昨日、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に、ソウル大学国際大学院の朴喆熙(ぼく・てつき)教授による、なかなか鋭い論考が掲載されています。ごく簡単にいえば、日韓関係が破綻すると韓国にとっては平和と繁栄が損なわれかねない一方、日本は韓国なしでやっていけるよう、粛々と準備を進めている、という主張です。とくに、「政権が変わるたびに約束がひっくり返される韓国よりも、独裁国家である北朝鮮の方が話になる(かもしれない)」という指摘は、現在の韓国がいかに国際社会の信頼を失った状態にあるかという意味で、非常に重要です。

【PR】スポンサーリンク・広告



※広告表示の詳細はプライバシー・ポリシーのページをご参照ください。また、記事を気に入っていただけたら、是非、SNS等での共有やお気軽なコメントをお願いいたします。

このエントリーをはてなブックマークに追加

2019/05/11 15:50 追記

「海辺の仕事場」様からのコメントを受けて、記載を一部修正しています。

  • (修正前)「米国は日本の最大の貿易相手国でもあります」
  • (修正後)「米国は日本の最大の輸出相手国でもあります(※)」

また、(※)として、情報源を付記しています。

「海辺の仕事場」様、貴重なご指摘を賜り、大変ありがとうございました。

価値と利益の関係

国益は常に2つ:平和と繁栄

当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』では常に申し上げていることですが、古今東西あらゆる国において、「国益」とは、究極的にはたった2つしかありません。

それは、「平和」と「繁栄」です。

「平和」とは外国から攻め込まれないこと、「繁栄」とは国民が豊かな暮らしを送っていくことができることであり、これをもう少し専門的な言葉で「軍事的安全保障」、「経済的利益」、などと呼ぶこともあります。

逆に言えば、この「平和」「繁栄」という2つの目標を達成することができなければ、いずれ、政府は倒れてしまいます。

経済が崩壊状態にある南米・ベネズエラの場合、先日、独裁政権の打倒を目指したクーデターが発生したものの、結局は失敗に終わったようですが、ハイパーインフレや外国からの経済制裁を放置している限り、マドゥーロ政権が崩壊するのも時間の問題でしょう。

また、地政学的に大国・ロシアと接しているにも関わらず、ソ連崩壊以降、積極的に軍備を整えてこなかったがために、領土であるクリミア半島やセバストポリ市を奪われたウクライナのような事例もあります。

つまり、国の基本は経済と軍事であり、これは古今東西、絶対に変わらない鉄則なのです。

その意味で、軍備を禁じるだけでなく、戦争そのものを議論することを封殺するようなわが国の日本国憲法下における社会的風潮は、いかにも異常です。

余談ですが、日本国憲法の異常性については、つい先日、『憲法記念日に「脱税の放棄」について考えてみた』のなかでも取り上げていますので、ご興味があればご参照ください。

憲法記念日に「脱税の放棄」について考えてみた

(※ちなみに常勤リンク先の記事は某大手オピニオンサイトにも転載され、ご好評をいただいたようです。)

外交関係にも管理が必要

ところで、むかし、「争いのない世界を想像してごらん」「いつの日にか全世界が1つになるといいな」と歌った某著名バンドがいましたが、「世界平和」は誰しも夢見るものではないでしょうか?(そういえば、わが国にも「世界全部がお友達」という、一種の「お花畑」的な思想を持った首相がいましたね。)

実際、地球上に存在するすべての国と、「対等な主権国家同士、手を取り合い、ともに未来に向けて発展して行ける」という関係を構築するのが理想的ですし、すべての国がお互いに不可侵条約を結び、それをすべての国が守るのなら、この地球上から戦争がなくなるにちがいありません。

ただ、非常に残念なことに、そうした考えは単なる理想論に過ぎません。

現実には、条約を結んだくらいで戦争はなくなりませんし、また、戦争まで至らなくても、世界では異なる国同士の国益が、常にぶつかり合っています。よって、世界の国々はうまく戦争を避けつつ、お互いに国益を譲り合いながら、うまく付き合っていかなければなりません。これこそが、外交の本当の意味です。

外交とは:戦争を避けながら他国とぶつかる国益をうまく調整すること

そのためには、とくに利害がぶつかり合う国や、戦略的利益を共有する国については、普段から相手国と意思を疎通し、「相手が何を考えているか」を常に把握しておく必要があるのです。

しかし、人間関係でもそうですが、相手と心の底から分かり合うためには、ある程度は基本的な価値観を共有していなければなりませんし、基本的な価値観を共有していない相手とは、「それなりに警戒したお付き合い」が必要です。

日本の場合だと「自由主義、民主主義、平和主義、法治主義、人権尊重」などの価値観を大切にしていますし、また、悠久の歴史を有する皇室を戴いているという事情もあるため、中国共産党による軍事独裁国家である中華人民共和国とは、どうしても基本的なところで相容れません。

これに対して米国の場合は自由主義、民主主義、法治主義などの点で日本と基本的な価値観を共有していますし、英国の場合はこうした価値観に加え、国王(女王)を戴いている立憲君主国という点において、日本とはさらに深く価値を共有しています。

ただ、いくら価値観を共有していたとしても、相手国と仲良くするためには、前提として、その国と付き合うことで何らかの利益がなければ、関係は深まりません。

日本の場合だと、世界最大の経済大国でもある米国とは産業面、金融面でもつながりが非常に深く、実際、米国は日本の最大の貿易輸出相手国でもあります(※)。また、日中はさまざまな面で問題を抱えているものの、貿易・投資という点では非常に密接な関係を持っています。

(※2019/05/11 15:50追記)

情報源は総務省統計局『世界の統計2019』図表9-6で、2017年における日本の輸出総額698,097百万ドルのうち、米国向けは135,060百万ドルで第1位、中国向けは132,786百万ドルで第2位です。ただし、輸入総額(671,474百万ドル)のうち中国は164,479百万ドルで第1位であり、輸出入を合計すると中国が最大の貿易相手国であるため、「米国は日本の最大の貿易相手国」の文章は誤りであり、これを「米国は日本の最大の輸出相手国」に修正したいと思います。

特別な関係、普通の関係

このように考えていけば、普段から当ウェブサイトで申し上げているとおり、ありとあらゆる国同士の関係は、基本的には

  • 基本的価値を共有するかどうか
  • 戦略的利益を共有するかどうか

という2つの軸で判断するのが良いと思います。

これをわかりやすく図示すると、次の4つの象限に分解できます。

図表 価値と利益の関係
 基本的価値を共有している基本的価値を共有していない
戦略的利益を共有している①基本的価値と戦略的利益を共有する相手国②戦略的利益を共有しているが、基本的価値は共有していない相手国
戦略的利益を共有していない③基本的価値を共有しているが、戦略的利益は共有していない相手国④基本的価値、戦略的利益をいずれも共有しない相手国

(【出所】著者作成)

このなかで、最優先で仲良くしなければならない国とは、①でしょう。

基本的には①の相手国とは、首脳会談でも実務者協議でも虚心坦懐に話をすることができますし、また、当然の信義則として、相手国を試すようなことをしてはなりません。

また、③の相手国の場合、戦略的利益を共有していないものの、基本的価値については共有しているため、そのような国とは、そこそこの友好関係を維持していれば良いと思います。

一方で、扱いが難しいのは、②の国でしょう。

人間関係でいえば「ウマは合わないけれども利害関係があるため、最大限気を遣わなければならない相手」だと考えればわかりやすいでしょうか。また、外見上はとうまく行っていたとしても、相手は常に自国を出し抜こうとして来る可能性もあるため、常に最大限の警戒が必要な相手でもあります。

そして、この4分類の中でいちばん距離を置くべきは④です。

そもそも論として相手国とは基本的価値を共有していないため、分かり合える相手でもありませんし、また、戦略的利益を共有していないため、仲良くしなくても特段困らない、という事情もあるからです。

その意味で、わが国が国益を最大化するためには、全世界を基本的にはこの4つの象限に色分けし、限られた外交リソースは色分けに応じて配分にすることが必要ですし、日本企業が世界でビジネスを行う際にも同じような点に注意しなければなりません。

用日派になぜ警戒が必要なのか

さて、どうしてこんな話を唐突に申し上げたのかといえば、ここ3ヵ月ほどでしょうか、私たちの隣国・韓国で、「用日派」ともいうべき勢力による、まことにご都合主義的な考え方がやたらと目につくからです。

簡単にいえば、「歴史問題では日本を糾弾しつつ、韓国の国益にかかわる部分では日本と協力すべきだ」とするもので、これを「ツートラック」と呼ぶこともあります。端的にいえば、「うまく日本を騙して都合よく利用してやろう」、という考え方でしょう。

こうした主張は、とくに「保守系」を自称する韓国メディアに多く見られます。そして、それらのメディアのなかでも、日本語版ウェブサイトを持っている東亜日報、中央日報、朝鮮日報(いわゆる「東中朝」)を眺めていると、数日に1回以上は、まさに判で押したような「用日論」が掲載されているのです。

これが酷くなったのは、年が明けてからしばらくのことで、当ウェブサイトでも『中央日報「ビッグディール」待望論の正体は韓国保守派の叫び』で触れたとおり、今年の2月に中央日報に掲載された『最悪の韓日関係、慰安婦・強制徴用ビッグディールで突破を』という記事がその典型例です。

中央日報「ビッグディール」待望論の正体は韓国保守派の叫び

中央日報は当時、日韓関係が悪化した理由が、あたかも日韓双方にあるかのような主張を繰り広げたうえで、

最悪の状況になった韓日関係を打開するためには、韓日双方が譲歩し、慰安婦問題や徴用工問題の解決、韓日通貨スワップの再開などで合意すべきだ」(※下線部は引用者による加工)

という、かなり意味不明な主張をしていました。

当時、「なぜ日本が韓国ごときのために、貴重な外貨準備などを使って通貨スワップ協定を締結してやらなければならないのか?」、という点もさることながら、「あれだけ日本に対して酷いことをしておきながら、平然とそれを要求するとは、いったいどういう神経なのか?」という疑問を抱いたものです。

ただ、こうした「韓日関係悪化の原因は韓日双方に原因がある」、「韓日関係を改善するためには、韓日双方が自制し、譲歩することが必要だ」といった主張は、最近になって、「東中朝」を中心とする韓国メディアから頻繁に提起されているのです。

それに気付いた韓国人学者

長文の論考に現れる危機感

これらの「東中朝」の主張は、あまりにも判で押したようにそっくりで、その圧倒的多数は日韓関係が悪化している原因を正面から直視しようとせず、「韓日双方に原因がある」だの、「韓日関係が悪化したら韓日双方が困る」だのと主張して逃げる、という代物であり、最近だと読み飽きてしまいました。

ただし、なかにはときどき、自分たちの国がいかに危うい状況に置かれているかという点に気付く人がいないわけではありません。そんなコラムが、中央日報に昨日掲載された、次の記事です。

【コラム】反日は北朝鮮ばかり得させ韓国の得にはならない(1)(2019年05月10日15時40分付 中央日報日本語版より)

執筆者を眺めると、「朴チョル煕(パク・チョルヒ)/ソウル大学国際大学院教授」とあります。

気になって調べてみると、この朴喆熙(ぼく・てつき)なる人物は、4月15日に韓国・ソウルで開かれた「韓日関係診断専門家緊急座談会」に出ていた人物でもあります(『「韓日関係好転の方法」?「国際法守れ」。ただそれだけだ。』参照)。

「韓日関係好転の方法」?「国際法守れ」。ただそれだけだ。

正直、この手の「用日派」の主張にはまともに取り上げる価値がないものもたくさんありますが、今回のコラムについては、少しくらいは読む価値があります(といっても、合計文字数が3000文字を超えていて、しかも、論旨不明確な箇所もあるため、読むのは平易ではありませんが…)。

朴喆熙氏「日本は韓国の国益に資する」

最初にお断りしておきますが、この朴喆熙氏の文章も、「日韓関係を破壊しかねない材料は一方的に韓国側からもたらされている」という点を、積極的に指摘しているわけではありません。

その意味で、議論としては片手落ちですが、それでもあえて読む価値があるとすれば、朴氏は「日本は韓国の平和と繁栄の安全弁だ」と指摘している点でしょう。

冒頭でも指摘しましたが、「平和と繁栄」とは、「古今東西共通している2つの国益」のことです。そのうえで、朴氏は韓国の現政権が日本に対し、「あたかも敵対的な国家であるか」のごとく振る舞い、その結果、日本を遠ざけて北朝鮮の利益になっていると指摘するのです。

該当する下りは、次のとおりです。

金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は4日、短距離弾道ミサイル発射後に「強力な力によってのみ平和と安全が保障される」と述べた(が、これは)むしろ韓国に適した発言だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権発足以来韓半島の平和構築に注力しているが、強固な安保と力は韓半島の平和を維持する根幹だ

そのうえで朴氏は、朝鮮半島有事の際に、韓国軍、米韓連合司令部、在韓・在日米軍の連携を支える国連司令部、そして、日本にある7ヵ所の国連司令部後方基地にある安保資源は、「日本の自衛隊の支援があって初めて円滑な利用が可能」であり、日本こそが「韓国防衛の安全弁」と述べるのです。

そのうえで朴氏は、北朝鮮の戦略が

韓国安保を解体するために国連司令部-連合司令部-在韓米軍司令部の順に力を弱めること

にあると指摘しているのです(※余談ですが、「韓国という国家の解体は北朝鮮の一貫した戦略だ」と日本の在野の論者などがかなり以前から指摘して来た点であり、私などからすれば、「何を今さら」という気がします)。

そのままでは、北は絶対に核放棄に応じない

要するに、北朝鮮の戦略とは、安保面から韓国を日米から分断することにある、という指摘です。

そして、朴氏は北朝鮮が「日米韓の分断」と並行して、「核兵器を小型化し、ミサイルに搭載すれば北朝鮮を威嚇する攻勢的手段を防げる」という発想に基づき、1990年代以降、核開発と並行してミサイル開発を続けて来たと述べています。

そのうえで、朴氏は次のように続けます。

北朝鮮は核を放棄する意志は持たず各種条件を掲げつつ韓国安保を弱化させる試みを繰り返している。現在の自分たちの経済的生存のために制裁緩和に注力しているが、経済的余力が出てくれば韓半島の平和という名分で停戦宣言を誘導し、国連司令部の解体を試みた後、韓米同盟の絆を弱める方法で平和協定を結ぼうとする公算が大きい

この朴氏の認識は、おおむね正しいと思います。

というよりも、文在寅(ぶん・ざいいん)政権の現在の行動は、北朝鮮の代理人として日本との関係を損ね、韓国の国内経済を破壊し、最終的には米韓同盟を破綻に追い込もうとしているようにしか見えないからです。

要するに、文在寅政権下の韓国の行動は、日韓関係を破綻直前に追い込むことで日本との軍事協力を停滞させ、そこから米韓同盟を解体させる、という点で一貫しているのです。

(※余談ですが、朴氏がこのような認識を持っているのなら、なおさら、韓国政府が現在行っている、日韓関係を破壊するような動きを正面から批判すべきですが、それができないのは、迂闊にそれを主張すると、彼自身が韓国国内で袋叩きに遭うからなのかもしれません。)

そして、朴氏は韓国の反日が情緒的・感性的なものであり、いまや、それが完全に北朝鮮によって日韓離間のために利用されてしまっている、と指摘。「韓日を仲違いさせ安保協力の輪を断ち切」ることで、

  • 朝鮮民族の精気を高める
  • 日韓の摩擦を高める
  • 親日・反日のせめぎあいで韓国社会内部の葛藤を促す

という、「一石三鳥」の効果があると述べているのです。

このあたりの主張は、米戦略国際問題研究所(CSIS)の上級アドバイザーであるエドワード・N・ルトワック氏が執筆し、奥山真司氏が監訳した『自滅する中国』のP234に出てくる、

自国に対して最大限の脅威をもたらす国である北朝鮮に立ち向かおうとせず、自国に対してまったく脅威をもたらさない国である日本を最大限、苛立たせようとする

という表現ともよく似ています。

北朝鮮や中国の方が「話が通じる」

ただ、北朝鮮による日韓離間は、韓国にとっては悪いことかもしれませんが、日本にとっては必ずしも悪いことではありません。なぜなら、政権が変わるたびに約束がひっくり返される韓国よりも、強権国家である北朝鮮のほうが、政治的な安定性が高いからです。

こうしたなか、朴氏はこんなことを述べます。

最近日本は市民社会と協調し、過去の問題を持続的に提起する韓国より独裁者である北朝鮮の金正恩委員長と交渉し、安倍首相の関心事である拉致問題を適正水準で解決し、大まかな戦後処理を試みるため日朝関係の改善を推進している。統制不可能な韓国より統制可能な北朝鮮の方が交渉に有利だと判断したのではないだろうか。(※下線部は引用者による加工)

なかなか鋭い指摘です。

たしかに、北朝鮮はどうしようもない犯罪国家ですが、それと同時に、金正恩(きん・しょうおん)がガッチリと統制している独裁国家でもあるため、少なくとも金正恩に話を通せば、あとになってひっくり返されることがない、という期待を、日本政府としても持っているのかもしれません。

もちろん、北朝鮮だって「独裁国家だ」といわれても、人民が命を賭けて一斉に反乱すれば、金正恩体制が崩壊してしまう可能性もゼロではありません。しかし、少なくとも前政権との約束が簡単に反故にされる韓国と比べれば、北朝鮮の方がマシだ、という判断も成り立ちます。

これと同じく、日中関係の改善も、韓国にとっては間接的な「打撃」となり得ます。

実際、日本は韓国を除くさまざまな国との関係を改善しつつあり、とくに長年対立関係にあった中国との和解が進行。昨年10月には安倍晋三総理大臣が訪中して習近平(しゅう・きんぺい)国家主席と首脳会談を行っています。

これについて朴氏は、

日本が韓日の経済協力を日中経済協力に切り替えれば、韓国経済に対し間接的な打撃を加えるおそれがある

と述べているのですが、この点についてはすでに部分的には実現しつつあるのではないでしょうか?

日米のインド太平洋戦略に「韓国」はない

実際、現在の「安倍外交」に、韓国の存在感はほとんどなくなりつつあります。

日中関係が改善されていることは事実ですが、だからといって日本は中国にかまけて米国との関係をおろそかにしているわけではありません。いや、むしろ日米との関係こそ、かつてないほど緊密になっており、米国もそんな日本を心強く感じ始めているからです。

こうしたなかで、韓国が米国から離間し始めていけば、韓国は米国から見ても、日本から見ても、相対的な地位は下がる一方です。

これについて、朴氏は次のように指摘します。

中国が急浮上したことで米国は以前より相対的に力が弱まり、国際秩序の番人の役割が疎かになっている。米国が自由主義的国際秩序を守って行くためには「意志を同じくする国家」の国際連帯が必要になった。日米が共同推進する「自由で開かれたインド・太平洋戦略」は自由主義的国際秩序を共に維持しようとする戦略的布石だ。韓国がどの程度の意志でそこに参加するかが日米の味方なのか中国の味方なのかを測る尺度になるだろう

韓国がどの程度、「自由で開かれたインド・太平洋戦略」に参加するか。

その答えはもうすでに出ています。

いや、厳密に言えば、文在寅政権下の韓国は、「中国の味方」でも「米国の味方」でもありません。

「北朝鮮の属国」です。

日本は現時点でこそ、韓国を「北朝鮮と対峙するうえでの日米韓3ヵ国連携」という文脈で準同盟国に位置付けていますが、その「準同盟国」的な位置付けは限りなく形骸化しており、少なくともインド・太平洋戦略で組むべきパートナーに韓国は含まれていません。

――↓本文は以下に続きます↓――

広告・スポンサーリンク



韓国を外した日本の戦略

朴氏はこの論考の末尾で、

日米同盟も日本防衛のための一方的同盟から双務的な同盟に進化している(中略)米国を抱き込み助け、米国の国際的役割を持続させることが日本の戦略だ

としたうえで、

日本の新たな戦略的布石から見れば韓半島に囚われた韓国の戦略的価値は低くなっている

と結論付けているのですが、まさに言外に、「日韓関係が破綻すると、韓国は非常に困るが日本はまったく困らない」、という状況を指摘している格好です。不覚にも、朴氏の記事を読んでいると、日本の「韓国外し」は思ったよりも早く進んでいることに気付かされます。

そういえば、徴用工判決問題やレーダー照射問題など、韓国が日本に対して仕掛けた不法行為は数多く存在しますが、日本はこれらについて韓国からのしかるべき措置を待っている状況です。

しかし、韓国がこれらの問題について何ら答えず、放置し続けていることで、日本は今後、韓国を「価値と利益を共有する国」とみなすことはないでしょうし、単に「(これ以上悪化しないよう)マネージするだけの相手国」の地位に留まり続けるでしょう。

※本文は以上です。

記事の転載、引用、記事へのコメントは、ガイドラインに従い、ご自由になさってください。また、気に入っていただければ、是非、クリック、あるいはSNSなどでシェアして下さい。
このエントリーをはてなブックマークに追加

お勧め記事一覧/スポンサーリンク・広告

ウェブサイトからのお知らせ

コメントは「関連記事」の下に入力可能です。注意事項「当ウェブサイトへのコメントについて」を踏まえたうえで、ご自由にコメントをなさってください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。
なお、当ウェブサイトでは、現在、1日1~2回、記事を更新しており、最新記事はトップページにて常に30件表示しています。これを機に、ぜひ、「新宿会計士の政治経済評論」をブックマークに登録してください。

【最新記事100件】
  • 2019/05/25 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事(2019年5月25日版) (8コメント)
  • 2019/05/25 05:00 【時事|外交
    トランプ大統領訪日を契機に、「希望の同盟」について考えた (55コメント)
  • 2019/05/24 16:45 【時事|韓国崩壊
    韓国メディア 根本的な認識がおかしいから、結論を間違える (48コメント)
  • 2019/05/24 11:30 【時事|韓国崩壊
    「文在寅氏は日韓首脳会談を望んでいる」、本当ですか? (20コメント)
  • 2019/05/24 05:00 【時事|政治その他
    シンゾー・アベじゃなく、アベ・シンゾーと呼んでください (63コメント)
  • 2019/05/23 23:45 【時事|韓国崩壊
    建設的議論が期待できない日韓外相会談でも必要な理由とは? (28コメント)
  • 2019/05/23 11:00 【時事|韓国崩壊
    彼女がフィリピンに渡ったとき、日本軍はいませんでしたよ? (37コメント)
  • 2019/05/23 09:45 【マスメディア論|時事|国内政治
    野党の謎の風頼み、正体は「マスコミ頼み」でしょう (14コメント)
  • 2019/05/23 05:00 【日韓スワップ|韓国崩壊|金融
    「スワップを結ばないこと」が韓国への意図せざる経済制裁に (51コメント)
  • 2019/05/22 13:45 【時事|金融
    対中輸出に急ブレーキ それでも増税を強行するつもりですか? (15コメント)
  • 2019/05/22 11:00 【時事|韓国崩壊
    真の親日派とは、文在寅氏その人だ (26コメント)
  • 2019/05/22 05:00 【韓国崩壊
    徴用工と慰安婦の共通点:本質はウソツキ韓国と事なかれ日本 (29コメント)
  • 2019/05/21 17:15 【時事|韓国崩壊
    ウォンの防衛ラインは1195?「ウォン安なら株高」説の怪 (29コメント)
  • 2019/05/21 12:00 【RMB|時事|金融
    AIIBの総裁来日と債券発行 いったい何に使うのですか? (14コメント)
  • 2019/05/21 11:00 【時事|韓国崩壊
    仲裁手続について、韓国メディアの報道をいくつか眺めてみた (7コメント)
  • 2019/05/21 05:00 【時事|韓国崩壊
    対韓仲裁手続付託通告 タイミングと狙いについて考えてみる (53コメント)
  • 2019/05/20 22:15 【時事|外交
    どうなった「蚊帳の外」論 今、安倍総理が金正恩と会う理由 (7コメント)
  • 2019/05/20 16:00 【時事|韓国崩壊
    日本が仲裁手続の付託決定:国際的ルールで韓国を裁く第一歩 (42コメント)
  • 2019/05/20 11:00 【日韓スワップ|時事|韓国崩壊
    ウォン安は続く?スワップ欠く日韓関係、企業はリスク管理を (19コメント)
  • 2019/05/20 05:00 【韓国崩壊
    数値で見る日韓関係:ヒト・モノ・カネの交流状況とは? (12コメント)
  • 2019/05/19 12:45 【時事|韓国崩壊
    あまりにも予想どおり!自称元徴用工らが「基金構想」提示へ (61コメント)
  • 2019/05/19 05:00 【RMB|日韓スワップ|金融
    中韓通貨は「大台」目指す?「通貨暴落」の意味を考える (27コメント)
  • 2019/05/18 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事(2019年5月18日版) (170コメント)
  • 2019/05/18 05:00 【マスメディア論
    罪深いテレビ業界の腐敗ぶりと新しいネットメディアの可能性 (56コメント)
  • 2019/05/17 18:45 【時事|国内政治
    不信任案は衆院解散総選挙の「大義」になる?当たり前です (14コメント)
  • 2019/05/17 11:00 【韓国崩壊
    徴用工と瀬戸際外交:放置すれば日本の選択肢が増えるのも事実 (50コメント)
  • 2019/05/17 05:00 【RMB|金融
    朝鮮半島統一費用は1兆ドル?AIIBさん、出番ですよ! (35コメント)
  • 2019/05/16 16:15 【時事|韓国崩壊
    良い国(1192)作る?それとも破綻?為替相場と韓国産業 (21コメント)
  • 2019/05/16 10:30 【時事|韓国崩壊
    嫌な予感つきまとう「トランプ訪韓」、その目的は北朝鮮牽制? (48コメント)
  • 2019/05/16 05:00 【マスメディア論
    被害者への無神経な取材 マスコミはれっきとした加害者だ (25コメント)
  • 2019/05/15 16:45 【時事|韓国崩壊
    【速報】韓国首相、自称徴用工問題巡り「対応には限界がある」 (44コメント)
  • 2019/05/15 12:30 【日韓スワップ|時事|韓国崩壊
    【ショートメモ】中央日報「韓日スワップ程度は復元すべき」 (30コメント)
  • 2019/05/15 11:00 【金融
    総論:なぜ通貨安は困るのか 外国から外貨を借りる国の悲哀 (15コメント)
  • 2019/05/15 09:30 【時事|韓国崩壊
    【ショートメモ】韓国では友好国にレーダー照射するのですか? (14コメント)
  • 2019/05/15 05:00 【韓国崩壊
    鈴置氏の論考を読んで頭をよぎる嫌な予感 日本は歴史に学べ (47コメント)
  • 2019/05/14 23:55 【マスメディア論
    【速報】NHKの受信料収入が7000億円の大台に! (6コメント)
  • 2019/05/14 12:33 【時事|韓国崩壊
    東亜日報記者は「必要条件」と「十分条件」を混同したのか? (38コメント)
  • 2019/05/14 06:00 【金融
    「日本国債はデフォルトしない」論はMMT使わずに説明可能 (37コメント)
  • 2019/05/14 05:00 【時事|韓国崩壊
    韓国はそろそろ日本に「ツートラック戦略」の対価を払え (25コメント)
  • 2019/05/13 15:30 【日韓スワップ|時事|韓国崩壊
    KRWじり下の一方、「4000億ドル外貨準備が安定基盤」 (8コメント)
  • 2019/05/13 11:30 【時事|韓国崩壊
    USDKRWの値動きの裏で、真のリスクは「外貨資金流出」 (26コメント)
  • 2019/05/13 06:00 【韓国崩壊
    文在寅政権の2年を振り返る:当ウェブサイトの予想は的中? (13コメント)
  • 2019/05/13 05:00 【日韓スワップ|韓国崩壊
    韓国ウォン下落局面、「韓日スワップ待望論」は出て来るか? (18コメント)
  • 2019/05/12 05:00 【マスメディア論|金融
    真の国民の敵とはNHKと財務省 解決する唯一の方法と人物 (29コメント)
  • 2019/05/11 17:00 【時事|外交
    トランプ氏「ミサイルに反応せず」 瀬戸際外交には無視も有効 (15コメント)
  • 2019/05/11 11:11 【読者のページ
    読者雑談専用記事(2019年5月11日版) (100コメント)
  • 2019/05/11 05:00 【韓国崩壊
    韓国人学者「日本から見て信頼に値するのは韓国より北朝鮮」 (42コメント)
  • 2019/05/10 15:30 【時事|経済全般|外交
    【速報】米、中国の2000億ドルの輸入品に25%関税適用へ (36コメント)
  • 2019/05/10 15:01 【時事|外交
    北朝鮮の挑発と「日米の韓国外し」 静観と経済制裁強化が正解 (11コメント)
  • 2019/05/10 10:00 【時事|韓国崩壊
    予想以上の成果?就任3年目の文在寅政権を生温かく見守りたい (20コメント)
  • 2019/05/10 05:00 【マスメディア論
    ウェブ言論時代 どちらが正しいかは「読者が」判断する (19コメント)
  • 2019/05/09 22:15 【時事|韓国崩壊
    「北がミサイル発射したからウォン安に」の言い訳は渡りに船 (14コメント)
  • 2019/05/09 12:30 【時事|経済全般
    時間もカネもかかる 非上場株式の競売が困難である理由 (17コメント)
  • 2019/05/09 10:00 【日韓スワップ|時事|韓国崩壊
    「プチ・ワロス曲線」とやっぱりおかしい韓国の外貨準備高 (31コメント)
  • 2019/05/09 05:00 【RMB|金融
    AIIBの現状と人民元 日本が「バスに乗らなかった」結果 (12コメント)
  • 2019/05/08 15:15 【時事|韓国崩壊
    「売却するぞ、売却するぞ、今度こそ本当に売却するぞ」 (30コメント)
  • 2019/05/08 11:15 【時事|韓国崩壊
    輸出、通貨、安保のすべてで行き詰る韓国の「次の一手」 (26コメント)
  • 2019/05/08 05:00 【時事|外交
    国際関係アナリスト・北野幸伯氏の優れた論考 (43コメント)
  • 2019/05/07 23:45 【時事|韓国崩壊|金融
    【ショートメモ】USDKRWが1172.76に下落(WSJ) (9コメント)
  • 2019/05/07 11:15 【時事|韓国崩壊
    ウォン安と徴用工問題:韓国の「経済破綻」が単純でない理由 (30コメント)
  • 2019/05/07 06:00 【外交
    北朝鮮情勢 「蚊帳の外」だったはずの日本が主導権を握る (20コメント)
  • 2019/05/07 05:00 【雑感オピニオン
    自作自演コメントは読者への詐欺であり、言論に対する冒涜 (37コメント)
  • 2019/05/06 05:00 【韓国崩壊
    「用日派」のホンネは「克日」 日韓友好が成り立たない理由 (119コメント)
  • 2019/05/05 12:30 【RMB|時事|金融
    麻生総理、中国念頭に「借り手卒業」を促す 当然すぎる発言 (17コメント)
  • 2019/05/05 05:00 【韓国崩壊
    日韓協力がなくても日本はまったく困らないという具体的証拠 (61コメント)
  • 2019/05/04 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事(2019年5月4日版) (63コメント)
  • 2019/05/04 05:00 【RMB|日韓スワップ|時事|金融
    「CMIMローカル通貨化で人民元が基軸通貨化」報道の怪 (24コメント)
  • 2019/05/03 17:30 【時事|韓国崩壊
    やっぱり「徴用工判決問題サラミスライス論」は正しいのか? (60コメント)
  • 2019/05/03 10:00 【日韓スワップ|時事|韓国崩壊
    ウォン安が通貨危機の兆候なら「消極的経済制裁」のチャンス (45コメント)
  • 2019/05/03 05:00 【国内政治
    憲法記念日に「脱税の放棄」について考えてみた (70コメント)
  • 2019/05/02 12:00 【読者のページ
    【雑談専用記事】GW中もいろいろ議論が盛り上がっています (74コメント)
  • 2019/05/02 05:00 【韓国崩壊|金融
    徴用工判決問題:非上場株式の換金はサラミスライスの一環? (145コメント)
  • 2019/05/01 15:00 【時事|韓国崩壊
    【速報】徴用工判決問題、「日本企業の資産売却申請」と報道 (120コメント)
  • 2019/05/01 05:00 【時事|国内政治
    マスコミの影響力低下は、令和でいっきに加速する (64コメント)
  • 2019/04/30 16:47 【日韓スワップ|時事|韓国崩壊
    【ショートメモ】やっぱりUSDKRWの動きが不自然 (18コメント)
  • 2019/04/30 11:45 【時事|雑感オピニオン
    国民とともに歩まれた天皇陛下に感謝申し上げます (20コメント)
  • 2019/04/30 06:00 【韓国崩壊
    ウソツキ瀬戸際外交を続ける詐欺国家・韓国とどう対峙するか (90コメント)
  • 2019/04/30 05:00 【日韓スワップ|時事|韓国崩壊
    USDKRWの為替変動が不自然、通貨当局による為替介入? (41コメント)
  • 2019/04/29 16:00 【時事|韓国崩壊
    ニュース短評 「用日派メディア」中央日報の「叫び」3連発 (41コメント)
  • 2019/04/29 12:00 【読者のページ
    【雑談専用記事】「令和」目前、「平成」最後の「昭和」の日 (31コメント)
  • 2019/04/29 06:00 【韓国崩壊
    安倍政権が対韓制裁に乗り出さない「本当の理由」を考えてみた (61コメント)
  • 2019/04/29 05:00 【時事|韓国崩壊
    ニュース短評「韓国経済の減速要因は設備じゃなく輸出」ほか (12コメント)
  • 2019/04/28 12:00 【時事|雑感オピニオン
    当ウェブサイト初の「ボツ記事」 せっかく分析をしたのだが… (33コメント)
  • 2019/04/28 05:00 【時事|国内政治
    令和最初の見どころは「消費増税凍結巡る衆参同日選」? (24コメント)
  • 2019/04/27 12:00 【読者のページ
    連休初日の正午 雑談専用記事をご用意いたしました (94コメント)
  • 2019/04/27 05:00 【時事|韓国崩壊
    企業の寄付金不足?今年の「日韓未来対話」開催が危ぶまれる (47コメント)
  • 2019/04/27 00:00 【時事
    連休中のウェブサイト更新に関するお知らせ (2コメント)
  • 2019/04/26 15:30 【時事|国内政治
    数合わせの「小沢新党」の懲りない面々:政党名を考えてみた (37コメント)
  • 2019/04/26 12:30 【時事|韓国崩壊
    韓国は典型的な「縮小均衡経済」の罠におちたのか? (18コメント)
  • 2019/04/26 05:00 【日韓スワップ|韓国崩壊|金融
    韓国への対抗措置には「通貨危機」をうまく利用するのも手だ (28コメント)
  • 2019/04/25 16:30 【時事|金融
    【ショートメモ】通貨KRWが下がり出したのか? (39コメント)
  • 2019/04/25 16:00 【時事|韓国崩壊
    外相・防衛相「2+2」は「開催されないこと」もメッセージ (17コメント)
  • 2019/04/25 11:00 【時事|韓国崩壊
    徴用工訴訟問題の落としどころは「セルフ経済制裁」の実現? (25コメント)
  • 2019/04/25 05:00 【RMB|時事|金融
    中国の国際金融戦略の現状は鳴かず飛ばずだが、警戒は必要だ (18コメント)
  • 2019/04/24 14:30 【時事|韓国崩壊
    日韓「未来志向」削除:韓国メディアの「逆ギレ」は限定的? (32コメント)
  • 2019/04/24 10:00 【時事|外交
    イラン産原油・SRE廃止の影響 中国、トルコ、韓国の反応 (20コメント)
  • 2019/04/24 05:00 【マスメディア論|国内政治
    ウェブ時代・議論拒否するサヨクさん 保守とサヨクの違いとは (15コメント)
  • 2019/04/23 11:00 【時事|韓国崩壊
    遅きに失する外交青書修正 韓国との「未来志向」削除は当然 (45コメント)
  • 2019/04/23 10:00 【時事|韓国崩壊
    瀬取り監視活動と韓国政府の「レーダー照射宣言」の危うさ (29コメント)
  • 2019/04/23 05:00 【韓国崩壊|外交
    朝鮮半島8つのシナリオ・2019年4月版アップデート (41コメント)

  • 著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

    【PR】スポンサーリンク・広告

    ※広告表示の詳細についてはプライバシー・ポリシーのページをご参照ください。