じつは中星為替スワップが失効?事実なら、「大ニュース」だ

先日の『通貨・為替スワップに関する雑学:人民元建てスワップの伸長』では、人民元建ての通貨スワップと為替スワップについて調べてみました。また、昨日の『ASEAN「ローカル通貨」スワップ構想の続報と検討課題』でも、人民元のスワップについて少し触れたのですが、せっかくなので、現時点で調べた「世界には人民元建てのスワップはいったいどのくらい存在するのか」という論点を紹介するとともに、以前から当ウェブサイトで申し上げている「通貨の国際化」と「人民元の後進性」について、もう少し突っ込んで議論してみたいと思います。

やっぱりおかしい!人民元

ご存知の方も多いと思いますが、私自身は「金融規制の専門家」を名乗っており、対外・対内資金フロー分析など、とくに「数字」を基にした議論を得意分野としています。

これに対し、マスコミ報道を眺めていると、日本のメディアはどうも「数字」という議論が苦手であるようです。だからこそジャーナリストでも学者でもない、ただのビジネスマンである「新宿会計士」のウェブ評論サイトに、これだけのアクセスが集まっているのかもしれません。

マスコミに「数字を基にした議論」ができない実例を挙げましょう。

2016年10月に、中国の通貨「人民元」が、国際通貨基金(IMF)の「自由利用可能通貨」(Freely-Usable Currency)に指定され、特別引出権(SDR)の構成通貨に含められる、という「事件」がありました。

これを受けて、『朝日新聞デジタル』が喜々として、「人民元がメジャー通貨になった!」などと狂喜乱舞したのですが(『SDRと人民元と「国際通貨」』参照。ただし、朝日新聞の記事自体はリンク切れ)、実際の人民元の利用度合いを見ると、どうも国際的な通貨としては怪しい限りなのです。

あれから3年近くが経過し、人民元は外貨準備の組入れ通貨としても、外為市場における取引通貨としても、徐々にシェアを伸ばしていることは事実ですが、ただ、3年前の「IMF騒動」のときと比べると、人民元国際化の速度は極めて緩慢であると言わざるを得ません。

また、中国共産党が設立した国際開発銀行が、AIIB、つまり「アジアインフラ投資銀行」(※「アジア・インチキ・イカサマ銀行」、ではありません!)ですが、『AIIBと人民元―失敗しつつある中国の金融戦略』で触れたとおり、このAIIBも目論見では人民元の国際化に寄与するはずでした。

しかし、AIIB自体、融資案件数、融資実績はいずれも「鳴かず飛ばず」の状況にあり(『「バスに乗り遅れた日本」と鳴かず飛ばずのAIIBの現状』参照)、そもそも中国のインフラ金融支配という目的は、出だしから大きくつまづいた格好です。

「バスに乗り遅れた日本」と鳴かず飛ばずのAIIBの現状

また、中国は「適格外国機関投資家」(QFII)という制度を採用しているのですが、これは、簡単に言えば、「中国が認めた限度額まで中国に証券投資をしても良い」という制度のことです。

しかし、こんな制度は主要国には存在しません。なぜなら、日米英欧などの主要先進国の場合は、外国人投資家が自国に証券投資を行うのは原則として自由だからであり、逆にいえば、中国の通貨・人民元がいかに使い勝手の悪い通貨であるか、という証拠でもあります。

結局のところ、不透明な外為相場を改めようともせず、国内の資本市場を外国に対して開放しようともしないくせに、人民元を国際的に通用する通貨にする、という構想には、かなりの無理があるのではないでしょうか。

(※もっとも、中国が資本市場を開放した瞬間、中国から猛烈な資本流出が発生するとともに、人民元が暴落する可能性も高いため、人民元はこのまま当面、中途半端な状態で留まると思いますが…。)

人民元スワップ

人民元建てのスワップについて調べてみた

ところで、先日の『通貨・為替スワップに関する雑学:人民元建てスワップの伸長』では、「人民元建てのスワップ(二国間通貨スワップ、二国間為替スワップ)が増えている」という話題を紹介しました。

通貨・為替スワップに関する雑学:人民元建てスワップの伸長

中国の通貨当局(中国人民銀行)や中国政府はウェブサイト上、スワップに関する詳細な情報を開示しておらず、あくまでも相手国の中央銀行を手掛かりにして集計するしかありません。

先日の記事で、中国が外国と締結している通貨スワップや為替スワップについては、「ざっと集計しただけでも3兆元を超えている」と申し上げましたが、その後じっくりと調べてみると、スワップの契約相手国は確認できただけでも30ヵ国近くに達していて、金額も3.5兆元を超えているようです。

ここで、中国が外国と締結しているスワップについて、改めて調べてみた結果を提示しておきたいと思います。

現行のスワップは20件前後

ただ、先日の記事では「人民元建てのスワップは3兆元を超えている」と申し上げてしまったのですが、いろいろ調べていくと、これらのなかにはすでに失効済みのスワップ(あるいは失効済みの疑いが高いスワップ)もたくさんあるようです。

中国が外国と締結するスワップ協定は期間が3年のものが多いのですが(※これは日本などでも事情は同じです)、たとえば、当初結んだスワップ契約を「更新した」と明確にウェブサイト上で発表している場合と、そうでない場合があるのです。

まず、現時点でも有効と思われる人民元建てのスワップ(通貨スワップないしは為替スワップ)について調べたところ、少なくとも次の15件が存在するようです(図表1)。

図表1 おそらく現在でも有効な人民元スワップ(通貨スワップ、為替スワップ)
締結相手国と締結年月人民元相手通貨と上限
ハンガリー(2016年9月)100億元フォリント(上限不明)
欧州中央銀行(2016年9月)3500億元450億ユーロ
アイスランド(2016年12月)35億元570億クローナ
モンゴル(2017年2月)150億元トゥグルク(上限不明)
ニュージーランド(2017年5月)250億元50億NZドル
タイ(2018年1月)700億元3700億バーツ
オーストラリア(2018年4月)2000億元400億豪ドル
ナイジェリア(2018年5月)150億元7200億ナイラ
パキスタン(2018年5月)200億元3510億パキスタンルピー
マレーシア(2018年8月)1800億元1100億リンギット
日本(2018年10月)2000億元3.4兆円
英国(2018年11月)3500億元ポンド(上限不明)
スイス(2018年11月)1500億元210億スイスフラン
インドネシア(2018年11月)1000億元ルピア(上限不明)
アルゼンチン(2018年12月)1300億元ペソ(上限不明)
以上15ヵ国の合計1兆8185億元

(【出所】各国中央銀行または『一帯一路ポータル』から著者作成)

現在でも確実に有効に存在していると思われる人民元建てのスワップ取引の総額は1.8兆元少々で、これは1元=16.63円、1ドル=6.7177元と仮定すると、それぞれ約30兆円、2700億ドルに相当します。

1.8兆元といえば、それなりの巨額ですし、実際には図表1の諸国以外にも中央アジアやアフリカ、中東などとのスワップも存在しているようなので(※これらの情報についてはホームページ上確認できません)、人民元建てのスワップの件数は20ヵ国前後、金額は2兆元前後、といったところでしょうか。

引き出される可能性があるのは、先進国とのスワップ

ただし、この15ヵ国のスワップのうち、実際に相手国が引き出す可能性があるのは、おもに先進国5ヵ国と締結している、次の通貨スワップないしは為替スワップに限られるでしょう(図表2

図表2 人民元が引き出される可能性があるスワップ
締結相手国と締結年月人民元相手通貨と上限
欧州中央銀行(2016年9月)3500億元450億ユーロ
オーストラリア(2018年4月)2000億元400億豪ドル
日本(2018年10月)2000億元3.4兆円
英国(2018年11月)3500億元ポンド(上限不明)
スイス(2018年11月)1500億元210億スイスフラン
以上5ヵ国の合計1兆2500億元

(【出所】著者作成)

その意味は、これらの国・地域がいずれも国際的な金融センター(あるいは金融センターとまではいかなくても、それなりの規模の銀行が所在する地域)でもありますし、また、「オフショア人民元クリアリング銀行」の所在地だからです。

人民元のように不透明な通貨の場合だと、いざ市場の混乱が発生したときに、人民元の資金を引っ張ってくることができないという恐れがあります。このため、これら先進国の通貨当局は、「いざ」というときに自国通貨を人民元と交換する可能性があるのです。

失効したスワップ?

本当に存在するのか疑わしいスワップも多数

一報、ここ3年間で更新情報が確認できなかったスワップについては、件数、金額ともに意外と多く、次の13ヵ国・地域の中央銀行等については、果たしてそのスワップが本当に存在しているのか怪しい、という代物です(図表3)。

図表3 直近の更新が確認できなかったスワップ(為替スワップ、通貨スワップ)
相手国と年月人民元相手通貨と上限
香港(2011年11月)4000億元4900億香港ドル
ブラジル(2013年3月)1900億元600億レアル
パキスタン(2013年5月)100億元1400億Pルピー
韓国(2014年10月)3600億元64兆韓国ウォン
カタール(2014年11月)350億元リヤル(上限不明)
カザフスタン(2014年12月)70億元2000億テンゲ
南アフリカ(2015年4月)300億元570億ランド
ベラルーシ(2015年5月)70億元16兆Bルーブル
ウクライナ(2015年5月)150億元540億フリヴニャ
チリ(2015年5月)220億元2.2兆ペソ
トルコ(2015年11月)100億元30億リラ
ロシア(2016年3月)1500億元8150億ルーブル
シンガポール(2016年3月)3000億元Sドル(上限不明)
上記合計額1兆5360億元

(【出所】各銀行等リンクより著者作成)

もちろん、これらの諸国のなかには「ホームページ上の開示が十分ではない」という国も多く、「現実には中国とのスワップ協定を更新しているけれども、単にその事実を公開していないだけ」という可能性もありますが、自然に考えると「更新していない」ということでしょう。

ただし、なかでもとくに金額が大きいのは、香港との4000億元のスワップ(おそらくは為替スワップ)ですが、私自身は香港と中国との為替スワップについては失効していないと考えています。

その理由は、香港自体が中国の特別行政区でもあり、また、中国が誇る「オフショア人民元決済センター」でもあるため、香港で民間銀行が人民元の調達に苦しむような事態が発生すれば、中国自身にとっても不都合だからです。

このため、「中港為替スワップ」(4000億元/4900億香港ドル)については、現時点においても有効である可能性は高いと考えます。

韓国との人民元スワップは失効?有効?

一方で、韓国とのスワップ(おそらくは通貨スワップ)については、非常に微妙です。

というのも、中韓通貨スワップについては2017年10月10日で、いったんは失効したのですが、その後、韓国政府関係者が口頭で「中国がスワップ延長に応じてくれた」と述べているからです(『人民元 狂喜乱舞も落ち着いて 日本に擦り寄る韓国哀し』参照)。

また、これについては中国当局からの「延長した」という発表もありませんし、「すでに失効していて、韓国が通貨危機に陥ったときに中国にスワップの発動を要請しても断られる」、という可能性が極めて高いといえるでしょう。

(※もっとも、韓国が中国とのスワップを発動したところで、得られる通貨は人民元であり、米ドルではありませんので、韓国が通貨危機から脱却するうえでまったく役に立たない、という側面はありますが…。)

ただし、先日も申しあげたとおり、中国にとっては、韓国とのスワップについては「自国にとって都合が良い時に利用する」のに好都合でもあります。というのも、中国自身が通貨危機に陥りそうになったときに、韓国ウォンを韓国から引っ張り、それを外為市場で売却して米ドルを入手することができるからです。

もし、こんなことがなされると、中国が韓国を通貨危機に巻き込むことになります。しかし、中国は韓国を「都合が良いときに利用する属国」くらいにしか見ていないというふしもありますので、別に中国にとっては良心の呵責などないのかもしれません。

シンガポールとの為替スワップは失効?

ところで、図表3のなかで、非常に気になるのは、シンガポールとの3500億元のスワップ(おそらくは為替スワップ)です。

シンガポールは香港と並ぶ「アジアの国際金融センター」を標榜する都市国家ですが、どうも中国とのスワップがキレてしまっているように見受けられるのです。2016年3月に延長された人民元・シンガポールドルの為替スワップは更新期間が3年であるため、今年3月に失効しているはずです。

しかし、シンガポール通貨庁(MAS)のウェブサイトや「一帯一路ポータル」等を見ても、「星中両国は2019年3月に為替スワップを更新した」という情報は出ていません。シンガポールほどの国が、星中為替スワップの更新を行い、その旨をホームページに出し忘れるとは考えられません。

この点については、シンガポールのメディアなども調べてみたのですが、その背景についてはよくわかりません。もしかすると、香港を金融センターとして推す中国が、人民元クリアリングの世界でシンガポールの追い落としでも図っているのでしょうか?

それとも、シンガポールは「自国での人民元クリアリングの件数が少ないので中星為替スワップは不要」と考えたからなのでしょうか?

どちらの理由が正しいにせよ、仮にシンガポールと中国との為替スワップが消滅しているのだとすれば、国際金融の世界ではそれなりの大ニュースになりそうな気もします。

通貨国際化の覚悟

さて、当たり前の話ですが、自国通貨が国際化することには、良い面と悪い面があります。

良い面といえば、貿易を自国通貨建てで行うことができる点でしょう。

たとえば、「輸出」「輸入」といえば、どうしても米ドルなどの外貨を使うというイメージがありますが、実は、わが国の輸出は、現在、4割弱が円建てです(図表4)。

図表4 わが国の輸出通貨(2018年1~6月)
輸出先米ドル日本円ユーロ
米国86.1%13.5%0.2%
欧州連合(EU)15.2%29.0%50.0%
アジア46.8%46.6%データなし
全世界49.2%37.3%6.6%

(【出所】財務省『貿易取引通貨別比率』より著者作成)

それも、アジア向けに限ってみれば、円建て比率は50%弱にも達しているのです。

日本企業にとっては金銭債権債務の為替リスクを排除することができるため、円建ての貿易比率が高まることは、企業の為替リスク管理という面からは望ましいと言えます(※ただし、為替変動で与信リスクが高まるという点はリスクとして残るのですが、この点については本稿では説明を割愛します)。

ただし、自国通貨が国際化した場合に悪い面があるとすれば、資本フローを自国がコントロールすることが難しくなる、という点でしょう。

一般に「国際収支のトリレンマ」と呼ばれる命題があります。これは、

  • 為替相場の安定
  • 金融政策の独立
  • 資本移動の自由

という3つを同時に満たすことはできない、というものです(『【総論】金融政策の基本と「絶対逆らえないトリレンマ」』参照)。

【総論】金融政策の基本と「絶対逆らえないトリレンマ」

当然、中国当局が人民元を本格的に国際通貨化するのならば(=資本移動の自由を取るならば)、為替相場の安定か、金融政策の独立か、そのいずれかを捨てなければなりません。

しかし、14億人ともいわれる人民は、ホンネでは独裁者・毛沢東のご尊顔が刷り込まれた紙幣でカネを貯めたいとは思わないのではないでしょうか?そうなると、もし中国が資本移動の自由化に踏み切れば、その瞬間、中国人は保有している人民元を売って、米ドルや日本円などを買いまくるでしょう。

おそらく、中国にその決断はできません。

結局のところ、IMFのSDRに人民元が含められたこと自体、大きな誤りだったということが、いずれ明らかになるでしょう(※すでに明らかになっているのかもしれませんが…)。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 名無Uさん より:

    すごい分析だと思います。
    メディアが分析できなくても、誰かがやらねばならない仕事でしょう。本来は日本経済新聞あたりが出してこなければならないでしょう。なのに、まだまだシナに忖度(笑)している。
    特に、シンガポールとの為替スワップが失効しているご指摘には重大なものがあります。事実上、一帯一路の重要な結節点が切断され、中共の目論見は大きく頓挫していると見なくてはなりません。
    また、新宿会計士様は、韓国との通貨スワップは存在はするだろうが、実際は存在しないのと変わらない、と分析されているのですね。
    以前、中韓通貨スワップの成り行きで手痛い失敗を被ったことがありました。自分の予想が半ば外れていなかったことがわかり、少しだけ慰められました。

  2. 伊江太 より:

    3年前、IMFへの猛烈な工作の結果人民元をSDR構成通貨に押し込むことに成功したときには、あれほど高揚感に包まれていた中国だが、その後外為市場で人民元取引を自由化するなど国際通貨にふさわしい体裁を整える気配が全く見えない。キャピタルフライトへの中国政府の恐怖を考えればまあ当たり前のことで、あの国にとって、プライドさえ満たされれば後はどうでもいいのかなどと考えていたのですが、ルール無視は相変わらずのままで、人民元の影響力拡大のために裏では着々と手を打ってるんですね。ところで昨年秋に見つけたものですが、今回のテーマに関連するかと思われるビジネス記事をロイターが発信しています。

    「中国、不透明な通貨スワップ協定で他国への影響拡大 仏財務省が警告」
    <https://jp.reuters.com/article/france-china-swaps-idJPKCN1NB2T5

    (仏財務省は)こうした通貨スワップ協定が国の短期流動性に絡む経済の基礎的問題の隠れ蓑となりかねないと指摘。ウクライナやアルゼンチンを例に挙げ、「中国は金融的に脆弱な国々と協定を結ぶことで、他の国際機関に肩を並べるほどの影響力を手にしてきた。しかしそれは金融の安定性を脅かすものでもある」と警告した。

    と報道してるんですが、その「不透明」の内容だの「金融安定性を脅かす」理由などについて、具体的には一切書かれていない、まあぼろ記事です。おそらくは仏財務省のアナウンスメントはもっと内容のあるものだったはずで、中国の怒りを買うことを恐れたロイターがわざとその部分は省いたんじゃないかと思うんですが、伏せられた部分がどういうものだったのか、ご教示いただければ幸いです。

    1. 匿名 より:

      よく知らんけど、アリバイ作りでないの。SDR構成通貨にプッシュしたのはラガルドだし。いろいろアレしてもらってるの多いよ、知らんけど。

      1. 伊江太 より:

        なるほど、確かにあの当時からIMFのトップはフランス人でしたね。それなら、ロイター記事にあったフランス財務省のアナウンスは「あのIMFの判断はまずかった」と言ってるようなもので、アリバイ作りというより、かえってやぶ蛇になってるような気もするんだが。

        1. 匿名 より:

          よく知らんけど、イタリアが中国の軍門に下ってフランスは怒ってるフリしているのかも。今、イタリアとフランスの仲は悪いし、よく知らんけど。

    2. りょうちん より:

      フランス財務省のレポートってこれですかねえ。
      https://www.tresor.economie.gouv.fr/Articles/2018/11/06/tresor-eco-n-231-le-reseau-mondial-des-lignes-de-swap-entre-banques-centrales

      フランス財務省のHPに行ってchina swapで検索した一番新しい記事だと言うだけなんですが。
      第二外国語はドイツ語だったので、フランス語はさっぱりです(ドイツ語ができるとはいっていない)。
      フランス語に堪能な方が解説キボンヌ。

      1. 鞍馬天狗 より:

        りょうちんさんへ

        6人の翻訳先生で、読んでみた
        http://subpedia.org/translate/?sl=ja&tl=en&hl=ja
        言語明瞭なれど意味不明
        皆さん、フランス語は不得意みたいだ

      2. 伊江太 より:

        りょうちん様

        ご紹介ありがとうございます。フランス語がわからないという点ではご同様ですが、見た感じ、中央銀行間の通貨スワップが近年大幅に拡大していることを説明した文章のようで、Chineの語は出てきますが、ロイター記事にあったアルゼンチンやウクライナという記述は見当たらないので、多分これではないようです。

      3. 新宿会計士 より:

        りょうちん 様

        いつもコメントありがとうございます。
        該当するレポートはおそらく、ECBに掲載された “Central Bank Swap Lines” という資料から人民元建てスワップについての下りを仏語版でダイジェストにしたものでしょう。ECBレポートと同じ図表が出て来ています。とくに、

        En parallèle, la Banque centrale chinoise (PBoC) a développé des accords de swap pour l’octroi de renminbi (RMB), créant en quelques années un réseau important, et est ainsi devenue l’un des acteurs principaux dans le réseau international des lignes de swap avec 33 accords à hauteur de 460 Mds USD en 2017 (contre 25 Mds en 2008), majoritairement avec des banques centrales de pays émergents ou en voie de développement.

        の下りを、やや不正確ながら私の文責で意訳すると、

        「(米FRBの姿勢とは)対照的に、中国人民銀行は人民元建てのスワップを推進しており、わずか数年で世界最大のスワップ網を創設した。契約数は33件、金額は米ドル換算で4600億ドル(2008年では250億ドルに過ぎなかった)となった。これらの多くは新興市場諸国および発展途上国である。」

        といったものですが、通貨スワップと為替スワップについて厳密な使い分けがないなど、どうも若干粗削りな気がしますね。

        引き続き当ウェブサイトのご愛読並びにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

        1. りょうちん より:

          解説ありがとうございます。

          本来、通貨スワップは通貨危機を回避するためのシステムなのに、フランス財務省のレポートでは不安定性を増す構造になっていると主張しているのですよね。
          金融危機の「感染経路」としての通貨スワップと為替スワップの違いとか論じて貰えるとこの辺の論理が深まる様な気がします。

          まあ、小難しいこと考えなくても、「中国に深入りしてたら死ぬよ!」で済むんでしょうけど。

  3. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    人民元スワップの詳細、とても詳しく詰めておられ、感嘆しております。中国という不透明な国、やはりIMFの自由利用可能通貨となり、SDRに認定されるなど、噴飯ものでした。IMFへのロビー活動が凄かったんでしょう。

    ところで、中国が『失効したスワップ』『存在が怪しいスワップ』に韓国が入ってますね。中韓幹部の会合の途中に、席から出て来た韓国人幹部が韓国メディアに一方的に話しただけで、中国からは『韓国に聞け』と言われる始末(大笑)。

    信用出来る人居ますかね〜。韓国が締結しているのは、豪などゴク僅か。いざという時、中国に頼めば、引き換えに強烈なお土産を戴くことになる。いや、中国政府は『そんな話は存在しない』かな(笑)。まさか、日本には言って来ないだろう。幾ら厚顔無恥、耳聞こえなくても(爆笑)。

  4. りょうちん より:

    そうでしたか、残念です。

    しかし、オールドメディア系の記事に顕著なんですが、リファレンスへのリンクを記事中に張らないのはねつ造したいという心理が働いているんじゃないかでしょうかねえ。
    Webメディアだったら一行リンクのタグコードを挿入するだけで済みますし、新しいメディアのサイトだとちゃんとやりますよね。

    学術的な論文なら引用番号を付けて最後にすべてのポインターを事細かく書かないと受理されません。
    新聞記事というのは、おそらくどこの国でも大学程度は卒業した記者が書くものだと思うのですが、卒論や学位論文でそうしたお作法を教育されたはずなんですが、業界のぬるい根拠なしのフェイクニュースを量産するうちにすっかり忘れるんでしょうね。

    1. りょうちん より:

      うう、またレスのポイントがずれた・・・・

  5. カニ太郎 より:

    昨日から、このブログの内容が、なんだか気になってたのですが、漠然としてて自分でも何が気になるのかわからなかった。

    でも、桜花賞もグランアレグリアのレコードで決まり気持ちがスッキリした。
    そしたら、どこに違和感があったのか、段々わかってきた。

    まず、シンガポールとの通貨スワップが消滅したのなら大問題だというが、そうだろうか?
    中国がわざと情報を隠蔽してるのだろうか?
    私は、どうもそうは思えないのだが、単なるどうでもいい情報なのじゃないかな。
    そもそも、人民元が国際化をしようとしていないのは、元が暴落するからだろうか?
    そもそも、外資にQFII規制をもうけているのが、不公正なのだろうか?
    資本の自由化が起きたら、中国から資本が流出するのだろうか?
    中国人は、国民も元を信用してないのか?
    AIIBだって機能してないのか?
    各国の外貨準備高に人民元のシェアは増えてないのか?
    為替市場で人民元の取り扱い量が爆増してないのか?
    IMFがSDRに人民元を含めたのは間違いだったのか?

    ということなのでしょう。

    主さまはちょっと詰め込みすぎです。

    消化するのに1日かかりました。

    そして私の違和感もわかりました。

    それは、ズバリ、『じゃあ、なんで、世界の投資マネーは、中国を求めてるの?』ってことです。

    はっきり言って、中国に『不公正だ』と言うのなら、中国市場に参入しなきゃいい。

    でも現実はどうですか?

    上海証券取引所は時価総額で東京と変わらないとこまで来ましたし、取引額では東京を追い抜いてしまいました。

    そして忘れちゃいけないのですが、中国は深セン証券取引所もあって、そこも上海並みに取引されてて、さらにその隣には香港証券取引所があって、そこも盛況んだということです。
    3つ合わせたら、日本とユーロ圏合わせたより多いって事です。

    いくら中国が不透明だ、不公正だ、と言ったって、リアルマネーは正直です。

    もっと悪くいうと、ネガティブ情報をあえて流して、その隙に甘い汁吸おうとしてる勢力に、もしかして、主さまは踊らされてる可能性だってあります。

    世界は今投資先を求めてさまよっているリスクマネーが・・・たぶん一杯あります。

    ちょっと具体的にはわからないけど、ちょっと前に調べたら、世界の運用資金総額は160兆ドル(1京6,000億兆円)あるそうです。

    アメリカのトップ資産運用会社であるブラックロックは、その預かり資産が10兆ドルもあるそうです。

    あめりかは、資産運用会社上位3社だけで、預かり資産総額が20兆ドルもあるそうです。

    そんな投機マネーがどんどん中国に入っています。

    で、困ったことに、中国の方にだってマネーが溢れています。

    シャドーバンキング、と聞くともう怪しくて、ネガティブイメージしかありませんが、だったら世界の銀行ランキング見てください。

    英金融専門誌「ザ・バンカー」が2日発表した2018年の世界銀行ランキングで、中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行、中国農業銀行の中国4大銀行が1~4位です。
    5位でやっとJPモルガン・チェースです。

    世界の銀行時価総額ランキングでは、さすがに1~4位独占とはいきませんが、それでも
    3位中国工商銀行2,773億ドル
    5位中国建設銀行2,186億ドル
    6位中国農業銀行1,821億ドル
    9位中国銀行1,426億ドル
    12位三菱UFJ754億ドル

    だということです。
    中国は金持ちなんです。

    あと、忘れちゃいけないのが、政府系ファンドです。

    アブダビ投資庁とかサウジアラビア通貨庁とかです。
    投資家の間では巨額で運用するので有名ですが、いわゆる日本のGPIFみたいなものです。
    それでも、中国は凄い。

    ①アブダビ投資庁6,270億ドル
    ②ノルウェー政府年金基金6,110億ドル
    ③中国国家外国為替監理局5,679億ドル
    ④サウジアラビア通貨庁5,328億ドル
    ⑤中国投資有限責任公司4,396億ドル
    ⑥クウェート投資庁2,960億ドル
    ⑦香港金融監理局2,933億ドル
    ⑧シンガポール政府投資公社2,475億ドル
    ⑨テマセクホールディングス(シンガポール)
    ⑩カナダ年金制度投資委員会

    アメリカも中国も莫大な金を持っているのです。

    それに資源も人も軍隊も持っています。

    さあ、果たして、人民元は信頼できない通貨でしょうか?

    私には、そこまで酷い通貨だとは思えないんです。
    むしろ、投資するなら、円より安全じゃないかな(笑)

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