【夜刊】北朝鮮情勢:弱い犬ほどよく吠える

北朝鮮から流れてくる日本非難の声明文を冷静に読むと、彼らが何に対して困っているのか、そして私たちがそれにどう対応すれば良いのか、改めて確認することができます。

北朝鮮の日本非難

弱い犬ほどよく吠える

北朝鮮が日本に対する非難を強めているようです。

「民主朝鮮」紙 日本反動層の反朝鮮対決策動を嘲笑(2018/05/04付 朝鮮中央通信より)

少し長くなるのですが、リンク先の文章を確認してみましょう。

【平壌5月4日発朝鮮中央通信】朝鮮労働党の並進路線の偉大な勝利の宣言に怖じ気づいた安倍はもちろん、財務相、防衛相、外相などがわれ先に出ていわゆる完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄だの、対北制裁緩和は受け入れられないだの、最大限の圧力を続けなければならないだのと青筋を立てている。

そうかとすれば、宗主の米国を次々と訪れて対朝鮮制裁・圧迫を哀願したあげく、シリアに対する米国の空爆が北に送る特別メッセージだと思うというたわごとまで並べ立てて朝鮮半島に醸成された現情勢の流れに水を差そうと血眼になって奔走している。

4日付の「民主朝鮮」紙は署名入りの論評で、これは政治いびつに非難される島国一族の愚かなあがき、一寸の先も見通すことができない政治食客の笑止千万な醜態だと嘲笑(ちょうしょう)した。

同紙は、朝鮮半島の情勢緊張をさらに激化させてそれから自分の利をむさぼろうと必死になって狂奔する者がまさに日本の反動層であると暴露した。

また、しかし、日本の反動層のこのずる賢い行為はこんにち、国際政治舞台で自ら自分らを孤立させる結果だけをもたらしたと主張した。

そして、日本反動層の反朝鮮対決策動は自国の軍事大国化、海外膨張野望が水泡に帰していることに対する極度の不安、焦燥感の発露でもあると暴いた。

さらに、日本はどう行動するのが賢明なことになるのかについて熟考し、慎重に行動する方がよかろうと警告した。

いやはや。読んでいるだけで頭がクラクラしてきます。

報道記事であれば、「客観的事実と主観的意見を分けること」は基本のキです。しかし、朝鮮中央通信の記事は、「島国一族の愚かなあがき」「日本反動」、「策動」、「極度の不安、焦燥感の発露でもある」など、主観的かつ醜い単語であふれかえっています。

ただ、北朝鮮が愚かなのは、「黙っている」ということができない点だと思います。本当に日本が国際社会において「蚊帳の外」に置かれているのであれば、黙っていれば良いのです。弱い犬ほどキャンキャン吠えると言います。北朝鮮が口汚く日本を罵るほど、彼らが本当の窮地に立たされていることがよくわかります。

「蚊帳の外」理論の破綻

というのも、北朝鮮側の日本に対する批判をよく読んで行けば、彼らが何に恐れをなしているのか、非常によくわかるからです。

たとえば、朝鮮中央通信は、

安倍(総理)を筆頭に、財務相、防衛相、外相などが、われ先に(外国出張をしては)「完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄」「対北制裁緩和は受け入れられない」などと青筋を立てている

と批判していますが、これは、安倍内閣の閣僚らが次々と外国出張をし、北朝鮮に対する最大限の制裁を維持するよう、主要国に呼びかけていることに、強い打撃を受けている証拠でしょう。要するに、安倍内閣の閣僚らがそのように行動すること自体、北朝鮮を追い込んでいるのです。

宗主の米国を次々と訪れて対朝鮮制裁・圧迫を哀願したあげく、シリアに対する米国の空爆が北に送る特別メッセージだと思うというたわごとまで並べ立てて朝鮮半島に醸成された現情勢の流れに水を差そうと血眼になって奔走している

の下りについてもまったく同じで、安倍総理を筆頭に日本側要人が次々と米国を訪れて、北朝鮮制裁・圧迫の継続を強く働きかけていること自体、せっかく南北首脳会談で「和解」を演じようとしている北朝鮮の努力が無駄になっているということへの焦りが見えます。

それに、有難いことに朝鮮中央通信様は

日本はどう行動するのが賢明なことになるのかについて熟考し、慎重に行動する方がよかろう

というアドバイスを日本に下さっていますが、ご安心ください。日本は日本で「どう行動するのが賢明か」を自分で熟考した結果が、今日の行動に繋がっているのです。北朝鮮様に言われなくても、日本は日本のために、北朝鮮を潰すための行動が最善だと考え、そのように行動するつもりです。

北朝鮮の「悲鳴」

いずれにせよ、ここまで来れば、北朝鮮のいつもの「減らず口」も、「悲鳴」に聞こえてきます。

4月27日に行われた南北首脳会談は、日米中を敵に回した韓国と、日米による厳しい国際的制裁に苦しむ北朝鮮が、「お互いの利益のためにお互いを利用した」というのが真相に近いと思います。そして、日本国内でも一部の情報弱者層を中心に、「南北和解」という幻想を抱いていることは事実でしょう。

しかし、きちんとしたインテリジェンスが見れば、現在、北朝鮮から出てくる情報は、むしろ「圧力を緩和して欲しい」という「悲鳴」だと解釈することが妥当でしょう。このように考えていくならば、北朝鮮に対して取るべき対応はただ1つ――

北朝鮮に対する圧力の強化

に他ならないのです。

本来ならば日本も北朝鮮を牽制するための軍事力を持たねばならないのですが、残念ながら現在の日本には憲法第9条第2項という「殺人条項」が存在するために、日本としては北朝鮮に対する軍事制裁を加えることが難しいのが実情です。

そうであるならば、米国と一体となり、金融・経済制裁をじわじわ厳格化させ、北朝鮮を追い込んでいく以外に方法はありません。そして、場合によっては、最大限の圧力を加えるために邪魔になる国――たとえば、韓国――に対しても、セカンダリー・サンクション(第2次制裁)が必要です。

朝鮮中央通信の記事では、そのことをあらためて確認することができたと思います。

読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    < 夜刊の発信ありがとうございます。
    < 朝鮮中央通信やら民主朝鮮など普段目にしないので、なかなか『力作ーー負け犬』が読めて良かったです。ホントに黙ってりゃ何処までハラくくってんのかコチラも分からないのに、やっぱり野蛮国の宣伝媒体、『もう止めて』が聞こえて来そうです。
    < 南北会談、板門店宣言に一番強く反発したのは、日本。米国もそうだったが、米国は最後の最後になっても、半島人の理解が少し足りない。朝鮮戦争で足を引っ張られた韓国と、直接対峙した北なのに大日本帝国(古う〜)を相手にした時ほどの迫力がない。1940年代は欧亜二方面作戦出来たが、50年代にはもう小国相手でも米国は手こずっていたんですね。
    < 朝鮮中央通信が困る通りの事を、安倍首相ほか閣僚は飛び回り、事務方も懸命に実行しています(外務やら財務やらハズレの部省もあるが)。CVIDと拉致問題解決は南北の悪だくみには乗らない。日米中心に自由主義国家連合で、経済封鎖続ける。韓国、オマエもマトだ。日本の長射程ミサイルが目標中国から、半島韓国に少し向けられる(笑)。

  2. 歴史好きの軍国主義者 より:

    いつも知的好奇心を刺激する記事の配信有り難うございます。

    記事の見出しですが秀逸と思います。見出し一つで北朝鮮の全ての説明ができていると思います。

    後、日本が北朝鮮にできる軍事力の行使ですが、いっぱい行使の名目はあると思います。

    北朝鮮は国家として未承認ですから国の交戦権の対象ではありませんし、かつてイギリスが行った様に緊急避難の論理で行動しても良いでしょう。

    連合国の敵国条項が制定されたタイミングでは朝鮮半島は日本から独立していませんので敵国条項の適用地域として1国連加盟国として周囲の承認の下で制裁する手もあると思います。

    ひとえに日本政府に「問題解決を真剣にやる気が無い」のが問題と思います。

    日本が米中露の了解の下、真剣な解決を考えているなら、北朝鮮は折れる筈です。

    弱い彼らには吠える事しか出来ないからです。
    北朝鮮に対し周りの支援を断った上で万全の準備の下、問題完全解決の要求を突きつける。

    日本政府の断固たる意志に期待したいと思います。

    以上です。長文失礼しました。 

※【重要】ご注意:他サイトの文章の全文引用はお控えください!発見次第、削除します。

コメントに際しては当ウェブサイトのポリシーのページなどの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。