韓国大統領は訪米で米韓通貨スワップ締結要請するのか
二国間通貨スワップ全体の3分の2が中国との人民元スワップ
またしても、韓国ウォンの為替相場がウォン安に向かい始めているのでしょうか。こうしたなか、韓国では「韓日通貨スワップ待望論」と並んで、「韓米通貨スワップ待望論」なども出ています。ただ、日韓通貨スワップについては日本にとって「百害あって一利なし」ですし、米国が少なくとも韓国との為替スワップに応じる可能性はあれど、通貨スワップに応じる可能性は極めて低いと考えて良いでしょう。
目次
通貨スワップと為替スワップの違い
国際金融協力の世界でいう「通貨スワップ」とは、通貨当局(たとえば中央銀行など)が外貨不足に陥った際に、外国の通貨当局からおカネ(外貨)を融通してもらうという協定のことです。
たとえば、北朝鮮の通貨当局である朝鮮中央銀行が日本の財務省と通貨スワップを締結したとし、そのスワップの上限が100億ドル/8兆ウォンだったと仮定しましょう。
(※ちなみに『アジアプレス・ネットワーク』というウェブサイトの『<北朝鮮>市場最新物価情報』というページによると、北朝鮮ウォンは4月21日時点で1ドル≒8100ウォンだそうです。)
このとき、北朝鮮が100億ドルを借りるためには朝鮮中央銀行が日本の財務省に8兆ウォンを担保として差し出し、それと引き換えに財務省は100億ドルを朝鮮中央銀行に振り込む、という流れです(朝鮮中央銀行はその100億ドルを使ってミサイルの材料を買ったりするのでしょう)。
もちろん、当たり前のことですが、北朝鮮の金融システムは世界から隔絶されているだけでなく、北朝鮮自体が日本を含めた主要国にとっての経済・金融制裁の対象国ですので、日本が北朝鮮に1銭たりともおカネを貸すという可能性はあり得ませんが、ここはあくまでも「設例」です。
何なら「北朝鮮」を「スリランカ」などに置き換えていただいても構いませんが、通貨スワップとは要するに、「外貨不足の国の政府などに対し、外貨を貸し付ける」という取引です。
これに対し、為替スワップは、相手国の政府などを経由せず、民間銀行などに対して直接、おカネを貸し付ける協定です。
たとえば、香港の通貨当局である香港金融管理局(HKMA)が日本銀行と為替スワップを締結し、そのスワップの上限が1.3兆円/780億香港ドルだったと仮定しましょう。そして、為替スワップ締結後に香港の民間銀行が日本円不足に陥り、130億円を必要としたとしましょう。
このとき、この民間銀行がHKMAに何らかの担保を差入れ、HKMAは日銀に7.8億香港ドルを担保に差し入れることで、日銀が130億円という日本円の資金をこの香港の銀行に直接貸し付けるのです。
なお、個人的に香港は東アジアの金融センターでもあるため、日本との為替スワップを必要としているのではないか、という気がしないではありませんが、おそらく日本が香港と為替スワップを締結する可能性は低いとも考えています。ここではあくまでも「設例」です。
先進国は為替スワップを、途上国は通貨スワップを望む
通貨スワップと為替スワップの違い
- 通貨スワップ…通貨当局同士が通貨を直接交換する取引
- 為替スワップ…通貨当局が相手国の銀行に直接おカネを貸し付ける取引。一般に短期資金市場の金利が適用される
(【出所】著者作成)
このとき、金融システムが発達していない国がより必要とするのは、多くの場合は為替スワップではなく通貨スワップです。これらの国には外貨流出による通貨危機のリスクが常に存在しており、通貨スワップでは通貨当局が直接、相手国から外貨を借りて自由に使うことができるからです。
一方、金融システムが高度に発達している国(日本、米国、EU、英国など)がより必要としているのは、通貨スワップではなく為替スワップです。これらの国は外貨流出・通貨危機よりも流動性不足による金融危機の方が懸念されるからです。
日本にとってメリットに乏しい通貨スワップ
したがって、日本にとっての通貨スワップは、基本的に「相手国を一方的に支援するためのツール」であり、「日本が危機の際に相手国からおカネを借りるためのツール」とは言い難いのが実情でしょう。
ちなみに日本が締結している通貨スワップのうち、CMIMを除くスワップは、図表1のとおりです。
図表1 日本の財務省が外国と締結している通貨スワップ
相手国 | 日本が提供する上限 | 相手国からの引出条件 |
インドネシア | 227.6億ドル | 米ドルか日本円 |
フィリピン | 120億ドル | 米ドルか日本円 |
シンガポール | 30億ドル | 米ドルか日本円 |
タイ | 30億ドル | 米ドルか日本円 |
マレーシア | 30億ドル | 米ドル |
インド | 750億ドル | 米ドル |
(【出所】財務省『アジア諸国との二国間通貨スワップ取極』)
これらのスワップ、締結していることで相手国との友好を深めることができるという意義はありますが、通貨自体がハード・カレンシーであり、1兆ドルを超える外貨準備を持つ日本が「外貨不足」「通貨危機」に陥る可能性は極めて低く、使い方としては相手国が日本からおカネを引き出すケースが多いのではないでしょうか。
為替スワップは日本にとりメリット大
その一方で、日本にとってメリットがあるスワップというものもあります。その典型例が、為替スワップでしょう。ちなみに日本の場合は現在、米国、欧州、英国などと金額上限なしの為替スワップ協定を結んでいるほか、それ以外の国とも上限ありの為替スワップ協定を結んでいます(図表2)。
図表2 日本銀行が現在、外国と締結している為替スワップ
スワップ相手 | 上限(日本円) | 上限(相手通貨) |
米FRB | 無制限 | 無制限 |
欧州中央銀行(ECB) | 無制限 | 無制限 |
イングランド銀行(BOE) | 無制限 | 無制限 |
カナダ銀行(BOC) | 無制限 | 無制限 |
スイス国民銀行(SNB) | 無制限 | 無制限 |
中国人民銀行(PBC) | 3.4兆円 | 2000億元 |
豪州準備銀行(RBA) | 1.6兆円 | 200億豪ドル |
タイ中央銀行 | 8000億円 | 2400億バーツ |
シンガポール通貨庁(MAS) | 1.1兆円 | 150億Sドル |
(【出所】日本銀行『海外中銀との協力』)
これらの為替スワップは、「日本の銀行等に外貨不足が生じた際に、緊急で流動性支援を受けることができるようになる」という意味で、日本の金融システムに大変に大きなメリットをもたらすものです(※なお、どうでも良い話ですが、日中為替スワップは邦銀が中国業務から撤退すれば必要なくなります)。
日韓通貨スワップ騒動
日韓通貨スワップ推進!?
こうした議論を踏まえたうえで、ひとつ思い出しておきたいのが、「日韓通貨スワップ騒動」と「米韓通貨スワップ騒動」です。
そもそも通貨スワップに関しては、基本的には日本にほとんどメリットはありませんし、ましてや韓国とのスワップには、百害あって一利なし、といったところでしょう。韓国は必ず約束を破るからです(いわゆるスワップの食い逃げ)。
こうしたなかで、「韓日関係を改善するために、韓日間で通貨スワップを再開するという議論が必要だ」、といった寝言が、東京・山手線の駅名を冠する怪しげな某自称会計士のサイトに掲載されたことがあります。『【インチキ論説】関係修復の第一歩は日韓スワップから』という記事が、それです。
正直、この記事についてはまともに読む価値もありません。
ただ、私たち日本人が知っておくべきは、日本が外国と通貨スワップ協定を結んだとしても、相手国によっては日本にはほとんどメリットがないばかりでなく、相手国から為替操作され、最悪の場合、日本の産業が潰されてしまうことすらある(『日韓通貨スワップこそ、日本の半導体産業を潰した犯人』等参照)、ということでしょう。
しかし、昨今の岸田文雄政権による「日韓関係『改善』」という流れの一環でしょうか、『詐欺師が狙う次の「鴨葱」:日韓スワップ交渉本格化へ』でも指摘した、日韓通貨スワップ協定の再開という話題を、最近、韓国メディアでよく目にするようになりました。
また、『7年ぶりの日韓財相対話で通貨スワップ待望論=韓国紙』でも触れたとおり、日韓双方は今年5月、7年ぶりに財相会談を開催することで合意したとする話題もあります。
おそらく、韓国側からのスワップ要請外交はこれからが本格化するでしょうし、財務省や外務省がこれらを推進することで、再び日本の国益を破壊しようとする可能性については、十分な警戒が必要です。
財務省の屁理屈
その際の財務省の屁理屈は、なかなかに強烈です。『【資料】2014年4月16日の日韓スワップの議事録』でも引用したとおり、この日韓通貨スワップを巡り、財務省の山崎達雄・国際局長(当時)はこんな趣旨のことを述べているからです。
- 日韓通貨スワップなどの金融協力は、為替市場を含む金融市場の安定を通じ、韓国だけでなく日本にとってもメリットをもたらす
- 日本と韓国との間の貿易・投資関係、とりわけ日本企業も多数韓国に進出して活動しているという事情を踏まえると、その国の経済の安定というのは双方にメリットがあり、通貨という面では、むしろ通貨ウォンを安定させるという面もある
- 財務省が当時、日韓通貨スワップの規模を拡大した理由としては、韓国のためだけというよりも、むしろ日本のため、ひいてはアジア地域の経済安定のためという側面があった
…。
詭弁も良いところでしょう。
そもそも『日本の金融機関の国際与信に占める韓国比率は「1%」』などを含め、繰り返し指摘してきたとおり、日本にとって韓国は金融面で「重要な相手国」ではありませんし、韓国は日韓通貨スワップがあれば為替操作を再開しますので、日本の産業の競争力が潰されます。
なにより、好き好んで韓国のような国家とビジネスを行っている企業が、韓国の金融システムの大混乱で損害を被ったとしても、それはその企業の自由であり、それを日本国民のカネ(通貨スワップ)で救済しなければならないという理屈は成り立ちません。
そして、日韓通貨スワップは2008年のリーマン・ショック時や2011年の欧州債務危機など、韓国の外貨ポジションが非常に危うくなった時期に、大きく増額されています。
2008年の増額のときには尹増鉉(いん・ぞうげん)企画財政部長官(当時)は日本に感謝するどころか、「韓国が最も厳しい時に外貨を融通してくれたのは、米中日の中で日本が最後だ」などとして、日本の姿勢を舌鋒鋭く批判しました。
「韓国が厳しい時、日本が最も遅く外貨融通」
―――2009.07.07 08:07付 中央日報日本語版より
また、2011年に野田佳彦首相(当時)がスワップの規模を総額700億ドルに拡大した際には、李明博(り・めいはく)大統領(当時)は自称元慰安婦問題を蒸し返し、竹島に不法上陸し、天皇陛下を口汚く罵り、挙句の果てに野田首相(当時)の親書を郵便で送り返すという無礼の数々を働きました。
少なくとも韓国の「(旧)ホワイト国戻し」と同様、日韓通貨スワップの復活は、やり方次第では「日本政府の日本国民に対する背任」であることは間違いないでしょう。
韓国の苦しい内情:中国とのスワップが全体の3分の2に!
ただ、韓国がそこまで日本との通貨スワップに拘るのにも、理由があります。その「ヒント」は、韓国が外国と締結している通貨スワップの内訳にあります。
著者自身の調べによれば、韓国は現在、6ヵ国と総額約915億ドル相当の通貨スワップを締結しています(※これ以外にもカナダ銀行と無制限の為替スワップを結んでいるほか、CMIMと呼ばれる多国間通貨スワップに参加しています)。
ところが、その詳細を調べていくと、中国との4000億元(1ドル=6.875319で換算すれば約582億ドル)の通貨スワップで全体の3分の2近くを占めているのに加え、いわゆる「ハード・カレンシー」と呼ばれる通貨がスイスフラン、豪ドルくらいしか存在しない、という問題を抱えているのです(図表3)。
図表3 韓国が外国と締結している通貨スワップの内訳(ドル換算額)
(【出所】韓国銀行及び関係国の中央銀行等のデータをもとに著者作成。なお、為替換算はBISデータをもとに2023年4月18日時点のものを使用している)
これは、なかなかに強烈な内容です。
ちなみに豪州準備銀行との通貨スワップは、上限が120億豪ドルですが、1米ドル≒1.48豪ドル程度であるため、これを米ドルに換算すれば81億米ドルに「目減り」(?)してしまいます。
また、これとは別に、韓国銀行はマレーシアとの通貨スワップも締結していたのですが(150億リンギット、1ドル=4.434014で換算すれば約34億ドル)、調べた限り、このスワップは今年2月2日に失効しているらしく、また、「更新された」という報道発表もありません。
マレーシアとのスワップも失効:残高は1000億ドル割り込む
マレーシアとのスワップが失効したのが事実だとすれば、昨今のドル高の影響もあってか、現在、韓国が保有している外国とのスワップは、CMIMとカナダとの為替スワップを除けば、金額は約915億ドルと、ついに1000億ドルを割り込んでしまいました(CMIMを足せば1000億ドルを超えます)。
図表4 韓国が保有している外国とのスワップ
相手国と失効日 | 相手通貨とドル換算額 | 韓国ウォンとドル換算額 |
インドネシア(2023/3/5) | 115兆ルピア ≒ 77.3億ドル | 10.7兆ウォン≒81.2億ドル |
オーストラリア(2028/2/5) | 120億豪ドル ≒ 80.9億ドル | 9.6兆ウォン≒72.9億ドル |
中国(2025/10/10) | 4000億元 ≒ 581.8億ドル | 70兆ウォン≒531.4億ドル |
スイス(2026/3/31) | 100億フラン ≒ 111.6億ドル | 11.2兆ウォン≒85.0億ドル |
トルコ(2024/8/11) | 175億リラ ≒ 9億ドル | 2.3兆ウォン≒17.5億ドル |
UAE(2027/4/12) | 200億ディルハム ≒ 54.5億ドル | 6.1兆ウォン≒46.3億ドル |
二国間通貨スワップ 小計…① | 915.1億ドル | 109.9兆ウォン≒834.3億ドル |
多国間通貨スワップ(CMIM)…② | 384.0億ドル | ― |
通貨スワップ合計(①+②) | 1,299.1億ドル | |
カナダ(※常設、為替スワップ) | 金額無制限 | ― |
(【出所】韓国銀行及び関係国の中央銀行等のデータをもとに著者作成。なお、為替換算はBISデータをもとに2023年4月18日時点のものを使用している)
すなわち、韓国のスワップには、次のような問題点があると考えておいて良いでしょう。
①中国への依存度の高さ
米ドル換算したら915億ドルの二国間通貨スワップ総額のうち、じつに64%が中国との人民元建ての通貨スワップであること。人民元は国際的なハード・カレンシーではないため、人民元で受け取っても、中国との貿易決済くらいにしか使用することは困難。
②米ドルのスワップが存在しないこと
韓国のスワップはCMIMを除けばすべて相手国の通貨であり、米ドルは含まれていないこと。「ハード・カレンシー」といえるのは、事実上、豪ドルとスイスフランのみ。
③通貨ポジションが弱い国とのスワップ(いわゆる「融通通貨型スワップ」)があること
トルコ、インドネシアなど、伝統的に通貨ポジションが弱いことで知られる相手国とスワップを締結していること。いわば、信用力の弱い国同士での「融通通貨型スワップ」(『弱小通貨同士の通貨スワップの「融通手形」説』等参照)
だからこそ、韓国は「米ドル建ての通貨スワップ」が欲しい、というのです。
米韓スワップ騒動
米韓通貨スワップ!?
そして、日本が通貨スワップに応じてくれなかったがために、とくに昨年夏場には、「米韓通貨スワップ」への待望論も広まりました。
とくに、ジャネット・イエレン米財務長官が2022年7月に韓国を訪問した際、韓国メディアはそれに先立って「米韓通貨スワップ合意」などと書き立てましたし、韓国政府もイエレン氏がスワップ締結に含みを持たせたかのような報道発表をしました(『韓国待望の米韓通貨スワップはほぼゼロ回答=財相会談』等参照)。
しかし、こうした韓国側の発表、米国側からは確認できなかった(『イエレン氏は本当にスワップに「含み」持たせたのか?』等参照)のに加え、米国からは「スワップではなくFIMAレポを使ってほしい」とのメッセージもあったほどです。
要するに、米韓通貨スワップは「ゼロ回答」だった、というわけです。
実際、米国が韓国と通貨スワップを結ぶ可能性は、ゼロに等しいでしょう。米国が外国と結んでいる通貨スワップは、現時点で「NAFAスワップ」に限られているからです(NAFAとは「北米フレームワーク合意」のこと。スワップ相手国はカナダとメキシコ)。
これに加えて米国が外国とスワップを結ぶときには、為替スワップ形式にすることが多いのですが、現時点でこの為替スワップは日英欧瑞加5ヵ国・地域としか結んでおらず、コロナ禍における時限的な為替スワップについても2021年12月末で失効させています。
というよりも、FRBが利上げモードに入っているなかで、資金の追加供給につながる為替スワップを、現在の米国が推進する可能性は非常に低いといえますし、だいいち、イエレン氏はFRB議長経験者ではありますが、現在の役職はあくまでも財務長官であって、為替スワップを管轄していません。
李昌庸氏「韓米通貨スワップの話は出ないだろう」
こうしたなかで、尹錫悦(いん・しゃくえつ)韓国大統領が訪米し、26日にジョー・バイデン米大統領と会談することに関連し、李昌庸(り・しょうよう)韓国銀行総裁の興味深い発言がありました。
韓国銀行総裁「韓米首脳会談で通貨スワップの話は出ないだろう」
―――2023.04.25 07:16付 中央日報日本語版より
韓国メディア『中央日報』(日本語版)の記事によると、26日に予定されている米韓首脳会談に関連し、李昌庸氏は「通貨スワップが議題として扱われる可能性」に対し、「期待しない」と述べたそうです。
自然に考えたら、米国政府が外国と「通貨」スワップを結ぶ可能性は非常に低く、あり得るとしたらFRBが「為替」スワップに応じるかどうか、といったところですが、そのバイデン大統領はあくまでも米国政府の責任者であって、FRBの責任者ではありません。
もちろん、現在の韓国が通貨スワップを必要としていることは間違いありません。
米韓金利差は現在、すでに1.5%ポイント近くにまで開いているわけですが、その一方、韓国銀行としてはおいそれと利上げに踏み切るわけにはいきません。韓国の国内的に、高金利が容認できないからです(『金利高止まりの韓国、「限界企業」と不動産PFが信管』等参照)。
そういえば、ここ数日、韓国ウォンが再び1ドル=1300ウォン台からさらに通貨安に進む傾向も生じ始めています。
利上げをすれば通貨防衛効果がありますが、家計債務やプロジェクト・ファイナンスなどが、韓国経済のそこここで火を噴き始める可能性がありますし、ハンドリングを間違えたら金融危機に直結してしまいます。
これに対し、金融危機を防ぐためにはいったん利下げすることが望ましいのですが、おいそれと利下げをしてしまうと、今度は外貨が流出し、通貨危機に発展する危険性もあります。
このように考えると、やはり韓国にとっては「危機に際して惜しげもなく米ドルなどを融通してくれる、どこか気前の良い国との鴨葱スワップ」が必要であり、しかもその相手国は米国ではないことだけは間違いないでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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