数字で見る、「中韓は日本経済にとって不可欠」の真相

数字で読む日本経済』シリーズを始めてみようと思ったきっかけは、「国の借金が多すぎるのが問題」だの、「日本は輸出立国」だのといった議論が、数字を無視して展開されていることに強い違和感を抱き続けたことにあります。なかには、「ちょっと調べたら誰にでも簡単に確認できる資料」の確認を怠ったばかりに、非常に間違った結論になっているケースもあるのですが、こうした「基礎的な資料を無視する」というのは困った話だと思います。

近隣国との関係を数字で抑える

数字で読む日本経済』シリーズ、終盤に入っているのですが、以前当ウェブサイトでも議論した対外直接投資やBISの国際与信統計をベースに、日本と中国、あるいは日本と韓国の関係の「実際のところ」を読んでおきたいと思います。

ただし、本来ならば「ヒト・モノ・カネ」(ヒトとは人的往来や居住者数、モノとは貿易高など、カネとは対外直接投資と国際与信統計)という側面から眺めておきたいのですが、1回で終わる分量ではありませんので、今回も2つ以上に分けて議論したいと思います。

カネの統計

カネの統計にはいくつかの種類がある

本稿では、まずは「カネの流れ」から見ていきましょう。

以前、『日本は世界最大の債権国だが、手放しに喜べない理由も』のなかで、日本が世界最大の債権国である、という事実を数字に基づいて議論したことがあります。

「日本が外国にいくらおカネを貸しているか」については、統計の取り方によって金額にもかなりの幅がありますが、いちばんわかりやすいのは資金循環統計をベースに眺める「日本から海外への投資」ではないでしょうか(図表1)。

図表1 日本から海外への投資(海外部門の負債)(2019年6月末時点、速報値)
項目金額構成割合
対外直接投資176兆0340億円16.57%
対外証券投資606兆7469億円57.11%
貸出153兆2017億円14.42%
その他126兆4892億円11.91%
合計1062兆4718億円100.00%

(【出所】日銀『データの一括ダウンロード』のページより『資金循環統計』データを入手して加工)

これで眺めていると、日本国内から外国への投資残高は1062兆円に達しています。その一方、外国から日本への投資残高は699兆7058億円ですので、日本から外国への純債権は362兆7660億円に達しているのです。

ちなみに日銀『資金循環統計の解説』によると、「対外直接投資」とは本邦の企業が外国企業の支配を目的に投資している株式等のことであり、製造業などが外国に生産拠点を作るために、現地に子会社を作るようなケースを考えればわかりやすいでしょう。

また、「対外証券投資」は、日本の金融機関、保険・年金基金、財務省・外為特会、社会保障基金などが運用目的で取得する外国の有価証券のことですが、カネ余りの日本の金融機関などが米国債などに投資する、というようなケースがその典型例です。

金融機関に絞った統計がBIS統計

一方で、国際決済銀行(BIS)が公表する『国際与信統計』(Consolidated Banking Statistics, CBS)によれば、日本の金融機関が外国に貸している金額は(所在地ベースで)4兆4752億ドルに達しています(図表2)。

図表2 国際与信・国別残高(2019年6月末時点、金額単位:百万ドル)
所在地ベース最終リスクベース
日本4,475,2094,427,093
米国3,655,8813,655,614
英国3,642,6792,989,783
フランス3,117,5513,117,456
ドイツ2,227,7302,234,153
カナダ1,879,8651,876,774
スペイン1,833,4731,828,101
スイス1,436,3351,394,822
オランダ1,354,306701,811
イタリア844,850849,896
その他4,427,8005,802,043
報告国合計28,895,67928,877,547

(【出所】CBS『B2-S』より著者作成)

1ドル=110円だと仮定すれば、日本の金融機関は外国に約492兆円もの巨額のカネを貸しているという計算ですね。

ここで、図表2の金額は、金融機関が外国の企業や公的セクターに対して貸しているおカネであり、貸出金や債券などが含まれるため、図表1でいえば「貸出」「対外証券投資」に項目に対応しますが、この図表1と図表2の数値は、まったく一致しません。

その理由としては、

  • 図表1で示した金額は国内勘定のみを集計対象としている一方、図表2で示した金額は(最終リスクベースについては)海外勘定も集計対象としているため
  • 図表1で示した金額には金融機関だけでなく、保険会社、社会保障基金、外貨準備などが保有している対外債権なども含まれている一方、図表2で示した金額には金融機関のものしか含まれていない

などが考えられますが、要は集計するロジックが違っているからだと考えれば良いでしょう。

中韓との関係の実際

対外直接投資残高を眺めてみた

次に、おもなカネの流れを見ていきましょう。

まずは対外直接投資です(図表3)。

図表3 対外直接投資残高の主要国別内訳(金額単位:百万ドル)
相手国2018年末全体の比率
米国503,93730.62%
英国163,4989.93%
オランダ132,7568.07%
中国123,7757.52%
シンガポール78,5194.77%
タイ68,9724.19%
オーストラリア66,8334.06%
ケイマン諸島47,0382.86%
韓国39,1472.38%
香港33,0042.01%
北朝鮮(不明)(不明)
その他388,39023.60%
合計1,645,868100.00%

(【出所】ジェトロ『直接投資統計』より著者作成)

図表3はドル表示であり、かつ、2018年末時点なので、図表1で示した2019年6月末時点の対外直接投資の額(176兆0340億円)とは、ピタリとは一致しません。しかし、約1.6兆ドルを1ドル=110円で換算すれば181兆円になるので、だいたい一致しています。

内訳をみると、中国に対する対外直接投資残高は1238億ドル(約13.6兆円)で、日本の対外直接投資全体に占める比率は7.52%ですが、これを多いと見るか少なくと見るかは微妙です。

安価な労働力を武器に、「世界の工場」として急成長してきた中国は、いまや名目GDPで見て米国に次いで世界2番目の経済大国でもありますし、そんな中国に近接する日本が、中国に対して1238億ドルしか投資していない、という見方もできます。

韓国に至ってはトータルで391億ドル(約4.3兆円)で、日本全体の対外直接投資に占める割合は2%ちょっとに過ぎません。

つまり、中韓よりも、米国や英国、オランダ(EU)への投資額の方が多いのです。

もっとも、中国の場合は香港を経由して投資しているという可能性もありますが、香港への投資額自体330億ドル(約3.6兆円)に過ぎません。

さらには、中国や韓国への直接投資はケイマン諸島などのオフショアを経由している可能性もあるのですが、そもそもケイマン諸島への投資額も470億ドル(約5.2兆円)に過ぎませんし、それらのすべてが中韓に向かっていると考えるのも不自然でしょう。

(※ちなみに北朝鮮についての項目はないのですが、おそらく限りなくゼロに近いのだと思います。)

CBSから見る投資額

同じことは、国際与信統計についてもいえます(図表4図表5)。

図表4 日本の金融機関が貸している相手国(所在地ベース、2019年6月末、金額単位:百万ドル)
相手国所在地ベース構成比
米国1,535,90634.32%
ケイマン諸島805,68218.00%
フランス207,9834.65%
英国202,2974.52%
ドイツ112,2962.51%
オーストラリア131,6672.94%
タイ104,2722.33%
ルクセンブルク166,8803.73%
中国73,6961.65%
香港84,6431.89%
合計4,475,209100.00%

(【出所】日銀『BIS国際資金取引統計および国際与信統計の日本分集計結果』より著者作成)

図表5 日本の金融機関が貸している相手国(最終リスクベース、2019年6月末、金額単位:百万ドル)
相手国最終リスクベース構成比
米国1,720,28240.03%
ケイマン諸島603,90914.05%
フランス217,2415.06%
英国202,9144.72%
ドイツ136,4213.17%
オーストラリア122,9892.86%
タイ97,3622.27%
ルクセンブルク94,7682.21%
中国77,1741.80%
香港75,3141.75%
合計4,296,968100.00%

(【出所】日銀『BIS国際資金取引統計および国際与信統計の日本分集計結果』より著者作成。なお、「最終リスクベース」にはデリバティブ、支払承諾、コミット未履行額を含まない)

これで見てみると、所在地ベース、最終リスクベースのいずれにおいても、日本の金融機関の国際与信に占める中国向け、香港向けの割合はきわめて低いことが確認できます。韓国向けにいたっては上位10ヵ国に入って来ないほどです。

なお、「最終リスクベース」統計をもとに本邦金融機関のアジア向けの融資だけを列挙すると図表6のとおりですが、中国向けは772億ドル(約8.5兆円)、韓国向けは561億ドル(約6.2兆円)と、いずれも日本の金融機関の国際与信に比べればきわめて少ないのが実情といえるでしょう。

図表6 アジア向けの最終リスクベース与信(2019年6月末、金額単位:百万ドル)
相手国金額比率
タイ97,3622.27%
中国77,1741.80%
韓国56,0681.30%
インド46,2211.08%
インドネシア36,9310.86%
台湾36,0840.84%
マレーシア23,3460.54%
フィリピン12,7520.30%
ベトナム8,3930.20%
北朝鮮00.00%
アジアその他6,1310.14%
アジア合計400,4629.32%
全世界合計4,296,968100.00%

(【出所】日銀『BIS国際資金取引統計および国際与信統計の日本分集計結果』より著者作成。なお、「最終リスクベース」にはデリバティブ、支払承諾、コミット未履行額を含まない)

冷静な議論が必要

さて、ヒト、モノ、カネという側面から、日本はアジア(とくに中韓、あるいは北朝鮮)とどのような関係を持っているのか、「数字」というツールを使ってしっかり確認しておくことは重要でしょう。こうした基礎数値の議論をすっ飛ばして、「中韓とは隣国同士、大事な関係だ」、と決めつけるのは感心しません。

もちろん、隣国との関係は悪いより良いに越したことはないのですが、それでも中国が2010年にレアアースの禁輸を課してきた事件や、近年の自称元徴用工問題などに端を発する日韓関係の悪化などを踏まえると、「数字の面から見た日中関係、日韓関係」についてはきちんと押さえておく必要があるでしょう。

(なお、「ヒト」「モノ」という側面からの数字の確認は、明日以降に持ち越しとさせていただきます。)

参考:過去リンク

2020/10/25 05:00 : FOIPが教える「日本が中韓と距離を置くべき理由」 (36)
2020/10/24 05:00 : 中韓通貨スワップ、金額では日中為替スワップの2倍に (23)
2020/10/23 05:00 : 対韓輸出管理の厳格化は日本を守るために必要だった? (25)
2020/10/22 05:00 : 価値共有を信じて構築した日韓関係は日本に有害だった (46)
2020/10/21 05:00 : 本当に重要といえるのか?日韓の経済関係を数字で読む (31)
2020/10/20 05:00 : 脱中国:レアアース事件の教訓を日本企業は忘れるな (14)
2020/10/19 08:00 : 国際社会のルール無視する中国に寛容であるべきなのか (22)
2020/10/18 05:00 : 人件費上昇でコスト優位を失う生産拠点・中国の現状 (22)
2020/10/17 05:00 : 経済を政治利用する中国にサプライチェーン依存するな (15)
2020/10/16 05:00 : 数字で読む「中国は14億人の魅力的な市場」論のウソ (37)
2020/09/25 05:00 : 半導体製造装置の対韓輸出はむしろ最近増えた (23)
2020/07/31 05:00 : 「国の借金・財政破綻」論は天動説と同じトンデモ論だ (39)
2020/07/30 05:00 : 3要件で見る、「日本国債は絶対にデフォルトしない」 (39)
2020/07/15 05:00 : 【宣伝】いよいよ『数字でみる「強い」日本経済』発売 (14)
2020/07/03 05:00 : 消費税ゼロと国債400兆円増発で日本経済が大復活! (11)
2020/07/02 08:00 : インターネットによる情報発信が日本を変えていくのか (3)
2020/07/01 16:00 : 【お知らせ】数字でみる「強い」日本経済=ビジネス社 (26)
2020/06/27 09:00 : 科学的アプローチで理解する、「国の借金論の間違い」 (43)
2020/06/25 17:00 : 【速報】家計が相変わらず一千兆円超の現金預金を保有 (18)
2020/05/10 09:00 : 日米為替スワップ「本当の意味」と国債372兆円増発 (7)
2020/03/29 05:00 : 資金循環統計:ついに家計の現金が1000兆円を超過 (27)
2020/02/03 05:00 : 貿易赤字?現在の日本は「鵜飼いの鵜匠」のようなもの (10)
2020/01/18 08:00 : 訪日外国人は過去最大だが、観光目標は立て直すべき (21)
2020/01/17 16:30 : 【速報】昨年の訪日外国人が2%増加の3188万人に (12)
2019/12/27 05:00 : 日本は「輸出大国」ではない (22)
2019/12/23 05:00 : 「国の借金」ではなく「資産負債バランス」こそが問題 (6)
2019/12/19 05:00 : 訪日外国人・韓国人だけが激減も、現状の影響は限定的 (30)
2019/12/07 05:00 : 韓国「ノージャパン運動」の日本経済への影響は限定的 (11)
2019/12/05 05:00 : 日韓往来の「一千万人時代」、あっけなく1年で終了へ (13)
2019/12/04 05:00 : 数字で検証する、「対韓輸出規制が日本経済に打撃」説 (18)
2019/12/03 05:00 : 貿易統計をじっくり読むと浮かぶ、日本経済の意外な姿 (18)
2019/12/01 05:00 : いま話題の日韓関係、「数字」でじっくりと読んでみた (28)
2019/11/29 05:00 : 日本経済を客観的な数字で読んでみた結果を総括します (18)
2019/11/28 05:00 : 貿易統計に見る「意外と貿易依存度が低い日本」の現状 (8)
2019/11/26 13:15 : 「消費税20%」で日本をぶっ壊す!悪の組織・財務省 (22)
2019/11/25 05:00 : 数字で見る、「在留外国人数」とわが国のグローバル化 (6)
2019/11/22 05:00 : 数字で見る、「日本人はどこの国に居住しているのか」 (10)
2019/11/21 05:00 : 数字で見る、「中韓は日本経済にとって不可欠」の真相 (8)
2019/11/20 05:00 : 外貨準備と通貨スワップ 通貨危機を防ぐための仕組み (13)
2019/11/19 05:00 : 「国際収支のトリレンマ」に逆らった国・スイスの末路 (13)
2019/11/18 05:00 : 欠陥通貨・ユーロとギリシャ問題を日本に当てはめるな (15)
2019/11/17 05:00 : 通貨の機能と外貨準備統計から見た日本円の実力とは? (4)
2019/11/16 05:00 : 日本は世界最大の債権国だが、手放しに喜べない理由も (13)
2019/11/15 05:00 : 金融機関を苦しめているのはマイナス金利政策なのか? (10)
2019/11/14 05:00 : 金融機関が「リスクマネー」の供給主体になり辛い理由 (16)
2019/11/13 05:00 : 日本の家計はおカネ持ち 金融資産だけで1860兆円 (25)
2019/11/12 05:00 : 通貨と国債 「国の信用」という意味で究極的に同一物 (24)
2019/11/11 05:00 : 国債を圧縮する王道とは、インフレと経済成長の達成だ (20)
2019/11/10 05:00 : 国の借金を問題視するわりに、なぜ資産を無視するのか (17)
2019/11/09 05:00 : 新シリーズ「数字で読む日本経済」と「国の借金」理論 (27)
2019/11/08 05:00 : 増税から1ヵ月 数字で読む「財政再建論の大間違い」 (15)

読者コメント一覧

  1. 嶺登宇与 より:

    韓国に対する与信、金の流れは全体から見ると意外に少ないのですね。想像していた以上に少ないのが意外でした。
    文在寅とかが小うるさいことをこちょこちょ言ってきたら、きっぱり関係を断ち切ってすっきりするのも精神衛生上よろしいです。さっさと関係を断ち切ってさっぱりしちゃいましょう。
    反日むんむんで侮日を心から楽しんでいる国などどうなろうと知ったことではありません。

  2. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    カネの流れを見ますと、隣国の中国、韓国は日本全体の2〜3%台と、本当に僅かです。やはり米国が巨大で、英国、オランダ、豪、仏、そしてアジアではタイ、シンガポール、次いで香港。

    よく「中国がこのまま失速すると、日本への影響は計り知れない」「韓国とは切っても切れない重要な関係だ」と言う声を企業人、政治家、学者から聞こえて来ます。

    もちろん、そのお先棒を担ぐロートルマスメディアは言わずもがなですが。

    こういう発言をする方は、どういう訳か「アジアは友好精神で」「日本は先進国として寛大な気持ちで」「多少の侮日発言はオトナの対応で」、、と日本人の気持ちを折り、相手に塩を贈り、譲歩します。

    一言で言えば、日本に抗う連中。獅子身中の虫、旧世代の土下座外交の人達です。

    外交、貿易、金融はお互いのメリットが無いと成立しません。片方に与えるだけの便宜を図ることに、日本の国益はありません。

  3. 愛読者 より:

    個人でアジアの株式の個別銘柄の投資するのはハードルが高いので,投資信託経由の利用者が多いかと思います。その中で図表6を見て,改めて感じたことを書きます。
    タイへの投資額が中国を上回ったのは,ある意味で当然でしょう,中国は人件費が上がりすぎ,国内政治によるリスクも高く,アメリカからの制裁も効き始めていますから,消費マーケットとしての投資以外は,特に生産拠点としては撤退あるのみです。タイは政情もまあまあ安定していて,国民性も日本人と相性がいいので,中国の次の生産拠点として利用しやすいでしょう。
    ベトナムとフィリピンを比較して,ベトナムのほうが投資額が少ないのは,ちょっと意外でした。やはり,共産党政権に対する不信感があるのでしょうか。治安や国民性はフィリピンより良い感じがあるのですが。あと,英語よりロシア語のほうが通用するところが敬遠されるのか。
    マレーシアはイスラム教に対する理解を持っていないと,進出が難しいですね,インドは有望な投資先だと思っているのですが,地域毎に事情が異なり,文化の違いも激しいので,進出にはハードルも高いのでしょう。イギリスの影響も大きいですし。パキスタンは名前もなかなかでてきませんね。カンボジア,ラオス,ミャンマーはこれからの開拓先でしょうか。
    アジア以外では,ロシアに注目しています,ただ,政治・国際関係という変数の影響が大きすます。

  4. りょうちん より:

    しかし、いつもながら思うのが、タックスヘイブンの存在による租税回避が未だに許されていることの不思議さです。
    20世紀初頭だったら、戦争でも起こされて潰されているでしょうね。

  5. 好奇心 より:

    邦銀の韓国へBIS国際与信統計(最終リスクベース2019.3)は全世界の1.3%程と言われ、
    韓国の混乱が日本に大きく影響しなさそうで、なにより。
    個別では、みずほの貸出残高が全世界の3%であるのは、気になりますが。

    米国の経済的圧力が強まった時、投資元の米国株主、ファンドがどう動くのか、
    今までの金融危機時とは資本形成が変化しており、知りたい病罹患です。

  6. haduki より:

    投資に関しては、言うほど中韓の比重は高くないという事なのですね。可能なら貿易額に関する分析も拝聴したいです。

    1. 門外漢 より:

      私もそう思いました。経済への影響としては金融より貿易の方が大きいかも知れませんから。
      また、中韓各々の外資中に占める日本の投資額も知りたいものです。

  7. 迷王星 より:

    新宿会計士さま、更新有難うございます。

    中韓が日本経済において占める比重という場合の「日本経済」を「日本がどれだけ金を貸しているか」という意味に限定すれば御説の通りだと思いますが、日本の産業にとって資金を貸してくれている国ならまだしも、我が国の金融機関が貸出先がなくて余って困っている金を貸したところで、普通の市井の我々日本国民にとっての「日本経済」には余り関係がありません。何しろ銀行が海外にお金を貸し付けて利息を大稼ぎしたところで我々の預金の利息を増やしてくれるわけではありませんからね。せいぜい各銀行の株主への配当が増え銀行員の給与や賞与も多少は増えて、それらが回り回って日本社会で消費を僅かばかり増やして日本経済の活性化にポジティブな影響を与えるかも知れない程度でしょう。

    我々市井の人間にとっての「日本経済」とは、市井の人々とは無縁な雲の上で数字(というか単なる電子的な情報)によるマネーゲームをやっているだけの金融経済ではなくて、物の生産や消費と直結している実体経済の方がメインだというのが私の考えです。ですから、日本経済における中韓の比重を議論する場合には、今回の分析のような金融経済での中韓の比重よりも実体経済における中韓に比重の軽重こそが重要だ、少なくとも実体経済における中韓の比重の議論がなければ片手落ちである、私はそのように考えています。

    というわけで、最も基本的で大雑把なデータで申し訳ありませんが、このコメントを書こうと思ってググったら即座に出て来た財務省の貿易統計「貿易相手国上位10カ国の推移(輸出入総額:年ベース)」のURLを以下に貼らせて頂きます。

    http://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/data/y3.pdf

    これは過去24年間(1995~2018年)の輸出入総額トップ10の貿易相手国のランキングと輸出入総額およびそれが我が国の輸出入総額の合計額に占める比率を表に纏めたものです。

    これを見ると、韓国(過去24年間ずっと3位で、5~6%台で安定して推移)はまだしも、少なくともチャイナに関しては「日本経済には大したことがない」とは言えません。何しろそれまでは我が国にとっての最大貿易相手国であった米国を2007年に抜き去って以降、ずっと我が国の貿易相手国として首位を占めて輸出入総額の比率でも2009年以降は20%前後をずっと維持しています。

    勿論、我が国はアメリカによる半ば強制的な構造改革によって内需主導の国となり、その結果として貿易依存度はとても下がりましたが、それにしても貿易相手国として首位で我が国の貿易全体の5分の1を1国で占める貿易規模の相手国を「日本経済にとっては大したことのない国」とは言えないと思う、というのが率直なところです。

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