昨日、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に、ソウル大学国際大学院の朴喆熙(ぼく・てつき)教授による、なかなか鋭い論考が掲載されています。ごく簡単にいえば、日韓関係が破綻すると韓国にとっては平和と繁栄が損なわれかねない一方、日本は韓国なしでやっていけるよう、粛々と準備を進めている、という主張です。とくに、「政権が変わるたびに約束がひっくり返される韓国よりも、独裁国家である北朝鮮の方が話になる(かもしれない)」という指摘は、現在の韓国がいかに国際社会の信頼を失った状態にあるかという意味で、非常に重要です。

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2019/05/11 15:50 追記

「海辺の仕事場」様からのコメントを受けて、記載を一部修正しています。

  • (修正前)「米国は日本の最大の貿易相手国でもあります」
  • (修正後)「米国は日本の最大の輸出相手国でもあります(※)」

また、(※)として、情報源を付記しています。

「海辺の仕事場」様、貴重なご指摘を賜り、大変ありがとうございました。

価値と利益の関係

国益は常に2つ:平和と繁栄

当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』では常に申し上げていることですが、古今東西あらゆる国において、「国益」とは、究極的にはたった2つしかありません。

それは、「平和」と「繁栄」です。

「平和」とは外国から攻め込まれないこと、「繁栄」とは国民が豊かな暮らしを送っていくことができることであり、これをもう少し専門的な言葉で「軍事的安全保障」、「経済的利益」、などと呼ぶこともあります。

逆に言えば、この「平和」「繁栄」という2つの目標を達成することができなければ、いずれ、政府は倒れてしまいます。

経済が崩壊状態にある南米・ベネズエラの場合、先日、独裁政権の打倒を目指したクーデターが発生したものの、結局は失敗に終わったようですが、ハイパーインフレや外国からの経済制裁を放置している限り、マドゥーロ政権が崩壊するのも時間の問題でしょう。

また、地政学的に大国・ロシアと接しているにも関わらず、ソ連崩壊以降、積極的に軍備を整えてこなかったがために、領土であるクリミア半島やセバストポリ市を奪われたウクライナのような事例もあります。

つまり、国の基本は経済と軍事であり、これは古今東西、絶対に変わらない鉄則なのです。

その意味で、軍備を禁じるだけでなく、戦争そのものを議論することを封殺するようなわが国の日本国憲法下における社会的風潮は、いかにも異常です。

余談ですが、日本国憲法の異常性については、つい先日、『憲法記念日に「脱税の放棄」について考えてみた』のなかでも取り上げていますので、ご興味があればご参照ください。

憲法記念日に「脱税の放棄」について考えてみた

(※ちなみに常勤リンク先の記事は某大手オピニオンサイトにも転載され、ご好評をいただいたようです。)

外交関係にも管理が必要

ところで、むかし、「争いのない世界を想像してごらん」「いつの日にか全世界が1つになるといいな」と歌った某著名バンドがいましたが、「世界平和」は誰しも夢見るものではないでしょうか?(そういえば、わが国にも「世界全部がお友達」という、一種の「お花畑」的な思想を持った首相がいましたね。)

実際、地球上に存在するすべての国と、「対等な主権国家同士、手を取り合い、ともに未来に向けて発展して行ける」という関係を構築するのが理想的ですし、すべての国がお互いに不可侵条約を結び、それをすべての国が守るのなら、この地球上から戦争がなくなるにちがいありません。

ただ、非常に残念なことに、そうした考えは単なる理想論に過ぎません。

現実には、条約を結んだくらいで戦争はなくなりませんし、また、戦争まで至らなくても、世界では異なる国同士の国益が、常にぶつかり合っています。よって、世界の国々はうまく戦争を避けつつ、お互いに国益を譲り合いながら、うまく付き合っていかなければなりません。これこそが、外交の本当の意味です。

外交とは:戦争を避けながら他国とぶつかる国益をうまく調整すること

そのためには、とくに利害がぶつかり合う国や、戦略的利益を共有する国については、普段から相手国と意思を疎通し、「相手が何を考えているか」を常に把握しておく必要があるのです。

しかし、人間関係でもそうですが、相手と心の底から分かり合うためには、ある程度は基本的な価値観を共有していなければなりませんし、基本的な価値観を共有していない相手とは、「それなりに警戒したお付き合い」が必要です。

日本の場合だと「自由主義、民主主義、平和主義、法治主義、人権尊重」などの価値観を大切にしていますし、また、悠久の歴史を有する皇室を戴いているという事情もあるため、中国共産党による軍事独裁国家である中華人民共和国とは、どうしても基本的なところで相容れません。

これに対して米国の場合は自由主義、民主主義、法治主義などの点で日本と基本的な価値観を共有していますし、英国の場合はこうした価値観に加え、国王(女王)を戴いている立憲君主国という点において、日本とはさらに深く価値を共有しています。

ただ、いくら価値観を共有していたとしても、相手国と仲良くするためには、前提として、その国と付き合うことで何らかの利益がなければ、関係は深まりません。

日本の場合だと、世界最大の経済大国でもある米国とは産業面、金融面でもつながりが非常に深く、実際、米国は日本の最大の貿易輸出相手国でもあります(※)。また、日中はさまざまな面で問題を抱えているものの、貿易・投資という点では非常に密接な関係を持っています。

(※2019/05/11 15:50追記)

情報源は総務省統計局『世界の統計2019』図表9-6で、2017年における日本の輸出総額698,097百万ドルのうち、米国向けは135,060百万ドルで第1位、中国向けは132,786百万ドルで第2位です。ただし、輸入総額(671,474百万ドル)のうち中国は164,479百万ドルで第1位であり、輸出入を合計すると中国が最大の貿易相手国であるため、「米国は日本の最大の貿易相手国」の文章は誤りであり、これを「米国は日本の最大の輸出相手国」に修正したいと思います。

特別な関係、普通の関係

このように考えていけば、普段から当ウェブサイトで申し上げているとおり、ありとあらゆる国同士の関係は、基本的には

  • 基本的価値を共有するかどうか
  • 戦略的利益を共有するかどうか

という2つの軸で判断するのが良いと思います。

これをわかりやすく図示すると、次の4つの象限に分解できます。

図表 価値と利益の関係
 基本的価値を共有している基本的価値を共有していない
戦略的利益を共有している①基本的価値と戦略的利益を共有する相手国②戦略的利益を共有しているが、基本的価値は共有していない相手国
戦略的利益を共有していない③基本的価値を共有しているが、戦略的利益は共有していない相手国④基本的価値、戦略的利益をいずれも共有しない相手国

(【出所】著者作成)

このなかで、最優先で仲良くしなければならない国とは、①でしょう。

基本的には①の相手国とは、首脳会談でも実務者協議でも虚心坦懐に話をすることができますし、また、当然の信義則として、相手国を試すようなことをしてはなりません。

また、③の相手国の場合、戦略的利益を共有していないものの、基本的価値については共有しているため、そのような国とは、そこそこの友好関係を維持していれば良いと思います。

一方で、扱いが難しいのは、②の国でしょう。

人間関係でいえば「ウマは合わないけれども利害関係があるため、最大限気を遣わなければならない相手」だと考えればわかりやすいでしょうか。また、外見上はとうまく行っていたとしても、相手は常に自国を出し抜こうとして来る可能性もあるため、常に最大限の警戒が必要な相手でもあります。

そして、この4分類の中でいちばん距離を置くべきは④です。

そもそも論として相手国とは基本的価値を共有していないため、分かり合える相手でもありませんし、また、戦略的利益を共有していないため、仲良くしなくても特段困らない、という事情もあるからです。

その意味で、わが国が国益を最大化するためには、全世界を基本的にはこの4つの象限に色分けし、限られた外交リソースは色分けに応じて配分にすることが必要ですし、日本企業が世界でビジネスを行う際にも同じような点に注意しなければなりません。

用日派になぜ警戒が必要なのか

さて、どうしてこんな話を唐突に申し上げたのかといえば、ここ3ヵ月ほどでしょうか、私たちの隣国・韓国で、「用日派」ともいうべき勢力による、まことにご都合主義的な考え方がやたらと目につくからです。

簡単にいえば、「歴史問題では日本を糾弾しつつ、韓国の国益にかかわる部分では日本と協力すべきだ」とするもので、これを「ツートラック」と呼ぶこともあります。端的にいえば、「うまく日本を騙して都合よく利用してやろう」、という考え方でしょう。

こうした主張は、とくに「保守系」を自称する韓国メディアに多く見られます。そして、それらのメディアのなかでも、日本語版ウェブサイトを持っている東亜日報、中央日報、朝鮮日報(いわゆる「東中朝」)を眺めていると、数日に1回以上は、まさに判で押したような「用日論」が掲載されているのです。

これが酷くなったのは、年が明けてからしばらくのことで、当ウェブサイトでも『中央日報「ビッグディール」待望論の正体は韓国保守派の叫び』で触れたとおり、今年の2月に中央日報に掲載された『最悪の韓日関係、慰安婦・強制徴用ビッグディールで突破を』という記事がその典型例です。

中央日報「ビッグディール」待望論の正体は韓国保守派の叫び

中央日報は当時、日韓関係が悪化した理由が、あたかも日韓双方にあるかのような主張を繰り広げたうえで、

最悪の状況になった韓日関係を打開するためには、韓日双方が譲歩し、慰安婦問題や徴用工問題の解決、韓日通貨スワップの再開などで合意すべきだ」(※下線部は引用者による加工)

という、かなり意味不明な主張をしていました。

当時、「なぜ日本が韓国ごときのために、貴重な外貨準備などを使って通貨スワップ協定を締結してやらなければならないのか?」、という点もさることながら、「あれだけ日本に対して酷いことをしておきながら、平然とそれを要求するとは、いったいどういう神経なのか?」という疑問を抱いたものです。

ただ、こうした「韓日関係悪化の原因は韓日双方に原因がある」、「韓日関係を改善するためには、韓日双方が自制し、譲歩することが必要だ」といった主張は、最近になって、「東中朝」を中心とする韓国メディアから頻繁に提起されているのです。

それに気付いた韓国人学者

長文の論考に現れる危機感

これらの「東中朝」の主張は、あまりにも判で押したようにそっくりで、その圧倒的多数は日韓関係が悪化している原因を正面から直視しようとせず、「韓日双方に原因がある」だの、「韓日関係が悪化したら韓日双方が困る」だのと主張して逃げる、という代物であり、最近だと読み飽きてしまいました。

ただし、なかにはときどき、自分たちの国がいかに危うい状況に置かれているかという点に気付く人がいないわけではありません。そんなコラムが、中央日報に昨日掲載された、次の記事です。

【コラム】反日は北朝鮮ばかり得させ韓国の得にはならない(1)(2019年05月10日15時40分付 中央日報日本語版より)

執筆者を眺めると、「朴チョル煕(パク・チョルヒ)/ソウル大学国際大学院教授」とあります。

気になって調べてみると、この朴喆熙(ぼく・てつき)なる人物は、4月15日に韓国・ソウルで開かれた「韓日関係診断専門家緊急座談会」に出ていた人物でもあります(『「韓日関係好転の方法」?「国際法守れ」。ただそれだけだ。』参照)。

「韓日関係好転の方法」?「国際法守れ」。ただそれだけだ。

正直、この手の「用日派」の主張にはまともに取り上げる価値がないものもたくさんありますが、今回のコラムについては、少しくらいは読む価値があります(といっても、合計文字数が3000文字を超えていて、しかも、論旨不明確な箇所もあるため、読むのは平易ではありませんが…)。

朴喆熙氏「日本は韓国の国益に資する」

最初にお断りしておきますが、この朴喆熙氏の文章も、「日韓関係を破壊しかねない材料は一方的に韓国側からもたらされている」という点を、積極的に指摘しているわけではありません。

その意味で、議論としては片手落ちですが、それでもあえて読む価値があるとすれば、朴氏は「日本は韓国の平和と繁栄の安全弁だ」と指摘している点でしょう。

冒頭でも指摘しましたが、「平和と繁栄」とは、「古今東西共通している2つの国益」のことです。そのうえで、朴氏は韓国の現政権が日本に対し、「あたかも敵対的な国家であるか」のごとく振る舞い、その結果、日本を遠ざけて北朝鮮の利益になっていると指摘するのです。

該当する下りは、次のとおりです。

金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は4日、短距離弾道ミサイル発射後に「強力な力によってのみ平和と安全が保障される」と述べた(が、これは)むしろ韓国に適した発言だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権発足以来韓半島の平和構築に注力しているが、強固な安保と力は韓半島の平和を維持する根幹だ

そのうえで朴氏は、朝鮮半島有事の際に、韓国軍、米韓連合司令部、在韓・在日米軍の連携を支える国連司令部、そして、日本にある7ヵ所の国連司令部後方基地にある安保資源は、「日本の自衛隊の支援があって初めて円滑な利用が可能」であり、日本こそが「韓国防衛の安全弁」と述べるのです。

そのうえで朴氏は、北朝鮮の戦略が

韓国安保を解体するために国連司令部-連合司令部-在韓米軍司令部の順に力を弱めること

にあると指摘しているのです(※余談ですが、「韓国という国家の解体は北朝鮮の一貫した戦略だ」と日本の在野の論者などがかなり以前から指摘して来た点であり、私などからすれば、「何を今さら」という気がします)。

そのままでは、北は絶対に核放棄に応じない

要するに、北朝鮮の戦略とは、安保面から韓国を日米から分断することにある、という指摘です。

そして、朴氏は北朝鮮が「日米韓の分断」と並行して、「核兵器を小型化し、ミサイルに搭載すれば北朝鮮を威嚇する攻勢的手段を防げる」という発想に基づき、1990年代以降、核開発と並行してミサイル開発を続けて来たと述べています。

そのうえで、朴氏は次のように続けます。

北朝鮮は核を放棄する意志は持たず各種条件を掲げつつ韓国安保を弱化させる試みを繰り返している。現在の自分たちの経済的生存のために制裁緩和に注力しているが、経済的余力が出てくれば韓半島の平和という名分で停戦宣言を誘導し、国連司令部の解体を試みた後、韓米同盟の絆を弱める方法で平和協定を結ぼうとする公算が大きい

この朴氏の認識は、おおむね正しいと思います。

というよりも、文在寅(ぶん・ざいいん)政権の現在の行動は、北朝鮮の代理人として日本との関係を損ね、韓国の国内経済を破壊し、最終的には米韓同盟を破綻に追い込もうとしているようにしか見えないからです。

要するに、文在寅政権下の韓国の行動は、日韓関係を破綻直前に追い込むことで日本との軍事協力を停滞させ、そこから米韓同盟を解体させる、という点で一貫しているのです。

(※余談ですが、朴氏がこのような認識を持っているのなら、なおさら、韓国政府が現在行っている、日韓関係を破壊するような動きを正面から批判すべきですが、それができないのは、迂闊にそれを主張すると、彼自身が韓国国内で袋叩きに遭うからなのかもしれません。)

そして、朴氏は韓国の反日が情緒的・感性的なものであり、いまや、それが完全に北朝鮮によって日韓離間のために利用されてしまっている、と指摘。「韓日を仲違いさせ安保協力の輪を断ち切」ることで、

  • 朝鮮民族の精気を高める
  • 日韓の摩擦を高める
  • 親日・反日のせめぎあいで韓国社会内部の葛藤を促す

という、「一石三鳥」の効果があると述べているのです。

このあたりの主張は、米戦略国際問題研究所(CSIS)の上級アドバイザーであるエドワード・N・ルトワック氏が執筆し、奥山真司氏が監訳した『自滅する中国』のP234に出てくる、

自国に対して最大限の脅威をもたらす国である北朝鮮に立ち向かおうとせず、自国に対してまったく脅威をもたらさない国である日本を最大限、苛立たせようとする

という表現ともよく似ています。

北朝鮮や中国の方が「話が通じる」

ただ、北朝鮮による日韓離間は、韓国にとっては悪いことかもしれませんが、日本にとっては必ずしも悪いことではありません。なぜなら、政権が変わるたびに約束がひっくり返される韓国よりも、強権国家である北朝鮮のほうが、政治的な安定性が高いからです。

こうしたなか、朴氏はこんなことを述べます。

最近日本は市民社会と協調し、過去の問題を持続的に提起する韓国より独裁者である北朝鮮の金正恩委員長と交渉し、安倍首相の関心事である拉致問題を適正水準で解決し、大まかな戦後処理を試みるため日朝関係の改善を推進している。統制不可能な韓国より統制可能な北朝鮮の方が交渉に有利だと判断したのではないだろうか。(※下線部は引用者による加工)

なかなか鋭い指摘です。

たしかに、北朝鮮はどうしようもない犯罪国家ですが、それと同時に、金正恩(きん・しょうおん)がガッチリと統制している独裁国家でもあるため、少なくとも金正恩に話を通せば、あとになってひっくり返されることがない、という期待を、日本政府としても持っているのかもしれません。

もちろん、北朝鮮だって「独裁国家だ」といわれても、人民が命を賭けて一斉に反乱すれば、金正恩体制が崩壊してしまう可能性もゼロではありません。しかし、少なくとも前政権との約束が簡単に反故にされる韓国と比べれば、北朝鮮の方がマシだ、という判断も成り立ちます。

これと同じく、日中関係の改善も、韓国にとっては間接的な「打撃」となり得ます。

実際、日本は韓国を除くさまざまな国との関係を改善しつつあり、とくに長年対立関係にあった中国との和解が進行。昨年10月には安倍晋三総理大臣が訪中して習近平(しゅう・きんぺい)国家主席と首脳会談を行っています。

これについて朴氏は、

日本が韓日の経済協力を日中経済協力に切り替えれば、韓国経済に対し間接的な打撃を加えるおそれがある

と述べているのですが、この点についてはすでに部分的には実現しつつあるのではないでしょうか?

日米のインド太平洋戦略に「韓国」はない

実際、現在の「安倍外交」に、韓国の存在感はほとんどなくなりつつあります。

日中関係が改善されていることは事実ですが、だからといって日本は中国にかまけて米国との関係をおろそかにしているわけではありません。いや、むしろ日米との関係こそ、かつてないほど緊密になっており、米国もそんな日本を心強く感じ始めているからです。

こうしたなかで、韓国が米国から離間し始めていけば、韓国は米国から見ても、日本から見ても、相対的な地位は下がる一方です。

これについて、朴氏は次のように指摘します。

中国が急浮上したことで米国は以前より相対的に力が弱まり、国際秩序の番人の役割が疎かになっている。米国が自由主義的国際秩序を守って行くためには「意志を同じくする国家」の国際連帯が必要になった。日米が共同推進する「自由で開かれたインド・太平洋戦略」は自由主義的国際秩序を共に維持しようとする戦略的布石だ。韓国がどの程度の意志でそこに参加するかが日米の味方なのか中国の味方なのかを測る尺度になるだろう

韓国がどの程度、「自由で開かれたインド・太平洋戦略」に参加するか。

その答えはもうすでに出ています。

いや、厳密に言えば、文在寅政権下の韓国は、「中国の味方」でも「米国の味方」でもありません。

「北朝鮮の属国」です。

日本は現時点でこそ、韓国を「北朝鮮と対峙するうえでの日米韓3ヵ国連携」という文脈で準同盟国に位置付けていますが、その「準同盟国」的な位置付けは限りなく形骸化しており、少なくともインド・太平洋戦略で組むべきパートナーに韓国は含まれていません。

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韓国を外した日本の戦略

朴氏はこの論考の末尾で、

日米同盟も日本防衛のための一方的同盟から双務的な同盟に進化している(中略)米国を抱き込み助け、米国の国際的役割を持続させることが日本の戦略だ

としたうえで、

日本の新たな戦略的布石から見れば韓半島に囚われた韓国の戦略的価値は低くなっている

と結論付けているのですが、まさに言外に、「日韓関係が破綻すると、韓国は非常に困るが日本はまったく困らない」、という状況を指摘している格好です。不覚にも、朴氏の記事を読んでいると、日本の「韓国外し」は思ったよりも早く進んでいることに気付かされます。

そういえば、徴用工判決問題やレーダー照射問題など、韓国が日本に対して仕掛けた不法行為は数多く存在しますが、日本はこれらについて韓国からのしかるべき措置を待っている状況です。

しかし、韓国がこれらの問題について何ら答えず、放置し続けていることで、日本は今後、韓国を「価値と利益を共有する国」とみなすことはないでしょうし、単に「(これ以上悪化しないよう)マネージするだけの相手国」の地位に留まり続けるでしょう。

※本文は以上です。

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  • 2019/07/10 05:00 【韓国崩壊
    「藪蛇WTO」の韓国政府、聞かれてないのに「北朝鮮」 (60コメント)
  • 2019/07/09 16:45 【時事|韓国崩壊
    「韓国は日本と価値を共有」 いったいいつの議論ですか? (56コメント)
  • 2019/07/09 11:30 【時事|外交
    民需品の軍事転用 日本の危機意識が低いのは問題だ (36コメント)
  • 2019/07/09 06:00 【時事|韓国崩壊
    悪い冗談?日韓関係破壊した張本人が「突破口を開く」の怪 (27コメント)
  • 2019/07/09 05:00 【時事|韓国崩壊
    「ビバ文在寅」!あなたこそ真の親日派だ (27コメント)
  • 2019/07/08 13:40 【時事|韓国崩壊
    「日本からカネを借りなくても困らない」、ホントですか? (86コメント)
  • 2019/07/08 12:00 【外交|金融
    過去記事を訂正し、改めて外為法の金融制裁を解説します (5コメント)
  • 2019/07/08 11:00 【政治
    【お詫びと速報】当ウェブサイトの誤りにつきまして (16コメント)
  • 2019/07/08 10:00 【時事|韓国崩壊
    対日依存がいかに深かったか、いまさら気付く韓国メディア (29コメント)
  • 2019/07/08 05:00 【韓国崩壊|国内政治|外交
    野党、マスコミ、北朝鮮 「蚊帳の外」論と経済制裁 (27コメント)
  • 2019/07/07 12:45 【マスメディア論|時事
    朝日新聞の「自己紹介記事」?そして図書館で見た新聞の未来 (47コメント)
  • 2019/07/07 07:07 【日韓スワップ|韓国崩壊|金融
    日韓スワップは藪蛇スワップ? (48コメント)
  • 2019/07/07 05:00 【読者投稿
    【読者投稿】韓国GDP粉飾疑惑を2008SNAで検証する (13コメント)
  • 2019/07/06 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事(2019年7月6日版) (152コメント)
  • 2019/07/06 05:00 【時事|韓国崩壊
    フッ酸輸出規制と「対韓セカンダリー・サンクション」論 (132コメント)
  • 2019/07/05 18:30 【時事|韓国崩壊
    対韓輸出規制開始の一方、中央日報は「不適切な事案」を分析 (54コメント)
  • 2019/07/05 11:45 【時事|韓国崩壊
    「仲介してくれない米国」に焦る韓国メディアの動揺が酷い (66コメント)
  • 2019/07/05 10:15 【時事|韓国崩壊
    今これをやるか!? 慰安婦財団解散の衝撃 (48コメント)
  • 2019/07/05 06:00 【韓国崩壊
    これから本格化する経済制裁論を予想する (59コメント)
  • 2019/07/05 05:00 【読者投稿
    【読者投稿】在韓日本人「昔の韓国は暮らしやすかった」 (27コメント)
  • 2019/07/04 22:00 【時事|韓国崩壊
    待望の鈴置論考:日本は韓国経済を潰す気なのか (52コメント)
  • 2019/07/04 12:00 【時事|国内政治
    参議院議員通常選挙と「国民の敵」 (18コメント)
  • 2019/07/04 10:30 【時事|韓国崩壊
    恩を仇で返してきた国がCPTPPを望む滑稽さ (49コメント)
  • 2019/07/04 06:00 【韓国崩壊|金融
    本日から韓国へのフッ酸などの個別承認措置が開始 (78コメント)
  • 2019/07/04 05:00 【時事|韓国崩壊
    韓国の「韓日フォーラム」、16人も寄ってそれですかい? (12コメント)
  • 2019/07/03 17:30 【時事|韓国崩壊
    東京新聞の「蚊帳の外」論を嬉々として報じる中央日報 (37コメント)
  • 2019/07/03 13:30 【マスメディア論|時事
    朝日新聞が「頭を冷やして報復を撤回せよ」と要求 (66コメント)
  • 2019/07/03 10:45 【時事|韓国崩壊
    加害者が「経済戦争避けねばならない」とは、滑稽な主張だ (48コメント)
  • 2019/07/03 06:00 【マスメディア論
    「ATM」の現状と、毎日新聞の苦境伝えるダイヤモンド記事 (36コメント)
  • 2019/07/03 05:00 【読者投稿
    【読者投稿】韓国在住日本人が見た「韓国人のタイプ」 (63コメント)
  • 2019/07/02 18:00 【時事|韓国崩壊
    自称元徴用工側の言い分は、まるで北朝鮮そっくり (46コメント)
  • 2019/07/02 14:30 【時事|韓国崩壊
    官房長官「韓国がG20までに解決案持ってこなかった」 (55コメント)
  • 2019/07/02 06:00 【韓国崩壊
    経産省措置は「韓国セカンダリー・サンクション」の走り? (104コメント)
  • 2019/07/02 05:00 【韓国崩壊
    まだやってたの? 自称元徴用工の株式売却は破滅への道 (4コメント)
  • 2019/07/01 14:30 【時事|韓国崩壊
    西村副長官「対抗措置ではない」→そうか、そういう狙いか! (187コメント)
  • 2019/07/01 11:30 【時事|韓国崩壊
    対韓対抗措置を経産省が正式発表、そして韓国の反応 (32コメント)
  • 2019/07/01 10:00 【時事|韓国崩壊
    米朝会談、「韓国は蚊帳の外」を認めたがらない韓国メディア (22コメント)
  • 2019/07/01 06:00 【韓国崩壊
    フッ酸輸出規制は「経済制裁」としては不十分だが… (14コメント)
  • 2019/07/01 05:00 【外交
    板門店での米朝首脳会談、韓国こそが「蚊帳の外」 (29コメント)
  • 2019/06/30 14:45 【時事|韓国崩壊
    外為法第48条の制裁措置、ついに発動か? (64コメント)
  • 2019/06/30 11:17 【時事
    超速報 産経新聞『半導体材料 対韓輸出を規制』 (67コメント)
  • 2019/06/30 06:00 【韓国崩壊
    首脳会談なしに逆ギレ・現実逃避の韓国と「本当のリスク」 (30コメント)
  • 2019/06/30 05:00 【マスメディア論|時事
    朝日新聞ネタ:G20で大阪城をバックに写真撮影 (17コメント)
  • 2019/06/29 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事(2019年6月29日版) (98コメント)
  • 2019/06/29 06:00 【時事・過去記事|韓国崩壊
    韓国の市民団体、日韓首脳会談見送り受け日本政府に逆ギレ (58コメント)
  • 2019/06/29 05:00 【時事|外交
    G20も初日が終了、安倍総理の会談相手をまとめておく (6コメント)
  • 2019/06/28 12:00 【時事|韓国崩壊
    文在寅氏のG20冷遇ツアー始まる (83コメント)
  • 2019/06/28 09:45 【時事|外交
    G19?開幕 安倍総理が習近平氏に「人権」突き付ける (18コメント)
  • 2019/06/28 06:00 【時事|韓国崩壊
    自称元徴用工らの脅しに屈しない、日本企業の毅然とした姿勢 (13コメント)
  • 2019/06/28 05:00 【読者投稿
    【読者投稿】在韓日本人から見た韓国 (115コメント)

  • 著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

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