慰安婦問題の解決責任は100%、韓国政府のみにある
当ウェブサイトでは、「慰安婦問題」について、「朝日新聞の捏造報道を元に、韓国側で多数の自称元慰安婦とその支援者らが出現し、日本に対して陰に陽に、さまざまな名誉棄損を行っている問題」と位置付けています。その「火元」である朝日新聞に昨日、「慰安婦財団解散によって問題が生じているが、この問題の日韓間の協議は滞ったまま」とする記事が出ていたのですが、そもそも論として慰安婦問題自体、すでに日本政府が関わるべき筋合いのものではありません。
2019/06/10 12:30追記
本文の誤植を修正しました。シンカン様、ご指摘大変ありがとうございました。
自称元慰安婦の問題とは
自称元慰安婦の問題とは、わかりやすく言えば、
「①1941年12月9日から1945年8月15日の期間、②日本軍が組織としての正式な意思決定に基づき、③朝鮮半島で少女のみ20万人を拉致し、④戦場に連行して性的奴隷として使役した問題」
のことです。
この①~④のいずれが欠落しても、「慰安婦問題」は成立しません。
ところが、この①については、そもそも自称元慰安婦らが証言する「慰安婦として強制労働させられた」と主張する時期に不整合が生じている事例が散見されます(『彼女がフィリピンに渡ったとき、日本軍はいませんでしたよ?』参照)。
また、②についても、日本軍による挑発の命令書が1枚も残っていないというのは不思議ですし、③についても「20万人」とは当時の朝鮮半島の人口(約2000万人)と比べて異常に多く、そして④については日本軍が売春宿の衛生管理等に関わっていたことは事実ですが、そこで働いていたのは
性的奴隷(sex slaves)ではなく、戦時売春婦(wartime military prostitutes)
です。
つまり、この自称慰安婦問題とは、
「ウソの問題を全世界に流布することで、過去・現在・未来のすべての日本人の名誉と尊厳を傷つける、韓国による日本に対する国を挙げたヘイト犯罪」
と定義し直すべきなのです。
ただ、残念なことに、全世界のメディアの報道を見ていると、この問題はいまだに “Japanese Imperial Army’s sex slaves“ と呼ばれていますし、このような単語が使われるたびに、
- 韓国は被害者
- 日本は加害者
という虚偽が強調されていくのです。
慰安婦合意をどう見るか
ただ、この慰安婦問題に関しては、日韓両国政府間では公式に解決していることになっています。その根拠となるのが、2015年12月28日、当時の岸田文雄外相と尹炳世(いん・へいせい)韓国外交部長官が口頭で取り交わした「日韓外相会談」(慰安婦合意)です。
いわゆる「日韓慰安婦合意」(2015年12月28日)のポイント
- ①慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感し、安倍晋三総理大臣は日本国を代表して心からおわびと反省の気持ちを表明する。
- ②韓国政府は元慰安婦の支援を目的とした財団を設立し、日本政府はその財団に対し、政府予算から10億円を一括で拠出する。
- ③韓国政府は在韓国日本大使館前に慰安婦像が設置されている問題を巡って、適切に解決されるように努力する。
- ④上記②の措置が実施されるとの前提で、日韓両国政府は、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認し、あわせて本問題について、国連等国際社会において互いに非難・批判することを控える。(※下線部は引用者による加工)
これまでに何度か当ウェブサイトでも主張してきたとおり、この合意の問題点は非常に大きな問題点があります。
というのも、下線部を読んでいただければわかりますが、「当時の軍の関与の下に」とある部分は、あたかも「日本軍が正式な意思決定として朝鮮人少女20万人を性奴隷にしたこと」を「日本政府として公式に認めた」かのように読めてしまいます(少なくとも事情を知らない外国の人はそう思うに違いありません)。
そして、日本政府が予算から支出した10億円とは、あたかも自称元慰安婦らに対する「性奴隷の被害に遭ったことに対する賠償金」であるかにも見えてしまいます。
このため、私自身はこの「日韓慰安婦合意」について、
「日本人がやってもいない性奴隷犯罪を、日本政府自身があたかも事実であるかのごとく認めた」
という意味で、絶対にやってはならないものだったと考えていますし、これを主導したと思しき岸田文雄元外相を首相にしてはならないと思っています(ただし、岸田文雄氏の政治家としての問題点については、ほかにも多々ありますので、今後ともおいおい議論していきたいと思います)。
慰安婦合意の「効果」は「責任の移転」
私はこの慰安婦合意について、「ウソの問題を固定化させることで、日本人の名誉と尊厳を回復するチャンスを失った」という大きな問題を抱えていると考えているのですが、ただ、メリットもありました。
それは、「責任の移転」です。
この慰安婦問題に限らず、日韓両国の間では、韓国が国内問題の解決を日本政府に押し付けてきたり、あるいは日本の内政を勝手に韓国の国内問題化したりする、といった現象が、しばしばみられました。靖国参拝問題、歴史教科書問題など、その典型例でしょう。
しかし、2015年の慰安婦合意とは、本質的には、「日本はカネを払うから、あとの問題は韓国政府がどうにかしろ」、というものです。そして、この慰安婦合意に基づき、少なくとも慰安婦問題を最終的に解決する責任は、日本政府から韓国政府に移転したという効果があったことは事実です。
自称慰安婦らに対する救済責任を持っているのは韓国政府が設立した慰安婦財団であり、慰安婦財団を設立・監督する責任は韓国政府にあるためです。つまり、日本政府が支払った10億円の分配は、あくまでも韓国政府がみずからの責任で設立した財団が主体的に行うことになったのです。
ついでにいえば、安倍政権がこの慰安婦合意を結んだあとで、当時の韓国の朴槿恵(ぼく・きんけい)政権は目立った反日的行動をやめましたし、日韓包括軍事情報保護協定(日韓GSOMIA)を結ぶなど、日米韓3ヵ国防衛協力が大きく進んだ、といった効果もありました。
もっとも、2017年5月に文在寅(ぶん・ざいいん)政権が成立したことで、「日米韓3ヵ国連携」という枠組み自体が風前のともしびの状態になってしまったのですが、これは安倍政権にとってはそれなりの誤算だったのかもしれません。
「知らんがな!」
ただ、韓国政府は昨年11月21日、日本政府の了解なく、この慰安婦財団の解散を一方的に決定してしまいました(『日韓新時代へ:慰安婦財団解散に踏み切った韓国政府の蛮勇』参照)。
これについて、もともとの慰安婦捏造報道を行った「火元」である朝日新聞に、昨日、こんな記事が掲載されていました。
元慰安婦・遺族に支援金行き渡らず 韓国の財団解散方針(2019年6月9日09時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より)
朝日新聞はこの慰安婦財団の解散を巡り、「財団の事業が宙に浮いたことで、元慰安婦の遺族らには、受け取れる支援金が届かないという問題が生じている」、と報じているのです。朝日新聞はこの状態について、
「今後の事業をめぐる日韓の協議は滞ったままで、解決の糸口は見えていない」
と報じているのですが、これに対する私自身の正直な感想を申し上げましょう。
「知らんがな!」(笑)
朝日新聞は「慰安婦財団の解散によって、支援金を申請した元慰安婦2人、遺族13人に支援金が支払われていない」ことが「問題だ」、、などと報じているのですが、これを報じた朝日新聞さんに教えてあげましょう。
自称元慰安婦を救済する全責任は、韓国政府と韓国政府が設立した慰安婦財団にあります。
本件について、もはや日韓の協議は必要ありません。
いや、もともと朝日新聞社が捏造した慰安婦問題に日本政府が何らかの対応をする必要すらなかったのですが、2015年12月の日韓慰安婦合意の本質は、自称元慰安婦を何とかする全責任が韓国側に移転した、というものです。
朝日新聞は、これを再び日本の責任であるかのように報じる暇があったら、「noindex事件」についての釈明でもしたらどうでしょうか?
慰安婦財団は「毒まんじゅう」?
さて、この慰安婦問題に関して、私自身はいまでも批判的です。
ただ、この合意に関しては、日韓関係改善のために安倍政権から韓国に差しのべられた、「最後の手」でもあった、という言い方もできるかもしれません。
つまり、安倍政権としては、韓国がこの「日韓合意」を履行するかどうか、慎重に見極め、そのうえで、(私の希望的観測によれば)もう韓国を「切る」心づもりを固めた可能性があります。
まず、日本政府は2016年8月末に、「日韓合意」に基づき10億円を韓国に送金。これにより、日本政府側が慰安婦問題を巡って、すべての義務を履行しました。このことによって、韓国側には「日韓合意」の精神を守り、この合意を履行する義務が生じました。
次に、日韓慰安婦合意に基づき、韓国側はソウルの日本大使館跡地に設置されたままの慰安婦像を撤去する義務が生じています(というよりも、あのような構築物を放置すること自体が「外交に関するウィーン条約」違反ですが…)。
それなのに、韓国政府はいまだに慰安婦像を撤去していないだけでなく、2016年12月末には、釜山の日本総領事館前にも同様の「慰安婦像」の設置を許している状況にあります。もはや韓国政府には、国際法も、国際条約も、国際的な約束も守る意思も能力もないことは明らかでしょう。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
日韓慰安婦合意には、少なくとも政府間の公式な立場として、「慰安婦問題は最終的かつ不可逆的に解決済みだ」と主張できるという意味では、それなりの効果があったことも事実です(デメリットの方がはるかに大きいですが…)。
また、あくまでも私のうがった見方ですが、安倍政権としては、最初から「韓国は合意を破るであろう」と見ていたフシがあります。つまり、「日韓合意」は米国をはじめとする全世界に対し、
「そらみたことか、韓国は平気で約束を破る国だ!」
と見せつける目的があったのではないでしょうか?
その意味では、日韓慰安婦合意とは、究極的には、当時の日本政府が韓国政府に喰らわせた「毒まんじゅう」のようなものといえるかもしれません。
いまのところ韓国政府は「慰安婦合意を破棄した」とは言っていませんが、慰安婦財団を通じた自称元慰安婦に対する支援事業は慰安婦合意の核となる部分ですので、その核となる慰安婦財団をなくしてしまえば、事実上、破棄してしまったのと同じです。
また、韓国政府がこの慰安婦財団の解散を一方的に決定してしまったからといって、このことによって韓国政府の責任がなくなるわけではありませんし、日本側には、慰安婦合意の再交渉に応じる義務も責任もありません。
日本政府としては、現在のところはこの慰安婦財団解散問題については抑制的な対応に終始しています(『慰安婦財団解散めぐり抑制的な日本政府の「別の意図」とは?』参照)し、おそらく本件についても「韓国の純粋な国内問題である」というスタンスを維持するでしょう。
ただ、安倍政権がやらねばならないことは、「日韓慰安婦合意」の失地を挽回すること、つまり「自称元慰安婦の問題が朝日新聞と韓国などによる悪質な捏造である」という事実を、全世界に広めることではないでしょうか。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
菓子……
シンカン 様
ご指摘大変ありがとうございました。
今後とも当ウェブサイトのご愛読ならびにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
毒饅頭で毒殺された事にも気付かない朝鮮ゴブリンども。🐧
人類の反攻の恐ろしさ、震えて「子々孫々」迄、震えて見ていろ。🐧
又、忘れた、ハゲ親爺です。🐧
岸田文雄は一時期(今も?)異常にマスコミに次期総理候補としてプッシュされていたけど、やっぱりあっち系なのかな?よくわからないけど。
久しぶりに投稿いたします。6/6が韓国の休日でしたので日本に帰国し、本日よりカオスな生活を再開しております。
この慰安婦問題で財団に補償を要求した何人かが、お金を受け取れずにいるという記事が中央日報にありました。
日本語版:https://japanese.joins.com/article/250/254250.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jp|main|ranking
韓国語版:https://news.joins.com/article/23491775
韓国版を見ると閲覧している人が殆どいません。コメントも取るに足らないものです。結局、現在の韓国政府は朴槿恵政権時の慰安婦合意を否定するためなら何でもするという考えでしょう。このことから、癒し金の受け取りを拒否しているのは挺対協に所属する老婆だけになっていることが分かります。つまり、挺対協に属していなければ慰安婦ではないことになります。ところが一般の韓国人はこの事実を知りません。合意の中身もその後の韓国政府の対応に対しても何一つ興味がありません。その割には小生に「日本は謝らない」、「一度謝れば済むのに」と真顔で言ってくる韓国人がいます。ほとんどの韓国人が「昔は色々あったけど、日本が好きです」と言いますが、昔に何があったのか聞いても「日本人が韓国人に酷い事をした」としか言わず、具体的な話は何一つ出てきません。つまり殆どの韓国人が心の底では反日なのです。
どうでもいいですが、小生を巻き込んでほしくないですし、馬鹿は馬鹿のままで一生国内で生きていけば良いと思います。小生一人で多数の韓国人の考えを変えることは到底不可能です。毎回、韓国行きの飛行機に乗る際に「なんで韓国に行かねばならないのだろう」といつも自問自答しています。自分で決めたことのために、最後まで責任を全うするこの日本人的考えが無ければ、小生ももっと帰国が早かったと思います。
駄文にて失礼します。
韓国在住日本人様、おひさです。
暫くコメントを見かけなかったんでどうされたのかなと、
少し心配してました。
仕事をしてる国がくにですからww
今後もリアルな情報楽しみにしてます!
産経新聞によると……w
https://www.sankei.com/world/news/190610/wor1906100006-n1.html
匿名様 やっと、動き出しましたね。
<ライダイハン、文在寅大統領にDNA型鑑定と謝罪求める>
https://www.sankei.com/world/news/190610/wor1906100006-n1.html
>「知らんがな!」(笑)
おっしゃるとおりだと思います(◍˃ᗜ˂◍)ノ”
>今後の事業をめぐる日韓の協議は滞ったままで、解決の糸口は見えていない
日韓の協議なんかする必要ないので、合意を守ってくれればそれでいいのです♪
>②韓国政府は元慰安婦の支援を目的とした財団を設立し、日本政府はその財団に対し、政府予算から10億円を一括で拠出する。
韓国政府は財団を設立したし、日本政府は10億円拠出しましたよね
>④上記②の措置が実施されるとの前提で、日韓両国政府は、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認し、
だから、④の前提は既に成立してるのだから、最終的かつ不可逆的に解決されたことも確認されてますよね
ということは、その後で財団を解散しようが、10億円をどう使おうが韓国政府の勝手なのかな・・・・
韓国政府が勝手にやったことについて、韓国人が困っててるみたいだけど、それをなんとかするのはやっぱり韓国政府なんだから、日本政府としては「知らんがな」としか言いようないですよね♪
読み直してみて、少し訂正なのです♪
>日韓の協議なんかする必要ないので、合意を守ってくれればそれでいいのです♪
と書いたけど、お互いに合意を守ったんだから、もう解決済みですよね♪
だから、支援が届かないって人に「財団もうないからあきらめて」とか「別の財団作って支援してあげる」とか、好きなように韓国政府がやれば良いんだと思うのです♪
ということで「知らんがな」という結論は変わんないけど、敢えて言えば、
朝日は、
>今後の事業をめぐる日韓の協議は滞ったままで、解決の糸口は見えていない
じゃなくて、
「今後の事業をめぐる韓国政府の対応の検討は滞ったままで、解決の糸口は見えていない」
と書くべきじゃないの?と言いたいのです♪