外貨準備減少の韓国は日韓スワップ復活を要求するのか

ウクライナ危機に加えて米FRBの金融引締めなどの材料が重なるなか、ソフト・カレンシー国の通貨が弱含みで推移する展開が続くかもしれません。こうしたなか、1ヵ月後に政権交代が予定されている韓国から、もしかしたら「韓日通貨スワップ待望論」が出て来る可能性はそれなりに高い、というのが著者自身の現時点における予想です。あらためて通貨スワップについて概要を振り返っておきましょう。

通貨スワップと為替スワップ

国際金融協力の世界における通貨スワップ、為替スワップなどの仕組みの存在などに関しては、当ウェブサイトはかなり早い時期から注目してきたサイトのひとつではないかと思います。

とくに、よく聞かれるのが「通貨スワップと為替スワップの違いとは何ですか」、です。

改めて述べておくと、「通貨スワップ」、「為替スワップ」ともに、2つの異なる意味合いを持っています。デリバティブ取引としての通貨スワップ・為替スワップと、国際金融協力における通貨スワップ・為替スワップです。これらについては、同じ用語を使っていますが、まったく意味合いが異なりますのでご注意ください。

図表1 通貨スワップ・為替スワップとは?
区分意味合い英語などの呼称
デリバティブとしての通貨スワップ民間企業同士が異なる通貨の元本同士を交換する取引。一般に利息の受払を伴うCross Currency Swap を略してCCSと呼ばれることもある
国際金融協力における通貨スワップ異なる国の通貨当局同士が通貨を交換する取引。多くの場合は国際金融支援の一環として行われるBilateral Currency Swap Agreement を略してBSAと呼ばれることもある
デリバティブとしての為替スワップ民間企業同士が異なる通貨の元本同士を交換する取引。一般に利息の受払を伴わないFX Swap などの呼称のほか、一般に Buy-Sell や Sell -Buy と呼ばれる
国際金融協力における為替スワップ通貨当局が相手国の金融機関に直接資金を貸し出す取引Bilateral Liquidity Swap Agreement などと呼ばれることもある

(【出所】著者作成)

このうち、デリバティブとしての通貨スワップ、為替スワップに関しては、当ウェブサイトでは基本的に取り扱いません。これらの金融商品の会計上の取り扱い(とくにヘッジ会計)や店頭デリバティブ規制、銀行自己資本比率規制などについて知りたい方は、どうか直接、当ウェブサイトのコンタクト先メールにご連絡ください。

金融支援としてのスワップ

国際金融協力における通貨スワップと為替スワップ

これに対し、国際金融協力の世界における通貨スワップや為替スワップについては、当ウェブサイトでは『「発売記念」あらためてスワップについてまとめてみる』を含め、これまでに何度となく触れてきたとおり、世間では何かと誤解されやすい論点でもあります。

通貨スワップも為替スワップも、「その国の通貨当局が外国から外貨を借りて来る手段」のひとつですが、通貨スワップが「通貨当局が直接、外貨を借り入れる手段」であるのに対し、為替スワップは「通貨当局が直接、外貨を借り入れることはできない」という特徴があります。

これは、どういうことでしょうか。

実例で見る通貨スワップ

まず、国際金融協力の世界における通貨スワップとは、多くの場合、ある国(たとえばK国)の通貨当局がほかの国(たとえばJ国)に対し、自国の通貨を担保に差し出すことと引き換えに、外貨(米ドル、相手国通貨など)を借りて来る取引のことです。

たとえば、日本はASEAN諸国やインドなど6ヵ国と通貨スワップを締結しています(図表2)。

図表2 日本が締結する通貨スワップ(日本が相手国を支援する場合)
相手国上限相手国に貸す通貨
インドネシア227.6億ドル米ドル・日本円
フィリピン120億ドル米ドル・日本円
シンガポール30億ドル米ドル・日本円
タイ30億ドル米ドル・日本円
マレーシア30億ドル米ドル
インド750億ドル米ドル
合計1,187.6億ドル

(【出所】財務省『アジア諸国との二国間通貨スワップ取極』等をもとに著者作成)

インドネシアの場合でいえば、インドネシア側の要請があったときには、インドネシアの通貨当局が自国通貨・ルピアを日本に担保に差し入れ、日本側は最大227.6億ドル相当の米ドルか日本円をインドネシアの通貨当局に貸し出す、という取引です。

厳密には、貸し出す通貨は米ドルだけでなく、相手国の要請次第では日本円を選ぶことができる場合もあります。また、日本が相手国に日本円を担保として差し入れ、相手国から米ドルを借り入れることができる条項が設けられていることもありますが、こうしたケースは現実にはほとんどないと考えて良いでしょう。

実例で見る為替スワップ

次に、国際金融協力の世界における為替スワップとは、ある国(たとえばK国)が相手国(たとえばA国)の通貨当局に自国通貨を担保として差し入れ、それと引き換えに、その相手国(A国)がその国(K国)の市中の金融機関に対し直接外貨を貸し出すという取引です。

たとえば、日本銀行は欧米先進国や一部のアジアの国など8ヵ国と為替スワップを締結しています(図表3)。

図表3 日本銀行が締結する為替スワップ
契約相手上限交換する通貨
米連邦準備制度理事会無制限日本円⇔米ドル
欧州中央銀行(ECB)無制限日本円⇔ユーロ
イングランド銀行(BOE)無制限日本円⇔英ポンド
カナダ銀行(BOC)無制限日本円⇔加ドル
スイス国民銀行(SNB)無制限日本円⇔スイスフラン
豪州準備銀行(RBA)200億豪ドル/1.6兆円日本円⇔豪ドル
中国人民銀行(PBC)2000億元/3.4兆円日本円⇔人民元
タイ中央銀行(CBT)2400億バーツ/8000億円日本円⇔タイバーツ
シンガポール通貨庁(MAS)150億星ドル/1.1兆円日本円⇔星ドル

(【出所】日本銀行『海外中銀との金融協力』等をもとに著者作成)

タイの場合でいえば、タイ側からタイバーツを担保として日銀に預けてもらい、日銀はそれと引き換えに、タイ国内の銀行に対し、8000億円を上限として、直接、日本円を貸し出すことができる、というものです(ただし、日本円を借り入れたタイの銀行は日銀に金利を払う必要があります)。

つまり、通貨スワップの場合、通貨当局が直接、相手国から通貨を借り入れることができる一方、為替スワップの場合は通貨当局ではなく、自分の国の銀行に対し、相手国の通貨当局が直接、相手国通貨を貸してくれる、という取引です。

「支援色」がより強いのは通貨スワップ

こうした違いは、通貨スワップと為替スワップの使い方の違いに現れてきます。

通貨スワップだと、たとえば自分の国の通貨価値が大きく下落したような場合に、緊急で相手国から通貨を借り入れて、為替介入(自国通貨買い・相手国通貨売り)で通貨防衛をする、といった使い方が可能です(とくにハード・カレンシー国との通貨スワップにはそのような性格が強く出て来ます)。

これに対し、為替スワップだと、自分の国が外貨不足に陥った場合に、自分の国の金融機関に直接、相手国の通貨当局が相手国通貨(米国の場合だと米ドル)を貸してくれる、という特徴があります。この場合、通貨当局が直接、相手国から外貨を借り入れることはできません。

このように考えていくと、通貨スワップだろうが、為替スワップだろうが、相手国がおカネを貸してくれるという点は翌似ていますが、「誰が借り入れるか」という点では非常に大きな違いがあります。

  • 通貨スワップ…通貨当局(中央銀行など)が借り入れるため、通貨当局としてはそのカネを為替介入などに自由に使うことができる
  • 為替スワップ…金融機関(市中銀行など)が借り入れるため、通貨当局としてはそのカネを為替介入などに使うことができない

もっとも、通貨危機、金融危機などが発生しているときには、たいていの場合はその国の金融機関が外貨を調達できなくなっていますので、民間金融機関の外貨不足に対処するうえでは、通貨スワップであっても為替スワップであっても構わない、という言い方をしても良いでしょう。

通貨スワップの条件は「片方がハード・カレンシーである」こと

ただし、「脆弱な通貨を支援する」という性格がより色濃く出ているのは、為替スワップよりも通貨スワップではないかと思います。つまり、通貨スワップには「通貨ポジションが強い国が、通貨ポジションが弱い国を支援する」、という特徴がある、と言い換えても良いでしょう。

ここで、「ハード・カレンシー」とは、一般に、「通貨価値が安定しており、取引に制約が少なく、その国の発行国・地域以外でも広く取引されている通貨」のことを指します。

ハード・カレンシーは外為市場でも活発に取引されているほか、外貨準備の構成資産に組み入れられることもありますし、また、『詳説・オフショア債券市場統計で「通貨の実力」を読む』などでも詳しく議論したとおり、ハード・カレンシーは多くの場合、オフショア債券市場が非常に発達しているという特徴もあります。

これに対し、「通貨危機が発生し、通貨防衛のために為替介入をしなければならなくなる」ような通貨というものは、一般に「ソフト・カレンシー」、つまり「通貨価値が安定しているとは限らず、取引に制約が多く、取引されているのがその国の発行国・地域に限定されているような通貨」です。

ということは、通貨スワップで支援を受けるためには、取引の片方がハード・カレンシーでなければなりません。

図表2を改めて見ていただければわかりますが、日本の場合、通貨スワップを締結している相手国は、インドネシア、フィリピン、タイ、マレーシア、シンガポール、インドの6ヵ国であり、シンガポール以外の各国は、発効する通貨がソフト・カレンシーであるという共通点を有しています。

これに対し、日本が相手国に提供する通貨は、いずれも米ドルが中心であり、マレーシアとインド以外の4ヵ国については、相手の選択に応じて日本円を提供することもできます。米ドルも日本円も、基本的にはハード・カレンシーです。

ソフト・カレンシー同士のスワップは「融通手形」で極めて危険

しかし、これが仮に、ソフト・カレンシー同士の通貨スワップ(たとえば、マレーシアリンギットとタイバーツ)だったとしたら、片方の国で通貨危機が生じ、通貨スワップを発動した場合、もう片方の国の通貨も連れ安となり、通貨危機が波及するリスクがあります。

なぜなら、片方の国がもう片方の国から引き出した通貨を使い、自国通貨を買い支えようとすれば、必然的に相手国通貨を売り浴びせることにつながるからです。これが、「ソフト・カレンシー国同士の通貨スワップの危険性」という論点です。

このため、基本的には通貨スワップは「通貨ポジションが強い国が、通貨ポジションが弱い国に対し、保証をする」ようなものだと考えておいて良いでしょう。そして、通貨ポジションが弱い国同士のスワップは、たとえは悪いのですが、一種の「融通手形」のようなものなのです。

韓国と通貨スワップ

韓国の外貨準備は減少基調に入った

さて、どうしてこんな論点を唐突に再掲載したのかといえば、個人的に最近、少し「嫌な予感」がしているからです。

「為替介入」の証拠?減少基調に入った韓国の外貨準備』では、久しぶりに韓国の外貨準備高に関する話題を取り上げました。

これは、2022年3月において、韓国の外貨準備が前月比40億ドルほど減少したとするもので、当ウェブサイトとしては、米FRBの金融引締めやウクライナ危機などで韓国ウォンが売られるなか、自国通貨安を抑制するための為替介入(外貨売り・自国通貨買い)を行った証拠、と見ています。

韓国の通貨・ウォンの対米ドルの相場(USDKRW)については、許容レンジは基本的には大変に狭いものと考えられ、韓国の通貨当局は、通貨高になればそれを抑制するための外貨買い・自国通貨売りを、通貨安になれば自国通貨の価値を支えるために自国通貨買い・外貨売りを行っている可能性が濃厚です。

3月中旬の急激なウォン高は、為替介入の可能性が濃厚

これを実例で見てみましょう。

たとえば、ロシアがウクライナに侵攻する直前、外為市場では1ドル=1200ウォンの水準を割り込む状況でしたが、2月24日の軍事侵攻以降、徐々に下げ始め、3月15日には1ドル=1240ウォン前後と、およそ1年9ヵ月ぶりの安値水準を記録。

ところが、その後数営業日後には不自然なほどに急激なウォン高方向に動いているのが確認できるのです(図表4)。

図表4 ロシアによるウクライナ侵攻前後のUSDKRW

(【出所】韓国銀行データを参考に著者作成)

韓国の3月の外貨準備が前月比40億ドル減少していた理由はさまざまだと思いますし、もちろん、ドル高の影響により、ドル以外の通貨で保有している部分をドル換算したら目減りしてしまった、といった効果もあるとは思います。

しかし、韓国の外貨準備が2020年4月以降、コンスタントに増加し続けてきたこと、その増加が2021年8月を境に停滞し、むしろ減少傾向に入ったことは、韓国の通貨当局が(ときとしてかなり不透明な)為替介入を続けていることを強く示す間接的証拠でもあるのです。

韓国にとっては「マイナス通帳」らしい通貨スワップ

こうしたなか、韓国のメディアはこれまで、通貨スワップを「外貨準備の代わりとなるマイナス通帳のようなものだ」、などと説明してきました。

ふと気になって、韓国銀行などが公表している「韓国が外国と締結している通貨スワップ」の総額について、改めて最新状況をまとめておくと、通貨スワップは合計で1391.6億ドルに達していることがわかりました(図表5)。

図表5 韓国銀行が外国の通貨当局と締結している通貨スワップ
相手国と失効日相手通貨とドル換算額韓国ウォンとドル換算額
UAE(2022/4/13)200億ディルハム ≒ 54.4億ドル6.1兆ウォン≒50.0億ドル
マレーシア(2023/2/2)150億リンギット ≒ 35.6億ドル5兆ウォン≒41.0億ドル
オーストラリア(2023/2/22)120億豪ドル ≒ 89.7億ドル9.6兆ウォン≒78.7億ドル
インドネシア(2023/3/5)115兆ルピア ≒ 80.1億ドル10.7兆ウォン≒87.7億ドル
中国(2025/10/10)4000億元 ≒ 628.7億ドル70兆ウォン≒574.0億ドル
スイス(2026/3/31)100億フラン ≒ 107.2億ドル11.2兆ウォン≒91.8億ドル
トルコ(2024/8/12)175億リラ ≒ 11.9億ドル2.3兆ウォン≒18.9億ドル
二国間通貨スワップ  小計…①1,007.6億ドル114.9兆ウォン≒942.3億ドル
多国間通貨スワップ(CMIM)…②384.0億ドル
通貨スワップ合計(①+②)1,391.6億ドル
カナダ(期間無期限)※金額無制限

(【出所】韓国銀行および相手国中央銀行などの報道発表を参考に著者作成。米ドル換算額については便宜上、2022/04/07 21:00時点でWSJのマーケット欄に表示されていたレートを使用)

韓国ウォンの米ドル換算額が相手国通貨の米ドル換算額を下回っているのは、おそらくは急激なウォン安に伴うものでしょう。ただし、韓国ウォンの価値を大きく下回っているトルコとのスワップを除けば、どのスワップも韓国ウォンと相手国通貨の米ドル換算額がさほど大きく乖離していません。

「米ドル建て」ではない!

いずれにせよ、韓国が通貨危機にさらされ、外貨準備が底を尽きた場合でも、いざとなれば1391.6億ドルをこれらの7ヵ国から引き出すことができると考えれば、なかなかに心強い数値です(ついでにカナダとの為替スワップは金額無制限です)。

ただ、ここで重要なポイントがひとつあるとしたら、多国間通貨スワップであるチェンマイ・イニシアティブ・マルチ化協定(CMIM)を除くと、どれも米ドルでの引き出しが可能なスワップが、ただの1本も存在していない、という事実でしょう。

つまり、図表5に「1391.6億ドル」と記載されていたとしても、それはあくまでも昨日の時点で計算上、そのような金額が出てきただけの話であり、現実に「1391.6億ドルの米ドル」が入手できるわけではありません。

とくに、カナダとの為替スワップを除いた1391.6億ドルのうち、中国との4000億元(約628.7億ドル)分が、全体の45.18%を占めていますが、人民元自体が「外為市場で自由に米ドルに両替可能な通貨」ではない、という事実を忘れてはなりません。

韓国が締結している通貨スワップのうち、CMIMを除くと、きちんとした外為市場が存在している通貨は豪ドルとスイスフランくらいしかありませんし、マレーシア、インドネシア、トルコとのスワップについては、むしろ「ソフト・カレンシー同士のスワップ」であり、危機を拡散しかねないという意味では却って危険でもあります。

日米が助けてきた韓国の危機

このあたり、当ウェブサイトで過去に何度となく指摘してきたとおり、韓国は1997年のアジア通貨危機、2008年のリーマン・ブラザーズ経営破綻に端を発するグローバル金融危機などに際し、外貨不足・通貨安に陥りましたが、その都度、日本や米国からの支援で復活してきました。

また、野田佳彦首相(当時)が2011年10月に韓国に対して提供した、総額700億ドル(米ドル400億ドル、日本円300億ドル)の「野田スワップ」のおかげで、欧州債務危機の影響が韓国に波及するのを免れたという事例もあります。

さらには、コロナ禍が始まった2020年3月には、米国が総額600億ドルの為替スワップを韓国に提供し、韓国の金融機関が現実に、最大で200億ドル近くをニューヨーク連銀から借り入れたことで、コロナ危機を乗り切ったという事例もありました。

ただし、日韓通貨スワップについては、朴槿恵(ぼく・きんけい)前政権時代に、韓国側の要請により終了したことを、当時の副総理兼財相だった麻生太郎総理が2020年3月に国会答弁で明らかにしています(『韓国の無礼な態度により麻生総理が席を立ったのは当然』等参照)。

また、米韓為替スワップについては『9本の時限的為替スワップは予定どおり12月末で終了』でも述べたとおり、米FRBの金融緩和政策の終了などに伴い、昨年12月末で失効してしまっています。

このように考えていくと、現在のように、CMIMを除けば米ドル建ての通貨スワップ協定が1本も存在しないという状況は、さすがに韓国にとっては不安でしょう。

最低限の注意は払うべき

そこで、金融評論家としての次の関心点は、韓国側から「韓日通貨スワップ復活論」が出て来るかどうか、です。

とくに、ウクライナ危機が長期化するなかで、世界的な物価高が続くと想定される点に加え、FRBの金融引締めも続くと考えられることから、国際的な資本フローが脆弱な状況が、今後さらに続く可能性が懸念されます。

当然、自国通貨がハード・カレンシーであり、米FRBとも常設型無制限の為替スワップを保有し、160兆円を超える外貨準備を保有する日本に対しては、支援要請を行う国が今後も出て来るのは当然の流れでしょう。

そして、1ヵ月後の韓国の政権交代で、尹錫悦(いん・しゃくえつ)氏が韓国大統領に就任すれば、「韓日関係改善論」とともに、「韓日友好のあかしとして韓日通貨スワップが必要だ」、といった論調が、韓国国内で議論され始めるかもしれません。

2015年12月の日韓慰安婦合意を韓国が履行しないだけでなく、2016年12月末に釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置された件を忘れ、日本政府が日本にとって何のメリットもない日韓通貨スワップの再開に向け、韓国と交渉を開始するとは思えませんが、いちおう、そのような動きには、最低限の注意を払っておいて良いのかもしれません。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 雪だんご より:

    岸田総理と言えど、「今日韓スワップなんて言い出したら総理の座から
    引きずり降ろされかねない」くらいは理解していると思いたい所ですが……

    後はもう一つの好材料としては、自民党にケチをつけられるなら何でもする!と言う
    スタンスの諸野党が、ここ数年韓国に関しては(白議員などのごく一部の例外を除けば)
    沈黙をつらぬき、居ない物として扱っている事ですかね?
    たま~に韓国側の議員と会ったりメディアに話したりはしていますが、
    日本国民には「韓国と仲良くしようよ!」と呼びかける勇気はない様で……

    「韓国は敵なのか?」と叫んだ団体も結局何も出来ていない事を考慮すれば、
    さほど心配は要らないと思いますが……少しだけ不安にはなりますね。

  2. 匿名 より:

    結論から言えば、状況的に韓国が日韓スワップ復活を要求してくる可能性はあると思われます。

    しかし、あの国の国民情緒から考えて「貸したいというのなら、借りてやらんこともない」という態度しか日本に取れません。
    正面からお願いしてくるという可能性は低いでしょう。

    自分達からは何も言わずに「(あーあー、ここで日本が韓国のことを慮ってスワップ復活を言い出したら、日韓関係も少し改善するのになあ)」とちらっちらっと見てくるだけでしょう。
    日韓のマスコミの一部からは、そういう忖度をさせようという記事が出てくるかも知れませんが。

    ただ、そんな忖度の要求に日本が応じる義理も無ければ、日本の国民情緒も許すような状況ではありません。
    日本側がそういう要求に応じる可能性もまた、低いでしょう。
    少し極端な言い方をすれば、それこそ「頭こすりつけてお願いしますと言ってきたなら、貸してやらんこともない」という、一応は「協力的な」態度を取りつつ、まず韓国に飲めない態度を取ると思われます。
    「協力的」ではあるので、日韓以外の国が見ても、日本に文句は言えません。ここで頭を下げられない韓国に首を傾げるだけです。

    最低限の注意は払っておいてもいいかも知れませんが、実現の壁は分厚く高く、可能性はかなり低いように思われます。
    国と国との話なので、街金のようにさっさと話が固まるような、そんな簡単な話でもないように思えるというのもありますが。

  3. G より:

    少し面倒な問題があります。それは円安がすすんでることです。
    日本はもし円安が進もうとも韓国にスワップをお願いしなきゃいけないなんてことはありません。何某かの対策が必要でも韓国のスワップに頼る可能性は全くのゼロです。

    韓国が日本とスワップをする場合、メリットがあるのは純粋に韓国だけです。日本としては完全に援助スキームです。
    つまり、韓国は日本にスワップを懇願しなきゃいけないのですが、そのことが韓国からスワップを言い出せない歯止めになっています。麻生総理の財務大臣としての発言がうまく効いています。

    困ったこととは、日本が円安になっていることから「日本も困っているから一方的な懇願ではない」と韓国国内で理論武装できて、1つの心理的ハードルを突破出来てしまう可能性です。

    いくら日本側が「日本が韓国のスワップに頼る可能性ゼロ」と言っても韓国国内には一切伝わらないでしょう。

    まあ、何とか防御するためには、韓国からの一方的な懇願であり恥ずかしいことであるとわかるように宣伝することです。偉い人がそう発言しないといけません。

  4. ダージリン より:

    韓国は、日本に対して自分たちは嫌がらせをしているという意識はありませんし、日本は韓国を助けて当然だと思っていますので、普通に日本にスワップを要求してくると思われます。
    そして、万が一、アメリカの圧力などで日本が応じても、応じるのが遅かったとか、額が小さいとか言うでしょう。応じなくても言うでしょうが。
    まずは、ちゃんと国際法を守ってから、と、もうしばらくは言い続ける事が必要でしょうね。

  5. カズ より:

    韓国の金融当局者から「安全弁は多いのに越したことはない」とか、外交筋から「信頼醸成のためには通貨スワップの締結が望ましい」とかメディアを介した観測気球の打ち上げが盛んになりそうですね。

    けれども「日本から要請された場合に限る」とされている対日通貨スワップの不文律があり、韓国政府から正式要請される(頭を下げてくる)ことはないのだと思います。

    *日本側が、メディアからの質問を受けても、「(韓国政府から)正式に打診された事実は無く、架空の質問には答えられない」としかコメントできないですね。

    1. りょうちん より:

      >安全弁は多いのに越したことはない

      「新しい安全弁を取り付けたニダ!早速使ってみるニダ!」

      「あっ、これキングストン弁!」
      「実は全部そうだったニダ…」

      1. カズ より:

        『沈みゆくのは、”バラ ン スト外交” の末路だ!』(金氏:弁)
        m(_ _)m

  6. 名無しの権兵衛 より:

     仮に、韓国政府が通貨危機に直面した場合、韓国政府から日本政府に頭を下げてくることは無いとしても、「最悪の日韓関係を改善する手始めとして、韓国政府は日本政府の輸出規制措置に対するWTO提訴を取り下げるので、日本政府は韓国政府と通貨スワップ協定を締結してはどうか。」などと提案してくる可能性は十分に有ると思います。
     その場合、新藤義孝 自民党政調会長代理が言われたように「今の韓国の最大の問題は、国家間の基本である日韓基本条約や請求権協定の根本を覆してしまっていること。もう話ができない。国家間の約束が反故にされた状態で新しい約束を作ることは、韓国だけでなく、どんな国ともできない。正しい道をきちんと歩まないと、いつまでたっても大切な隣国と真の友好関係が作れない。」という基本方針を貫いて欲しいと思います。
     つまり、「『日韓請求権協定』や『日韓慰安婦合意』という国家間の約束が反故にされた状態で『日韓通貨スワップ協定』という新しい約束を結ぶことは、韓国だけでなく、どんな国ともできない。」と、日韓マスコミの前でキッパリ言い切ってほしいと思います。(林大臣に出来るかな?)
     韓国政府のこの程度の「理不尽な要求」にさえキッパリ「NO」と言えなければ、近い将来、中国政府から日本政府に対して、台湾や尖閣諸島に関連して出されると予想される、日本国の存立を脅かすような「理不尽な要求」にもキッパリ「NO」ということはできないと思いますから、日本政府には、こうした将来を見据えた毅然とした対応を希望したいと思います。

  7. ちょろんぼ より:

    南国に保守政権が誕生したから、日本は南国とスワップしなければならないと
    言ってくるだけです。
    南国にとっては、当然の事であり、日本の義務だと思っているだけです。
    前回、南国が円借款を持ちかけた時、日本から金額が多いのではという疑問に
    対し1円もまける事なんてありはせんと言った事があります。
    それと同じ事です。 南国からの要請は、日本の義務なのです。
    そう言えば、「日本が何とか半島に良い事もした」と言って、マスコミにより
    大臣を辞めさせられた件がありましたが、この頃日本のマスコミが静な事が
    嫌な気がします。

    しかし、南国が保守・革新と言っても、中身は同じなので変わりはないですよね。
    日本の革新(リベラル)なんかは、他国政府のロボットとしか行動できないのですから。

  8. 無病息災の男 より:

    韓国側は、きっと、日韓スワップを要求してくることでしょう。
    しかし、尹錫悦新大統領にとっても、領事館前の慰安婦像を撤去するという簡単なことさえ実行することは出来ないでしょう。絶対に!ましてや自称元徴用工判決をどうするかなどに対する具体的な施策など、示すことが出来るとは思えません。

    韓国側は、自分たちが日本に対して問題を起こしてきたということを心の中では自覚しています。しかし、過去朝鮮半島全体が最貧国であった時代を日本併合によって救われたという事実を隠蔽するためにねつ造されたプライドが今は邪悪な自我意識となっているので、日本に譲歩するということが出来なくなってしまっています。それが、長年の歴史教科書を通した教育によって、韓国国民全体に巣食ってしまっています。だから、韓国側が日本に頭を下げず、日本側から譲歩を引き出すことを誘導しながら日本との関係を維持することだけを考えています。従って、大統領一人が変わっても韓国全体は変わることなど、ありえません。
    日韓スワップなど、彼らの夢の夢に終わることでしょう。

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