「日銀は円安止めるために金融緩和やめよ」論の間違い

国際収支のトリレンマを理解していない人が多いのは困りものです。というのも、「日銀は円安を止めるために金融緩和をやめるべきだ」、などとする記載を見かけることも多いからです。ただ、改めて指摘しておきますが、日銀の金融緩和は円安誘導を目的としたものではありません。あくまでもデフレ脱却などを目的としたものです。その基本事項を念のために確認しておきましょう。

円安が日本経済に良い影響をもたらす理由

輸出、輸入、輸入代替効果

当ウェブサイトでは常々、「円安は『現在の』日本経済には、『総合的に見て』、良い影響をもたらす」と指摘しているつもりです。

先日の『【総論】円安が「現在の日本にとっては」望ましい理由』でも指摘したとおり、円安には良い面、悪い面双方がありますが、少なくとも、次の「輸出競争力」、「輸入購買力」、「輸入代替効果」、「資産効果」、「負債効果」という、大きく5つの効果をもたらすことについては、認識しておく必要があります。

①輸出への好影響

まずは、輸出への好影響です。

物流コストや関税などを無視すれば、1ドル=100円の時代だと日本国内で100万円で売られている自動車は外国で1万ドルですが、これが1ドル=200円の時代になれば、外国では5000ドルに値下げしても、企業としては、日本国内で100万円で売ったのと同じ利益を得ることができます。

②輸入への悪影響

その反面として、輸入には悪影響が生じます。

同じく海外で1万ドルで売られている自動車は、1ドル=100円の時代だと、日本国民は100万円で買えたものが、1ドル=200円の時代になってしまえば、200万円を出さなければ買えなくなってしまいます。自動車だけでなく、ありとあらゆる輸入品価格が上昇することになります。

③輸入代替効果

ただし、輸入品の価格が上がれば、その分、国産品が売れるようになります。これが輸入代替効果です。

100万円の国産車は1ドル=100円の時代だろうが、1ドル=200円の時代だろうが、100万円のままです(厳密には原料費が円安で値上がりしますが、その議論は省略します)。しかし、1万ドルの外車は、1ドル=100円の時代ならば日本車と同じ100万円ですが、1ドル=200円なら200万円です。

もしも100万円の国産車と1万ドルの外車の性能がほぼ同じなら、よっぽど「その外車が好き」という人でもない限りは、国産車を買うのではないでしょうか。一般に同じような性能でも、海外製品よりも国産品の方が割安になるからです。

資産効果と負債効果を無視していませんか?

上記のうち①、②については多くのメディアなども引用しているものですが(不思議なことに③についての言及は不十分ですが)、次の④、⑤については、あまり多くのメディアがあまり引用しないところです。

④資産効果

さて、「悪い円安」論者が敢えて無視するのが、円安で外貨建資産の価値が増えるという「資産効果」です。

1ドル=100円の時代に10億円を1000万ドルの外貨に両替して外国有価証券を購入すれば、1ドル=200円の時代になると、この有価証券の時価が1000万ドルのままだったとしても、その1000万ドルの円換算額は20億円に膨らみます。

売れば大儲けですし、売らずに保有しているだけでも構いません。受け取る利息や配当金の額が同じだったとしても、それを円換算したら倍増するからです。

⑤負債効果

その一方、同様に無視できないのが、負債効果です。

1ドル=100円の時代に外国の銀行から1000万ドルを借り入れた場合、借金の額(将来返さなければならないカネ)は10億円ですが、1ドル=200円の円安になれば、借金は20億円に膨らんでしまいます。

円安になれば外貨建ての負債が膨らみますので、円建てで見て「返さなければならない金額が増える」ことになり、為替ヘッジなどをしていなければ、為替差損を計上せざるを得なくなります。

総括表で確認しておく

では実際のところ、この①~⑤の効果、日本経済にはどう働くのか――。

何度も説明するのは疲れるので、表にまとめました(図表1)。

図表1 円安は現在の日本にどういう効果をもたらすか
項目具体的な判断情報源
①輸出競争力日本の輸出額は100兆8817億円、うち8割は工業製品、とりわけ「モノを作るためのモノ」財務省『普通貿易統計』による2023年1~12月の累計値
②輸入購買力日本の輸入額は110兆1711億円、うち40%が軽工業品やPC/スマホ、25%が鉱物性燃料財務省『普通貿易統計』による2023年1~12月の累計値
③輸入代替効果川下産業が復活するまでは十分に働き辛い
④資産効果日本の銀行の外国に対する投融資の額は5兆0435億ドル国際決済銀行『国際与信統計』の最終リスクベース・2023年12月末時点
⑤負債効果日本企業などが外国の銀行から外貨で借りている額は606億ドル程度国際決済銀行『国際与信統計』の所在地ベース・2023年9月末時点

(【出所】当ウェブサイト作成)

総合的に見て日本経済に良い影響

このうち①~③については、短期的には日本経済に打撃を与える反面、中・長期的には日本経済に大きな恩恵をもたらす可能性があります。

端的にいえば、①と③は即効性がなく、②については即、輸入品物価を押し上げて庶民の生活に打撃を与える可能性があるものです。現在の日本はかつてと異なり、「最終製品の輸出大国」ではないため、せっかくの円安にもかかわらず、無制限に輸出が伸びていくという状況にはないからです。

ただ、それと同時に日本には「川上産業」がしっかりと残っています。労働力不足や電力不足など、解決されるべき問題もあるにせよ、もしも円安が長期化すれば、「川下産業」が日本にも復活し、国産品に対する需要が伸びることで輸入が減少し、輸出が増え、日本経済がさらに強く復活していく可能性が濃厚です。

続いて④、⑤についても重要です。

そもそも日本の金融機関は昨年末時点で5兆ドルを超える国際与信を抱えていて(※最終リスクベース、2023年12月末時点)、そのうちの少なくとも半額以上は外貨建てであろうと考えられます(※ただし、国際与信統計だけではその正確な比率はわかりませんが…)。

円安によって日本の金融機関にはかなりの含み益が生じているものと考えられますし、また、2022年末で2兆ドルを超えているとされる日本企業の海外企業に対する投資持分からも、かなりの含み益が生じているはずです(※一般に、企業会計上はHR換算されますが…)。

しかし、日本の企業などが外国から借りている資金は1兆ドル少々に過ぎず、しかも(比較のベースは異なりますが)「日本円以外」の借入金はせいぜい数百億ドルから数千億ドルレベルであり、円安による「負債効果」は、「資産効果」に対し、本当にごくわずかです。

もちろん、『また出た「悪い円安論」…どうしてTVは悲観的なのか』などでも指摘したとおり、「円安が日本経済に打撃をもたらしている」という証拠はたくさんあるわけですが、それらは個別的な事象ばかりであり、円安が日本経済にもたらす影響を包括的に考察したものではありません。

というよりも、上がってくる「悪い円安」の証拠を見ていると、それは「初期には悪い影響も生じるが、やがて川下産業が復活して輸出が増え、輸入代替効果も働いてくる」、という仮説を覆すものではありません。

繰り返し指摘している通り、とある読者の方に言わせれば、当ウェブサイトは「円安教」という宗教の総本山なのだそうですが(笑)、その「円安教」の教義が実現するためには、少なくとも①円安が長期化すること、②労働力不足の問題が解決すること、③電力不足の問題が解決すること――の3つが必要です。

ごく一部の方は非常に短絡的に、当ウェブサイトのスタンスを「良い円安論」だと誤解なさっているようですが、べつに当ウェブサイトとしては、円安を無条件に礼賛しているつもりはなく、最初から一貫して「円安には良い面と悪い面がある」、「総合的・長期的に見れば良い効果の方が大きい」と申し上げているだけです。

(※なお、どうでも良い話ですが、「円安が中小企業に対して悪影響をもたらしている」、などとする読者コメントもありましたが、なにかそのようなデータでもあるのでしょうか?輸出やインバウド産業などでは中小企業にも恩恵が及んでいる事例も数多あるのですが…。謎です。)

改めてトリレンマを確認しよう

「トリレンマ」を覚えていますか?

ただし、当ウェブサイトを長年ご愛読いただいている皆さまであればご承知おきのことと思いますが、当ウェブサイトでは「円安は『現在の』日本経済に良い影響を与えている」とは申し上げていますが、金融緩和の目的が為替誘導にある、などと申し上げたことはありません。

最近、ネットのニューズサイトに配信される大手新聞・テレビなどのメディアが配信する記事、あるいはそれらに対する読者コメントなどを眺めていて不思議に思うのは、「円安を食い止めるために利上げをすべきだ」、などとする記述が相次いでいることです。

これまでに当ウェブサイトでは何十回、いや、何百回となく指摘してきたとおり、著者自身が「国際収支のトリレンマ」と呼んでいる原理があります。「原理」というよりも「誰にも絶対に破れない掟(おきて)」、とでも表現すべきでしょうか。

これは、「資本移動の自由」、「金融政策の独立」、「為替相場の安定」という3つの政策命題のすべてを同時に達成することが「絶対に不可能」である、とする鉄則です。

国際収支のトリレンマ

「資本移動の自由」、「金融政策の独立」、「為替相場の安定」という3つの政策命題のすべてを同時に達成することは絶対に不可能であるとする国際金融の鉄則

  • ①資本移動の自由…国境をまたいだ投資・資金の移動などの自由が保証されている
  • ②金融政策の独立…金融政策はその国の裁量で好きに決定することができる
  • ③為替相場の安定…自国通貨と外国通貨の交換比率(為替レート)が安定している

(【出所】当ウェブサイト作成)

採用する政策と諦める政策がある

このトリレンマについては『【総論】具体的な事例でみる「国際収支のトリレンマ」』などでも指摘したところですが、改めてざっと整理しておくと、図表2図表3のような具合です。

図表2 達成すべき3つの政策目標

©新宿会計士の政治経済評論/出所を示したうえでの引用・転載は自由

図表3 採用する政策と諦める政策

©新宿会計士の政治経済評論/出所を示したうえでの引用・転載は自由

具体的には、①のパターンの国は日本、米国、英国、スイス、豪州、ニュージーランドといった先進国、②は香港とデンマーク、そして③は中国などの新興市場諸国があります(図表4)。

図表4 具体的なパターンと事例
パターン 具体例
①、②を採用し③を捨てる①資本移動が自由で②金融政策が独立なら、金融政策に応じて資本が自由に移動するため、③為替相場は不安定化する日本、米国、英国、スイスなど
①、③を採用して②を捨てる①資本移動が自由で③為替相場を安定させるためには、ペッグする通貨と金融政策を一致させるしかなく、②金融政策の独立は放棄せざるを得ない米ドルに対する香港ドル、ユーロに対するデンマーク・クローネ
②、③を採用して①を捨てる②金融政策が独立していながら③為替相場を安定させるためには、資本の自由な移動を規制するしかなく、①資本移動の自由は放棄せざるを得ない中国などの発展途上国・新興市場諸国

(【出所】当ウェブサイト作成)

スイスの事例は大失敗…日本も為替介入は限定的

もちろん、稀にこの「トリレンマ」に逆らう国も出てきます。

以前の『「国際収支のトリレンマ」に逆らった国・スイスの末路』でも取り上げたスイスの事例がその典型例で、スイスは①資本移動の自由と②金融政策の独立を維持したままで、自国通貨・スイスフランのユーロに対する高騰を防ぐため、2011年9月に「1ユーロ=1.20フラン」とする下限を張りました。

この防衛線は、1ユーロ=1.20フランを割り込みそうになった場合、スイスフランを市場に放出してユーロを買い入れるという、典型的な「自国通貨売り介入」でしたが、3年3ヵ月ほど続けたところで市場へのフラン供給量の激増にスイス中銀が耐えられなくなり、2015年1月に突如としてこの目標が放棄されました。

その影響で、スイスフランはたった数時間で何十パーセントも為替相場が乱高下するなどの「スイスショック」が発生したのですが、これなどトリレンマに逆らえなかったという典型的な事例でしょう。

日本もかつて、円高を抑制するための為替介入(円売り・ドル買い)を積極化させていた時期がありましたが(そのためでしょうか、外貨準備残高は2023年12月末時点で183兆円に達しています)、現在では基本的によっぽどのことがない限り、為替介入は行っていません。

財務省『外国為替平衡操作の実施状況』のページでは1991年以降の為替介入実績が公開されているのですが、これによると2011年11月4日に「米ドル買い・日本円売り」(3062億円)が行われて以降、2022年9月21日まで、為替介入はただの1度も行われませんでした。

また、ここ数年で為替介入が行われたのは、2022年9月22日の2兆8382億円、同10月21日の5兆6202億円、24日の7296億円の3回(※いずれも「米ドル売り・日本円買い」)、トータルで3回の6兆3499億円分ですが、逆に言えば、日本政府による為替介入は、かなり限定的である、ということです。

(※なお、日本は外貨準備を管轄しているのが日銀ではなく財務省であるため、為替介入を実施した主体も日銀ではなく財務省です。某匿名掲示板だと「日銀砲」、などと記載されていることもありますが、これは正しくありませんのでご注意ください。)

為替相場誘導は政策目標ではない!

逆にいえば、自国通貨を米ドルとペッグ(固定)している香港などと違って、日本の場合は「為替相場の安定」は第一義的には政策目標ではありません。もちろん、急激な為替変動には「注視している」、などと牽制するのは通貨当局としての常ですが、よっぽどの変動でもない限り、為替介入はしないのです。

じつは、これが大変重要なポイントです。

くどいようですが、日本は①資本移動の自由と②金融政策の独立を重視しており、③為替相場の安定(円高誘導や円安誘導など)については政策目標ではないのです。

ちなみに一部のニューズメディアの記事や読者コメントなどを見ていると、「円安を食い止めるために、日銀は利上げをすべきだ」、などとする主張を見かけることが増えてきたのですが、不勉強にもほどがあります。

そもそも論ですが、日本(や米国、英国、ユーロ圏、スイス、カナダ、豪州、ニュージーランドなどの先進国)では、「為替相場の安定」は政策目標には入っておらず、金融政策は各国が独自に決定していて、為替相場が動いても動かなくても「関係ない」のです。

この点を理解していないからこそ、「円安を防ぐために利上げしろ」などという、じつにトンチンカンなコメントを見かけるのです。

日銀が保有している国債?放っておけ!

ちなみに日銀が金融緩和を止めて保有している国債を売却したり、利上げしたりすれば、たしかに円安は止まる可能性が高いです(※ただし、為替相場は市場参加者の思惑などによっても動くため、「日銀が利上げしたら直ちに円高になる」というほどに単純なものではありませんが…)。

しかし、為替相場を見ながら金融政策を決定するというのは、少なくとも日米英欧などの先進国では「あり得ない話」です。

日銀の場合も、金融緩和の目的はデフレ脱却と2%前後のインフレを達成することにあり、逆に、その目的が達成されれば、日銀は金融緩和を終了するものと考えられます。

また、以前の『日銀「国債損失」限定的:ETFの含み益がそれを凌駕』でも指摘したとおり、日銀が保有している600兆円近い国債も、日銀が新規の国債買い入れを止めるだけで、あとは放っておけば5年以内に半額が、10年後には8割が償還されてしまいます。

すなわち、日銀のウェブサイトによると3月末で日銀が保有している国債の残高(おそらくは時価ベース)は577兆3003億円ですが、そのうちの8割が2033年までに償還されることがわかります(図表5)。

図表5 日本銀行が保有する国債の償還年(2024年3月29日時点)
償還年金額構成割合
~2024年51兆7174億円8.96%
2025年~28年244兆5954億円42.37%
2029年~33年181兆0625億円31.36%
2034年~43年59兆7072億円10.34%
2044年~63年40兆2178億円6.97%
合計577兆3003億円100%

(【出所】日銀・銘柄別データをもとに集計)

いずれにせよ、「円安が日本経済を毀損している」などと考えるのも自由ですし、そのように主張するのも自由ですが、そう主張なさるのであれば、なぜ円安が日本経済全体にとって悪いことなのか、少なくとも本稿を含め当ウェブサイトで示してきた5つの理由に照らして論破していただきたいと思う次第です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

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読者コメント一覧

  1. sqsq より:

    円安のメリットに「連結決算で海外子会社、関連会社の成績の円換算が大きくなる」というのも付け加えたい。
    代表的な例が日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社のコンテナ部門を統合してシンガポールに設立したOneという会社。2年続けて純利益2兆円。3社の連結決算に大きく貢献し巨額の配当を日本に送金している。
    日本企業で純利益2兆円を達成したことのあるのはトヨタ以外にないはず。しかもトヨタの2兆円は全世界ベース。Oneは1社で2兆円。

  2. 引っ掛かったオタク より:

    “ザイム真理教”の影響下にあると観られる岸田政権下では望みは無さそうですが…
    実質賃金の目減りへの手当てと消費意欲減衰への対応策として、コチラも譲りに譲って「消費税軽減税率を3%に再設定」くらいのでもぶっこんでくれんやろか…

  3. 引きこもり中年 より:

    円安を止める方策を何か言わなければならないので、日銀に金融緩和をやめるように主張しているのではないか。(もちろん、その効果だか分かりませんが、そのタイミングで円安が止まることもあります)

  4. 匿名 より:

    円安で製造原価上昇、値上げ、消費萎縮、売上数量減少、生産ダウン、製品当たり固定費上昇、更に値上げ、更に消費萎縮、安価品へ移行。
    大手は知らんが中小は固定費圧縮に懸命で昇給無しか、物価上昇にとても追いつかない程度の雀の涙。
    実質収入が伸びない、生活が楽にならないのに、日本経済にとって良い。
    なるほど、中小に勤めている3200万人、日本の労働者の7割には共感は得られないですね。勿論年金生活者にも。

    1. 匿名 より:

      この人、ニュース見てないのかな。
      中小企業、パート、バイトに賃上げの波
      https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB13D9P0T10C24A3000000/
      年金生活者なら
      「年金 物価スライド」
      でググってみたら?

  5. 元雑用係 より:

    客観的な分析結果として日本経済に総合的にメリットが多いというだけであって、好みの問題じゃないんですが、その結論を揶揄する人達は、論理を曲げて「円安は望ましくない」と言って欲しいのかな?
    ②に該当する人々が円安を望まないのはそりゃそうだろうと思います。でも、望む望まないの話ではないのに。

    確かに、新宿会計士さんが「円安は望ましくない」とおっしゃれば、円安進行が止まるかも知れませんが。
    (ヾノ・∀・`)ナイナイ

    政策目的でないということは、「円安はけしからん」と言っても無駄なんですよね。急激な変動への手当は別として。聞いてくれる人がいない、訴える先がない、です。
    況んや日銀でもない人が「「中・長期的には」日本経済に大きな恩恵をもたらす可能性」と言ってることに文句をつけてもほとんど何の意味もない。溜飲は下がるかな?

    まあでも、マスコミの悪い円安論にしても、ネット上で見かける円安怨嗟のお気持ち表明にしても、円安を意図的に作り出している誰かに対してのはたらきかけ、の意図があるように見えるんですよね。
    実は為替レートが民主的に決められるような、何か見えない構造があったりするんでしょうかね。ならば「声を上げなきゃ」というのもわかります。

    1. 元雑用係 より:

      とは言え、例えば首相の頭に「悪い円安世論」がインプットされれば、日銀の金融緩和終了決定を後押しする環境整備にはなったりするでしょうし。
      植田総裁が「金融緩和やめます」というと「(まあ関係ないけど円安も悪いし)どうぞどうぞ」と言う人が増えますので。
      金融緩和に反対したい人は環境作りとしての悪い円安論を利用するかもですね。

  6. しおん より:

    ほめたり、教えたりすることより叱ることのほうが簡単です。

    ほめたり教えたりすることは、物事をちゃんと理解していないとできないですが、叱ったり怒ったりすることは、何も考えずに大声を出せばよいからです。

    マスコミは長年の間、自分たちが批判された事が無く言いたい放題をしてきたので、「物事を検証して適切な意見を言う」という手間がかかる事を全くできなくなってしまっていると思います。

    その結果、ネット環境の普及で自分たちの不手際を鋭く指摘されるようになっても自浄作用が働かず、「エビデンスで殴るな」などと言い出す始末です。

    ですので、頓珍漢な意見がマスコミ上に出てくるのはオールドメディアの断末魔みたいなものだと思ってます。

  7. naga より:

    円安は景気がもっと良くなってGDPも増えて円の需要が増えて円高になってゆく、ということしかないと思います。
    今朝私の見たマスコミ(TV)では「海外旅行で費用がかかり大変・・・海外旅行もしたいですよね」、「日本で働いている外国人(この時の例ではフィリピン人)が母国の家族への送金が目減りして大変・・・かわいそう」「物価が上がった」その他を情緒たっぷりに報道していましたが、無理に円高に誘導して以前のような物価が上がらないけれど給与も上がらず、解雇も増えるような状態がいいのでしょうかね。

  8. 元雑用係 より:

    円安ではなくて金融緩和の話。
    金融緩和が逆行して国債利回りが上がると嬉しい人は金融系は多いといわれてますね。

    少し前に、生保は30年債利回りが1.8%を越えれば大量購入する意向だと聞きました。
    過去の販売済み商品(庶民が契約してる貯蓄性保険)の予定利回りが高く、今は為替リスクのある外国証券の運用比率が高いそうですが、30年債が1.8%を越えてくると切り替えメリットが出てくるのだそうです。為替リスクが無くなり運用リスクがぐっと減るので生保の経営は安定します。予定利率の苦しさは生保数十年来の課題だったそうで、今がそれを解消できるときなのだそうです。
    先日の日銀の緩和方針変更以降国債利回りは上がり続けていて、4月に入って1.8%を越えてきました。円安の今、外国証券を売り逃げして日本国債に切り替えられれば最高でしょう。
    生保ニッコリだと思います。(多分、天下り元のZさんも)

    金融系は置いといて、2012年から続けた金融緩和、インフレ達成の後にようやく賃金上昇の果実をえられようかという今、金融緩和を逆行させるなんてちょっと考えられないです。
    「内外価格差で利益ガー」以前にモノが売れなくなって売上げが減ったらそれどころでもなくなるし。内需企業とか特に割を食いそうです。
    今の円安は金融緩和の副産物セットでついて来るので、円安を忌み嫌うが余り金利上昇を受け入れてしまえば、元の木阿弥になっちゃうかもしれないんですよね。

    陰謀論を述べるつもりはありませんけど、マスコミが合理的に説明の付かない「悪い円安論」を報じる理由がよくわからないことへの疑問は、常に頭の隅に置いておきたいものです。
    2009年の政権交代の悪夢もマスコミに踊らされた人々によるモノである可能性が高いそうですし。

    1. ぴよすけ より:

      > マスコミが合理的に説明の付かない「悪い円安論」を報じる理由がよくわからないことへの疑問は、常に頭の隅に置いておきたいものです。

      そうなんです。
      2022年12月に公開された独立行政法人中小企業基盤整備機構による「中小企業における円安の影響 に関する調査 」によると、円安の影響は

      デメリットの方が大きい : 50.6%
      メリットとデメリットは同じ程度 : 11.2%
      特段の影響はない : 26.7%
      わからない : 7.0%
      メリットの方が大きい : 4.5%

      とのこと。
      https://www.smrj.go.jp/research_case/questionnaire/fbrion0000002pjw-att/enyasu_point.pdf

      中小企業の半数弱は円安のデメリットの方が大きいとは回答していないのですが、これが報道になると「円安で中小企業が苦境に喘ぐ」になり「円安の恩恵を受けるのは大企業や富裕層に限られ、中小企業や庶民にはデメリットだけ」もチラホラ。

      メディアの方々が掛けているメガネを通して見るとそう見えるのか、それとも、意図的に構図をすり替えているのか、モヤモヤします。

      中小企業経営者でも「今はかつてないビジネスチャンスに恵まれている」と仰る方もいらっしゃるのに、こういう声は取り上げないですよね。https://mitsudenshi.co.jp/8139/#i-5

      ここでも「報道しない自由」発動かな?

      1. 元雑用係 より:

        大変興味深い資料のご紹介、ありがとうございました。

        既存の企業のアンケート結果が、そのまま中長期の日本経済全体への影響評価とはイコールではないと思いますが、少なくとも円安はデメリットが中小企業の総意ではないことは明らかで、デメリットばかりを取り上げるマスコミが偏向しているとは言えると思います。

        2022年11月というと日銀の介入があった後、まさに急激な円安が進行している最中で、ある意味最も厳しい時期だったと思います。それでも、デメリット大と答えた企業が意外と少ないのだと思いました。
        デメリットの内訳に「燃料価格の上昇」が相当数含まれています。純粋な円安効果とは区別されるものもありそうです。

        図表5・円安進行に伴う対応策で「取れる対応策がない」が37.1%、厳しいですよね。
        図表7にある対応策の「補助金を受ける」「価格転嫁」「仕入れの見直し」等で対処できない環境におかれた企業ということなのでしょう。

        円安の悪影響でご苦労されている現場の方々には、私なんぞからおかけできる言葉はありませんが、個別論は全体論の中では一要素として捉えるしかないです。
        ご紹介の御津電子の例などでも明らかで、個別論の事情は各企業それぞれなんですよね。
        そして全体論の中では企業の淘汰や産業構造の変更も含まれるわけですし、既存の企業の全ての思いとは必ずしも合致しないと思います。

      2. 元雑用係 より:

        マスコミの偏向についてのご返信をいただいたのに的がずれてしまいました。
        失礼いたしました。
        いずれにしても、資料をありがとうございました。

        掲載先を確認しましたが、昨年は調査していないんですね。
        今調査すれば時間も経過して対策も進んでいるはずですし、もっとデメリット割合が減るような気がします。

      3. はるちゃん より:

        独立行政法人中小企業基盤整備機構による調査結果はおかしな結果ですね。
        プラザ合意後の円高不況で多くの中小企業が倒産したことを忘れてしまったのでしょうか?
        それとも、マスコミの印象操作に洗脳されてしまったのでしょうか?
        円高不況では、大手企業や中堅企業は工場の海外移転で対応しましたが安くなった海外製品に顧客を奪われた多くの町工場が廃業に追い込まれました。
        自称某経済新聞社も円役のデメリットばかり記事にしています。
        円安は日銀の低金利政策が原因だとしつこく言っていますが、隣の国のように為替相場をみながら中央銀行が金融政策を行っている国と一緒にしないでもらいたいものです。
        汚鮮が進んでいるのかも知れませんが。

      4. はるちゃん より:

        テレビや新聞などのマスコミはプラザ合意後の円高不況で多くの中小企業が倒産したことを忘れてしまったのでしょうか?
        円高不況では、大手企業や中堅企業は工場の海外移転で対応しましたが安くなった海外製品に顧客を奪われた多くの町工場が廃業に追い込まれました。
        自称某経済新聞社も円役のデメリットばかり記事にしています。
        円安は日銀の低金利政策が原因だとしつこく言っていますが、隣の国のように為替相場をみながら中央銀行が金融政策を行っている国と一緒にしないでもらいたいものです。
        汚鮮が進んでいるのかも知れませんが。

  9. 野良黒伍長 より:

    いつもお疲れ様です。
    このトリレンマ、経済評論家の上念司さんも解説されていましたね。「あぶはち取らず」や「二兎を追う者は一兎をも得ず」というようなことが経済の原則としてあるとは。
    昔、円ドルが1$=360¥だった時期があるらしいですがその頃は優先目標が違っていたのですかね。
    そしてテレビ…バカの一つ覚えのように食料品などの物価高をわめいてましたが、今度は他国からの観光客のみなさんを引き合いに出して…とかでしょうかね。
    まぁテレビや新聞なんて、敵国の工作機関としか思ってませんから(笑

  10. DEEPBLUE より:

    今まで何度も景気の腰しか折っていない大蔵/財務省ですから、今回も最悪の決断をする可能性がある訳で・・・

  11. はるちゃん より:

    独立行政法人中小企業基盤整備機構による調査結果はおかしな結果ですね。
    プラザ合意後の円高不況で多くの中小企業が倒産したことを忘れてしまったのでしょうか?
    それとも、マスコミの印象操作に洗脳されてしまったのでしょうか?
    円高不況では、大手企業や中堅企業は工場の海外移転で対応しましたが安くなった海外製品に顧客を奪われた多くの町工場が廃業に追い込まれました。
    自称某経済新聞社も円役のデメリットばかり記事にしています。
    円安は日銀の低金利政策が原因だとしつこく言っていますが、隣の国のように為替相場をみながら中央銀行が金融政策を行っている国と一緒にしないでもらいたいものです。
    汚鮮が進んでいるのかも知れませんが。

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