貿易統計をじっくり読むと浮かぶ、日本経済の意外な姿
先日、『貿易統計に見る「意外と貿易依存度が低い日本」の現状』という記事のなかで、財務省税関が作成している統計データを少しだけ紹介しました。このデータ、非常に膨大なものであり、なかなかエクセルなどで気軽に触れるものではないのですが、ただ、日本の貿易についてじっくりと論じた経済・金融系の評論記事があまり世の中に見当たらないという事情もあるため、本日はこの統計について、もう少しじっくり読み込むことで、「日本経済の意外な姿」を探ってみたいと思います。
2019/12/03 8:45追記
図表3の合計欄が間違っていましたので訂正しております。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。また、匿名のコメント主様、ご指摘をいただき大変ありがとうございました。
目次
普通貿易統計を読む
先月、『数字で読む日本経済』というシリーズを掲載しました(その「成果」については次の記事にまとめています)。
日本経済を客観的な数字で読んでみた結果を総括します(2019/11/29 05:00付 当ウェブサイトより)
その際、『貿易統計に見る「意外と貿易依存度が低い日本」の現状』という記事のなかで、財務省税関が作成する『普通貿易統計』という統計データを紹介しました。ただ、この記事では紹介し切れなかったのが、日本の輸出入の「品目別分解」です。
「いったんシリーズを締める」と言ってしまった手前、非常に恐縮なのですが、本稿ではその「品目別分解」をやってみたいと思います。
結論的にいえば、日本は自動車産業においては「加工貿易モデル」が成り立っているものの、それ以外の産業分野においては、すでに「加工貿易モデル」から脱却し、どちらかといえば基幹素材を握ることで、人件費の安い中国などに加工をやらせる、という「分業モデル」に移行していることが明らかです。
また、原発の再稼働が遅々として進まないなかで、貿易収支も黒字と赤字を行ったり来たりしていることは、2009年からの3年3ヵ月の民主党政権が残した「負の遺産」がいかに大きかったかという証拠でもあるのです。
品目別分解
輸出、輸入ともに、一部品目に偏っている
さて、わが国の輸出入については、次の図表1のとおり、だいたい60~80兆円台、といったところです(※ただし、2019年の金額がほかの年と比べて小さいのは、2019年は9月までの集計値であるためです)。
図表1 日本の輸出入(2010年以降)
年 | 輸出 | 輸入 | 差額 |
---|---|---|---|
2010年 | 67兆3996億円 | 60兆7650億円 | +6兆6347億円 |
2011年 | 65兆5465億円 | 68兆1112億円 | ▲2兆5647億円 |
2012年 | 63兆7476億円 | 70兆6886億円 | ▲6兆9411億円 |
2013年 | 69兆7742億円 | 81兆2425億円 | ▲11兆4684億円 |
2014年 | 73兆0930億円 | 85兆9091億円 | ▲12兆8161億円 |
2015年 | 75兆6139億円 | 78兆4055億円 | ▲2兆7916億円 |
2016年 | 70兆0358億円 | 66兆0420億円 | +3兆9938億円 |
2017年 | 78兆2865億円 | 75兆3792億円 | +2兆9072億円 |
2018年 | 81兆4788億円 | 82兆7033億円 | ▲1兆2246億円 |
2019年 | 57兆3945億円 | 58兆8090億円 | ▲1兆4145億円 |
(【出所】『普通貿易統計』より著者作成。なお、2019年については9ヵ月間データ)
これを多いと見るか、少ないと見るか。
よく一部のメディアは「日本は輸出大国であり、貿易依存国家だ」、などとしきりに述べていますが、現実には、日本の名目GDPがだいたい500兆円前後であることを踏まえるならば、貿易依存度は輸出、輸入ともに高い年でだいたい15%前後、といったところでしょうか。
ちなみに少し古いデータで恐縮ですが、2016年に関しては、日本の貿易依存度は、輸出依存度が13.1%、輸入依存度が12.3%であり、これはG7および日本の2つの隣国と比べたときに、米国に次いで低い数値でもあります(図表2)。
図表2 G7と中韓の貿易依存度(2016年)
国 | 輸出依存度 | 輸入依存度 |
---|---|---|
日本 | 13.1% | 12.3% |
韓国 | 38.0% | 31.4% |
中国 | 19.1% | 14.2% |
米国 | 7.8% | 12.1% |
英国 | 15.5% | 22.5% |
ドイツ | 38.5% | 30.5% |
フランス | 19.8% | 22.8% |
イタリア | 24.6% | 21.7% |
カナダ | 25.5% | 27.2% |
(【出所】総務省統計局『世界の統計2019』図表9-3)
「日本は世界の中でもとくに貿易依存度が高い国だ」といえるのかと問われれば、客観的に見て、少なくともそれをデータで確認することはできないのです。
貿易高は、一部品目に偏っている
さて、2018年の貿易高については、輸出が81兆4788億円、輸入が82兆7033億円で、年間の貿易収支は1兆2246億円の赤字でした。
この内訳は、いったいどうなっているのでしょうか。
これについて展開したものが、次の図表3です。
図表3 2018年を通じた品目別貿易収支
品目 | 輸出 | 輸入 | 差額 |
---|---|---|---|
0_食料品及び動物 | 6308億円 | 6兆3227億円 | ▲5兆6919億円 |
1_飲料及びたばこ | 1097億円 | 9239億円 | ▲8142億円 |
2_原材料 | 1兆1283億円 | 4兆7919億円 | ▲3兆6636億円 |
3_鉱物性燃料 | 1兆3042億円 | 19兆2940億円 | ▲17兆9899億円 |
4_動植物性油脂 | 274億円 | 1998億円 | ▲1723億円 |
5_化学製品 | 8兆9215億円 | 8兆5500億円 | +3715億円 |
6_原料別製品 | 9兆1362億円 | 7兆4591億円 | +1兆6771億円 |
7_機械類及び輸送用機器 | 49兆5264億円 | 23兆7783億円 | +25兆7481億円 |
8_雑製品 | 4兆8324億円 | 10兆0092億円 | ▲5兆1768億円 |
9_特殊取扱品 | 5兆8616億円 | 1兆3743億円 | +4兆4873億円 |
合計 | 81兆4788億円 | 82兆7033億円 | ▲1兆2246億円 |
(【出所】『普通貿易統計』より著者作成)
品目区分の頭についている番号(0~9)は、その品目の「大分類」であり、実際にはその下に3ケタの中分類が設けられ、さらに細分化されているケースもあります。
品目別に見ると、日本の輸出高全体の61%を占めているのが7番の「機械類及び輸送用機器」であり、また、輸入品目については同じく7番の「機械類及び輸送用機器」が29%、3番の「鉱物性燃料」が23%で、この2品目だけで全体の半分を超えている計算です。
輸出品の23%が「輸送用機器」
次に、この「3ケタコード」を確認していきましょう。
まずは、輸出品です(図表4)。
図表4 輸出品の上位品目(3ケタコード、2018年、2兆円を超える品目)
概況品目(輸出) | 金額 | 構成比 |
---|---|---|
705_輸送用機器 | 18兆8767億円 | 23.17% |
701_一般機械 | 16兆5077億円 | 20.26% |
703_電気機器 | 14兆1421億円 | 17.36% |
901_再輸出品 | 5兆0387億円 | 6.18% |
611_鉄鋼 | 3兆4412億円 | 4.22% |
501_元素及び化合物 | 2兆6964億円 | 3.31% |
515_プラスチック | 2兆5574億円 | 3.14% |
811_精密機器類 | 2兆4176億円 | 2.97% |
813_その他の雑製品 | 2兆1994億円 | 2.70% |
その他 | 13兆6017億円 | 16.69% |
合計 | 81兆4788億円 | 100.00% |
(【出所】『普通貿易統計』より著者作成)
このうち「901_再輸出品」とは、外国からいったん輸入したものの、そのまま外国に輸出する場合のことを意味します(同様に「再輸入品」は外国にいったん輸出したものの、そのまま輸入して来る場合のことを意味します)。
この「再輸出品」を除けば、わが国の輸出品目のうち2兆円を超えている品目については、輸送用機器と一般機械、電気機器の3品目を筆頭に、製品、加工品、あるいは製造用素材ばかりであることがわかります。
一般に、日本は「家電やゲーム機、PCなどの製品を作って外国に売っている」と思っている人は多いと思いますが、実際にはこうした「最終製品」は自動車くらいなものであり、それ以外の輸出品目は、いずれも「モノを作るためのモノ」なのです。
意外な姿が浮かぶ
さらに細目を見てみた
これについて具体的に、さらに細目を調べたのが、次の「5ケタコード」の上位6品目です(図表5)。
図表5 輸出品の上位品目(5ケタコード、2018年、2兆円を超える品目)
概況品目(輸出) | 金額 | 構成比 |
---|---|---|
70503_自動車 | 12兆3072億円 | 15.10% |
70323_半導体等電子部品 | 4兆1502億円 | 5.09% |
70505_自動車の部分品 | 3兆9909億円 | 4.90% |
70101_原動機 | 2兆9488億円 | 3.62% |
70131_半導体等製造装置 | 2兆7286億円 | 3.35% |
70303_電気回路等の機器 | 2兆0776億円 | 2.55% |
上記の合計 | 28兆2033億円 | 34.61% |
(【出所】『普通貿易統計』より著者作成)
自動車が日本全体の15%を叩きだしているということも凄い話ですが、「半導体等電子部品」や「自動車の部品」、「原動機」「半導体等製造装置」、さらには「電子回路等の機器」は、いずれも「製品を作るための設備」である、という点には大きな特徴があります。
半導体製造用品の主要な輸出先は、韓国ではなく中国
さて、最近、韓国に対する輸出管理適正化措置が話題に上る機会が多いと思います。こうしたなか、これらのうち、半導体等の電子部品、あるいは半導体を作るための製造装置については、「きっと韓国に対する輸出が多いに違いない」と思う人も多いと思います。
しかし、実際に集計をしてみたところ、「70131_半導体等製造装置」については最大の輸出先が中国であり、韓国は2番手に過ぎませんし、さらには「70323_半導体等電子部品」に至っては韓国は上位4番目に位置するに過ぎません(図表6、図表7)。
図表6 「70323_半導体等電子部品」の輸出先(2018年)
相手国 | 金額 | 構成比 |
---|---|---|
中国 | 1兆0971億円 | 26.43% |
台湾 | 7117億円 | 17.15% |
香港 | 6659億円 | 16.05% |
韓国 | 2565億円 | 6.18% |
タイ | 2365億円 | 5.70% |
米国 | 2337億円 | 5.63% |
シンガポール | 2149億円 | 5.18% |
その他 | 7336億円 | 17.68% |
合計 | 4兆1502億円 | 100.00% |
(【出所】『普通貿易統計』より著者作成)
図表7 「70131_半導体等製造装置」の輸出先(2018年)
相手国 | 金額 | 構成比 |
---|---|---|
中国 | 1兆0797億円 | 39.57% |
韓国 | 6297億円 | 23.08% |
台湾 | 3948億円 | 14.47% |
米国 | 2882億円 | 10.56% |
その他 | 3360億円 | 12.32% |
合計 | 2兆7286億円 | 100.00% |
(【出所】『普通貿易統計』より著者作成)
世の中には「韓国といえば半導体」、「日本は半導体製造設備を韓国に輸出しており、これが韓国に輸出できなくなったら日本の産業には壊滅的に大きな打撃が生じる」、と思い込んでいる人もいるかもしれませんが、少なくとも数値の上ではこれは大きな間違いだ、ということは確認できるでしょう。
輸入品の上位は「石油及び同製品」を抑えて「電気機器」
最後に、輸入品についても確認しておきましょう(図表8)。
図表8 輸入品の上位品目(3ケタコード、2018年、2兆円を超える品目)
概況品目(輸入) | 金額 | 構成比 |
---|---|---|
703_電気機器 | 12兆3379億円 | 14.92% |
303_石油及び同製品 | 10兆9802億円 | 13.28% |
701_一般機械 | 7兆9500億円 | 9.61% |
305_天然ガス及び製造ガス | 5兆4298億円 | 6.57% |
705_輸送用機器 | 3兆4904億円 | 4.22% |
807_衣類及び同附属品 | 3兆3067億円 | 4.00% |
215_金属鉱及びくず | 3兆1526億円 | 3.81% |
507_医薬品 | 2兆9622億円 | 3.58% |
301_石炭、コークス及び練炭 | 2兆8840億円 | 3.49% |
501_元素及び化合物 | 2兆8804億円 | 3.48% |
813_その他の雑製品 | 2兆3993億円 | 2.90% |
811_精密機器類 | 2兆1734億円 | 2.63% |
その他 | 22兆7564億円 | 27.52% |
合計 | 82兆7033億円 | 100.00% |
(【出所】『普通貿易統計』より著者作成)
輸入品の方は、輸出品と異なり、極端に特定の分野に偏っている、ということはありません。
ただし、何となく「日本の輸入品目のトップは石油だ」という印象を抱きがちなのですが、現実に「3ケタコード」を調べていくと、「303_石油及び銅製品」を抑え、「703_電気機器」(具体的には、ICやスマートフォン)が堂々のトップを占めているのが印象的です。
また、石油だの、石炭だのといった「素材」以外にも、たとえば上位3番目には「701_一般機械」がランクインしていますが、その主な内訳はPCや航空機などで占められています。
日本経済の姿とは?
さて、「日本は外国から資源を輸入し、それを国内で組み立てて外国に輸出している」、要するに「加工貿易モデル」を採用している国だ、といった認識を持つ人は多く、実際、そのような経済記事を多く目にします。
しかし、本稿の議論で明らかなとおり、日本経済の姿は、必ずしも「加工貿易モデル」ではありません。こうした「加工貿易モデル」が成り立つのは、自動車産業くらいなものであり、それ以外の産業についてはむしろ「基幹となる素材」を握る、というのが正確なところでしょう。
もっといえば、『数字で読む日本経済』シリーズでも眺めたとおり、わが国はすでに世界最大の債権国でもあります(『日本は世界最大の債権国だが、手放しに喜べない理由も』等参照)。
基幹となる素材産業を握りつつも、地球上最強クラスの通貨・円を使って、投資(対外証券投資や対外直接投資)でおカネを稼ぎ、最終消費財(とくにスマホやPCなど)については労賃が安い中国などに作らせて輸入している、という方が正確な姿でしょう。
ある意味では「成熟した債権国」のビジネスモデルですが、それと同時に基幹となる素材産業を握るという戦略は、1980年代を通じた米国との貿易摩擦で貿易黒字を目立たなくするという、日本なりの智慧なのかもしれませんね。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
もっとも、「303_石油及び同製品」が輸入品の2位に来ていることは、東日本大震災以降、原発が停止していることなどにともなって、火力発電への依存度合いが高まっていることの証拠なのかもしれません。
その意味では、原発の再稼働が遅々として進まないこと自体、日本にとっては大きな足かせとなっている格好です。
いまだに日本を貿易赤字体質にしてしまっていることこそ、2009年からの3年3ヵ月の民主党政権が残した「最大の負の遺産」であることは間違いないといえるでしょう。
参考:過去リンク
2021/08/07 05:00 :
2021/05/11 09:30 :
2020/10/25 05:00 :
2020/10/24 05:00 :
2020/10/23 05:00 :
2020/10/22 05:00 :
2020/10/21 05:00 :
2020/10/20 05:00 :
2020/10/19 08:00 :
2020/10/18 05:00 :
2020/10/17 05:00 :
2020/10/16 05:00 :
2020/09/25 05:00 :
2020/07/31 05:00 :
2020/07/30 05:00 :
2020/07/15 05:00 :
2020/07/03 05:00 :
2020/07/02 08:00 :
2020/07/01 16:00 :
2020/06/27 09:00 :
2020/06/25 17:00 :
2020/05/10 09:00 :
2020/03/29 05:00 :
2020/02/03 05:00 :
2020/01/18 08:00 :
2020/01/17 16:30 :
2019/12/27 05:00 :
2019/12/23 05:00 :
2019/12/19 05:00 :
2019/12/07 05:00 :
2019/12/05 05:00 :
2019/12/04 05:00 :
2019/12/03 05:00 :
2019/12/01 05:00 :
2019/11/29 05:00 :
2019/11/28 05:00 :
2019/11/26 13:15 :
2019/11/25 05:00 :
2019/11/22 05:00 :
2019/11/21 05:00 :
2019/11/20 05:00 :
2019/11/19 05:00 :
2019/11/18 05:00 :
2019/11/17 05:00 :
2019/11/16 05:00 :
2019/11/15 05:00 :
2019/11/14 05:00 :
2019/11/13 05:00 :
2019/11/12 05:00 :
2019/11/11 05:00 :
2019/11/10 05:00 :
2019/11/09 05:00 :
2019/11/08 05:00 :
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。
ツイート @新宿会計士をフォロー
読者コメント一覧
※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。
やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。
※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。
※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。
当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。
コメントを残す
【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
いつも考察欲を刺激する記事をありがとうございます。
特に本記事はとても興味深く、元データと合わせてじっくり読み込みたいと思います。
さて、図表3右下の差額合計はおそらく間違いかと思います。ご確認お願いします。
いつも楽しく拝見しています
先日、小学生の息子に社会を教えるために参考書を見たのですが、使われている統計は2009年までと古いですが、そこにはすでに日本は加工貿易から変化していていると記載がありました。
我が国の小学生には正しいことを教えていると安心しました
更新お疲れ様です。
>「日本は世界の中でもとくに貿易依存度が高い国だ」といえるのかと問われれば、客観的に見て、少なくともそれをデータで確認することはできないのです。
日本国内で需要を満たせない原材料や食物に焦点を当てる為なのでは?と思います。
そう言えば、米国が原油の純輸出国になったと報じられましたね。
製品輸出国から部品・素材輸出国へという変化は10年以上前から言われていたことです。完成品輸出が伸びないのは,日本人が世界各国の国民性とか文化をよく理解していないからだと思います。宗教問題には無知だし,海外の価値観の変化にも気付いていない。日本人の感性で,日本人だけに受けるガラパゴス製品を開発してしまうところが弱みでしょう。アニメで日本文化を輸出してますが。
貿易と全然関係なさそうな話題で申し訳ないですが,韓国・中国・日本の少子化問題と今後の人口構成(移民問題を含めて)を考えていたとき,欧米での出生率の上昇が,婚外子の割合の増加に支えられていることに愕然としました。主要国の婚外子の割合を見ると,日本 2.9%, 韓国 1.9%, 米国 39.8%, 英国 47.6%, フランス 59.7%, チリ 72.7%などです。キリスト教的一夫一婦制なんて完全に崩壊してますね。海外向け製品開発をしたいなら,家族の形の変化から知るべきかも。第2次大戦次くらいの価値観革命がないと,欧米で起きていることを体感的に理解できないかも。
韓国・中国叩きが好きな人が多いですが,欧米に比べると中韓の国民性と文化は戦前から高度経済成長期の日本と似ているのですが。
>完成品輸出が伸びないのは,日本人が世界各国の国民性とか文化をよく理解していないからだと思います。
部品から完成品を組み立てるには労働集約型のプロセスが必要で、その部分で日本にはどうしようもなく競争力が無いので、BtoBに移行せざるを得なかったというだけだと思いますが。
ちなみにアニメですが、やはり労働集約型で内製率は今や非常に低く、半分以上外国への外注に依存しています。
中国と戦争になったら、アニメの放送は止まると言われています。
興味深いデータをありがとうございます。
貿易収支はトントンかマイナス気味みたいですね。無知で申し訳ありませんが、所得収支を含めるとどうなっているのでしょうか?
日本は既に先進国となって久しく、物の売買よりも知財の売買の方に重点が移ってきていると感じます。物作りを行うには日本はコストが高いため、付加価値が無ければ世界で売れません。アメリカも同様でしょう。
日本は資源も取れず食料自給率も低いため、その分の外貨を手に入れないといけません。
日本は内需の国ですから、必要な物を最低限輸入できれば後は国内で勝手に成り立ちそうです。第3次産業従事者が7割?くらいですから。
石油輸入が圧倒的なのにその低い輸入依存度は凄い!って書こうとしながら読み進めてたら衝撃のラスト笑
シェール革命で石油の純輸出国に転じたアメリカとの関係さえ崩さなければ、世界大戦のような貿易ままならない状況でも日本はなんとかなりますね。
この「なんとかなる」というのはすごく大切。今までの日本の外交がややもすれば卑屈だったのは、加工貿易立国という負い目があったから。
こうやって客観的な数字で頭脳をアップデートすることは大事ですね。
我々も大事ですけど、現場の政治家や役人にとっても大事。
貿易の現場にいる経産省はこのことを熟知してるのでしょう。外務省は教科書の加工貿易立国のイメージが抜けないのかもしれません。
それが対外的な態度の差に表れてるような気がします。
これらの数字をみれば極端な話孤立主義すら戦略に入ります。
客観的大事だなと気づかされた朝でした。
客観的じゃなくて客観性。誤字すみません
更新ありがとうございます。
自動車関連の輸出、凄いですね。でも輸出輸入共に80兆円超というのは、日本の国力に比べ低いと感じます。
石油及び同製品が輸入品の2位に来ていることは、東北大震災以降、火力発電への依存度合いが高まっている為です。
原発はまだ僅か数基稼働のみ、特に東日本はゼロですね。火力に頼っていたんではCO2や有害ガスを撒き散らしているのと一緒。化石こそ減らすべきです。
やはり原発は必要です。猛暑の中、エアコンが28度設定で、作業能率上がりますか?ぐっすり眠れますか?左傾派や原発反対派は、そしたら電気の無い島ででも苦労すれば良い。いっそ日本から出ていけ!
輸出依存度が下がったぶん内需が活発になったからこそ外国人観光客にとって魅力的な国になったのでしょうね。サービス業を中心に産業構造の成熟化が進んだのでしょうか。
輸出してる製造業に身を置く者としては、自分たちの産業界が海外勢と競争しながら何とか稼いできた外貨が原発停止で増えた化石燃料輸入に消えてしまい、正直悔しいです。
>基幹となる素材産業を握りつつも、円を使って、対外投資でおカネを稼ぎ、最終消費財については労賃が安い中国などに作らせて輸入している。基幹となる素材産業を握るという戦略は、1980年代を通じた米国との貿易摩擦で貿易黒字を目立たなくする。
何年も前から日経新聞を読むと、日本は素材や部品・半製品を輸出することと、海外の子会社に投資して投資や金融で稼ぐビジネスモデルで、貿易依存度を下げている、との論調で、なんとなくそんなものかなと思っていたのですが、今回、会計士様の分析でデータで裏付けられました。どうもありがとうございます。
現在の日本の産業・経済構造が続く限り、日本は安泰だと思います。ほっとしました。
韓国の場合は、基幹となる素材産業・基幹技術は日本に握られていて、通貨ウォンが基軸通貨ではなく不安定で、外資による投資の対象となっていて、利益は配当という形で外国人投資家にごっそり取られて、労賃の安い、最終消費財の組み立てを行い、輸出で稼ぐ、貿易依存度が非常に高い産業システム、ですね。
韓国は日本のちょうど正反対のビジネスモデルとなっていますね。
記事の更新ありがとうございます。
世界のサプライチェーンの中に組み込まれて、輸出入の内容は定常状態になりつつあるという印象を受けました。
現代社会のランニングコストとも言える燃料分のコストについては、今後も支払い続ける産業競争力を最低限維持しなければならないのは宿命です。食料輸入も現在の食のレベルを維持したいなら必須ですし、輸出入抜きに社会を維持しようと考えるのは既に現実的ではないのかもしれません。
よって、考えるべきなのは、どうしても海外から輸入しなければならない物資を如何に安定して調達するかですね。
原発が停止していることで、そのハードルが上がっているのは確かですし、環境問題に絡めて火力発電を忌避する風潮ができあがるのもさらにハードルを上げています。
社会インフラの安定性が損なわれるというのは簡単に死人が出るぐらい恐ろしい事なので、一時的な風潮に流されずに維持する方策を検討して欲しいものです。
また、貿易収支は大きな赤字も黒字もよくありません。単純な解釈として、輸出は外需、輸入は内需に依存しているだけです。居心地のいいバランスは、均衡している状態と言えるのではないでしょうか。
外需依存体質の選択肢の少なさ、脆弱さについては、隣国に学ぶべきものがたくさんあります。
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20191202-00153316/
なぜ安倍首相は国連に「拒絶」されたのか―過去にも警告を受けていた日本
志葉玲
筆者の名前だけでもうおなかいっぱいでしょうがw
そもそも国連演説を拒否されたのはフェイクニュースだというのが小泉大臣からステートメントが出ています。
原発はイヤだ。石炭火力はイヤだ。
いったいこの連中は何をしたいんだろう。
再生可能エネルギーが石炭火力を超えるというのは嘘です。
原発にカーボンフットプリントやライフタイムコストなんて概念を持ち込むのに水力・風力発電は黙殺するというダブスタ。
相当に面倒な「品目別分解」をなされたことに感謝と尊敬を申し上げます。小生にとって図表5は漠然と思っていたものを明瞭に示されて目の覚める思いでした。
一つ質問をさせていただくと、知財関連の収支は輸出入の額と比べてどれくらいの割合になるのでしょうか。
他の方もコメントされていますが
知財関連のお金の動きが気になりますね。
うちの会社では少し前、言うて10年ぐらい前からですが、知財関連に厳しくなっています。
経済に関して日本のメディアは幼児レベルと言っても良い。
原発止めて火力発電に頼る日本は毎年数兆円の国富を流出させています。自民党政権は原発に肩入れすると票をなくすことを恐れて口を濁しています。もっと問題なのは太陽光発電による再エネ賦課金の異常な高さです。これは実質的な重税といってもいいのにマスコミや政治家はダンマリです。エネルギーは国民経済の根幹ですが原発が止まってから5年以上が経ち国民経済にボディブローのように効いていると感じます。