通貨の機能と外貨準備統計から見た日本円の実力とは?

数字で読む日本経済』シリーズ、本稿ではいよいよ「お待ちかね(?)」の海外について言及していきたいと思います。2019年6月末時点において、さまざまな統計から見る限り、日本は世界最大の債権国であることが明らかですが、それと同時に「日本国内に貸し出す先が存在しない」というのも問題でしょう。それはさておき、本稿では日本がいかに巨額のカネを全世界にばら撒いているかについて、いくつかの客観的な統計から明らかにしておきましょう。

2019/11/18 10:30 追記

末尾に過去記事参照リンクが抜けていましたので追加しております。

本シリーズの狙い

数字で読む日本経済』シリーズは、当ウェブサイトとしては初の本格的な連載シリーズであり、また、当ウェブサイトでこれまで三々五々、議論してきた内容を、改めて体系的に確認するという意味で、非常に野心的な試みだと考えています。

といっても、これまでのシリーズをご参照いただいてわかるとおり、一連の論考では、何やら難しい計算式(とくにフォワードカーブやCMS、オプションのプライシングなど)だの、複雑な金融規制だのといった論点については、わざと省略しています。

そのうえで、使用しているものも「インターネット環境さえあれば誰にでも無料で入手可能な統計資料」ばかりであり、その気になれば読者の皆さまでもご自身で検証可能です。

どうしてオールドメディア(とくに新聞やテレビ)は、この簡単な統計資料すら確認しようとせず、財務省などが仕組む「国の借金が1000兆円を超えていて、いずれ絶対に財政破綻する」といったデタラメを垂れ流し続けているのかが不思議でなりません。

しかし、裏を返して言えば、きちんとした数字に基づく議論が、「新聞・テレビではなくインターネット発で」出ていくことで、最初は小さな一石であったとしても、やがては日本全体を動かす原動力につながっていく可能性もあります。

その意味で、当ウェブサイトの議論はまさにその「小さな捨石」になれば嬉しい、という思いで展開しているのです。

通貨とは?

「3年ごとのBIS統計」

さて、本稿のテーマは、「日本円の実力」です。

よく、「国の借金1000兆円超」という議論のデタラメを指摘していくと、必ず、こんなことを言い出す人が出て来ます。

日本が国内で資金不足に陥ったら、日本国債もデフォルトするんじゃないですか?

この議論は非常に短絡的なものですが、ただ、非常にわかりやすいため、盲信する人がいることもまた事実です。しかし、以前から何度かお伝えしているとおり、国債のデフォルトが発生する条件は、基本的に次の3つです。

  • ①国内投資家が国債を買ってくれなくなること
  • ②海外投資家が国債を買ってくれなくなること
  • ③中央銀行が国債を買ってくれなくなること

日本は世界最大の債権国だが、手放しに喜べない理由も』などで申し上げたとおり、日本の場合はそもそも①の時点でこの条件を満たしていません。なぜなら、日本国内では資金が有り余っていて、むしろ外国に対して巨額の資金を貸し付けているくらいだからです。

現状で、もし日本政府が国債の増発をすれば、運用難に悩む日本の金融機関はこぞって日本国債を買ってくれるはずですし(なにせ1500兆円という預金量の重圧はすごいです)、多少日本国債を増発したところで、運用難という状況は解消しないからです。

通貨の3つの機能とは?

ただ、万が一、①の条件が満たされなくなったらどうなるのか、という思考実験をしておくことも必要です。

結論からいえば、②の条件が満たされていれば、問題なく日本国債は市場で消化され続けます。

いや、もう少し厳密にいえば、自国通貨建ての国債と自国通貨は「その国の信用力を裏付として発行されている」という点ではまったく同じものです(『通貨と国債 「国の信用」という意味で究極的に同一物』参照)。

そして、この「通貨の信用力」を推し量るわかりやすい手段も存在します。

その前に、そもそも「通貨」とは、いったい何でしょうか?

教科書的には、通貨とは次の3つの機能を満たすもののことをいいます(図表1)。

図表1 通貨の3大機能
機能定義具体例
①経済価値の尺度財貨・サービスの価値を金額で測定する機能同じ単位で表示することで、財・サービスの価値を比較することが可能
②交換・決済機能財貨・サービス、金融商品等を購入・決済する機能貨幣があれば必要なものを購入することが可能
③価値の貯蔵機能貨幣的価値を保存する機能貨幣価値の下落を一般に「インフレーション」または「インフレ」と呼ぶ

(【出所】著者作成)

このうち①の「経済価値の尺度」はわかりやすいと思います。

物々交換の世界だと、「コメ1キロとダイコン5本を交換しましょう」、といった具合に、モノ同士をいちいち比較しなければならないため、大変に面倒です。ですが、ここで「コメ1キロ500円」、「ダイコン1本100円」という値段が付いていれば、経済価値としては大変わかりやすくなります。

一方で、②の「交換・決済機能」とは、最終的に所有権が移り、権利義務関係が解消されることです。たとえば、「八百屋さんに100円玉を渡せば、ダイコン1本が自分の持ち物になる」ということであり、今後、この取引に関し、八百屋さんから追加でカネを払え、と求められることはありません。

(※もっとも、八百屋さんが売ったダイコンが不良品だった場合には、これを買った人は後日、「このダイコンを食べて体調を悪くした」として八百屋さんを訴えることはできますが、それは瑕疵担保責任というまったく別の議論です。)

さらに③の「価値の貯蔵機能」とは、わかりやすくいえば貯金のことです。「とりあえず20万円の給料をもらったけれども、今月は15万円しか使わなかった」という人がいれば、その5万円をイザという時の支出に備えて取っておくことができますが、これも貨幣の重要な機能です。

すべての通貨に3大機能が備わっているわけではない!

ここで重要なのは、世の中のありとあらゆる通貨に、この3つの機能が備わっているわけではない、という点です。

以前の『通貨と国債 「国の信用」という意味で究極的に同一物』の繰り返しですが、世界には少なくとも160~170の通貨が存在しているのですが(※カウント方法によって厳密な数は異なります)、それらのすべてが信頼されているわけではありません。

なかには、自分の国の通貨なのに、何らかの理由で使えない、という事例もあります(図表2)。

図表2 自国・自領域で通貨が限定的にしか通用していない事例
国・地域通貨理由
マカオマカオパタカ(MOP)近接する香港の通貨・香港ドル(HKD)の流通量が非常に多く、1HKD≒1MOPとしてそのまま使用可能(MOPが使えないわけではない)
北朝鮮北朝鮮ウォン(KPW)通貨改革の失敗に加え、国連安保理制裁などにより経済が崩壊状態にあり、自国通貨がほぼ無価値となっている
ジンバブエジンバブエドル独裁者であるムガベ(2019年9月に死亡)の経済運営の失敗によるハイパーインフレにより事実上通貨制度が崩壊
ベネズエラベネズエラ・ボリバル石油依存のモノカルチャー経済でありながら独裁政権に対する米国の経済制裁などに遭い、経済が事実上崩壊状態にある

(【出所】著者調べ)

もっとも、マカオの通貨・パタカの場合は、「香港の通貨の流通量が非常に多く、事実上、香港ドルがマカオパタカと等価で流通している」という意味であり、香港ドルより少ないにせよ、マカオではパタカも流通しており、「パタカが使えない」、という意味ではありません。

しかし、たとえば、北朝鮮ウォンやジンバブエドル、ベネズエラ・ボリバル等は、それらの国の法律では「通貨」であることには違いありませんが、今日では地元でも「通貨」として信頼されていない模様です。

この3ヵ国はいずれも経済運営の失敗(あるいは外国からの経済制裁)の結果、通貨としての信用が毀損したものであり、すでにこれらの通貨には「②交換・決済機能」、「③価値の保存機能」はかなりの部分が失われているとみられます。

一方、アルゼンチンの通貨・ペソなどのように、国の信用力自体が不安定な通貨の場合は、国内では流通していたとしても、外国人投資家から投げ売りの対象にされることもありますし、また、普段からその国の国民は、ヤミ市場などで米ドルをはじめとした外貨に両替しようとするでしょう。

日本円の実力

外国でそのまま使える通貨もある

さて、信用力が低い通貨だと、往々にして、その国のなかでしか通用しない(あるいは国外ではまったく両替でも受け付けてもらえない)、というケースがあります。そして、これを裏返すと、信用力が低い通貨を使っている国は、外国の通貨がそのまま使用できることもあるのです。

日本だと、店舗で米ドルやユーロなどを出されても、おそらく圧倒的多数の店は、受け取らないと思います(ましてや人民元など「見たこともない」という人が多いのではないでしょうか)。

しかし、中南米や東南アジアなどのなかには、米ドルの紙幣でそのまま買い物できる国もありますが、これはその国の国民が「自国通貨よりも米ドルの方が信頼できる」と考えている証拠です(※もっとも、米ドルの場合は「1ドル紙幣」という使い勝手の良い小額紙幣が存在するという事情も大きいですが…)。

また、個人的な体験ですが、前世紀の終わりごろ、ギリシャを旅行した際に、気に入ったカバンを買おうとしてギリシャの通貨・ドラクマ(※当時はユーロ発足前でした)を出そうとすると、店主から「お前は日本人だろう」、「俺は日本のカネが欲しい」と言われ、日本円でそのままカバンを買ったこともあります。

では、なぜこれらの国で外国の通貨が通用しているのでしょうか。

結局、「通貨の3大機能」論に照らすと、多くの場合は

  • 自国でインフレが進行し過ぎていて、「価値が変わらない」(と彼らが信じる)安全な通貨で資産を保有したいと思っていること
  • 社会自体が不安定で、自分たちの国の通貨の価値がいつゼロになっても不思議ではないと人々が思っていること

といった特徴があるようです。

これなどは、「通貨の3大機能」でいう、③の機能が信頼されていないという事例でしょう。

「有事の円買い」から見る、円の実力

さて、先ほどから申し上げているとおり、「国債と通貨の信用力は、究極的には同じ」です。

そして、「日本は国の借金がたくさんあるから、いずれ日本国債の価値は暴落するに違いない」と信じている人も多いのですが、そのわりに、自分のサイフに入っている日本円という通貨の価値が暴落すると信じている人は少ないように見受けられるのは、不思議というほかありません。

もし本当に「日本国債がデフォルトする」のであれば、経済合理性に照らし、日本国民はこぞって銀行から日銀券を引き出し、ヤミ両替などを通じて米ドルやユーロにせっせと両替していなければ辻褄が合いませんし、放っておけばすぐに(「円高」ではなく)「円安」になってしまうはずです。

しかし、現実の市場ではそれと真逆で、なにか社会的な不安要因があったときには、すぐに日本円という通貨の価値は上昇してしまいます。

2008年9月のリーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発する金融危機の際にも、米ドルと並んで日本円が暴騰しましたし、2011年3月の東日本大震災の際には、「被災地」であるはずの日本の通貨・円が(売られるのではなく)買われ、円高を食い止めるために中央銀行が協調介入したほどです。

(※もっとも、東日本大震災のときの円高は、日本の保険会社が「外貨を売って円に両替するに違いない」との思惑から、先行して円買い・ドル売りの動きが生じたという分析もあるようです。真相は定かではありませんが…。)

外貨準備統計が動かぬ証拠

さらに、日本の通貨・円がどれほど信頼されているかを知るためには、たとえば諸外国が外貨準備で日本円をいくら組み込んでいるかを調べれば良い、という言い方もできます。

外貨準備とは、各国の政府ないし中央銀行が、自国からの資金流出などに備えて保有している外貨のことであり、普段は現金・預金に加えて格付の高い国の国債などの有価証券で運用されています。

そして、国際通貨基金(IMF)が公表する『公式外貨準備統計』(Currency Composition of Official Foreign Exchange Reserves, COFER)という統計があります。

これは、世界各国からの報告を受けて、外貨準備高の通貨構成別割合を明らかにした統計ですが、2019年6月末時点において、日本円の占める比率が米ドル、ユーロに次いで3番目に位置していることが確認できます(図表3)。

図表3 COFERに見る外貨準備の通貨別構成(2019年6月末時点)
区分米ドル換算額(十億ドル)Aに対する比率
外貨準備合計11,733
内訳判明分(A)11,021100.00%
 うち、米ドル6,79261.63%
 うち、ユーロ2,24320.35%
 うち、人民元2181.97%
 うち、日本円5975.41%
 うち、英ポンド4894.43%
 うち、豪ドル1881.70%
 うち、加ドル2111.92%
 うち、スイスフラン160.14%
 その他の通貨2692.44%
内訳不明分711

(【出所】IMFのCOFERより著者作成)

2016年10月にIMFの特別引出権(SDR)の構成通貨入りした中国・人民元の外貨準備に占める比率がジリジリと上昇し続けていることは気になる点ですが、それでも、日本円が米ドル、ユーロに次いで多く外貨準備に組み入れられているという点は、ひとつの事実として踏まえておいてよいでしょう。

日本円の課題

さて、本稿ではもうひとつ、是非とも紹介しておきたい論点があったのですが、これについては過去に『東アジア共通通貨に対抗し得る円の国際化と通貨スワップ拡大』という記事で、すでに詳しく議論しています。

東アジア共通通貨に対抗し得る円の国際化と通貨スワップ拡大

本シリーズではこれについて焼き直しても良いのですが、内容があまりにも同じだと重複になってしまいますので、本稿ではリンクを紹介するにとどめたいと思います。

参考:過去リンク

2020/10/25 05:00 : FOIPが教える「日本が中韓と距離を置くべき理由」 (36)
2020/10/24 05:00 : 中韓通貨スワップ、金額では日中為替スワップの2倍に (23)
2020/10/23 05:00 : 対韓輸出管理の厳格化は日本を守るために必要だった? (25)
2020/10/22 05:00 : 価値共有を信じて構築した日韓関係は日本に有害だった (46)
2020/10/21 05:00 : 本当に重要といえるのか?日韓の経済関係を数字で読む (31)
2020/10/20 05:00 : 脱中国:レアアース事件の教訓を日本企業は忘れるな (14)
2020/10/19 08:00 : 国際社会のルール無視する中国に寛容であるべきなのか (22)
2020/10/18 05:00 : 人件費上昇でコスト優位を失う生産拠点・中国の現状 (22)
2020/10/17 05:00 : 経済を政治利用する中国にサプライチェーン依存するな (15)
2020/10/16 05:00 : 数字で読む「中国は14億人の魅力的な市場」論のウソ (37)
2020/09/25 05:00 : 半導体製造装置の対韓輸出はむしろ最近増えた (23)
2020/07/31 05:00 : 「国の借金・財政破綻」論は天動説と同じトンデモ論だ (39)
2020/07/30 05:00 : 3要件で見る、「日本国債は絶対にデフォルトしない」 (39)
2020/07/15 05:00 : 【宣伝】いよいよ『数字でみる「強い」日本経済』発売 (14)
2020/07/03 05:00 : 消費税ゼロと国債400兆円増発で日本経済が大復活! (11)
2020/07/02 08:00 : インターネットによる情報発信が日本を変えていくのか (3)
2020/07/01 16:00 : 【お知らせ】数字でみる「強い」日本経済=ビジネス社 (26)
2020/06/27 09:00 : 科学的アプローチで理解する、「国の借金論の間違い」 (43)
2020/06/25 17:00 : 【速報】家計が相変わらず一千兆円超の現金預金を保有 (18)
2020/05/10 09:00 : 日米為替スワップ「本当の意味」と国債372兆円増発 (7)
2020/03/29 05:00 : 資金循環統計:ついに家計の現金が1000兆円を超過 (27)
2020/02/03 05:00 : 貿易赤字?現在の日本は「鵜飼いの鵜匠」のようなもの (10)
2020/01/18 08:00 : 訪日外国人は過去最大だが、観光目標は立て直すべき (21)
2020/01/17 16:30 : 【速報】昨年の訪日外国人が2%増加の3188万人に (12)
2019/12/27 05:00 : 日本は「輸出大国」ではない (22)
2019/12/23 05:00 : 「国の借金」ではなく「資産負債バランス」こそが問題 (6)
2019/12/19 05:00 : 訪日外国人・韓国人だけが激減も、現状の影響は限定的 (30)
2019/12/07 05:00 : 韓国「ノージャパン運動」の日本経済への影響は限定的 (11)
2019/12/05 05:00 : 日韓往来の「一千万人時代」、あっけなく1年で終了へ (13)
2019/12/04 05:00 : 数字で検証する、「対韓輸出規制が日本経済に打撃」説 (18)
2019/12/03 05:00 : 貿易統計をじっくり読むと浮かぶ、日本経済の意外な姿 (18)
2019/12/01 05:00 : いま話題の日韓関係、「数字」でじっくりと読んでみた (28)
2019/11/29 05:00 : 日本経済を客観的な数字で読んでみた結果を総括します (18)
2019/11/28 05:00 : 貿易統計に見る「意外と貿易依存度が低い日本」の現状 (8)
2019/11/26 13:15 : 「消費税20%」で日本をぶっ壊す!悪の組織・財務省 (22)
2019/11/25 05:00 : 数字で見る、「在留外国人数」とわが国のグローバル化 (6)
2019/11/22 05:00 : 数字で見る、「日本人はどこの国に居住しているのか」 (10)
2019/11/21 05:00 : 数字で見る、「中韓は日本経済にとって不可欠」の真相 (8)
2019/11/20 05:00 : 外貨準備と通貨スワップ 通貨危機を防ぐための仕組み (13)
2019/11/19 05:00 : 「国際収支のトリレンマ」に逆らった国・スイスの末路 (13)
2019/11/18 05:00 : 欠陥通貨・ユーロとギリシャ問題を日本に当てはめるな (15)
2019/11/17 05:00 : 通貨の機能と外貨準備統計から見た日本円の実力とは? (4)
2019/11/16 05:00 : 日本は世界最大の債権国だが、手放しに喜べない理由も (13)
2019/11/15 05:00 : 金融機関を苦しめているのはマイナス金利政策なのか? (10)
2019/11/14 05:00 : 金融機関が「リスクマネー」の供給主体になり辛い理由 (16)
2019/11/13 05:00 : 日本の家計はおカネ持ち 金融資産だけで1860兆円 (25)
2019/11/12 05:00 : 通貨と国債 「国の信用」という意味で究極的に同一物 (24)
2019/11/11 05:00 : 国債を圧縮する王道とは、インフレと経済成長の達成だ (20)
2019/11/10 05:00 : 国の借金を問題視するわりに、なぜ資産を無視するのか (17)
2019/11/09 05:00 : 新シリーズ「数字で読む日本経済」と「国の借金」理論 (27)
2019/11/08 05:00 : 増税から1ヵ月 数字で読む「財政再建論の大間違い」 (15)

読者コメント一覧

  1. 愛読者 より:

    以前述べたことの逆ですが,日本は経常赤字になるとインフレが始まることが予想されます。良いインフレではなく悪いインフレです。でも,当面はそういうことは起きないでしょう。
    貿易収支に限定すると,1981~2010年は黒字だったのが,2011~2015年は赤字に転落し,2016~2017年は若干の黒字,2018年は若干の赤字でした。いずれにせよ,国内生産の空洞化=海外工場での生産,の結果,「物」の輸出入で大きな黒字が生じる構造は消滅しました。しかし,今後しばらくは,中国や韓国に対する制裁の結果,日本の貿易収支の黒字は拡大すると予想しています。
    観光旅行等にともなうサービス収支は,外国人観光客が増えても,まだ若干赤字です。大幅に黒字なのは,第1次所得収支で,これは,親会社と子会社との間の配当金・利子等の受取・支払や,株式配当金及び債券利子の受取・支払や,貸付・借入、預金等に係る利子の受取・支払等の収支の合計です。わかりやすく言えば,海外投資が大きな黒字を生んでいるわけです。
    この黒字が,日本経済の成長のみならず,国債の大量発行を可能にしています。厄介なのは,この黒字は必ずしも日本国民全体を潤さず,投資家とか高度な技術を持った人材とか,一部の人を集中的に潤します。日本だけじゃなくて,中国や,昔からの先進国に共通して生じていることですが。
    なお,以上のように,外貨準備だけでなく,民間にある外貨も忘れないで下さい。くだらないことを言うと,皆さんの机の引出にも,海外旅行で余った外貨が結構眠っていませんか?

  2. 無明 より:

    買われた国債のうち海外投資家の割合が多くなりすぎるのは問題だろうと思っていたのですが、実はそうでもないと読める点が意外でした。じっくり考えてみます。

  3. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    「日本の借金は1.000兆円を超えていて、いずれ財政破綻する」なんて戯言を言いふらす人はまだいます。諸悪は財務省です。それを盲信する情報弱者。

    通貨とは、、、結局経済面で強い国にならなあかんのや!富国強兵!(笑)。

    IMFが公表する『公式外貨準備統計COFER』を読むと(会計士さん、いつもいろんな正確な数字を引っ張って来てくれて、感謝します。5,000円パーティに来ていただけますか?笑)日本は3位(米ドル、ユーロに次いで)ですね。

    5,970億ドル、5.41%。もうちょっと欲しいかな〜。10.0%ぐらい。ウォン?知りません。街の外貨ショップや自動交換機でも米ドル、豪ドル、英ポンド、加ドル、台湾ND、中国元、香港元、ユーロは見かけますが、ウォンは無いですね。

    中国元は、、やはりじわじわ来てるのでしょうか。闇の国だから、どんな数字だそうが怪しさ満杯です。

  4. 福岡在住者 より:

    投稿記事「東アジア共通通貨に対抗し得る円の国際化と通貨スワップ拡大」は今年6月のものなのに読んでいませんでした(笑)
    マハティール首相が「金価格に連動する共通通貨」を提案されたのですね、、、。 読者投稿コメントの中で何人かの方が御指摘されていましたが、金の供給量の問題と、それとは別に金は ある意味投資対象でもあるのでそれなりに価格が変動し絶対的基準とはなりにくいと思います。

    (金の価格推移-田中貴金属より)
    https://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/y-gold.php

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。なお、コメントに際しては当ウェブサイトのポリシーのページなどの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。