金融機関が「リスクマネー」の供給主体になり辛い理由
『数字で読む日本経済』シリーズについては、「国の借金論」などにおいて、いくつか積み残している論点があるものの、とりあえずは議論を先に進めようと思い、昨日からは日本国内の金融資産・負債の状況に関する具体的な数字の説明に移りました。日本経済の問題点を理解するうえで重要なカギとなるのは、やはり「預金取扱機関」(つまり銀行や信金などの金融機関)の投資行動です。ただし、この論点は非常に重たいので、前半と後半に分け、本稿ではその前半として、「預金取扱機関に1500兆円近い預金量が集まっていること」、「預金取扱機関は自己資本比率規制の制約を受けること」について説明したいと思います。
記事訂正につきまして(2019/11/15 0:09付)
当初公表した記事に、2つの誤りがありました。
- 参照すべきURLの間違い
- 末尾の「参照先一覧」のコード間違い
以上2点を修正しております。ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした。
目次
近況報告
最近、その日の最初の記事を『数字で読む日本経済』で始める、という機会が増えています(というよりも、先週金曜日から毎日そうです)。
じつは、これにはある理由があるのですが、現時点ではまだこれについて詳細を明かすことはできません。
ただ、経済ネタ・金融ネタを掲載すると、あまりページビュー(PV)が増えないのではないかと懸念していたのですが、現在のところ、この懸念はさほど大きく出ていないようです。
個人的には、来週土曜日、つまり11月23日あたりに、大きな時事ネタを取り上げる必要がありそうだと予想しており(※当ウェブサイトをご愛読いただいている方なら何のことかおわかりだと思いますが…笑)、もしかするとその前後は『数字で読む日本経済』を休刊するかもしれません。
ただ、計算してみると、このペースで書き続けていけば、だいたい11月22日で15回目くらいに突入するはずであり、2~3回スキップしたとしても、だいたい11月中には『数字で読む日本経済』シリーズをいったん終わらせることができると思っています(※あくまでも目論みどおりに行けば、ですが…)。
こうしたなか、とくに第1回目から第4回目までの「国の借金論」に関連し、まだ書き切れていない論点もありますし、また、読者の方からのコメントを読んでいて、フォローアップした方が良い論点もあるものの、現在、後回しにしてしまっています(※この点につきましてはお詫び申し上げます)。
しかし、とりあえずは論考を先に進めていきたいと思います。
預金取扱機関に滞留する資金
預金取扱機関とは?
さて、『数字で読む日本経済』の肝となる部分は、「日本にいかにたくさんの資金がたまっているか」という論点です。
昨日も報告しましたが、家計が2019年6月末時点で1860兆円もの金融資産を抱えていて、そのおよそ半額以上が現金・預金で構成されているという状況にあります。ということは、これらの資金は必然的に「預金取扱機関」に流れ込みます。
ここで、「預金取扱機関」をきちんと定義しておきましょう。
日本銀行『資金循環統計の解説』によると、次のように定義されています(同リンク先にあるPDFファイル『資金循環統計の解説』P3-2、PDFでいえば40ページ目)。
預金取扱機関は、一般の投資家から預金や預金類似商品を受け入れることを通じて、金融仲介活動を行う金融機関である。
資金循環統計はさまざまな歴史的経緯もあり、少し分類が複雑なのですが、これをあえて単純化すると、ざっくり図表1のような金融機関が含まれます。
図表1 預金取扱機関の主な種類
区分 | 定義 | 備考 |
---|---|---|
国内銀行 | 預金取扱機関のうち、その本体が国内法に準拠して設立された銀行および長期信用銀行の国内部門の銀行勘定 | 都市銀行、地方銀行、第二地銀、信託銀行、ネット銀行などが含まれ、ゆうちょ銀行は含まれない |
在日外銀 | 預金取扱機関のうち、外国銀行がわが国に開設した支店 | |
農林水産金融機関 | 預金取扱機関のうち、農林水産業者に対する貸出を中心とした金融仲介活動を行う機関 | 農林中央金庫、信連、農協、信漁連、漁協など |
中小企業金融機関等 | 預金取扱機関のうち、預金の受け入れ、中小企業に対する貸付を中心とした金融仲介活動を行う機関 | 信金、信組、労金の3業態とそれらの系統上部団体、株式会社商工組合中央金庫、ゆうちょ銀行など |
(【出所】『資金循環統計の解説』を参考に著者作成。ただし備考欄は著者調べ)
なお、これら以外にも、古いデータだと郵便貯金が別掲されていましたが、これは「ゆうちょ銀行」の発足に伴い、2007年第4四半期以降は計数の公表が停止されています。また、「合同運用信託」という項目もいちおう存在しているのですが、金額的にも少ないため、本シリーズでは割愛しています。
誰かの資産は誰かの負債
昨日の『日本の家計はおカネ持ち 金融資産だけで1860兆円』で説明したとおり、金融商品の世界では、「誰かにとっての金融資産は、他の誰かにとっては金融負債」です。
2019年3月末時点で、日本全国に存在している「現金・預金」の総量は、約2037兆円で、内訳は家計が48%、預金取扱機関が27%、非金融法人企業が14%などとなっています(図表2)。
図表2 2019年3月末時点の資産側の現金・預金の総量
部門 | 金額(億円) | 比率 |
---|---|---|
家計 | 9,795,927 | 48.08% |
預金取扱機関 | 5,535,638 | 27.17% |
非金融法人企業 | 2,843,473 | 13.96% |
一般政府 | 859,975 | 4.22% |
その他 | 1,338,533 | 6.57% |
合計 | 20,373,546 | 100% |
(【出所】日銀『データの一括ダウンロード』のページより『資金循環統計』データを入手して加工)
図表2は金額単位が億円であるため少し読み辛いのですが、四捨五入すれば、家計が980兆円、預金取扱機関が554兆円、非金融法人企業が284兆円です(ここで、家計が1000兆円近い預金を資産として保有しているという事実にも素直に驚きます)。
一方、預金を金融負債として受け入れているのは、大きく分けて日本銀行と預金取扱機関、そして海外部門です(外国の中央銀行などでしょうか)。念のため、元データの正確な数字と、それを兆円単位に四捨五入した数字の両方を記載しておきましょう(図表3)。
図表3 2019年3月末時点の負債の現金・預金の総量
部門 | 金額(億円) | 比率 |
---|---|---|
中央銀行 | 5,238,160 | 25.71% |
預金取扱機関 | 14,900,824 | 73.14% |
海外 | 234,562 | 1.15% |
合計 | 20,373,546 | 100% |
(【出所】日銀『データの一括ダウンロード』のページより『資金循環統計』データを入手して加工)
図表2と図表3の合計額がピタリと一致していることから、「誰かの金融資産は誰かの金融負債である」という事実については、ご確認いただけると思います。
預金はそれぞれどこに存在しているのか
さて、いきなりですが、本シリーズで最大の企画です。
この日本国内のどこを探しても絶対に存在していない、ある図表を、ここで惜しみなく(?)公開してしまおうと思います。それは、預金がどこのセクターにどれだけ存在しているか、です。
まずは資金循環統計上の区分に従い、図表3に示した「預金取扱機関が負債として受け入れている預金1490兆0824億円」の内訳を展開しておきましょう(図表4)。
図表4 2019年3月末時点の預金取扱機関の預金量
区分 | 預金量(億円) | 摘要 |
---|---|---|
国内銀行 | 8,213,919 | ① |
在日外銀 | 120,325 | ② |
農林水産金融機関 | 2,403,105 | ③ |
中小企業金融機関等 | 4,163,475 | ④ |
預金取扱機関合計 | 14,900,824 | ①~④の合計 |
(【出所】日銀『データの一括ダウンロード』のページより『資金循環統計』データを入手して加工)
ざっくりいえば、預金取扱機関全体の1490兆円のうち、「国内銀行」(つまりメガバンク、地銀、第二地銀、ネット銀行、信託銀行など)の預金量が821兆円を占めている計算であり、これに中小企業金融機関等や農林水産金融機関が続きますが、在日外銀についてはほぼ存在感はゼロです。
これをさらに業態別に分解すると、次のとおりです。
図表5 2019年3月末時点の国内銀行の預金量一覧
区分 | 預金量(億円) | 摘要 |
---|---|---|
都市銀行 合計 | 3,889,192 | Ⅰ |
地方銀行 合計 | 2,771,745 | Ⅱ |
第二地銀 合計 | 675,399 | Ⅲ |
上記以外の銀行 | 885,311 | Ⅳ |
統計上の不突合 | ▲7,728 | Ⅴ |
国内銀行 | 8,213,919 | ①=Ⅰ~Ⅴの合計 |
農林中央金庫 | 665,032 | イ |
信農連 合計 | 674,412 | ロ |
農協 合計 | 1,032,245 | ハ |
信漁連 合計 | 24,360 | ニ |
漁協 合計 | 7,784 | ホ |
統計上の不突合 | ▲727 | ヘ |
農林水産金融機関 | 2,403,105 | ③=イ~ヘの合計 |
信用金庫 合計 | 1,435,671 | A |
信用組合 合計 | 209,380 | B |
労働金庫 合計 | 203,613 | C |
信金中央金庫 | 309,668 | D |
全信組連 | 70,788 | E |
労働金庫連合会 | 75,747 | F |
商工組合中央金庫 | 53,423 | G |
ゆうちょ銀行 | 1,809,991 | H |
統計上の不突合 | ▲4,807 | I |
中小企業金融機関等 | 4,163,475 | ④=A~Iの合計 |
(【出所】著者調べ)
都市銀行(3メガバンクとりそなグループ)だけで預金量が389兆円というのもすごい話ですが、ゆうちょ銀行も単体で181兆円と、信金業界全体(144兆円)を上回っているというのも印象的ですね。
なお、預金量がここまで膨らんでいる原因は、「系統預金」、つまり信金から信金中央金庫、農協から信連・農林中央金庫という、業態間における預合いがあるため、両建てで膨らんでいるという側面もあるのですが、いずれにせよ日本全体の預金量が1500兆円弱であるということは、ひとつのポイントです。
資産で運用しなければならない
現金を寝かせておくわけにはいかない
さて、日本の預金取扱機関が1500兆円近い巨額の預金を預かっているということは、わかりました。
では、日本の金融機関は、これらをいったい何に運用しているのでしょうか。
当たり前の話ですが、銀行などの金融機関は、お客さんからおカネを預かったら、それを金庫に仕舞っておくわけにはいきません。必ず、何らかの資産に再投資しなければなりません。
なぜなら、預金者から預かったおカネには利子を付けなければならないからですし、預金通帳を発行したり、ATMを動かしたり、預金保険料を支払ったりするのにコストが掛かるからです。
口座の維持に必要なコストが、預金者から預かったおカネの1%だったとしましょう。すると、預金者から100万円を受け入れても、年間1万円のコストが掛かりますので、これを上回る金利でおカネを運用しなければなりません。
これに銀行の人件費や店舗の減価償却費、さらに銀行が利益を捻出しなければならないことなどを考えると、100万円を1%で運用していては損失になります。少なくとも2%、いや、できれば3%の金利で運用したいと思うかもしれません。
ここでいう「2%」や「3%」という利回りが、この銀行にとっての「目標運用利回り」です。
ちなみに目標運用利回りは、その銀行の規模や業態、地域によっても大きく異なります。貸し倒れが多く発生する地域だと、目標利回りは3%でも足りないかもしれませんし、資金量が大きい銀行だと、目標利回りは2%でも十分だ、というケースもあるかもしれません。
リスクが大きいほどリターンも大きいが…
一般論でいえば、リスクが高いほど大きなリターンが期待できます。
そして、本来ならば、銀行は国債のような利回りが低い債券を買うのではなく、できるだけ利回りが高い相手先におカネを貸したり、株式を買ったりして、資金を運用しようとするはずです。
ただし、ここでポイントになるのが「バーゼル規制」です。
これは、銀行に対して過度なリスクテイクを抑制するための国際的な共通ルールのことであり、その最大のものが、「自己資本の額に対して取れるリスクの額を制限する」という、いわゆる「自己資本比率規制」です。
自己資本比率は、次の計算式で求められます。
- 自己資本比率=自己資本÷リスクアセット…①
現在の「バーゼルⅢ」規制における自己資本比率の計算式は非常に複雑ですが、ごく大雑把にいえば、
- 日本国外に支店を出して銀行業務を行っている金融機関(国際統一基準行)は8%以上
- 日本国内でしか支店を出していない金融機関(国内基準行)は4%以上
です(金融規制マニアの方ならば、G-SIBsに対するTLAC比率やCCyBなどの議論も知りたいと思うかもしれませんが、本稿ではバーゼルⅢの詳細については割愛します)。
ここで、①式を見てください。
自己資本比率を高めようと思えば、(A)自己資本の額を増やす(つまり増資などをする)か、(B)リスクアセットを落とす(つまり貸し剥がしをしたり、CDSを買ったりする)か、そのいずれかの方法しかありません。
つまり、自己資本が400億円しかない金融機関(※国内基準行)だと、自己資本比率を4%に維持するためには、リスクアセットは最大でも1兆円しか積み上げられないのです。
国債のリスクウェイトはゼロ%
ここで、先ほどの①式でいうリスクアセットとは、資産の額に「リスクウェイト」を掛けて求めます。
そして、この「リスクウェイト」はあらかじめ決められています(図表6、ただし標準的手法の場合)。
図表6 標準的手法のリスクウェイト
貸している相手先 | リスクウェイト | 備考 |
---|---|---|
国・地方公共団体 | 0% | 政府保証債も0% |
日本銀行 | 0% | |
銀行・証券会社 | 20% | ただし、これは本店が本邦所在の場合 |
事業法人 | 20%~150% | 外部格付などによって異なる |
株式 | 100% | 銀行株等を除く |
中小企業・個人 | 75% | |
一定の住宅ローン | 35% |
(【出所】Bank for International Settlements “Basel II: International Convergence of Capital Measurement and Capital Standards: A Revised Framework – Comprehensive Version” や金融庁『銀行自己資本比率告示』等より著者作成)
いかがでしょうか。
これで見ると、たとえば国債や地方債はリスクウェイトがゼロ%ですから、仮にこれらを1兆円保有していたとしても、リスクアセットはゼロになります(=100兆円×ゼロ%)。
これに対し、株式の場合はリスクウェイトが100%ですから、仮にこれらを1兆円保有していれば、リスクアセットは1兆円です(=1兆円×100%)。
また、個人向けのローンだと、政策的な理由もあってリスクウェイトが75%と少しだけ優遇されており、個人に対して1兆円を貸し付けていれば、リスクアセットは7500億円です(=1兆円×75%)。
これを図示しておきましょう(図表7)。
図表7 それぞれの資産を1兆円保有していた場合のリスクアセットの例
資産の種別 | リスクウェイト | リスクアセット |
---|---|---|
1兆円の国債 | 0% | 0円 |
1兆円の地方債 | 0% | 0円 |
1兆円の日銀当預 | 0% | 0円 |
1兆円の貸出金 | 50% | 5000億円 |
1兆円の個人向けローン | 75% | 7500億円 |
1兆円の株式 | 100% | 1兆円 |
(【出所】著者作成)
先ほど申し上げたとおり、銀行等の金融機関は自己資本比率を一定水準に維持しなければならず、①式より、リスクアセットをできるだけ低くしなければなりません。このため、銀行等の金融機関は、とにかく自己資本を積み増さなければ、利回りの高いリスクアセットを積み上げることができないのです。
これこそが、金融機関が国債ばかり買っている大きな理由のひとつではないでしょうか。
そして、日本全体の資金が預金取扱機関に偏在しているにも関わらず、預金取扱機関が厳しい自己資本比率規制の適用を受けているということは、日本全体でリスクのある投資にマネーが行きわたらない大きな理由でもあるのです。
次回予告!
さて、ここまで執筆していて、予想外に時間がかかってしまいました。
本当は本稿で銀行等金融機関がどのような資産に投資しているか、その内訳について報告したかったのですが、これに取り掛かり始めると、ちょっと文字数が大変なことになってしまいます(※それに著者の体力がもちません)。
そこで、預金取扱機関の資産側の分析については、明日以降に持ち越したいと思います。
参考:過去リンク
2021/08/07 05:00 :
2021/05/11 09:30 :
2020/10/25 05:00 :
2020/10/24 05:00 :
2020/10/23 05:00 :
2020/10/22 05:00 :
2020/10/21 05:00 :
2020/10/20 05:00 :
2020/10/19 08:00 :
2020/10/18 05:00 :
2020/10/17 05:00 :
2020/10/16 05:00 :
2020/09/25 05:00 :
2020/07/31 05:00 :
2020/07/30 05:00 :
2020/07/15 05:00 :
2020/07/03 05:00 :
2020/07/02 08:00 :
2020/07/01 16:00 :
2020/06/27 09:00 :
2020/06/25 17:00 :
2020/05/10 09:00 :
2020/03/29 05:00 :
2020/02/03 05:00 :
2020/01/18 08:00 :
2020/01/17 16:30 :
2019/12/27 05:00 :
2019/12/23 05:00 :
2019/12/19 05:00 :
2019/12/07 05:00 :
2019/12/05 05:00 :
2019/12/04 05:00 :
2019/12/03 05:00 :
2019/12/01 05:00 :
2019/11/29 05:00 :
2019/11/28 05:00 :
2019/11/26 13:15 :
2019/11/25 05:00 :
2019/11/22 05:00 :
2019/11/21 05:00 :
2019/11/20 05:00 :
2019/11/19 05:00 :
2019/11/18 05:00 :
2019/11/17 05:00 :
2019/11/16 05:00 :
2019/11/15 05:00 :
2019/11/14 05:00 :
2019/11/13 05:00 :
2019/11/12 05:00 :
2019/11/11 05:00 :
2019/11/10 05:00 :
2019/11/09 05:00 :
2019/11/08 05:00 :
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
論考とは関係ないのですが、
>図表2は金額単位が億円であるため少し読み辛いのですが
お金を扱うとき3桁で区切るのは、英語で読みやすいようにする習慣である程度仕方ないと思うのですが、単位が1円とか千円とか百万円じゃない、万円とか億円のときくらいは、4桁で区切って欲しいのです♪
七味 様
千円 K(1,000)
百万円 M(1,000,000)
十億円 G(1,000,000,000)
桁がズレて読み辛いという意味だと思います。
(違ってたらゴメンナサイ)
Excelなどに転記する際、たまに桁間違いします(´・ω・`)
ちょこ様
仰るとおりなのです♪
表の中の「3,889,192億円」を「3百88万9千192億円」って読んで、あれれ??ってなっちゃったのです♪
「388,9192億円」だったら、「388兆9192億円」って素直に読めるのにって思ったのです♪
経済はよくわかんないけど、国債のリスクウェイトを0%にしてるのって、国債を買うように政策的に誘導してるってことなのかな?
でも、バーゼル規制って国内法じゃなくて条約みたいなもとだと思うから、日本だけがそんなことしてるわけじゃないように思うのですが・・・・
後編に期待なのです♪
> 現金を寝かせておくわけにはいかない
> では、日本の金融機関は、これらをいったい何に運用しているのでしょうか。
現実には,民間銀行は預金のかなりの部分を,マイナス金利で日銀の当座預金に預けています。この現実を無視したほとんどの考察は,間違った結論を導きます。口座維持手数料を徴収しよう,とかいう話もここから始まっているのですから。
> 金融機関が国債ばかり買っている
昨日の図表4のように,民間銀行は国債を売り越しています。
愛読者様
いつもコメントありがとうございます。
金融機関の運用の中身については明日の議論です。
ところで、拝領したコメントで明らかな事実誤認があります。
>現実には,民間銀行は預金のかなりの部分を,マイナス金利で日銀の当座預金に預けています。この現実を無視したほとんどの考察は,間違った結論を導きます。
まことに申し訳ないのですが、「現実を無視」されているのは、コメント主様の方ではないかと思います。
マイナス金利適用上の基礎残高、マクロ加算残高、政策金利残高の違いについては、詳しくは解説している暇がないので、申し訳ないのですが、下記PDFファイルのP5を直接ご参照ください。
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/k160129a.pdf
日銀のNYPは3段階から構成されており、ご指摘の「マイナス金利」とは3段階目の「政策金利残高」部分です。
また、日本銀行統計を調べて頂ければすぐにわかりますが、2019年9月末時点においてマイナス金利が適用されている残高は
都市銀行…144兆円のうちゼロ
地方銀行…39兆円のうち420億円
第二地銀…6.2兆円のうち70億円
信託銀行…44兆円のうち9.2兆円
であり、とくに都銀、地銀、第二地銀においては無視し得る金額です( https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/index.htm/ )。
ついでに申し上げておきますと、金融機関経営にもたらす影響は日銀のマイナス金利政策ではなく、日本国債市場・レポ市場の方が大きいです。
私自身がコメント欄でコメント主様に直接、コメントを書くのは少々異例ですが、ご容赦ください。
新宿会計士様
ご指摘の情報,細部まで確認していませんでした。お詫びと同時に,情報提供に感謝します。明日以降の記事を楽しみにしています。みずほ銀行が手数料改悪を発表したとき,日銀当座預金を減らすために,預金残高を減らすことを目論んでいるのかと,内心思っていました。
新宿会計士様のおっしゃる通りですね。
ここ数日、愛読者様のコメントを読み返してみました。「日銀が買い取った国債が当座預金に回っているからインフレが起きない」という説は一見すると筋が通っているように見えます。しかし日本銀行統計の当座預金の残高を見ると、マイナス金利以後の当座預金は地銀、第二地銀は全体の0.1%、無視できる金額しかありませんし、都市銀行に至ってはゼロ。量的緩和が始まったのは2013年、マイナス金利が始まったのは2016年ですから、「民間銀行は預金のかなりの部分を、マイナス金利で日銀の当座預金に預けています」は間違った説となります。
口座維持手数料の徴収の話はよくマイナス金利と結び付けて話されますが、マイナス金利で預けている預金がほとんどない現実を見ると、どうやら他に理由がありそうですね。
そもそも理に聡い、ひとかどのバンカーが絶対に損するとわかってるマイナス金利の当座預金に預けるとは思えません。それならどこかの国の国債を買います。
現金は保有していても利益は出ませんし、為替の変動によっては価値が許容できない程度まで目減りする恐れがあります。それなら政府が利子を、債権の種類によっては額面も保証してくれる国債の方が安全だ、と機関投資家は判断しているようです。
もっとも、詳しい事は私にはわかりません。ただ、現実がそうなってます。
ただ、愛読者様がおっしゃる通り、銀行の国債保有割合も確かに低下してますね。当座預金も増えてない、国債の保有割合も低下してる中で銀行は何で運用しているのか。これは明日以降、新宿会計士様の記事を楽しみに待ちたいと思います。
「レコードを買って魂を売ったのだから、差し引きゼロだ。」
なんてネタを知っている人はいないでしょうかw
このシリーズは書きためて、「新宿会計士」名義の書籍化が目標でしょうか。
>ただ、経済ネタ・金融ネタを掲載すると、あまりページビュー(PV)が増えないのではないかと懸念していた
PV目的で、韓国ネタを多用しないでもらいたいなあと思います。
せっかくのコア・コンピタンスがボケてしまいます。
りょうちん様
>韓国ネタを多用しないでもらいたいなあと思います。
このサイトにおける韓国ネタは「拡張された広告」みたいなものだと思います。このサイトを無料で維持するための手段と割り切りましょう。(笑)
大阪の大きな信用金庫ですが、保険の売り込み、投資信託の売り込みで度々やってきます
売り込みをしに来て帰ったあとの5時くらいに電話かかってきてフルハップに入りませんかと一斉に電話かけている状態でした
営業の人に話を聞くと最近は預金を集めるノルマがなくなった分、違うノルマがたくさん増えて本業が何かわからないと言ってました
日銀のマイナス金利が効いているのでしょうね
でもお金集めて日銀に預けて利益出すようなビジネスでは資本が還流しないので、もう少し日銀はマイナス金利の
ただ、付き合いで保険に入って営業の人と仲良くなっても、すぐ転勤ですし、基本的に本部の言う通りにしか動けないので
いらない物は買わないですし、保険も入らないですね
金融機関もある程度リスクをとった動きをして市場にお金を還流させていかないとダメなのでしょうが、ビジネスの見極めが出来る金融機関がどれだけあるのでしょう、スルガ銀行のようなことになってもだめですし
現状の動きを見ていて、本当に金融機関は末期状態だと思ってしまいますね
いつも更新ありがとうございます。
韓国ネタが尽きないので難しいかもですが、
銀行に関連して一つリクエストしたいです・・・
「銀行の口座維持手数料」について、
是非お話を伺ってみたいです。
Twitter上で
・休眠預金の時効分が今まで銀行収入だったが、国庫に吸収されることになった
・処理が遅れると、年利15%の膨大な利子が取られる
・そのため、収入が減るだけではなく、事務処理のコストがかかるため、
休眠預金に対して維持手数料を取ることで、休眠預金の防止と、預金ゼロ口座の強制解約を行いたい
・預金口座の悪用対策のためにも、休眠状態の口座を無くしたい
という意見を見ました。
このあたりを、会計士という立場から、銀行のシステムなどを絡めて、掘り下げて頂けるとうれしいなと。
(実際、上記コメントの方では無いですが、銀行って儲かってるの?儲かってないの??なんでマイナス金利なのに国債買ってるの???などという点とも関連しそうですので・・・)
勝手なリクエストなので、もちろん無視して頂いても結構です。
よろしくお願いします。
昔は、銀行はいい商売だと思っていました。金を右から左へ動かすだけなのに、企業の利益ランキングなどではいつも上位でしたからね。また銀行員と言うと高給というイメージだったと思います。それが今や、地殻変動で四苦八苦のようですが、今後どうなっていくんでしょうね?
そうそう、話は飛びますが、このシリーズでも仮想通貨についても取り上げて欲しいですね。
主要な金融機関が国債を保有せざるを得ないのは、自己資本に対しての投資枠がリスク規制されていたからなのですね。勉強になりました。
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少し前の情報なのですが・・。(高知信金)
http://nots.hatenablog.com/entry/2016/08/30/150000
>バーゼルⅢによる自己資本比率も約47%と、金融機関とは思えない数値となっており・・。
>貸出金601億円、預金7,005億円。直近の預貸率は8.57%ということになりますね。
>預金積金に、信金会員からの出資金を加えた過去からの調達総額7,014億円と比べると、実にその82%超もの金額が有価証券で運用されている計算になる。
*ここまでくると「金融業ではない」って気もするのですが、自己資本が厚ければ許されるってことなんでしょうか?
*株式運用益が主要な収入源だなんて、金融機関にもイロイロあるんですね。
>ただ、経済ネタ・金融ネタを掲載すると、あまりページビュー(PV)が増えないのではないかと懸念
いえいえ、経済ネタをもっとやってほしいです。韓国ネタは消化不良気味・・・。7~9月期の経済成長率速報が発表されました。このようなことについても、解説してもらえるとうれしいです。
私もそう思います。
経済や金融の話を素人にもわかるように、しかも発表されている数字に基づいて論理的に解説してくれるブログが少ないので、新宿会計士様の経済金融記事は貴重です。新聞よりもずっとためになります。
韓国ネタを取り上げるブログは星の数ほどありますが、なぜ韓国政府が日本人から見ると奇異な行動を取るのかについて、経済の面から論考できるブロガーは他にいないと思います。
韓国の内政と外交は鈴置高史さんと武藤正敏さん、文化的背景は楽観さん、韓国語のニュースはシンシアリーさんと、みなさん高いレベルでの論考を発表されてますが、それはやはりそれぞれの経験や人脈から得た情報を強みとして存分に発揮した結果と思われます。持っている情報量に大きな差があれば、専門でない方は追随が難しいでしょう。
それならいっそ、専門分野である経済や金融の方に特化して、内容、正確さ、説得力、わかりやすさ、そして本質を見抜く鋭さを最大限に高めていった方が他の方との差別化を図れます。差別化と希少価値はとっても大事です。
それに私は韓国だけではなく、アメリカ、中国、EU、そして全世界の経済についても深く知りたいです。