財務省解体の絶好のチャンス?
土曜日夜、とんでもないニュースが入ってきました。財務省が「森友関連決裁文書」について、書き換えていたと認める方針を固めた、というものです。これについては財務省が「自爆テロ」を仕掛けたという可能性は否定できません。しかし、普通に見れば、これは「安倍政権の危機」ではなく、「財務省vs朝日新聞」の潰し合いの一幕と見るべきでしょう。
目次
安倍政権に危機か?
森友文書「書き換え」を財務省が認める方針?
またしても、とんでもないニュースが入ってきました。
財務省、書き換え認める方針=森友決裁文書、政権に大打撃(2018/03/10-19:48付 時事通信より)
森友文書の書き換え認める/財務省、12日に国会報告(2018/3/10 19:24付 共同通信より)
3月2日に朝日新聞が報じた、「財務省が決裁文書を改竄した」とする記事に関連し、財務省が学校法人森友学園への国有地売却に関する決裁文書に書き換えがあったと認める方針を固めたと、すでに多くのメディアが報じています。
時事通信、共同通信の2つの通信社が大喜びでこの記事を扱っていますが、いずれの情報源も、
「野党は「政権の隠蔽体質」への批判を強める構えで、安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相の政治責任を問う声が与党で高まる可能性もある(共同通信)」
「公文書の変造が明らかになることは安倍政権にとって大打撃。野党が安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相の責任を追及するのは必至で、週明けの国会は大荒れになりそうだ(時事通信)」
などしており、この事態が内閣の責任問題にまで波及するとの観測(というよりも両社の願望)が記載されています。
これまで、朝日新聞や野党は、森友事件そのものを「国政を揺るがす一大スキャンダル」だと位置付けて、しきりに火を付けようとしてきました。しかし、冷静になって考えてみると、これは国有地のずさんな売却に関わってきた近畿財務局の問題であり、これだけで内閣が飛ぶような事態であるとは考えられません。
さらに、私はもともと、この事件については、北朝鮮情勢が緊迫しているなか、朝日新聞が「加計学園」報道と並び、ときに捏造まがいの記事まで仕掛け、国会を空転させ国政を混乱に陥れ、内閣総辞職に追い込むための手段の1つだったと見ています。
ただ、今回の「財務省改竄疑惑」報道を財務省が事実上、認めるような動きに出ようとしていることは、この「森友事件」があらたな段階に突入したことを意味します。うがった見方をすれば、財務省と朝日新聞が結託して、安倍政権を倒そうとしていると言われても、私には違和感はありません。
もちろん、本件については昨日も『【夕刊】もはや末期?朝日捏造疑惑と田原総一朗氏』のなかで触れたとおり、現段階では確たる証拠がないなかで、報道だけが先行している状況にあります。そして、昨日報道された記事だけでは、具体的に誰がどの文書をどう書き換えたのかがわかりません。
実際には、週明けの月曜日に財務省が与野党に報告するそうですが、その内容を見てからでないと正確なことは言えないでしょう。しかし、ここでは現時点で入手できる報道をベースに、本件をどう考えるべきかについて考えてみましょう。
事件の本質は「財務省vs朝日新聞」
「もりかけ事件」とは、簡単に言えば、
「安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を悪用し、友人が経営する学校法人に対して違法な便宜を図っていた問題」
のことであり、これは明らかに、朝日新聞を含めたマス・メディアが仕掛けた「印象操作」です。
しかし、『【夕刊】財務省文書改竄疑惑へのコメント』でも申し上げたとおり、近畿財務局による森友学園に対する国有地払い下げ手続には疑わしい点がいくつもありますが、それは行政上の瑕疵(あるいは近畿財務局のチョンボ)であって、本来であれば、安倍内閣全体が吹き飛ぶほどの事件ではありません。
とくに、安倍晋三氏が「内閣総理大臣としての地位を利用して法令違反をしたかどうか」という観点からは、無実であると断言できます。あるとしたらせいぜい、任命責任くらいなものだと思いますが、役人の不祥事においていちいち大臣が責任をとっていたらきりがありません。
3月2日に朝日新聞が「文書改竄」と報じた件も、「森友学園」「加計学園」報道で1年以上頑張ってきたにもかかわらず、安倍政権の首を取ることができなかった朝日新聞社が仕掛けた、最後の倒閣運動と理解できます。
『財務省と朝日新聞の潰し合いは見ものだ』でも申し上げましたが、いわば、朝日新聞が矛先を安倍総理本人から財務省に変更したものだと言い換えてもよさそうです。ということは、ことの本質は、すでに「財務省vs朝日新聞」に切り替わっていると見て良いでしょう(といっても、財務省と朝日新聞が結託している可能性も否定できませんが…)。
現段階で朝日新聞の報道が正しかったのかどうかについてはまだ判断がつきませんが、先ほど紹介した時事通信、共同通信の記事を信じるならば、ほぼ財務省が公文書の改竄を行ったことは事実でしょう。しかし、それはあくまでも財務省内の話であり、安倍政権とはまったく関係がありません。
いや、むしろこれで火が付いたのは財務省の方でしょう。
財務省にどう責任を取らせるか
しかし、財務省が文書の改竄を認めることになるのであれば、野党やマス・メディアは麻生太郎副総理兼財相の「責任論」を煽ってくることは間違いありません。実際、一昨日は森友学園への国有地売却に関わっていた男性職員が自殺していたことが明らかになっており、また、佐川宣寿(さがわ・のぶひさ)国税庁長官が辞任しています。
麻生氏が佐川氏を擁護してきたことを含め、これまで財務省を抑えていたキーマンであるという事情を踏まえれば、野党とマス・メディアがこの点を突くことは間違いありません。最悪の場合、安倍政権を存続させるために、麻生氏が自ら身を引く可能性も皆無ではありません。
ただし、この場合、「責任を取る」といっても、麻生氏自身が何か不正にかかわったから、という意味ではありません。「森友学園への国有地売却」という、本来ならば国政に影響を及ぼしてはならない些末な問題で、朝日新聞や反日野党に付け入る隙を与え、国政を停滞させたことに対して、です。
もちろん、私は個人的に、麻生副総理が責任を取る必要などないと考えます。というのも、官僚機構が本気になって文書改竄を隠蔽しようとした場合、それを見抜く力は政治家にはないからです。しかし、この1年間の森友学園事件への対応を見る限り、財務省という組織の隠蔽体質は、相当に悪質です。
また、安倍政権を支えてきた重鎮である麻生副総理が引責辞任でもしようものなら、それこそマス・メディアと野党が勢い付いてしまいます。その意味で、せっかくマス・メディアの影響力が削がれてきたのですから、私はむしろ、麻生副総理には絶対に辞任しないで頂きたいと考えています。
ただ、総合的に見るならば、今回の事件は、財務省がこれまで「官庁の中の官庁」として霞ヶ関で君臨してきたことの弊害が、ここにきて、一挙に出てきた証拠だとも言えそうです。考えてみれば、増税原理主義を掲げ、「アベノミクス」の第2の矢である「機動的な財政出動」を妨げてきた組織こそが、財務省です。
私はずばり、財務省の解体しかないと思います。
朝日新聞解体は先送り
財務省は日本の癌
最近でこそ、インターネットが普及したことで周知されるようになりましたが、日本社会の本当の癌は、増税原理主義を掲げる財務省です。実際、アベノミクスが始まって株価は上昇しましたが、いまひとつ、GDP成長が加速しない理由は、財務省が財政政策を渋っているからです。
これには、さまざまな問題があります。まず、国税庁を財務省が外局として支配しているという事情があります。国税庁は日本国民の所得を把握しており、政治家に対しても睨みを利かせる、極めてパワフルな組織であり、財務省としては増税に反対する政治家に圧力を掛けることができるからです。
それだけではありません。財務省は「なぜ増税が必要か」とする文書を勝手に作成し、政治家らに対して個別にアプローチを掛け、経済学に疎い政治家を中心に、「日本は財政再建が必要だ」とするウソの情報を刷り込んでいるのです。
(※財政再建原理主義の間違いについては、最近だと『借金と通貨危機を考える(前編)』『借金と通貨危機を考える(後編)』などでも議論しているので、詳細の説明はこれらの記事をご参照頂けると幸いです。)
財務省によるメディア支配
もう1つ、財務省による問題は、メディア支配です。
これは、毎年の複雑な予算案や税制改正などの情報を、噛み砕いてマス・メディアに対して教えてやることで、マス・メディアに対して絶対的な優位に立ってきたという構図です。もっとも、取材力のない日本のマス・メディアに情報を与えて「飼っている」のは、財務省だけでなく、警察、外務省なども同様です。
逆に言えば、日本のマス・メディアは、「記者クラブ制度」により、役所から与えられる報道発表を独占し、それをニュースとして配信することで生きているような存在です。日本のジャーナリストの中で、あの複雑な法令・告示の類いを読み込める人は少ないのが実情ではないでしょうか?
そして、財務省は予算を握ることで、ほかの官庁に対しても睨みを利かせ、さらには国富を天下り先などに対する莫大な出資金・貸付金に浪費しています。国民から選挙で選ばれたわけでもない官僚ごときが、なぜここまで偉そうにしているのか、私には理解できません。
インターネットが風穴を開ける!
官庁が新聞・テレビなどのメディアを支配していることで、新聞・テレビは官僚の批判をし辛いという事情があります。また、新聞・テレビは与党を貶め、野党を持ち上げる偏向報道を行っていて、一定数は新聞・テレビを盲信する有権者が存在するため、いまだに不勉強な野党議員が国会の議席を汚しています。
私はこれを「野党・官僚・マスメディア」という、「腐敗した既得権益の3点セット」だと見ています。とくに、官僚とマス・メディアは、国民から正当な選挙で選ばれたわけでもないくせに、多大な権力を握ってふんぞり返っているという構造であり、民主主義社会の正義という観点からは、見過ごすことができません。
しかし、こうした状況に風穴を開けつつあるのが、インターネットです。
財務省が掲げる「増税原理主義」の誤りについては、有象無象のウェブサイトで指摘され続けていますし、また、新聞・テレビの報道がおかしいと感じる人は、あちこちのウェブサイトで証拠付きでそれを指摘し続けています。
こうしたなか、最初に音を上げ始めたのが、これまで偏向報道で国民を愚弄してきた、マス・メディアです。そのなかでもとくに国民から強く批判されているのが、「慰安婦捏造報道」で知られる朝日新聞であり、朝日グループなのです。
ただ、朝日新聞が安倍政権を倒そうと必死になって来たのに、安倍総理は自身が政権を獲得するきっかけになった2012年12月の衆議院議員総選挙を含め、大型国政選挙を5回連続で勝利してきました。これこそまさに、朝日新聞が敗北してきた証拠でしょう。
したがって、今回の3月2日の報道も、苦しくなってきた朝日新聞が矛先を財務省に切り替えたものだと見るべきなのです。そして、繰り返しになりますが、日本国民の敵である朝日新聞と財務省が潰し合う状況は、私たち日本国民にとってはむしろ歓迎すべき状況なのです。
まずは消費増税を潰せ!
いずれにせよ、今回の財務省の改竄疑惑を受け、安倍政権が昨年7月以来の「危機的局面」を迎えたことは間違いありません。場合によっては重鎮である麻生太郎副総理が辞任しかねませんし、そうなれば石破茂氏あたりが安倍総理を「後ろから撃つ」動きに出る懸念もあります。
そうなれば、私たち日本国民の悲願である憲法改正が遅れることにもなりかねませんし、北朝鮮情勢にも深刻な悪影響が生じかねません。その意味では、本件は間違いなく、朝日新聞社という「テロ組織」まがいの会社がもたらした国難です。
見方を変えれば、安倍政権が憲法改正を達成するうえで、朝日新聞による倒閣運動をかわし、持ちこたえるかどうかの「最後の試練」が、今回の財務省文書改竄疑惑なのかもしれません。安倍総理、麻生副総理は、安易な辞任論に惑わされず、しっかりと自民党の内部を引き締めて欲しいと思います。
ただ、考え様によっては、今回の事件は財務省を解体し、財務省の機能をバラバラにする、またとないチャンスかもしれません。国税庁は社会保険事務所と統合して内閣府の直下の「歳入庁」を創設、外為特会は財務省から日銀に移管、予算編成機能は内閣府の直下に「予算庁」を創設――、としていけば、絶大な権限を握り、日本を悪くし続けた元凶の官庁をなくすことができます。
幸い、自民党は衆議院で公明党とあわせて3分の2を超える議席を有しており、参議院でも多数派を維持しています。こうした状況にあれば、党内さえしっかりとまとめておけば、今回のような野党やマス・メディアからのテロまがいの攻撃をかわすことができます。
それと同時に、今回の「疑惑」は、まずは2019年10月に迫った消費税の再増税を、そしてできることなら財務省そのものを潰す、絶好のチャンスです。いずれにせよ私は、まずは月曜日の財務省報告を待ちたいと思います。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
いつも知的好奇心を刺激する記事の配信有り難うございます。
今回の記事は少し複雑な思いで読んでおります。
確かに財務省は日本の官僚組織がもたらす害悪の多くを占めているのでしょう。
管理人様の分析が間違えている訳ではありませんが、国難の中で財務省解体のチャンスだ、嬉しい(祝!)で良いのでしょうか?
財務省は日本の統治組織の中で大きなウェイトを占めています。
其をガラガラポンするのが、果たして「国難の中ですべき行動」か迷うのです。
国民のニーズから離れ勝手に消えていく朝日新聞や民進党とは重要さが決定的に違うのです。
国難の中で小異を捨てたと言うと、フランクリン・ルーズベルト大統領が対日宣戦に対する演説後、大統領に全面協力を呼び掛ける演説をした、ルーズベルトの政敵で共和党のアメリカ孤立主義者であったハミルトン・フィッシュ下院議員の名前が浮かんで来ます。
彼は欧州に介入を志向するフランクリン・ルーズベルトと正反対の立場でしたが対日戦争と言う国難に際して自らの支持者に大統領への協力を呼び掛けたのです。
国難への対処とはこういうものではないでしょうか。
今が平和な世の中なら財務省解体は、当方も両手を上げて賛成なのですが・・・。
もしかしたら問題の提議に留めるべきかもしれません。
個々それぞれで意見を押し付ける気はございませんが、
今が国難であると言う管理人様の見解に全面的に賛同する故、複雑な思いのコメントになりました。
以上です。
長文かつ駄文で申し訳ございません。失礼しました。
今現在一番怖いのは財務省よりも東京地検特捜部でしょう。
こいつらが動く時は例え犯罪をしていなくても有罪にするだけの政治力が動いた時だけです。
財務省も問題ですが所詮各省庁の官僚が一緒になって甘い蜜を吸っているのですから今後も似たような事をするのかと思います。
それに佐川長官は麻生氏に近い人物の筈でしょうから財務省の連中に煙たがられた可能性も濃厚です。地方官僚の不正疑惑で中央の政治が停滞することが異常なのですから今回の一件は日本の癌を象徴とした事件です。
しかし不思議なのは清和会の人間が叩かれる現象です。幾ら中華の影響がマスゴミ、官僚に出ていたとしても東京地検特捜部が清和会の政権叩きに動いたのは始めてのことではないでしょうか?
< 毎日の更新ありがとうございます。
< 確かにコトの本質は「朝日新聞対財務省」です。しかし、狙いは野党、財務省主流派、マスメディアによる安倍首相政権潰し、国会空転化ですね。財務省が明日の参議院国会で詳細を報告すると言ってますが、ヘタな説明をすると、またもや野党の「騒ぐだけ」の連中に利するだけです。というか、会計士様いわれるように、財務省と朝日は結託しているのか?
< 大阪地検特捜部は、近畿財務局を捜査していますが、報道によると、特捜幹部は「内容的に書き換えが大きく変わってなければ刑事罰に問うのは難しい。事件というより政局の話という印象だ」(産経)との見解です。また「書き換えを指示したのは当時の佐川長官であり、安倍首相、麻生副総裁兼財務相の責任を問う声が高まる」(毎日)と、手前勝手なマスゴミの反応が出ています。
< 佐川長官の辞意表明をトカゲの尻尾切りと野党らは喚きますが、もし指示したなら当然の事で、これと政府与党の責任問題とは直接何ら関わらないです。もし、「監督不行き届き」で政権、麻生氏の責任問題が出ても、お門違いと言いたい。財務相がいちいちそんな細かい事、チェックしません。第一、『モリカケ』如きが、そんな大した問題ですか?世論が自分たちにアゲインストの風が吹いているからと言って、朝日新聞社の加計問題のデッチ上げ、森友問題の払い下げ価格が安すぎることを、政権最高意思決定者に責任ありという異常な報道ぶりは、朝日新聞ほか毎日、東京等の【断末魔】の声にしか聞こえません。
< 国会参議院委員会を欠席し、日程を詰まらせるだけの野党、マスゴミのやり方に、比較的ライトな「安倍政権しか信頼できないから支持する」という層が離れるのを危惧します(ただ、その方々も他に行くところないけど)。
< とにかく官庁の中ではその他の省より群を抜いて地位の高い財務省は、今や(前から)「風魔殿」「癌」です。財務相を解体し、その機能をバラバラにして集中させない事が急がれる。安倍政権の最終的な目標は憲法改正。これを何とかやり切るには、与党内の引き締めと財務省の解体、来秋予定の増税案廃止をスムースに進めて欲しいですね。
< 失礼します。