお金の使い方が下手だから、投資効果が小さい。
戦後の日本に大きな経済成長が必要だった時の意識で、お金を使おうとする。
今は、ものではなく人に投資すべき時なのに、例えば、奨学金に利子を付け、無償奨学金は、皆無。たかだか、年間3000億円程度なのに。