日韓スワップ:スイスで韓銀総裁が日本に秋波
日本側では「日韓スワップの再開の条件は慰安婦像の撤去だ」というのは常識ですが、この常識が通用しないのが韓国の恐ろしいところです。そして、韓国の中央銀行の総裁は、性懲りもなく、再び日韓スワップの再開に言及したようです。
目次
しつこい韓国の通貨スワップ待望論
またしても通貨スワップで話題が盛り上がっているようです。
韓国がスイスと通貨スワップ協定(BSA)を締結した話題については、当ウェブサイトですでに紹介しています(詳しくは『【夕刊】たかが100億フランに韓国が「狂喜乱舞」する理由』、『スイスは韓国の通貨危機を望んでいるのか?』などをご参照ください)。
ところで、インターネット上では、この記事が昨日あたりから非常に大きな話題となっているようです。
「韓・日通貨スワップの再延長を準備」韓銀総裁(2018-02-22 16:04:37付 MK NEWSより)
リンク先は韓国語のニュースを日本語、英語、中国語などに翻訳して表示するウェブサイトらしく、原文は韓国メディア『毎日経済新聞』に2月21日付で掲載されたものらしいです。リンク先の記事のうち、日本との通貨スワップに関連する部分を抜粋し、私自身の文責で要約しておきましょう。
- 李柱烈(り・ちゅうれつ)韓国銀行総裁は日本との通貨スワップに対する関心を表明した
- スイス訪問中の李総裁は現地時間20日、記者団に対し「通貨スワップは相手国の経済事情が堅実だという判断と信頼があってこそ可能な条約だ」としつつ、今後の他の基軸通貨国との追加的な協定と関連して、李総裁は「6大基軸通貨国の中では日本が関心事」だと述べた
- 日韓両国は2001年から通貨スワップ協定を締結していたが、竹島と慰安婦像問題を巡る国家間の外交葛藤が浮き彫りになり、通貨スワップ協定は2015年の満期到来後、再延長議論が中断している状況にある
- 李総裁は英国や欧州連合(EU)などとの通貨スワップ協定を巡り、「(日・英・EUなどと)順序を決めているわけではなく、とくに英国はブレグジットなどと関連した不確実性がある程度除去されなければならない」と説明した
※ただし、引用に当たっては原意を損なわない範囲で日本語を整えているほか、不適切な表現の修正を行っています(例:「韓日」を「日韓」に、「独島」を「竹島」に、「少女像」を「慰安婦像」に、読み仮名の「イ・ヂュヨル」を「り・ちゅうれつ」に修正しています)。
さすがに私も、この記事は知りませんでした。そして、李柱烈(り・ちゅうれつ)韓国銀行総裁の話が事実だとすれば、これはとんでもなく厚かましい話であり、私自身も日本国民の1人として、とうてい看過できないものです。
日韓スワップの経緯を振り返る
エベレストよりも高いプライド
ところで、日韓スワップについては過去に当ウェブサイトでもずいぶんと取り上げましたが、かなり時間が経っていることもあり、ここで改めて経緯をまとめておきましょう。
俗に「通貨スワップ協定」と呼ばれている協定は、日本語の正式名称は「二国間通貨スワップ取極め」であり、英語の “Bilateral Swap Agreement”を略して「BSA」と呼ぶこともあります。金融商品に詳しい方はデリバティブの通貨スワップ “Cross Currency Swap (CCS)” を思い浮かべるかもしれませんが、まったく別物です(なお、BSAとCCS、為替スワップ(BLAと先物外国為替売買)の違いについては『総論:通貨スワップと為替スワップとは?』にまとめておりますので、こちらをご参照ください)。
そして、本稿で議論する「通貨スワップ」とは、基本的に「CCS」の方ではなく「BSA」の方ですので、記事を読む前にご注意ください。そして、通貨スワップ(BSA)とは、片方の国が通貨危機などに陥った場合に、もう片方の国が何らかの通貨を提供するという国際的な約束です。
日韓間の通貨スワップ(つまり日韓スワップ)の場合は、
- 韓国が韓国ウォンを日本に担保提供し、それと引き換えに日本が米ドルを提供する(ドル建てスワップ)
- 韓国が韓国ウォンを日本に担保提供し、それと引き換えに日本が日本円を提供する(円建てスワップ)
という、大きく2つのパターンがあります。
日韓両国は2001年以来、「チェンマイ・イニシアティブ(CMI)」の一環として、当初は限度額20億ドルでBSAを開始。その後、円建てのBSAなどラインナップを加え、最大期には野田佳彦(のだ・よしひこ)前首相のもとで、およそ700億ドル相当にまで膨らみました(図表1、図表2)。
図表1 ドル建て日韓BSA
時点 | 協定 | 限度額 |
---|---|---|
2001年7月4日 | CMIに基づき日本から韓国への一方向スワップを開始 | 20億ドル |
2006年2月24日 | CMIスワップを20億ドルから100億ドルへ増額 | 100億ドル(※) |
2011年10月19日 | CMIスワップに加え、いわゆる「野田スワップ」300億ドルが発効 | 400億ドル |
2012年10月19日 | 「野田スワップ」300億ドルが失効 | 100億ドル |
2015年2月16日 | CMIスワップが失効 | 0ドル |
(【出所】財務省ウェブサイトなどをベースに著者調べ。ただし、2006年2月24日のBSA拡充時では、韓国から日本へのスワップ【限度額:50億ドル】が同時に設けられたが、ここでは割愛する)
図表2 円建て日韓BSA
時点 | 協定 | 限度額 |
---|---|---|
2005年5月27日 | 中央銀行どうしのスワップ協定が発効 | 30億ドル相当の自国通貨 |
2008年12月12日 | いわゆる「リーマン・ショック」で中央銀行スワップを拡充 | 200億ドル相当の自国通貨 |
2010年4月30日 | 中央銀行スワップの増額措置終了 | 30億ドル相当の自国通貨 |
2011年11月19日 | いわゆる「野田スワップ」に基づき、円建てBSAを30億ドルから10倍の300億ドルに増加 | 300億ドル相当の自国通貨 |
2012年10月31日 | 中央銀行スワップ増額失効 | 30億ドル相当の自国通貨 |
2013年7月3日 | 中央銀行スワップ自体が失効 | 0ドル |
(【出所】日銀ウェブサイト等をベースに著者調べ)
つまり、最盛期にはドル建てスワップが400億ドル(当時の為替相場で約3.2兆円)、円建てスワップが300億ドル(同・約2.4兆円)と、実に多額の信用供与が、韓国に対して一方的になされていたのです。
ところが、2012年8月には李明博(り・めいはく)大統領(当時)が日本領である島根県竹島に不法上陸。さらには天皇陛下を侮辱する発言を行ったとして、日本国内で反韓感情が一気に噴出し、日韓スワップの増額措置はわずか1年で終了してしまいます。
さらに野田首相が同年11月に破れかぶれで衆議院の解散総選挙に踏み切り、民主党が選挙で惨敗し、下野したことで、日韓スワップは増額措置どころか、全額が失効してしまったのです(円建てBSA30億ドル分は2013年7月に、ドル建てBSA100億ドル分は2015年2月にそれぞれ失効)。
日韓スワップ再開への道
ただ、恒常的な外貨不足に悩む韓国にとっては、日本円、米ドルなどの「国際的なハード・カレンシー」は、それこそ喉から手が出るほど欲しいものです。そこでBSA失効後も、韓国当局は日本に対し、陰に陽にスワップの再開を求める声があったことも事実です。
こうした中、2016年8月27日、韓国・ソウルで行われた「日韓財相対話」において、柳一鎬(りゅう・いちこう)副総理兼企画財政部長官(当時)は日本の麻生太郎副総理兼財相に対し、BSAの再開を正式に要求しました。財務省ウェブサイトによる原文は次のとおりです。
「韓国政府は、二国間の経済協力を強化すること、及び、その証として双方同額の新しい通貨スワップ取極を締結することを提案した。本通貨スワップ取極は、地域金融市場の安定を高めるものである。両国政府は、本通貨スワップ取極の詳細について議論を開始することに合意した。」
両国政府はこの時点で日韓スワップ再開に向けた「交渉」を行うことで合意したものの、その後は韓国側で「韓日スワップが再開されることが確定した」、「新しいスワップの規模は500億ドル程度になる」、「ウォンで米ドルを借りるスワップになる可能性が高い」等の観測報道が一方的に過熱。
ただ、突如降ってわいた「崔順実(さい・じゅんじつ)事件」を受け、朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領(当時)の退任を求める「ローソク・デモ」が激しくなり、弾劾訴追が決定されるなど、韓国政府側が混乱したためでしょうか、日韓スワップ再開交渉は遅々として進みませんでした。
こうした中、釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置されたことを受けて、2017年1月6日、日本政府は日韓スワップ再開交渉を中断すると韓国側に宣告。これにより、今日に至るまで、日韓スワップの再開は、少なくとも日本側では鳴りを潜めた状況となっています。
韓国の外貨準備のウソ
どうしてそんなにスワップが欲しいのか?
では、どうして韓国はここまでスワップを欲しがるのでしょうか?
一昨年9月時点の韓国側の観測報道によれば、韓国政府がリークした「新しい日韓スワップの規模は500億ドル」ということでした。500億ドルといえば、1ドル≒110円だったとすれば、5.5兆円程度であり、これは確かに巨額ではあるものの、果たして韓国がこのような金額を必要とするのか、大いに疑問です。
なぜならば、韓国の外貨準備高は、2018年1月末時点で3957億5000万ドル、つまり約4000億ドル(約44兆円)にも達しているからです。
韓国、外貨準備高が過去最大…世界9番目(2018年02月05日13時29分付 中央日報日本語版より)
もちろん、韓国のような「ソフト・カレンシー国家」においては、外貨準備は多ければ多いほど良く、外貨準備以外にもスワップで流動性補完をしておきたいという気持ちもわかります。しかし、44兆円もの外貨準備があるなら、5兆円程度のスワップを得たところで、外貨準備ポジションとして大きな違いはありません。
実際、韓国国内では、「通貨危機の再発を防ぐためには外貨準備が3000億ドル必要だ」とする議論もなされています。
「通貨危機再発防ぐには外貨準備高3000億ドル必要」(2009年05月29日08時36分付 中央日報日本語版より)
この金額は、私自身の試算ともほぼ一致しています(詳しくは『韓国メディアに見る「通貨危機再来」議論』の中の『約20兆円の恒常的な外貨不足』あたりでも議論していますが、3月末頃に韓国の資金循環統計が発表されるはずなので、これについては最新データでアップデートしてみたいと思います)。
韓国の外貨準備の7~8割は虚偽?
ただ、もっとも端的にいえば、韓国が外貨準備統計でかなりのウソをついているのではないかとの疑いは払拭できません。
まず、国際通貨基金(IMF)の「COFER」という統計 ((COFERの正式名称は “Composition of Foreign Exchange Reserves” 、つまり「外貨準備通貨別構成」のこと。)) によれば、世界の外貨準備に占める米ドルの割合は、内訳が判明する部分については、60%~70%程度です ((IMFウェブサイトによると、2017年9月末時点では米ドル63.50%、ユーロ20.04%、日本円4.52%、英ポンド4.49%です。)) 。
仮に韓国の外貨準備高約4000億ドルのうち、7割が米ドル建ての資産だったならば、3200億ドル分の米国債やエージェンシー債等を保有している計算です。ところが、米国財務省が公表する「外国居住者別証券投資残高 (U.S. Long-Term Securities Held by Foreign Residents) 」によると、2017年11月末時点の韓国の有価証券保有額は、
- ①米国債…91,972百万ドル(つまり約920億ドル)
- ②エージェンシー債…45,381百万ドル(つまり約454億ドル)
- ③その他の公社債…35,986百万ドル(つまり約360億ドル)
- ④株式…114,138百万ドル(つまり約1141億ドル)
であり、これらを合計した額(2875億ドル)の時点で、そもそも3200億ドルに全然足りません。
しかも、これらの中には③その他の公社債360億ドルや④株式1141億ドルが含まれており、これらは外貨準備に計上されるものではありません。外貨準備適格資産はせいぜい①米国債と②エージェンシー債くらいなものですが、その合計額は1374億ドルに過ぎません。さらに、これらの全額を政府・中央銀行が保有しているとは限らず、むしろ民間の銀行や証券投資信託などが保有している金額もあると考えられます。
視点を変えましょう。韓国の資金循環統計上、2017年9月末時点において、民間金融機関が保有している外債の金額は162兆3750億ウォン(1ドル≒1100ウォンで換算して約1476億ドル)ですが、かりにこの7割が米ドル建てだったとすれば、韓国の金融機関が保有するドル建て債券は1033億ドルです。
①、②、③の合計値は173,339百万ドル(約1733億ドル)ですので、韓国銀行が外貨準備として保有するドル建て資産は、多く見積もっても、ここから1033億ドルを引いた差額の600億ドルに過ぎません。
つまり、韓国銀行は外貨準備統計で「4000億ドルの資産を持っている」と主張していますが、この説明は、少なくともIMFと米国財務省の統計、韓国の資金循環統計などの関連統計を突き合わせた限りでは、極めて実在性が疑わしいのです。
端的に申し上げれば、韓国が主張する「4000億ドルの外貨準備」のうち、7~8割は虚偽であり、実質的に使い物になる資産は500~1000億ドル程度に過ぎないのではないかと考えられるのです。
日本の「中国に対抗する意識」に期待する国
ところで、先ほど「日韓スワップ500億円説」を紹介しましたが、これはいったいどこから出て来たモノなのでしょうか?これを、また別の角度からも見ておきましょう。
当ウェブサイトでは何度も何度も紹介してきたデータが、次の図表3です。
図表3 韓国のBSA
相手国通貨 | 韓国ウォン | 米ドル換算額 |
---|---|---|
100億豪ドル(オーストラリア) | 9.0兆ウォン | 7,913百万ドル |
150億リンギット(マレーシア) | 5.0兆ウォン | 3,852百万ドル |
115兆ルピア(インドネシア) | 11.0兆ウォン | 8,480百万ドル |
100億フラン(スイス) | 11.2兆ウォン | 10,765百万ドル |
3600億元(中国) | 64.0兆ウォン | 56,712百万ドル |
合計 | 100.2兆ウォン | 87,722百万ドル |
(【出所】著者作成。なお、ドル換算額については「相手国通貨」をWSJより2018年2月19日時点引け値を参照)
これは、現段階で韓国が「外国と締結している」と主張しているスワップのうち、通貨スワップ(BSA)の一覧です。なお、カナダとのスワップは通貨スワップ(BSA)ではなく為替スワップ(BLA)ですので、この図表には含めていません(その理由について、詳しくは『【速報】カナダ・韓国間の為替スワップは通貨スワップではない!』、『もう日本とのスワップは必要ないね』あたりもご参照ください)。
ところで、この一覧表には、3つの問題があります。
1つ目の問題点は、金額の問題です。韓国ウォンを1ドル=1100ウォンで換算すれば、100.2兆ウォンは910億ドルですが、相手国通貨をドル換算すれば、約877億ドルに目減りします。その理由は簡単で、韓国が諸外国とのスワップを不利なレートで締結している、というだけの話です。
2つ目の問題点は、中国とのスワップです。金額ベースで約65%が、中国1ヵ国に依存していて、ドル換算額も567億ドルと圧倒的に巨額です。しかも、中国当局は「韓国とのスワップ延長で合意した」とはヒトコトも発表していないというオチまでついています(詳しくは『人民元 狂喜乱舞も落ち着いて 日本に擦り寄る韓国哀し』あたりもご参照ください)。
そして3つ目の問題点は、金額ばかり巨額ですが、通貨危機に際して実際に使い物になるスワップは、オーストラリアとの100億豪ドルのスワップと、スイスとの100億フランのスワップの2本だけしかない、という事実です。
通貨危機が発生すれば、通貨防衛のためには2000~3000億ドル程度の外貨準備が必要です。しかし、韓国の実質的な外貨準備高はせいぜい500~1000億ドル程度であり、これに両国とのスワップ(米ドル換算で200億ドル弱)を足しても、これだと全然足りません。
つまり、500億ドルの積算根拠とは、
- 中国が500億ドル以上のスワップを提供しているのだから、日本もそれに見合ったスワップを提供すべき
- 実際に通貨危機が発生した時には、500億ドル以上のスワップが必要になるとの試算が韓国国内に存在する
という、2つの要因にあると考えて間違いないでしょう。
慢心は禁物
日本側で出てくる媚韓論
さて、翻って日本の方では、2016年12月の釜山の慰安婦像設置事件を受けて、日韓スワップ交渉を中止したという経緯があります。したがって、自然に考えたら、日韓スワップ交渉自体を再開するならば、韓国側が釜山の慰安婦像を撤去することが前提となるはずです。
ただ、現在の韓国では、「日本憎し」のあまり、朝日新聞の捏造に端を発する「ウソの慰安婦問題」を全世界に広めることに必死で、慰安婦像を撤去することなど、韓国のちっぽけな民族自尊心に照らして不可能な話です。
よって、この場合、「勝手にしろ」と放置するのが本来の正解ですが、ここで最大限の注意を払わねばならないのは、日本側の「媚中派・媚韓派」と呼ばれる連中です。自民党の二階俊博幹事長あたりが有名ですが、こうした連中は自民党や財務省などに根強くはびこっているので、警戒しなければなりません。
日韓スワップも「日韓友好のため」だとか、「韓国に進出している日本企業を助けるため」だとか、そういった名目で「再開すべきだ」とする議論は、間違いなく存在しています。ここで、媚韓派が言いそうな、「日韓スワップの日本にとってのメリット」を挙げておきましょう。
図表4 日韓スワップの日本にとっての「メリット」?
項目 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
①円の地位向上 | 「日韓スワップを締結すれば、円の国際的地位の向上に役立つ」 | このロジックは韓国メディアが好んで利用するもの |
②日本企業にとってのメリット | 韓国と取引する日本企業が通貨危機に巻き込まれるのを防ぎ、あわせて日本企業が韓国企業と取引しやすくなる | 貿易だけでなく、韓国の銀行などが発行した社債を保有している日本の銀行を休載することにも寄与する |
③外国為替市場の安定 | 日韓スワップがあれば、国際的な投機筋(ヘッジ・ファンド等)に対する牽制として機能し、金融危機を未然に防ぐことで日本にも間接的なメリットが及ぶ | 実際、過去にはジョージ・ソロス氏が英ポンドを売り浴びせた事件などが発生している |
(【出所】著者作成)
このうち、図表4に示したうちの①については、正直、意味不明です。なぜなら、現時点ですでに円は国際的な信頼を確立しているからです。なぜ韓国と通貨スワップを結んであげることで、日本円の地位が上昇することに繋がるのか、まったく理解できませんので、これについては無視して良いでしょう。
一方、②と③については、日本の財務省の担当者が、実際にそのように発言しているので注意が必要です。
「天下り官僚」としても有名な山崎達雄・財務省国際局長(当時)は2014年(平成26年)4月16日に行われた「第186回国会・衆議院財務金融委員会」で、「日本維新の党」の衆議院議員だった三木圭恵(みき・けえ)氏(※2014年12月の総選挙以来、落選中)に対し、日韓スワップには「韓国だけではなく日本にとってもメリットがある」と答弁しています。
「日韓通貨スワップを初めとする地域の金融協力は、為替市場を含む金融市場の安定を通じまして、相手国、日韓の場合は韓国だけじゃなくて、日本にとってもメリットはあります。/というのも、日本と韓国との間の貿易・投資、あるいは日本企業も多数韓国に進出して活動しているわけでありまして、その国の経済の安定というのは双方にメリットがある面、それからまた通貨という面でいうと、むしろ通貨を安定させるという面、ウォンを安定させるという面もあるわけであります。/そういうことで、私どもとしては、当時、日韓通貨スワップを拡大したのは、むしろ、韓国のためだけというよりも、日本のため、地域の経済の安定のためということがあったということだけ申し上げたいと思います。」
この山崎達雄という人名、よく覚えておきましょう。なぜなら、この答弁から判断する限り、この山崎達雄という人物、かつて日韓スワップを推進した「主犯」の1人であったであろうことは、想像に難くないからです。
ちなみにこの人物、2015年7月7日に退官後、同年11月24日にモルガン・スタンレーMUFG証券株式会社の顧問、同年12月1日にアムンディ・ジャパン株式会社の顧問にそれぞれ就任。さらにマスコミ・官庁の「天下り先」としても有名な国際医療福祉大学の「特任教授」にも就任しているようです。
山崎達雄さんご本人が当ウェブサイトを見ていらっしゃったら、この際、申し上げます。反論があるならば、是非、反論してごらんなさい。いずれにせよ私は、国益を徹底的に損ねた山崎氏を筆頭とする財務省の人間には、心の底から呆れ果てているのです。
政治主導の日韓スワップ再開論
さらに、私がもっと恐れているのは、「政治主導の日韓スワップ再開論」です。
たしかに、釜山に設置されてしまった慰安婦像は、韓国側が自主的に取り除くことは、ほぼ不可能でしょう。現在の韓国では、慰安婦はあたかも「英雄」かなにかのように扱われており、慰安婦を材料に日本を強請るというのが、韓国の慢性病のようになってしまっているからです。
そこで、自民党の媚中派・媚韓派議員が活躍し、慰安婦像の件については目をつぶり、日韓スワップ協定を再開してやろうとする動きが出てくることを、私は大いに警戒しているのです。自民党とは、良くいえば「懐が深い政党」ですが、悪くいえば「とんでもない売国議員が在籍している政党」でもあります。
二階俊博氏自身、小沢一郎氏とともに自民党を飛び出して「新進党」の血統に関与したキャリアを持っていますが、その後、小沢氏と袂を分かち、保守党などを経由して自民党に戻ってきた人物でもあります。同氏がこの経歴を自ら公表していること自体は評価に値するものの、やはり私としては警戒心を抱かざるを得ません。
何度でも繰り返します!
いずれにせよ、日本側で日韓スワップ再開論が出て来そうになったら、私は1人の日本国民として、ウェブ論壇から全力で声を上げ、これを牽制していきたいと思います。そして、「日韓スワップを再開するな!」という意見を、是非、国民の声として政治家に伝えて行きたいものです。
したがって、当ウェブサイトでは、今後もこの話題を何度でも何度でも、繰り返し取り上げていきたいと思います。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
とにかく次期総選挙では、自民党ではなく、保守で嫌韓の政党に投票することに決めております。
自民党はその批判票の多さに驚愕することになるでしょう。
< 本日も更新ありがとうございます。
< また『日韓スワップ』ですか。言いだしっぺは韓国の李柱列 韓国銀行総裁のようですね、日本側では、一切発表されてませんもの。スイスとの100億フランのスワップ締結に行って、記者にチョロッとリークしたのでしょう。意を受けた韓国マスゴミが記事にして日本の反応を見る。いつものあくどい、姑息な手ですなあ。まるでマッチポンプだ。いや、火消しはしないから『放火犯』江戸時代なら『赤猫』と呼ばれる重犯罪人ですよ。磔獄門。
< 安倍首相に対してだけでも、2回訪韓して、1度も食事を出さず(五輪レセプション除く)、朴前大統領などは「韓国に有利な話をするなら、昼食を出してもいい」と言い放った。何と悪意のある、日本国首脳に対する無礼な言い草だろう。①慰安婦像は京城も釜山も撤去せずに現存する②更に世界で醜悪な像を建設中③慰安婦合意履行に、全く韓国政府はやる気がない④しかし韓国政府は、日本は被害者の気持ちは汲むべきだ。よりよい未来に向けた、日本は新しい措置を考えよ(追加措置やろ!)⑤韓国は民意があるので、像を政府は勝手に動かせない⑥日本の10億円は返さない・・・・これで「500億ドル相当のBSAスワップ」を組むお人よしはいませんよ。五輪時に安倍首相が文にクギ刺しているのに、何も聞いてない。北の事しか頭にない政治オンチ。世界フォーラムで鄭女性長官などがまた性奴隷と妄言した。おそらく26日も康長官は流ちょうな英語で嘘を言いふらすでしょう。
< 徴用工強制労働の像の制作もあるが、いったい韓国は日本をどこまで愚弄するのか?それでいて『日韓スワップ』の声が上がっているって、韓国だけだろう、そんなの。それを再開なんて、日本の立場でありえないのが分からんか?ド厚かましすぎる!
< 李総裁も勝算があって行ったわけではなく、いつもの夢想、『日本が我々の為に動いて欲しい』『こちらから恃むのではなく、体裁よく日本からの要請にするべきだ』『それならウリも考えてやる』『特に欲しくはないんだが借りてやってもいい』---ズバリ韓国の報道機関は締結したらそのように言い放つでしょう。どこまで日本国を用日する気か。
< もし、事務折衝をするなら、ハッキリ日本のカウンターパートは、聞けばいい。『財貨準備高4000億ドルは分かったが、正味いくらだ?1000億ドル無いと日本では見ている。500億ドルか?そうなると、全然足りない。日本は残念ながら協力できない。中国の元建てを融通してもらえ。それかIMFの世話になれ。日本にドブに捨てるカネは1円もない。日本に500億ドルを吹っかけて来たのも、中国のスワップとの近い数値で、日本のプライドを煽動する為かな?日本は中国と張り合いするつもりはない。貴方がたが良ければ、元で受け取ればいい。シナとはまともなBSAスワップじゃないね?日本は慰安婦合意の即履行要求、日米韓の枠組みをまだ維持している。最後通告と思い、考え直せ』。
< 一方的な日韓スワップ報道は迷惑だ。
< いわゆる暗躍しそうな親日議員、媚韓議員としては、二階常任幹事氏、会長の額賀氏、副会長の高村正彦氏、幹事長の河村健夫氏、中谷元常任幹事などがいる。それと財務省、外務省あたり。パチンコマネーか怪しい法スレスレの業種からの寄付など、出ないでしょうね。まったく『日韓交流』とか『友好』なんてまやかしの名のつくもの、一切止めなさい。
< 失礼しました。
韓国は不思議な国だ。スワップを結んでくれなんて他のアジアの国については聞いたことがない。知らないだけかもしれないけど。基本、国家というのは独立しているもので、自分たちで問題を解決するのが本当だろう。それなのに、韓国はいつまでも日本頼りだ。過去の歴史問題も結局は日本からお金を出してもらう理由の一つ。いつまで独立国家として日本に頼らずに生きていくようになるのだろうか。日本がお金を出すのは簡単なことだ。でもそれでは韓国はいつまでも自立できない国家ということになる。韓国人からみて、外国からお金をもらって生きていくというのはつらいことじゃないかな。過去の歴史問題を引きずってお金をもらう。こんな国家が自分の国家だったら許せないと思う。それでは植民地と同じこと。名目はどうあれ、日本が韓国にお金をだして救済すれば世界はどうみるか。韓国は自立できない国家とみなされるだろう。そんな国家が世界で尊敬を受けることはない。なんだかんだ理由をつけたとしても、結局は日本に寄生する寄生虫国家とみなされる。これほどはずかしいことはないんじゃないかな。
お疲れさです。
先のギリシャ経済破綻の時はIMFが途中まで救済?にあたり、お手上げですったもんだ挙句にEUが最終的に面倒を見たという感じでしょうか(間違っていたらすみません)あのメルケルおばさんも散々騒いでいたように記憶しています。さて、アジアでギリシャの立ち位置は韓国という札付きの偽装国家(本当に国家として存在しているのか疑問ですが)にあたり、いつ破綻してもおかしくない?と言われてます。blog主様の言われる通り日本に対してスワップ締結のモーションを盛んにかけているようです。仮に破綻した時に世界はどう見る、どう考えるということですが、ギリシャはEUが面倒をみたがアジアの南朝鮮が破綻した時に、ではどこが、どうする?IMFはお決まりですが南朝鮮の経済規模の尻ぬぐいは?で途中でどこかに丸投げしそうな気がします。そうなればアジアのどこかです・・・どこ?二ヶ国しかありませんC国とJ国。米国は経済と安全保障を一緒にしてJ国に押し付けます。お人好しなおバカ議員と間抜けな官僚のJ国はお国の安全が・・・と言いながら一大事とばかり収集にあたります。感謝もされず美味しいところはよそに持っていかれ挙句の果てには悪態をつかれる始末。とならなければいいなと思っています。blog主様の言う通り選択肢は複数あって、一刻も早く元のC宗主国の属国位置に戻って欲しいと個人的に思っています、その前にわが民族の誇り核・ミサイル問題を決着しなければなりませんが。 すみません、妄想でした。
http://japan.mk.co.kr/view.php?category=30600004&year=2018&idx=7624
ご存じかとは存じますが、韓国の毎日経済新聞に関連記事があります。
再読させていただいたところ、この記事は既に本文で取り上げておられました。大変失礼いたしました。
よく読まずに投稿してしまい申し訳ありませんでした。お詫び申し上げます。
>なお、カナダとのスワップは通貨スワップ(BSA)ではなく為替スワップ(BLA)ですので
為替スワップは企業がヘッジに使うデリバティブのことでは?為替FWDとも言います。通貨スワップは長い期間のヘッジに、為替FWDは短い取引のヘッジに使います。また、会計上は外貨建ての債券を購入して特例処理を適用することも一般的に行われています。ご参考まで。