文在寅政権の2年を振り返る:当ウェブサイトの予想は的中?
私たちのお隣の国・韓国で、文在寅(ぶん・ざいいん)政権が成立して丸2年が経過しました。日韓関係の悪化は私が予想した以上のスピードで進行していますが、それだけではありません。米国との関係もダメ、中国との関係もダメ、国内経済も外交も金融も手詰まりであり、とくに、金融危機・通貨危機の兆候が見え隠れしている状況も不気味です。文在寅政権がわずか2年で、まさかここまでの「成果」をあげるとは、正直思ってもいませんでした。ただ、それと同時に文在寅政権が破綻すれば、それはそれで日本にとってはリスクでもあります。まさに「マネージ」が大切な局面であることは間違いなさそうです。
目次
文在寅政権の2年
日韓関係は崩壊寸前
先日、韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)大統領の在任期間が2年を超えました。
良い機会だと思って、当時の状況を振り返ろうとして、2年前の当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』の記事『日本人よ、「日韓新時代」を覚悟せよ!』を読み返していたのですが、そのなかで「文在寅大統領の最初の仕事は日韓関係の破壊」という予測をしていて、我ながら苦笑しています。
これは、文在寅氏が当時から日韓慰安婦合意の破棄・再交渉に言及していたことに加え、高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の撤回を匂わす発言を行ったり、北朝鮮との金剛山観光事業・開城工業団地事業の再開を明言していたりした点などを手掛かりにした予想です。
ところが、文在寅政権発足からわずか2年で、現在、日韓関係は崩壊の危機にあります。
その原因はいくつもあるのですが、文在寅政権下の韓国は以前から存在している日韓間の各種懸案(慰安婦問題、日本海呼称問題、竹島不法占拠問題)をまったく解決せず、それどころか、
- 徴用工判決問題
- 慰安婦財団解散問題
- レーダー照射問題
- 国会議長による上皇陛下侮辱発言問題
- 旭日旗騒動
などのあらたな問題を引き起こしたからです。
米国、中国との関係も悪化
ただ、不思議なことに、文在寅政権は日本との関係だけでなく、米国、中国との関係も悪化させているのです。
このことは、歴代の韓国の政権が取ってきた戦略に重ねあわせてみると、よくわかります。というのも、従来の韓国の政権は、日本との関係を損ねても、中国や米国との関係については良好に保とうと努力して来たからです。
たとえば、韓国の金泳三(きん・えいさん)大統領(当時)は1995年11月、中国の江沢民(こう・たくみん)国家主席との首脳会談後の共同記者会見で、「日本の『ポルジャンモリ』を叩き直す」との暴言を吐きました。
この「ポルジャンモリ」とは、いわば、目上の者が目下に対して「バカタレ」、「礼儀知らず」などと蔑む際に使う単語だそうであり、こんな単語を外交の場で使うのは異例です。ただ、この発言の裏には「中国の後ろ盾を得た安心感」があったことは間違いありません。
また、朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領はバラク・オバマ米大統領(当時)が取り持つまで、安倍晋三総理大臣との日韓首脳会談に応じようとしませんでしたが、これも「米国の後ろ盾を得て日本を叩く」という発想のあらわれと見るのが正解でしょう。
ところが、文在寅政権の2年間を見ると、韓国は少なくとも中国、米国との関係についても良好であるとは言い難い状況です。
たとえば、文在寅氏自身、2017年12月には「国賓」として中国を訪問していますが、「国賓」と言いながら、滞在期間中は何度も「ひとりメシ」を余儀なくされるなど、徹底的に冷遇されました。翌年に訪中した安倍総理が習近平(しゅう・きんぺい)国家主席から厚遇されたのとは対照的です。
また、米国との関係については、それこそ「歴代最悪」という言葉がよく似合います。米国の同盟国でありながら、あたかも北朝鮮の独裁者・金正恩(きん・しょうおん)のスポークスマンであるかのような言動を取っていることが、米国の信頼を決定的に損ねているのです。
政治もダメ、経済もダメ、金融もダメ
しかも、運悪く、大海に辛うじて浮かぶ小船が荒波で転覆しそうになっているかの如く、現在、国際情勢は韓国にとってきわめて不利な状況にあります。
まず、経済・金融面でいえば、いつ韓国を通貨危機が襲っても不思議でない状況が生じつつあります。
最大の輸出相手国である中国は、米中貿易戦争の余波を受け、国際的なサプライチェーンから除外されそうになっていますし、中国経済が崩壊すれば、対中輸出高がGDPの10%を占める韓国経済にとっても無事ではないでしょう。
また、米国のイラン制裁の影響によりイラン産の原油の輸入が難しくなったこと、自動車メーカー・ルノーサムスンで労働争議が頻発するなかで同社の韓国撤退リスクが高まっていることなど、経済環境は非常に厳しいと言わざるを得ません。
これに加え、経済情勢を無視して文在寅政権が発動した最低賃金の引き上げは韓国の雇用状況にかなりの悪影響を与えている可能性もあるようです(※このあたりはいずれ、機会を見て、OECD等のデータを使った分析を行ってみたいと思います)。
さらに、当ウェブサイトでは何度か触れたとおり、韓国の通貨・ウォンが対米ドルで下落しています。
韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)の報道によると、韓国ウォンは4月を通じて2.9%下落したとしており、この下落率は「主要新興国の通貨ではトルコリラとアルゼンチンペソに次ぎ、3番目」だったのだそうです。
際立つ韓国の通貨安 1カ月で対ドル2.9%下落(2019.05.12 11:15付 聯合ニュース日本語版より)
このような苦境を乗り越えるために、伝統的に韓国が持ち出して来たのが、日米との関係です。
たとえば、2008年に米リーマンブラザーズの経営破綻に端を発する世界的な金融危機が発生したときには、韓国の通貨・ウォンが暴落し、一部では韓国経済が連鎖破綻するとの噂もあったのですが、このときは12月に入って日米などから通貨スワップを提供され、事なきを得ました。
韓国と距離を置く
用日論が頭もたげるのも当然
もちろん、今すぐ韓国を通貨危機が襲うと申し上げるつもりはありませんが、万が一、韓国経済が再び破綻の危機に瀕すれば、「2008年にときのように、日米との連携によりそれを乗り越えるべきだ」、との主張が、韓国国内では強まるでしょう。
しかし、2008年当時は李明博(り・めいはく)政権が日米との関係を比較的良好に保っていたことを忘れてはなりません。
これに対し、文在寅政権下の韓国は、日本との関係だけでなく、米国との関係についても極端に悪化させているのであり、万が一、現時点で韓国が通貨危機に巻き込まれたとしても、少なくとも日米両国は身銭を切って韓国を助けるとも思えません。
こうしたなかで、韓国側の「保守派」と呼ばれるメディアを中心に、最近になって頻繁に出てきているのが、「韓日関係の破綻を防ぐためには、韓日双方が譲歩すべきだ」、といった主張です。
当ウェブサイトでも、日本語版ウェブサイトを保持している東亜日報、中央日報、朝鮮日報の3紙(以下「東中朝」)の論調は頻繁に取り上げているので、以前からの読者の皆さまはご存知でしょう(最近だと『韓国人学者「日本から見て信頼に値するのは韓国より北朝鮮」』でも触れています)。
しかし、結局のところ、こうした用日論が頭をもたげてくるのは当然です。韓国の「保守派」の正体は「用日派」だからです。「用日派」とは、歴史問題などではしっかりと反日をしつつ、経済・金融協力などの都合が良い部分では日本に擦り寄る勢力のことですが、まさに東中朝あたりは典型的な用日派メディアです。
たとえていえば「寄生虫」
あえて過激な表現を用いると、「用日派」の主張とは、寄生虫のそれとよく似ています。なぜなら、「用日派」は究極的には、相手のことを嫌い、半ば公然と罵りながらも、利用できる部分では利用する、という発想で動くからです。
逆に言えば、寄生される側である日本にとっては、表面上ニコニコして近づいてくる韓国の用日派こそ、注意しなければならない存在です。というのも、韓国に「寄生」されれば、日本社会をズタボロにされ、虎の子の技術や資本を窃盗されてしまう可能性すらあるからです。
金曜日、日経電子版にこんな記事が掲載されていました。
IT分野で外資規制拡大 中国念頭に技術流出防止(2019/5/9 18:00付 日本経済新聞電子版より)
これは、財務省と経産省が共同して、IT分野での外資規制を強化するというもので、「中国を念頭においた技術流出防止・サイバーセキュリティ対策」ということだそうですが、これについて言いたいことは、2つあります。
1つ目は、「遅すぎる」、ということです。
1980年代に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれたころの総合電機メーカー、家電メーカーなどは、現時点ではほとんど存在感を持っていませんが、その理由にはボンクラ経営者が虎の子の技術を中国や韓国に流出させたという要因も大きいと私自身は考えています。
遅すぎる、といってもやらないよりはマシですので、必要な対策はさっさと講じてほしいところです(※もっとも、日本企業の没落の原因は中韓への技術流出だけではありませんが、このあたりについては、機会があれば、どこかで私自身の持論をあらためて述べてみたいと思います)。
2つ目は、ターゲットとなる国は中国だけではない、という点です。
外為法といえば、以前、『外為法第48条の研究:韓国に対するモノの流れの制限とは?』や『外為法第16条の研究:韓国に対するカネの流れの制限とは?』でも触れましたが、「モノ・カネ」の流れを制限するための絶大な武器でもあります。
日経報道だけでは外為法、外国為替令などに対し、具体的にどのような条文変更が加えられるのかはよくわかりませんが、本件については注意深く眺めてみたいところでもあります。
タダ乗り経済の韓国、事態収拾能力なし
以前から何度も申し上げているとおり、日韓断交が実現すれば、韓国経済にとっては壊滅的な打撃が生じます。なぜなら、韓国経済とは基本的に「タダ乗り経済」だからです。
現在の韓国経済とは、わかりやすくいえば、日本の高度な技術力で生産されたさまざまな資本財を組み合わせ、韓国国内で半導体やスマートフォンなどを組み立てたうえで全世界に輸出するというものですが、これも隣に日本があるからこそ成り立つ「タダ乗りビジネスモデル」です。
また、1965年の日韓国交正常化以前だと、韓国経済は全世界の最貧国レベルでしたが、それでも何とか文明的な生活を営んでいたのは、戦前の日本統治時代に建設された莫大な社会インフラの遺産をタダで使っていたからです。
1960年代までは韓国よりも北朝鮮の方が豊かだったのも、日本の工業インフラの多くが朝鮮半島北部に残されていたという事情もあるでしょう(※その意味で、北も南も「タダ乗り経済」です)。
しかし、現在の文在寅政権下の韓国が日本に対して行っている行為は、さすがに「寄生虫」として許される限度を超えています。そうなれば、日本国内でも「対韓配慮派」の発言力は弱くなり、「寄生虫」を排除しようとする声が強くなるのも当然の話でしょう。
韓国の破綻は必然?
河野外相「韓国が責任もって処理を」の真意とは?
こうした状況については、安倍政権もよく見透かしているようです。
その参考になる記事が、昨日、読売新聞に掲載されたらしく、それが複数のニューズサイトに転載されています。
徴用工「韓国が責任を持って処理を」…河野外相(2019年5月12日 8時44分付 ライブドアニュースより【読売新聞オンライン配信】)
ここでは『ライブドアニュース』の記事を紹介しておきましょう。
これは、土曜日に札幌市内のホテルで行われた『読売ビジネス・フォーラム2019』の第1回講演会で河野太郎外相が『今後の日本外交の行方』という演題で講演し、北朝鮮やロシアなどとの関係について説明した、というものです。
読売新聞によると、河野外相は悪化している日韓関係を巡っては、
「政治の場面で日韓関係をよくできるようにしたい」
と改善に意欲を示しつつも、関係悪化の要因(の1つ)である自称元徴用工らの問題に関しては
「韓国政府が責任を持って処理しなければならない」
と突き放したのだそうです。
河野さんもなかなか意地悪な方ですね。
韓国政府に「責任を持って問題を処理する」という能力があれば、自称元徴用工らの裁判の問題など最初から発生していませんし、慰安婦問題も、レーダー照射事件も、すべては韓国側が適切に処理していたはずです。
外交の最前線にいる河野氏が、そのことを理解していないはずなどありませんし、国連職員として通訳をやっていたという程度のキャリアしかない韓国の外交部長官とやりとりをしていれば、相当のストレスを感じているに違いありません。
要するに、河野氏の発言は、「どうせ韓国政府には事態収拾能力などないと思うが、ま、せいぜい頑張れや」という、きわめて突き放した言い方に聞こえるのです。
日本は粛々と準備だけ進めるべし
もちろん、「日韓断交」という状態が到来すれば、日本経済にとっても大きな打撃が生じますし、日韓間の日常交流が途絶えればさまざまな混乱も生じるため、私自身は日韓断交までを望んでいるわけではありません。
しかし、最悪のケースとして「日韓断交」が生じた場合の影響については、だいたいのところを予測しておくことも大事です。
この点、以前、『「カネ」から眺めた日韓関係:日本にとって韓国は2%の国』でも議論しましたが、日韓断交で壊滅的な打撃を受けるのは韓国の側であり、これに対して日本が受ける打撃は決して「壊滅的」なものではありません。
また、日韓断交に至る前に、日本としては、たとえば徴用工判決問題などで、韓国に対して何らかの警鐘を発しておくべきではないかと思います。
『「韓国に対する経済制裁の在り方」についてまとめてみた』のなかでも触れたとおり、日本が韓国に対して講じる措置は「積極的経済制裁」(日本が積極的に「韓国に対して経済制裁する」と宣言するタイプの制裁)に限られるものではありません。
あくまでも私自身の考察に基づく分類ですが、ざっと次のようなものが考えられます。
この点、日本政府はいまだに韓国に対する積極的制裁に乗り出していませんし、これについては私自身ももどかしい思いを抱えていますが、考え様によっては、日本政府があえて積極的制裁に乗り出していない理由は、
- 日本企業にサウス・コリア・リスクを認識させること
- 韓国の瀬戸際外交を相手にしないこと
といった点もさることながら、決定的な制裁を避けることで文在寅政権を長持ちさせようとしている、という可能性もあるのではないでしょうか。
文在寅政権の破綻は日本にとってもリスク
つまり、日本政府が韓国に対する厳格な経済制裁を発動し、その結果として文在寅政権が崩壊してしまうようなことになれば、それはそれで非常に厄介だからです。
これについて、後任政権が文在寅氏と同じく「極端な反日派・反米派」を支持基盤とする政治家であれば、現在の路線は維持されます。しかし、朴槿恵前政権で首相を務めた黄教安(こう・きょうあん)氏のような「保守派」(?)が大統領に就任すれば、再び韓国は反日から用日に舵を切るかもしれません。
そうなれば、韓国が「寄生虫」としての性格を再び発露し、「対韓配慮派」(※二階俊博氏や額賀福志郎氏のような政治家など)におもねって、日韓関係の修復に動こうとするでしょうし、その過程で日本政府はまた韓国に対する妙な譲歩を余儀なくされるかもしれません。
非常に逆説的ですが、私自身、現在の韓国の行動については、「寄生虫が自らの選択で、日本から排除されるような行動を仕掛けている」ようなものだと思います。
その意味では、文在寅政権が1日でも長く続いてくれたほうが、日本としても韓国と距離を置きやすくなるという効果があると思いますし、逆に、文在寅政権の破綻は日本にとっても大きなリスクなのです。
だからこそ、日韓関係には「マネージ」がひつようなのかもしれませんね。
架空社説再掲
いずれにせよ、「東中朝」などの韓国の「保守派(用日派)」が焦る現状というのは、日本にとっては決して悪い状況ではありません。日本としては、現状のまま、文在寅政権が韓国経済と日韓関係を破壊していく様子を、「マネージ」しながら見守るのが良いでしょう。
ただ、「東中朝」のうち、とくに中央日報は、文在寅政権成立当初はやたらと文在寅氏をほめそやしていたことを忘れてはなりません。これについては、ちょうど2年前に、『「架空社説」と本日の韓国NEWSダイジェスト』という記事のなかで、関連する記事を紹介していますのでご参照ください。
こうしたなか、中央日報さんを初めとする「東中朝」の皆さんに、是非読んで頂きたいのが、当時、私自身が執筆してみた「架空社説」です。これを再掲しておきましょう(※ただし、字数の都合上、一部、大意を変えない範囲で改変しています)。
【社説】文在寅政権、現実を見よ
文在寅大統領は就任初日、ざっくばらんで国民に寄り添う姿勢を示した。
大統領は顕忠院を参拝後、すぐに国会に赴いて院内5党の代表と面会。なかでも最優先で訪ねたのは最大野党の自由韓国党の指導部だった。文大統領はさらに、首相候補、国家情報院長候補、秘書室長の人選について、国民に対し、自ら説明した。
こうした行動は、文大統領が主張する「国会重視」、「国民との対話重視」の姿勢のあらわれだ。しかし、国政には課題が山積していることも忘れてはならない。
まず、わが国が最優先で対処しなければならないのは、北韓の核・大量破壊兵器の問題だ。これには韓米、韓日、韓中の対話が欠かせない。それなのに、大統領の主張はこころもとない。
とりわけ、わが国の防衛を考えるならば、韓米関係は最重要だ。しかし、ドナルド・J・トランプ米大統領はわが国の大統領選挙中、高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の配備費用をわが国に求めたことで、わが国で混乱が生じたのも事実だ。
背景には、トランプ氏が文大統領について、北韓と通じているのではないかとの疑念、ないし不信感を抱いていることも事実であろう。文大統領は、まず真っ先に米国を訪問し、トランプ大統領との信頼を強め、韓米関係を強化すべきだ。
次に、韓日関係について見てみよう。日本は北韓の核の脅威を受けるという意味で、わが国と同じ立場にある。こうした中、軍事面からは昨年11月に締結した韓日包括軍事情報保護協定(GSOMIA)も活用しつつ、日本との協力も大切だ。
また、日本の安倍晋三首相は一昨年の「慰安婦に関する12.28韓日合意」の履行や、ソウル日本大使館や釜山日本総領事館前の公道上に設置された慰安婦を象徴する少女像の撤去をわが国に求めている。
韓日関係を重視するなら、この問題をいつまでも放置することはできない。わが国にとって「12.28合意」に納得がいかない部分があるにせよ、この誠実な履行が必要だ。なぜなら、この合意を破棄すれば、最悪、日本はわが国を見捨て、資本を引き揚げ、韓日関係が終焉してしまうかもしれないからだ。
そして、韓中関係については、経済面、安全保障面からとらえ直さなくてはならない。とくに昨年のTHAAD配備決定以来、中国はわが国に対し、貿易や観光などの分野で、事実上の経済制裁に出ている。
こうしたリスクを減らすためには、貿易面での中国への依存度合を低減するとともに、引き続き粘り強く、中国に対してTHAAD配備についての理解を求めるべきだ。
また、北韓の核開発がここまで進行した背景には、中国による北韓支援という要因は無視できない。今日の事態を招いた責任の一端が中国にもある以上、わが国は中国に対しても、米日両国と連携し、北の核放棄への圧力を求めるべきである。
さらに、中国は南シナ海や東シナ海での海洋進出に野心を燃やしている。わが国も米日両国と連携し、中国に対しては国際法の遵守を強く求めていかねばならない。
一方、文大統領の北韓に対する政策にはゆゆしき懸念もある。それは、開城工業団地事業と金剛山観光事業の再開を公言していることだ。この2つの事業の再開に踏み切れば、米日両国との共同歩調に足並みの乱れが生じるだけではなく、最悪、米日両国から金融制裁の憂き目に遭いかねない。
それだけではない。文大統領が親北の意思を隠そうとしていない以上、それだけで今後、米日両国の韓国外しが本格化するだろう。現在のわが国にとっての最優先課題とは、米日両国と歩調を合わせ、北韓に核放棄を迫ることである。逆にいえば、米日両国と足並みを乱すような動きは、厳に慎まねばならない。
すでに文大統領の「就任パーティー」は終わった。今後は速やかに、米日両国と緊密な連携を取り、この国難に対処していくべきである。
いかがでしょうか?
この文章、現在読んでもまったく色褪せていないどころか、あきらかに現在の惨状をそのまま予言するものです。もちろんこれは、私が自画自賛して申し上げているわけではありません。この程度の主張は、当時からインターネット上で断片的に存在していて、私はそれをとりまとめたに過ぎないからです。
単なるウェブ評論家が2年前の時点でこの程度のことを予想していたのですから、韓国のマスコミの認識が非常に遅れていること、さらにいえば、文在寅政権が致命的に現状認識できていないことがよくわかるのではないでしょうか。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
たとえていえば「寄生虫」
https://shinjukuacc.com/20190513-02/#i-7
であるのは、韓国本国だけなのでしょうか?
https://monqu.web.fc2.com/minzok.html
1987年6月 韓国民主化
1988年9月 ソウルオリンピック
1992年8月 中国と韓国国交正常化
1995年11月 「日本の『ポルジャンモリ』を叩き直す」
このあたりで慰安婦問題も顕在化、天皇の「日王」化等侮日等、
韓国内のパラダイムシフトが起こっている。
日本は気づかないふりをしていたのか、騙されていたのか。
そのツケが今に至り、日本は対韓戦略の見直しを求められる。
清算される時がきた。
更新ありがとうございます。
文政権誕生から暫くの間、東中朝はしきりに文政権を褒める「ヨイショ」記事が多かったと思います。ところが、日が経つ毎に批判が出始め、今やなんでもかんでも文が悪い、進歩系が政権取ったからこうなった、という論調が多い。
この保守系のマスゴミ人らは本当に「用日」ですねー。日韓の関係が悪くなる、日本は未だに使える部分がある、見習うところは見習ってやらねばならない(笑)。とか妄言連発。
無茶な要求を重ね、反日にオールインする韓国など、既に見限っているのは日本国民でオーソライズされてます。二階はじめ親韓、媚韓議員、企業オーナー、一部官吏は別にして。
今既に韓国は死に体ですが、最期、トドメの一撃は米国はじめ、北を庇う、支援確定で自由主義同盟で共同制裁が良いと思います。ま、どっちにしても日本が助けなかったとなるでしょうが、その時こそ、弱り目に祟り目、バッサリ断交を言い出せば良いでしょう。
2%だもん、ちょっと我慢すれば、すぐ日本は回復する(笑)。こんな寄生虫、孫ひ孫の代まで、たかられるのは、たくさんだッ。
積弊精算、歴史の書き換え、自らに有利な選挙制度改革、検察司法などの犯罪を捜査する新たな組織の設置など文在寅としては着実に成果を挙げつつある。
日本や欧米から見て韓国の内政外交に低い評価をすることに意味はない。価値基準・評価軸が違うのだから。
問題は日本の国益を損なう行為をさせないことで、それで韓国がどうなろうと関係ないし考える必要もない。そういう意味で韓国との関係改善などという空虚な問題を持ち出し日本側の譲歩を迫る(日本国内の)勢力には徹底的にノーを叩きつけないといけない。
自己コメントです。
本文でも触れた、韓国の「保守派メディア」による「ツートラック型用日論」が、本日も中央日報に掲載されていました。
【コラム】日朝修交協力を韓日関係回復の契機にしよう(2019年05月13日06時55分付 中央日報日本語版より)
まぁ、何といいますか、よくそんなことをぬけぬけと主張できるものですよね。
ちなみに韓国側が「謝罪しろ」「謝罪しろ」と言い続ければ、日本側で必ず2つの反響が出て来ると思います。
1つ目は、「日本はちゃんと謝ったのに、なぜ今でもそれを引きずるのか」という不満を日本側で引き起こすこと(※日本が謝ったのは1回や2回ではありません)。
2つ目は、「そもそも日本は韓国に謝る必要があるんでしたっけ?」という疑念を招くことです。
そんなこともわからない人物が駐日大使を務めていたという事実に驚愕しますね。
「韓国(人)だから」としか言いようがないことに、すべての日本国民が気付くべき。
日本を含む欧米先進国の“価値観”を共有できない野蛮国家・野蛮人の言動・行動を合理的に理解する試みは不可能であり無駄です。
ましてや、韓国に意見したり質問するのも無駄。「なぜニャン!ではなくワン!と鳴くのか?」と、犬に問うようなもの。
俺様がこの家のボスだと勘違いしたペットの犬に正しい序列を教えるためには、実力をもって躾をし、この群れではパパ(ママでもいいですが)がボスだと教える必要があります。それを実践しているのが中国。日本も中国に倣うべきです。
もう、ツートラックなどと言わせない!そういう痛い躾をしなければいけない時期が来た。
匿名様へ
≫俺様がこの家のボスだと勘違いしたペットの犬に正しい序列を教えるためには、実力をもって躾をし、この群れではパパ(ママでもいいですが)がボスだと教える必要があります。
一頃、韓国メディアも日本のメディアも口を揃えて、日本は韓国に対して『大人の対応』をすべきである、と説いていましたね。
責任ある『大人の対応』を果たすためには、日本は韓国に実力をもって躾をすべきだという反論がネットであってからは、『大人の対応論』は鳴りを潜めました。(笑)
忘れた頃にまた、出てくるかもしれませんが…
しかし、これもネット内で反論にあいます。躾をすると、韓国は日本に面従腹背ですり寄ってくるでしょう。朝鮮人を日本に従属させれば、日本は再び敗戦の道を歩むことになるぞ、彼らが味方につくと必ず背後から撃ってくるぞ、と。本当に躾をしたいのか、と反論があります。
売り場の地面に寝転がって『買って買ってぇ~』と泣いて駄々をこねる子どもがいますが、責任ある親は困った顔をしてはなりません。一蹴り入れて『ほら、たて』と冷たく言い放つのが、親の対応として正解です。子どもは諦めて泣き止みます。
ですが、こういう子どもは親に面従腹背し、長じて反社会的な問題行動を起こすようになるでしょう。親は子どもから自身の業を見せつけられることになります。
では、どうすればいいのか?
虐待をして子どもを恐怖で押さえつける威力を示してやるのか、それとも無関心の態度を続けて放置しながら子どもを頃す親になるのか、それとも徹底的に甘やかしてやるのか、色々と方法はあるでしょう。
更新ありがとうございます。
本日の中央日報日本語版に元駐日大使で高麗大学名誉教授の、韓日関係の回復を訴えるコラムが掲載されています。
典型的な保守・用日派だと思われますが、後半には、停滞した経済交流の回復とともに文化交流の大切さも主張しています。~韓流はもうウンザリですが。
現在の韓国が置かれた八方塞がりの状況に強い危機感を抱いていくつか打開策の提案といったところですが、肝心の戦時売春婦問題や自称徴用工問題への言及はありません。
これまで煽りに煽ってきた中央日報等のマスゴミも、このところ頻繁にこの種の記事を掲載するるようになりましたね。
ですが、昨日の朝鮮日報で、またしても私立学校で親日人名辞典に載っている有名音楽家によって作られた校歌の変更が決定されたと報じられていますように、親日精算・積弊精算の風は吹き荒れており留まるところしらずです。
我々は、基本的に韓国民の多数がそうしたことを支持しているという現実を十分認識すべきです。
(余談ですが、昨日放送の「そこまで言って委員会」出演の弁護士たちは、いわゆる徴用工訴訟大審院判決は、慰謝料の個人正請求権を認めたという意味で正しい、と述べていたのには大変驚きましたが・・。)
韓国の学校教育では、徹底した反日教育が行われており、ある意味このことこそが一番の問題だと思います。洗脳された凶徒にもなりうる若い世代が粗製乱造されてくるからです。
若い時分にすり込まれた反日思想は「恨」の遺伝子との相乗効果を生み、この連中がひとかたまりの勢力になり、我が国に将来、重大な危害を及ぼす可能性があると考えます。
ここらに踏み込まずしては、日韓関係の改善などあり得ないと思います。
そうですねえ、その通りですね。
以前日本の教科書問題が騒がれたころ、日本のメディアで韓国自身の教科書に触れた記事は、私の知る限りなかったと思います。日本の教科書どころじゃなくて、本当にひどいもんですが。その反日教育の実態をもっと明らかにする必要があると、私も思います。
>朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領はバラク・オバマ米大統領(当時)が取り持つまで、安倍晋三総理大臣との日韓首脳会談に応じようとしませんでしたが
第一次安倍政権当初、日米関係は最悪でした。前民主党政権ルーピー(おバカの意味)ハトヤマの活躍で、アメリカの日本に対する信頼は地についていました。
>そうなれば、日本国内でも「対韓配慮派」の発言力は弱くなり、「寄生虫」を排除しようとする声が強くなるのも当然の話でしょう。
油断してはいけません。半島人の寄生虫性格を知っていて、駆除の必要性を実感しているまともな日本人は少ないですから。
日本人の大半が忙しい日常で無関心です。そして、そのことに便乗して、今まで声の大きかったのは、日本に不法居住している在日韓国人、在日朝鮮人です。
現在の日本にとって、大変幸運なのは、現内閣の閣僚の多くが(全員とは言えませんが)、まともな日本人であるということです。私たちの責任は、彼らまともな日本人の仕事を支持し、支えて行くことでしょう。
>『「架空社説」と本日の韓国NEWSダイジェスト』という記事のなかで、
あの国の民族がまともであれば、この社説は、大いに評価されると思いますが、ムダだと思います。
在韓のイギリス人ジャーナリスト、マイケル・ブーリン氏が、「この国では、民意が政治や司法の上に君臨する」と指摘しています。あの国では、民意をいうスイッチを操ることができれば、どのような暴挙も可能です。
また、韓国の理性といわれる教授も「この国の民族主義は、先進国のそれとは異なり、民族を統一して国家を形成することが敵わなかった。なぜなら、嘘で他を貶めて自を成り上げるという民族性があるからだ」といったような趣旨を主張されていました。
彼らが、この呪いのような民族性から抜け出すことができない限り、真の意味での文明人にはなれません。
みずきの知韓派宣言から。
韓国は、保守も革新も反日。保守の反日のほうが、タチが悪い。
分かりやすい反日の文大統領の後は、用日派が親日のふりをして近づいてくるかもしれません。
決してだまされないよう、関わらないという流れは変えないで欲しいです。
更新お疲れさまです。
私も、コメントされている皆様のご意見に基本的には(心情的には)大いに賛成なのですが、ネット(に限らず)上での議論においてはあまり「寄生虫」のような過激な単語の使用は控えた方が無難かと思われます。日韓関係の基本的認識をあまり備えていない方などが見た場合、過激な意見であり排斥すべきものとして認識する可能性もあります(私も表現が過激になりがちですが)。
慰安婦問題などは、韓国は、その独特な価値観に基づき、「正しいことをしている」との主観的認識によって問題提起していると思われ、言わば単なる感情的(非戦略的)な反応であるといえます。であれば、日本がとるべき対応は、(国際社会に対して明示的に)理論的な反論を粛々と行っていくことかなと思われます。これは、オーストラリアの慰安婦像建立の是非において山岡鉄秀氏が採られた戦法とのことです。これにより、慰安婦像建立は結局オーストラリアの自治体(議会:どこの自治体か忘れました。)において否決された(成功)模様です。言わば、わが国の対韓国対策(戦術)の良い見本を提示してくれています。
その上で、韓国が接近してきた場合は「全て韓国側に責任があるため、その是正が先だ」と突き放していればいいかな、と。
既出かもしれませんが、朝鮮日報の記事が面白かったので貼り付けておきます。就任当時の言葉が悉くウソだったという、この二年の総括です。
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2019051080164