欠陥通貨・ユーロとギリシャ問題を日本に当てはめるな
『数字で読む日本経済』シリーズもいつの間にか後半に入りました。本稿では以前からずっと当ウェブサイトで報告し続けている「ユーロ問題」について、改めて振り返っておきたいと思います。ただし、インチキ会計基準であるIFRS(国際財務報告基準)については『欧州発の金融危機?インチキ会計基準IFRSと欠陥通貨ユーロ』でも議論したので、本稿では複雑な欧州統合の実態とならび、ユーロという通貨そのものの問題点に焦点を当てたうえで議論しておきたいと思います。
2019/11/18 10:30 追記
末尾に過去記事参照リンクが抜けていましたので追加しております。また、数ヵ所誤植がありましたので修正しております。
目次
複雑な欧州統合の実態
シェンゲン協定とは?
国債のデフォルトはあり得るのか。
この問題を議論するうえで、避けて通れないのが「ユーロ問題」です。
ユーロとは欧州連合(EU)加盟国28ヵ国のうち、19ヵ国が導入している共通通貨のことです。
これについて議論する前に、まず基礎知識として踏まえておきたいのが、「欧州統合」の現状です。
私たち外国人にとってわかり辛いのですが、現在のヨーロッパは、政治的には非常にややこしく、EU加盟国とユーロ加盟国、さらには「シェンゲン協定」の加盟国が複雑に入り組んでいます。
シェンゲン協定とは、おもにEU域内での人の自由な移動を実現するための協定で、締結国間では国境管理もなく、自由に行き来ができる一方で、シェンゲン協定加盟国は共通の入国管理ルールを導入しています。
たとえば、私たち日本国民がシェンゲン協定国(たとえば、フランスやドイツ、イタリア)に入国した場合、入国した国の国境検問所(空港など)で欧州共通の入国スタンプが押され、そこから次の国に移動するときには、シェンゲン協定加盟国間では入国スタンプは押されません。
現在、シェンゲン協定に加盟している国は、欧州のうちEU加盟国から22ヵ国、EU非加盟国から4ヵ国です。
シェンゲン、EU、ユーロ圏が複雑に!
ここで欧州の状況の理解がややこしくなる理由は、シェンゲン協定、EU、ユーロ圏などの関係が複雑に入り組んでいるからです。
欧州には、パターンとしては
- ①EU、ユーロ、シェンゲン協定のいずれにも加盟している国
- ②EU、ユーロには加盟しているが、シェンゲン協定には加盟していない国
- ③EU、シェンゲン協定には加盟しているが、ユーロには加盟していない国
- ④EUには加盟しているが、ユーロ、シェンゲン協定には加盟していない国
- ⑤シェンゲン協定には加盟しているが、EU、ユーロには加盟していない国
- ⑥EU、ユーロ、シェンゲン協定のいずれにも加盟していない国
という6つの種類の国があります。
このうち①の国は17ヵ国、②の国は2ヵ国、③の国は5ヵ国、④の国は4ヵ国、⑤の国は4ヵ国あります(図表1。なお、⑥の国については、「欧州」の範囲をどこまでとするかにもよるため、国の数は確定できません)。
図表1 複雑な欧州情勢
パターン | 国数 | 国名 |
---|---|---|
① | 17ヵ国 | ベルギー、ドイツ、エストニア、ギリシャ、スペイン、フランス、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、オーストリア、ポルトガル、スロベニア、スロバキア、フィンランド |
② | 2ヵ国 | アイルランド、キプロス |
③ | 5ヵ国 | チェコ、デンマーク、ハンガリー、ポーランド、スウェーデン |
④ | 4ヵ国 | ブルガリア、クロアチア、ルーマニア、英国 |
⑤ | 4ヵ国 | アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタイン、スイス |
⑥ | (不明) | アンドラ、マケドニア、サンマリノ、アルバニア、セルビア、モンテネグロ、コソボ、バチカン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モナコ、トルコ、ジョージア、ウクライナ など |
(【出所】著者調べ)
BREXITの問題点
私たちの感覚だと、「欧州に出掛けたらみんなユーロを使っているのかな?」と思ってしまいがちですが、現実には、EUに参加しているものの、国によってまだ自国通貨を維持している、というパターンもあります。
また、かれこれ3年以上、「ブレグジット」で世界を騒がせ続けている英国の場合だと、そもそもEUに加盟しているものの、ユーロには参加しておらず、また、国境移動の自由を保障するシェンゲン協定にも参加していません。
このため、欧州のシェンゲン協定国から英国(とアイルランド)に入国するためには、別途、入国審査を受けなければならないという面倒さがありますが、もともと英国は通貨面でユーロではなく英ポンドを維持しているため、EUから離脱しても、金融面で大きな打撃はないようにも見えます。
しかし、ここで問題となってくるのが、通貨圏とシェンゲン協定の関係です。
現在、アイルランドはシェンゲン協定に参加しておらず、英国とは入国管理を共通化しているため、ユーロ圏でありながら非ユーロ圏である英国とほぼ国境を意識しないで済んでいます。
しかし、さすがにEU加盟国かつユーロ圏加盟国であるアイルランドが、ブレグジット後も英国と入国管理を共通化し続けるのは困難であり、ブレグジット直後には北アイルランドとアイルランドの間に国境検問が復活してしまう、という問題点が指摘されています(※下記記事参照)。
ブレグジットを大きく揺るがす「アイルランド国境問題」とは何か(2018/11/06付 現代ビジネスより)
もっとも、図表1でわかるとおり、現状、EUはEU非加盟国がシェンゲン協定に参加することを認めています(現にスイス、ノルウェーなど4ヵ国がEU非加盟国でありながらシェンゲン協定に参加しています)。
個人的には、ブレグジット後に英国とアイルランドがシェンゲン協定に改めて加入すれば済む話であるようにも思えるのですが、このあたりはEU側の抵抗もあり、なかなか一筋縄では行っていないようです。
ユーロの問題点
ユーロ問題の前に:貿易の仕組み
さて、ユーロの問題点は、本質的には「為替相場の調整が働かないこと」、「国債のデフォルトが発生してしまうこと」に尽きると思いますが、ここで経済学の原則に立ち戻り、貿易の仕組みを振り返っておきましょう。
当たり前の話ですが、日本は日本円を、米国は米ドルを使っています。
ここで、日本企業が製品(たとえば原価60万円、売価100万円の自動車)を販売するという事例を考えてみましょう。このとき、この企業は円建てで、自動車1台あたり
- 売上高…100万円
- 売上原価…60万円
- 粗利益…40万円
という損益計算書が成立します。
ところで、1ドル=100円だったと仮定すれば、この粗利益を維持するためには、米国で自動車を1万ドル(=100万円÷100円)で売らなければなりません(※輸送コスト、原材料の輸入、在庫、為替ヘッジ等については、ここでは考えません)。
- 売上高…1万ドル(=100万円)
- 売上原価…60万円
- 粗利益…40万円
しかし、売上原価などの条件がなにも変わらないのに、ある日突然、為替相場が大きく動き、1ドル=50円の円高になってしまったならば、どうすれば良いでしょうか。
自動車1台を1万ドルで売り続けるのならば、この企業の粗利益はマイナスになってしまいます。
- 売上高…1万ドル(=50万円)
- 売上原価…60万円
- 粗利益…マイナス10万円
一方で、円高になる前の粗利益水準を維持するためには、この企業は自動車1台を2万ドルで売らなければなりません。
- 売上高…2万ドル(=100万円)
- 売上原価…60万円
- 粗利益…40万円
為替調整が利かない通貨
つまり、為替相場が円高に振れれば輸出企業の業績を押し下げ、為替相場が円安に振れれば輸出企業の業績を押し上げる方向に働く、というのが、貿易の基本的なメカニズムです。
米ドルと日本円の為替相場(USD/JPY)の場合は、世界第1位と第3位の「ハード・カレンシー」同士ということもあり、日米の為替相場は貿易だけによって決まるものではなく、現実には企業の対外直接投資や機関投資家の対外証券投資などのフローも為替相場に大きな影響を与えています。
しかし、うんと単純化し、為替取引に(直物の)貿易決済しか存在しなかったと仮定すれば、日本が米国に対し、一方的な貿易黒字を積み上げ続けることは難しいです。なぜなら、日本が米国に対して貿易黒字状態ならば、日本企業が稼いだドルを円に両替するという為替取引を大量に実施するからです。
一般にAとBという2つの国が存在し、AがBに対して貿易黒字国であれば、Aの通貨はBの通貨に対して上昇し、結局は為替相場の影響により、Aの産業競争力がBに対して弱くなるのです。
これが「為替相場を通じた輸出競争力の調整」です。
では、ここでCとDという国が、ともにユーロという通貨を採用していたらどうなるでしょうか。
CとDの間では、為替相場を通じた輸出競争力の調整メカニズムが働きません。なぜなら、ユーロという同じ通貨を使っているからです。
その典型例が、ドイツとギリシャでしょう。
ここで、改めてGDPの計算式を、支出面と分配面から確認しておきましょう。
- GDP=C+I+G+X-M…①
- GDP=C+S+T…②
(ただし:Cは消費、Iは投資、Gは政府支出、X-Mは純輸出、Sは貯蓄、Tは税金)
①式と②式から、
- (I-S)+(G-T)+(X-M)≡0…③
が成り立ちますが、この③式を一般に「ISバランスの恒等式」と呼びます。
③式の左辺第1項(I-S)は民間の投資・貯蓄バランスで、第2項は政府の財政赤字・黒字、第3項は貿易収支ですが、簡単にいえば、民間部門で貯蓄超過、政府部門で財政黒字なら、絶対に貿易黒字になる、という意味です。
ギリシャの場合はもともとドイツに比べて産業競争力が非常に弱いため、ギリシャがユーロに参加して以降、ドイツ製品がギリシャに対し、一方的に流入する(つまりギリシャが貿易赤字を計上し、ドイツが貿易黒字を計上する)という関係が続いているのです。
ここでギリシャは貿易赤字国ですので、③式の左辺第3項は常にマイナスです。
このため、恒等式に従い、左辺第1項と第2項を合計すればプラス(つまり「貯蓄以上の投資」か、「税収以上の財政支出」、あるいはその両方が行われている状態)になっていなければ辻褄が合いません。
ギリシャの場合は、これが「財政赤字」という形で出てしまっているのです。
国債デフォルトの3条件とギリシャ国債
つまり、ギリシャを含めた南欧諸国が、財政赤字を無限に積み上げ続けていることの根本的な原因は、ユーロという通貨の為替調整が利かず、産業競争力が強い国(とくにドイツ)が産業競争力の弱い国に対し、ほぼ無制限に貿易黒字を積み上げ続けている、という点にあるからです。
(※余談ですが、ユーロ圏内で弱い国や金融支援を受けた国などについて、ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインをPIIGSと表現した人がいましたが、本稿で議論する内容はギリシャだけでなくほかのPIIGSについても成り立ちます。)
以前から何度かお伝えしているとおり、国債のデフォルトが発生する条件は、基本的に次の3つです。
- ①国内投資家が国債を買ってくれなくなること
- ②海外投資家が国債を買ってくれなくなること
- ③中央銀行が国債を買ってくれなくなること
『日本は世界最大の債権国だが、手放しに喜べない理由も』などで申し上げたとおり、日本の場合はそもそも①の時点でこの条件を満たしていません。なぜなら、日本国内では資金が有り余っていて、むしろ外国に対して巨額の資金を貸し付けているくらいだからです。
しかし、ギリシャの場合は①の条件を満たしていません。なぜなら、恒等式③の左辺第3項において、貿易赤字という状態が継続しているからです。しかも、残念なことに、ギリシャの中央銀行はユーロという紙幣を刷る権限を持っていないため、ギリシャ国債を買うことができません。
そうなると、ギリシャ国債を買ってくれるのは②の海外投資家に限られます。
ここで、経済学の鉄則を思い出しておきましょう。
- 国債が自国通貨建てで発行されている場合、国内外の投資家が国債を買ってくれなくなれば中央銀行が引き受けざるを得ず、最悪の場合はハイパー・インフレなどが生じるが、その場合であっても基本的にデフォルトはしない
- 国債が外国通貨建てで発行されている場合、国内外の投資家が国債を買ってくれなくなれば、それでアウトであり、たとえ国債であってもあえなくデフォルトする
- 債券の発行主体が国・中央政府ではなく地方政府だった場合、その地方政府には通貨を発行する権限がないため、たとえ自国通貨建てであってもデフォルトすることはあり得る
ギリシャ国債の場合は、国債を発行しているのが中央政府ではありますが、ギリシャという国にユーロを発行する権限はありませんので、たとえ自国通貨建てであってもデフォルトすることがあり得るのです。
現実に2010年の欧州債務危機以来、ギリシャは何度も何度も国際社会に対し、「国債デフォルトするする詐欺」という「瀬戸際外交」を繰り返してきました。
核開発で瀬戸際外交を繰り返す北朝鮮も悪質ですが、ユーロという「世界の準基軸通貨」の信頼を揺るがせるような瀬戸際外交を行うという意味では、ギリシャも相当に悪質です。
ちなみに『ギリシャが対独40兆円賠償要求?ユーロ問題はドイツ問題だ!』でも報告したとおり、ギリシャは現在、ドイツに対して日本円に換算し、数十兆円という戦時賠償を求める構えを見せているそうですが、私たち日本国民としては「ドイツさんのお手並み拝見」、といったところでしょうか。
本当に悪いのはドイツ
ただし、ユーロ圏の議論では、世界のメディアには「ギリシャなどの南欧諸国が無駄遣いして借金をこしらえ、ドイツなどに迷惑を掛けている」、といった具合に報じられることも多いのですが、これは大いに間違っています。
なぜなら、ユーロという通貨の設計と経済学の鉄則に照らすと、産業競争力がまったく異なる国が同じ通貨を使うことになれば、一方的に貿易赤字を積み上げ続けることになるからです。
日本や米国の場合だと、通貨の発行主体(日銀やFRB)と通貨の通用領域(日本国やアメリカ合衆国)の範囲がほぼ一致していますが、ユーロ圏の場合だと、通貨の発行主体が欧州中央銀行(ECB)という組織であり、「ユーロ圏共通財務省」というものは存在しません。
そして、産業競争力が異なる国が同じ通貨を使うことの問題点を解消するためには、労働力の移動の自由(※これについては実現済み)に加え、「各国共通の国債」(ユーロ圏財務省)の創設が必要なのです。
もしそれができないのならば、ユーロ圏は解体するしかありません。
それなのに、肝心のドイツが、「ユーロ圏財務省」構想にも反発しており、かつ、ECBの量的緩和政策もじつに中途半端なもので終わっています。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
身もふたもない言い方ですが、ユーロとは結局、ドイツが無制限に貿易黒字を積み上げ続けるための(あるいは酷い言い方をすれば、他のユーロ圏諸国を経済的に搾取し続けるための)仕組みだ、というのが実態に合っているように思えてなりません。
そして、「ギリシャ国債がデフォルトした」という事実をもって、「公的債務残高GDP比率が非常に高い日本が、ギリシャのようにいずれデフォルトするに違いない」と論じる人も(欧米では)たくさんいるのですが、前提条件がまったく異なっていることを無視しています。
- 日本は経常黒字国、PIIGSは経常赤字国
- 日本は自国通貨、PIIGSは共通通貨
いずれにせよ、「公的債務残高がGDPに対して高い水準にある」というだけの理由で「いずれ日本が財政破綻する」といった議論は大きな間違いである、と指摘しておきたいと思います。
参考:過去リンク
2021/08/07 05:00 :
2021/05/11 09:30 :
2020/10/25 05:00 :
2020/10/24 05:00 :
2020/10/23 05:00 :
2020/10/22 05:00 :
2020/10/21 05:00 :
2020/10/20 05:00 :
2020/10/19 08:00 :
2020/10/18 05:00 :
2020/10/17 05:00 :
2020/10/16 05:00 :
2020/09/25 05:00 :
2020/07/31 05:00 :
2020/07/30 05:00 :
2020/07/15 05:00 :
2020/07/03 05:00 :
2020/07/02 08:00 :
2020/07/01 16:00 :
2020/06/27 09:00 :
2020/06/25 17:00 :
2020/05/10 09:00 :
2020/03/29 05:00 :
2020/02/03 05:00 :
2020/01/18 08:00 :
2020/01/17 16:30 :
2019/12/27 05:00 :
2019/12/23 05:00 :
2019/12/19 05:00 :
2019/12/07 05:00 :
2019/12/05 05:00 :
2019/12/04 05:00 :
2019/12/03 05:00 :
2019/12/01 05:00 :
2019/11/29 05:00 :
2019/11/28 05:00 :
2019/11/26 13:15 :
2019/11/25 05:00 :
2019/11/22 05:00 :
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2019/11/15 05:00 :
2019/11/14 05:00 :
2019/11/13 05:00 :
2019/11/12 05:00 :
2019/11/11 05:00 :
2019/11/10 05:00 :
2019/11/09 05:00 :
2019/11/08 05:00 :
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
「②EU、ユーロには加盟しているが、シェンゲン協定には加盟していない国:アイスランド」
は、正しくは、
「②EU、ユーロには加盟しているが、シェンゲン協定には加盟していない国:アイルランド」
ではないでしょうか?
愚塵 様
いつもコメントありがとうございます。
また、誤植のご指摘、大変ありがとうございました。
引き続きご愛読、コメントをよろしくお願いします。
金利政策も財政政策も制限されるのなら共通通貨も考え物ですね。
ギリシャをはじめ経済基盤の脆弱な諸国は「国家存続のためには、両替不要の利便性は放棄すべき」なのかも知れないですね。
いや、通貨信用をタテに悪あがきを続けるべきなのか・・。
*****
>ユーロという「世界の純基軸通貨」でも間違っていないとは思うんですけど・・。
*ユーロという「世界の準基軸通貨」でもいいような気もします。
カズ 様
いつもコメントありがとうございます。
また、誤植のご指摘大変ありがとうございました。
引き続きご愛読とコメントをお願い申し上げます。
ドイツはEU内で,経済1人勝ちなのですが,かわりにドイツ銀行という爆弾を抱え込んでしまいました。ドイツ銀行の内情は,かなり隠蔽されていて,よく分からないのですが,常に破綻に危険性がささやかれています。そうなったら,ドイツが公的資金を投入して救済するしかありません。ドイツ銀行が破綻したら,日本も多大な被害を受けるおそれがあります。このあたりの話題も,分析してほしいものです。
まさにドイツ一人勝ち状態。 かつてドイツは軍事力でヨーロッパを支配しようとして失敗したが、今ではお金でヨーロッパを支配した、などと陰口を言われていますね。メルケル首相という優秀な現実主義(修正主義)の政治家がいたのでうまくいったのでしょうが、結果として韓国と同様に輸出依存度が異常に高い国になってしまいました。ただし、技術が自前という決定的違いはありますが、、、。
そのうち「一人勝ちドイツはもっと金を出せ」運動が起きるかもしれませんね。数年前のEU難民問題もドイツが「引き金」を引いたのだから しかるべき責任を取っても良いとか思いました。
英国のシェンゲン協定加入は無いと思います。ブレグジットの発端の一つに 移民問題がありますから。でも、北アイルランドの火種は心配ですね。 かつてのIRAのような物騒な連中が出没しないことを祈るばかりです。
私見では、ギリシャやポーランドがドイツに対して戦時賠償を言い出しているのは、主な動機がドイツ搾取による経済的不均衡にあると受け止めています。
同時に、南北朝鮮のいう賠償は、主な動機がマウンティングにあって金はその次に来ると思っています。もちろん「心から謝罪すれば金は問題じゃない」とか言うセリフを信用する気は一毫もありませんが。
このユーロの問題ってサブプライムローンの問題と近いものがありますよね。
リスクをユーロと言うパッケージ化してることで見えにくくすると共に、バブル化させて、ドイツだけが儲けるシステムですもんね。
最近のマクロ経済ってこの様なシステムを用いて合法的な詐欺がまかり通るのが多い気がします。
素人考えですが、今EUでおきている事は、加盟各国に国家としての主権を残しながら通貨だけを統合した結果の必然のような気がします。だから、通貨の欠陥というよりは統治システムの欠陥ですよね。
私の理解では、これと似た事は、現在の日本(日本円が全土の統一通貨)でも、競争力の弱い地方が衰弱し、強い大都市だけがますます繁栄すると言う形で起きているように思います。ただ日本では中央政府の収入を、それら弱い地方に傾斜配分・補填することで格差を調整している違いでしょうか。
どうやら、通貨には、それが通用する地域の経済的弱者を淘汰する働きがあるようですね。
新宿会計士さま、更新ありがとうございます。不勉強ゆえ、欧州が
>欧州には、パターンとしては
>~
>という6つの種類の国があります。
などという複雑な状況であるとは思ってもいませんでした。
(特に、シェンゲン協定に参加していないEU加盟国が存在するとは全く知りませんでした)
ところで、BREXITによりアイルランドと北アイルランドとの問題再燃を防ぐための方策として、個人的とは断られておりますが、
>個人的には、ブレグジット後に英国とアイルランドがシェンゲン協定に改めて加入すれば済む話であるようにも思えるのですが、
と提案されておりますが、私も個人的な考えを述べさせて頂くと、これは現実味が乏しい(特に、アイルランド側でなく英国側で)と考えております。
そう考える理由は、そもそも英国民が僅差とはいえ国民投票でEU離脱という国全体での経済的には損な選択(EUから離脱することは英国の産業そして経済には間違いなく少なからぬダメージを与える選択であるのは国民投票の時点で明らかでした)をした原因がEUの一員であることで東欧諸国から大量に労働者が英国に流入して安価な労働力として英国民の職を奪っていたという事実にあるからです。
つまりEUから離脱することによってEU圏からの安価な労働力流入を止めたい、これが英国民の(僅かですが)過半数の願いであったわけです。
しかしシェンゲン協定に加盟すればEU諸国との間の国境管理を放棄して人の往来の自由を許さねばならないのですから、EU圏から安価な労働力が流入してしまいます。
これは私の個人的な推測ですが、EU離脱に賛成した英国民の願いとしては、EUとの間で関税ゼロの貿易圏や投資の自由など経済的な一体性は維持したまま、人の往来の自由だけを食い止めたいのです。勿論、これは虫の良すぎる考えだと言えばその通りですが、現実には英国以外のEU圏と英国との間の貿易に関してはEU側の貿易黒字なので、関税戦争をやればEU側の受けるダメージのほうがトータルとしては大きく、そういう意味では「(通貨統合以外の)経済的な一体性を保持したままEUからは抜けたい」という英国の希望は必ずしも虫が良いとも言い切れません。ただ、EU側としては離脱国が次々に出現しないための見せしめとして英国を叩くために経済的には不合理であろう(EU側のほうがトータルのダメージは大きく)とも、英国に対して自由貿易圏を継続させることは無いと私も思いますが。
と、少し話が逸れましたが、かつての激烈なテロを伴う北アイルランド問題の再燃は確かに英国にとっても耐え難いのは間違いありませんが、だからと言ってEU離脱後に英国がシェンゲン協定に加わることは無いというのが私の考えです。その理由は、もしも離脱後にシェンゲン協定に加盟してEU圏との間で国境管理を放棄するのであれば、英国にとってEU離脱は経済的損失だけが残り何のメリットも無いからです。
今回も非常にわかり易いエントリーでした。
新宿会計士様に感謝します。
以前に経済話題だとPV数が伸びないなんて仰っておられましたが、
きっと読んだ方々は相応に知識を手に入れることができ
喜んでおられると思いますよ。
UR all PIGS from HELL!
なんてacronymがあるのを初めて知りましたw
訂正です。
>経済的な一体性は維持したまま、
これは筆が滑りました。管理人さまが普段お遣いの言葉をお借りすると、「物と金との移動の自由は維持したまま」とでも書くべきでした。つまり「英⇔EU間での双方向の無関税の自由貿易と投資の自由を維持したまま」という意味です。経済のための財政政策に関しては一体であり続けたいとは英国は考えていないであろうと私個人は考えているからです。
即ち、EUが加盟国に強制している財政規律のルールと罰則などに関しては、一般の英国民はどうかは知りませんが(そもそも一部の知識層を除き普通の英国民の殆どはそんなルールとそれが英国にどんな足枷になるかについては最初から知らないでしょう)、英国政府は逃れたい(財政赤字の幅をどうするかは英国自身の裁量で決めたい)と考えているでしょうからね。
ドイツ銀行、コメルツ銀行問題、何年も前から言われてますよね。
負債総額は、1京円に近いとも、誰も分からない程積み上がっている。
多くは中国投資での負債で、中国の地方発デフォルトから誘発が囁かれてる。
ジャンク債がどうなっているか、わからんでしょう。
PB論者の友人がドイツも
プライマリーバランスを達成しているのだから
北欧の国だけでなく日本も達成出来るはず
技術開発(イノベーション)の問題が国が発展しない理由
と論じます
日経新聞を熟読している様子で説明をしてきます
ドイツのPB達成には問題があり日本が真似ることが危険と説明できません
また、機会があれば教えてください