S&Pがロシアの外貨建信用格付を「SD」に引き下げ

格付業者のS&Pが土曜日、ロシアの外貨建て債務格付を「選択的デフォルト(SD)」に引き下げたそうです。ただ、格付業者に指摘されなくても、ロシアが4月4日にドル建てユーロ債の元利払をルーブルで行ったと発表した時点で、事実上のデフォルトに該当した可能性が濃厚であることは、当ウェブサイトでも『ロシア政府がドル建て債券の元利金をルーブルで支払い』などで取り上げたとおりです。そして、今後の焦点はやはり、まずは凍結されたロシアの外貨準備の「使い道」ではないでしょうか。

ユーロ債を勝手にルーブル払い

ロシアがドル建てユーロ債の元利金をルーブルで支払い

ロシア政府が発行した米ドル建てのユーロ債(※)を巡って、現地時間の6日、「非友好国」の投資家に対する元利金をルーブルで支払ったとする話題については、先日の『ロシア政府がドル建て債券の元利金をルーブルで支払い』でも取り上げたとおりです。

(※なお、「ユーロ債」とは、「ユーロ建ての債券」、という意味ではありません。一般に「オフショア債券」と呼ばれる、発行国以外の市場で発行されている債券のことを広く指す、金融界の俗語です。)

これについては少し補足が必要かもしれません。

大昔であれば、債券は紙に印刷されており、債券の投資家は債券に印刷された「利札」を切り取って銀行に持ち込むなどしていましたが、これだと紛失・盗難リスクもありますし、紙媒体だと債券の利払を受けるのに大変に不便です。

しかし、現代社会では、債券は基本的に電子化されており、また、元利払いの取扱業者(多くの場合は銀行)があらかじめ指定されていて、債券の発行者(たとえばロシア政府)からその取扱業者の口座に振り込まれると、その取扱業者が自動的に登録された投資家にそれを振り分ける、といった流れが一般的です。

ということは、取扱業者が元利金の支払いの取扱自体を取りやめてしまえば、案外あっけなく、債券の元利払はできなくなってしまう、というわけです。

米財務省がJPモルガンに支払手続中止を命令

こうしたなか、4月6日付のロイターの記事などによれば、どうも取扱業者における元利金の取扱自体が、米国政府によって「阻止された」ようなのです。

Russia to pay Eurobonds in roubles as long as reserves remain blocked

―――2022/04/06 21:50 GMT+9付 ロイターより

ロイターは「関係者の話」として、4月4日に元利払いを迎えるロシア政府発行のドル建てユーロ債を巡り、米国財務省が取扱業者であるJPモルガンに対して支払手続の停止を命令したため、当該ユーロ債の元利金払いができなかった、とする記述があります。

それでは、ロシアはこれに対し、どう対応したのでしょうか。

ここでは、ロシアのメディア『タス通信』の記述を振り返っておきましょう。

Минфин впервые исполнил в рублях обязательства по евробондам на $649,2 млн

―――2022/04/06 18:30付 タス通信より

タス通信によれば、問題の債券はドル建てのユーロ債である「ロシア2022」と「ロシア2042」の2本で、ロシア財務省は2022年4月4日時点でロシア中央銀行が公表する公式為替レートで「国家決済預託機構(National Settlement Depository)」に対し送金指示を出した、などと記載されています。

この時点で、「意味がわからない」と思う人が多いはずです。

なぜなら、ユーロ債、つまり「ロシア国外で発行された債券」なのに、なぜかロシア国内の「国家決済預託機構」なる組織の名前が出て来ているからです。

勝手に口座を開設され、勝手にルーブルで振り込まれた!

記事の続きを読んでいくと、こうした処理が行われた理由について、ロシア財務省によるこんな説明が記載されています。

  • 外国のコルレスバンクが「ロシア2022」のクーポン支払いと元本の償還を拒否した
  • このため、「2022年3月5日付のロシア連邦大統領令第95号」(※)に従い、「ロシア2042」と「ロシア2022」の6億4920万ドル分の元利金を預託機関の顧客口座にルーブルで振り込んだ
  • この顧客口座は外国の債権者の名前で債務者が開設したものである

…。

ここでいう「大統領令第95号」とは、例の「非友好国の外貨建て債務をルーブルで支払っても良い」とするロシア国内の命令のことで、当ウェブサイトでは『ロシア「非友好国リスト」は金融制裁が効いている証拠』などでも触れています。

そして、債務者(この場合はロシア政府)が債権者(この場合は国際的な債券保有者)の名前で(勝手に)ロシア国内に口座を開設し、そこにルーブルでおカネを振り込んだ、という話です。なんだかメチャクチャな手続ですね。

なお、「経済制裁に参加していない国」の債権者に関しては、ロシアの債務者が特別な許可を得た場合にユーロないしドルで支払いを行うことができる、ということなので、基本的には「非友好国」(※)に居住している債券保有者は、米ドルで元利金の支払いを受けることができなくなると考えてよさそうです。

非友好国の投資家にとっては同じような扱いが予想される

ちなみにこの「非友好国」リストには、次の国・地域が含まれているのだそうです。

非友好国リスト

米国、カナダ、欧州連合(EU)加盟国、英国(ジャージー、アンギラ、BVI、ジブラルタルを含む)、ウクライナ、モンテネグロ、スイス、アルバニア、ナドラ、アイスランド、リヒテンシュタイン、モナコ、ノルウェー、サンマリノ、北マケドニア、日本、韓国、豪州、ミクロネシア、ニュージーランド、台湾

余談ですが、台湾に関しては、「中国の領土と見られるものの、1949年以降は独自の政府により統治されている」との付記がなされ、中国に対して微妙な「配慮」(のようなもの)も垣間見えますが、明らかに苦しい言い分でしょう。

また、本件を巡って台湾の蘇貞昌(そていしょう)行政院長(※首相に相当)が3月8日、記者団に対し「台湾は主権独立国家だ」、「世界中がそれを知っている」と主張したとする件については、『台湾首相「台湾は独立国」=ロシア非友好国リスト受け』でも取り上げたとおりです。

いずれにせよ、ロシア政府発行のドル建てユーロ債を保有していた投資家にとっては、ある日いきなり、ロシア政府から「あなたの名前の顧客口座をロシア国内に(勝手に)作りましたよ」と一方的に通知され、その口座に(ドルではなく)ルーブルで(勝手に)振り込まれる、というわけです。

これで「この債務は完全に履行しましたよ」、などと言われても、承服できるはずがありません。

S&Pの格下げ

S&Pはロシアの格付を「CC」から「SD」に落とす

こうしたなか、予想どおり、今回のロシア政府の行動に対するアクションが報じられています。

ロイターの次の記事によれば、格付業者であるS&Pが土曜日、ロシアの外貨建て債務の格付を「選択的デフォルト(selective default, SD)」に引き下げたのだそうです。

S&P cuts Russia’s foreign currency rating to ‘selective default’

―――2022/04/09 15:02 GMT+9付 ロイターより

この「SD」とは耳慣れない用語ですが、どうやらこれはS&Pの独自の用語らしく、「一部の債権者に対する債務の履行ができなかった場合」に付与される格付だそうです。

ロイターはS&Pが「声明文(※)」のなかで、ロシアがドル建てユーロ債の利息と元本をドルではなくルーブルで支払った点を巡り、「投資家がルーブルで支払われた金額を当初支払額と同等の米ドルに変換することは期待できない」と指摘。

そのうえ、30日間の猶予期間内にロシア政府がドル建てできちんと支払うことについても期待できないとしたうえで、今回の「SD」の付与に至った、などとしています(※ただし、本件についてS&Pのウェブサイトを確認してみたところ、なぜか該当する「声明文」については掲載されていませんでした)。

北朝鮮がサムライ債を勝手に北朝鮮ウォンで支払ったとしたら…?

一方で、タス通信英語版も本件を取り扱っています。

S&P lowers Russia’s foreign currency rating to SD

―――2022/04/09 12:16付 タス通信英語版より

タス通信の記事でも、S&Pがロシアのソブリン格付を「CC」から「SD」に引き下げたことを「土曜日にウェブサイト上で表明した」、などとしています。ただし、タス通信の方の記事では、「自国通貨建てのソブリン格付」に関しては「CC・ネガティブウォッチ」に維持されている、とも指摘しています。

いずれにせよ、S&Pに指摘されなくても、一般に外貨建ての債券の元利金を、(勝手に)自国通貨で支払ったところで、それは有効な債務弁済とみなされないことは当たり前の話です。

仮に北朝鮮政府が円建てのサムライ債を発行し、それを勝手に「北朝鮮ウォンで返済した」、「元利金はわが国に(勝手に)開いたあなた名義の口座に公式レートで換算した北朝鮮ウォンで振り込んだよ」、などと言われても、困惑してしまいます。

(※もっとも、これはあくまでも架空の話です。北朝鮮に対しては外為法上の経済制裁などが適用されていることを踏まえると、現実に北朝鮮政府が日本国内で債券を発行することは、ほぼ不可能であると考えて良いでしょう。)

もうロシアは債券発行ができなくなるのか?

さて、今回のロシアの「ルーブル払い」が公式にデフォルトだと確定した場合には、いったい何が生じるでしょうか。

自然に考えて、真っ先に思い浮かぶのは、今後、ロシアが国際的な金融市場で債券を発行することが極めて困難になるだろう、という点です。あるいは、債券を発行するためには、市場のリスクフリー金利に対し、かなりの上乗せ金利(スプレッド)を乗せなければならないでしょう。

ただ、それと同時に、債券の保有者にとっては、元利金を回収する手段がまったくないわけではありません。

ロシア当局の発表に基づけば、ロシアが保有している外貨準備は総額が6400億ドルほどであり、このうち西側主要国の金融制裁の影響で、3000億ドル前後が凍結されてしまっている、としています(『西側、制裁逃れのロシアに今度は外貨準備の金取引規制』等参照)。

ということは、その3000億ドルのなかから、400億ドル前後とされるロシアのソブリン債、1000億ドル前後とされるロシアの石油関連企業などの社債の元利金を回収すれば良い、などと投資家が考える可能性は十分にあるでしょう。

差し押さえられた外貨準備だけでは足りない(かも)

ただし、西側諸国が凍結しているロシア関連の資産に関しては、今回の戦争の被害者であるウクライナに対する損害賠償に優先的に充てられるべきかもしれません。

ことに、ウクライナのユリア・スビリデンコ経済相は、ロシアによるウクライナ侵攻で生じた損害が5649億ドルに達するとの試算を公表しています(『ロシア側に70兆円以上の賠償義務=ウクライナ経済相』)。1ドル=125円だと仮定すれば、70兆円にも相当する途方もない金額です。

この金額をそのまま信じるべきかどうかという問題はありますが、ただ、ウクライナの復興には莫大なコストがかかることもまた間違いありません。

このように考えていくと、ロシアの対外債務(少なく見積もって1400億ドル、下手をするとそれ以上)の弁済、ウクライナに対する賠償金の支払いなどに充てるうえでは、西側諸国が差し押さえているとされる3000億ドル程度では、全然足りません。

やはり、何らかのかたちで、ロシアが保有しているとされる石油、天然ガス、石炭などの天然資源についても差押えをする必要が出て来るかもしれないのです。

おりしも、ブチャなどキーウ近郊の各都市で、民間人を中心とした大量の無差別殺戮が行われていたことが判明したことを受け、国際社会の「潮目」も明らかに変化しました(『「ブチャ事件」で明らかに変わった「国際社会の潮目」』等参照)。

もちろん、これらの残虐行為がロシア軍による犯行であると現時点で決まったわけではありません(※といっても、その可能性は極めて濃厚ですが…)。

ロシア解体と管理

少し気が早いかもしれませんが、『国際社会はそろそろ「ロシア解体」を議論し始めるべき』でも議論したとおり、著者自身は①「ロシア連邦共和国」自体の解体・整理、②同国が保有するさまざまな資源の「差押え」、③国連安保理などの機構改革――、といった視点での議論も重要だと考えています。

とくに、ロシアが保有しているとされる外貨準備約6400億ドルのうち、SDRやIMFリザーブポジションなどを除いた6000億ドル部分については、すでに西側諸国が「差押え」を行っている3000億ドル以外についても、追加での保全措置が必要かもしれません。

ただし、「ロシアの解体」は、言うほど簡単ではありません。だいいち、ロシアが保有するとされる、核兵器を筆頭とするさまざまな大量破壊兵器についても安全に確保する必要がありますし、そこに至るまでの道のりは長そうです。

結局、『ウクライナはNATO提供武器でロシアに反攻するのか』などでも議論したとおり、西側諸国としては、とりあえずウクライナに武器供与を続け、ロシア軍との装備、戦い方などに関する実戦データを蓄積して研究することが必要でしょう。

いずれにせよ、ウクライナでの戦闘が終結したとしても、西側諸国とロシアの対立は、今後、相当に長引く可能性が濃厚ですし、これに中国が加われば、世界の「ブロック経済化」が進むかもしれません。西側諸国の団結がいままで以上に大切になってくることは間違いないと思う次第です。

読者コメント一覧

  1. 愛知県東部在住 より:

    ルーブル紙幣が近い将来、子供銀行券のような、或いは5月の恒例行事である母の日や父の日に日本全国で配られるであろう(?)、肩たたき券のような末路を迎える日が来るのかについては、正直言ってよくわかりません。

    ただ、国際関係に於けるロシアの影響力並びに発言力が、我々が想定しうる以上にすさまじい勢いで低下しつつあることだけは間違いなく、それが今後の世界情勢にどのような化学変化を及ぼすかについては、引き続き注視を行っていかなくてはならないと考えています。

    特に、アジアに於けるロシアの存在感が低下したとき、中国は今後どのように振る舞い出すのか、その点を考えるだけでも我々日本人にとって相当な頭の体操を強いられる可能性は大きいと思うのです。

    ともあれ、今はただウクライナの情勢が好転し、一日も早く停戦ないしは終戦となることを念じて已みません。

  2. とある福岡市民 より:

    今更ですが、「ロシア連邦共和国」ではなく、「ロシア連邦」が正式な国号です。国家体制は確かに連邦共和国ですが、「ロシア連邦共和国」は存在した事がありません。訂正をおすすめします。

  3. 匿名 より:

    >仮に北朝鮮政府が円建てのサムライ債を発行し、
    >それを勝手に「北朝鮮ウォンで返済した」、
    >「元利金はわが国に(勝手に)開いたあなた名義の
    >口座に公式レートで換算した北朝鮮ウォンで振り込んだ
    >よ」、などと言われても、困惑してしまいます。

    北朝鮮ならば印刷したての米ドル現金ではらうのでは?

  4. 匿名 より:

    これは愛国債で乗り切るしか無い

  5. カズ より:

    ロシアは最低でも「第三国に存在する国際機関への『金地金』の供託」までにとどめるべきだったと思います。
    一方的な内部処置を即座に是正しなければ「G20(金融協議体?)における議決権」が停止されかねないですね。

  6. 古いほうの愛読者 より:

    たぶん,グローバル経済からブロック経済に逆戻りして,円・ユーロ経済圏,ルーブル経済圏に分離するだけだと思います。人民元経済圏がどうなるかは,今後の展開次第でしょう。
    日本人向けにルーブル/円レートで説明します。ウクライナ進行前の1月20日は1ルーブル約1.50円でした(数字が覚えやすい日を選んでいます)。3月9日が0.85円で43%下落しまじた。ここから下落から上昇に反転し,4月9日は1.55円まで上昇し,ウクライナ侵攻前より高くなしました。実は円安進行という別の理由はあるのですが,日本円よりルーブルのほうがしっかりしています。
    ルーブル高の理由は簡単で,西側諸国がロシアへの輸出を規制したのに,原油や天然ガスなどの輸入は続けているので,ロシアは輸出超過状態になり,ルーブルは為替レートで見る限り強くなっているのです。昔説明したように,ロシアは品質を気にしなければ,生活や産業に必用なものは,国内でほぼ全部賄えます。そのため,輸入品以外のインフレはそれ程ひどくありません。このあたりも,プーチン大統領の支持率が高止まりしている理由の1つかと思います。欧米が経済制裁を続けても,100年くらいは経済破綻することは考えにくいです。
    国際情勢は冷戦時代のブロック経済に逆戻りする気がします。超長期戦を覚悟しましょう。

    1. 古いほうの愛読者 より:

      追加です。
      自分がプーチン氏の立場なら,今後何をするか考えてみました。
      まず,ウクライナ戦争のほうは,東部と南部をある程度確保したら,一方的に国内向けに「勝利宣言」をして,停戦します。そして,国連に変わる新ロシアの国々による国際的なブロック連合を立ち上げます。
      経済・産業は基本的に欧米の経済圏から分離し,冷戦時代のように,ロシア国内で産業が閉じるように国内産業を強化します。PCはWindowsの代わりに,ソースコードが流出しているXP等をベースに,ロシア国内向けOSを開発し,ロシア国内のPCやスマホを欧米のインターネットから切り離します。それで,MicrosoftやGoogleがロシア国内の情報を蒐集できないようにします。
      半導体も欧米の装置の分析ができているので,特許権条約から離脱し,コピーから始めて独自製品の開発に力を入れます。社会主義に逆戻りせず,資本主義の原則で産業発展を模索すれば,それなりのことはできそうな気がします。
      原油・天然ガス・レアメタル等は,ルーブル経済圏諸国を利用しながら欧米にも輸出し,ドルやユーロの新規獲得にも力を入れます。欧米製品の輸入は原則として許可制・認可制にして,ドルやユーロの流出を食い止めます。外国人旅行者のロシア観光はビザ制に戻して,訪問可能地域を制限しながら,外貨獲得には力を入れます。
      ブロック経済になった場合,ロシアや中国のような広大な国土を持って国内自給率が高い国より,日本のようにグローバル経済の一部に組み込まれていて,自給率が低い国のほうが,移行期の政治的舵取りが難しい気がします。

      1. 農家の三男坊 より:

        古いほうの愛読者 様

         御説、細部は概ね同意ですが、本質的(専制主義)な部分により、

         >社会主義に逆戻りせず,資本主義の原則で産業発展を模索すれば,それなりのことはできそうな気がします。

        とは成らないと思います。

        共産中国もそうですが、専制主義と自由経済は両立しません。資本主義の真似事(資本は権威者の総取り)はできても発展の鍵である自由な発想を権威主義は許容できないと思います、(許容すれば自分が崩壊する)

        なので、完全なブロック経済圏が成立すると長期的にはロシアの衰退(北朝鮮化)は免れないと思います。

        ここで問題なのは、中共、韓国等が抜け道となり機微情報・機微製品が流入する事で、自由主義諸国はこれらを厳しく監視処罰する必要があると思います。

  7. G より:

    無茶苦茶ではありますが、ロシアの件は全くの合法なのです。ロシアが発行した債券に対してロシアが法律を制定してその通り対応したのですから。
    国債というのはそういうものなのです。「合法的」にいつでも元利払いを停止したり出来る。自分で法律でもって全て決めていいのですから。

    だから格付け機関が調べて、そういう無茶な立法をする可能性を投資家に情報提供しているのです。そんななか「一部債券でロシアが無茶やったよ」という格付け機関の警報がSD格付けです。

    これでロシアが外貨建て債券を発行出来ないということはありません。ただ、格付け情報を取得している投資家が債券を買わなくなるってだけです。まあ、親ロシアな投資家は提供された格付け情報、または格付けがないことを無視してロシアの債券を買うかも知れません。

    1. G より:

      ロシアは外貨建て債券の償還利払いもルーブルで行う。ロシアが何かを購入するときも必ずルーブルで支払う。これが徹底出来ればロシアは国として何もドルやユーロを持つ必要もないのではないか。
      まあ、ルーブルとドルの為替レートの安定を前提にはしますけど、商品代金を受け取りたい人はルーブルとの為替予約を取って、その金額をロシアに通知して、そのルーブル金額を払ってもらえばいい。
      普通の途上国は為替相場が壊れてしまうのでそういったことが出来ませんが、豊富な石油資源を持つロシアなら可能なような気がします。

  8. sqsq より:

    これだけの規模で世界から経済制裁された例はABCD包囲網以来か?
    ABCD包囲網は太平洋戦争、大日本帝国の滅亡につながった。
    今回のロシア制裁はロシアの解体につながるのだろうか。
    ロシア経済、社会がどのようになっていくか中国はじっと見ているはずだ。台湾侵攻時に予想される経済制裁が中国経済、社会にどのように影響するのかを。

  9. 元ジェネラリスト より:

    ロシアの外貨準備以外の資産の差押や「ロシアの解体」は、今の時点では先の見通しの中に見えてきません。さすがに。
    ただ、北朝鮮解体と同様に人々の議論に登らせるために、今から旗を立てておくことには意味があると思います。
    いつ何が起こるかわかりませんしね。

  10. 迷王星 より:

    >台湾に関しては、「中国の領土と見られるものの、1949年以降は独自の政府により統治されている」との付記がなされ、中国に対して微妙な「配慮」(のようなもの)も垣間見えますが、明らかに苦しい言い分でしょう。

    ロシア政府のテクノクラートたちには脳筋&脳金な輩の集まりであるIOC並みの知能さえ欠落しているということでしょうか.

    ルーブル払いの対象エリアを「非友好国」と言わずに「非友好的な国あるいは地域」と言ってしまえば上記のような言い訳は不要なのに.

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