通貨スワップと韓国経済の「黒字倒産」リスクについて考える
韓国が中東のアラブ首長国連邦(UAE)とのあいだで通貨スワップを復活させたという話題については、昨日、『韓国とUAEが通貨スワップ協定が復活 「通貨危機遠のく」?』でお伝えしました。UAEはドルペッグ国でもありますが、外貨準備高は大きく増減している国でもあります。今回のUAE・韓国間通貨スワップに何か穴はないのでしょうか?また、なぜ通貨スワップなどという契約が必要なのか、よくわからないという方もいらっしゃるでしょう。そこで、本稿では「黒字倒産」という現象について簡単に説明するとともに、外貨に依存した国の悲哀について、考察してみたいと思います。
目次
UAEとの通貨スワップ
昨日の『韓国とUAEが通貨スワップ協定が復活 「通貨危機遠のく」?』で速報的にお伝えしましたが、中東のアラブ首長国連邦(UAE)と韓国は土曜日、ローカル通貨建て通貨スワップ協定(期間3年)を締結しました。
といっても、両国間で通貨スワップ協定が締結されるのは、初めてのことではありません。じつは、過去にも両国間で通貨スワップ協定が存在していたのですが、2016年10月12日にいったん失効しているので、今回の協定は「再締結」と称したほうが妥当かもしれません。
(※ただし、前回、UAEとのスワップが失効した際、韓国のメディアや政府はしばらくの間、その事実を認めておらず、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に2017年3月時点で掲載されたインドネシアとのスワップの記事でも、「UAEとも通貨スワップが存在している」と報じていたほどです。)
韓国とインドネシア 通貨スワップを3年延長(2017.03.06 16:11付 聯合ニュース日本語版より)
それはさておき、今回あらたに成立した通貨スワップ協定の内容は、2年半前に失効したものと、ほぼ同じで、韓国側が200億ディルハム(約54.5億ドル)、UAE側が6.1兆ウォン(約53.7億ドル)を上限に条件に、それぞれ自国通貨を担保に相手国通貨を借り入れることができる、というものです。
なお、純粋に金融面で申し上げれば、今回のスワップ、UAEから見たメリットはおそらく皆無でしょう。というのも、UAEと韓国の貿易の決済通貨が韓国ウォンであるとは考えられないからです。
逆に、後述するとおり、UAEとの通貨スワップについては、韓国側に一定のメリットはありますので、今回のスワップは何らかの裏合意の存在を前提にした、UAEから韓国に対する約54.5億ドルの支援である、という見方ができるのではないでしょうか。
通貨スワップと韓国
なぜか「狂喜乱舞」しない韓国メディアの謎
ただし、1つだけ不自然な点があるとしたら、普段だと韓国の主要メディアが「新しいスワップだ!」「これで通貨ポジションの安定に寄与する!」などと狂喜乱舞して喜ぶはずが、このUAEとの通貨スワップについて、日曜日までの時点でほとんど触れているメディアがない点でしょうか。
というよりも、最近だと韓国メディアが通貨スワップについて積極的に取り上げなくなった気がします。
そういえば日本は今年2月にインドとの間で総額750億ドルという「メガ・スワップ」を締結しましたが(『日印通貨スワップ協定成立の意味と予想される某隣国の反応』参照)、私が知る限り、韓国の主要メディアはほとんどこの事実を報じていません。
もちろん、今回のUAEとのスワップについても、月曜日以降、関連する記事がちらほら出てくる可能性はあるのですが、スイスとの通貨スワップ協定が成立したときの狂喜乱舞ぶり(『スイスは韓国の通貨危機を望んでいるのか?』参照)と比べれば、扱いは抑制的な気がします。
何となく、「韓国が現在、諸外国と締結している通貨スワップだと、韓国の潜在的な外貨不足額と比べて危機の際にほとんど役に立たない」という実態が、韓国メディアにも知れ渡ってきた証拠といえるかもしれません(あるいは、通貨スワップに関する話題に力を割く精神的余力がないからでしょうか?)。
再掲で恐縮ですが、現在、韓国が諸外国との間で締結している通貨スワップ協定をまとめると、次の図表1のとおりです。
図表1 韓国銀行が外国通貨当局と締結している二国間通貨スワップ協定(自称も含む)
相手国 | 相手通貨と米ドル換算額 | 韓国ウォン |
---|---|---|
インドネシア | 115兆ルピア(81.6億ドル) | 10.7兆ウォン |
マレーシア | 150億リンギット(36.5億ドル) | 5兆ウォン |
スイス | 100億フラン(99.8億ドル) | 11.2兆ウォン |
オーストラリア | 100億豪ドル(71.7億ドル) | 9兆ウォン |
UAE | 200億ディルハム(54.5億ドル) | 6.1兆ウォン |
中国 | 3600億元(537億ドル) | 64兆ウォン |
合計 | 約881億米ドル相当額 | 106兆ウォン |
(【出所】各国中央銀行等ウェブサイトを参考に著者作成。なお、UAE以外の各国通貨の米ドル換算額は金曜日時点のWSJの引け値を参照。また、韓国はこの6ヵ国以外にも、カナダとの為替スワップ協定を保有している)
韓国が保持する通貨スワップの3つの問題点
図表1を改めて眺めて頂ければわかりますが、韓国が外国通貨当局と結ぶ6本の二国間通貨スワップ協定の金額は、米ドルに換算して約881億ドルと莫大なものです。
これに加え、韓国はチェンマイ・イニシアティブ・マルチ化協定(CMIM)と呼ばれる多国間通貨スワップを通じて384億ドルを引き出すことが可能です(※ただしIMFデリンク制限に引っかからない上限は115.2億ドル)。
つまり、韓国が保持する6本の二国間通貨スワップ、1本の多国間通貨スワップを使えば、理屈の上では合計最大1165億ドルもの外貨を外国から引っ張ってくることができるのです。
- 二国間通貨スワップが6本(図表1の通貨スワップ)でトータル881億米ドル相当額
- 多国間通貨スワップが1本(CMIM)で引出可能額は最大384億ドル
これだけを聞くと、確かに「凄い!」と思うかもしれません。
ただし、昨日の繰り返しですが、韓国が外国と締結するCMIM以外の6本の通貨スワップには、大きく3つの問題点があります。
1つ目の問題点は、米ドル建てのスワップがないことです。
まず、図表1に示した6本の二国間通貨スワップも「ローカル通貨スワップ」と呼ばれ、相手国の通貨としか交換できない契約です。つまり、韓国が喉から手が出るほど欲しい米ドルと交換できるタイプのスワップは皆無だ、ということです。
オーストラリアとの100億豪ドル(約71.7億ドル)、スイスとの100億フラン(約99.8億ドル)のスワップについては、相手国通貨自体が国際的に広く通用する「ハード・カレンシー」の一種ですので、いざとなれば米ドルに両替して(あるいはそのままで)通貨防衛などに使うことができなくもありません。
しかし、とくに中国、インドネシア、マレーシアとの通貨スワップについては、相手国通貨自体が「ソフト・カレンシー」、つまりどこの国でも自由に両替できる通貨ではないため、韓国が通貨危機になったときに、相手国から通貨を借りて通貨防衛に使う、といった使い方は難しいでしょう。
次に、2つ目の問題点としては、中国との通貨スワップについては実在が怪しいことです。
韓国が保持する6本の二国間通貨スワップの中で、最大の金額を占めるのが中国との通貨スワップで、全体の実に61%を占めていますが、これについては公式には2017年10月10日で失効済みであり、韓国当局側が一方的に「口頭で延長に合意した」と言い張っているに過ぎません。
そして、3つ目の問題点は、危機が波及する、ということ(つまり「共倒れ」リスク)です。
つまり、中国、インドネシア、マレーシアとの通貨スワップは、韓国が通貨危機になったときに相手国から外貨を借りるだけでなく、相手国が通貨危機になったときに韓国ウォンを貸さなければならないとうい性質のスワップでもあります。
とくに中国との通貨スワップは、韓国が必要なときに3600億元を引き出そうとしても中国当局から拒絶される可能性が高い一方、中国から要求があれば、64兆ウォンもの大金を中国に貸し出さなければならないということでもあります。
まったく正気の沙汰とは思えません。
韓国が抱える二国間通貨スワップの問題点
- ①韓国が喉から手が出るほど欲しい米ドル建ての通貨スワップ協定が1本も存在しないこと
- ②金額ベースで全体の6割を占める中国とのスワップは実在が怪しいこと
- ③共倒れ(相手国を危機に巻き込む、相手国から危機に巻き込まれる)リスクがあること
ディルハムはハード・カレンシーと呼べないが…
ただし、昨日も紹介したUAEディルハムとのスワップについては、金額こそ50億ドル少々と僅少ですが、実は、韓国にとってはとても貴重な通貨スワップとなる可能性があります。というのも、UAEディルハムは米ドルとのペッグ制度を採用しているからです。
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、1998年以降、1ドル当たり3.6725ディルハムに固定されているのだそうですが、これはディルハムのレートが切り下がりそうになれば通貨当局がディルハムを買い支え、ディルハムのレートが切り上がりそうになればディルハムを売却している、という意味でしょう。
実は、似たような為替ペッグ制度を取る国は意外と多く、日本に身近な国では香港が1米ドル=7.8香港ドル(※現実には上下0.05ドルのバンドを容認しているため、1米ドル=7.75~7.85香港ドル)という固定相場制度を採用していますし、北欧のデンマークもユーロとペッグしています。
また、UAEを含めた湾岸協力理事会(GCC)加盟国で見ると、UAE以外にもサウジアラビア、カタール、バーレーンなどが米ドルとペッグしていますし、クウェートも通貨バスケット制を採用しているため、広い意味ではペッグ制度の一種だといえます。
それはさておき、韓国が締結したUAEとの通貨スワップは、米ドル建てのものではありませんが、事実上、米ドルとのスワップに準じたものだという言い方ができなくもありません。
そして、IMFのデータによれば、UAEの外貨準備高は2018年末時点で995億ドルであり、仮にこの水準が続くのなら、韓国から50億ドル少々を引き出されたとしても、UAEのドルペッグが揺らぐという可能性はそこまで高くないでしょう。
ただし、UAEの外貨準備高は安定しておらず、2010年末の外貨準備高は328億ドルていどでしたし、わりと増減を繰り返しています。
このため、将来的な石油価格、湾岸諸国の政治動向次第では、UAEの外貨準備が激減し、先ほど述べた「共倒れリスク」が顕在化するかもしれません。
実際、1997年のアジア通貨危機の際には、香港がインターバンク・オーバーナイト金利を280%(!)にまで引き上げてまで米ドルとのペッグを守り切りましたが(財務省『「経済の発展・衰退・再生に関する研究会」報告書』P225参照)、これはドルペッグから外れる瀬戸際にあったとうい意味でもあります。
韓国との通貨スワップが、UAEがドルペッグから外れるきっかけとなる可能性だってあるかもしれません。
国家だって破綻する
黒字倒産の恐怖!
ところで、「国家の崩壊」といわれてもピンとこない、という人も多いと思うのですが、これについては個人に例えてみればよくわかります。
たとえば、著名な小説の主人公であるロビンソン・クルーソーのような自給自足生活と異なり、私たちの多くは社会生活を営んでいます。農家でもない限りは、食品を自分たちで作り出すことはできませんので、モノを食べていくためにはどうしてもおカネが必要です。
おカネは食べ物を買うためだけに必要なものではありません。
個人で事業を営んでいる人(自営業者)や中小企業のなかには、金融機関からおカネを借りて飲食店などを経営している場合もあるでしょう。この場合、金融機関がおカネを返せと言ってきたら(いわゆる「貸し剥がし」)、即座に倒産してしまいますが、これが「資金繰り倒産」です。
また、「資金繰り倒産」が発生するのは、別に金融機関からおカネを貸し剥がされる場合に限られません。
たとえば、売掛金と買掛金のサイトがミスマッチを起こし、儲かっていたはずなのにおカネが足りなくなって銀行取引停止処分を喰らうこともあります(いわゆる「黒字倒産」)。
ここで、ある企業の例で、資金繰り倒産について考えてみましょう(※なお、議論を簡単にするため、人件費、経費、税金などについては考えないことにします)。
たとえば、ある企業が1月に起業し、毎月、9500万円で商品を仕入れ、1億円でそれを転売し続けたとすれば、この企業の月間利益は500万円です。しかし、金融機関の支払サイト(支払期間)が1ヵ月、売掛金の回収サイト(回収期間)が3ヵ月だったとすれば、この企業には何が発生するでしょうか?
この企業は1月に売上高1億円、仕入高9500万円、売掛金1億円、買掛金9500万円が計上されます。しかし2月に入ると1月の買掛金9500万円を支払わなければならないのに、1月の売掛金1億円は、まだ入って来ません。
3月に入ると、2月の買掛金9500万円を払わなければならず、売掛金については1月の1億円、2月の1億円、3月の1億円という、合計3億円が溜まったままとなってしまいます。4月になって、やっと1月の売掛金1億円が回収できますが、3月の買掛金9500万円を支払わなければなりません。
つまり、売上高については3ヵ月分、常に現金化されない金銭債権(売掛金)が残ってしまうのに対し、金銭債務(買掛金)については1ヵ月分しか残らないのです。この企業には、4月以降は常時、2億500万円の資金不足が生じる計算です(図表2)。
図表2 売掛金と買掛金のサイトの違いから発生する資金不足
月 | 売掛金残高(①) | 買掛金残高(②) | ①-② |
---|---|---|---|
1月 | 1億円 | 9500万円 | 500万円 |
2月 | 2億円 | 9500万円 | 1億500万円 |
3月 | 3億円 | 9500万円 | 2億500万円 |
4月 | 3億円 | 9500万円 | 2億500万円 |
(【出所】著者作成)
この資金不足のことを、一般に「運転資金」と呼びます。
厳密には、従業員に対する給与資金、消費税などの納税資金なども必要ですので、計算式はもう少し複雑ですが、要するにこの企業は、帳簿上は毎月500万円ずつ儲かっているはずなのに、4月以降は常に2億500万円の資金不足を抱えているのです。
このとき、事業主は銀行などの金融機関からおカネを借りたり、自己資本を充てたりして、この資金不足を解消しようとするのですが、事業を拡大するときや、自然災害・不況などの一時要因により、資金不足が拡大することもあります。
だからこそ、中小企業経営は難しいのです。
(※余談ですが、この「資金繰り倒産」の恐怖は、消費税の増税を画策する財務省の官僚らには想像がつかないかもしれません。財務官僚は特権階級だからこそ、弱者に厳しい税である消費税の引き上げという発想が思いつくのではないでしょうか?)
通貨危機とは外貨不足
実は、この資金繰り不安というのは、国単位でも生じるものです。
いや、厳密にいえば、外貨に依存している国が、国家レベルでの外貨不足に見舞われることだと言い換えれば良いでしょうか。これを一般に「通貨危機」と呼びます。
この通貨危機はいかなるメカニズムで発生するのか、どうやったら防げるのかについては、「金融規制の専門家」である私自身だけでなく、多くの人が頭を悩ませている問題点です。しかも、通貨危機が厄介なのは、いったん発生すれば、国が滅亡するほどのダメージを与えることもある、という点にあります。
「国が潰れるなんてあり得ない」。
そう思う人は多いかもしれませんが、実は、その発想は間違っています。歴史書をひも解いてみれば分かりますが、古今東西、地球上にはさまざまな国が栄え、滅んでいきました。そして、これは現代社会であっても例外ではありません。
国が滅亡する原因は、「外国に攻め込まれる」、「革命で政府が倒される」だけではありません。おカネがなくなり、外国から生活物資を買ってくることができなくなれば、その国で国民生活が成り立たなくなって、国民がその国から逃亡しはじめるかもしれません。
その典型例は、南米のベネズエラです。
ベネズエラは産油国であり、普通に経済運営をしていれば、国民を十分に食べさせていけるだけの外貨収入が得られるはずです。
しかし、ウゴ・チャベス前大統領(2013年3月に死去)が進めた石油産業の国有化や極端な反米政策などにより、ベネズエラは国際的孤立を深め、後継者のニコラス・マドゥーロ政権下でインフレ率は今年1月に268万パーセントを記録するなど、経済は事実上、崩壊状態にあります。
ベネズエラ、1月のインフレ率が268万%に(2019/2/8 6:24付 日本経済新聞電子版より)
日経によると、米国が今年1月に課したベネズエラに対する軽質油の禁輸措置などがてきめんに効いており、同国ではガソリン、軽油などの不足などに直面しているそうですが、産油国でありながらガソリン不足というのもなかなか不思議な現象ですね。
外貨依存している国の弱み
もっとも、日本の場合、日本円という通貨自体が広く外国で通用する「国際的なハード・カレンシー」である、という事情もありますが、国を挙げて外貨をそれほどたくさん調達していないため、ここで挙げた「通貨危機論」についてはほとんど当てはまりません。
というよりも、日本は民間金融機関などが外国に対して巨額のカネを貸している状態にありますし(『カリブ海の小国に63兆円を貸し付ける最強の日本の金融機関』参照)、それ以外にも外貨準備や対外直接投資などの形で、巨額の金銭債権や対外資産を保有している国でもあります。
いちおう、私が把握している「日本の対外資産」の数値を列挙しておきましょう(図表3)。
図表3 日本のおもな「対外資産」
区分 | 金額(百万ドル) | 情報源 |
---|---|---|
①金融機関の最終リスクベース与信 | 4,121,350 | 日銀『BIS統計日本公表分』 |
②日本の外貨準備高 | 1,270,466 | IMF |
③対外直接投資残高 | 1,550,808 | JETRO『直接投資統計』 |
合計 | 6,942,624 |
(【出所】上記図表「情報源」欄より著者作成。ただし、数値①②については2018年12月末、数値③については2017年12月末のもの)
日本の「対外資産」はこの①~③だけに限られるものではありませんし、データの集計範囲なども異なるため、財務省などが公表する『本邦対外資産負債残高』などのデータと整合するものではありませんが、ざっくりと日本がどれだけ世界に存在感を示しているかというイメージは掴んでいただけると思います。
そんな日本に暮らしていると、「外貨がなくなる」ことの怖さに実感がないのは当然かもしれませんが、ただ、日本のような国は世界の中では例外的であり、世界の多くの国は外貨(あるいは外資)に依存しているのです。
このように考えていくと、さしずめ世界の外貨ポジションのリスク国といえば、新興国の代表例であるトルコがその典型例ですが(『トルコショック再び?怖いのは局地的ショックではなく波及効果』参照)、インドやASEAN諸国などからいきなり火が付く可能性もあります。
余談ですが、私などはユーロ圏のギリシャあたりがユーロ圏債務危機を再々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々燃させるのではないかと見ていますし、ギリシャがドイツに対して「第二次世界大戦の賠償が済んでいない」、「日本は韓国に賠償しているではないか」とばかりに損害賠償要求を蒸し返すという展開があっても不思議ではないでしょう。
スワップ使った消極的制裁
さて、韓国は貿易黒字国であり、一見すると経済成長率も堅調です。
しかし、どんな儲かっている会社であっても、売掛金の回収サイトが長く、買掛金の支払サイトが短ければ、資金繰りのミスマッチから倒産する可能性がありますし(いわゆる黒字倒産)、外貨に依存している国家の場合も、外貨が詰まった瞬間、国家破綻する可能性があります。
別に韓国がそうだと申し上げません。
あくまでも一般論で、そう申し上げているだけのことです。
また、韓国の外貨準備高については、同国中央銀行が主張する4000億ドル少々ではなく、事実上は米ドル建て以外の資産の比率がかなり高く、また、その一部は運用の失敗によって消失している可能性も否定できません。
本稿を読んで下さっている企業経営者の方がいらっしゃれば、「韓国の国家破綻」とは、「黒字倒産」のことだと考えて頂ければわかりやすいと思いますし、韓国企業と取引をするならば、相手先の与信管理にカントリーリスクの考え方を併せて検討して頂けると良いと思います。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、日本は世界でほぼ最強クラスの通貨ポジションを保有している国です。日本円という通貨自体はハード・カレンシーですし、また、保有する外貨準備高も、事実上、世界最大規模です。
昨日、『「日韓首脳会談見送り」とサイレント型制裁の関係を考察する』で触れましたが、徴用工判決問題を筆頭に、韓国がさまざまな不法行為を日本に対して仕掛けて来ている点について、日本から取り得る対抗措置にはいくつかの種類があります。
これらのなかには、「韓国が危機に陥ったときにわざと助けないこと」という消極的経済制裁や、「韓国が日本に対する不法行為を仕掛けた結果、外国企業が勝手に『コリア・リスク』を嫌って韓国を忌避する」というセルフ経済制裁などもあるのですが、私が現在イチオシでお勧めしたいのは、通貨スワップです。
要するに、韓国以外の国と、これ見よがしに通貨スワップ協定を推進していくのです。
そういえば、今から2年前の2017年5月、日本はマレーシアとの間で通貨スワップ協定(30億ドル相当額)を推進すると基本合意したはずですが、いったいどうなったのでしょうか?
またしてもゴールデンウィーク前後に、マレーシアとの間で通貨スワップが成立すれば、韓国自身を含めた全世界に対して、「日本が面倒を見る『アジア諸国』には韓国は含まれていない」という、意味深なメッセージにはなるでしょう。
また、ベトナム、台湾、モンゴルなどとの通貨スワップ、ニュージーランド、デンマークなどとの為替スワップがあっても良いかもしれませんし、シンガポールとの通貨スワップと為替スワップについてそれぞれ金額を拡大しても良いと思います。
いずれにせよ、日本政府が当面、韓国に対する積極的制裁をやるつもりがないのであれば、是非、消極的制裁を拡大して欲しいところです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
こーゆー嫌韓?なサイトって良くないよねー、仲良くしよーぜ、隣同士なんだからさ!
おう! 仲良くしてやんよ。
とりあえず、ファミチキとレッドブル買ってこいや。カネ? お前が払えよ!
仲良くしよーつったのお前じゃん。奢れよな、ずーーーとお前がよ!
正にこれで、匿名氏は売掛金(買い物代行時の立替金)が嵩み、支払いはWAONといえども短期に必ず来て、財布パンクですね。阿野煮鱒氏はさしずめ中共w
>こーゆー嫌韓?なサイトって良くないよねー、仲良くしよーぜ、隣同士なんだからさ!
非常識で無礼な相手とは仲良く出来ません。
殴られても蹴られても仲良くしろっていうのは違うと思いますよ。
ここでは冷静な対処法について語られてるだけだと思いますが?
こーゆー反日?な投稿って良くないよねー、仲良くしよーぜ、隣同士なんだからさ!
ワザと非常識な投稿や反社会的な投稿をしてサイトを盛り上げようと言うのは、あまり品の良い手法じゃないですね。
勿論、会計士様がやっておられるとは思いませんし、このサイトはそんなクズサイトじゃありませんけど。
匿名様も、もっと自分に正直な投稿をされれば良いと思います。
>韓国以外の国と、これ見よがしに通貨スワップ協定を推進していくのです。
この韓国以外の国と通貨スワップを結ぶのは良いのですが、韓国もこれらの国とスワップを結ぶとします。例えば現状なら、マレーシアと日本の間では30億$のスワップがあり、マレーシア韓国間には150億MYR(5兆₩)のスワップがあります。もし韓国が外貨不足に陥り、マレーシアからお金を引き出して米$に換金すればMYRは急落します。それを防ぐためにマレーシアは日本から米$を引き出す。
以前にもこの件について投稿したことがありますが、これって言い換えれば三角スワップ(そんな用語あるかどうかは分かりませんが)です。この可能性は韓国のみならず中国も同様な事が可能です。つまり、間接的に中国や韓国とスワップを結んでいることになると小生は思います。韓国や中国以外の国とスワップを結ぶのは、その国が何処とスワップを結んでいるか、あるいは今後結ぶ可能性があるかを慎重に見極めないといけない気がします。
ただ、小生は経済の専門家ではないので、このような事が実際に起こり得るのかは不明です。経済に精通している方はお時間があればお教えください。
駄文にて失礼します。
相手国の中央銀行に供与した自国通過が売られて暴落するような通貨スワップは、そもそも画に描いた餅で実行されることはないと思いますよ。二国間金融協力を対外的に示す象徴的なものでしかないはずです。
したがって、中韓の間でスワップ協定が成立していたとしても、供与した「元」がドルに換金されて暴落するような状況であれば、中国は供自体与を拒否するはずです。
そもそも紙くずになる通貨をわざわざドルで買うお人好しだってこの世界にはいませんし。そういう意味で韓国が結んでいるスワップ協定は緊急時には機能しないものばかりです。
だから、アメリカと日本にドルの供与を受けられるスワップ協定を集ってくるのです。スワップ協定は通貨危機の際に日本企業、ひいては日本経済を救済する効果があるから、韓国様が日本のためにスワップ協定を結んでやるよ!と(笑)。
上の匿名さんへ
>相手国の中央銀行に供与した自国通過が売られて暴落するような通貨スワップは、そもそも画に描いた餅で実行されることはないと思いますよ。
でも、韓国が嘘をついて相手国通貨を受け取って、その相手国通貨を売却してしまえば、やったもの勝ちにできるんでないの?
具体的な手順を知らないから、わからないんだけど・・・
韓国は約束で縛れない 様
>韓国が嘘をついて相手国通貨を受け取って、その相手国通貨を売却してしまえば、やったもの勝ちにできるんでないの?
昔、中国との国交回復時、台湾に対して「断交しないから自動車買ってくれ」とか言って、5万台のポンコツ売りつけたあげく、全くの「だまし討ち」で台湾との断交に踏み切ったことがありましたね。このときの韓国メディアの論調は「韓国の見事な作戦により台湾にその意図を察知されずに断交が行われた」とほざいてたらしいです。この断交したその日のうちに在韓中華民国大使館の保有資産を中華人民共和国名義に変更したそうです。
かの国なら「絶対換金はしません」と言っておいて、ドルに換えて「我が国はよくやった」と言いそうです。
駄文にて失礼します
韓国在住日本人さんへ
きっと将来、「台韓関係の未来のためには、台湾側の努力が必要だ」と韓国は言うでしょう。
お決まりですな(笑)
>通貨危機の際に日本企業、ひいては日本経済を救済する効果がある
この期に及んで、まだ韓国から撤退しないような企業を救済する必要はありませんねww
韓国在住日本人 様
いつもコメントありがとうございます。
>三角スワップ
鋭いご指摘ですね!
その点に気付くのは、やはり、コメント主様が韓国という国のことを深く理解されているからではないでしょうか。
実は、カナダとの為替スワップについても、同じ論点が存在します。
国策銀行が為替スワップで加ドルを引き出し、それをドル転して中央銀行が吸い上げ、為替介入に使う、という「目的外使用」は十分に考えられるからです。
この点につきましては、注意喚起も含め、近日中に議論したいと思います。
引き続きのご愛読とお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
>1つ目の問題点は、米ドル建てのスワップがないことです。
韓国が希望するような兆円単位の米ドルを供給できるのは、世界には二つ。米国と日本だけです。世界中の二国間通貨スワップで自国通貨の代わりに米ドルを供給してるのはおそらく日本だけでしょう。豊富な外貨準備となおかつT-Billsのようないつでも換金可能な安全資産で運用しているからこそ成せる業です。
ですから韓国が希望する米ドルは米国に断られたら日本に頼むしかないのですが、これだけ日本人を怒らせてしまったので当面望み薄ですなあ。
過去の韓国側は韓国ウォン、日本側は米ドルでのスワップと言うモノが韓国側にだけ恩恵がある特殊なケースで、それこそ金融経済のひ弱な韓国と、韓国を経済的に保護していた日本と言う特殊関係を表していたと見るべきですね。
この「ひ弱だった韓国を日本が恩恵を与えて保護していた」と言う事を世界の前で韓国に聞こえる様に繰り返し政府は言うべきですね。
つい数年前のことだし、一方で表向きは韓国の自立と言う韓国にも慶賀すべきお話と言えますし、今正に頼りなくなり、ホンネはスワップ相手国を必死で探している韓国に対して【絶対に後戻り出来ないよな?】と念押しする事にもなり、更には過去の日本の施しの遺徳?を知らしめる良い例です。三田渡碑の文言の様に毎回毎回聞くのも忌まわしい恥ずかしい歴史として定着する事になるかも知れません。
日韓問題に関して、アメリカは公式には中立の立場を崩していませんが、あたりまえですが、本音としては、韓国側の不当性を認識しているようです。
韓国に対しては、「問題を解決せよ。」と命じ、日本に対しては、「問題解決を管理して。」と言っています。
<東京に集まった米国大使4人「韓日関係、早期回復を」>
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190415-00000001-cnippou-kr
まあ、文在寅さんの耳には、耳鳴りしか聞こえないのでしょうがね。(笑)
日本としては、確実に一歩づつ、韓国とのお付き合いから、引いて下さい。
この後に及んでも、リスクが認識できない民間企業や民間人については、自己責任であることを通達するのが日本政府にできる最後の仕事でしょうね。
>だが、ソウルの政府消息筋は「徴用問題に対して立場を出さないでいる韓国政府にボールが回ってきていると(米国政府が)認識しているのは事実」としながらも「それでも米国が韓国に圧迫を加える状況では全くない」と一蹴した。
いつもの韓国で安心したw