【読者投稿】ワクチン接種国「リバウンド」の謎を追う

日本国民は人命と経済を両天秤にかけることができるのか

当ウェブサイトでは読者投稿を歓迎しており、読者投稿要領等につきましては『【お知らせ】読者投稿の常設化/読者投稿一覧』にまとめています。さて、例の「武漢肺炎」を巡り、こちらから「ぜひ最新論考が読みたい」と要望させていただいたのが通じたのでしょうか、これまで合計16本の読者投稿を寄せてくださった「伊江太」様というハンドルネームの読者様から、ついに17本目のご投稿をいただいたので、さっそく掲載させていただきます。

読者投稿につきまして

当ウェブサイトは「読んで下さった方々の知的好奇心を刺激すること」を目的に運営していますが、当ウェブサイトをお読みいただいた方々のなかで、「自分も文章を書いてみたい」という方からの読者投稿につきましては、常時受け付けています。

投稿要領等につきましては、『【お知らせ】読者投稿の常設化/読者投稿一覧』等をご参照ください。また、読者投稿は専用の投稿窓口( post@shinjukuacc.com )までお寄せ下さると幸いです。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

この読者投稿のなかでも、「伊江太」様というハンドルネームの読者様からは過去に15本、非常に優れた投稿を寄せていただきました。

伊江太様から:「データで読み解く武漢肺炎」シリーズ

第1稿によると、伊江太様は某国立大学医学部の微生物関係の研究室での勤務経験を通じ、実際にウイルスを扱っていたそうです。

実際、これまでの投稿でもわかるとおり、どの論考も力作ぞろいで、とくに豊富なデータと合理的な着眼点で、マスメディアが垂れ流す言説をバサバサ斬っていくさまは、圧巻です。

この点、伊江太様からは、前回の15稿目をもって終了、との断り書きがあったのですが、これについては当ウェブサイトの側から「終了しないでほしい」と強くお願いし、16稿目が実現したという経緯があります。

本当は、15稿目にあった「これでお終い」の文言を勝手に削除してしまおうか(笑)とも思ったのですが、いずれにせよ、伊江太様からの投稿を引き続き読めるのは大変にうれしいことです。

こうしたなか、当ウェブサイト側からの厚かましくも「17稿目が欲しい」という願いが通じたのでしょうか、嬉しいことに、伊江太様から本当に17稿目をご寄稿いただくことができました。いったい何が書かれているのか、さっそく読んでみましょう。

(投稿原文は以下に続きます。今回も記事タイトルは当ウェブサイト側で勝手につけました。記事から受ける印象に齟齬があれば、それは投稿者である伊江太様ではなく、当ウェブサイト側の責任です。また、原文、小見出し等につきましては、当ウェブサイト側にて修整している箇所もありますのでご了承ください)。

数字で見る武漢肺炎第17報:ワクチンの有効性

現行のワクチンは、本当のところ、武漢肺炎退治にどれくらいの有効性があるんだろう?

従来の常識からすると信じられないほど短期間にワクチンが開発され、その有効性、安全性が(一応)確認され、急速に世界に普及しています。

先発の欧米諸国からは半年の後れを取りましたが、この日本でもそれを取り戻すほどの勢いでワクチン接種が進んでいます。一生活者としてなら無論歓迎すべきことなのですが、日本ではなぜこの疾患の流行規模がかくも小さいのかという、わたしの個人的興味からすると、いささか不都合でもあるのです。

国ごとの武漢肺炎の拡がりの違いが、結局ワクチンの普及度という経済力、社会的諸制度の充実具合に依存する要素の問題に収斂してしまいそうですから。

そういう思いもあって、15回(+1)にも渡って掲載をいただいた武漢肺炎に関する論考も、これでおしまいにしますと書いたのですが、ちょっと早とちりだったんじゃないかと、このところ思うようになりました。

ワクチン先発国の状況を見ていると、武漢肺炎退治というのは、どうもそう一筋縄ではいきそうにない。希望者全員に行き渡ったあとも、日本と諸外国との感染状況の違いは、また形を変えて続くのではないかと、そんな予感がし始めました。

ついこの間までの狂騒状態が嘘のように冷めた今、武漢肺炎の流行という災厄が、わたしたちの暮らすこの社会について見つめ直す、ひとつの機会を提供しているんじゃないかという見方を、もし共有して頂ければという思いで書いてみます。

「集団免疫の壁」は、武漢肺炎には十分有効にはたらかない?

図表1に、英国、イスラエル、米国という、最も早い時期からワクチン接種を進めた3ヵ国で、武漢肺炎による死亡者がどのように変動したかを示します。

図表1 ワクチンの普及による武漢肺炎流行の収束と、その後に起きたリバウンド

(【出所】日本経済新聞社『新型コロナウイルス感染 世界マップ』より投稿者作成。英国、米国、イスラエル、3ヵ国の武漢肺炎による死亡数の推移を示す。グラフの値は7日間移動平均値)

いずれもワクチンの普及とともに死者数は急減していくのですが、2~3ヵ月の静穏期のあと、再び増加に転じています。おなじようなパターンは西欧諸国のいずれでも観察されるのですが、免疫学的な常識からすれば、これはちょっと考えにくい現象です。

ワクチンには、純粋に被接種者本人を疾患から守る目的でおこなうもの(典型的なものとしては蔓延国に渡航する人に接種が義務づけられている黄熱ワクチン)と、本人のみならず、集団全体の疾患への抵抗力を増す目的でおこなわれる定期接種とがあります。

まだ法的には位置づけられていないと思いますが、武漢肺炎ワクチンの実態は明らかに定期接種相当です。一度感染すると相当長期間にわたって強固な免疫が形成されるウイルス感染症の場合、集団の6~8割ていどが罹患していれば、もうその集団内で新たな流行は起こらないとされています。

ひとりの感染者がウイルスを体外に排出している間に、それによって周囲の少なくとも一人が感染し、さらにおなじ過程が連鎖的に継続していかない限り、ウイルスというものは集団内で存続することはできません。ある程度以上の割合で集団の成員が抵抗性を獲得してしまえば、この絶対的要件が満たされなくなるわけです。

ワクチンという疑似感染手段を用いて免疫を付与するのは、この「集団免疫の壁」を人為的に構築しようとする試みです。

ワクチン接種後に流行の再燃:考えられる2つの説明

図表1に掲げた3ヵ国で観察された急激な死亡数の減少はワクチンの普及と足並みが揃っていますから、この間「集団免疫の壁」の構築は順調に進んだように見えます。

しかし、そこまで感染連鎖の継続が困難な状態に至った社会で、揃って流行の再燃が起きるというのは理屈に合わないように思えます。

巷間唱えられているそれに対する説明は、次の2つでしょう。

  • ①リバウンドを起こしているのがデルタ変異株であるという点を強調する説明
  • ②ワクチンの効果が当初期待されていたほど長続きするものではなかったという説明

このうち、ひとつ目については、「現行のワクチンで付与される免疫は、リバウンドを起こしているデルタ変異株には十分有効に作用しない」という説明がその典型例でしょう。

たしかに験管内でウイルスとワクチン接種者の血液に含まれる抗体を反応させてみると、デルタ変異株の感染性を失わせるには、従来株より多量の抗体が必要だとする報告などもあるのですが、デルタ株というのが、すでに形成されている免疫の目を欺くほどに大きく変わっているものなのかと言ったら、それほどのものでもなさそうです。

それに何より、この日本で、いま急速なワクチンの普及とともに進んでいる流行の収束が、国内で流行するウイルスのほぼすべてがデルタ株に置き換わったあとに起きた事象だということが、デルタ株ワクチン抵抗説への強力な反証となるでしょう。

科学的な理解力を備えた記者を抱える欧米のプレスが、日本で起きている流行の収束に注目し、かつそれに「ミステリアス」の形容詞を付けて報道するのは、故ないことではないのです。

次に、先ほど挙げた説明のうちのふたつ目、つまり「ワクチンの効果が当初期待されていたほど長続きするものではなかった」という説明については、どうでしょうか。

個人差もありますが、接種後2週間後あたりでは血液中のウイルス中和抗体の量が十分にあるにも関わらず、数ヵ月で有効値以下に減少してしまうというのです。

その下がり方は予想したより速かったと言えるのかも知れませんが、ワクチンの本領は、血液中に十分濃度の抗体を恒久的に保たせることではありません。「本物のウイルスに感染した際に、速やかに大量の抗体産生が生じる免疫記憶を成立させる」のが眼目です。

不活化ワクチン(シノバックなど)と違って、mRNAワクチン(ファイザー、モデルナなど)やウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ)は、抗体誘導だけでない、さまざまな免疫の仕組みをウイルス排除にはたらくように条件付ける機能も期待されています。

それだけに、これらの高額なワクチンの有効期間が、かりに1年足らずに過ぎないなどいうことになれば、とんだ欠陥商品と言われても仕方がないことになります。

本当のところはどうなのか。他国のことは他国のこと、これらワクチンが日本でどれほどの有効性を発揮するかは、もうしばらく推移を観察していくしかないでしょう。

なにしろ、今はまだ流行収束のまっただ中。リバウンドなど来るかどうかということも、わからない段階なのですから。

日本の急激な感染収束はミステリアス?

図表2は、昨年7月以降、日本で生じた武漢肺炎流行の規模を、感染者数、入院数、重症者数、死亡数の4つの指標をもちいて示したものです(グラフの縮尺は対数で表示しています)。

図表2 日本における武漢肺炎の流行状況を示す各種指標の値の推移

(【出所】入院数についてはNHK『新型コロナウイルス特設サイト』病床使用率・全都道府県グラフより、それ以外については厚生労働省『新型コロナウイルス感染症について』国内の発生状況などより著者作成。昨年7月以降(感染拡大第2~5波)の、武漢肺炎の感染者数、入院数、重症者数、および死亡数の推移を示す。値はすべて7日間移動平均値。グラフの縮尺は対数、目盛りの表示は実数としている)

表示されている期間に、流行の第2波~第5波が、発生しては消退しています。

流行の第1波については欧米からの帰国者が持ち込んだウイルスの拡大であったのに対して、入国管理が厳格化された第2波以降は、純然たる国内要因がこのような流行のパターンを生んだと考えていいでしょう。

グラフで入院数、重症者数、死亡数、要するに実際の感染に即した指標の動きを眺めると、第2波が落ち着いた昨年10月頃には、ほぼ一定の周期、同じ程度の振れ幅で感染数が上下するダイナミクスが、この日本に定着していことが分かると思います。

わたしたちが目にしている9月以降の流行第5波の収束。

図表2のグラフのパターンから見れば、これはワクチンによってもたらされたというより、直接の理由は流行のリズムが減少のフェーズに入ったことにあるとする方が、むしろ自然なように思えます。

ただ、「この現象にワクチンは寄与していないのか」といえば、そんなことはないでしょう。入院数以下の指標は、過去の流行に比べて明らかに速い速度で縮小しているからです。

なにより、これまでなら反転に転じていたレベルまでこれらの指標の値が低下しても、縮小傾向に変化が出ていません。ワクチン接種の完了率が7割にまで達した効果とみるのが妥当だと思います。

感染者数とは、PCRなどの検査で陽性判定を受けた人のうち、その時点で退院あるいは療養解除の指示をまだ受けていない人の数です。

その数は昨年12月頃から急激に入院数との差を開いていき、第5波のピークである8月末には全国で23万人、なんと国民の550人に1人、入院数の10倍近くに達したことが、グラフに示されています。

その理由が、保健所が介入しない任意検査の数を無闇に増やした結果、それに高い割合で含まれる偽陽性判定の症例数が算入されたことにあるというのが、これまでに書いた【読者投稿】で主張してきた点です(『【読者投稿】第5波を膨張させた「無秩序な検査拡大」』等参照)。

拙稿で述べた、「感染者数という公表される数値が、多数の偽陽性を含む水膨れ」という見方が正しいとすると、内外のメディアが、奇跡だ、ミステリーだ、中にはデータ改竄だと騒ぎ、国内の専門家連が理由不明と揃って頭を抱える、第5波のあまりに急激な収束の理由を説明するのは簡単でしょう。

要するに、無用な検査を受ける人数が激減したため、水膨れが消失した、それだけのはなしになります。

現在国内でおこなわれているPCR検査の数は、8月末の最盛期に比べて、約3分の1に低下しています(厚生労働省『新型コロナウイルス感染症について』記載のグラフ;PCR検査の実施件数、参照)。

なぜこれだけ急に検査数が減ったかと言えば、考えられるのはやはりワクチンの急速な普及でしょう。ワクチンを打って、2週間おとなしく過ごして、もう安心となったら、たいていの人は、「万一感染してはいないか」と有料の検査を受けてまで調べよう、なんて気にはならないでしょうから。

シニカルな言い方をすれば、この日本でのワクチンの最大の功績は、「検査バブル」を崩壊させたということかも知れませんが、だからと言って、ワクチン本来の価値がいささかなりとも毀損されることにはなりません。

日本で武漢肺炎の流行が短周期、小振幅で繰り返される理由

図表1と図表2を見比べてみると、日本での第4波に相当する流行が、他国には見られません。また、図表1では表示範囲外になっていますが、日本の流行第2波に相当する時期、英国や米国では死亡数はとくに増加していません。

少なくとも欧米感覚でなら「少数の」感染者、死者が出た段階で、都市ロックダウン等の強硬措置も執らずとも自律的に収束に向かう。そんな流行が短い周期で繰り返す様は、まず日本以外では見られない現象です。

日本でこういう周期的増減パターンが生じる理由について、わたしなりの考えをこれまで何度か書いたのですが、要約すると以下のようになるでしょう。

①日本人の生活・衛生習慣

日本人の大部分は、外出時のマスク着用を遵守し、多くの人が出入りする場所に備えられている消毒液を積極的に利用し、トイレのあとの手洗いを怠らないなど、その生活・衛生習慣から、もともとワクチンの助けなどなくても、武漢肺炎ウイルスに感染するリスクは低い。

そうした習慣の重要性を理解しない少数者も、大多数の低リスク集団中に分散している日常生活の場では、感染したり、感染を拡げたりする機会は極めて少ない。

②感染拡大に結び付く行動を取る者がいる

しかし、高リスクの性向がある者は、感染が起きやすい場所や機会に寄り集まりやすく、とくにそれらが多い大都市では、ウイルスの感染連鎖は断ち切られず、ときに感染規模の拡大に結びつく。

③マスコミ報道などの効果

高リスク性向がある者の感染機会への接近の頻度は、マスコミの流行報道などによって社会の危機意識が高まると、行動を自粛することで減少し、逆に流行が落ち着くと再び羽を伸ばすことで増加するため、概ね一定範囲での感染数の増減が交互に生じる。

日本のように人口稠密な国で短周期の流行の波が繰り返されるためには、高リスク集団のサイズが十分に小さいというのが、多分絶対的な要件だろうと思います。

水を張った洗面器を揺すったあと静置すれば、小さな波がせわしなく容器内を往復するのに対して、大きなたらいのような容器でこれをやると、ゆったりと大きな波の行き来になる。まあ、そんなイメージです。

武漢肺炎の感染が、主に上に挙げた②のような形で起きるものなら、ワクチンの接種率が7割を超え、8割に近づくほどになっても、その根絶に至らない理由も理解できるでしょう。

ポリオや麻疹(はしか)でワクチンによる「集団免疫の壁」戦略が成功したのは、これらの疾患が移動範囲の限られる幼小児のものだったからだと思います。

「動き回る」大人の疾患である武漢肺炎の場合、リスク行動をとる対象は自らの意思で感染源に近づいてしまうから、「集団免疫の壁」はうまく機能しないのです。

ワクチンの効果を数量的に評価する方法を考えてみた

「全力でワクチンを普及させ、ようやく流行を終息させたと一息ついたところで、リバウンドが起きる」――。

現行ワクチンの効果は一時的なんじゃないかという悲観論が生まれるのも仕方がないかも知れません。

3回目、さらには4回目の追加接種も避けられないという意見が、ほぼ当然のごとくに語られる昨今です。一体この先、どれだけの人とカネと時間をつぎ込むつもりなのか、常軌を逸していると思うのは、わたしだけでしょうか。ワクチンの効果は本当にそんな短寿命のものなのか?

ワクチンが社会に与えた効果を定量化してみようと、次のような式を考えました。

  • S = D ・p2

Sは流行の規模。統計データから得られる値です。

Dは国ごとに異なる流行規模を規定する係数。この後示すように、途中で消去される項なので、どんな値であろうが構わないのですが、ひとつ問題なのは、短期間には変動しないことを前提として、定数扱いするがはたして正しいのかどうかという点ですが、まあ、そこのところは目を瞑っていただくしかありません。

前節で言及した感染リスクが高い集団の人口に占める割合を表すのがpです。感染の規模がウイルスを散布する者の数とそれに感染する者の数の積で決まるとして、そのどちらもがpに比例するのですから、式内ではその重みを2乗としています。

ワクチンの普及前に起きた流行規模をS (0)、普及後のリバウンドの規模をS (v) とします。

このとき、高リスク集団の割合がp (0) からp(v) に減少していたとすると、

  • S(v)/S(0) =(p(v)/p(0))2

ワクチンの接種率が100%になることはまず期待できないでしょうし、被接種者全員に有効な免疫が付与されるものでもないことを考えれば、p (v) / p(0) の値は良くて0.2~0.3くらいのものでしょう。

そうすると、リバウンドの大きさは、ワクチン普及前の流行に比べて、0.04~0.09、つまり25分の1から10分の1弱くらいの規模になることが予想されます。

この考え方を図表1の英国での流行動態に当てはめてみます。

重症化、死亡を指標とした場合、ワクチンの有効性はより長期間持続すると言われていますから、流行規模を死亡数で測るのは、合理的であると思います。流行の規模は、本来流行期間中の死亡の総数で見るべきでしょうが、各国のリバウンド流行は未だ収束していないので、死亡数変動のピークの高さで代替することにします。

2月の流行の極大値と、リバウンド期に現われた9月の極大値から、それぞれの流行前の値を差し引いて、死亡数のピークの高さとすると、

  • S (v)/S(0) = 135 / 1250 = 0.108
  • p(v) = SQRT(0.108)・p(0) = 0.33 p(0) :SQRTは平方根

英国では9月にはワクチン接種完了率が全人口の65%を超えており、高リスク集団の割合がワクチン普及前に比べて7割近く減少したとするこの計算結果は、なかなかイイセンいってると言えそうです。

実際に検算してみた

では、実際にこれを検算してみましょう。図表3はワクチン接種率が高水準に達しているいくつかの国々に、同じ計算法を適用してみた結果です。

図表3 ワクチン普及前後の感染規模の比較による、ワクチンの国別有効度の判定

(【出所】日本経済新聞社『新型コロナウイルス感染 世界マップ』より投稿者作成。ワクチンが普及する直前の流行と、現在各国で進行中のリバウンド流行の規模を、ピーク時の死者数によって比較し、ワクチンの効果が国ごとに大きく異なることを推定している。表中の死亡数は、対象期間中の報告の7日間移動平均から極大値を選び、小数点以下を四捨五入して示している)

西欧諸国の多くでp (v) / p (0)比が0.2~0.3台の値になるのは、これらの国でおこなわれたワクチン接種が、期待通りに高リスク人口を減らしたことを示すと解釈していいように思えます。

「武漢肺炎ウイルスが、先に述べたような伝播様式で拡がるものならば、人口の7割、8割が免疫を獲得しても、その規模こそ抑えることはできても、ウイルスの流行を完全に終息させることはできない」――。

この結果は、それを教えているようにわたしには思えます。決して、ワクチンの効果が短期間に消失した結果ではないと思うのです。

西欧諸国の中で、ワクチン接種率で劣るわけではないのに、スペイン、フランスの2カ国のp (v) / p (0)比が0.5に近い値になるのも気になるところですが、米国、カナダ、イスラエルとなると、その値はさらに劣ります。

米国でいうなら、国民の6割が2回のワクチン接種を完了しながら、もとの高リスク集団の2割ほどしか減少していない、つまり投与されたワクチンの3分の2は無効だったということになってしまいます。

この推計が当たっているとして、敢えて説明を試みるならば、わたしはmRNAワクチンの扱いの難しさに原因があるのではないかと考えます。

保管・輸送時に超低温を保つ必要があることに加えて、融解すればただちに使用しなければならないこと、その際よく混和しなければならないが、激しく振盪することは御法度など、このワクチンは従来タイプのものに比べれば、ずいぶんデリケートな代物です。

米国では、ドラッグストア、スーパーマーケットなどでもワクチンが受けられると、当時遅々として進まぬかに見えた日本の状況を批判するような米国在住の邦人の寄稿を目にしたことがありますが、さて、その帰結は?というと、でしょうか。

知られるとおり、イスラエルでは大規模接種会場を設け、まさに突貫作業で短期間に国民へのワクチン普及を図りました。カナダでは6月から8月の2ヵ月間に国民全体の接種完了率を50%も押し上げるという離れ業を演じています。

こうした事例には、「急いては事をし損じる」の格言が、そのまま当てはまるように思えるのですが、どうでしょう。

図表3に、実名を挙げないクニがひとつおまけで入っているのですが、こんな扱いをするだけで、このサイトの読者の方ならピンときますよね。ワクチン接種率でどこやらの国に勝った、負けたと騒ぐ割に、どうやらその実質には無頓着なようです。

ウィズコロナの時代

ひところに比べ、耳にする機会が減っていたウィズコロナという言葉。

最近になってまた勢いを取り戻してきた観があります。

切り札と思われたワクチンの効果に、期待にやや反する部分があったからでしょう。上述した理由で、わたしは武漢肺炎に関しては「集団免疫の壁」によって疾患の根絶を図るのは難しいと思っています。

ワクチンの追加接種が一部の国で始まっており、日本でもその実施がタイムテーブルに上っていますが、米国やイスラエルなどではこの先一定の効果はあるにしても、西欧諸国ではもうワクチンで減らせる感染はこの辺りで頭打ちという気がします。

ワクチン接種率に対応して、人口に占める高リスク集団の割合が以前の2~3割に低下しているという推定が正しいとしても、それでやっとワクチン接種以前の日本の状態に近づいたというくらいではないかというのが、わたしなりの判断です。

であれば、皆が気ままに振る舞えば、日本の流行時に現出したくらいの状況が日常となりそうです。

画期的な治療薬が登場すれば、重症者、死者の数は減るはずですが、それに感染規模の縮小をもたらす効果を期待することはできないでしょうから。

一方でこの日本、まだリバウンドなど来るかどうかも分からない段階ですが、国民の80%がワクチンを接種し、それで有効な免疫を獲得したとするなら、マスク、手洗い習慣などこれまで通りの慎重な振る舞いを続けていれば、全国の入院者数1,000人未満、毎日の死亡数がヒトケタくらいの状況にはなるかも知れません。

さてそうなったとき、もうこの辺でさまざまな自粛、規制は終わりにして、社会、経済の回復に全力を注ごうという議論が当然提起されて来るでしょうが、それに対して「人の命より経済が大切なのか」と言った感情論的反発が沸き起こるのは、欧米よりそれはむしろ日本で、じゃないかと思うのですが、どうでしょう。

ウィズコロナの時代、日本社会のメンタリティの特異性みたいなものが、そんな形で現れ来るような気がするのですが。

読後感

…。

正直、日本の在野に、これを書ける人がいるということ自体、正直、驚きです。

ウェブ主「新宿会計士」は金融評論家であるとともにエクセル評論家でもありますので、基本的には東京都や政府などが公表しているデータを取りまとめ、新規陽性者数やワクチン接種率の状況を分析することは大好きですが、やはりここまで深い議論には到達できません。

また、最後の「ウィズコロナ」の節、何度も繰り返し読みたいと思う部分であることもまた間違いないでしょう。

(ちなみに図表3の「某国」ってどこなんでしょう?ワクチン接種率が日本を上回っているけれども日々2千人前後の新規陽性者が出ているあの国とかでしょうか?)

いずれにせよ、伊江太様、本当にありがとうございました。

そして、第18稿につきましても、楽しみにお待ちしております(←これがイチバン言いたかったことだったりして)。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. イーシャ より:

    なんと・・・
    微分方程式を立てたりすることなく、ワクチンが社会に与えた効果を定量化し、そこから導かれる結果を mRNA ワクチンの扱いの難しさと結びつけて説き明かすとは。

    今回の伊江太様の考察は、これまでにも増して納得できるものです。
    PC の前で立ち上がって、拍手いたしました。

  2. 欧州某国駐在 より:

    日本で周期的増減パターンが生じる理由について、挙げられている例のうち
    ①日本人の生活・衛生習慣
    ②感染拡大に結び付く行動を取る者がいる
    の2つには特に大いに同意します。
    イギリスは2回接種完了者が人口の7割を超えていますが、1日の感染者数が3万人超している日が続いています。周囲の者は「なぜだ?」とか言っていますが、ほとんどの者がマスクをしないし、手もこまめに洗わないし(バスの手すりを触った手でそのままホットドッグをつかんで車内で食べ、指についたケチャップをなめる人がめずらしくありません)、換気の悪い場所に平気で長時間います(パブやクラブなど狭い場所で大声でしゃべりながら楽しくやっている人たちが多々います)。ワクチンの感染防止効果を信じ切るのは結構ですが、すでに普段の生活がコロナ前に近い状態です。政府が一部の水際対策以外はすべて解除したゆえにこのようなことになっています。バスや鉄道は乗車する際はマスクをするようによびかけていますが乗客をみていると混んでいるときでマスクをする人は多くて半分ほど、空いているときは自分以外誰もしていないという状況が多々あります。日本の状況に関しよくわからないところはありますが、さすがに上記のような状況ではないと思います。細かい理由をいちいち考えなくても肌感覚にて感染者の数の差が極端に違うのは必然のような気がします。

    1. クロワッサン より:

      欧州某国駐在 さん

      >換気の悪い場所に平気で長時間います(パブやクラブなど狭い場所で大声でしゃべりながら楽しくやっている人たちが多々います)。

      日本だと夏場はエアコンを使う時に窓を閉めますから、夏場の特に都会では同じ条件になりそうですね。

      冬場は暖房でこれまた窓を閉めるでしょうから、冬場は都会も田舎も同じ条件となりそうです。

    2. 農民 より:

      >ワクチンの感染防止効果を信じ切る

       日本では妙にワクチンを不審がる風潮があり、摂取が進まなくなるのを多少危惧していましたが。むしろ信じ切らないがためにワクチン普及前とそれほど行動に違いが出なくて、今の所落ち着いているのかもしれません。私の周囲ではほとんど生活様式や集会の有無に変化は感じませんし、「ワクチンは済んだけどまだまだ気をつけないとねぇ」という会話をしています。
       逆に、例えばGoToを再開しようにも異論が出るでしょうし、感染者数に全く見合わない経済ダメージが続きそうなのが心配です。

  3. 元ジェネラリスト より:

    感染をサラッとモデル化してそ、こからSとpの関数をサラッと書かれておられましたが、ものすごいと思いました(言葉を思いつきません)。
    ワクチン接種後の効果の違いに、ワクチンの取り扱いの難しさを挙げたものはあまり見かけませんが、とても説得力があると思いました。
    今後の日本や各国の推移を、この点の関心を持って見ていきたいと思います。

    某国は接種率は高いものの、「生理食塩水を摂取していたことがわかった」などという信じがたいニュースが流れたので、結果を見ないとわからないな、と思っていました。
    楽韓さんも某国でコールドチェーンの維持ができるか疑問を呈されていました。

    感動をありがとうございました。

    1. 墺を見倣え より:

      >> mRNAワクチンの扱いの難しさに原因があるのではないかと考えます。

      日本の様に、真面目に管理していない疑いは濃いと思われます。

      中央日報:「ソウルの新規感染者の半数近くがブレイクスルー感染…『追加接種必要』」
      https://japanese.joins.com/JArticle/284460

      真面目に管理していない・効力の落ちたワクチンを追加接種しても、効果薄いのでは?

  4. 匿名 より:

    米はワクチンの種類もいくつかあったと思います
    mRNAではないワクチンの接種率を考慮すると、違った見え方するかもなと思いました

    あと、日本だとこの式が成り立ってないなあと思います
    4月から1直線で接種率は上昇しているのに、流行の波の高さは2-5次で5次が一番高くなっている

    日本での6次流行があるとして、その観察が必要ですね

    1. 匿名 より:

      自己レスです

      日本は、高橋洋一教授曰く、「さざなみ」なので、この式に当てはまらない、誤差の範囲で推移しているかもしれないと投稿後に気がつきました

  5. Makoto Okubo より:

    毎度感銘する分析と説明、ありがとうございます。
    私には更に疑問が残るところがあります。ワクチン接種率が20%若干上回るフィリピン、またインドでも日本と同じ様に感染者が急増し、その後急減しています。これが不思議でなりません。

  6. namuny より:

    https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000847823.pdf

    日本の感染者数が一気に減った理由は上の資料に出ていると思います。
    この8月頭から、9月の終わりにかけて、人流がそれまでと比較し1割くらい少ないのです。
    それだけ出歩く人が減った、というこです。
    人流が1割少ないということは、感染させる人もする人も1割づつへるので、再生産係数は2割減ります。
    感染してさせるまでの期間を1週間とすれば、8月、9月の2か月間で9週間、9回転とすると、感染者はそれまでの波に比較して1/7くらいには減るはずです。
    事実、6月下旬の新規陽性者数は1000~2000人程度に対して、現在の新規陽性者数は280人
    つまり、現在の陽性者の数は前の波の谷に比較し1/4~1/8。 大きく外してはいません。

    この1割が何であったか。これは、日本の夏が暑くて出歩く人が減ったこと、
    8月は雨が多かったこと、
    そして多分、オリンピック、パラリンピックがあって、これを家で見た人が多かったこと
    と思います。(菅さん、ありがとう)

    つまり、特別なことは何もなかった。そして、また次の波は来るでしょう。

    https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/countries-and-territories/japan/

    既に頭は見えています。

    1. 伊江太 より:

      namuny様

      >既に頭は見えています。

      これ、ひょっとして、東京都が過去の未報告データを、まとめて4,000件も出してきたせいで、全国のPCR検査油性報告数の累積がいきなり跳ね上がったことを指して、言っておられるのではありませんか?

      これ以後は、また減少ペースが続いているはずですが。

      1. namuny より:

        伊江太様

        示したグラフの跳ね上がりは未報告データのせいだったようです。失礼しました。

        https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
        ですが、実効再生産数は10月26日の0.66から10月31日の0.89に上昇傾向です。

        私の、頭が見えてきているという判断に変わりはありません。

  7. M1A2 より:

    伊江太様、今までの投稿をひとつにまとめて書籍化されてみてはいかがです?
    私、買いますよ。

  8. ポプラン より:

    労作ありがとうございます。
    いつも楽しみにさせて頂いています。
    m-RNAワクチンってこれまでのワクチンと違って変異株に強いのではないと思うのです。
    と言うのは、既存のワクチンではウイルスや細菌のたんぱく質を抗原として認識させます。
    例えば、抗原タンパク質を〇▼▲□というアミノ酸で表現すると(ほんの一部ですが)
    ー〇ー△ー□ー▼ー▲ー〇ー
    これを抗原として認識させるているわけです。
    しかしm-RNAワクチンでは抗原のアミノ酸配列を
    ‐AUU-UUG-AGU-UGG-UGU-AUU-
    の形のコドンで表現しています。
    これを、三角筋内に注射してm-RNAからタンパクとして再現させるのですが
    当然逆の意味での過ち、自然界なら突然変異に当たる誤った転写をして
    抗原の人工的変異を作っているのではないか。
    接種された体内には地上に未だない変異株のスパイクタンパクなどもできている
    のではないか?
    また免疫細胞の側でも反対の誤転写が起きていて十分な抗体価がある時期は
    抗体の飽和攻撃で少しぐらいの変異ウィルスは抑え込める。
    だからm-RNAワクチンはかなり珍しい変異が無いと有効性が低下しにくいのでは?
    と思うのです。
    イギリスのブレイクスルー感染はアストラゼネカのウィルスベクターワクチンだから
    先程の誤転写が起こりにくい?
    イスラエルのブレイクスルー感染は抗体価の低下による防御力の低下ではないか?
    某国のブレイクスルーは、m-RNAワクチン管理のいい加減さによるものでは?
    と妄想しています。

    1. 伊江太 より:

      ポプラン様

      mRNAは細胞内でタンパク質の翻訳合成に関わるだけですから、転写の際のコピーエラーというプロセスは関与しないはずです。

      ウイルスベクターに乗っかった武漢肺炎ウイルスのSタンパク質遺伝子は、感染細胞内でmRNAの転写を経て、タンパク質合成に進むのですから、転写の過程でコピーエラーが起きることはあり得るでしょうが、変異株のSタンパク質にうまく適合するようなエラーがそこで起きる可能性ということとなると、そう大きいことを期待するのは、ちょっと無理じゃないかと思います。

      某国のはなしは、このサイトの読者の方なら、半分冗談と受け取ってくださると思って書いたんで、アチラの公表データをそのまま写したのは間違いありませんが、信用できるかと言ったら、???でしょう。なにしろ、昨年異様に大きくなった超過死亡の数が、公表武漢肺炎死亡数を大幅に上回っている希有な国なんですから。

      1. ちょこみんと より:

        伊江太さま
        ご存知かもしれませんが、かの国ではコロナ感染者カウントの前に「検査結果待ち数」というのがあるそうで、これはPCR陽性判定後2週間後の再検査までの人数らしいです。そして再度陽性になると感染者としてカウントされると。楽韓webさんで見たと思います。
        10月下旬で約100~150万人(!)いたらしいです。この間に死亡すると死因が「謎の肺炎」とされコロナ死亡数にカウントはされません。このため超過死亡数が異常になると。

  9. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

    詳細な分析、ありがとうございます。

  10. 氷河期世代 より:

    >米国でいうなら、国民の6割が2回のワクチン接種を完了しながら、もとの高リスク集団の2割ほどしか減少していない、つまり投与されたワクチンの3分の2は無効だったということになってしまいます。

    単純に「ワクチン接種しなかった4割に、高リスク集団の大半が含まれていた」と考えるべきでは?

    米国の反ワクチン団体の報道を見ると、もはや狂気の沙汰ですし。
    https://news.yahoo.co.jp/articles/db73d49f5d1ec5a6394c57549d32f090052fe46f
    https://twitter.com/SamBraslow/status/1445806023550267392?s=20

    まあ、反ワクチンですら金儲けのネタにするのは流石としか言えませんが…
    https://www.jiji.com/sp/article?k=2021081200307&g=int

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