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対韓仲裁手続付託通告 タイミングと狙いについて考えてみる

昨日、速報的にお伝えした『日本が仲裁手続の付託決定:国際的ルールで韓国を裁く第一歩』の続きを議論したいと思います。日本政府は自称元徴用工らの裁判の問題を解決するために、昨日、ついに仲裁手続の付託を韓国政府に通告しました。ただ、この仲裁手続への移行は、1月9日の外交協議申し入れからずいぶんと時間が経過しています。これについては以前から『徴用工判決問題に対する仲裁手続移行の遅れ、なぜ?』などでも触れてきたとおり、日本政府には「何らかの狙い」があった可能性があるのですが、本稿ではその「何らかの狙い」について、考えてみたいと思います。

仲裁手続発動

日本政府が韓国政府に対して20日、日韓請求権協定第3条第2項に基づく仲裁手続の付託を通告した話題については、昨日、『日本が仲裁手続の付託決定:国際的ルールで韓国を裁く第一歩』のなかで、速報的にお伝えしましたが、あらためて外務省の報道発表を再掲しておきます。

旧朝鮮半島出身労働者問題に係る日韓請求権協定に基づく仲裁付託(令和元年5月20日付 外務省HPより)

外務省の声明文は、次のとおりです。

  1. 昨年の一連の大法院判決以降、旧朝鮮半島出身労働者の問題に関し、日本政府は、韓国政府に対し、国際法違反の状態を是正することを含め、適切な措置を講ずることを強く求めてきました。しかしながら、現在のところ具体的な措置がとられる見込みはありません。
  2. 1月9日に日韓請求権協定に基づく協議を要請してから4か月以上経過し、その間、累次にわたる我が国からの求めにもかかわらず、韓国政府は協議に応じませんでした。
  3. さらに、原告側による日本企業の資産差押えの動きが進んでいる中、5月1日には売却申請を申し立てた旨の発表が行われました。
  4. 日本政府として、このような事情を総合的に勘案し、協定に基づく協議によっては、本件を解決することができなかったものと判断し、本20日午前、協定に基づく仲裁付託を韓国側に通告しました。韓国政府は、仲裁に応じる協定上の義務を負っており、日本政府として、仲裁に応じるよう強く求めます。

外務省がいう「旧朝鮮半島出身労働者」とは、当ウェブサイトでいうところの「韓国人自称元徴用工」のことです。

「旧朝鮮半島出身労働者の問題」とは、昨年10月30日、当時の新日鐵住金(現在の日本製鉄)に韓国の大法院(最高裁に相当)が韓国人自称元徴用工ら原告への損害賠償を命じて以来、自称元徴用工らが日本企業を相手取った訴訟を頻発させている問題のことでしょう。

また、大法院で敗訴が確定している日本製鉄や三菱重工、高裁レベルで敗訴した不二越の3社の原告側代理人らは、これらの会社の在韓資産を差し押さえており、このうち日本製鉄と不二越については、差し押さえられた合弁会社株式の売却の申し立てが行われている状況にあります。

最大の疑問点

なぜこのタイミングだったのか?

さて、昨日は「速報」だったので論じ足りない部分が多々ありましたが、そのなかでもっとも大きな論点とは、「なぜこのタイミングだったのか」、という点であり、今年2月時点で当ウェブサイトに掲載した『徴用工判決問題に対する仲裁手続移行の遅れ、なぜ?』とも重なる論点です。

先ほどの外務省の声明文によると、今回、日本政府が韓国政府に対して仲裁付託を通告した理由は、大きく2つあります。

1つ目は、今年1月9日に日本政府が日韓請求権協定第3条第1項に基づく外交協議を申し入れてから4ヵ月が経過するにも関わらず、いまだに韓国政府からの回答がないこと。2つ目は、韓国側で5月1日に日本企業の保有する資産の売却が申し立てられたことです。

もしかすると、これに加えて『徴用工と瀬戸際外交:放置すれば日本の選択肢が増えるのも事実』でも紹介したとおり、韓国の李洛淵(り・らくえん)首相が先週15日、

司法手続きが進められている事案に対し、政府対策を打ち出すには、基本的に限界がある。さまざまな論議をしたが、結論は限界があるということ(※下線部は引用者による加工)

と述べたということも影響しているのかもしれません(※ただし、これはあくまでも私の憶測ですが…)。

また、読者の方々からは、これに加えて「徴用工判決から約半年が経過し、日本企業も『脱韓国』の準備ができつつあるからだ」、「米国の韓国切捨てとうまくタイミングが合致している」、といった仮説のご呈示もいただきましたが、当ウェブサイトの読者様は、本当に鋭いと思います。

さらに、インターネット上では「G20を前にしたタイミングで、訪日する文在寅(ぶん・ざいいん)大統領に踏み絵を突き付ける良い機会になる」、「米国のドナルド・J・トランプ大統領と何らかの示し合わせができている」、といった説も流れているようです。

(※ただし、「トランプ大統領との示し合せ」云々の下りについては、私自身はその具体的証拠を得る立場ではないため、本稿ではそれを「事実」として扱うことは控えたいと思います。)

「なぜこのタイミングで仲裁手続を決めたのか」について、考えられる説明の例
  • 日本政府の外交協議申し入れから4ヵ月が経過したのに、韓国側が何ら回答をしないから(李洛淵首相自身も匙を投げたから)
  • 差し押さえられている日本企業の資産の売却手続が取られたから
  • 昨年10月30日の大法院判決から半年が経過し、日本企業の間でも「韓国切捨て」の準備が整いつつあるから
  • G20直前のタイミングで、訪日する文在寅大統領に一種の「踏み絵」を突き付ける良い機会になるから

やはり不自然、本当の理由とは?

ただ、私は仲裁手続への移行が「このタイミング」となったことについては、これらの理由だけではないと考えています。それを考えるヒントが、「韓国側で原告側弁護士らが、わざわざ換金し辛い資産を選んで差し押さえている」、という点にあるのではないでしょうか。

そもそも論として、当ウェブサイトではかなり以前から、韓国側で非上場株式の差し押さえが続いていること自体、「なぜわざわざ換金し辛い資産を選んで差し押さえるのか」、という点に注目して来ました。

この疑問点に対する私なりの結論は、韓国側が「どうせ日本は仲裁手続などの手段を講じて来ない」と見透かしたうえで、一種の「瀬戸際外交」をやっている、というものです。

実際、『あまりにも予想どおり!自称元徴用工らが「基金構想」提示へ』で紹介したとおり、原告側代理にらは、日本製鉄や不二越の保有する株式の売却手続と並行して、日韓両国政府・企業が参加する「2+2基金」構想を、「年内に」、日韓両国政府に提示する方針を示しています。

つまり、原告側の本当の狙いは、資産の強制売却を通じた賠償金の獲得にあるのではなく、基金ないし財団方式で、もっと気軽に、もっと簡単に、自称徴用工らが日本企業からカネをむしり取る仕組みを作ることではないかと思うのです。

その意味で、「売却するぞ、売却するぞ、今度こそ本当に売却するぞ!」と言い続けて日本企業を脅していながら、なかなか資産売却が実現しないのも、結局のところ、彼らがやっているのが北朝鮮と同じ「瀬戸際外交」である、という証拠でしょう。

少し「深読み」:彼らの裏の裏をかく戦略?

ただ、こうした韓国側の原告団の狙いを、最初から日本政府が見抜いていたとしたら、話は変わってきます。

日本政府は、昨年10月30日以降、本件を巡っては「韓国が適切に問題を解決しなければならない」として、韓国政府に対し、一貫して適切な措置を取ることを求め続けて来ました。

ただ、それと同時に、日本政府はさまざまな経済制裁手段を持っているにも関わらず、具体的な制裁措置は何1つとして講じず(※)、このことが、韓国側弁護団が「瀬戸際外交」を繰り広げることの一因になっていたことも事実でしょう。

(※厳密には『実は対韓制裁、始まっていた?韓国メディアの気になる報道』でも触れたとおり、日本政府による韓国に対するサイレント型の経済制裁が密かに始まっているのではないか、という可能性もあるのですが、この点についてはひとまず措くとしましょう。)

ということは、今回、日本政府は原告団らの「裏の裏」をかき、「日本政府がなかなか仲裁手続に踏み切らないこと」を通じて、韓国側に対し、「日本政府は何をやっても対抗措置を取らないよ」という誤ったメッセージを、わざと伝えていた、という可能性が浮上して来るのです。

いわば、それをやることによって、韓国側が日本に対して「やってはいけないこと」を仕掛けて来たという既成事実を積み重ねることで、日本にとってより有利になるように時間稼ぎをした、ということではないでしょうか。

この仮説が正しいかどうかはわかりません。

しかし、実際に韓国側の弁護士らは、この瀬戸際外交の対価を、「仲裁手続通告の呼びに水にした」という責めを負わねばならないという形で支払うことになりそうです(もちろん、今回の仲裁手続自体が日韓関係破綻の直接のきっかけになると短絡的に考えるべきではありませんが…)。

これこそまさに「因果応報」でしょうね。

日本政府の狙い

仲裁手続の本当の狙いとは?

これまで当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』では、「なぜ日本政府は仲裁手続に踏み切っていないのか」、「日本政府は仲裁手続に踏み切るべきだ」、と、頻繁に主張して来ました。直近では『「日韓首脳会談見送り」とサイレント型制裁の関係を考察する』のなかで、次のように申し上げています。

日本政府は韓国側から仕掛けられているさまざまな不法行為に対し、現在、明確な経済制裁に踏み切っていません。

いや、それどころか、『徴用工判決問題に対する仲裁手続移行の遅れ、なぜ?』でも触れたとおり、日韓請求権協定に基づく仲裁手続にすら踏み切っておらず、これはまことに不可思議というほかありません。

日韓請求権協定第3条第2項・第3項によれば、仲裁委員会の設置までに最大60~90日の時間が必要であり、この期間に韓国側が仲裁委員会の設置に協力しなければ、仲裁手続自体が成立しません。

しかし、逆に言えば、「韓国が仲裁委員会の設置に同意しなかった」という実績を作れば、そのこと自体が「韓国は国際法を守らない国だ」ということを、全世界に対して見せつけることができるわけであり、なぜ日本政府がそれをやらないのかが謎なのです。

日本政府が2月初旬に仲裁委員会の設置を申し入れていれば、ちょうど今ごろ、「韓国の日韓請求権協定破り」を確定させることができたはずです。そののちに、韓国に対する経済制裁をじっくりと検討する、という流れが理想的だったのではないでしょうか。

つまり、私自身の理解に基づけば、仲裁手続とは、「どうせ韓国は絶対に応じない」という前提で、「韓国の国際法違反」を確定させるために実施するものです。

いわば、日本政府としては韓国による国際法違反に対し、①粘り強く対話による解決を図り、②条約に基づく仲裁手続を経て、それでも解決が付かないため、③「次の手段」に出る、というものです。

おそらく、日本政府としても、韓国政府がこの仲裁手続に応じないことを見越しているのでしょう。

そのうえで、今度は国際裁判なり、経済制裁なりの手続を踏んで行く、ということです。

もっと深読み:「韓国処分」

ただし、「なぜこのタイミングだったのか」という疑問に対し、さらにもう1つ、別の答えがあることもまた事実です。

先ほどの、「時間稼ぎをしてわざと韓国側で資産差押えなどの自爆を誘発した」という仮説よりも、さらに深読みかもしれませんが、敢えて申し上げておくと、「日本政府が自称元徴用工裁判問題を奇貨として、もっとさらに本質的な問題の解決を目論んでいる」、という仮説です。

その本質的な問題解決とは、戦後清算です。

そもそも、1965年の日韓国交回復自体、日本が米国との関係で、やむなく韓国との国交を開き、経済支援を含めて韓国の面倒を見る、という性質があったことは否めないでしょう。実際、当時の韓国は、日本にとっては、曲がりなりにも防共の砦(とりで)という位置付けを有していました。

しかし、韓国は「日本にとって自国が防共の砦になっている」という位置付けを最大限悪用し、これに歴史問題をでっちあげるなどして、日本に対して猛烈な用日戦略を取ってくる、一種のモンスターのようになってしまったのです。

いまや、韓国は、金泳三、李明博、朴槿恵の各元・前大統領の時代には中国と組んで日本を懲らしめようとして来たり、金大中、盧武鉉、文在寅の各元・現大統領の時代には北朝鮮と組んで日本を懲らしめようとして来たりしています。

さらに、日本の虎の子の技術などを公然と盗み出し、日本から多額のカネを借り、さらには慰安婦問題や徴用工問題を捏造して日本政府・日本企業・日本国民からカネを強請ろうとしているのです。

そう考えていくならば、今回の仲裁手続も、「韓国を散々泳がせておいて、決定的なことをやらせたうえで、一気に韓国を切り捨てる」という「韓国処分」の一環だ、という可能性が出て来ます。

レーダー照射してくる国が友好国なのですか?

もちろん、この「韓国処分を一気に行うために、仲裁手続をここまで引っ張った」、という考え方は、さすがに深読みのし過ぎかもしれません。ただ、現実に韓国が日本に対して仕掛けていることを踏まえるならば、荒唐無稽だとまでは言い切れないはずです。

日韓友好論者の世界では、韓国と友好関係を維持することで、日本にはさまざまなメリットがもたらされていることになっているようですが、その1つが、「朝鮮半島を日本の防衛ラインにすること」です。

日韓間にはさまざまな歴史懸案があることは事実だが、防衛協力という意味では日韓両国は密接な関係を持っており、北朝鮮や中国、ロシアに対峙するうえでは韓国との防衛協力は欠かせない。

こんな言説が、まことしやかに唱えられているのです。

では、逆にそのように主張する方にお伺いしたいのですが、日本は火器管制レーダーを自国の哨戒機に照射して来るような国とも「軍事協力」する国なのでしょうか?レーダー照射は一歩間違えば準戦闘行為であり、明白な敵対行動ですが、そのような敵対行動を取る国が日本の友好国だとでも言うのでしょうか?

あるいは、ときの政権に応じて北朝鮮に擦り寄ったり、中国に擦り寄ったりしながら、反日という点では行動が一貫している韓国の「ツートラック」式対日外交が、本当に日本の国益に資するとでもお思いなのでしょうか?

今後の展開

このように考えていくと、今回の徴用工判決問題とレーダー照射事件、それから文喜相(ぶん・きそう)国会議長による上皇陛下侮辱事件は、いずれも日韓関係を清算するための、絶好のチャンスといえるのかもしれません。

さしあたっては、日本は自称徴用工問題への対処を巡って、最大で60日ないし90日かかる仲裁手続を、粛々と進めるべきでしょう。

ただ、その間に、韓国が北朝鮮の瀬取りに関与したという明白な証拠を掴むことができるならば、仲裁手続不成立直後に、徴用工判決問題に加えて北朝鮮核開発問題に対するセカンダリー・サンクションとあわせて、英米仏豪加などと協調して韓国への制裁を加える、というのは1つの方策でしょう。

あたりまえの話ですが、日本政府の義務は日本国民の平和と繁栄の確保にあります。

徴用工判決問題だけでなく、ありもしない歴史問題を捏造し、全世界で慰安婦像の建立を続ける韓国という国の日本に対する不法行為を排除する義務は、日本政府にこそあるのです。

オマケ:韓国にとってはチャンス?

ところで、日韓請求権協定第3条第2項・第3項に基づく仲裁手続については、当ウェブサイトでも今年2月時点で、『徴用工問題と国際裁判への道 日韓請求権協定第3条を読む』のなかでじっくりと説明しています。

ここでは原文をざっくりと要約しておきましょう。日韓請求権協定第3条に定める主な手続は次の①~④です。

  • ①日韓両国で紛争が起これば、まずは外交の経路を通じて解決してください。
  • ②①で解決できなければ、まず30日以内に両国が1人ずつ委員を選び、その2人の委員が次の30日以内に日韓以外の第三国からもう1人委員を選び、その3人で仲裁委員会を組織して議論してください。
  • ③②の期間内に片方の国が期限内に仲裁委員を選ばなかった場合や、第三国をどこにするか合意できなかったときは、仲裁委員会の人選自体、第三国にお願いし、30日以内に選んでもらいましょう。
  • ④出た結論には従いましょう

このうち、今年1月9日時点で日本政府が打ち出した措置は、この①の部分(外交を通じた解決)です。そして、日韓請求権協定上は、①の部分での解決がはかれなかったときに、②の第三国を通じた解決の手続を定めているのです。

そして、条文上、②の手続には最大で60日間必要です。しかし、

  • (1)日本政府が仲裁を申し入れてから30日以内に、韓国政府側が仲裁委員を指名しなかった場合、
  • (2)日本政府が仲裁を申し入れてから30日以内に韓国政府が仲裁委員を指名したものの、日韓両国政府が指名した仲裁委員が「第三国」をどこにするかで合意できなかった場合、

には、上記③の手続(仲裁委員会の人選自体を第三国に依頼するという手続)に移行しますが、この場合だと、(1)の場合には最大で60日、(2)の場合だと最大で90日の期間が必要です。

予想される日程(土日祝を無視)
  • ①2019/05/20 仲裁手続通告
  • ②2019/06/19 韓国政府による仲裁委員指名期日(①+30日)
  • ③2019/07/19 ②の期日に韓国政府が仲裁委員を指名した場合、第三国委員を指名する期日
  • ④2019/07/19 ②の期日に韓国政府が仲裁委員を指名しなかった場合、仲裁委員を出す第三国を指定する期日
  • ⑤2019/08/18 ③の期日に第三国委員が指名できなかった場合、仲裁委員を出す第三国を指定する期日

ところで、韓国にとってのウルトラCが1つあります。

それは、日本が求めて来た仲裁手続を「受けて立つ」ことです。

いや、もっと言えば、韓国が仲裁手続で「負ける」ことを前提に、90日間ギリギリを使い、時間稼ぎをしながら仲裁手続に移行し、外圧を使ってこの問題を解決する、というのは、じつはとても賢い選択肢です。

韓国国内では、自称元徴用工らは、いまや自称元慰安婦と並ぶ社会的な特権階級になりつつありますし、「自称元徴用工利権」は韓国国内で神聖視され始めていて、もはや韓国政府が下手に手を付けようとしても、国民感情の反発で手が付けられない状況にあります。

そうであるならば、「国際法」をタテに、仲裁手続の結果、「韓国政府が適切な立法措置を講じなければならない」といった結論を出してもらい、韓国政府はそれを国民に対して「呑ませる」ことで、辛うじて日韓関係の破綻を回避するのです。

ま、現在の文在寅政権にそこまでの知恵があるとは思いませんが…。

新宿会計士:

View Comments (53)

  • なかなか力の入った文章で、知りたいことをダイナミックににまとめていただきました。読みごたえがあります。ありがとうございました。

  • 文氏は、「日韓関係を破綻を回避する知恵」には興味がないし、その「知恵」を彼は必要と感じていないのではないかと思います。彼が日韓関係が破綻しても構わないと考えているとすればそうなります。
    更に、北朝鮮を援助する為には米韓関係の破綻もやむを得ない、又は現在の米国との関係を切ってこそ、北朝鮮を含めた半島全体が彼にとっての理想に近づくと考えているのではないかと思えます。そして、その場合に生じる経済的な混乱や安全保障上の問題は、中国に徹底的に事大することによって乗り切れると見込んでいるのではないでしょうか。
    米軍に勝利しアメリカを追い出したベトナムに、文氏が強い憧れを抱いているのはご存知の通りです。
    そしてつい先日、「中国の夢」に付き従うことを公に表明したのも彼自身です。

  • 日韓請求権協定そのものを否定している韓国側と協定に基づくハナシアイをしている日本??
    外務省は戦略的にタイミングなど考えていないし はなから「戦略」などありません。手が空いたからやっただけでしょう。買いかぶりです。

    • 「おい あの件どうなってる?」
      「何の件ですか?」
      「ほら日韓請求権協定のチューサイだよ」
      「あ あれね そろそろやらなきゃね」
      「議員がうるさいから やっとけよ」
      「わかりました。ちょうど手が空いたので 直ぐすませますから」
      「頼むぜ 怒られるのは俺だからね」
      「こっちにも 外にいっぱいやらなきゃいけない仕事があるんだよね。まったく・・」
       

    • 結局日本人は自分では動けず 誰かに認めてもらいたい 誰かに決めてもらいたい という病気なのです。
      ユネスコ世界遺産と同じです。べつにユネスコの外人の誰かさんにお墨付きをもらわなくても 日本人が誇りとなるものは外人に認めてもらわなくてもいいのですけどね。
      対抗措置とか制裁も 誰かの目を気にして 世界の人が認めてくれないとダメとかばかり考えて時機を逸してしまうのでしょう。ところで 「世界の国」っていったいどこの国のことですか? 世間の目って誰?

  • 新宿会計士様の推論に全く同意の状況に思います。その上で韓国との戦後清算(韓国切り捨て)にはいくつか条件があるように思います。
    1.ゴールポストを動かされない環境構築(文大統領が失職しても次の大統領が手のひら返して関係改善に動ける状況にないだけの韓国内の世論形成)
    2.日本の世論形成と国民の合意(選挙などで)
    3.米韓同盟の解消の実現(韓国の中国への依存)と、日本が北朝鮮と直接交渉できる環境構築(長い期間必要となる核廃棄及び経済制裁の交渉、中韓への牽制手段確保)
    4.日本の防衛体制/能力強化及び集団的自衛権の体制強化(ダイヤモンド構想の発展、インド、オーストラリアとの防衛協力)、憲法9条の改憲による国軍明文化
    5.中国の国際影響力の低下(中国覇権主義の自由主義陣営内の共通認識)
    以上の流れは安倍総理の構想からも大きく外れて無いと思われますし、条件が整いつつあると愚考ながら推察しております。
    その上で、韓国切り捨てに対する経済的影響の予測を始める必要は高くなっていると思っております。

  • 会計士さん、いつも興味深い評論を読ませて頂き有難うございます。(その2) says:

    上記の小生の文章を訂正します。
    「日韓関係を破綻を回避する」→「日韓関係の破綻を回避する」
    すみません。

  • 話し合いは、『合意したことはお互いに守る』という事が、前提条件です。
    話し合いで何らかの解決策が決まっても、または仲裁手続きで韓国が負けても、それを”守る”事をしなければ意味ありません。もっとも、韓国が負けるという事を既定路線にしてはいけませんが・・・・
    仲裁に参加してくれる国/人だって、聖人君子とは限りません。自国・自分の利益を最大にするよう判断を下すでしょう。
    日本人は、お人よしすぎるのかな。一個人だったらそれでもいでしょうが、多数の国民を抱えている国家としてだったら、”平和を愛する諸国民の信義に期待する”だけでは、危険でしょう。

  • 久々のアジアンレポートです。
    先日の速報でもありましたが、日本政府が、徴用工問題について第三者を交えた仲裁委員会の設立を要請に踏み切りました。やっとです(笑)。
    レポートの内容もそうかなと、読んでみたら少し違う。第三者委員会が設立されたら、その国の調停で、韓国政府の狙う基金設立の提案に導かれる可能性がある。という懸念です。
    第三者に指名された国は、あくまでも第三者です。過去の日韓協定で既に解決済みであることを知っているとは限らないし、知っていたとしても自国に利がないかぎりは、日本の味方をするとは限らない。
    韓国政府はそこを狙っているという指摘です。

    <徴用工問題:仲裁委員会開催を要請 もし日韓両政府での基金設立案で応じられたらかなりやっかい>
    http://asian-reporters.com/choyokochusaisyaiinnkai/

    長い歴史の中で、ゆすりたかりで生き延びてきた民族です。見過ごせない指摘だと思いました。
    対日本で握った金蔓を1000年のものにするため、放置の姿勢を取りながら、案外、韓国政府は真剣だと思いました。

    • 私もアジアンレポートの記事を読みました。私も韓国政府は仲裁手続きに乗ってくると考えています。

      韓国政府の目的は、永遠に問題を解決させないことと、日本にその責めを負わせることですから、仲裁委員会で基金の設立を提案してくると思います。
      韓国政府の手は、議論を長期化、泥沼化させ、「基金の設立しか解決策はない」と思わせるように持っていきたいと思っているはずです。それを日本政府が拒否すると、「日本側が問題の解決を拒んでいる」と、非難することが目的です。

      したがって、第三国の委員には、韓国の意のままにできる可能性のある(買収されやすい or 経済援助等に乗りやすい)国を指名すると考えられます。
      この第三国の委員の指名が仲裁委員会での結論を決める大きなキーポイントになろうかと思います。

    • > もし日韓両政府での基金設立案で応じられたらかなりやっかい

      中々読み応えのある論考でした。基金設立案で韓国勝利の可能性は十分にありますね。そして、外務省はそういうった事態を予測せず「どうせ要請には応じない」と高をくくっている可能性も十分にあります。そしてWTO敗訴の二の舞、と…

      ま、私個人は、日本人が自力で「戦後清算」を行えるようになるためには、こういった外交敗北を経験しないといけないと思い始めましたので、徹底的に負けるのも悪くないと思います。

      外務省の事なかれ主義、政治家の勉強不足、国民の無関心、これらを変えるためには、何らかのショックが必要なのです。

      世界には日本に敵対する国家が存在するのに、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」などという「てにをは」が怪しい寝言を信じて、「とりあえず謝っておけば何とかなる」とかいう思考停止を続ければどうなるのか、味わってみましょう。

      • 阿野煮鱒様 

        >ま、私個人は、日本人が自力で「戦後清算」を行えるようになるためには、こういった外交敗北を経験しないといけないと思い始めましたので、徹底的に負けるのも悪くないと思います。

        怖いことおっしゃらないで下さい。これで敗北するということは、単に私たちの世代の事なかれ主義の対価では済まないのですよ(泣)。
        阿野煮鱒様の子や孫、いえ子々孫々に渡るものになります。かといって、しがないおばさんの身では祈ることしかできないのが情けないことですが・・・
        阿野煮鱒様が嘆き怒り、ついにはあきらめようとなさっていることは、ご推察いたします。がこれは現在成人している者だけが負うものではないのです。
        お願いします。見放さないで下さい。

  • いつも知的好奇心を刺激する記事の配信ありがとうございます。

    外交の常識的に考えると仲裁する国はアメリカ、中国、ロシアになるでしょう(怖)。

    極東の問題解決には「周囲の大国が責任を持って協議、決定する」べきだと正論で中ロが主張するとアメリカが正論をはねのけるのは難しいと思うからです。

    さて、米中ロの仲裁委員会で日本の主張に勝ち目はあるのでしょうか(笑)。

    冗談はともあれ、仲裁委員会の構成国はどうなると皆様はお考えでしょうか。

    選定理由もつけて書かれると有難いです。

    以上です。駄文失礼しました。

    • うーむ。面白い考察ですね。
      とち狂って中国・ロシアあたりに泣きつく可能性も確かにありそうですね。
      価値観を同じくする自由民主主義陣営内の国を指定せずに、レッドチームに擦り寄って、トランプに思いっきり殴られたら良いのです。

      ですが、ここはザンビアに一票入れたいと思います。
      なにせ血盟なんですからw

  • 更新ありがとうございます。

    仲裁は第3国も決めれず(韓国は無視)、結局ICJに行く事になるでしょう。文大統領ら進歩派は対日関係を潰しても構わないぐらいの気持ちです。相手にしていない。今迄の無礼千万で分かりきってます。

    保守派は用日で関係を保ちたいだろうが、それぞれの思惑もあって文打倒まで行かないでしょう。
    日本はコイツらに関わってはいけない。粛々と世界の裁定に出すだけです。

    最終的に徴用工事件の判定が出たら、「2度と蒸し返さない、日本を貶める発言、行動をしない」を遵守させ、大統領が変わろうが徴用のちの字さえ言えないと命令する。というか加日本は関知せず助けない。

    米韓同盟という鎖が断たれれば、日米で豪、印、加、台等と自由の環が固く結ばれます。

    • >2度と蒸し返さない、日本を貶める発言、行動をしない」を遵守させ、大統領が変わろうが徴用のちの字さえ言えないと命令する。

      そうなんですけどね。
      そもそもの問題として、「条約を守っていない」時点でICJでの判決にはあまり意味が無いかもしれませんね。
      そもそも守る気が無いんですから。

      ですが、そういった無法行為を行っている国であるという事を世界に知らしめる意味では効果がありそうです。
      今回の問題をきっかけに、彼らがいかに無法な国家であるかが判る事実を、世界の表舞台で一つ一つ積上げてゆき、世界からの圧力をかけていくしかないんでしょうね。

      • 通りすがり様へ

        全く同意です。
        仲裁にしろ、ICJにしろ、その結果を韓国が遵守するだなんて思っていません。
        しかし衆人環視の中で決定を下し、かつ韓国がそれを守らないと言うことを満天下に晒すと言う点に意義があります。
        そうなれば大っぴらに「制裁」が課せますから。

  • 私なりの想像ですが、韓国が仲裁委員を決めない場合最短で60日後に、このプロセスが終了します。
    今までの韓国の対応を見れば、可能性はかなり高いと思います。
    60日後は、参議院選投票日の前日となります。
    この日にICJ提訴のカードが、自民党の手に入ることになります。これに制裁を加えると、選挙結果に影響を及ぼすことは確実と思います。
    政府の狙いが、衆参同時選挙で、消費税を上げ、与党が苦戦という情勢分析がされた時の切り札という見方は、どうですか。

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