(2019/07/08追記)この文章につきましては、匿名のコメント主様から「外為法第16条ではなく外為法第21条の話をしているのではないか」とのご指摘を頂き、確認したところ、条文番号の参照を間違えていたことがわかりました。平にお詫び申し上げます。条文番号は「外為法第16条」から「外為法第21条」に書き換える必要がありますが、条文の引用の部分につきましては基本的にはそのまま「資本規制の議論」として通じます。ただし、後半では第16条の制裁の議論と混同している部分もあります。そこで、本日、訂正記事『過去記事を訂正し、改めて外為法の金融制裁を解説します』を掲載しました。また、自身の不勉強の戒めとする目的も兼ねて、本稿については削除せず、そのまま当ウェブサイトへの掲載を続けたいと思います。

先日の『「韓国経済崩壊」論、本当の脅威は株価暴落ではなく外貨不足』と『外為法第48条の研究:韓国に対するモノの流れの制限とは?』の「続編」です。最近、日本政府の韓国に対する「対抗措置」、あるいは「制裁」といった議論があまり見られなくなりましたが、私の希望的観測に基づけば、べつに日本政府は韓国に対する対抗措置ないし制裁の適用をやめてしまったわけではなく、虎視眈々と準備している最中であるはずです。ただし、外為法第16条第1項などに基づく「カネの流れの制限」には、なにかと悩みがあることもまた事実です。

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2019/07/08 11:00 追記

本稿は2月26日付で公表したものですが、「外為法第16条の議論」として参照した条文が「外為法第21条」のものでした。深くおわび申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。

条文番号を第16条から第21条に読み替えれば、「資本規制」の議論については特段誤っていません。ただし、「第16条に基づく支払の禁止」という部分については、今度は第16条の議論になってしまっているなど、議論に混乱が見られます。

よって、のちほど訂正稿を掲載し、そちらへの誘導リンクを示したいと思います。

なお、過去の自分自身の調査不足に対する戒めという意味でも、本稿は削除せずにそのまま当ウェブサイトに掲載し続けます。

2019/07/08 12:00 追記

訂正記事を執筆しました。改めておわび申し上げます。

過去記事を訂正し、改めて外為法の金融制裁を解説します(2019/07/08 12:00付 当ウェブサイトより)

https://shinjukuacc.com/20190708-04/

韓国による不法行為の数々

以前から当ウェブサイトで何度も取り上げている話題ですが、昨年秋口以降、韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)政権下の韓国の日本に対する無法の数々が目に余ります。「三権分立」を自称する韓国の「三権」と軍に限定して、1つずつ例示しても、

  • 司法府:国際法(日韓請求権協定)違反の「徴用工判決」
  • 行政府:国際的な約束(慰安婦合意)違反の「慰安婦財団解散」
  • 立法府:国際的非礼(国会議長による他国の国家元首に対する侮辱)
  • 海軍:準戦闘行為(火器管制レーダー照射)

といった具合に、それぞれの機関が日本に対して不法行為を働いているのです。これに「旭日旗騒動」や竹島軍事演習、日本海呼称問題など、大小さまざまな問題が、ほぼ100%、韓国側から一方的に仕掛けられている状況です。

司法府、行政府、立法府、そして軍がそろって日本に対し、条約違反、約束違反、侮辱、準戦闘行為などを仕掛けてきたわけですから、少なくとも私たち日本国民としては、文在寅政権下の韓国という国自体が日本に敵意を持っていると認定するのが適切でしょう。

対抗措置

なぜ対抗措置を取らないのか?

ただ、あれだけの不法行為を受けているにも関わらず、日本政府は現時点に至るまで、「日韓断交」などとは口にしていませんし、これらの韓国側の行為に対しても、何ら対抗措置を取っていません(少なくとも表面上は、ですが…)。

それどころか、安倍総理を筆頭とする政権幹部は、韓国を「基本的価値と戦略的利益を共有するもっとも重要な隣国」とは表現しなくなったものの、「日米韓3ヵ国連携が大事だ」、「日韓間の諸問題をマネージし、協力できるところは協力する」、といった姿勢を崩していません。

他国の哨戒機に火器管制レーダーをぶつけてくるような国に日本の友好国である資格などあろうはずはありませんが、それにもかかわらず、日本政府は口先では「日米韓」などと言い続けているのです(岩屋毅防衛大臣の発言などがその典型例です)。

日本政府の姿勢が「弱腰」に見える理由は、当ウェブサイトではすでに何回も触れているとおり、日米韓3ヵ国連携は米韓同盟とセットだからです。

といっても、米韓同盟の消滅の意味については、韓国観察者・鈴置高史氏の名著『米韓同盟消滅』に詳しく書かれていますし、当ウェブサイトでも『名著『米韓同盟消滅』でレーダー照射問題を読み解いてみる』などで触れたとおりなので、ここでは繰り返しません。

名著『米韓同盟消滅』でレーダー照射問題を読み解いてみる

日本が壊れたレコードのように「日米韓3ヵ国連携が大事だ」と言い続けている最大の理由は、現時点において「日本から」日米韓3ヵ国連携の取りやめを言い出すべきではない、という判断にあるのでしょう。

私は日本政府のその判断が正しいかどうか、現段階で断言することは避けたいと思います。ただし、私たち日本国民が安倍内閣に政権を委ねている以上、安倍総理が率いる日本政府がどう判断するかについては、最終的には見守ることしかできません。

そして、私自身の「ウェブ評論家」としての役割は、ときとして専門知識も活用しながら「推論」することで、読者の皆さまの知的好奇心刺激に寄与することなのだと思うのです。

請求権協定上の「仲裁措置」が発動されない理由

しかし、それと同時に、日本は韓国に対する対抗措置、あるいは制裁措置を、必要なタイミングですぐに発動できるよう、準備しておくことが大事であり、私の希望的観測に基づけば、日本政府内ではすでにその概要は固まっているはずです。

とくに、上記のうちの「徴用工判決」を巡っては、私の見立てでは、2月中に「日韓請求権協定第3条第2項措置」が発動されるのではないかと考えていました。これは、日韓請求権協定による「仲裁手続」のことですが、この手続を進めるためには、まずは「仲裁委員会」を組織する必要があります。

そして、「仲裁委員会」の組織に当たっては、標準で60日、最大で90日の期間が必要です。仮に2月9日にその手続に入っていた場合、順調に進んだとしても、仲裁委員会自体が組織されるのが4月中旬、下手をすると5月にずれ込む、という可能性もあります。

(※日韓請求権協定に基づく手続の詳細については、以前、『徴用工判決問題に対する仲裁手続移行の遅れ、なぜ?』などもご参照ください。)

徴用工判決問題に対する仲裁手続移行の遅れ、なぜ?

ただ、日本政府は現時点に至るまで、仲裁手続へ移行していません。その理由は定かではありませんが、私なりに立てている仮説は、「日本政府はわざと手続を遅らせることで、時間稼ぎを狙っている」、というものです。

実損害が生じるのを待っている?

あえて日本政府の判断を忖度(そんたく)して申し上げるならば、おそらく日本政府としては、「日本企業に実損害が出るまでは、手続を中止する」、という判断をしたのでしょう(あるいは米国の朝鮮半島戦略と連携している可能性もありますが…)。

具体的には、昨年10月30日の大法院(※最高裁に相当)の「徴用工判決」を受けて、原告側の自称元徴用工らの代理人は、新日鐵住金の在韓資産である非上場株式を強制換金処分すると発表しています。

その強制換金処分が行われた瞬間をもって、日本企業に不当な不利益が生じたと認定するつもりでしょうし、逆に言えば、強制換金処分が行われない間は、日本政府は日本企業に「不当な不利益」は生じていない、と考えているのかもしれません。

もっとも、『株式差押えは「日本企業に実損出ていない」の屁理屈のため?』などでも触れたとおり、私に言わせれば、次のとおり、現時点ですでに日本企業には「不当な不利益」が生じている状況にあります。

  • 韓国で裁判を起こされた企業は、「韓国で」裁判に出廷しなければならなくなり、これにともない韓国語通訳を雇うコスト、従業員を韓国に派遣する出張旅費、韓国で弁護士を雇う場合のコストなど、莫大な費用負担が発生している
  • 韓国で裁判を起こされていない企業も、今後、韓国国内で不当な損害賠償訴訟を起こされるリスクに備えなければならなくなった
  • いずれの会社においても、本社の法務部の人件費、経理部門における重要な訴訟リスクの開示、集計コスト、監査法人対応などで余分なコストが発生しているし、また、企業によっては訴訟損失引当金の計上も必要である

それはさておき、徴用工判決の件を巡り、私などは「日本政府は策を弄さず、さっさと日韓請求権協定上の仲裁手続に移行すれば良いのに」、と思ってしまいます。なぜなら、どうせ韓国側は仲裁手続に応じないと考えられるからであり、そうなれば「韓国が日韓請求権協定を破った」ことになるからです。

ただ、ここでも日本政府の姿勢を忖度して申し上げるならば、

日本企業に実損害が生じた→仲裁手続を実施した→韓国側がそれに応じなかった→国際裁判→韓国側が裁判にも応じない

といった流れを作ることで、「韓国は無法国家だ」という印象を、日本の民間企業にも植え付けるつもりなのかもしれません。

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カネの流れを堰き止めよ

仲裁手続以外の「対抗措置」

さて、この仲裁手続を除いても、日本には韓国に対する厳しい措置を取る能力があります。

簡単にいえば、「ヒト・モノ・カネ」などの流れの制限などの措置を講じることができるのですが、ここではごく単純化して、図表で考えてみましょう。

図表 ヒト・モノ・カネの流れの制限パターン
制限対象日本→韓国韓国→日本
ヒト①日→韓のヒトの流れの制限④韓→日のヒトの流れの制限
モノ②日→韓のモノの流れの制限⑤韓→日のモノの流れの制限
カネ③日→韓のカネの流れの制限⑥韓→日のカネの流れの制限

(【出所】著者作成)

パターン①日本→韓国へのヒトの流れの制限

最初のパターンは日本から韓国へのヒトの流れの制限ですが、これは非常に困難です。なぜなら、日本政府は自国民に対し、特定国への渡航「自粛」を求めることはできますが、基本的に「禁止」することはできないからです。せいぜい『海外安全ホームページ』で注意喚起するのが関の山でしょう。

(※なお、日本政府が個人を特定して旅券の返納を求めることはできますが、あまり現実的な方法ではありません。)

パターン②日本→韓国へのモノの流れの制限

次に、パターン②は、日本から韓国へのモノの流れの制限ですが、これは、やろうと思えば、既存の法律の枠組みを使い、わりと簡単にできます。これについては以前、『外為法第48条の研究:韓国に対するモノの流れの制限とは?』にて紹介したとおりなので、本稿では割愛します。

パターン③日本→韓国へのカネの流れの制限

パターン③は、日本から韓国へのカネの流れの制限であり、実は、これはきわめてパワフルな制裁として機能します。というのも、韓国の企業などは、日本の銀行等金融機関から最終リスクベースで約600億ドル弱のカネを借りているからです。

この「600億ドル弱」という金額の根拠については、『「韓国経済崩壊」論、本当の脅威は株価暴落ではなく外貨不足』のなかで触れたとおりですので、ここでは繰り返しません。重要なことは、日本の金融機関は資金面で韓国企業に対する生殺与奪の権を握っている、という事実です。

「韓国経済崩壊」論、本当の脅威は株価暴落ではなく外貨不足

パターン④韓国→日本へのヒトの流れの制限

パターン④は、韓国から日本へのヒトの流れの制限であり、具体的には観光ビザ免除プログラムや就労ビザなどの厳格化が想定されます。そして、パターン①と比べると、発動方法によっては韓国経済にそれなりの打撃を与えることはできます。

とくに、現在、韓国人観光客らに対しては、90日までの滞在であれば、観光ビザは免除されます。しかし、これでは長すぎます。私は、せめてアジアの一部の国と同様、滞在可能期間を15日ていどにまで圧縮しても良いと考えています。

パターン⑤韓国→日本へのモノの流れの制限

パターン⑤は、韓国から日本へのモノの流れの制限であり、具体的には関税引き上げ、通関手続の厳格化、韓国ナンバーのトラックの日本乗り入れの禁止、などが考えられます。このパターンは、輸出に依存した韓国経済に対して、地味に効く制裁でもあります。

パターン⑥韓国→日本へのカネの流れの制限

図表中、最後に考えられるのはパターン⑥ですが、これについては金額的にも僅少であるため、ここでは無視します。

それ以外のパターン

ヒト、モノ、カネの制限にはざっと6つのパターンがある、ということはわかりますが、制裁にはそれら以外にも方法があります。たとえば:

  • ⑦韓国が困っているときに、わざと助けない
  • ⑧韓国が日本企業を排除するような行動にでるという、いわゆる「セルフ経済制裁」に期待する

といった方法です。

ただし、⑦については前提として「韓国が経済的に困ること」が必要ですし、⑧は韓国の自爆に期待する、しかありません。したがって、現状ではやはり、⑦、⑧ではなく、①~⑥の方法で検討するのが適切でしょう。

(※なお、前回の『外為法第48条の研究:韓国に対するモノの流れの制限とは?』で、資産凍結はパターン③とは別物であると記載していましたが、本稿では外為法第16条の措置に含まれるものとして説明したいと思います。)

外為法第16条第21条第1項とは?

こうしたなかで、私が注目しているのは、パターン③の方法であり、それを可能にするのが、外為法第16条第21条第1項という規定です。

外国為替及び外国貿易法第16条第1項第21条第1項

財務大臣は、居住者又は非居住者による資本取引(第二十四条第一項に規定する特定資本取引に該当するものを除く。)が何らの制限なしに行われた場合には、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行することを妨げ、若しくは国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与することを妨げることとなる事態を生じ、この法律の目的を達成することが困難になると認めるとき又は第十条第一項の閣議決定が行われたときは、政令で定めるところにより、当該資本取引を行おうとする居住者又は非居住者に対し、当該資本取引を行うことについて、許可を受ける義務を課することができる。

この条文は、「資本取引の禁止規制」と呼ばれるものです。つまり、日本において、「資本取引」は基本的に自由ですが、

  • 我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため必要があると認めるとき
  • 国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため特に必要があると認めるとき
  • 第10条第1項の閣議決定が行われたとき

には、「その資本取引は許可が必要だよ」、と宣言することができるのです。資本取引とはざっくり次のような取引をさします(外為法第20条各号、外為令第10条)。

外為法第20条各号
  • ①居住者と非居住者との間の預金契約
  • ②居住者と非居住者との間の金銭の貸借契約又は債務の保証契約に基づく債権の発生等に係る取引
  • ③居住者と非居住者との間の対外支払手段又は債権の売買契約に基づく債権の発生等に係る取引
  • ④居住者と他の居住者との間の預金契約、信託契約、金銭の貸借契約、債務の保証契約又は対外支払手段若しくは債権その他の売買契約に基づく外国通貨をもつて支払を受けることができる債権の発生等に係る取引
  • ⑤居住者による非居住者からの証券の取得又は居住者による非居住者に対する証券の譲渡
  • ⑥居住者による外国における証券の発行若しくは募集若しくは本邦における外貨証券の発行若しくは募集又は非居住者による本邦における証券の発行若しくは募集
  • ⑦非居住者による本邦通貨をもつて表示され又は支払われる証券の外国における発行又は募集
  • ⑧居住者と非居住者との間の金融指標等先物契約に基づく債権の発生等に係る取引
  • ⑨居住者と他の居住者との間の金融指標等先物契約に基づく外国通貨をもつて支払を受けることができる債権の発生等に係る取引又は金融指標等先物契約に基づく本邦通貨をもつて支払を受けることができる債権の発生等に係る取引
  • ⑩居住者による外国にある不動産若しくはこれに関する権利の取得又は非居住者による本邦にある不動産若しくはこれに関する権利の取得
  • ⑪法人の本邦にある事務所と当該法人の外国にある事務所との間の資金の授受
  • ⑫居住者と非居住者との間の金の地金の売買契約に基づく債権の発生等に係る取引

つまり、これが発動されてしまうと、発動された相手国は、日本で有価証券を発行することが制限されますし、それどころか日本に物品を輸出しても、その代金の支払いが受けられなくなるリスクもありますし、さらに、在日資産を換金しても、事実上、国外に持ち出せなくなります(いわゆる資産凍結措置)。

タリバンや北朝鮮はこのパターン

財務省は実際に、タリバンや北朝鮮、イラクの前政権などに対して、この外為法第16条第1項に基づく措置を実行しているそうです。

る資産凍結措置等が実施されている相手
  • イラク前政権の機関等及びイラク前政権の高官又はその関係者等
  • タリバーン関係者等やテロリスト等
  • ミロシェヴィッチ前ユーゴースラヴィア大統領等
  • コンゴ民主共和国に対する武器禁輸措置等に違反した者等
  • スーダンにおけるダルフール和平阻害関与者等
  • 北朝鮮のミサイル又は大量破壊兵器計画に関連する者等
  • ソマリアに対する武器禁輸措置等に違反した者等
  • リビアのカダフィ革命指導者及びその関係者
  • シリアのアル・アサド大統領及びその関係者等
  • クリミア「併合」又はウクライナ東部の不安定化に直接関与していると判断される者
  • 中央アフリカ共和国における平和等を損なう行為等に関与した者等
  • イエメン共和国における平和等を脅かす活動に関与した者等
  • 南スーダンにおける平和等を脅かす行為等に関与した者等
  • イランの核活動等に関与する者

これらの措置が発動された場合、経済制裁の具体的な内容と対象者のリストが財務省から公表されます。北朝鮮の場合は具体的な措置が5つほど発表されており、なかでも比較的シンプルなものは、『北朝鮮に住所等を有する個人等に対する支払』(※PDFファイル)という措置です。

外国為替及び外国貿易法第 16 条に基づき、次に掲げるものを除き、北朝鮮に住所等を有する個人等に対する支払を許可制とすることにより禁止する。

ちなみに、許可されている支払いは次のとおりです。

  • ①電気通信事業法第2条第5号に規定する電気通信事業者がする国際電気通信役務に係る精算料金の支払
  • ②万国郵便連合憲章に規定する指定された事業体間で決済する万国郵便条約及びその施行規則に規定する補償金の支払
  • ③厚生労働大臣がする労働者災害補償保険法に基づく保険給付、国民年金法に基づく給付、厚生年金保険法に基づく保険給付、その他これらに類する給付に係る支払
  • ④北朝鮮に滞在する居住者がその滞在に伴い通常必要とする支払
  • ⑤北朝鮮に住所又は居所を有する自然人に対する支払であって、次に掲げるもの(10 万円に相当する額以下のものに限る。)
    • (ⅰ)北朝鮮に住所又は居所を有する自然人がする食糧、衣料、医薬品その他生活に欠くことができない物資の購入に充てられるもの
    • (ⅱ)北朝鮮に住所又は居所を有する自然人が医療サービスを受けるために充てられるもの
    • (ⅲ)(ⅰ)及び(ⅱ)に掲げるもののほか、人道上の理由により特に必要と認められるもの

逆に言えば、「北朝鮮に住所等を有する個人」に対し、これら以外の支払を行うことができません。

また、外為法第70条第1項によれば、この規定に反して規制対象国に支払を行った場合には、「3年以下の懲役」か「100万円以下の罰金」(あるいはその両方)が科せられるとされており、また、違反行為の目的物の価格が100万円を超えるときは、その価格の3倍以下の罰金が科せられます。

単独制裁では弱い!

以前、『外為法第48条の研究:韓国に対するモノの流れの制限とは?』でも申し上げたとおり、外為法の手続は基本的には使い勝手が悪いものの、うまく使えば韓国経済を締め上げることができます。そして、その事情は外為法第16条第1項でも同じです。

つまり、日本政府としては、外為法第16条第1項(あるいは第3項)などの規定を使えば、韓国に対する資金の流れを制限することができます。

ただし、これも一種の「伝家の宝刀」ですので、「抜きどころ」を間違えてはなりません。

すでにBIS統計上、韓国の資金調達先は日本だけでなく、米国(ニューヨーク市場)、英国(ロンドン市場)など、多様化していることも事実だからです(『「韓国経済崩壊」論、本当の脅威は株価暴落ではなく外貨不足』参照)。

いや、もっといえば、日本が韓国に対し、外為法に基づく単独制裁に乗り出した場合、韓国は資金調達源を米国や英国などにシフトする、という選択肢もあります。

やはり、日本政府が韓国に対する制裁措置に乗り出していない理由は、米国や英国を味方に付け、日米英で一斉に韓国に対する経済制裁を採用しなければ意味がないからだ、と判断しているからなのかもしれません。

※本文は以上です。

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  • 2019/07/11 11:11 【時事|韓国崩壊
    戦略物資横流し疑惑に関する韓国メディア報道 (46コメント)
  • 2019/07/11 05:00 【金融
    資金循環統計から見る、財政再建論の大間違い (22コメント)
  • 2019/07/10 22:45 【時事|韓国崩壊
    「韓国から軍転用品密輸出」は事実も、韓国政府は開き直り? (60コメント)
  • 2019/07/10 15:30 【政治
    FNN「韓国が軍転用品を密輸出」、事実なら制裁も (93コメント)
  • 2019/07/10 10:30 【時事|韓国崩壊
    次なる措置は「ヒト」か、「カネ」か (69コメント)
  • 2019/07/10 05:00 【韓国崩壊
    「藪蛇WTO」の韓国政府、聞かれてないのに「北朝鮮」 (60コメント)
  • 2019/07/09 16:45 【時事|韓国崩壊
    「韓国は日本と価値を共有」 いったいいつの議論ですか? (56コメント)
  • 2019/07/09 11:30 【時事|外交
    民需品の軍事転用 日本の危機意識が低いのは問題だ (36コメント)
  • 2019/07/09 06:00 【時事|韓国崩壊
    悪い冗談?日韓関係破壊した張本人が「突破口を開く」の怪 (27コメント)
  • 2019/07/09 05:00 【時事|韓国崩壊
    「ビバ文在寅」!あなたこそ真の親日派だ (27コメント)
  • 2019/07/08 13:40 【時事|韓国崩壊
    「日本からカネを借りなくても困らない」、ホントですか? (86コメント)
  • 2019/07/08 12:00 【外交|金融
    過去記事を訂正し、改めて外為法の金融制裁を解説します (5コメント)
  • 2019/07/08 11:00 【政治
    【お詫びと速報】当ウェブサイトの誤りにつきまして (16コメント)
  • 2019/07/08 10:00 【時事|韓国崩壊
    対日依存がいかに深かったか、いまさら気付く韓国メディア (29コメント)
  • 2019/07/08 05:00 【韓国崩壊|国内政治|外交
    野党、マスコミ、北朝鮮 「蚊帳の外」論と経済制裁 (27コメント)
  • 2019/07/07 12:45 【マスメディア論|時事
    朝日新聞の「自己紹介記事」?そして図書館で見た新聞の未来 (47コメント)
  • 2019/07/07 07:07 【日韓スワップ|韓国崩壊|金融
    日韓スワップは藪蛇スワップ? (48コメント)
  • 2019/07/07 05:00 【読者投稿
    【読者投稿】韓国GDP粉飾疑惑を2008SNAで検証する (13コメント)
  • 2019/07/06 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事(2019年7月6日版) (152コメント)
  • 2019/07/06 05:00 【時事|韓国崩壊
    フッ酸輸出規制と「対韓セカンダリー・サンクション」論 (132コメント)
  • 2019/07/05 18:30 【時事|韓国崩壊
    対韓輸出規制開始の一方、中央日報は「不適切な事案」を分析 (54コメント)
  • 2019/07/05 11:45 【時事|韓国崩壊
    「仲介してくれない米国」に焦る韓国メディアの動揺が酷い (66コメント)
  • 2019/07/05 10:15 【時事|韓国崩壊
    今これをやるか!? 慰安婦財団解散の衝撃 (48コメント)
  • 2019/07/05 06:00 【韓国崩壊
    これから本格化する経済制裁論を予想する (59コメント)
  • 2019/07/05 05:00 【読者投稿
    【読者投稿】在韓日本人「昔の韓国は暮らしやすかった」 (27コメント)
  • 2019/07/04 22:00 【時事|韓国崩壊
    待望の鈴置論考:日本は韓国経済を潰す気なのか (52コメント)
  • 2019/07/04 12:00 【時事|国内政治
    参議院議員通常選挙と「国民の敵」 (18コメント)
  • 2019/07/04 10:30 【時事|韓国崩壊
    恩を仇で返してきた国がCPTPPを望む滑稽さ (49コメント)
  • 2019/07/04 06:00 【韓国崩壊|金融
    本日から韓国へのフッ酸などの個別承認措置が開始 (78コメント)
  • 2019/07/04 05:00 【時事|韓国崩壊
    韓国の「韓日フォーラム」、16人も寄ってそれですかい? (12コメント)
  • 2019/07/03 17:30 【時事|韓国崩壊
    東京新聞の「蚊帳の外」論を嬉々として報じる中央日報 (37コメント)
  • 2019/07/03 13:30 【マスメディア論|時事
    朝日新聞が「頭を冷やして報復を撤回せよ」と要求 (66コメント)
  • 2019/07/03 10:45 【時事|韓国崩壊
    加害者が「経済戦争避けねばならない」とは、滑稽な主張だ (48コメント)
  • 2019/07/03 06:00 【マスメディア論
    「ATM」の現状と、毎日新聞の苦境伝えるダイヤモンド記事 (36コメント)
  • 2019/07/03 05:00 【読者投稿
    【読者投稿】韓国在住日本人が見た「韓国人のタイプ」 (63コメント)
  • 2019/07/02 18:00 【時事|韓国崩壊
    自称元徴用工側の言い分は、まるで北朝鮮そっくり (46コメント)
  • 2019/07/02 14:30 【時事|韓国崩壊
    官房長官「韓国がG20までに解決案持ってこなかった」 (55コメント)
  • 2019/07/02 06:00 【韓国崩壊
    経産省措置は「韓国セカンダリー・サンクション」の走り? (104コメント)
  • 2019/07/02 05:00 【韓国崩壊
    まだやってたの? 自称元徴用工の株式売却は破滅への道 (4コメント)
  • 2019/07/01 14:30 【時事|韓国崩壊
    西村副長官「対抗措置ではない」→そうか、そういう狙いか! (187コメント)
  • 2019/07/01 11:30 【時事|韓国崩壊
    対韓対抗措置を経産省が正式発表、そして韓国の反応 (32コメント)
  • 2019/07/01 10:00 【時事|韓国崩壊
    米朝会談、「韓国は蚊帳の外」を認めたがらない韓国メディア (22コメント)
  • 2019/07/01 06:00 【韓国崩壊
    フッ酸輸出規制は「経済制裁」としては不十分だが… (14コメント)
  • 2019/07/01 05:00 【外交
    板門店での米朝首脳会談、韓国こそが「蚊帳の外」 (29コメント)
  • 2019/06/30 14:45 【時事|韓国崩壊
    外為法第48条の制裁措置、ついに発動か? (64コメント)
  • 2019/06/30 11:17 【時事
    超速報 産経新聞『半導体材料 対韓輸出を規制』 (67コメント)
  • 2019/06/30 06:00 【韓国崩壊
    首脳会談なしに逆ギレ・現実逃避の韓国と「本当のリスク」 (30コメント)
  • 2019/06/30 05:00 【マスメディア論|時事
    朝日新聞ネタ:G20で大阪城をバックに写真撮影 (17コメント)
  • 2019/06/29 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事(2019年6月29日版) (98コメント)
  • 2019/06/29 06:00 【時事・過去記事|韓国崩壊
    韓国の市民団体、日韓首脳会談見送り受け日本政府に逆ギレ (58コメント)
  • 2019/06/29 05:00 【時事|外交
    G20も初日が終了、安倍総理の会談相手をまとめておく (6コメント)
  • 2019/06/28 12:00 【時事|韓国崩壊
    文在寅氏のG20冷遇ツアー始まる (83コメント)
  • 2019/06/28 09:45 【時事|外交
    G19?開幕 安倍総理が習近平氏に「人権」突き付ける (18コメント)
  • 2019/06/28 06:00 【時事|韓国崩壊
    自称元徴用工らの脅しに屈しない、日本企業の毅然とした姿勢 (13コメント)
  • 2019/06/28 05:00 【読者投稿
    【読者投稿】在韓日本人から見た韓国 (115コメント)
  • 2019/06/27 22:30 【時事|外交
    18ヵ国プラスアルファ、安倍総理が会談した相手国は? (9コメント)

  • 著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

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