コロナウィルス蔓延で見えた、日本の入管法制の問題点

昨今の中国における新型コロナウィルス蔓延により、中国からコロナウィルスの感染者が日本に入国してきたり、現地に渡航した日本人がコロナウィルスに感染したりするなどの事例が相次いでいます。こういうときに、経済活動としてはいかなる影響を受けるのかに関して、少し突っ込んで議論をしたいと思います。ただし、いくつかの論点があり得るので、まずは自由主義経済と「ヒト、モノ、カネ、情報」の制限との関連性を議論しておきましょう。

経済活動と「ヒト、モノ、カネ、情報」

当ウェブサイトでは先週、『コロナウィルスは入国管理の在り方を見直すチャンス』のなかで、日本の入管法にはいくつかの問題点がある、という議論を提示しました。

コロナウィルスは入国管理の在り方を見直すチャンス

非常に手前味噌ですが、先週提示したこの議論は、現在の日本の入管法制そのものに対する問題点を、ある程度は正確に述べていたのではないかと思います。なぜなら、その後の議論や政府の対応などが、まさに日本の法制度の不備を浮き彫りにしているからです。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

一般に経済活動は、ヒト、モノ、カネ、情報の流れを伴います。

  • ①日本から相手国へのヒトの流れ
  • ②日本から相手国へのモノの流れ
  • ③日本から相手国へのカネの流れ
  • ④相手国から日本へのヒトの流れ
  • ⑤相手国から日本へのモノの流れ
  • ⑥相手国から日本へのカネの流れ
  • ⑦情報の流れ

日本は自由主義経済を採用していますので、基本的に①~⑦はいずれも自由でなければならない、という原則があります。経済活動の自由を保障する以上、ヒト、モノ、カネ、情報の往来は自由でなければならないからです。

しかし、例外的な場面では、日本政府がこれらの流れを制限しなければならない事態が発生します。たとえば2017年に国連安保理決議で相次いで北朝鮮に対する経済制裁が決議されましたが、わが国の北朝鮮に対する経済制裁措置は、主に②~⑤で構成されています。

(※なお、⑥、つまり「北朝鮮から日本へのカネの流れ」については、いちおう、日本の法律上は禁止することもできるのですが、もともと北朝鮮のような最貧国から日本に大々的な投資は行われておらず、これを禁止したところであまり実効性はありません。)

なお、少しだけ余談ですが、上記①~⑦のうちの「①日本から相手国へのヒトの流れ」や「⑦情報の流れ」については、「禁止」することは非常に難しいのが実情です。個人的には、①や⑦の流れを禁止することができるよう、新しい法律を作るべきだと考えています。

たとえば、①については、「日本にとって好ましくない国に自ら好き好んで渡航した者」に対して何らかの罰(罰金刑、パスポート取り上げなど)を加えることができるようにすべきですし、⑦についてはスパイ防止法などの制定が必要です。

関係するのは外為法と入管法

さて、経済活動は「ヒト、モノ、カネ、情報の往来」です。

日本は法治国家であり、かつ、自由主義経済を採用しているため、基本的には①~⑦は自由なのですが、仮にこれを制限するときには法的な根拠が必要であり、これに関係する主な法律は、「外為法」と「入管法」です(正式な法律の名前は、次のとおりです)。

このうち、外為法が②、③、⑤、⑥、入管法が①、④に関連します。

この点、日本は法治国家であるため、もしも「ヒト、モノ、カネ、情報」の流れを制限しようと思えば、どうしても、法律の規定が必要です。しかし、先ほども指摘したとおり、①と⑦については、直接に制限することは難しいのが実情といえるでしょう。

ヒト、モノ、カネ、情報の流れを制限することができるか?
  • ①日本から相手国へのヒトの流れ→入管法(禁止規定なし)
  • ②日本から相手国へのモノの流れ→外為法第48条など
  • ③日本から相手国へのカネの流れ→外為法第16条、第21条など
  • ④相手国から日本へのヒトの流れ→入管法第5条など
  • ⑤相手国から日本へのモノの流れ→外為法第52条など
  • ⑥相手国から日本へのカネの流れ→外為法第27条など
  • ⑦情報の流れ→法規制なし

中国に対しては①と④

さて、新型コロナウィルス蔓延に伴い、『新型ウィルスは桜問題から目を背けさせる安倍の陰謀?』などでも説明したとおり、日本政府は次の措置を発動しています。

  • (1)中国に渡航する日本国民に対し、外務省は『海外安全ホームページ』上、中国全土を感染症危険情報レベル1(注意喚起)に、湖北省をレベル3(渡航中止勧告)に設定する
  • (2)過去14日以内に中国・湖北省に滞在したことがある外国人と、湖北省発行のパスポートを所持する外国人については、特段の事情がない限り、入国を拒否する

この2つの措置のうち、(1)については「①日本から中国へのヒトの流れの制限」、(2)については「④中国から日本へのヒトの流れの制限」です。

しかし、(2)は「条件に該当していれば日本はその外国人の入国を拒否することができる」という意味では強制力がある措置ですが、(1)は単に「勧告」であり、「禁止措置」ではありません。その理由は、くどいようですが、「①日本から中国へのヒトの流れ」を禁止する法律が存在しないからです。

したがって、その気になれば日本人が渡航中止勧告を完全に無視して、疫病が蔓延しているエリアに立ち入ることが、理論的には可能です(※もっとも、中国政府が武漢の都市封鎖をしているという報道もあるため、そもそも中国側でそれが可能かどうかというのは別問題ですが…)。

たとえば、今回はたまたま中国でしたが、これに限らず、

に日本人が渡航することを禁止する、というのが非常に難しいのです。

このあたり、当ウェブサイトでは『総論:経済制裁について考えてみる』などでこれまでに散々議論してきたとおりですが、やはり、こういう局面で「①」の措置について明確な禁止規定が存在しないというのは重くのしかかって来ますね。

結局はコストとリターンの問題

今回のケースでは、日本政府が取っている措置はおもに①と④です。

このうち④の措置については、日本政府は先週末、強制力を伴った入国拒否を発動しました(法的にややグレーな部分もありますが…)。しかし、①の措置については法的強制力を伴わないため、悪意がある日本人がわざと疫病が蔓延している地域に出掛けて帰国するような事態を防ぐことはできません。

これこそがまさに、自由主義経済のコストのようなものでしょう。

個人的には、①の措置についてまったく何もできないという現在の日本の状態は是正した方が良いと考えていますし、たとえば疫病の問題だけでなく、『韓国政府「北朝鮮への個人旅行は日本もやっている」』などで述べたとおり、日本国民が観光目的で北朝鮮に渡航することを禁止できないという問題もあります。

さらに、過去には紛争地帯(たとえばイラクやシリアなど)にノコノコでかけ、現地で人質になって日本政府の手を煩わせるということを行った者が何人も出ていますし、外務省がパスポートの返納命令を出したこともあります(『「自己責任」の問題では済まされない北朝鮮旅行者問題の本質』等参照)。

「自己責任」の問題では済まされない北朝鮮旅行者問題の本質

もちろん、日本国民に対し「あの国に渡航するなよ」、といった法律を作ってしまうと、そのことが自由な経済活動を制限することにもつながりますが、当ウェブサイトとしては「自由経済の考え方はとても大事だが、それよりも日本の国益の方がはるかに大事だ」と考えています。

したがって、「コストとリターンの問題」ではありませんが、やはり、自由主義経済を過度に制限しない範囲で、最低限の制限を加えることができる法制度を作る必要があると思うのです。

ヒトの往来だけでは済まない

さて、もうひとつ、重要な問題があります。

先ほどの『貿易赤字?現在の日本は「鵜飼いの鵜匠」のようなもの』でも触れましたが、現在、日本は「単独の製造立国」ではありません。アジアにおける「サプライチェーンの親玉」のような存在です。

貿易赤字?現在の日本は「鵜飼いの鵜匠」のようなもの

アジア各国(とくに中国や韓国)に対して「モノを作るためのモノ」を供給し、現地法人や工場などから上がる収益を、貿易収支ではなく所得収支で吸い上げる、という構造が成り立っているのです。

その意味で日本は、長良川で1300年の歴史を持つとされる伝統漁法「鵜飼い」の鵜匠のようなものであり、非常に失礼ながら、中国や韓国は「鵜飼い」の鵜のようなものでしょう。

ただ、新型コロナウィルスの蔓延が続けば、今度はヒトだけでなく、モノの流れにも支障を来す可能性が出てくることは間違いありません。そのときに、日本経済にはどのような影響が生じるのかについては気になるところです。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

こうしたなか、当ウェブサイトではせっかく普通貿易統計をひととおり手に入れていますので、できれば今日か明日にでも、「日本が中国からどのような品目を輸入しているのか」という観点から、このサプライチェーンの問題についても考察してみたいと思います。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

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読者コメント一覧

  1. 引きこもり中年 より:

     独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。

     希望的観測かもしれませんが、日本マスゴミ村や野党から、「問題はあ
    るが、我々は新型コロナウィルスへの対策として、これを提案する」とい
    う声が上がって欲しいものです。(もっとも、皆さんも私も、そんなこと
    は不可能だと思っているでしょうが)

     駄文にて失礼しました。
     

  2. とある福岡市民 より:

    新宿会計士様のおっしゃる通り、日本の入管体制には大きな問題があります。それを浮き彫りにしたという点で、今回のコロナウイルス騒動は大きな意味がありました。
    ただ、感染症対策の観点で言うと、入管体制を厳しく変えたとしてもウイルスの流入を完全に防げる訳じゃないんですね。潜伏期間の長い病原体は入管では発見できない事がありますし、インフルエンザウイルスやコロナウイルスのような人畜共通感染症では渡り鳥が持ち込む事がしばしばあります。
    黒死病の時のように船を40日間も港に停泊させてから入国を認める、なんて事もできる時代ではありませんから難しいところです。

  3. 伊江太 より:

    もう今更言っても後の祭りですが,おかしな感染症が出ていると気づいた初期の段階で,これの封じ込めより民心の動揺を恐れて情報隠しに走るという,SARSのときに散々言われたのと同じ愚を,中国はまた犯してしまいましたね.これだけ拡がった後となっては,もうコントロールは不可能でしょう.この国の今後の状況については,もうなるようになるだけとしか言いようがないんじゃないでしょうか.仮に今の実際の感染者数が100万人を超えてるとしたって,あの国の人口からすれば0.1%以下ですからね.感染拡大の余地はまだまだある.

    この感染症の情報が出て来だした当初から言われていたことですが,どうもこのウイルスの伝播力はそれほど強いものではないようで,インフルエンザに比べたら一桁程度低いというのはどうも事実のようですね.これ言い換えれば,これまでの新型インフルエンザが発生したときに目撃したような,爆発的な流行が起きるが,その代わり,感染者の周りに未感染者がたくさんいて感染連鎖が容易に継続していく状況が急速に失われていくので,比較的早期に流行が自律的に収束するという事態には,なかなか至らないということでもあるんですね.中国での流行は5月頃にピークに到達して,その後急速に終息に至るという予測も出ていますが,ひょっとするとそれより大分先まで終わりが見えないんじゃないかという気さえします.

    アメリカが一時滞在者も含めて中国からの渡航者の入国を一切認めないという,ある意味果断な判断を示していますが,もし中国の流行継続が半年以上にも及んだ場合,実質断交状態を最悪それだけ続けても本当にやっていけると判断しての上なんでしょうか.また,日本,東南アジア,オーストラリアなどの国々にも国内流行が起きた場合には,それらの国にも同じ措置を執るつもりなんでしょうか.頭に血が昇った故か,ただの政権の人気取りなのか,まあ愚策としか思えないんですけどね.

  4. 墺を見倣え より:

    「日本の入管法制の問題点」と言ってしまうと、「法制」にさえ問題がなければ、現実がどうであっても関係無いかの様に聞こえてしまいますが、現実はゴーンの密出国だけを見ても、問題多いのは明らかでしょう。

    正規の手続きを踏まずに出国した有名人は、ゴーン氏だけではありません。金大中氏も(本人の意思ではありませんが)密出国してます。

    有名人ではありませんが、北の工作員とか、昔からかなり沢山出入りしている様です。

    そういう政府の知らない出入りがあれば、防疫上の穴にもなります。

    ——– 8< ——–

    3月3日の朝日新聞朝刊第26面上段に、ゴーンの逃亡に関する記事があり、その中で、

    朝日新聞曰く、「プライベートジェットから降り立ったゴーンからフランスの旅券を示された空港の入管担当者は、慌てて上官に連絡を取った。だがこの時点では国際手配されておらず、入国禁止者のリストにも名はない。正式な旅券や身分証を持つ人物の入国を拒む理由もない。」

    とあります。旅券のどこにも対応する出国印が無い事は、入国を拒む理由にはならないのでしょうか?
    それとも、ゴーンのチームが出国印を偽造していたのかな?

    もし、世界中で出入国の突合をしないのなら、大きな問題じゃないかと思うのですが。

  5. 愛読者 より:

    2019-武漢の2019-nCoVによる死亡症例報告は19例以外見つかっていませんが,
    https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/01/post-92224.php
    あたりの記事も参考に判断すると,武漢で亡くなっているのは貧困層が中心で,もともとの健康状態がよくなさそうな人達が多いらしいです。患者数が増えてきたので,十分な治療もできてなくて,死者の割合も増えてしまうのかもしれません。
    フィリピンで亡くなった44歳の中国人は中流階級以上と思われるので,関心を持って詳細記事がないか探してみました。どの記事も似たりよったりですが,「21日に入国,25日に入院して,その後容態は改善に向かっていたが,最後の24時間で急速に悪化して1日に死亡した。2019-nCoV以外に肺炎レンサ球菌とB型インフルエンザにも感染していて,2019-nCoVだけが死因かどうかはわからない」ということですよね。何故,3つの細菌とウイスルに感染したか,フィリピンの医療水準は大丈夫か,とい疑念が晴れていなくて,健康な方が十分な治療を受けたのに死亡した,という事例かどうかよくわかりません。
    先進国で2019-nCoVが流行した場合,どの程度危険なのかは,まだ何とも言えません。
    でも,中国からの入国制限は,医学的には,しないよりしたほうがいいでしょう。でも,現代では,海外kからの伝染病を水際で完全に食い止めるのは,そもそも不可能だと思います。
    伊江太氏が上のほうで述べられているように,2019-nCoVの感染は長期に渡って継続して,中国経済は,結構,深刻な打撃を受けるかもしれません。

    1. りょうちん より:

      ウィルス感染と細菌感染の夢のドリームタッグは、実は非常に一般的です。
      有名なのは、ライノウィルス+肺炎球菌の極悪タッグで、ライノウィルス自体の殺傷力はさほどでも無いのに、コンビになると、死亡率が跳ね上がります。
      しかし、肺炎球菌にはワクチンがあるので、最近は、TVCMを打ってまで肺炎球菌ワクチンを宣伝しています。

      まだ詳細は不明ですが、おそらくコロナウィルスもなんらかの細菌感染と合わせ技になっているんじゃないでしょうか。
      日本で死亡例が出れば、詳しい病態が解明されると思います。

      1. ケロお より:

        りょうちんさま

        肺炎が死亡の主要因でありそうだということはわかるのですが、実際、中国での死亡者がどのようなメカニズムで死亡に至っていいるのか詳細に調査しないといけないと思うのですが、いかがでしょう。細菌感染なりサイトカインストームなり、肺炎から更に悪化する何かが現地では把握できているのかないのか。
        ご遺体が、すぐに火葬場直行という噂もありますし、きちんと剖検していないのではと疑念を感じます。武漢で詳細な分析ができなくとも、組織サンプルをストックしてどこかで検証していかないと、いたずらに犠牲者が増える一方です。1000人収容の即席大病棟が、死体置き場ではないかと陰口を叩かれていたとき、それもアリだなと思いました。1000人規模のご遺体を保存できる施設ができて、ひたすら死因の詳細を検討するのは、有効な策なのでは。

  6. ケロお より:

    「感染症侵入防止のための水際対策」という意味では①日本から相手国へのヒトの流れもいうのは、それほど重要ではありません。相手国に行った人(日本人、外国人問わず)の入国・帰国の際に、感染症にかかっている(かかっているおそれがある)人をどうするかだけ考えればいいわけですから。
    そもそも、このたびの新型コロナウイルス騒動で明らかになったように、潜伏期の人や無病徴感染者に対しては完全にシャットアウトするのは不可能です。可能なのは、感染者の入国をできるだけ制限して、感染症の流行を遅くすることだけです。要は、医療機関のキャパをオーバーするようなアウトブレイクが起こさず、国内の様々な活動(製造や流通などの企業活動、学校教育、政治など)に大きな支障をきたさなければ一応OKとする、というような実現可能な範囲に軟着陸させるのです。
    中国は既にあらゆる活動が困難になり始めてますし、一番はじめの最重要の防衛線である「医療崩壊しない」というラインを早々に突破されてます。国民へ正しい情報を与えて自衛させるべきときに、情報を隠蔽した(今も隠蔽しつづけている?)ことが最大の失敗点だと考えられます。
    アウトブレイク防止は、国民が一人一人が適切な感染症対策を取れるか、医療機関が適切な医療行為を提供できるか、の2点が肝です。例えば西アフリカのエボラ出血熱流行は、先進国の医療チームがいくら頑張っても、現地住民が感染症予防の基礎知識を持っていないという点がまさに致命的であり、ここがどうにかならないと今後も周期的にアウトブレイクを繰り返すことになります。新型コロナは、高い確率で、これから中国全体を飲み込みます。手洗いやマスクでなぜ感染予防が可能になるかを、多くの中国人は理解できていないように見受けられることが、その根拠です。マスクをしていさえすればどうにかなるくらいに思ってる人が多数派でしょう。どのようなタイミングで手洗いをする必要があるかとか、ウイルスを含む飛沫がどのように人体に侵入するか、などに思考が達していないうちは、ノーガードと何ら変わらないでしょう。
    そういう意味では、日本人の「穢れ」思考は非常に有効です。穢れが付いたモノ、ヒト、場所は、穢れてしまい、新たな穢れを生む。小学生がやる「エンガチョ」的なやつです。感染症の正体も微生物やウイルスの存在も知られていない平安時代から、目に見えない「穢れ」が、穢れに手で触れたり穢れに近づいたりするだけで死の病の連鎖き起こすことを、日本人は経験的に直感的に理解して、制度として運用していたのです。驚異ともいえる先人の知恵に感謝して、日本人であることを誇りとするべきですね。

    1. 伊江太 より:

      ケロお様

      いまやどのテレビ情報番組でも,ウイルスや感染症疫学の専門家を呼んで武漢肺炎の話をしてますので,どの番組でどなたがというのは思い出せないのですが,ああなるほどと思ったのが,中国ではいくら普段マスクをしても,この病気の予防は無理かも知れないという意見でした.なぜならマスクをしながら食事する人はいないが,中国人はたいてい大勢で食事を摂り,大皿に盛られた料理を直箸で皆に取り分ける習慣があるから,というもの.たしかにこの習慣ひとつをとっても,日本での生活の方が感染症の流行には耐性があるのかなと思いますね.

      1. ケロお より:

        伊江太さま

        しかもあちらの国の人は、ものすごい喋り方しますよね。がなりたてるようというか怒鳴るようというか…
        食事しながらアレでは蔓延しますよ。
        春節中は家族親類集まって宴会とかするようですし。
        情報統制して「人から人への感染は限定的」って結構長いこと言ってましたよね。春節前に正しい情報を提示して個人感染予防法を啓蒙していたらあんな大惨事にはならなかったかもしれません。
        感染者増えてから、「人から人への感染が急増している」なんていったらパニクって病院におしかけますよ、そりゃ。

        日本人の国民性は感染症を広がりにくくしているというのは、多分そうだと思います。
        食事中のおしゃべりも比較的控えめに話しをしますし。

    2. 農民 より:

      ケロお様
      コロナ関連からこっちすごい情報量ですね、大変勉強になりました。
      ケロお様のコメントまとめたら1記事寄稿で良かったんじゃないかと(笑)

      >当ウェブサイトとしては「自由経済の考え方はとても大事だが、それよりも日本の国益の方がはるかに大事だ」と考えています。

      したがって、「コストとリターンの問題」ではありませんが、やはり、自由主義経済を過度に制限しない範囲で、最低限の制限を加えることができる法制度を作る必要があると思うのです。

      ここ、同じ前提をもって「だから無法な制限をするな」と「法を超えてでも制限を急げ」で紛糾するのだから難しいなと思いました。どちらも理はありますし。
      別件で韓国が「日本の外交官はダメだ法を乗り越えて解決するべきだ」とか言い出してるのもあってやっぱ遵法は大事だと思ったのですが…

    3. りょうちん より:

      ケロお様
      バイオの専門家としての寄稿を是非。

      話は変わりますが、「コロナウィルス対策は日本はいつも通りで良い」と書きましたが、いつも通りにできない事情ができました。

      マスクが売ってないwww。どこ行っても無い。
      まさにオイルショックのトイレットペーパー状態。
      一方で、中国人のマスク爆買いやら、テンバイヤーのぼったくりが話題。

      マスクが感染者の飛沫感染を減少させる効果があるのは議論を待たないですが、非感染者側の予防マスクに意味があるのかという根拠を探しました。
      なんでもWHOはインフルエンザ予防に、マスク着用を推奨していないというのです。ひたすら手洗い。

      でもって、Pubmedを漁りましたが、
      https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31479137
      N95 Respirators vs Medical Masks for Preventing Influenza Among Health Care Personnel: A Randomized Clinical Trial.

      >CONCLUSIONS AND RELEVANCE:
      >Among outpatient health care personnel, N95 respirators vs medical masks as worn by participants in this trial resulted in no significant difference in the incidence of laboratory-confirmed influenza.

      N95マスクとサージカルマスクではインフルエンザの予防効果に有意の差が無いという結果でした。

      もうひとつありましたが、やっぱり有意の差は無し。
      マスク無し・有りのRCTなんてのは倫理上実施不可能ですから、探してもありません。

      もひとつ興味があるのは、

      「不織紙マスクが売ってないならガーゼマスクを使えばいいじゃ無い」

      というガーゼです。いやテーゼです。
      しかしながら、これもRCTなんてありません。
      理屈上、飛沫さえ避けられば感染リスクは低減するとは思うのですが、RCTのデザインは不可能でしょう。

      1. ケロお より:

        りょうちんさま

        マスクが感染防止に有効であるというエビデンスに乏しいというのはよく聞く話ですし、論文もたくさんありますよね。
        でも、一方でマスクと手洗いでインフルなどを予防する効果があるという論文もたくさんあります。
        マスクで飛沫感染が予防できるという論文もあります。
        大体どれも、マスクが正しくつけないと飛沫感染を防げないよねって感じのことと、手洗いは軽視されがちだけど接触感染予防には手洗い大事だよねって考察ですよね。
        どれも条件が異なるからどれが正しいという話じゃなくて、総合的にどう考えてどういう対応をするべきかという話なんですよね。
        風邪症状の患者の診察をするのに、マスクなしでって無茶ですよね。同じように一般の人も感染者がいるかも知れない満員電車とか、マスク無しで乗るのは抵抗があるのが普通だと思うのですよ。わたしは無理です。マスクします。

        近年の手洗い推奨マスク軽視は、一昔前のマスク偏重からの揺り戻しに過ぎないと思ってます。ようは、マスクさえすれば予防になるなんて思っちゃダメ、手洗いも大事だよっていうこと。それと、マスクは感染者がしてくれたほうがいいですっていうのと、マスクだけじゃ感染が防げないというのが混ざって、何故か非感染者はマスクしなくていいってなっちゃた。メディア・バイアスはやばい。
        いまだに、「マスクの網目はウイルス粒子より大きいからウイルスは素通りする」みたいなことを書いてる報道もあるし。

        寄稿するなら、「nCoVの正体は中国の生物兵器なのか?」みたいなのがいいですかね。

    4. 茶筒 より:

      素人視点からで恐縮ですが・・・

      今回の新型肺炎ですが、
      テレビでは「不治の病であり、一度かかったら生死を彷徨う」
      ようなイメージで報道されているように感じるのは私だけでしょうか。

      実際は「症状が出ないレベルの人が多い」状態で、
      かかっても「軽い風邪程度(風邪と肺炎は違いますが)」の人が大半、
      という状態では無いでしょうか。

      今行なうべきは、ケロお様がおっしゃってるような
      「医療機関がパンクしないようにするためのアウトブレイク防止」
      であり、つまりは一般の病院で検査出来るための検査手法や検査キット作成までの
      時間稼ぎだと思っています。
      (本日、「新型肺炎外来を受け付ける」状態になったと言うことは、
       一定以上の、信頼できる検査手法ができてきたと考えています)

      それを、「感染は許さない!ゼロにしなければ不手際!!」
      という論調で、政府やWHOを叩く方が多いことに、恐怖を覚えます。

      情報発信の仕方なのか、
      それとも、単に日本人が、短絡的な思考ばかりするようになってしまったのか・・・

      恐怖を煽るような情報発信ではなく、
      「SARSの場合にはこのような流れで収束していった。
       今の新型肺炎はこの状態だから、こういう対策をしている。
       個々人はこういう対策をしましょう」
      という情報発信こそが大事だと思うのですが、
      残念ながら、そのような情報発信をしている人は、
      (少なくともマスメディアには)存在していないように思います・・・

      1. ケロお より:

        茶筒さま

        そうです、専門家的には時間稼ぎしたいんですよね。
        簡易迅速診断ができるようになれば不安も解消されていくと思います。

        専門的なことをいいますと、今は「RT-PCR」という手法でウイルスを検出してます。ウイルスの遺伝子を増幅して検出する方法です。下気管か咽頭の拭い液と検査試薬を混ぜて、PCR用の機械(サーマルサイクラー)という遺伝子増幅機(1台50万からは百数十万円)にセットして1-2時間、電気泳動装置という増幅した遺伝子を確認する機械にセットして1時間弱、大急ぎで朝からやっても午後になります。もちろん実験結果が間違えていたらシャレにならないのできちんと検査結果をまとめたら一日かかります、最短で。すごいお金のある施設ならリアルタイムPCR装置というのもあって、もっと早く結果が出るのですけどこれは価格的に桁が1-2個高くなります。まあ、要するに大変なんです。試薬は1回分はほんのちょっとなのでそんなに高価では無いのですけど、人手と機械が必要なのがネックです。実験自体はまとめて何百サンプルとかたくさんできても、チェックが大変なのですよね。
        たぶんいま開発中なのは「イムノクロマト」だと思います。抗体というウイルスにくっつくタンパク質を作っていると思います。抗体に発色能力をプラスしたりすると、ウイルスがあれば発色する試薬が作れます。それをメンブレンという薄いシートに吸着させてプラスチック板にはめて使いやすくして、10枚1-2万円くらいで量産します。100万人分でも10億円ですから現実的なところです。原価はもっと安いですけど、開発費ですね。「イムノクロマト インフル」とかで検索するとわかりやすい解説が見つかります。
        抗体というのは生き物の中にウイルスみたいな異物が入るとそれを撃退できるようにするもので、生き物に作らせなければいけません。これがちょっと大変で、時間もかかります。実験室的にはうさぎとかねずみとかを使いますが、量産する場合は抗体を作る細胞を取り出して培養します。ここらへんは職人芸的な要素がでてきます。それといちばん大事なのはウイルスそのものが必要ですが、日本ではウイルスの単離と培養が既にできているので、第1ステップはクリア済みです。それなりに進んでいるのであんまり心配しすぎる必要ないと思うのですが、実験の進行具合を逐一報道されてもきっときついと思うので、節目節目で経過を発表すると思います。抗体作成細胞の培養がうまく行ったら発表されるかなと。
        並行してワクチン開発もしているとは思うのですが、すぐにはできませんし、人体に投与するものなので、安全性の確認も時間がかかります。

        1. りょうちん より:

          検疫と検査対象の制限を批難する人がすごく多いんですが、そもそも「現状ではそんな数を検査できない」という事実を理解していないですよね。

          検査技師は、いまどれだけの超過勤務をしているのでしょうか・・・。

        2. 田舎人 より:

          りょうちん 様

          専門的お立場からのご所見は、大変勉強になります。

          ところで、少し話がそれますが、以前、家畜防疫関係(鳥フル等)で、私の居住地域も大変な状況となりました。
          このとき経験したのは、確定診断が出るまで一定の時間を要し(検体を採取し輸送する時間等も含めて)、対応が後手後手になってしまったということでした。
          国内には、ウイルスの確定診断ができる施設が限られることなど、限界があることも痛感しました。

          いつまでもこのような状態でよいとは思われません。
          検疫に係る諸施設の整備や専門家の育成はもちろん、また、ある種有事対策としての国家レベルでの備え(物資の備蓄や人員のやりくり、隔離施設等々)が必要かと。
          相当の投資、財政資金が必要になると思いますが、避けて通れないこと課題だと考えます。

          人類の歴史はウィルスとの闘いの歴史であったと言った趣旨の書籍を、昔々見かけたような記憶もあります(はっきり覚えておりませんが)。

          まとまりのない話で申し訳ないですが、今後とも、タイムリーにコメントしていただければ有り難いです。

  7. ケロお より:

    「穢れ思想」、のほうが適切ですかね?
    「死の穢れ」は、「連鎖」ではなく、「伝染」するのかな?

  8. ビール好きのおっさん より:

    ⑦の情報の流れですが、安全保障に関するものは外為法で制限されています。居住者が非居住者に別表1の1項〜16項の技術に関する情報伝達(役務取引)をする場合には、経済産業大臣の許可が必要です(16項はキャッチオールなので非居住者がグループAの26カ国の場合には不要)。
    居住者は日本人という訳では無くて、日本に居住して6ヶ月経過した外国人や、日本にある法人に勤務する場合は来たばかりの外国人も居住者になるので制限の対象です。しかし居住者では無い外国人(非居住者)の情報持ち出しに関しては外為法の対象では無いので、管理人さんが書かれたようにスパイ防止法などが必要ですね。

  9. りょうちん より:

    面白い記事。

    https://japanese.joins.com/JArticle/262174
    駐韓中国大使「韓国の措置は評価しない…WHOの根拠に従うべき」

    >ケイ海明駐韓中国大使は4日、韓国の中国湖北省を訪問した外国人の入国禁止措置と関連し、「韓国が取った措置は評価しない」とした上で、「WHOの根拠に従えばいいのではないかと考える」と述べた。

    中国湖北省を訪問した外国人の入国禁止措置は、日本を含め各国が既に行っていますが、そうした国には文句を言ったんでしょうかw
    韓国相手だから?

    1. だんな より:

      りようちんさま
      そりゃ、自治区だから。
      おっと、重要な隣国だからですよね。

      1. りょうちん より:

        >重要な隣国

        重要な属国ではw

        1. 匿名 より:

          りようちんさま
          それを書くと、「おっと」を入れた意味が無くなります。

  10. りょうちん より:

    良い記事です。東洋経済ですが内科医師の執筆です。

    https://toyokeizai.net/articles/-/328510
    政府がコロナウイルス「検査キット」を急ぐワケ
    特効薬はないから、調べても意味がない?
    久住 英二 : ナビタスクリニック内科医師

    まあ日本が本気を出せばジョバンニが一晩でやってくれたように、検査キットを早期に大量生産してくれるものと信じています。
    ま、治療薬の方は無理難題でしょう。

    1. だんな より:

      りようちんさま
      タミフルとエイズ薬の組み合わせで、治った症例が有る様です。
      ウイルスが感染細胞から出てこれなくなれば、効きそうな印象です。
      ご見解が有れば、教えて下さいませ。

  11. りょうちん より:

    この記事の盲点というかすっぽり抜けているのが「検疫法」です。
    https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=326AC0000000201

    法令を見ると、実は今回の検疫は、現行法でも十分に対応可能だったのです。
    ダメなのは

    感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に規定する新型インフルエンザ等感染症

    の指定を遅らせた厚生労働大臣の責任です。これでは現場の人間が動けません。
    いくら条文を整えても運用する人間(トップ)が馬鹿だとナンセンスです。

    これは、更迭なりの責任を取らせるべきですね。そもそも誰だっけ今?

    加藤勝信
    >日本の政治家、大蔵官僚。
    ケッ・・・一番嫌いなタイプだ。
    でもって仕事の経歴を見ると、労務系の仕事ばかりで、医学系の勉強が足りていない人災^H材なのでしょう。
    厚生省と労働省を合併させた弊害です。
    せめて大臣が無能でも、ちゃんとご注進する厚労省のキャリアがいればなんとかなったのでしょうけど、そんな人材も現時点ではいなさそうですね。
    安倍首相が予算委員会で指定感染症にさせると答弁しましたが、本来、職責的に首相が言うべきことではありませんよ。誇りあるキャリア官僚なら首相にこんな答弁をさせたら恥じ入って憤死すべきです。

  12. ポプラン より:

    入国管理は、独立国家の独自の権限なのですよね。
    日本への入国管理が今の本題なので、少し論点がずれますが
    ご意見拝聴できればと思います。
    次男が、今EU圏内のチェコ共和国内に留学しています。
    解剖の試験で煮詰まったので一週間の試験休みに帰国したい
    と言ってきています。
    今週末から来週末にかけてです。
    本人の感染は、医学生である以上日本国内でもあまり考えられないのですが、
    日本国内の感染が拡大すると、日本も韓国も中国も区別のつかない
    ヨーロッパ人は汚染地域指定して入国拒否してこないかというのが
    心配の理由です。
    EUのシェンゲン協定がどうあれ、イタリア国内の音楽学校では
    東アジア出身学生の授業中止など影響出ているようです。
    EUの入国制限が2月中旬、日本に対して発動されことがあるのか?
    違う方向から疾病での入国管理を今考えています

    1. りょうちん より:

      え、あの、東欧の医学部入学って、一時期話題になったアレですか?!
      https://www.medical-u.org/

      対策されているという噂を聞きましたが・・・。まあ海外で働きたいのであれば関係ないですね。
      https://www.mhlw.go.jp/topics/2012/05/tp0525-01.html

      https://news.yahoo.co.jp/byline/otatoshimasa/20170819-00074698/
      合格率もきつそうです。
      ちなみにこの記事を読んで、「ハンガリー精神旺盛だなあ」とか思ったのは秘密です。

      1. ポプラン より:

        はいはい。そのパターンです。
        卒業後は、どうするのでしょうねえ。
        学費は国立を卒業した長男の150%位ですから、遠くの国立に
        進学させているようなものです。
        昨年、夏季休暇で遊びに行った長男は授業に潜り込んでました。
        解剖に関しては自分の受けて教育よりレベルが高いと言ってました。
        宗教上の理由もあるのでしょうが、解剖実習では自分のスマホで
        重要なところは写真に残して復習するように指導されていて
        ビックリしました。

        1. りょうちん より:

          日本の医師になるのは、難しいような気もしますが、海外で活躍する人生も面白そうではあります。

          そう感じるのは、よくある日本の医者の人生のキャリアパターンを踏襲し、最近では専門医の維持に苦労し、学会でのスタンプラリーに汲々としている最近の自分にうんざりしているせいかもしれません。

        2. ポプラン より:

          お気遣いありがとうございます。
          次男はADHDの傾向のある子供で、語学に関しては絶対的なセンスを持ってますが
          日本で受験させていたら数学で何浪もしそうでした。
          中学・高校時代から留学でのびのびできたのが余程楽しかったらしく大学は
          外国に出してほしいと行ってきたのです。
          まあ日本でなれなくても、自分に合ったところで生きてくれれば良い。
          また医学部卒業したって、他の業界に行っても良い。
          どうしても日本が良ければ、成田の某医大に学士入学させますか(笑)。
          以前、祖父・父が東北帝大出身だった高校の友人が、6年浪人したあげく
          自宅で縊死して果てました。
          この業界に生まれると公務員の息子の自分とは違ったプレッシャーがあることを
          その時知りました。

  13. 京都在住A より:

    結局は日本国内での感染をどの程度許容するかに尽きるのではないかと思います。
    無症状者からの感染がどの程度あるかに依存するでしょうが、中国からの入国を止めても、2、3年のスパンで見ると、国内での感染が拡がってしまう事も覚悟しておく必要もあるように思います。

    巷では中国人観光客が減って大変だとの報道が盛んにされていますが、他のスレッドでも書きましたが、日本人の国内観光客もかなり減っているように感じます。ほとんどの中国人や韓国人は特定の観光地に集中しますので、そこの減少がかなり目立ちます。しかし、日本人の国内観光は特定の地域に集中することが少ないので、それほど目立たないような。

    日本人と外国人の観光にかける費用がどのようになっているのか最近の資料を見ていませんが、京都でも圧倒的に日本人の方が多いはずです。減る比率は小さいが総額が大きいので意外と影響が大きいのではと思います。
    日本人観光客への影響も調べて欲しいものです。

    私も含めて周りの人も、不必要なリスクは取りたくない、感染の可能性があるところにはなるべく近づきたくないのですが。
    皆さんはどうなのでしょうか。

  14. ケロお より:

    農民さま

    「コストとリターンの問題」、そのとおりだと思います。1月下旬の時点で強硬に中国人を締め出すのは、超法規的であると同時に中国政府の反感を買って中国国内の邦人救出にはマイナスになったでしょう。武漢が封鎖されていて、中国から団体旅行禁止になっていたことを考えると、春節終了を待って入国制限というのは合理的に思えます。
    実際問題、感染者を締め出すなら1月初めの時点で「中国政府は武漢の謎の肺炎ウイルスについて完全な情報公開をする義務がある、それができるまで中国人入国禁止する」くらいやらないとダメなわけで、それは流石に不可能でしょう。その段階で強硬策をとったら観光業を中心に政府批判が沸騰して、その後の感染症対策に支障が出るのは間違いないです。
    日本国民の殆どは1月上旬は「武漢肺炎」のことに無関心だったし、中旬の段階でも「武漢の人が春節に日本に来たらウイルスを撒き散らすのでは?」と思った人もほぼいなかったでしょう。封鎖後の武漢が報道されてから一気に関心が集まりましたよね。自分が何も考えていなかったのに、メディアにおどらされて政府や官僚を批判するのはどうなのかなと思います。

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