人間の合理的な行動から考える「買占めをどう防ぐか」

ゲームの理論で読み解くと、トイレットペーパーを買い占めるのが合理的だ――。こんな、一見すると「とんでもない」主張があります。ただ、非常に残念なことに、一定の条件を置けば、この議論は正しいのです。これについて、設例をトイレットペーパーではなくマスクに置き換えたうえで、昨日の『緊急措置法の発動により悪質な「テンバイヤー」駆除へ』の理論を自己検証しておきたいと思います。

『ITメディアビジネス』というウェブサイトに数日前、こんな記事が掲載されていました。

トイレットペーパーを「買い占める」ほうが”合理的”であるシンプルな理由 (1/2)(2020年03月04日 13時11分付 ITメディアビジネスより)

リンク先記事は、昨今、トイレットペーパーが全国の小売店の店頭から姿を消しているという話題に関連し、買占め行動について

倫理的には褒められたものではないが、経済学の観点からいえば買い占めに走る行動がむしろ当然で、『買い占めないほうが非合理的である』といっても過言ではない

と喝破する、やや挑発的な記事です。

ただ、タイトルだけを読んで、「この記事の著者はトイレットペーパーの買い占めをしろと言っているのか?」と短絡的に考えるべきではありません。多少、表現は挑発的ですが、経済学でいう「ゲームの理論」、あるいは「囚人のジレンマ」と呼ばれる考え方を使えば、こうした行動が説明できるからです。

リンク先記事はトイレットペーパーの事例を使っていますが、もう少しわかりやすく、マスクで考えてみましょう。そして、こんな設例を置きます。

前提条件①「ある国は人口が10人で、この国の国民は毎日1人あたり1枚のマスクを必要としているが、この国では毎日12枚ずつマスクが生産されている。

現実には「人口が10人しかいない国」というものはありませんが、ここでは「モノのたとえ」ということでご理解いただけると幸いです。

普通に考えたら、1日12枚マスクが生産されるのであれば、1日1人1枚、マスクが行きわたるはずです(しかも、余った2枚を災害などに備えて貯蔵することもできます)。

しかし、この設例に、こんな条件を付け加えたら、どうなるでしょうか。

前提条件②「この10人の国民はお互いにマスクを何枚買ったかという情報交換ができず、また、『マスクの生産が止まった』という噂が流れており、あなたを含めた全国民はこの噂を信じている。

このとき、それぞれの国民は、次の行動を取ることができるものとしましょう。

  • (A)毎日、自分が必要なマスクを1枚だけ買い続ける。
  • (B)マスクが手に入らなくなるのに備え、毎日3枚ずつマスクを買う。

さて、あなたがこの国の国民だったら、どういう行動を取るのが合理的でしょうか。

結論からいえば、(B)の行動を取らざるを得なくなります。というのも、前提条件②から、あなたは「今店頭に並んでいるマスクを買わないと、もうマスクが手に入らないかもしれない!」と判断するからです。

もし、国民のすべてが(A)の行動を取れば、引き続き、すべての国民にマスクが1枚ずつ行きわたり、在庫として2枚のマスクが残るはずです。しかし、現実には国民のすべてが(B)の行動を取ろうとするため、結果的に

  • マスクを3枚買った人が4人
  • マスクを1枚も買えなかった人が6人

となってしまうのです(ちなみに1人1枚で良いのにマスクを3枚も買ってしまった人はどうするのでしょうか。マスクを買えなかった人に高値で売り付けるつもりでしょうか)。

こうした状況を防ぐためには何が必要でしょうか。

これを検討するうえで、前提条件②を書き換え、

  • (1)国民の間で、「他の人は何枚のマスクを買ったのか」という意思疎通が可能である
  • (2)マスクの生産者が「『マスクの生産が止まった』というのは根拠のない噂だ」と発表する
  • (3)「合理的に考えてこの噂はウソだろう」と、噂を信じない賢明な国民が続々と出現する
  • (4)買占めに罰則を適用する/強制的な配給制を導入する

というパターンを考えてみましょう。

まず(1)については、一見すると良い選択肢ですが、実際、どこの誰が何枚買ったかという情報を好感しようとしても、みんながお互いに正しい情報を伝えるという保証はありません(とくに、「自分は不安だから、1枚しか買わないと言いながら、こっそり3枚買ってやる」と思うかもしれません)。

次に、(2)については、マスクの生産者(あるいは政府)が「マスク不足はデマですよ~!安心してください!」と広報する、ということですが、これについてはそもそも噂というものが根拠なしに広まるものであることから、噂をコロッと信じてしまうような国民であれば、あまり効果がなさそうな気もします。

ここで、(3)、つまりひとりひとりの国民が賢く行動するというのがいちばん望ましい選択肢ですが、残念ながら、これは国民のモラル向上に期待するというものであり、即効性はありません。

このように考えていくと、「確実に国民ひとりひとりに1枚ずつマスクを行きわたらせる」という観点からは、結局は(4)の選択肢が手っ取り早い、ということになりそうです。

ということは、昨日、『緊急措置法の発動により悪質な「テンバイヤー」駆除へ』で紹介した、「マスクに対する国民生活安定緊急措置法第26条第1項(配給・割当て)の適用」は、ある意味では合理的な選択肢だといえるかもしれません。

緊急措置法の発動により悪質な「テンバイヤー」駆除へ

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

もっとも、理論的には「強制的に実現するのが手っ取り早い」という結論になるのかもしれませんが、私自身はそれでもやはり、(3)、つまり国民ひとりひとりが賢明に行動することに期待したいと思います。

結局、批判ばかりで何も具体的な対案を出さない特定野党、特定メディアがのさばっている理由も、それらを支持する国民が一定数存在しているからですが、国民が活発な議論を交わすことで知的レベルが少しずつでも向上していけば、日本社会は少しずつ良くなるはずです。

これこそ、当ウェブサイトを続けている理由なのかもしれませんね。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. 匿名 より:

    〉実際、どこの誰が何枚買ったかという情報を好感→交換です(y゚ロ゚)y訂正訂正!

  2. 一国民 より:

    経済そしてそれに含まれる流通のこともあまりよくわからないのですが、この買い占め問題、過去からずっと引きずっていて、あまりよい改善策が見当たらないように思います。

    結局は、法的な縛り、統制をかけて、供給が行き渡るようコントロールするしかないように思うのですが・・。

    1. 惚け老人 より:

      一国民様

       台湾では保険証を持って行けば毎日、一人2枚まで買えるそうです。そしてどの薬局で在庫があるということを簡単に調べられるアプリも出回っているそうですし、緊急事態には輸出も禁止されるとか。

       したがって台湾ではいつでも手に入るので日本人のように買い占めは起こらないそうです。でも、日本はこのシステムを導入するつもりはなく、罰則で取り締まるようですから取り締まりに引っ掛からなければ買い占めは自由ですから、入手難は解消しないでしょうね。お役所のお役人は認知症になっているのでしょうが、外国のシステムなんか真似したら沽券にかかわると思っているのでしょうかね。

       どっちがお得かよ~~~~く考えてみよう(かつてのサクラフイルムのコマーシャルでした)。

      1. 一国民 より:

        ○○老人様

        コメントありがとうございます。
        私も罰則を設けたところで、あまり解決策にはならないのではないかと思っております。
        また、供給のコントロールというのも、仰っている台湾での取組をイメージしております。

        我が国では、今後、生産量が月産6億枚になるとの報道がありますが、1日あたりですと2000万枚。
        医療機関等での使用頻度や日本の人口を考えると、これでも足りないくらいだと思います。

        余談ですが、私の在所(県庁所在都市)を歩いていますと、相変わらずたばこを燻らせて歩いている人を見かけますが、2~30メートル先からでも煙の粒子の固まりが流れてくることがよくあります。
        これをまともに浴びるわけですが、ナノサイズのコロナウィルスであっても、こうやって漂ってくる、エアロゾルとして、とすると感染しないわけがないとも思ってしまいます。

        マスクは感染をさせない効果はあるが防ぐ効果はあまりないなどと言われますが、私は上記のような場合は、やはり有効ではないかと思っています。

      2. ななし より:

        >>惚け老人様
        台湾さん、良いシステムですねえ。

        犯罪が割に合わない社会にすることが防犯になるとか。
        買い占めのインセンティブを認めた上でそれが割に合わないシステムを作る。

        また、(水に溶ける)ポケットテッシュは売れ残ってるあたり、ちまちま小分けで売るだけで効果はあるかも。
        もちろん今突然小単位で売り出したらそれこそ「暴利だ」と言われかねないので、
        りょうちん様(2020/03/05 at 14:50、記事は5日の「緊急措置法の〜」)
        のマスク自動販売機とか普段から整備(在庫とか周知とか)しておくといいのかな。

      3. 墺を見倣え より:

        > でも、日本はこのシステムを導入するつもりはなく、

        日本で実現するのは、技術的には問題ないのに、野党の大反対で実現できないのでしょう。
        マイナンバーで一人n枚/日、なんてすぐ出来ます。もっとも、n=0.1 位から始めないと、当初は生産が追い付かないカモ知れませんが。

        転売屋には、転売益を所得税から分離して、転売益臨時課税(税率80%とか)を設ければ良いと思うのですが、何故かそういう気配はありませんね。

    2. しがないSE より:

      日本は自由経済主義の国ですので、経済に対して
      人道的な観点から法的縛りや統制を掛ける事は基本的にタブーです。

      これをやってしまうと国が自由に物価や経済指標を操作出来てしまうので
      自由経済が根底から崩壊してしまいます。

      転売に関しても、人道的・感情的な側面を除けば
      「価値のある物を高値で売る」という、どこにでもある経済活動に過ぎないですし。

      余りにもやり過ぎなのは確かなので、何らかの対策をして欲しいとは思いますが。

    3. 団塊 より:

      トイレットペーパーはね、実儒なんですよ。
      だから心配はありません。
      日本のトイレットペーパーは全部メイドイン ジャパンだから、日本の企業が増産してくれています。

      て日本中の家庭がペーパーを買い揃えて不足はなくなりますよ。

      日本中の小学生も中学生も高校生

      約50日学校へ行かない

      50日間日本中の学校のトイレットペーパーを使えない、日本中の子供が。

      日本中の親がペーパーを買わねば日本中の子供がお尻を拭けない

      日本中の小中高で使う分のトイレットペーパーを日本中の家(親)が調達しなければならない。

      うして日本中の家庭にトイレットペーパーを買い揃えば今回のペーパー不足は終わります。

  3. りょうちん より:

    経済学での「経済人」という概念を知った時に、学校教育というのは子どもという可能性の獣を経済人にするためのものだったのだなあという感想を持ちました。
    まあ失敗する場合がほとんどのようですがw

    1. 迷王星 より:

      それ以前に瞬時に完全に合理的な判断を下してその通りに行動する、そんな現実離れした「経済人」の概念を前提に(つまり公理として)学問を組み立てられてもねえ。

    2. 成功できなかった新薬開発経験者 より:

      躾は大事です。
      所かまわず放尿されては困ります。

  4. パーヨクのエ作員 より:

    いつも知的好奇心を刺激する記事の配信ありがとうございます。

    ゲームの理論で考えると

    (A)毎日、自分が必要なマスクを1枚だけ買い続ける。
    (B)マスクが手に入らなくなるのに備え、毎日3枚ずつマスクを買う。

    のどちらもハズレと思います。

    (C)最初の一人がマスクを12枚総て未来の生産分を含めてのマスクを買う。

    が正確と思います。この結果マスクを得る為に法外なコストで9人は一人からマスクの購入を余儀なくされるでしょう。

    テンバイヤーの行動する論理はこの論理です。

    人間は自らの利益の為に他者を徹底的に食い物にする。

    現代社会では残酷な迄の性悪説に則り一般国民を支配するべきではないでしょうか。

    以上です。駄文失礼しました。

    1. 匿名 より:

      > 性悪説に則り一般国民を支配するべき

      ネタとして書いているだけとは思うけど、そういう支配をしている国は他所にはすでにあると感じます。日本ではそういうやり方を好ましく思わない人が多数派であることを、私は願っています。

    2. 迷王星 より:

      パーヨクのエ作員様、

      >現代社会では残酷な迄の性悪説に則り一般国民を支配するべきではないでしょうか。

      正しい。

      -->匿名様、

      残念ながら我が日本国民はそうじゃないというのは単なる幻想か願望に過ぎない。

      残念ながら悪人のいない社会は存在しない。日本でもです。

      そして悪人の行動が社会全体に対して悪影響を及ぼす段階に至れば、意思決定をしていない大多数の一般大衆も同様の悪い行動に走る。

      言い換えれば、大多数の一般大衆とは善人なのではなく、善とも悪とも行動を自分で決められないで様子見をしているだけなのです。ここで善の行動とは、たとえ買い占めでいくら品不足になろうとも決して買い占めに走らず我慢する、という行動です。残念ながら、大変な品不足を前にして、この手の善の行動を選ぶ人は文字通りホンの一握りに過ぎない。

      従って社会で悪人による買い占め効果が品不足という形で一般大衆に不自由感を感じさせる段階に達すれば、一般大衆もこぞって買い占めに走ろうとして、ますます品不足が深刻化する、それだけの話です。

      だから緊急事態においては「大衆は悪である」という性悪説に基づいて危機管理の行動計画を建てねば管理が破綻し社会全体がパニックに陥るリスクが極めて大きくなる。

      3.11は恐らくは明治以降の近代日本の歴史の中で最も我慢を強いられ(何しろ東北の近代化に使われるべき国家予算は併合によって朝鮮半島に流れて東北の近代化は久しく放置された)日本国民の中でも最も忍耐強い人々支え合って暮らして来た東北地方で起こったから図らずも善意による秩序が完璧に近いレベルで維持されたのであって、あれが大阪あたりで起こっていれば大変なパニックになったことでしょう。

      1. 迷王星 より:

        訂正

        「最も忍耐強い人々支え合って」→「最も忍耐強い人々が支え合って」

  5. 匿名 より:

    お一人様一個限りとかにして手数を増やすくらいがせいぜいですかね

    「お客様感謝デー
    2つ以上お買い上げのかたは、個当たり怒りの100%割り増し
    そしてなんと10個以上お買い上げの方には販売価格の個数乗で販売致します」

  6. ピークを過ぎたソフトエンジニア より:

    デマや誤解による買い占め、という点についてはほとんど心配してません。

    トイレットペーパーなどいくら買っても使用量が増えるものでもないし、置き場所に困るほどのストックはしないでしょう。食べ物にしても、消費量以上には継続して買いません。需要<<生産力である限りは短期間で落ち着くので、普段から無くなる前に買うようにする程度の対策で十分です。

    問題なのは、需要≧生産力の時です。マスクは感染症が流行すると毎回爆発的に売れて、市中在庫が枯渇します。それに拍車を掛けるのが転売屋で、品薄だからこそ悪影響が大きいということになります。
    それが業腹なんですよね。

    1. 惚け老人 より:

      ピークを過ぎたソフトエンジニア様

      >トイレットペーパーなど、置き場所に困るほどのストックはしないでしょう。

       南海トラフで大地震が起き、富士市あたりが津波で根こそぎ破壊されるとしばらくは(どのくらいか分かりませんが)トイレットペーパーは手に入らないでしょう。輸入すればよいことですがひと月くらい古新聞を揉んでと言うことができない時代なので、いかがなものでしょう。まして私は報道しない自由を主張する紙の新聞を30年ほど取っていないのでそれもできません。

       アジア、アラブでは何千年も水を使って素手で洗っていたから問題ないでしょうし、同じ方法をとれるなら問題ないでしょう。そのため、水洗の地域では左手は不浄の手と言うことになっているとか。

       私はこの方法を取るつもりがないので、常にかなり長期間トイレットペーパーが手に入らなくても困らないように所定量を常にストックしています。

       食料も同様で、数日位は空腹を抱えなくても済むようにしています。

       どのような対策をするかは個々人が自由に行えばよいと思います。

      1. ピークを過ぎたソフトエンジニア より:

        惚け老人 様

        >どのような対策をするかは個々人が自由に行えばよいと思います

        おっしゃる通りです。
        ただ、私が言いたかったのは、需要<<生産力という条件でデマや誤解によって購入する、通常より膨らんだ分の追加のストックは大した量にならないだろう、ということです。その間の物資の不足程度であれば、多少のストックがあれば乗り切れるということです。

        普段から大地震や大噴火を想定して、というのは見習いたいと思います。私も一定量の水と食料は保持するようにしています。

  7. 南南西 より:

    転売ヤーのように必要以上に物資を買い占めてそれを定価以上の高値で転売しようとする輩のインセンティブを抑止するために「転売で高額な所得を得た者には優先的・重点的に税務当局が調査する」と政府があらかじめ宣言しておくという手はどうでしょう。
    儲けの約半分が税金に取られると思えば、ガチ転売ヤー以外の多くの転売ヤーは、転売なんてリターンのわりにリスクが高くてバカバカしいと考えるのではないかと。

  8. たか より:

     この一件を通じて、日本人の民度なるものも所詮は中韓のそれらに比べて少しはましという程度だということを痛感させられました。
     私にとっては武漢肺炎の蔓延よりもこちらのほうがショックです。
     肺炎検査を制限したのは正解でした。怪我の功名に近いですが。

  9. 七味 より:

    新宿会計士様

    わかりやすい事例をありがとなのです♪

    ゲーム理論って、各プレイヤーが利益の最大化とか損失の最小化を目指して行動するって前提があったと思うのです♪

    事例ではマスクの獲得枚数が利益として考えられてると思うのですが、実際には、マスク獲得による感染する危険性の低減が利益になると思うのです♪

    あたし自身もそうなんですか、マスクを買えなくてマスク無しで過ごしていく中で、無くてもいいかな?って方向に傾いてるのです♪今欲しい理由は、電車の中でマスク無しだと白い目で見られるのが嫌だってことなので、そういうことがなければ、マスク争奪戦からは降りたいとも思ってるのです♪

    ゲームのルールに則ると上手く行かなくても、ルールが変わればプレイヤーの行動も変わると思うのです♪

    そういった意味では、マスク無くても、まず大丈夫ってことの宣伝も解決策のひとつなんじゃないかと思うのです♪

    ゲーム盤をひっくり返すのです♪
    チャイッッ(ノ`□´)ノ⌒┻━┻

  10. オブ より:

    背に腹は変えられない、心意気だけではどうにもならないことも重々承知ですが、個人が自律心を持つ、行動を振り返る良い機会とも思います。「火事場泥棒は最も卑怯」という倫理観、道徳心が求められています。ピンチには違いなく窮屈ですが、少しずつ身を律する、譲る気持ちを思い出す機会にしないと甲斐はないです。日頃の備蓄も大事ですが、本当に最小限必要なものは何かという観点で日頃から過度に物を持たない生活に慣れることも大事だと思います。偉そうにすみません。

  11. 重量級FW より:

    まさに、
    「奪い合えば足りない 分け合えば余る」(相田みつを)
    ですね

  12. 匿名 より:

    生活や安全確保に必要な特定物資について可能なものは日常的に家庭でストックしておくことが必要、というか今回の買い占め騒動を買い占め行為や転売行為にだけ転嫁するのではなく、そもそもの国民自体の危機意識の無さだとも認識するべき、という前提でコメントするとストックしにくいものは法律で対応するしかないと思います。暴動行為とは違い、買い占めは民度の問題ではないので、本当に必要なものは国家が早期介入するしかないです。台湾のように制限販売っていう意見もありますが、根本的に日本に必要なのは流通システム自体が壊れたときにも対応できる行政及び個人の備蓄形の備えを高めることで、コレを満足に構築せずに買い占めだけに対応しても意味ないです。隣の芝生は青く見えるではないですが、他国を見て安易に制限販売の提案をしたりついでに役所批判で責任転嫁するのは、妄想力はあるが実務で役に立つ想像力や危機感無さ過ぎな日本人らしいなあーと思います。そこらにウイルスが蔓延してる環境になっても保険書を持って並んで買いにいくのかなーという話です、もちろん極論ですけど。

  13. イーシャ より:

    我が家では、普段以上の買い物は、投稿の原文に記したビタミン剤以外何ひとつしていません。
    マスクは、例年、早ければ年末頃から症状が出始めるので、12月にはシーズン分を購入済。
    トイレットペーパーやティッシュは常時1ヶ月分以上の在庫があり、安売りしているときに買い足しています。

    テンバイヤー対策は、下手をすると大損するという経験をさせるのが一番でしょうね。

    「天の道は余り有るを損じて不足を補う」
    いえいえ、九陰真経の内功の奥義ではありません。老子です。

  14. 匿名 より:

    貴重な記事ありがとうございます。ただ、買い占めに関しては状況によって対策が変わってくるのではないかなと思います。

    ①需要量、供給量、買う頻度とも変化しない場合→ゲーム理論の通りなので、情報共有によって対応する。需要は変化無いので、近く必ず落ち着くことを周知

    ②需要量、供給量に変化はないが、買う頻度が落ちる→今回のトイレットペーパーの件かなと思います。外出自粛を要請された以上買う頻度も落ちるため、デマだけではなく買い溜めのインセンティブも働くため、買い溜めできる商品はどうしても品薄になる。とはいえ需供関係に変化はないので、必ず落ち着く。ここはせっかくPOSシステムやIT技術が発達してるので、可能な限り具体的にいつくらいから解消します、みたいなのを地域単位で教えられるシステムを作ることが可能ではないでしょうか?

    ③供給量に変化はないが、需要が増える→急に人気や必要性が出て需要が増大する。

    ④需要量に変化はないが、供給量が減る→工場の罹災や物理の混乱、原材料不足等で供給量が減少

    ⑤需要、供給ともに減少→③.④の合併型。今回の場合かなと思います。例年なら花粉症患者(これも大した量ですが)か、風邪気味の人しか装着していなかったものが、コロナウイルス防止ということで人口のかなりの部分が潜在的に必要としているイメージです。また、明確な情報源はないですが、元々の中国からの輸入分8割のうち、コロナ騒動ののちに中国政府がその分を日本に融通しているとは考えづらいため、供給量自体も減っていると考えられます。

    ③.④.⑤についてはデマではなく、需給バランスが崩れているために、何もしなければ供給不足となり、情報共有で克服することは困難なのではないでしょうか。需要自体をコントロールすることは困難なので、供給量を増やすという方向になるはずで、そのタイムラグをどうするかが問題となり、やはり統制するという方向しかないのかなとは思います。

    問題は統制が必要と決定する判断基準、タイミング、方法であり、起こってから後追いすると後手後手になるので、事前に決めておくという方向性になるんですかね。まあ市場への介入となるため、紛糾は予想されますが…

    1. 匿名 より:

      自己レスとなり恐縮ですが、挙げさせて頂いた③④⑤の可能性がある限り、本文中の(3)賢明な国民の出現は困難ではないかなと考えます。

      ③④⑤の場合はそこからの状況の変化がない限り実際に供給不足となっているため、ゼロサムゲームとなり、サムを目指すことが合理的と考えるからです。

      そして買い占め騒動が起きる時には意思決定の時間が限られており、その際の情報は限定的で①〜⑤までのどれか確定しかねる場合が多いため、リスクの最小化の観点からはそれが必要品であるならば全く無いよりはありすぎる方針を採用するのが合理的となってしまうのではないでしょうか。

      そうなるとやはり市場原理での解決は困難なので、やはり神の手の介入しか思いつかないですね

  15. 匿名 より:

    ゲーム理論はゲーム環境の維持を考慮しないので、バクチやマネーゲームの類ならともかく、今回のような実体経済の話に持ち込むのは不適当と思います。
    転売屋による中間搾取の発生はロス以外の何物でもありませんから、売らないという経済活動の自由でも必殺公共の福祉でも何でも使って早急に排除すべきでしょう。今回の話はネット転売全般に大ナタを振るういい機会だと思うので、関係各所にはうまく活かしていただきたいところ。

  16. 匿名希望 より:

    新型コロナウィルスにおけるマスクや消毒液の不足問題は、考えている以上に深刻だと思います。

    病院関係や医療現場で必要なマスクや消毒液が不足し、医療行為に支障が出てきている
    との報告がでてきています。マスクや消毒液がないと、重症患者の治療もできなくなり
    たくさんの死者がでることになります。また、医者や看護師など、医療従事者自身も
    消毒液やマスクがないことで、感染してしまい病院や医療現場の閉鎖を招くなど、
    日本の医療体制が崩壊してしまいかねません。

    国の緊急事態の時に、消毒液やマスクの円滑な流通を阻害し、買い占め、横流しなどで
    ボロ儲けをする業者は、国民の生命を脅かす重罪人です。

    マスク及び消毒液の流通は、国民の生命線ですので、罰則規定などの法律を制定するだけでなく
    一斉捜査をし、悪質業者を逮捕するなどの厳しい措置が必要です。

    このためには厚生省に丸投げでは、取り締まりなどできません。法制化するとともに、
    重罪人を捕まえるために、政府自身が全国の警察組織や捜査機関などに、一斉捜査を
    命じるべきです。

    おそらく、命じただけで、買い占め業者は、あわてて、買い占めてきたマスクや消毒液を
    市場に放出することでしょう。

  17. キッコロ より:

    一連の「買い占め」のうち、特に「転売」についての対策を法的に見てみますと、国民生活安定緊急措置法26条1項は、その効果による国民への制約が市場原理の抑制のみならず、罰則を含め絶大であるため、そう簡単に適用できるものではないですから、後手に回りやすいです(この点、ピークを過ぎたソフトエンジニアさんが前記事のコメントで指摘してくれています)。
    そうすると、何らかの他に立法措置が必要になるかと思いますが、本当に必要で備蓄している人もいるかもしれませんから、「買い占め」という部分に法的規制を及ぼすことはなかなか難しい面があります。
    しかし、「転売」を抑制できれば、それを目的とした買い占めも抑えられるので、擬似的に買い占めも防止できます。
    我が国においての「転売」を見てみますと、特に問題となるのは個人によるものと思います。
    なぜならば、会社等の法人であれば、モラルの欠いた行動は社会的責任として跳ね返ってくるのみでなく、下手をすれば株主代表訴訟のような法的責任として経営者を直撃します(フランチャイズ形式ですが、セブンイレブンのマスク転売例が好例です)。しかし、個人はそうではありません。
    そうすると、個人の「転売」マーケットさえ抑制できれば、「買い占め」は自ずと収まるものではないかと思います。
    では、かかる主要なマーケットは何かと言いますと、ネットオークションサイトならば大量の出品取引が可能ですので、ここに規制をするのが適切かと思います。

    具体的には(この分野は専門ではないので、あくまで一般論としては)、
    ①オークションサイトの自主規制を事前的に促進する(例えば、古物営業法上の営業許可要件に「国民生活に悪影響を及ぼすおそれのある出品行為の社内監視機関を設ける」ことを定めてしまう)
    ②政府からオークションサイト運営会社への事後的で迅速な対応ができる法規制を行う(例えば、この間の政府によるヤフオク等への自粛要請は法的拘束力がありませんが、これをハードローとして整備し、委員会を設置して、その委員会に規制権限を持たせて迅速に対応できるようにする)

    パッと思い付くのはこんなところでしょうか。
    「買い占め」そのものを抑制するより、ピンポイントで効率的なものになるかと思います。

  18. ケロお より:

    マスクに関しては、統制スタート時点で、在庫がない、供給速度≪消費速度、という状態なので無理ゲーです。
    ということは、前提として破綻しているので、スタート時点を過去にさかのぼって考えるしかありません。

    例の「シナリオ」には物資不足、需給統制の想定がありませんでしたので、準備段階からアウトだったと言えます。
    感染症も含めた自然災害等の有事に際しては、水や食糧に加えてマスクやトイレットペーパーのような物資の備蓄を事前におこない、流通・小売の制限を、事象発生初期におこなう必要があります。備蓄を勝手に切り崩して輸出するなどもってのほかです。危機管理上の有事直前段階だった状態で、備蓄物資の管理が極めて不適切だったといえますので、こういった事態に備えて首長および責任者の処罰を含めた法整備が必要でしょう。
    災害準備として水や食料の準備供給体制は、民間の協力もふくめそれなりに整いつつあるのではないかと思いますので、この準備物資リストに、新興感染症対策物資を加えて準備することがベターではないかと思います。
    台湾型の対策もよいのですが、システムを作るというのは非常に労力と時間がかかるので、既存のシステムをバージョンアップする方が運用しやすいです。そういうふうに考えると、自然災害のメニューの中に、地震、洪水などに加えて新興感染症もプラスした体制づくりを考えるほうが、より日本の状況にマッチしているのではないでしょうか。

    1. たい より:

       緊急措置法適用時に、一定の物資の購入には顔写真入りの身分証明書提示と購入申込書記載を義務化させれば一定の抑止力にはなりませんでしょうか。
       金融機関の犯罪収益移転防止法のノリで。
       守れていない小売店には行政処分と。
       

  19. 匿名 より:

    買い占めと言われても仕方ない行動を取ってしまいました。

    イタリアの品不足のニュースを見て思ったのは、
    もし日本の工場や配送業者に感染者が出たら2週間は物流がとまる可能性があるかもという事です。
    コロナが広がる可能性を実感していた時のことです。

    もしそんな前例が発生するとパニックになるかもと考え、お米、レトルト等の保存が効く食料品と、トイレットペーパーやポカリの粉末、熱さまシートなどのストックを備えておくようにと、子供へ連絡をしました。人の心の動きは読めないから。とメッセージを添えて。

    その二日後、子供からトイレットペーパーが売ってないけど何で?と連絡がありました。
    デマニュースが報道された日です。

    ネットもマスコミも買い占めの原因はデマだと決めていますが、原因はそれだけでしょうか。

    震災等で品不足を経験したこともあり、尚更イタリアのニュースは衝撃的でした。
    あのニュースを見て私と近い考えを想像された方も多いのではないでしょうか(個人的にはそちらの方が多い気がしてます)。

    我が家は災害に備えストックを常に置いてますが、平常時にこそきちんと準備をしないとダメですね。

    家族を守る者として危機意識が足りず反省しています。

    1. 団塊 より:

      いやいや日本中の小学生中学生高校生全員約50日も学校へ行けない、日本中が登校禁止なんだから。

      ると約50日間、日本中の学校のトイレットペーパーを使えませんね。
      その分、日本中の親が調達しなければならなくなった。
      そりゃあ、一瞬でお店からトイレットペーパーが消えますよ、日本中の親が家のトイレットペーパーが、なくなりゃお尻が拭けなくなるとペーパー購入し出したのだから。

  20. 簿記3級 より:

    スーパーの棚で周囲に圧倒的な威圧感を放つ辛ラーメンを二つ買い占めてみました。
    まさに市場の裏をかく行動。自分自身を褒めたいと思います。

    しかし卵を投入するのはいいとして圧倒的にうま味がないのでどうしたものかと困っています。

    家に在庫の少ないトイレットペーパーを本日やっと1袋(12ロール)400円で買えました。
    これで1か月は籠城できます。

    正月に福袋を買った時と同じ幸福感。商店街を歩く時に視線を感じました。
    都市部では少ないそうですが地方には結構、売ってるらしいと聞きましたので、地方はまた雰囲気が違うのかもしれませんね。

  21. 匿名 より:

    トイレットペーパーの買いだめは正しかったのではありませんか?
    実際、トイレットペーパーが店頭から消えて数日経ちますが、多くの店で在庫切れとなっているわけです。多めに購入した消費者は正しかった、ということになるでしょう。
    実際は流通に時間がかかっている、ということかもしれませんが、そうだとしても、「店頭に並ぶまでに時間がかかりそうだから、多めに買っておこう」と考えた消費者は、やはり正しかったことになります。
    ただし 正しいという意味は道徳的倫理的に正しいという意味ではなく行動原理上正しいという意味です。人間は後者に沿って行動します。「気高い人格者」は別にして。闇米を買わずに餓死した誰かのような人は稀です。

  22. 区民 より:

    トイレットペーパーのデマの件で米子の生協が謝罪文を出していましたね。
    なんでも生協職員がSNS上でデマを流したと。
    ネットで調べてみたら、2月末頃に既にこの職員の名前が晒されていました。
    影響力の無さそうな人のSNSに国民が扇動されて買い占めが発生したとは思えません。

    それより1~2週間前のネット報道を調べてみると、香港・シンガポールでトイレットペーパーの買い占めが発生しているとの記事が大手ポータルサイトに多々掲載されていました。
    多分テレビでも同様に大々的に報道されたのだと思います。(記憶に残っていませんが・・)
    報道する側は悪意を持って報道したつもりは無いのでしょうが(淡々と事実を報道しただけなのでしょうが)、それが結果として買い占めを扇動してしまったのでは?と思えてなりません。
    報道する側にはもっと注意深くなって欲しいと思います。
    本日月曜日も6:00PM台のニュースでアメリカでの買い占め報道が流れていました。
    これに煽られて、また買い占め騒動が勃発するのでは?と心配です。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告