「ロシア戦死者は3ヵ月でアフガン戦争並みに」=英国

ロシアの3ヵ月における戦死者数が旧ソ連時代のアフガン侵攻を通じた9年間の戦死者数と並んだとする分析が出てきました。英国防省の昨日の『インテリジェンス・アップデート』によれば、ロシアは戦術が稚拙であり、制空権も握れず、柔軟性も欠いているなどの影響で、たった3ヵ月で相当の犠牲が生じている可能性がある、と述べているのです。これが事実なら、ロシアはまさに「どん詰まり」、といったところでしょうか。

手詰まりのロシア:国際的な金融網から排除

ロシアによる違法なウクライナ侵攻から、今日で3ヵ月が経過しました。

相変わらず、ロシアはこの戦争を「ドンバス地域などでの特殊軍事作戦」だと言い張っているようですが、それと同時に、ロシアに対してはかなり多くの「マイナスの戦果」が生じていることも間違いありません。

たとえば、ロシアには西側諸国からの厳しい経済・金融制裁が科され、6400億ドルとされるロシアの外貨準備のうち、(ロシア政府が認めただけで)少なくとも3000億ドル以上が凍結されてしまいました。

ロシア中央銀行によれば、ロシアが開戦前の時点でドル建て資産の割合を減らし、人民元建ての資産を1000億ドル以上積み増しているのですが(『開戦準備の証拠?ロシア外貨準備でドルが急減していた』等参照)、それでもロシアにとって、外貨準備の大半は凍結されてしまった計算です。

これに加え、ロシアの主要銀行が国際的な銀行決済網であるSWIFTNetから排除されたためでしょうか、SWIFTが公表する決済通貨ランキングの上位20位からもロシア・ルーブルは、完全に姿を消してしまいました(『SWIFTシェア落とした人民元:ルーブルはランク外』等参照)。

すなわち、ロシアは「金融」という側面から見て、もはや「どん詰まり」に近づいているのです。

このあたり、中国、インドなどの経済発展が著しいことは間違いありませんが、金融の世界では、依然として米欧日英といった西側諸国がガッチリと覇権を握っています。西側諸国が一致団結してロシアを金融から排除すれば、ロシアは事実上、世界の金融システムから孤立するのも当然でしょう。

経済制裁も徐々に実効性が及んできた

その一方、『意外としぶとい?ルーブル「紙屑化」の可能性を考える』などでも議論したとおり、西側諸国の制裁「だけ」で、ロシアから戦争遂行能力を完全に奪ったり、ロシア経済を崩壊に追い込んだりすることが難しいことは事実です。

しかし、ロシアに対する西側諸国の一致した経済制裁は、ロシアを徐々に追い込んでいます。

たとえば『ついにマクドがロシアから撤退へ』などでも触れましたが、マクド社を筆頭に、西側諸国の企業は相次いでロシアにおける事業を中断ないし終了しており、いまや、ロシアは再び自らの行為によって「鉄のカーテン」の向こう側に追いやられそうになっています。

共産主義のもとで貧しさに慣れていた旧ソ連国民と異なり、ロシアの一般国民が西側諸国の便利で快適な文化に慣れ切ってしまった状態からの文化遮断は、彼らにも相応の打撃を与えているのかもしれません。

これに加え、ロシアのメディア『タス通信』(英語版)には昨日、こんな記事も出ていました。

Aeroflot may soon cannibalize its plane for spare part, Bloomberg claims

―――2022/05/23 01:38付 タス通信英語版より

これは、ブルームバーグの報道を引用するかたちで、ロシアの航空会社・アエロフロートが所有する、エアバス製・ボーイング製の350機以上の航空機について、その部品が西側諸国から入荷できないため、「航空機の共食い整備を余儀なくされる」、と述べたものです。

以前からときどき紹介している、イランのメヘラーバード国際空港にたくさんの航空機の残骸が置かれている姿が、まさにこれからのロシアの姿ではないでしょうか。

外交面・軍事面でも大失敗

ロシアが置かれた現在の立場を、外交面で見ても、やはり非常に多くの国がロシアと対決しています。

もちろん、『「ロシア非難」で一枚岩になったとはいえない国際社会』でも述べたとおり、国際社会がロシア非難で必ずしも一致しているというわけではありません。

しかし、ロシア自身が「嫌がる事象」は、着実に発生し続けています。

たとえば、30年前のソ連崩壊時点と比べ、NATOはさらに東に進みましたし、最近だとスウェーデンに加え、ロシアと1300㎞の国境を接するフィンランドもNATOへの加盟を申請しました。トルコの反対もあるため、両国のNATO加盟がすんなり進むかどうかは微妙ですが、それでもNATOは着実に東進しています。

こうしたなか、この3ヵ月において、ロシアに与えられた「マイナスの戦果」としては、やはり軍事的な打撃が大きかったのではないでしょうか。

たとえばロシアが誇る「黒海艦隊」の旗艦「モスクワ」は、現在は黒海の底に沈んでしまっています。

これについてウクライナ政府側は、同国が開発した対艦ミサイル「ネプチューン」を「モスクワ」に2発命中させて撃沈したと発表していますが、ロシア側は「火災と嵐で港に曳航される途中で沈没した」、などと言い張っています(『「沈没」という設定をうっかり忘れ「報復」叫ぶロシア』等参照)。

しかし、「沈没」であれ「撃沈」であれ、黒海艦隊が首都の名を冠した旗艦を失ったことは事実であり、しかも、『モントルー条約で孤立する黒海艦隊は「絶好の的」に?』でも議論したとおり、トルコの海峡封鎖の影響で、いまや黒海艦隊が「射的の的」になってしまっています。

さらには、『成立した米レンドリース法がウクライナ戦に及ぼす影響』でも取り上げたとおり、米国でこのほど「2022年版レンドリース法」が成立したことを受け、今後、米国からウクライナへの武器供与がますます容易になりました。

ロシア側がウクライナ南部のマリウポリを制圧した、などと喜々として発表していることは事実ですが、ロシアが局地戦で勝利したにしても、ウクライナ全土を制圧するどころか、むしろ同国北東部のハルキウ付近ではロシア軍が押し戻されるなど、全体としてはロシアにとって決して好ましくない状況が続いています。

どう考えても、ロシアの戦況は非常に不利なのです。

ロシア軍の損害は、実際のところ、どのくらいなのか

ところで、『ついにマクドがロシアから撤退へ』でも触れたとおり、英国防衛省が毎日のように発信している『インテリジェンス・アップデート』の情報を総合すれば、ロシアはウクライナ戦争に全地上戦力の65%を投入したものの、5月15日時点で、その約3分の1が失われた可能性が出てきています。

この『インテリジェンス・アップデート』自体、ロシアと対立している諸国の一角を占める英国の発表でもあるため、「それを盲信してはならない」と叫ぶ人がいることは承知しています。「正しい情報はロシアの側から出てきている」、「英国防衛省が発表する情報は西側のプロパガンダだ」、とでも言いたいのでしょう。

ただ、『インテリジェンス・アップデート』については、その情報の速さもさることながら、後日振り返ってみるとその内容は非常に正確であると考えて良いでしょう。もちろん、同情報を参照する際に、「英国防衛省の発表を信じるならば」、という注記は常に必要ですが、結果的には信頼性が高いと考えて良いのです。

こうしたなか、昨日の『インテリジェンス・アップデート』に、非常に興味深い内容が含まれていました。

とくに気になるのは、箇条書きの最初の記載です。

  • In the first three months of its ‘special military operation’, Russia has likely suffered a similar death toll to that experienced by the Soviet Union during its nine year war in Afghanistan.

英国防衛省によると、ロシアが「『特別軍事作戦』の最初の3ヵ月間で、アフガニスタンでの9年間の戦争中にソビエト連邦が経験したのと同じ水準の犠牲者を出した可能性が高い」と指摘しています。

その原因については、「▼貧弱な低レベルの戦術、▼限られた制空権、▼柔軟性の欠如、▼同じような失敗を繰り返す指揮命令系統」――などを挙げ、ドンバス攻撃局面に入り、ロシア側の死傷者数がさらに増えている、などと結論付けています。

(※もっとも、英国防衛省は、「ウクライナ戦争で死傷者数が増え続ければ、ロシア国民の不満も高まるかもしれない」、などと述べていますが、この点については若干「希望的」すぎる気がしますが…。)

戦争の長期化はロシア自身を傷つける

くどいようですが、英国防衛省の『インテリジェンス・アップデート』の記載内容について、盲目的に全幅の信頼を置いて議論すべきでない、とする見解がある点については十分承知しているつもりです。

ただ、客観的なさまざまな情報をもとに判断するならば、やはり、現在のロシアが置かれた状況(とくに金融状況、経済状況、外交状況、軍事状況)については、非常に厳しいと言わざるを得ません。西側の制裁が「即効性」のものとは言い難いにせよ、持久戦に持ち込めば、ロシア経済が着実に疲弊していくからです。

もちろん、いくら対露制裁を強化したとしても、必ず「抜け道」が存在しています。

ロシアは産油国であり、中国、インドなどの大国が経済制裁に参加していないなかで、いくら西側諸国がロシア産の資源の輸入禁止措置を講じたとしても、両大国がロシア産のエネルギーを購入することを止めることはできません。

西側諸国が対露輸出を禁止した品目が、中国、インドなどの「制裁非参加国」経由でロシアに流入することだって考えられるでしょう。

しかし、こうした迂回貿易も、おそらくは日米首脳で西側諸国の輸出管理が強化される(『輸出規制解除を目論む韓国尻目に日米が輸出管理強化へ』等参照)ことで、徐々に抜け穴が塞がれていくのではないでしょうか。

このように考えていくならば、対露制裁の本領が発揮されるのは、むしろロシア軍がウクライナから撤退して以降の、もっと長期に及ぶ話と考えるべきでしょう。そして、とりあえず西側諸国が凍結しているロシアの外貨準備などの資産については、すべてウクライナの復興支援のために没収すべきではないかと思う次第です。

読者コメント一覧

  1. 駝鳥 より:

    新宿会計士殿、毎日論稿の作成投稿有難う御座います。私も極力毎日拝読しています。

    新宿会計士殿の見立て通り、ロシアは長期的に衰退して行くと私も考えます。ロシア製の武器がそれ程優秀ではないのも、ウクライナ侵略で欧米が製造したハイテク兵器でボコボコに破壊された為に露見してしまいました。更には半導体が調達出来なくなった為に、武器の製造が困難になっています。石油やガスに加え、武器輸出での外貨収入も得られなくなるでしょう。ウクライナ侵略が始まってから、IT技術者始め優秀な若手の人材が、400万人近くロシアから国外脱出したそうです。ロシアが今後発展する条件は全くありません。

    ところで以前、別の論稿でのコメント欄でご紹介した、フリーの国際情勢解説者、田中 宇(たなか・さかい)氏は、依然として「独自の視点で」ロシアが勝っているとの主張を続けています。

    例えば「ウソだらけのウクライナ戦争」と題した記事では、『ウクライナ戦争でウソ報道の必要性が急増し、米国では検閲体制が組まれて報道の自由が失われている。報道の自由だけでなく、国民の言論の自由も剥奪されつつある。米政府の国土安全保障省の中に「偽情報統制委員会」(Disinformation Governance Board)が作られ、ウクライナ戦争やその他の分野でのウソ情報・偽情報の発信者を検挙していく体制が組まれた。』と云った具合です。

    田中氏が最近配信した記事は、こちらからご確認頂けます。
    田中宇の国際ニュース解説・世界はどう動いているか
    https://tanakanews.com/

    ちなみに田中氏の記事を批判するブログや書き込みがないか、念の為、検索をしました。しかし数年前の記述はあれど、最近のものは見つけられませんでした。余りにも現実から遊離した記事を発表するお方なので、webでは最早黙殺されてしまっているようです。

    この様な方が居て、かなり偏った記事を配信が出来るのですから、日本には言論の自由があるなあと、日本社会の寛容性には感心し感謝します。少なくともロシアや中国よりはずっと自由です。

    1. 匿名 より:

      田中って、進歩的知識人を演じている単純な左翼、自らの世界観からしか現実を見れないやつですね。田中の記事は読む必要がないのでは?結論はアメリカ、日本の保守政権さげに決まってますから。

    2. 元ジェネラリスト より:

      目立つことが目的なら、「逆張り」は楽な手法です。大勢の逆のことを言えばいいんですから。取材の努力も頭を使う努力も不要です。
      逆張り意見を表明して、一瞬注目される快感から、それをマネする一般人もいますよね。ツイッター上でも溢れています。

      発言に根拠があるかないか、それで見極め終了だと思います。

      おっしゃる通り、何年か前にはその人の名前はときどき見かけましたが(珍しいので憶えてた)、最近はサッパリですね。

    3. りょうちん より:

      田中宇は、MMRのキバヤシと同じカテゴリの人ですよw。
      過去の言説がどうなったか検証してみてください。

      ちなみに「Disinformation Governance Board」を作ったのはトランプです。

      1. 羊山羊 より:

        トランプが作ったとは知りませんでした。いつ頃ですか?
        てっきり最近出来て1ヶ月保たなかった組織だと思ってました。

          1. 羊山羊 より:

            ありがとうございます。スティール文書推しのヤンコビッチが責任者とか何の冗談かと思いましたが高速ブーメランが突き刺さって良かったです。10月だかのスティールの裁判も楽しみですが、今週開廷中のサスマン裁判が面白くて仕方ないです。

    4. とある福岡市民 より:

      > 余りにも現実から遊離した記事を発表するお方なので、webでは最早黙殺されてしまっているようです。

       気にせんでええだす。田中宇は誰も相手にされとらんのやさかい(笑)

       こんな田中宇といい、櫻井ジャーナルといい、「マスコミが言ってない事だから正しい」と信じる人もいますね。この二人を信じて意味不明なコメントを書いてた人は今どうしているのでしょう。

      1. 駝鳥 より:

        皆様、コメント有難う御座います。

        匿名様、田中宇氏が「自らの世界観からしか現実を見れないやつ」とのご意見、賛成です。勝手な論理を組み立てて、それに利用出来る情報を探し出し記事を仕込むのですから。そして俺は海外の情報を読めるんだと自己主張します。ですから「進歩的知識人を演じているとのご判断はその通りだと私も考えます。しかし田中氏は「単純な左翼」ではないでしょう。左翼・右翼は関係なく、自分が奇矯な記事で目立ち、あわよくば金が儲かればよい、という考えに基づいて行動している輩だと、皆様の意見を拝読して私は再確認した次第です。

        元ジェネラリスト様、成程、田中宇氏の手法は「逆張り」ですか。そしてそもそも物事の本質を見抜けないし、見抜こうとの努力もしないから、何時も何時も「逆張り」するだけです。この単純で見え透いた動機をWebではとうに見透かされて「最近はサッパリ」になり果てているのですね。

        とある福岡市民様、田中宇と櫻井ジャーナルの「マスコミが言ってない事だから正しい」と信じ意味不明なコメントを書いてた人は、そもそも判断能力に問題がある方々です。従って趨勢が悪くなればだんまりを決め込み、追及されるとアカウントを削除して逃げるのがせいぜいでしょう。日本人の美徳である「恥」の観念が最初から感じられません。これはそもそも日本列島以外で生まれ育った方々の行動原理ですし、その様な履歴の方々がwebで騒ぐ場合が多いのではないでしょうか。

  2. クマさんのパパ より:

     40年近く前に出版された『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』(初版は1984年5月にダイヤモンド社 現在は中公文庫で読めます)を想起させます。
     特に 以下の2点が重要でしょうか。
    ▼柔軟性の欠如
    ▼同じような失敗を繰り返す指揮命令系統
     私たち日本人も太平洋戦争時には同じような失敗を繰り返し、また現在も様々な場面で同じような失敗を繰り返す可能性があることを意識したいと思っています。

    1. 門外漢 より:

      対半島政策について、林クンの発言などを聞いていると、同じような失敗は現在進行形の様です。

    2. F6F より:

      日本軍が精強だったのは下士官が強いせいだと言われてますよね。
      士官になり、将官になるほど無能が増えるとも。
      そんな所で伝統を引き継いでも仕方がないのですが…

  3. はにわファクトリー より:

    resignation letter というものがあります。辞表というよりは書き置きを意味するのですが、UN こと聯合國へ派遣されていたロシアの外交員が公開書き置きを残して辞職した模様です。
    原文写真および文字起こしはこちらです。

    2022-5-23 Hillel Neuer 氏投稿 Twitter
    https://twitter.com/HillelNeuer/status/1528668629482541057

    新聞記者はネット情報を小バカにし続けますが、今般「より情報源に近いフレッシュな知らせ」というものはまずはネットで知られるようになっています。ブラウザを一日中クリックして「取材活動」している新聞記者諸氏は今では普通ではないでしょうか。
    されば、新聞記者よりも、新聞記事よりも、彼らに先回りして、彼らより深く踏み込んで事実を捉えることは実際難しくともなんともありません。かようにしてジャーナリズム産業の「底上げ」が時間を掛けて達成されるのでは、それこそネットが人類文明の進歩に寄与すると言わざるを得ません。

  4. トシ より:

    ウクライナは自国の親露政治家とアゾフ兵との捕虜交換を申し出ている。
    報道によればロシアも「検討する」と応じたとのこと。

    ここは日本も親露政治家をロシアに差し出して捕虜交換に協力すべきだ。

    ・ムネヲ
    ・トヲル
    ・ユキヲ
    ・ギヨミ
    ・レンポー
    ・ミズポ

    彼らをロシアに送りアゾフ兵の開放に役立てるのが良い。

    彼らにしては上出来だし、ロシア行きは彼らにとっても本望だろう。

  5. 農民 より:

     ロシア空軍にはSu-57という最新の戦闘機がありまして、最強と謳うF-22の対抗馬であり、何気に設計時期の古いF-22よりもはるかに新しい設計である、と虎の子なわけですが、ウクライナ戦で投入されたようです(約1ヶ月前の情報)。
     しかし使われた作戦内容は、ロシア側支配地域内から長距離ミサイルを外部懸架しての対地攻撃、というものだったようです。F-22やF-35といった所謂ステルス機は、ウェポンベイという機体内部の武器格納庫にミサイルをしまい込むことでレーダー反射面を増やさず攻撃能力とステルス性を維持します。Su-57も当然同じ方式です。なのに外付けのミサイルを積んだ時点でステルス性は損なわれます。(ちなみにステルス性を無視してミサイルガン積みする攻撃的運用も正規にあるのですが、ビーストモードとかいうカッコイイ呼称です。)
     つまり、万が一にも撃墜されたり鹵獲されたりなどがあってはならない新兵器が、ステルス性も運動性も必要の無い作戦内容に落としてまで安全な通常攻撃にかり出された、という状況ととれるわけです。まぁただの余裕をとったデータ取りかもしれませんが。

     21世紀でも兵が畑で採れるのか、陸兵と既存兵器は湯水のように消費しているようですが、兵員よりも最新技術の心配が優先のようで、まぁ何かと苦しそうに見えます。
     しかし「西側の報道」とはいえ、こういった戦況であったり、プレスカーが攻撃対象にされているだの、次々に将官が戦死だの……全部プロパガンダとしたら逆に派手すぎませんかね。

    1. りょうちん より:

      F-35が未だにSEAD任務に必要な装備(SiAW)を配備できていないのに、Su-57は既に内部兵装のKh-58UShkEを搭載済です。
      とにかく西側の装備開発はスピード感が遅い。

      1. 迷王星 より:

        >とにかく西側の装備開発はスピード感が遅い。

        それは兵器に求める安全性や信頼性のレベルが西側(特にアメリカ)とロシアや共産チャイナとでは大きく異なるからだと思います.

        例えば,戦闘機にミサイルや爆弾などの兵装を搭載する場合,その搭載場所が機外装備(翼下や胴体下などのパイロン)であっても,機体と兵装との空力干渉が発生します.そして場合によってはこの空力干渉のせいで,投下した兵装が素直に落下せずに機体に吸い寄せられるようにポップアップして機体に衝突して機体を破損する(最悪の場合には機体が墜落する)事故が起こり得ますし,実際にF-15Eなどでも兵装のインテグレーション(その兵装がその機種に搭載して使用可能なステイタスにする作業)のテスト段階でその手の事故が発生しています.

        従って,ある機種に1つの兵装をインテグレーションするには,様々な高度(つまり大気圧や外気温)・様々な速度・様々な機体の姿勢・様々な機動状態(機体と兵器に懸かる荷重つまりG)の膨大な組み合わせについて,兵器のリリースが問題なく行われることを確認せねばならず,問題が発生する場合には,問題の発生する組合せ条件を確実に排除するようにマニュアルの記載に必要なデータを揃えることが,実戦において安全に戦闘機から兵装をリリースする上で不可欠です.

        ましてステルス戦闘機のように兵装の搭載場所が機外装備でなく兵器倉だと,兵器倉からの投下ではベイのドアを開けた瞬間にベイという大きな凹部が現れ,どれほどベイへの気流の吹込みを避けるようにしても凹部への多少の気流の吹込み(と兵器倉内部での渦などの発生といった気流の複雑化)は避けられず,複雑な気流の中で兵装を安全に投下することを保証するには機外装備よりも更に多くのテストが必要となります.

        逆に言えば,十分な安全性の確保には目を瞑り,インテグレーション・テストのチェック項目をぐっと減らせば,インテグレーション作業に要する時間は格段に短縮できることになります.

        ロシアや共産チャイナといった兵の命が軽い国々では,開発途上で事故が多発したオスプレイに事故で死んだ兵士らの遺族のみならず少なからずの国民が大騒ぎしたアメリカを始めとする兵の命が非常に重い西側諸国とは異なり,インテグレーションを簡略化して「まあ,だいたい安全にリリースできりゃ良いじゃん」ということなのでしょう.だから彼の国々の兵器開発は西側諸国に比べてずっと短期間で行えているように見えるのですよ.

        アメリカだって戦闘機の試作から実戦配備までの期間が10年近くも必要になったのはF-22からだと思います.

        また,空自のF-15Jの中で近代化改修済のF-15J MSIPに対して更なる大幅な近代化(電子戦装備などの搭載や対地・対艦攻撃能力の強化のための新しい対地・対艦ミサイルのインテグレーション)をアメリカ側に発注した件でも,アメリカ海軍のみが採用しておりアメリカ空軍では採用していない(だから米空軍のF-15Eや新鋭のF-15EXにはインテグレーション予定にない)新しい空対艦巡行ミサイル(これの空対地バージョンは米空軍機も使用中)を空自のF-15Jにインテグレーションをしようとしたら,インテグレーション作業だけで確か数百億円も必要だと言われて,空自は諦めたという話が最近(ここ1年以内だったと思う)ありました.

        今回のウクライナ戦争でのロシア軍のように兵は消耗品に過ぎないというのとは全く異なり,兵の命が非常に重い国々では兵器開発やインテグレーション作業は本当に大変ということなのでしょう.

        1. りょうちん より:

          一方でこういう記事も
          https://mil.in.ua/en/news/lmm-martlet-armed-forces-paratroopers-might-have-the-latest-manpads-in-their-service/

          FOCを取得していない新兵器を持ち込んでbattle proofゲットだぜ!
          やっぱりブリ○○はすげえや。

    2. りょうちん より:

      詳しい記事ありました。
      https://en.defence-ua.com/weapon_and_tech/russia_used_its_newest_su_57_stealth_fighter_to_bombard_ukraine_with_aging_soviet_era_kh_59_missiles-2597.html

      Su-57からKh-59を実戦で発射したのは、初めてではなくシリア紛争ですでに実施済だそうです。

  6. より:

    正直なところ、今回のロシアによるウクライナ侵攻は、遅くとも3月末までには何らかの形で「一段落」するだろうと考えていました。そもそものロシアの目的は「ウクライナのNATO加盟阻止」「ドンバス地方の制圧」の2点だったと考えていますが、NATO加盟阻止はなったものの、今なおドンバス地方の制圧には成功していません。このように考えると、ロシアとしては、いくつかの事前想定の内の「最悪のケース」にすら至っていないのではないかと思われます。北欧二国のNATO加盟申請など、事態が長期化すればするほどロシアにとって不利になるのは十分予測されていましたが、すでにどう収拾をつけたらいいのかわからなくなりつつあるようにも見えます。いずれにしても、ロシアは大いに国力を消耗し、容易に回復できないような状況になりつつあるようです。

    日本としては、ロシアの弱体化はけして悪いことではありませんが、ロシアが大混乱に陥るのは必ずしも良いこととは限りません。ロシアは安保理常任理事国&核大国であると同時に、農業大国&資源大国でもあります。すでに小麦や大豆などの食料、そして原油や天然ガスなどの国際市場価格が高騰していますが、ロシアとウクライナが大混乱に陥り、輸出がままならなくなると、それらに深く依存する中東やアフリカなどにも政情不安が広がる可能性があります。
    食糧&資源価格の高騰は、もちろん日本も大きく影響を受けますので、他人事とは言えなくなります。けして喜ばしい事態とは言えません。

    今となっては、はたしてロシアは「勝利した」と(実態はともかく)宣伝可能なところまでの成果を収められるかも危うくなってきました。そして、「その後」に関する不透明感はますます高まりつつあります。仮にロシアが「敗北」に追い込まれたとしても、単に「良かった良かった」とはなりそうもありません。憂鬱な後始末が残されることになりそうです。

  7. りょうちん より:

    ロシアがT-64Mをウクライナに派遣するそうです。
    これは用途廃止になりつつある74式戦車の同窓生で、わかりやすくガンダムで例えるとラプラス戦争のトリントン基地襲撃にスナイパータイプでないMS-05が出てきたようなものw

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