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「仲裁委員任命期限」が近づく まずは観光ビザから始めよう

自称元徴用工問題を巡って、日本政府が韓国政府に申し入れた「日韓請求権協定第3条第2項に基づく仲裁手続」において、韓国政府が仲裁委員を指名する期日が明日(あるいは明後日)に迫っています。事前の報道だと、明日中に韓国政府が委員を任命する見込みはないようであり、日韓関係は破綻に向けて順調に歩みを進めているように思えてなりません。ただ、文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領の実務能力のなさは、周辺国に思わぬ混乱をもたらしかねません。日本はまず、混乱への予防的措置として、観光ビザ免除プログラムの早急な見直しが必要です。

日本が絶対に「折れ」てはならない理由

「国として、国際条約を破った」

日本政府は5月20日、いわゆる自称元徴用工の問題を巡って、韓国政府に対し、日韓請求権協定第3条第2項による仲裁手続への付託を通告しました。

「自称元徴用工問題」とは、韓国国内で「戦時中、日本によって強制徴用された」と自称する、いわゆる自称元徴用工らがさまざまな日本企業を相手取り、次々と訴訟を起こしている問題のことです。

とくに、昨年10月30日には、新日鐵住金(現・日本製鉄)が大法院(最高裁に相当)で敗訴したこと自体がきっかけとなり、今後、日本企業が韓国国内で勝訴する可能性はほぼなくなったと考えて良いでしょう。

その証拠に、11月29日には三菱重工が大法院で敗訴したほか、下級審では不二越を始め、さまざまな日本企業が敗訴判決を受け取っており、いずれの訴訟についても、大法院まで行けば、間違いなく日本企業の敗訴に終わるでしょう。

ただ、この自称元徴用工の問題には、2つの困った点があります。

1つ目は、1945年8月15日以前に成立した債権債務関係については、1965年に締結された日韓請求権協定に基づいて、韓国国民は日本企業に対して請求できないことになっている、という点です。

昨年の日本製鉄に対する敗訴判決は、日韓請求権協定に明らかに違反するものであり、韓国の司法府自身がこの点を無視しているという意味では、もはや「韓国が国として国際条約を破った」という格好になっています。

韓国側は「三権分立だから、司法府の判断を尊重しなければならない」などと意味不明なことを主張していますが、本来、国際条約は司法府自身をも拘束するものですし、むしろ国際条約に違反した判決を出せば、韓国の司法府が立法権などを侵害しているのと同じです。

むしろ本件について重要なことは、「韓国に進出してビジネスを行っても、(とくに日本企業の場合は)利益が国際法などで守られない」という実績ができたことです。そして、日本は法治国家ですから、法律を守らない国に、法律による恩恵を与えてはなりません。

今後、日本政府はありとあらゆる日本企業に対し、韓国とビジネスを行う際は「自己責任である」という姿勢を貫徹すべきでしょう。

日韓関係の轍とは、「ゴネて騒いで玉虫色に」

2つ目の問題点は、彼ら自称元徴用工らが主張する、「自分たちは日本の当局によって強制連行された」とする点については、信頼できる証拠がない、という点です。さしたる証拠もないくせに大騒ぎするという点では、自称元慰安婦らと、構図はそっくりです。

ただし、韓国の目的は「事実関係を究明すること」ではなく、「日本からの謝罪と賠償を引き出すこと」にあります。その意味で、自称元慰安婦らに対して不要な謝罪と賠償を行った「日韓慰安婦合意」の轍を踏んではならないことは、言うまでもありません。

そもそも論でいえば、私自身、2015年12月28日に、岸田文雄外相が韓国の朴槿恵(ぼく・きんけい)政権当時の尹炳世(いん・へいせい)外交部長官とのあいだで「日韓慰安婦合意」を結んできたとき、

もし、日本が「やってもいないこと」で謝罪し、賠償すれば、相手はそれに味を占め、必ず二匹目のどじょうを狙ってくるに違いない。

と思ったのですが、その悪い予感はドンピシャリで的中した格好です。

そして、彼らのやりくちは、毎回、だいたい同じです。それは、「ゴネて騒いで玉虫色に」、です。

まずは韓国の市民団体らが日韓のマスコミ、市民団体などと連携したうえで、反日メディアにウソの情報をタレこみ、ウソの報道をやらせるなどして日韓世論を盛り上げ、収拾がつかなくなったところで韓国政府(あるいは政治家)が登場し、日本政府や親韓派の日本の政治家に対し、

これで最後だから!これで日本が形の上で謝ってくれて、ほんの少しだけ賠償金を払ってくれれば、絶対に蒸し返したりしないから!

と約束することで、日本政府はそもそもの事実関係を検証することもなく、ときの首相(あるいは天皇陛下)が謝罪し、日本企業や日本の善良な個人を騙して基金に寄付金を拠出させ、その基金から賠償させる、といったかたちで玉虫色の解決を図るのです。

自称元徴用工らの動きはその証拠

これを、自称元徴用工の立場に立って、考えてみましょう。

今回の自称元徴用工問題を巡っては、日本政府や日本企業は、これまでになく強硬な姿勢を貫いています。そのこと自体は高く評価できるのですが、困ったことに、韓国側では日本企業の在韓資産を差し押さえる、という動きが相次いでいます。

ただ、『放っておけば勝手に自滅 自称元徴用工代理人のホンネとは?』などでも触れましたが、彼らが差し押さえて来る資産は、非上場株式であったり、知的財産権であったり、と、換金が非常に困難な資産ばかりです。

韓国から完全に拠点を撤退している三菱重工の場合だと、めぼしい在韓資産が知的財産権しかない、という事情があるのは理解できるのですが、日本製鉄と不二越の場合、差し押さえが容易な金銭債権(たとえば関連会社に対する投資持分からの配当金請求権など)が、もっと他にあるはずです。

このことから、当ウェブサイトでは「自称元徴用工側の狙いは、わざと換金困難な資産を差し押さえて日本企業を困らせ、それを『売るぞ、売るぞ』と脅したうえで、最終的には日本企業側に玉虫色の解決策を出させることだ」という仮説を、一貫して提示して来たのです。

実際、韓国国内から出て来る報道を見ていると、原告側代理人らからは、「2+2基金」構想というものが頻繁に登場します。これは、日韓両国の政府、企業が共同で財団を設立し、その財団から自称元徴用工らにおカネを配る、というスキームのことです。

これなども、原告側の真の狙いが「徴用工財団」の設立にある、という点は、ほぼ間違いないでしょう。

日韓の「本当の狙い」

慰安婦合意の二の舞

なぜ彼らがそんなことを考えるのかといえば、自称元徴用工にとっても、韓国政府にとっても、それがとても楽チンだからです。

自称元徴用工側としては、わざわざ裁判を起こさなくても日本からの謝罪と賠償を受けることができますし、韓国政府としても、日本政府や日本企業が自主的に謝罪してくれれば、国際裁判などに出廷する必要もありませんし、韓国が「国際法違反の国だ」と批判される心配もありません。

思い返せば、2015年の日韓慰安婦合意も、まさにその「ゴネて騒いで玉虫色」という、典型的なパターンにはまっていました。

そもそも慰安婦問題とは、

①1941年12月9日から1945年8月15日の期間、②日本軍が組織としての正式な意思決定に基づき、③朝鮮半島で少女のみ20万人を拉致し、④戦場に連行して性的奴隷として使役した問題

のことであり、この①~④のどの要素が欠落しても慰安婦問題は成立しませんし、真面目に検証すれば、いずれもウソであることがわかります(その典型例は『彼女がフィリピンに渡ったとき、日本軍はいませんでしたよ?』でも取り上げています)。

しかし、岸田文雄元外相と尹炳世元韓国外交部長官が口頭で取り交わした「日韓外相会談」(慰安婦合意)のポイントを見てみると、確たる証拠もないくせに、日本政府が勝手に、「当時の軍の関与の下で」、と断言しているのです。

いわゆる「日韓慰安婦合意」(2015年12月28日)のポイント
  • ①慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感し、安倍晋三総理大臣は日本国を代表して心からおわびと反省の気持ちを表明する。
  • ②韓国政府は元慰安婦の支援を目的とした財団を設立し、日本政府はその財団に対し、政府予算から10億円を一括で拠出する
  • ③韓国政府は在韓国日本大使館前に慰安婦像が設置されている問題を巡って、適切に解決されるように努力する。
  • ④上記②の措置が実施されるとの前提で、日韓両国政府は、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認し、あわせて本問題について、国連等国際社会において互いに非難・批判することを控える。(※下線部は引用者による加工)

この下線部の下りによって、あたかも私たちの先祖が朝鮮人少女20万人を戦場に強制連行して性的奴隷として使役したかのように、日本政府が認めてしまった、という言い方をして良いでしょう。

日本政府にはそのつもりはないのかもしれませんが、何も事情を知らない外国の人がこれを読めば、誰だって「日本軍の性奴隷問題は、日本政府自身が認めている」と思うに違いありません(実際、慰安婦捏造報道に関わった朝日新聞社の植村隆元記者も、記者会見でそれらしきことを述べています)。

(※ついでに余談ですが、岸田文雄氏はこの合意の責任を取り、次期首相を目指すという野心を捨てるべきでしょう。)

日韓慰安婦合意の唯一評価できる点は「責任押し付け」

ただ、それでもこの「日韓慰安婦合意」に、従来の「玉虫色の解決」と違う側面があるとすれば、その「玉虫色の解決」を実行する責任を、韓国側に押し付けた点にあります。

合意の②を読んでいただければわかりますが、自称元慰安婦の「和解・癒やし事業」を実行する責任は、この慰安婦合意によって韓国政府に完全に移ったのです。そして、日本政府は安倍総理の謝罪の言葉と10億円の拠出が完了した時点で、この合意を100%完全に履行済みです。

これに対し、韓国側はソウルの日本大使館前(厳密には「日本大使館跡地前」)に設置された慰安婦像の問題を、いまだに解決していませんし、それどころかタイミングの悪いことに、韓国政府は昨年11月21日に、この慰安婦財団を一方的に解散してしまったのです。

そして、自称元慰安婦やその遺族の中には、カネを受け取ろうとして申請書を出したは良いが、肝心のカネが入って来なくて困っている、という事例が相次いでいるようです(『慰安婦問題の解決責任は100%、韓国政府のみにある』参照)。

これなどは、まさに「痛快な自業自得」にほかなりません。

また、2015年の慰安婦合意の時点では、私自身を含め、数多くの日本国民が安倍政権に対して激怒しましたが、日本国民に、「韓国に対してはあれだけ譲歩してやったのに、最終的には自分自身で財団を解散してしまうくらいだから、もう話にならない」という、ある種の「覚悟」が備わったようにも思えます。

その意味で、日韓慰安婦合意の唯一良かった点とは、財団の設立と運営の責任に加え、万が一、慰安婦合意が破綻したときの全責任を韓国側に押し付けたことにあった、と言えるのです。

これこそが、安倍総理が仕組んだ「毒まんじゅう」のようなものでしょう。

「合意破り」「条約破り」という前例を積み重ねる

ところで、「毒まんじゅう仮説」とは、いわば、「安倍総理は韓国が合意を破ることを承知のうえで、わざとこのような合意を韓国との間で結んだ」、とするものです。

もちろん、私は安倍総理の個人的知り合いでも何でもありませんので、その「真の狙い」を安倍総理やその側近から直接聞いたわけではありません。しかし、慰安婦合意の実質破棄を受け、結果的に日本国民の間で、「韓国との間ではいかなる合意を結んでも無駄だ」、という認識が広まったことは事実でしょう。

そこに、くだんの日韓請求権協定違反です。

事前の報道だと、今月18日(あるいは19日?)とされる「仲裁委員の選任期日」までに、韓国政府側は仲裁委員を選任しない見通しだそうです(『「韓国政府は仲裁手続に応じない方針」、これをどう読むか』参照)。

(※ちなみに私自身、日韓請求権協定第3条第2項の手続は、文言上、6月19日が「30日以内の期日」だと解釈しているのですが、日韓のメディアは「30日以内の期日」を6月18日と報じています。ただ、どちらが正解だったにせよ、おそらく韓国側が手続に応じないことは、ほぼ間違いなさそうです。)

日韓請求権協定だと、その解釈や実施をめぐって日韓で紛争が生じた場合、①まずは外交上の協議、それでダメなら②仲裁手続、それでもだめなら③第三国への仲裁依頼、というのが正式な流れですが、せっかくここまで来たのなら、③の「第三国への仲裁委員選任依頼」まですべきでしょう。

そうすれば、日本としては「韓国から日韓慰安婦合意を反故にされた」ことに加え、「韓国から日韓請求権協定を無視された」という意味で、「被害者」としてのステータスを積み上げることができます。

日本が将来、日韓関係の修復・関係正常化を選ぶのか、日韓断交を選ぶのかはわかりませんが、現段階で「ちゃんとした法的手続」にしたがって韓国との紛争を解決しようと「努力だけはしてみた」という実績を残すことは、とても大切なのです。

まったく別次元で行き詰る韓国

なぜか韓国政府が「基金構想」に非協力的

ところで、先ほどの議論のなかで、「『2+2基金構想』が自称元徴用工にとっても、韓国政府にとっても都合が良い解決策だ」という命題を紹介しましたが、不思議なことに、韓国政府はこの「2+2基金構想」に、あまり前向きではありません。

おそらく、朴槿恵(ぼく・きんけい)政権以前だと、こうした「2+2基金構想」は、むしろ韓国政府が音頭を取って実現させようとしてきたはずですし、それに向けて韓国側の韓日議連などに所属する国会議員らが、日本の日韓議連側に「2+2基金構想」の実現を働きかけてくるはずです。

ところが、現在見えている「2+2基金構想」の提唱者は、自称元徴用工の裁判の原告側にいる崔鳳泰(さい・ほうたい)弁護士など、非常に限られています。

いったい、どうしたことなのでしょうか?

その答えは、現在の韓国が置かれている状況を見れば、なんとなく想像できます。

文在寅(ぶん・ざいいん)大統領自身、「いかにして大韓民国を北朝鮮に献上するか」以外にほとんど関心を持っていないからです。

たとえば、自称元徴用工問題を巡っても、対策は李洛淵(り・らくえん)首相に丸投げでしたし、年頭記者会見では「日本は歴史に謙虚になれ」「三権分立だからしかたがない」などと言い放ったくらいです(『正気の沙汰とは思えない、韓国大統領の「年頭会見」』参照)。

歴代の韓国政府であれば四の五の言わずに飛びついていたであろう「2+2基金構想」に文在寅政権が冷淡な理由も、結局は、文在寅氏自身が実務能力を一切持たない、単なる「北の走狗」に過ぎないからではないでしょうか?

文在寅政権下で崩壊が加速する

こうした文在寅政権の実務担当能力のなさは、歴代韓国政権のなかでも際立っています。

慰安婦財団解散やレーダー照射事件、国会議長による天皇陛下(現・上皇陛下)への侮辱事件などを巡っても、文在寅氏自身が、明確に何らかの見解なり、事態収拾策なりを示したという事実は、寡聞にして知りません。

いや、それだけではありません。

昨日の『韓国、ファーウェイ問題で米中双方から脅される?』で速報したとおり、韓国メディア『中央日報』(日本語版)の次の記事によれば、韓国は現在、とても困った状態に置かれています。

米国「韓国がファーウェイ装備使用なら情報共有しない」(2019年06月15日13時09分付 中央日報日本語版より)

「華為(ファーウェイ)製品の排除」を巡って、韓国は現在、米中両国から自陣営の味方をするよう、強く求められているのです。

  • 米国:5Gからのファーウェイ排除に協力しなければ、今後は「機微な情報」の共有を差し控える(=米韓同盟の主要な部分が機能停止する)
  • 中国:米国のファーウェイ排除に協力するならば、2017年のTHAAD制裁のような、韓国に対する経済制裁も辞さない

この点、米中双方の間でのらりくらりと二股外交を続けてきた朴槿恵政権のような知恵が、現在の文在寅政権に備わっているとも思えません。

韓国にとっての「最悪の展開」とは、米中双方を激怒させることです。

具体的には、米国からは米韓同盟を消滅に向けた動き(軍事演習の取りやめ、在韓米軍撤退など)を加速させるとともに、米ドル決済網に深く依存する韓国経済を、「セカンダリー・サンクション」などによっていじめる、といった行動が考えられます。

一方、中国は韓国にとって最大の輸出相手国ですので、国を挙げた韓国製品の不買、韓国製品に対する高額関税、韓国製品の通関拒否など、貿易面でさまざまな圧力や嫌がらせを加える、といったことが考えられるでしょう。

韓国は2017年のTHAAD騒動の際、米国に対してはとりあえずTHAADの部分的・暫定配備を認める一方、中国に対しては「三不の誓い」(※)を立てて、何とか急場をしのぎました。

(※「三不の誓い」とは:▼米国のミサイル防衛システム(MD)に参加しない、▼高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の追加配備を検討しない、▼「日米韓3ヵ国軍事同盟」に参加しない、の3つの誓いのこと。)

しかし、交渉力も決断力もない文在寅政権の話ですから、今度の「ファーウェイ局面」では、米国にも中国にも中途半端な姿勢を取り、双方から怒りを買う、という、「韓国にとっての最悪の展開」も現実のものになりかねません。

経済空洞化に中国の制裁を加えれば…

こうしたなか、『韓国の経済の「空洞化現象」、そしてなぜか低い失業率の謎』でも触れたとおり、文在寅政権の経済失策の影響により、韓国は経済面でも行き詰りつつあります。

経常赤字の衝撃 韓国の「貿易危機」は続くのか』で詳報したとおり、韓国は日本やドイツから素材を買い、それを国内で加工して、中国、香港、米国、欧州などに輸出するというのが基本的なビジネスモデルです。

韓国の貿易依存度はGDPの8割(つまり日本の約3倍近く)に達していて、ただでさえ外需依存度が極めて高い経済ですが、ここに米国からの金融制裁か中国からの「ファーウェイ制裁」が加われば、韓国経済は壊滅的打撃を受けるかも知れません。

そして、貿易黒字が縮小すれば、それにより外国人投資家が韓国経済の将来性に悲観し、株式市場から投資資金を引き上げれば株安・ウォン安が発生しかねません。

そして、『「韓国経済崩壊」論、本当の脅威は株価暴落ではなく外貨不足』で報告したとおり、本当に怖いのは株安ではなく金利上昇であり、外貨借入の借換(ロールオーバー)ができなくなることです。

とくに韓国は外国から短期資金を1000億ドル程度借りていますので、何らかのきっかけでこれらのロールオーバーを拒絶されれば、そこから直ちに通貨危機につながります。

日本からの日韓通貨スワップ協定を拒絶されている韓国は、ただちに外貨不足に陥って、今度こそ「国家破綻」状態になる、という事態も考えておかねばなりません。

まずは観光ビザの制限を!

さて、韓国に対する経済制裁について、当ウェブサイトとしては、次の3つの名目があると考えています。

  • 1つ目、「日本が韓国に腹を立てたから、仕返しとして経済制裁を加えて溜飲を下げる」。
  • 2つ目、「日韓関係を元に戻すために、理性的に戦略を構築したうえで、経済制裁を加える」。
  • 3つ目、「日本の国益を最大化する手段の1つとして、韓国に経済制裁を加える」。

このうち、1つ目と2つ目の名目に夜経済制裁については、『朝日新聞が日韓首脳会談を要求したこと自体が答えになっている』で説明したとおり、私個人的には反対です。

なぜなら、日本が本気で韓国に経済制裁を加えれば、うまくやれば韓国経済に引導を渡すことだって可能ですが、それと同時に、「伝家の宝刀」は抜きどころも大切だからです。

冷静さを失い、カッとなって「相手に懲罰を与えて溜飲を下げる」ための経済制裁はすべきではありませんし、「韓国を懲らしめたうえで、日韓関係修復の機会にする」という意味での経済制裁もすべきではありません。

韓国に対する経済制裁をやるならば、3つ目、すなわち「全世界で日本の名誉と尊厳と国益を侵害し続けてきた韓国を経済的に焦土化し、もう2度と日本に悪さをできない国にするため」であるべきです。

これが、「焦土化作戦」であり、どうせやるなら、米国を初めとする西側諸国と連携することが必要なのです(『韓国への対抗手段は経済制裁ではなく、経済焦土化作戦なのか』参照)。

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

さて、本来であれば、「ヒト・モノ・カネの流れの制限や遮断」は日本にとっては「伝家の宝刀」であり、そう軽々に抜刀することについては、本来は慎重であるべきです。ただ、さほど遠くない将来、韓国経済が大混乱に陥る予兆がいくつも出ている、という事情は見逃せません。

したがって、ヒト・モノ・カネの流れの制限のうち、「ヒトの流れ」については、『「韓国に対する経済制裁」のうち、「ヒトの流れの制限」とは?)』で述べた「観光ビザ免除措置等の見直し」を、早急に講じる必要があります。

なぜなら、韓国国内で経済状況が悪化すれば、観光ビザを悪用して就業目的で来日する韓国人が増加することが懸念されるからです(将来の「自称徴用被害者」でしょうか?)。

多くの善良な韓国人観光客は数日で帰国しているそうですが、観光ビザ免除制度に基づく日本滞在可能期間を、まずは15日に短縮することから始めるべきです。そうすれば、観光業にさしたる悪影響を与えずに、「韓国人強制労働者」の流入をある程度は阻止することができるはずです。

安倍晋三総理大臣、河野太郎外相の英断を求めたいところです。

新宿会計士:

View Comments (17)

  • 制裁の手段として観光ビザを使うのは良いと思います
    ただ、真っ正直に行うのではなく、例えば、不法就労の防止とか理由をつけて行う(ついでに現役慰安婦の問題を大々的に宣伝する)のが良いと思うのです♪

    要は、公式には制裁とは言わず、ただ周囲からはとう見ても制裁だってのを積み上げて行くべきだと思うのです♪

    まかり間違って、韓国人が心を入れ替えて、約束を守るようになればそれで良し。そうでなければ、例え仲裁に応じたとしても、それはそれで、制裁を続けて、交流を断っていくべきと思うのです

  • 「日韓関係の真の正常化」とは、政府レベルでは最低限度の係わりしか持たないただの隣国ですよね。

    そのためには、「事なかれ関係」の再構築に匙を投げるを得ない状況が必要。

    そのためには、国際社会にたいして韓国の無法ぶりを周知徹底。

    そのためにも、韓国の請求権協定違反の確定。

    そのためにも、国際司法裁判所での裁判不成立と韓国の弁明表明。

    そのための、仲裁委員会の設置要請。(←今ここ。)

    そのための、外交的解決の模索。

    まずは、国際法に基づく毅然とした対応。

    まずは、事実確認。

    *これらの手順がすべて整ってやっとこさ「真の国交正常化」へのステージに立てるのだと思います。

    *国際社会からの判官贔屓をかわすためにも「国際法に基づく正攻法の手順をオープンに踏んでいくこと」こそが、目的遂行のための一番の近道なのではないのでしょうか?

    *だから日本政府は、まどろっこしく見えても「まわり道してる訳ではないんだ!」って思ってます。

    • あっ・・「事なかれ関係」の再構築に匙を投げざるを得ない状況が必要。

      と、読み替えてください。

  • 更新ありがとうございます。

    韓国は徴用工問題で、仲裁人を立てる事に応じないでしょうね。次のステージに上がっても、頰かむりしたままかも。日本とはほぼ断交に近い状態に追いやられるか?実際、文大統領は歴代サイテーの能無し大統領です。北の金正恩の方しか見てない稀代の役立たず。

    ビザ免除措置の短縮は、韓国からの観光客に実害は無く(減れば減ったで構わぬが)、ただし日本が見せた韓国へのパンチッという印象は残ります。ついでに今居る不逞ビジネスガールと強盗予備軍等の在留資格を喪失した者も叩き出す。

    もう、韓国は米中にファーウェイでやられて、また懲りずににTHAADと同じようになる。すなわち、今のTHAADも未完で、韓国全土は守り切れてない。追加配備してないですからね。韓人の馬鹿者が米軍車両を道路で塞いでいる。

    ファーウェイは結局、シナ側に付くんではないですか。で、米国に見捨てないで〜と、哀願する(笑)。阿呆丸出し。日本は関知しません。シッシッ!

  • 観光ビザ免除制度に基づく日本滞在可能期間の短縮と、
    ビザ審査の厳格化を並行して実施することを推奨します。

    不法に風俗業に就労している韓国女性の場合、
     1.観光目的で入国、3か月滞在、期限切れ前に帰国
       これを繰り返すパターン
     2.学生ビザで入国(主に日本語学校)、1-2年滞在
       腰を据えて稼ぐパターン
    の2つです。1が最多ですが、2も結構多いのです。

    PS;彼女たちが母国に送金する外貨(円)は少なくとも
      年間数百億円に達すると思うので、経済制裁効果も
      大きいはず。ヒラメの検査強化の比ではないです。

    • 「観光ビザを悪用して就業目的で来日する韓国人が増加することが懸念される」は本当に心配しております。観光旅行が目的であれば2週間の滞在で十分です。ビザ無して3か月間は長過ぎます。まずはここから始めるべきたと思います。

  • 治安上の問題もありますから、査証無し渡航その物が問題ではないかと考えます。🐧

    観光査証の復活と厳格化が望ましいのではないでしょうか?🐧

    在韓日本大使館も仮住まいですから、韓国からの来訪者(売春婦、ヤクザ、違法労働者、そもそも善良な朝鮮人がもしいるなら戦後の歴史は今と違ったはず)を限りなく零に近づけた上、出来れば在日も強制送還出来れば良いと考えています。🐧

  • >米国:5Gからのファーウェイ排除に協力しなければ、今後は「機微な情報」の共有を差し控える
    >中国:米国のファーウェイ排除に協力するならば、2017年のTHAAD制裁のような、韓国に対する経済制裁も辞さない

    文政権に実務能力があれば、何か手を打つ局面なのですが・・・

    米国に与すると決めたなら、①対中貿易の悪化を見込んで別口の輸出先を探す(米に恩を着せて仲介させる)、②中国が韓国代替品の輸入先を容易に手当てできないよう対中高関税の堅持を呼びかける、等、やることがあるでしょう。

    中国に与すると決めたなら、①米韓同盟の放棄に伴う安全保障を中国になるべく有利な条件で求める、②中国にTHAAD制裁の一切の即時解除を申し入れる、等、交渉できることがあるはずです。

    どちらの道を選ぶにしても、タフな交渉になりますが、難しいからやらない、というわけにはいかないでしょう、一国の指導者なのですから。どっちつかずのバランサーを気取っているよりは、国家の静穏確率が上がると思いますよ?

    と忠告を装いつつも、どうせモラトリアムのままでどんどん窮地へ自分を追い込むのだろうな、と確信していますが。

  • >岸田文雄氏はこの合意の責任を取り、次期首相を目指すという野心を捨てるべきでしょう。

    岸田文雄氏に一国の総理としての資質があるか、どうかを見るべきであり、さすがに、そこまでは・・・
    まあ、現時点では、”ない!”と見ておりますが(笑)。
    平時であれば、どんな軽い人物でも担いで走るだけの力は日本という国家にはあるのですがね。
    残念ながら、向こう十数年、国際社会は非常時だと思います(笑)。

    >「安倍総理は韓国が合意を破ることを承知のうえで、わざとこのような合意を韓国との間で結んだ」

    ・・・とまでは(笑)、穿ちすぎでしょうが、従来の保守政権では、これほどまでツボにはまってくれなかったであろうところです。
    休むことなく、日本に対して、世界に対して、愚行を繰り出してくれる文在寅さんであり、それをチャンスに変えることができる安倍政権でよかったとつくづく思います。

    >結局は、文在寅氏自身が実務能力を一切持たない、単なる「北の走狗」に過ぎないからではないでしょうか?

    はい、左様です。壊れていますけどね(笑)。文在寅氏自身が「北の走狗」なら、その政策は金正恩さんの指示範囲を超えてはならないはず。ですし、指示範囲を超えて彼がやってしまうことで金正恩さんの逆鱗に触れております。私が、文在寅さんを壊れた北のスピーカーとお呼びする所以です(笑)。

    >韓国国内で経済状況が悪化すれば、観光ビザを悪用して就業目的で来日する韓国人が増加することが懸念される

    あの国の人々の入国制限は、制裁ではなく、国防です。もう、そのような段階に来ていると存じます。
    かつ、そろそろ、難民対策についても具体的検討を始めるべき時ですよね。

  • 15日でも長すぎます。日本と韓国という極めて近い距離の移動に要する時間と費用とを考えれば、現実の韓国からの観光客の滞在日数が5日を超えることは稀でしょう。そもそも、韓国からの旅行者は人数だけは多いが1人当たりの日本国内での消費額は外国からの旅行者の中では飛び抜けて少ないので、我が国にとって韓国人旅行者は観光地の混雑と喧騒の大きな原因になるというデメリットの割には経済的なメリットが少ないので、さっさとお引き取り願うべきです。

    ですから8日(1週間+1日)、つまり入国した日と同じ曜日までしか日本国内に居られないというのが明確で分かりやすい。

    あと、韓国人に対するビザ発給に関しては観光ビザの復活もさることながら、労働ビザの発給こそ厳しく規制すべきです。

    韓国が現大統領の正気とは思えない経済政策のお蔭で若者の失業率が上がり続け、韓国の若者は日本に職を求めて入国するのが増加の一途を辿っていますが、これこそ静かな経済制裁の一環として封じるべきものです。

    具体的には、「既に労働ビザを発給されている者の労働ビザの更新以外は、韓国人に対する新規の労働ビザは発給しない」というものです。即ち、既に日本に職を得て滞在しているケースは当面は仕方がない(これの労働ビザを打ち切るとなれば企業も解雇せざるを得ず、日本国内で不要な混乱と民事訴訟の山になりますから)が、「今後は韓国人を新たに雇うな!雇うなら日本国民を雇え!」という日本企業(や韓国企業の日本法人)に対する日本政府からの宣言という意図も込めた対韓制裁です。

    • 一つ補足しておきますと、日本が新規の労働ビザ発給を停止すれば、韓国も同様の対抗措置、つまり日本人に対する新規の労働ビザ発給を停止する可能性は極めて高い。

      つまり、この制裁が行き着くところは、日本企業の在韓支社・営業所の日本人社員を簡単には交代できなくなるという事態で、日本企業に対して「在韓日本企業は韓国民の感情という事後法によってどんな難癖で資産を封鎖され強奪されるか分かったものでないのだから、韓国支社や営業所はさっさと畳んだほうが良いですよ」という日本政府からの無言のアドバイスがこの労働ビザ新規発給停止の目的でもあります。もちろん、このアドバイスを日本政府首脳、例えば菅官房長官が明示的に言明すれば更に望ましいですが。

  • まずはビザ制限という新宿会計士さんのお考えごもっともです。と言っても私は法律、経済について詳しくありませんので、先走って恐縮ですが、「日本から韓国へのモノの流れの制限(外為法第48条に基づく輸出規制など)」について、技術的な観点からその実現性についてコメントさせていただきます。

    結論から申しますと、簡単に即焦土化可能です。

    私は大手半導体用材料メーカーで25年間、大手電子部品メーカーが吸収した香港本社電子部品メーカーの中国工場に転職して2年間、米国シリコンウエハメーカー日本工場で3年間、研究員、エンジニア、マネジャとして勤務しました(勤務しながら40歳過ぎて工博を取得させて頂きました)。

    フッ化水素で一般的に知られるようになった「日本の基盤技術」ですが、フッ化水素以外に製造過程で使われる各種先端材料はほぼ全て日本の独壇場で、各種先端製造装置も日本と米国がトップシェアです。例えば私が直接開発にかかわったある工程で用いられる半導体研磨剤は1社独占状態であり、他の工程で用いられる従来から使われている研磨剤も日本と米国が独占しています。

    なにより半導体の元であるシリコンウエハは、日本企業が世界シェアの過半数であり、日本以外で唯一頑張っているのは私がつとめていた米国企業です。韓国が人も技術も盗んで内製するということは古くから分かっておりましたので(東芝はこれで死亡)、三星はシリコンウエハ製造を韓国でやってくれと懇願し続けましたが、米国本社は断固拒否しました。なのでシリコンウエハを止めれば確実に韓国企業は死滅します。

    輸出ストップすれば日本も困るだろうというタワゴトについてですが(このようなタワゴトは韓国政府とマスコミが言っているだけで三星はじめ韓国企業からは出てこないことがタワゴトである証)、基盤技術は与えずに中国で作ればいいのです。たとえ米中経済戦争で中国の輸出が減ろうとも、消え去る三星以上の顧客になってくれるので日本は困りません。

    個人的にはすぐに「日本から韓国へのモノの流れの制限(外為法第48条に基づく輸出規制など)」をやって欲しいところですが、新宿会計士さんにたしなめられそうですし、新宿会計士さんのご提言ごもっともと思いますので、今は我慢して待ちたいと思います。

    • 理系初老 様

      いつもコメントありがとうございます。
      また、有益な書き込み、大変ありがとうございました。
      引き続き当ウェブサイトのご愛読ならびにお気軽なコメントを賜わりますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

      なお、頂いたコメントにつきましては記事本文にて取り上げさせていただきたいと思っております。

      • 新宿会計士様

        いつもお世話になっております。ご連絡まことにありがとうございました。また、香港の件でも楽しいコメントをご返信頂きましたこともあわせて御礼申し上げます。他とは一線を画した双方向の非営利知的ウェブサイト、今後ますますのご発展を祈念しています。

    • 理系初老さんの実体験に基づく有益な情報に感服です。
      重要な基礎技術をまだ韓国に渡してないようでほっとしました。
      この伝家の宝刀は、有効に使いたいですね。そして、他の産業も韓国に情報や技術を渡すことの大きなリスクを理解するきっかけにしないといけないですね。

      • チキンサラダさん
        香港の時もご丁寧なコメント頂きまことにありがとうございました。お勤めIT関連とのこと、特許活動も是非頑張ってください。中国は韓国と違い基礎科学にも莫大なお金をかけておりますので、米国が言っているように特許が守られなければいずれ中国にやられてしまいますので。

        • 理系初老様、

          ご丁寧な返信、ありがとうございます。

          私は現在アメリカ在住でアメリカ企業で働いている身です。
          日本で日本企業で働いていた若い頃は特許を取得してたこともありますが(ノルマでした)、ここ20年くらいは特許は関わってないですね。

          中国企業の特許へのアグレッシブさは身の回りからも、よく聞きます。
          仲の良い友人が、いま話題の 5G の仕様策定をしているのですが、中国企業が強引に特許をいれてこようとするのに閉口しているようです。

          私の会社でも、会社をやめて中国に帰った社員、あるいは在籍中の中国人社員が継続的に中国に機密を漏らしている可能性はあると思っています。

          特許はじめ、知的財産を守ることは日本にとってもアメリカにとっても重要だと感じています。