米国の為替監視レポート詳細 中国とドイツを問題視する米国
米国財務省は現地時間の28日、半年に1回公表されている恒例の「米議会向けの為替監視レポート」を公表しました。今回のレポートでは、従来の中国、日本、韓国、ドイツに加え、新たにユーロ圏からイタリアとアイルランドの2ヵ国、東南アジア諸国からはシンガポール、マレーシア、ベトナムの3ヵ国が加わり、合計9ヵ国が「為替監視対象国」として指定されています。本稿ではこのうち、中国、日本、韓国、ドイツの4ヵ国に関しての内容を逐語訳したものを収録するとともに、そのほかの5ヵ国についても、簡単に内容をレビューしてみたいと思います。
目次
米国財務省のレポート
現地時間の5月28日、米国財務省は恒例の「為替監視レポート」を発表しました。
Treasury Releases Report on Macroeconomic and Foreign Exchange Policies of Major Trading Partners of the United States (2019/05/28付 米国財務省HPより)
このレポートは半年に一度公表されるもので、詳細については、PDFファイルで公表されているのですが、45ページにも及ぶ長文であることに加え、英語で非常に読み辛いという点から、本稿ではレポートについて抄訳しておきたいと思います。
まず、このレポート、当ウェブサイトでは「為替監視レポート」などと呼称していますが、正式名称は『アメリカ合衆国の主要貿易相手国におけるマクロ経済と外為政策』( “Macroeconomic and Foreign Exchange Policies of Major Trading Partners of the United States” )です。
米国財務省が議会に報告するために、「3つの条件」のうち2つ以上を満たした国を選び、その国のマクロ経済の状況を概観するとともに、為替操作などをしていないかどうかを監視する、という位置付けのレポートです。
その「3つの条件」とは、次のとおりです。
- ①アメリカ合衆国との二国間貿易において、年間、200億ドル以上の貿易黒字を計上していること(サービス収支除く)
- ②経常黒字がその国のGDPの2%以上を占めていること
- ③外為市場において過去12ヵ月間のうち、少なくとも6ヵ月以上、一方的な為替介入を行っていること
つまり、米国財務省は、この3つのうち、2つ以上の条件を満たしている国を機械的に選び、その国が自国の産業の競争力を助けるために為替介入をしていないかどうかを監視する、という目的のものです。
東アジア3ヵ国
中国に対してかなり詳細な記述
今回、この条件に照らして選ばれた国は、中国、日本、韓国、ドイツ、イタリア、アイルランド、シンガポール、マレーシア、ベトナムの9ヵ国ですが、最も力点が置かれている国は、何といっても中国でしょう。
そこで、早速ですが、「サマリー」のページから、中国に関する記述(同P5)を全文引用し、これに私自身の参考訳(意訳)を付してみたいと思います。
中国に関する記述(レポートのP5)
- China continues to run an extremely large, persistent, and growing bilateral trade surplus with the United States, by far the largest among any of the United States’ major trading partners.(中国は米国との貿易において、非常に巨額で継続的な貿易黒字を計上し続けていて、しかもその額は増大しており、米国の主要貿易相手国の中でも抜きんでている。)
- China’s goods trade surplus with United States stands at $419 billion over the four quarters through December 2018.(2018年12月までの1年間を通じた中国の対米貿易黒字額(サービス除く)は4190億ドルに達している。)
- The outsized magnitude of the bilateral deficit is a result of China’s persistent and widespread use of non-tariff barriers, nonmarket mechanisms, state subsidies, and other discriminatory measures that are increasingly distorting China’s trading and investment relationships.(かかる巨額の貿易黒字は、中国の継続的で広範囲な非関税障壁、非市場型メカニズム、国による補助金、その他中国との貿易・投資関係を歪める差別的な取扱いに起因するものである。)
- These practices tend to limit Chinese demand and market access for imported goods and services, leading to a wider trade surplus.(これらの慣行が存在するがために、中国では輸入品に対する需要が抑制され、結果的に貿易黒字額がさらに拡大する要因となっている。)
- China’s policies also inhibit foreign investment, contributing to weakness in the RMB.(中国の政策は外国からの投資を阻害し、結果的に人民元の価値を下げることにつながっている。)
- Over the course of 2018, the RMB depreciated 5.4 percent against the U.S. dollar, and just under 2 percent on a broad, trade-weighted basis.(2018年を通じて、人民元は米ドルに対して5.4%下落し、取引加重平均ベースでもちょうど2%下落している。)
- If maintained, this depreciation would likely exacerbate China’s large bilateral trade surplus with the United States.(こうした状況を放置すれば、中国の対米貿易黒字はさらに拡大されるであろう。)
- Treasury places significant importance on China adhering to its G-20 commitments to refrain from engaging in competitive devaluation and to not target China’s exchange rate for competitive purposes.(財務省としては、中国がG20の場で表明した、自国の為替相場を輸出競争力を高めるために使わないというコミットメントをきちんと守ることの重要性を強調したい。)
- Treasury continues to urge China to enhance the transparency of China’s exchange rate and reserve management operations and goals.(財務省としては、中国に対して引き続き為替相場の透明性を強化することと、手続と目標を守ることを強く勧告する。)
- Treasury remains deeply disappointed that China continues to refrain from disclosing its foreign exchange intervention.(財務省は中国が引き続き為替介入の状況を非開示としていることに深く失望している。)
- Treasury is closely monitoring developments in the RMB and continues to have ongoing discussions with Chinese authorities.(財務省としては人民元の状況を引き続き入念に監視するとともに、中国当局との進行中の協議についても関心を払うこととしたい。)
- China should pursue more market-based economic reforms that would bolster growth and confidence in the RMB.(中国が経済成長と人民元に対する信頼を獲得するためには、よりマーケット・ベースでの経済改革を進めるべきである。)
- China needs to aggressively advance reforms that expand the role of market forces, support greater household consumption growth, and rebalance the economy away from investment. (中国は市場の力の役割を拡張し、家計消費の成長を振興することで、投資に過度に偏重した経済に対する改革を積極的に進める必要がある。)
- Such reforms would place China’s economy on a more sustainable footing, support global growth, and help reduce its bilateral surplus with the United States.(このような改革こそ、中国経済の持続可能性の土台を強め、ひいては世界経済の成長と米国に対する貿易黒字の削減に寄与するものである。)
いかがでしょうか?
「サマリー」と言いながら非常に長文ですが、米国財務省のいつになく強い口調からは、米国が中国に対し、強いフラストレーションを感じている様子が見て取れます。
米国は中国が「非関税障壁」「補助金」といった「市場メカニズムを歪める仕組み」が対米黒字を高める要因になっているとして中国を強く非難しており、こうした改革とあわせてGDPに占める消費の弱さを是正することで、対米黒字を減らして世界経済に貢献しろ、と要求しているのです。
また、レポートでは、現在の中国が「競争的な為替相場の切り下げを行っている」と断定することは慎重に避けつつも、その過程で「為替相場の透明性」(原文では “transparency of its exchange rate” )を要求しており、不透明な為替市場の改革を強く求めているのです。
日本についてはあっさりした記述に
一方、そのほかの8ヵ国については、くっきりと濃淡が出た格好です。
というのも、先ほどの3要件のうち2つを満たした場合、機械的に抽出されるからですが、日本の場合は米財務省のレポートでも、「2011年(の東日本大震災のとき)以来、日本は為替介入を行っていない」と断言しています。
日本に関する記述(レポートのP6)
- Japan maintains the fourth-largest bilateral goods trade surplus with the United States, at $68 billion in 2018.(日本は米国にとって4番目に巨額の貿易黒字を計上している相手国であり、2018年の貿易黒字額は680億ドルだった。)
- Japan’s current account surplus in 2018 was 3.5 percent of GDP, down from 4.2 percent of GDP in 2017.(日本のGDPに占める経常黒字の割合は2018年において3.5%だったが、これは2017年の4.2%からは減少している。)
- Japan has not intervened in the foreign exchange market since 2011.(日本は2011年以降、為替介入を実施していない。)
- Treasury’s expectation is that in large, freely-traded exchange markets, intervention should be reserved only for very exceptional circumstances with appropriate prior consultations.(財務省としては、同国の外為市場は大規模でかつ自由に取引が行われており、同国の為替介入は適切な事前告知とともに、非常に例外的な状況でのみなされているものと認められる。)
- Japan should take advantage of its continued economic expansion to enact critical structural reforms that can support sustained faster expansion of domestic demand, create a more sustainable path for long-term growth, and help reduce Japan’s public debt burden and trade imbalances. (日本は重要な経済構造改革を通じて国内需要を喚起し、中長期的、持続可能な経済成長を創設することで、公的債務水準と貿易不均衡を提言するよう努力すべきだ。)
なお、非常に重要な点ですが、アメリカ合衆国財務省は「日本が公的債務水準を圧縮するためには増税によるべきだ」とはヒトコトも述べていません。あくまで「内需を喚起して」「経済成長を振興すること」が重要だ、と述べているのです。
その意味で、消費増税をゴリ押しして日本経済を破壊しようとしている日本の財務省よりも、米国の財務省の方がはるかにマトモな思考を持っていると感じるのは私だけではないように思えてなりません。
韓国は為替監視レポート除外も
次に、米国財務省は、韓国については貿易黒字が巨額だとしつつも、冒頭に挙げた3条件のうち1つが満たされなくなる可能性があるため、次回レポートでは監視対象から除外されるかもしれない、と述べています。
韓国に関する記述(レポートのP6)
- Korea’s large external surpluses continued to moderate gradually in 2018, as the current account surplus narrowed to 4.7 percent of GDP in 2018.(韓国の巨額の貿易黒字体質は、2018年に入りやや緩和の兆しがある。また、2018年におけるGDPに対する経常黒字比率は4.7%に減少した。)
- Similarly, Korea’s goods trade surplus with the United States continued to trend down, reaching $18 billion in 2018, the first time since 2013 that the goods trade surplus has been below $20 billion.(同様に、韓国の米国との財の貿易黒字は縮小しており、2018年の貿易黒字額180億ドルは、初めて韓国がレポートに登場した2013年と比べて200億ドル下回っている。)
- Treasury assesses that on net in 2018 the authorities intervened to support the won, making small net sales of foreign exchange.(財務省としては、2018年において同国の通貨当局が通貨安を防ぐために外貨を小幅に売り越したと分析している。)
- The won depreciated 4.1 percent against the dollar in 2018, while depreciating slightly on a real effective basis.(2018年におけるウォンの下落幅は対米ドルで4.1%で、実効為替相場は小幅な下落だった。)
- Treasury welcomes Korea’s first disclosure of its foreign exchange intervention, which covers activity in the second half of 2018.(財務省はまた、韓国当局が2018年下期における為替介入額について初めて公表したことを歓迎したい。)
- The authorities should continue to limit currency intervention to only exceptional circumstances of disorderly market conditions, and Treasury will continue to closely monitor Korea’s currency practices.(為替介入が行われる場合は、市場が混乱するなどの非常に例外的な事態に限定されるべきであり、財務省としては韓国の通貨政策がこうした方針に則っているかどうかを引き続き緊密に監視する。)
- Given that Korea now only meets one of the three criteria from the 2015 Act, Treasury would remove Korea from the Monitoring List if this remains the case at the time of its next Report.(ただし、現状で韓国は2015年財務省法に定める3要件のうち1つしか満たしていないため、こうした状況が継続すれば、次回レポートから韓国は除外される。)
つまり、韓国が次回レポートで除外される可能性があるというのは、単に韓国経済の米国に対する重要性が低下している(貿易黒字額が急減している)からであって、仮に同国が不当な為替介入を行っていると米財務省が認定すれば、再び同国が監視対象となる可能性もあります。
なお、韓国が2018年下期に至るまで、為替介入額を一切公表していなかったというのにも、個人的には非常に強く驚くポイントだと思います。
ドイツ、欧州、東南アジア
ドイツには内需喚起を強く求める
一方、意外と米国財務省が語気を強く批判している国は、中国と並んで、ドイツです。
ドイツに関する記述(レポートのP6~7)
- Germany has the world’s largest current account surplus in nominal dollar terms, $298 billion over the four quarters through December 2018, marking the third consecutive year that Germany has been the largest contributor to external surpluses globally.(2018年12月までの1年間におけるドイツの経常黒字額はドル換算名目値で2980億ドルと世界最大であり、また、ドイツは3年連続して世界最大の貿易黒字国でもある。)
- Germany also maintains a sizable bilateral goods trade surplus with the United States, at $68 billion over the four quarters through December 2018.(ドイツが計上している財の対米貿易黒字は2018年12月までの1年間で680億ドルに達している。)
- The persistence of the massive current account surplus and the large bilateral trade imbalance with the United States has resulted from lackluster demand growth in Germany and an undervalued real effective exchange rate.(こうした巨額の貿易黒字の原因は、ドイツ国内での内需が精彩を欠いていることに加え、実効為替相場が過小評価となっているためでもある。)
- With Germany’s budget surplus having risen to a record high in 2018 and GDP growth in Germany weakening in recent quarters, Germany should take meaningful policy steps to unleash domestic investment and consumption – including substantial fiscal reforms to minimize burdens from elevated labor and value-added taxes – which would underpin domestically driven growth and help reduce large external imbalances.(2018年におけるドイツの財政黒字は過去最大となり、GDP成長率はここ数四半期において弱含みとなっているため、ドイツは投資と消費を喚起するために意味のある政策を取らなければならない。これには、潜在的な財政改革において、労働コストや付加価値税などの負担を軽減する政策が含まれるべきであり、ドイツは内需喚起を通じて対外黒字を減らす努力をすべきだ。)
- The European Central Bank (ECB) has not intervened unilaterally in foreign currency markets since 2001.(欧州中央銀行(ECB)は2001年以来、一方的な為替介入を実施していない。)
つまり、今回の為替監視レポートでは、ドイツは中国と並んで米国から強く問題視されているのです。
ただし、為替相場については、ドイツは自国通貨ではなく共通通貨・ユーロを利用しているため、ECBの為替ポリシーについては米国としては批判できていないのですが、それを言うのならば、「ドイツが共通通貨制度を悪用して対ユーロ圏で巨額の貿易黒字を積み上げている問題」に言及すべきでしょう。
イタリアとアイルランドはとばっちり?
一方で、ドイツと同じユーロ圏からは、イタリアとアイルランドも為替監視国に挙げられてしまいました。ただし、両国ともに記述はあっさりしたものです(申し訳ありませんが、ここから先は参考訳を付していません)。
イタリアに関する記述(レポートのP7)
Italy recorded a current account surplus of 2.5 percent of GDP in 2018, while its goods trade surplus with the United States rose to $32 billion. Italy’s competitiveness continues to suffer from stagnant productivity and rising labor costs. The country needs to undertake fundamental structural reforms to raise long-term growth – consistent with reducing high unemployment and public debt – and safeguard fiscal and external sustainability. The ECB has not intervened unilaterally in foreign currency markets since 2001.
アイルランドに関する記述(レポートのP7)
Ireland’s current account surplus and bilateral trade surplus with the United States have expanded significantly in recent years, after Ireland ran current account deficits in the lead up to the euro area crisis. In 2018, Ireland’s current account surplus reached 9.2 percent of GDP, while its goods trade surplus with the United States rose to a record high of $47 billion. This is countered in part by a sizable U.S. surplus on services. The rise in Ireland’s external balances reflects in part the significant and growing presence of foreign multinational enterprises (MNEs). A substantial share of current account transactions can likely be attributed to MNE activities, with a smaller share likely coming from the activities of domestic Irish residents. The European Central Bank (ECB) has not intervened unilaterally in foreign currency markets since 2001.
イタリアの場合は対米黒字が320億ドルに達したため、為替監視レポートに挙げられてしまったのですが、これもドイツの緊縮財政主義の悪影響を受け、内需が冷え込んでいることに加え、ユーロ安などの影響で対米貿易黒字が拡大したという側面が強いように思えてなりません。
また、アイルランドの場合は、対米貿易収支は確かに470億ドルと巨額なのですが、レポートの中では「サービス収支の対米赤字と相殺されている」などと指摘されていることに加え、「多国籍企業」の活動が貿易黒字拡大に影響していると述べられており、実質的に米国はアイルランドを問題視していないといえます。
東南アジア3ヵ国が監視対象に?
一方、今回のレポートで特徴的なのは、東南アジアの3ヵ国(シンガポール、マレーシア、ベトナム)が監視対象となったことです。
シンガポールに関する記述(レポートのP7~8)
Singapore runs one of the largest current account surpluses in the world as a share of GDP at 17.9 percent in 2018. Notwithstanding this large external surplus with the rest of the world, Singapore has consistently run a bilateral goods trade deficit with the United States, which in 2018 totaled $6 billion. Singapore’s monetary policy is uncommon, since it uses the exchange rate as its primary monetary policy tool. To meet price stability objectives, the authorities use foreign exchange intervention frequently to help guide the exchange rate and keep it within a target band. Treasury estimates that in 2018 Singapore made net foreign exchange purchases of at least $17 billion, equivalent to 4.6 percent of GDP. Singaporean authorities announced in May that they would begin publicly disclosing intervention data in 2020. Treasury welcomes this development. While certain structural factors contribute to Singapore’s large current account surplus, Singapore should undertake reforms that will lower its high saving rate and boost low domestic consumption, while striving to ensure that its real exchange rate is in line with economic fundamentals, in order to help narrow its large and persistent external surpluses.
まず、シンガポールの場合は、そもそも為替相場は変動相場制ではなく、カレンシーボード制(通貨バスケットの連動制)です。また、レポートの中でも触れられているとおり、シンガポールは2020年以降、外為市場における為替介入額を公表する予定だそうです。
マレーシアに関する記述(レポートのP8)
Malaysia has maintained a significant bilateral goods trade surplus with the United States since 2015, registering $27 billion last year. However, Malaysia’s current account surplus has narrowed substantially over the past decade on higher consumption and investment, falling to 2.1percent of GDP in 2018. Malaysia’s central bank has over the last few years intervened in both directions in foreign exchange markets. Treasury estimates that in 2018, the central bank made net sales of foreign exchange of 3.1 percent of GDP to resist depreciation of the ringgit. Malaysia’s external rebalancing in recent years is welcome, and the authorities should pursue appropriate policies to support a continuation of this trend, including by encouraging high-quality and transparent investment and ensuring sufficient social spending, which can help minimize precautionary saving.
次に、マレーシアについては米国との間で270億ドルの貿易黒字を抱えていて、2018年における経常黒字額がGDPの2.1%となったことから選定されたものですが、現在のところ、マレーシアの為替政策に対して米国が強く注文を付けているというものではなさそうです。
ベトナムに関する記述(レポートのP8)
Vietnam’s goods trade surplus with the United States has risen over the last decade, reaching $40 billion in 2018. Vietnam’s current account balance has also trended higher over the last decade, rising to a surplus of more than 5 percent of GDP in the four quarters through June 2018. Despite changes to the exchange rate regime in 2016 that increased the de jure flexibility of the exchange rate, in practice the Vietnamese dong remains closely managed against the U.S. dollar. As a result, foreign exchange intervention has been used frequently, and in both directions, to maintain the close link to the dollar. The Vietnamese authorities have credibly conveyed to Treasury that net purchases of foreign exchange were 1.7 percent of GDP in 2018.5 These purchases came in a context in which reserves remained below standard adequacy metrics and there was a reasonable rationale for rebuilding reserves. Further, while purchases of foreign exchange outweighed sales over the course of the year, the central bank intervened in both directions, with foreign exchange sales used to resist downward pressure on the Vietnamese dong in the second half of 2018. As Vietnam strengthens its monetary policy framework, and reserves reach adequate levels, Vietnam should reduce its intervention and allow for movements in the exchange rate that reflect economic fundamentals, including gradual appreciation of the real effective exchange rate, which will help reduce Vietnam’s external surpluses.
一方で、ベトナムについては、今回初登場でありながら、実に長文を割いて、同国の為替政策の不透明性に注文を付けています。
結局、中国に代替する「モノづくりの拠点」として、マレーシアやベトナム、そして今回のレポートでは挙げられていないタイやインドネシアなどの重要性が高まっているため、今後、為替監視レポートでは継続して、東南アジア諸国が登場する可能性がある点には注意が必要といえるかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
このレポートとは関係ないですが、再び急速にウォン安が進んでますね。現在、USDKRWは1$=1194₩。G20終わるまではなんとか大統領の面子のために頑張ると思っていたのですが持たないかもしれません。
すごいですね、さすが会計士さんのレポートです。
こんなに早く、こんなに詳しい解説が只で読めるなんて、本当にありがたいです。
じっくり読まさせていただきます。
ところで、今回はずいぶん遅れましたよね。
理由は産経新聞によると、今回から分析対象国を12から21に増やしたからだそうです。
たぶん、そのせいで、アイルランドとかも入ったんでしょうね。
ベトナムも、あわや操作国に指定されるところだったとか、
最近のベトナムは景気がいいんですね。
ところでこの為替報告書の目的は、米国に対する貿易黒字国の通貨安誘導を牽制するためですよね。
でも、どうも最近の時代にそぐわなさそうですよね。
ここ最近の人民元安は米国にとっては良いことなんでしょうか?
それとも悪いことなんでしょうか?
今や1ドル7元を越えそうです。
ここの読者(チャイナ嫌いの方々)には、人民元安は良い事なんですよね。
何故なら、中国の通貨危機を願っているから(笑)(笑)(笑)
しかしながら、為替報告書では、人民元安を非難している(怒)(怒)(怒)
中国は人民元安誘導を止めろと言っているのです。
人民元安は米国にとっては、嫌なことなんですね。
中国にとって「渡りに舟」とはこの事です。
堂々と人民元安を阻止できます(笑)
中国当局にとって、勝手に人民元安になってくれてるこの状況は、快適なんですね。
実際、ロイターによると、1ドル7.13元まで落ちるなんて予想してます。
ウォール街の人民元ウォッチャーたちは、人民銀行高官は人民元安を止める気がないそうです。
これって、4年前のチャイナショックの時とはずいぶん違いますよね。
あのときは外貨準備高が1兆ドルへった。
今は、中国経済の耐性が違うって事なんだそうです(驚)(驚)(驚)
世界の投資家は少々の人民元安じゃ中国から逃げ出さないんでしょう。
悔しいけど、それだけ人民元が認められてきたってことなんでしょうね。
あと、この為替報告書では、インドとスイスが監視対象から外れていますが、この件に関しても、いっぱい話したいことがあります。
インドについてです、他のブログでも「インド太平洋構想」なるものを取り上げてましたね。
私は以前から「一帯一路」と「インド太平洋構想」と「上海協力機構」と「AIIB」に関して、インドを取り込もうと中国と米国が綱引きしている状況を面白く見ていました。
めちゃくちゃインドのビジネスは難しそうで、中国で成功した商社もインドではかなりやられてるそうです。
インドは甘くないようですよ、まあもうちょっと研究して、インドについては書こうと思います(笑)
> ここの読者(チャイナ嫌いの方々)には、安は良い事なんですよね。
私はネトウヨかつチャイナ嫌い(Chinophobia)ですが、人民元が安いことがよいことだとは思いませんね。輸出依存度の高い中国としても、少々の元安なら歓迎ではないでしょうか。少なくとも現状の変動幅では、何かを期待できるようには見えません。
中国の輸出競争力を殺ぐという目的なら、プラザ合意の時の円/ドルのように、思い切り人民元を高くさせるやり方もあると思うんですよ。外資は中国の人件費が高くなって中国を脱出しつつありますが、それにも拍車がかかって、中国経済全体が弱体化すると思うのです。しかし米国はその選択肢は考えていないようです。その理由はわかりません。
> インドは甘くないようですよ
インドに夢を見ている日本人は沢山いますが、話の通じなさは韓国や中国の比ではないですよ、私の数少ない経験ではありますが。特定アジア諸国はアレでも中華文明圏ですから、漢籍による古典を共有し、儒教や仏教の共通文化を持った上で、悪意に基づく誤解と偏見(というよりも中華的世界秩序が生み出す差別的序列感)から来る対立ですが、インド人は善意をもってして話が噛み合いません。私には無理です、彼らと仕事をするのは。
カニ太郎さんへ
肝心のコトを忘れてますよ、
今の支邦は、自給自足できないんです
エネルギーも、食料も、輸入する必要があります
日本だって、消費者としてだけなら
円高の方が嬉しいに決まってます
ましてや支邦の様に、超格差社会だと、
元安で、下層階級からは死人が出ます
支邦の軍事費の2/3が、治安維持費だと言われています
コレが、モット必要になる
支邦が、どうなろうが対岸の火なら面白い
難民が日本に来るなら、他人事じゃないので
多いに心配すべきだと思いますよ
韓国の対米貿易黒字は、従来は対米輸出だったものを中国向けのの中間財輸出にシフト〔最終消費地は米国〕したり、関税対策として鉄鋼をベトナム経由で迂回輸出したりすることにより、見せかけ的なところで解消されてるのだと思います。
だから、それらの国への規制が強化されてしまうと、いずれは元に戻ってしまうのかもしれないですね。
詳細な翻訳ありがとうございます。
やっぱり、KRWの買い支えをやってたんですね。
5月の韓国の外貨準備がどれだけ減っているか楽しみですね。
ひょっとして、円も売ってるのかな。
叱られそうですが、自分はウォン安を喜んでおりません。楽しむ気にはなれません。
ウォンが1ドル1200ウォンを突破して、通貨危機が起こったとしても喜ぶことはありません。
嫌韓であるが故に、通貨危機を歓迎しません。
何故なら、通貨危機は韓国の『トラウマ』であり、現政権に対する不信感を間違いなく拡大させるからです。
通貨危機が起これば、ここぞとばかりに保守系メディアは政権を責め、ムン・ジェインの支持率はさらに下がることは間違いありません。そうなれば、ムン・ジェインが弾劾を受ける可能性が出て来るでしょうし、用日を働く保守派が台頭してくることは間違いありません。
それだけ、次政権に保守派が返り咲く可能性が強まるわけです。韓国の通貨危機は、将来、用日の危険性を強めるだけでしょう。