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徴用工「早期決着」に失敗した韓国の次の手=鈴置論考

韓国政府による「キシダを騙す動き」は、いったんは頓挫したようです。自称元徴用工問題を巡り、韓国政府が目指した「早期決着」に失敗したからです。しかも、日本の側では、岸田「宏池会」政権は基盤が弱く、これに加えて年々強くなるネット世論の存在も、日本の対韓譲歩を困難にしています。ただ、韓国による「キシダを騙すための努力」は、それこそ岸田首相自身が退陣するまで続くのではないか――。日本で最も信頼に値する韓国観察者・鈴置高史氏の最新論考を読んでいると、そんな懸念が生じてしまうのです。

決断しなかった林外相

なぜ日本は韓国に「譲歩」してはならないのか

週末にドイツで開かれた日韓外相会談では、自称元徴用工問題を巡って韓国側が日本に『政治的決断』を要求したものの、日本側はその『決断』を示さなかったようだ」――。

こんな話題を、当ウェブサイトでは日曜日の『日韓外相会談進展なし:韓国は日本に「政治決断」要求』で「速報」的に取り上げました。

ドイツで現地時間18日夜7時過ぎから開催された日韓外相会談に関する報道発表が、19日朝、日韓の外交当局から発表され、一部メディアもこれに続いています。発表文や朴振(ぼく・しん)韓国外交部長官の発言を読む限り、今回の外相会談で林芳正外相が「政治的決断」をしたわけではなさそうです。ただ、もしそうだとしても、それは林外相自身が確固たる立場に基づいてそうしたのか、それともたんに「上司」に決断を丸投げしただけなのかはわかりません。日韓外相会談・日本側の発表はほぼ「コピペ」『自称徴用工問題で宏池会は騙せても...
日韓外相会談進展なし:韓国は日本に「政治決断」要求 - 新宿会計士の政治経済評論

改めて指摘するまでもありませんが、自称元徴用工問題の本質は、「韓国側がありもしない『日本の犯罪行為』をでっち上げ、法的な根拠のない内容(謝罪や賠償など)を要求している」という代物であり、本当の「被害者」は韓国ではなく日本であり、むしろ韓国こそがれっきとした「加害者」です。

したがって、自称元徴用工問題で日本が韓国に対し「譲歩」できるところは何もありませんし、「譲歩」すること自体、日本と世界にとっては非常に大きな禍根を残すことになります。

2022年2月24日にロシアが国際法に反してウクライナに軍事侵攻を開始してからもうすぐ1年が経過しますが、現在、国際法秩序を愛する西側諸国を中心とした有志国は、こうした違法なロシアの軍事侵攻を失敗に終わらせようと、一致して努力を行っています。

その中核たるG7諸国の一員である日本自身が、国際法に違反している韓国に対して譲歩してしまえば、むしろ中国、ロシア、北朝鮮などの無法国家に対しても、「国際法は破った者勝ちだ」、という誤ったメッセージを伝えることになりかねません。

それに、日本は現在、故・安倍晋三総理大臣の大いなる遺産である「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を世界に伝道する立場にあります。その日本自身が、FOIPの中核を占める「ルールに基づく国際秩序を尊重する」という大原則を自ら破るようなことがあって良いはずがありません。

こうした視点から日韓外相会談を眺めると、林芳正外相自身がこうした国家観を持って韓国に対し毅然と譲歩を拒絶したのならば、大変に心強いことであることはいうまでもありません。

林外相が決断しなかった理由とは?

もっとも、状況証拠に照らすならば、本件は林外相が「確固たる国家間に基づき毅然と韓国の不当な要求を断った」のか、それとも単純に「頭が廻っていなくてそこまで時間が割けなかった」だけなのか、その判断は微妙なところです。

というのも、外務省ウェブサイトで確認すると、2月18日の当日は林外相自身が主催したG7外相会合に加え、ミュンヘン安全保障会議や同ウクライナ復興サイドイベントへの出席、立ち話を含めた少なくとも8件の会談・会合をこなすなど、大変に多忙だったからです。

日韓外相会談が行われたのもその最後の午後7時10分からの35分間に過ぎず、また、当日は北朝鮮がICBM級弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾する騒動もあったため、その問題への対応にリソースを取られたであろうことは容易に想像がつきます。

こうした状況に照らすならば、重要イベントが相次いで押し寄せるという日程のなかで、林外相が朴振(ぼく・しん)韓国外交部長官の要求する「政治的決断」に応じるだけの余裕があるとも考えられません。

あるいは、韓国側が「決断」、「決断」とうるさく要求するならば、林外相としては自身の「上司」である岸田文雄首相に対してその「決断」を丸投げするかもしれません。きょうび、韓国に対する譲歩は、政治的には大変なリスクを伴うからです。

このインターネット化社会において、少数の新聞、テレビといったオールドメディアに「報道しない自由」を含めた世論を支配する力は失われています。日本の政治家が下手な「決断」を下した場合、インターネット上で大騒ぎになるのは火を見るより明らかでしょう(某怪しい自称会計士のサイトもその典型例でしょう)。

いずれにせよ、今回の「日本が政治決断をしなかった」という件も、林外相やその「上司」らが「確固たる国家観」に基づいて毅然として韓国に対処したというよりも、単純にその判断ができなかっただけと見るのが正解ではないでしょうか。

宏池会政権と自民党の力関係

韓国のペースに乗せられている時点で失敗

当ウェブサイトがこのように考える理由はいくつかあるのですが、その最たるものは、とくに安倍総理が他界して以降の対韓外交が、完全に韓国のペースに乗せられてしまっているという点にあります。

そもそも岸田首相の前任者である菅義偉総理は、「日韓関係を健全なものに戻すきっかけを韓国が作らない限りは首脳会談に応じない」とする姿勢を貫いた人物でもあります。韓国側が何度も日韓首脳会談を要求したにも関わらず、です。

これに対し、岸田首相は昨年9月、訪問先のニューヨークで尹錫悦(いん・しゃくえつ)韓国大統領との事実上の「会談」に応じてしまいました(『「日韓略式首脳会談が行われる」=韓国大統領室が発表』等参照。ただし、日本政府は「あれは会談ではなく、あくまでも懇談だ」、などと言い張っていましたが…)。

現時点で情報源は韓国側にしかないが…韓国観察者の鈴置高史氏がかねてより警鐘を鳴らしていた「脇の甘い岸田文雄首相リスク」を思い出してしまいました。韓国大統領室の発表によると、日韓首脳はニューヨークで「略式会談」に応じたのだそうです。具体的な内容については現時点で日本政府の側からは発表されていませんが、少なくとも韓国大統領室が発表した写真で見ると、岸田首相は満面の笑みであるように見えます。著者自身、日本で最も信頼し得る韓国論者のひとりといえば、「韓国観察者」と名乗る鈴置高史氏だと考えているのですが...
「日韓略式首脳会談が行われる」=韓国大統領室が発表 - 新宿会計士の政治経済評論

また、11月のASEAN関連会合のサイドラインでは、正式な日韓首脳会談に応じ、信じられないことに、自称元徴用工問題を巡って「日韓の協議で早期解決を図る」などと述べてしまったのです(『徴用工問題「両国の協議で」早期解決を図る=首脳会談』参照)。

韓国の「包摂的FOIP」に同意してしまった岸田首相もともと存在しない自称元徴用工問題を両国が「早期解決に向けて協議する」というのも変な話ですが、それだけではありません。故・安倍晋三総理大臣の最大の遺産のひとつが「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」ですが、外務省が昨日発表した日韓首脳会談や日米首脳会談に関する内容を読んでいくと、ついに岸田首相によるFOIPの改変が始まったのかと不安に思わざるを得ない材料が出てきました。日韓首脳会談昨日は、久しぶりに驚きました。外務省のウェブサイトによると...
徴用工問題「両国の協議で」早期解決を図る=首脳会談 - 新宿会計士の政治経済評論

つまり、韓国側の土俵にわざわざ乗っかりに行っている時点で、岸田首相の「負け」のようなものです。

このあたり、「確固たる国家観に基づき、地球儀を俯瞰する外交」を行ってきた安倍総理や、その安倍総理の意図をよく理解し、自身もその後継者としてFOIPの実現に尽力した菅総理の偉大さを、改めて痛感せざるを得ません。

歴史に「IF」はありませんが、もしも安倍総理の暗殺が発生していなければ、岸田首相のこうした危ない対韓外交に対しても、安倍総理からの指導が入り、要所要所で軌道修正が図られていたのではないかと思うと、本当に残念でならないのです。

岸田政権にも良いところはある:安保3文書と原発再稼働

ただし、何度も繰り返しで恐縮ですが、著者自身は「100か、ゼロか」という議論は好きではありません。

現在の岸田政権は、太陽光などに偏重していた菅政権時代のエネルギー政策の失敗を是正し、原発の再稼働や新増設方針を明らかにしていますし、日本の安全保障環境が厳しさを増すなかで、安保3文書を制改定し、防衛力の抜本的な増強を推進する方針を決めました。

つまり、「やるべきこと」はキッチリとこなしているのです。

また、岸田首相は自身の周辺を宏池会関係者などで固めてしまっていますが(この点こそ、当ウェブサイトが岸田政権を「宏池会政権」と呼ぶゆえんです)、その宏池会自体、自民党内で第4派閥に過ぎません(下手をすると近日中に第5派閥に転落するかもしれません)。

自民党は昔から良くも悪くも「集団指導体制」の政党ですが(著者私見)、「宏池会政権」にとっても最大派閥である安倍派(清和政策研究会)には配慮せざるを得ませんし、また、麻生派(志公会)や茂木派(平成研)などの主要派閥との関係を損ねるわけにもいきません。

さらには無派閥の菅総理も、自身に近い「ガネーシャの会」などを中心に、その気になれば20~30人程度の自派閥を立ち上げることはできそうです。

それに、菅総理は二階派会長の二階俊博・前幹事長や森山派会長の森山裕・自民党選対委員長らと「仲が良い」と指摘されていますし、同様に菅総理と「仲が良い」とされる萩生田光一氏とうまく連携すれば、安倍派を味方につけ、自民党の半数近い議員の支持を取り付けることができる可能性を持っています。

このような状況で、いかに岸田首相と言えども好き勝手な政策をゴリ押しすることができるものでしょうか。

集団指導体制の自民党:「1兆円増税」が頓挫

そして、これにはひとつの「前例」があります。「1兆円増税」の事実上の頓挫です。

防衛費増強に関連し、岸田首相が唐突に「1兆円増税」を言い出した際、高市早苗・経済安保担当相や西村康稔・経済産業相ら、「閣内」からも強い異論が示されたのです。

とくに安倍派の重鎮でもある西村経産相は、「税収が3兆円上振れしているなかでなぜ1兆円の増税が必要なのか」と発言(『税収3兆円増えているのに「1兆円の増税が必要」の怪』等参照)するなど、「岸田増税」を強く牽制。

増税原理主義・財務省の手先としての正体を隠そうともしなくなったのか――。読売の報道によれば、岸田首相は2027年時点で年間1兆円程度の税収増を目指す方針だとしていますが、本末転倒した議論と言わざるを得ません。すでに今年だけで3兆円も税収が上振れているのです。むしろ現在の日本の場合、税金は「足りない」のではなく「取り過ぎている」のです。「年1兆円分を増税で」=読売報道まともに経済学を学べばわかるはずのことを、なぜか理解していない人物が、日本の首相を務めているというのは不幸です。読売新聞オンラインに掲...
税収3兆円増えているのに「1兆円の増税が必要」の怪 - 新宿会計士の政治経済評論

結果的に、「1兆円増税」方針は宮沢洋一・税調会長(※宏池会所属、岸田首相の従兄)に一任されたものの、税調はその時期を決めることができず、結局は安倍派の萩生田政調会長が「財源探し特命委員会」のトップに就任することで、何とか1兆円増税騒動を鎮静化させた状況です。

このような経緯を踏まえ、もしも韓国の要求に応じて日本政府が自称元徴用工問題で何らかの「政治的決断」を下そうとするならば、昨年の「1兆円増税」と同じか、それよりもさらに大きな騒動が、宏池会政権を揺さぶることになるのではないでしょうか。

さしずめ岸田首相を批判する急先鋒は高市氏あたりで、これに西村氏や自民党安倍派の議員(※例の「詭弁」を唱える参議院議員などは除く)などが加勢するかたちとなり、もしも岸田首相がこれを強行突破しようものなら、それこそ政権が揺らぐ事態も生じかねません。

「あの議員」の詭弁が再び出てきました。「朝鮮半島生命線説」とでも言えば良いのか、自称元徴用工問題を「解決」することが、日韓・日米韓の安全保障連携にも寄与する、といった主張です。端的にいえばお粗末と言わざるを得ません。「日本が韓国に譲歩したら日韓・日米韓連携が円滑になる」という主張自体が、そもそも理論的に間違っているからです。国益こそ重要著者自身がここ10年ほど取り組み、いまや一種の「ライフワーク」と化しているのは、「日本にとって円滑な日韓関係が国益である」とする主張の誤りを理論的に証明する作業...
「徴用工解決で安保協力が進む」という松川議員の詭弁 - 新宿会計士の政治経済評論

西村経産相「労働者問題と輸出管理はまったく別の議論」

こうしたなかで思い出しておきたいのが、おそらくは外務省のリークによるものと思われる、産経新聞が1月28日付で報じた「徴用工問題の解決とバーターで日本が韓国をホワイト国に復帰させる」という話題(『産経「ホワイト国復帰」記事、ロジックは「穴だらけ」』等参照)です。

「韓国をホワイト国に戻してはならない」とする当ウェブサイトの昨日の記事とまったく同時刻に、産経ニュースは「独自」と銘打って、『韓国の「ホワイト国」復帰検討、徴用工見極め判断』と題した記事を配信しました。まさに真逆の内容です。ただ、産経の記事自体、事実誤認も多く、ロジックもかなりお粗末です。これはおそらく「産経記者の不勉強」ではなく、情報源である日本政府関係者あたりが考えている内容を、産経が「確信犯」的に報じたのではないでしょうか。ホワイト国にふさわしくない韓国なぜ韓国をホワイト国に戻してはな...
産経「ホワイト国復帰」記事、ロジックは「穴だらけ」 - 新宿会計士の政治経済評論

余談ですが、奇しくも当ウェブサイトでは、この産経報道とまったく同日・同時刻に、『韓国をホワイト国に戻してはならない輸出管理上の理由』という記事のなかで、「自称元徴用工問題と対韓輸出管理適正化措置は無関係だ」とする記事を配信したのですが、自分でも驚くほどの「偶然」(?)です。

韓国政府が日本政府に対し、輸出「規制」の撤回と「ホワイト国リスト」への韓国の編入を強く要求しているようであることは、ここ数日の韓国メディアの報道でも明らかです。しかし、そもそも日本政府が対韓輸出管理適正化措置を発動した原因――日韓の信頼が損なわれた状況で、韓国が輸出管理を巡って不適切な事例を発生させたうえ、WTO提訴をしたことなど――が除去されていない以上、日本政府は韓国側の要求に応じることはできませんし、応じてはなりません。無名の専門家がウェブ評論をする時代社会のインターネット化に伴い、興味深...
韓国をホワイト国に戻してはならない輸出管理上の理由 - 新宿会計士の政治経済評論

ただ、このタイミングで「ホワイト国復帰」なる与太話が出てきたのは、おそらくは外務省あたりがメディアの力を使い、少しずつ情報をリークすることで、「既成事実化」を図ることを狙っているからではないでしょうか。

しかし、それと同時に、輸出管理と自称元徴用工問題が関連してくるというのも、非常に不自然な話です。そもそも輸出管理を管轄しているのは外務省ではなく経産省だからです。

こんな「モヤモヤ」を抱いていたところ、昨日は大変に重要な話題が出てきました。

西村経産相が対韓輸出管理適正化措置を巡り、「旧朝鮮半島出身労働者問題(※自称元徴用工問題のこと)とは無関係だ」とする趣旨の発言を行ったのです(『輸出管理で「韓国側に適切な対応求める」=西村経産相』参照)。

対韓輸出管理適正化措置と自称元徴用工問題を巡り、西村康稔・経済産業省が21日の閣議後記者会見で、両者を「まったく別の議論だ」としたうえで、対韓輸出管理緩和を巡っては「まずは韓国が開始したWTOのプロセスを停止することが何よりも必要」、「韓国側に適切な対応をまずは求めていきたい」と述べたそうです。まったくの正論です。岸田首相に聞かせてやりたいほどです。自称元徴用工問題と輸出管理適正化は別問題これまで何十回、何百回となく申し上げてきたとおり、日本政府が2019年7月に発表した韓国に対する輸出管理の厳格...
輸出管理で「韓国側に適切な対応求める」=西村経産相 - 新宿会計士の政治経済評論

経産省ウェブサイトに西村氏の記者会見がまだ掲載されていないので、改めて報道記事(時事通信やロイター)から西村氏の発言を拾っておくと、こんな具合です。

  • <対韓輸出管理適正化措置は>安全保障の観点から輸出管理を適切に実施するために行ったもので、労働者の問題(※自称元徴用工問題)とはまったく別の議論だ
  • <韓国に対する輸出管理の緩和は>まずは韓国が開始したWTOのプロセスを停止することが何よりも必要(であり、)韓国の輸出管理の状況などを総合的に評価して、実効性を見極めたい
  • 輸出管理については、韓国側に適切な対応をまずは求めていきたい

この西村氏の一連の発言にある、「自称元徴用工問題と対韓輸出管理適正化措置はまったく別の議論」、「韓国が開始したWTOプロセスの停止が必要」、「輸出管理については韓国側に適切な対応をまずは求めていきたい」といった趣旨の発言は、まさに安倍晋三、菅義偉両総理の路線そのものです。

思うに、この発言も、経産省の管轄にあるはずの輸出管理措置について、外務省が「領空侵犯」してきたことに対する、西村氏や安倍派なりの「牽制」として働いたのではないでしょうか。

著者自身としては、昨年、酒井良・海上幕僚長が韓国の火器管制(FC)レーダー照射や旭日旗問題などについて韓国を牽制した発言(『酒井海上幕僚長「韓国側にボール」発言こそ正しい認識』等参照)も、外務省に対する強い牽制だったと睨んでいるクチです。

「問題が韓国側から明確に説明されない限り、交流を推進する状況にない」。こんな発言が、海上自衛隊のトップである酒井良・海上幕僚長から出てきました。この酒井氏の爪の垢を煎じて、「両国の協議加速」などと寝言を言っている岸田首相や外務省関係者に飲ませてやりたいと思ったのは、著者だけではないのかもしれません。外務省の姿勢がおかしい日韓諸懸案の正体は韓国による日本に対する「二重の不法行為」日韓諸懸案はたいていの場合、韓国が問題を発生させていること――、つまり、韓国側がありもしない問題を捏造し、日本に対して...
酒井海上幕僚長「韓国側にボール」発言こそ正しい認識 - 新宿会計士の政治経済評論

いずれにせよ、外務省の暴走に対しては、他省庁、あるいは政治家や制服組などからも牽制が入るようになったのは、日本にとっては望ましいことといえるのかもしれません。

韓国政府の「キシダを騙す努力」

追加協議目論む韓国

ただ、そんなことで懲りるほど、外務省が賢明な組織ではないこともまた事実でしょうし、韓国だって諦めることはありません。外務省と韓国政府は結託し、何とかして日本を騙そうと画策するはずです。

実際、ドイツでの外相会談は、韓国にとっては「早期決着」に失敗したものではありますが、韓国政府は懲りずに「追加協議」などと言い出しています。韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)の次の記事がその証拠です。

韓日 徴用問題巡り追加協議へ=両外相G20で来週再び対面か

―――2023.02.21 17:32付 聯合ニュース日本語版より

聯合ニュースによると韓国外交部の任洙奭(にん・しゅしゃく)報道官は21日の定例会見で、先週のワシントンでの日韓外務次官会談とドイツでの外相会談を巡り、「ハイレベルの会談が開催され、それに伴う措置があると思う」と述べたのだそうです。

また、外交部の当局者も、「先週外相会談が開催されたため、日本でも検討する時間が必要」としたうえで、「会談で議論された結果に対する日本側の反応や検討意見などについて実務級などで協議があると考える」と述べた、などとしています。

さらには、来月早々にインドで開かれるG20外相会合でも日韓外相が再び会う可能性がありますが、これに関して聯合ニュースは「日本側の反応などを踏まえ追加協議が行われれば、その結果を受け入れるかどうかなどについて韓国も政治的な決断を迫られるとの見方もある」、などとしています。

果たして岸田「宏池会」政権は、再び騙されるのでしょうか。

韓国のウソをことごとく論破する最新鈴置論考

こうしたなかで、日本で最も信頼に値する韓国観察者である鈴置高史氏は21日、ウェブ評論サイト『デイリー新潮』に、非常にタイムリーな解説記事を寄稿しました。

徴用工問題で“速度戦”に失敗した尹錫悦 アベ不在…それでもキシダは騙されるのか

対日外交で尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が焦る。「『徴用工問題』の早急な解決」との美名を掲げ日本を操ろうとしたものの、岸田文雄首相がなかなか乗って来ないからだ。韓国観察者の鈴置高史氏が「尹錫悦の作戦ミス」を読み解く。<<…続きを読む>>
―――2023/02/21付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より

記事タイトルでもわかりますが、尹錫悦政権が目論んでいた自称元徴用工問題の「早期解決」が、韓国側の目論見通りには進展していない、という状況に関する解説です。

ただ、執筆者が鈴置氏だけあって、「日本の全面勝利だ、万歳!」といったわかりやすいサクセスストーリーになっていない点には注意が必要です。客観的に確認できる状況証拠を多数集めてくるという鈴置論考の性質上、どうしても「岸田政権の危なっかしさ」に関する情報が多々出て来てしまうからです。

鈴置氏は、朴振外交部長官の「日本による政治的決断が必要だ」とする発言を巡って、その真意は、岸田首相に対し「早く決断しろ」と促すことにあると指摘します。

では、なぜそんなことをするのでしょうか。

鈴置:韓国政府が考えるいわゆる徴用工問題の『解決案』は相当にムシがいいものです。日本の国民がじっくりと検討したら反発が高まるのは確実。尹錫悦政権は就任当初から『トップ同士による一括妥結』を掲げ、日本人に深く考える時間を与えない作戦を採ってきました」。

日本人が「深く考える」とマズい理由はもちろん、韓国政府が唱える「解決案」が、1965年の日韓請求権協定に至るまでの国交正常化交渉で、日本が認めなかった植民地支配の不法性を認めたことになるという「見え透いた罠」だからです。

某参院議員のように、現実に韓国のウソに騙されている者もいる

そして、鈴置氏の見立てによれば、「キシダの政治的決断」を執拗に迫るのも、韓国側では自称元徴用工判決を巡って、「出るところに出たら勝てない」と本当はわかっているからです。本来なら、もともと無理筋の作戦、というわけです。

鈴置:だから尹錫悦政権は『解決を急がないと大変なことになる』とのプロパガンダを繰り広げてきました」。

では、その際の具体的な理屈付けは、いったい何でしょうか。

鈴置氏はこれについて、韓国が持ち出した論法が「日本企業の資産の現金化を避けなければならない」、「韓日関係を改善しなければ米国に怒られる」、といった代物だったと指摘します。

当ウェブサイトの読者の皆さまであれば、「日本企業の資産現金化?やれば?」とにべもない反応を示すかもしれませんが、自民党安倍派の某参議院議員の例を持ち出すまでもなく、世の中には「日本企業の資産現金化は何としても阻止せねばならない!だから早期の日韓正常化が必要だ!」などと言い出す輩もいます。

「あの議員」の詭弁が再び出てきました。「朝鮮半島生命線説」とでも言えば良いのか、自称元徴用工問題を「解決」することが、日韓・日米韓の安全保障連携にも寄与する、といった主張です。端的にいえばお粗末と言わざるを得ません。「日本が韓国に譲歩したら日韓・日米韓連携が円滑になる」という主張自体が、そもそも理論的に間違っているからです。国益こそ重要著者自身がここ10年ほど取り組み、いまや一種の「ライフワーク」と化しているのは、「日本にとって円滑な日韓関係が国益である」とする主張の誤りを理論的に証明する作業...
「徴用工解決で安保協力が進む」という松川議員の詭弁 - 新宿会計士の政治経済評論

また、そのような者は得てして、「北東アジアの緊張が高まっている今、韓国と仲良くしないと日本は安全保障上、不利だ」、などとも主張しますが、こうした考え方について、鈴置氏はこう一蹴します。

鈴置:韓国に近い日本の国会議員や学者、記者がそう声を揃えます。『関係を改善しないと、日米韓の軍事協力が円滑に進まない』との理屈です。韓国政府の意向を受けたものでしょう。でも、その嘘も次第にばれてきました」。

このあたりの鈴置氏の説明は、まさに「圧巻」のヒトコトに尽きます。論考の2ページ目の半ばから4ページ目にかけて、それこそ「日韓関係の改善は米国の意向」とする主張が、木っ端みじんに粉砕されていますので、是非とも直接お読みください。

文章を読んでいて「スッキリする」という滅多にできない体験ができることを約束します。

鈴置氏の警告から読む「キシダを騙す努力」

ほかにも、鈴置論考には興味深い指摘がいくつか出て来るのですが、やはり最後の方には鈴置氏なりの警告が出てきます。

安倍晋三元首相や菅義偉前首相は役人に騙されないよう、外務省の息のかかっていない専門家から話を聞いていました。一方、岸田首相にそんなブレーンはいない。外務省がメディアを通じて既成事実を作って行けば、それに乗るしかないのです」。

その具体例が、佐渡金山の世界文化遺産登録です。

韓国の外交部は日本の外務省に『登録申請に動いたら“拒否権”を発動する』と威嚇。外務省はそのままメディアにリークして登録断念の空気を作りました」。

実際は、韓国に拒否権などありません。ユネスコ世界遺産委員会で3分の2が賛成すれば認められるのです。岸田首相が騙されかけているのを見かねた安倍元首相の説得で、日本政府はようやく登録申請に動きました」。

しかし、その安倍総理はもういない…。

こうしたなか、今回の鈴置論考は、次の不気味な指摘で唐突に終わります。

『徴用工』でも、韓国は『アベの不在』に賭けているのでしょう」。

これこそ記事タイトルにある「アベ不在」の本質です。

鈴置論考のこの指摘には、全面的に賛同せざるを得ません。

ですが、それと同時に、このインターネット時代における私たち一般国民の力もまた、信じるに値するものです。

「日本に非を認めさせる努力」では超一級の韓国政府、その韓国政府におもねる日本の外務省には、心の底からの警戒が必要であることは言うまでもありませんが、それと同時に国民世論から明らかに乖離した「解決案」をゴリ押しするほどの政治力は、「宏池会政権」にはありません。

なにより「キシダを騙そう」と考えている日本国民にとっての敵対勢力は、韓国政府だけではありません。財務省だってそうです。

いずれにせよ、少なくとも『自称元徴用工「焦る」韓国政府の内情と冷徹な日本国民』でも紹介した「牧野論考」で指摘されていた「関係改善の流れ」が失敗したことは間違いありません。

牧野論考で提示されていた「関係改善の流れ」
  • 18日に日韓外相会談が開かれ、林外相が「政治決断」を下す
  • それをもとに外務省当局が自公両党に承認を得る作業を行う
  • その案をもとに岸田文雄首相が決断し、韓国側に最終回答する

朝日新聞の牧野愛博記者の記事といえば、後から振り返ると、「韓国政府の意向を正確にくみ取ったもの」であることが多いように思えます。そんな牧野氏が8日、現代ビジネスに対して寄稿した論考からは、日本政府に非を認めさせるための努力しかしてこなかった現在の韓国政府の「焦り」のようなものが浮かび上がるようです。ただ、それ以上に興味深いのは、『Yahoo!ニュース』に掲載されている読者コメントの冷徹さにあります。日本に非を認めさせる努力しかしていない韓国政府自称元徴用工問題を巡る最近の状況といえば、「日本に非を...
自称元徴用工「焦る」韓国政府の内情と冷徹な日本国民 - 新宿会計士の政治経済評論

しかし、韓国政府は、それだけで「日本に非を認めさせる努力」を諦めるほど甘いものではありません。「キシダを騙す努力」は、それこそ岸田首相が退陣するまで続くと見るのが正解ではないかと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (41)

  • 更新ありがとうございます。

    この鈴置論考は新潮一社では、あまりに勿体ないと思いました。せめて保守系メディアが「こう言った内容を訴えている識者もいる」ぐらいは報じて欲しいところです。

    因みに元の記事のツイートをブログ主様がやっていることに気が付いたので、リツートさせていただきました。

    >18日に日韓外相会談が開かれ、林外相が「政治決断」を下す

    判断は時期尚早かも知れませんが、牧野論考なるものはすでに日程がずれて「延期」か「中止」になった可能性が高いと思います。

    これは一般に「失敗」と言われます。w

    後は外務省に踊らされていない、清和政策研究会所属議員や無所属議員の健闘に期待したいところです。

    ありがとうございました。

  • 韓国外交部の凄みは対日外交で遺憾無く発揮されるようですね。
    ・相手にゆっくりと考える時間を与えない
    ・契約において権利や金銭移動を頻繁に行い、焦点を複雑化させる

    智謀沸くが如し、様々なアイデアが出ていたく感心します。
    但し所詮はヤクザや詐欺師の交渉術の範囲なのでその強みが発揮される場面は相手が釣り糸に喰いつくケースに限定されます。

    韓国人とは一流の釣り人、アングラー、フィッシャーマンなのかもしれません。

    • お疲れさまです。

      〉・相手にゆっくりと考える時間を与えない
      〉・契約において権利や金銭移動を頻繁に行い、焦点を複雑化させる

      戦術家に必要な資質を備えていますね。
      しかし戦争に強いといった話は聞きません。
      私が知らないだけでしょうか。

      失礼しました。

      • 優秀な戦術家ですので情報収集を欠かしません。キシダ・フチオやハヤシという魚を釣り上がる為に、週末の天気、気温、潮の満ち引き、海水の温度、彼らの生息地などを調べ上げ丹念に待ちます。

        惜しむべきはキシダは過去に2度も釣り上げてますので、その時の成功体験に引っ張られついついその時のパターンで行ってしまう点です。これは釣り人の悪い性質です。

        最近は少し食いつきが悪くておかしいなあと思っているようですが、釣り糸さえ垂らして、音を立てて脅したり宥めたり、友情を求めたりしておけば、勝手に彼らの方から、食い飛んで来ると思います。

        とは言え、魚あっての戦術家なので、バカな魚がいなければ基本は無力です。他人あっての釣り人なのです。
        魚のない海で魚を釣ることは出来ません。

        ps.釣りのついでに、マツカワという背中にネギを背負った鳥🦆も発見しました。美味しそうな鳥です。

    • > 韓国外交部の凄みは対日外交で遺憾無く発揮されるようですね。
      ・相手にゆっくりと考える時間を与えない
      ・契約において権利や金銭移動を頻繁に行い、焦点を複雑化させる

      韓国外交部のやり口は、喫茶店に無理矢理連れて行き高額商品を分割購入させようとする詐欺師みたい。
      韓国との約束に「クーリングオフ」は適用外なのだから、「解決済み」と突っぱねて無視するのが一番いいんだけど。

      • 詐欺師が先か外交部かは見解が分かれることでしょう鶏卵問題です。官庁には珍しく人たらしの才能が
        あるようです。

        もしかするとスーツの下の懐に草履を入れて温めて歩いているのかもしれません。

  • キシダ首相におかれましては、「リン+スズキ+マツカワ+あちら系マスコミ+害務省+罪務省+オールドノイジーマイノリティー」ではなく、「西村経産相+制服組がしっかりしている浜田防衛相+小野田防衛政務官+最近はネットで発言するサイレントマジョリティ」の言うことにしっかり耳を傾けて欲しいと願っています。
    閑話休題、奈良方面、「70歳以上でしつこく出馬+妖怪ニカイ支援」と「若手+高市経済安保相支援」の戦いにも注目しています。

    • 理系初老 様。

      奈良方面ですが、元生駒市長が維新で出馬します。

      蛇足です。
      接戦になりそうです。
      そして、ひょっとすると、ひょっとします。
      このタマは番狂わせが出来るタマです。

    • 現職の荒井知事、何やら怪しげな方のようです。
      今回で終わりにして頂きたいですね。

  • >「キシダを騙す努力」は、それこそ岸田首相が退陣するまで続くと見るのが正解ではないかと思う次第です。

    G7を花道に引退するとみられますが、箔付けの職に付いた長男がアレだから、まだ引退しないし出来ないかも。

    お目付け役が居ないと何をやらかすか分からない危なっかしさは親子共々ですねぇ。

    今の地盤の人達はどれだけ“アレ”でも担ぐんでしょうけど。

  • 素朴な疑問ですが、岸田さんはなぜ前任2首相の「韓国は国際的な約束を守って頂きたい」を前面に出さなくなったのでしょうか。

    この基本的姿勢を明確に言わずに「国際秩序が脅かされている情勢で日韓関係の改善は待ったなしだ」とか首脳会談に安易に応じたりして尹政権に舐められている現状が不思議でなりません。

    一体岸田さんの意図する「日韓関係の改善」のゴールはなんなのでしょうか。言わなきゃわからないでしょ、ねえ岸田さん。

  • もっと立派な首相が欲しいです。
    いま運転席に座っている人物はまだ浮かれているのかも知れませんが。

  • 今日は竹島の日
    韓国にはまず竹島を返せ
    話はそれからだといいましょう

  • 鈴置氏の文章は相変わらず見事ですね。
    だからこそ「韓国と仲良くしなければいけない」と言う人々は、
    鈴置氏の存在その物を無視するのでしょうが。

    岸田首相が「昼行燈のフリでのらりくらり」とかわし続けるか、あるいは「結局力不足」で
    韓国への譲歩もまともに出来ないか……どちらでも良いから、
    「現金化?やってみせろよ」の態度を貫いてほしい物です。結果的に、でも良いから。

  • 菅義偉元首相は現職の「総理」大臣ではないので総理と呼称するのはやめていただきたい。
    これは客観的事実です。訂正願います。

    >>>「安倍晋三元首相や菅義偉前首相は役人に騙されないよう、外務省の息のかかっていない専門家から話を聞いていました。一方、岸田首相にそんなブレーンはいない。外務省がメディアを通じて既成事実を作って行けば、それに乗るしかないのです」

    鈴置氏も岸田「首相」であれば安倍晋三「元首相」、菅義偉「前首相」と呼称を「首相」で統一し、なおかつ「元」「前」を使用しています。

    岸田「総理」であれば安倍晋三「元総理」、菅義偉「前総理」で統一してください。

    • いやー。
      そんな野暮なことをいっちゃあ、おしまいですよ……w
      そこを楽しむのが、お約束てもんですよ……。

      • 私は、とゆらさまの御意見に賛同いたします。

        昭和なお店では、猫も杓子も「社長」呼ばわりされたりしてましたが、あれと同じ種の不愉快さを感じます。
        小学生にも判る「単語の間違い」であるだけに、初めて訪れる方には「不注意なミス」と受け取られ、妙な先入観を与えかねません。

        まぁ、固定客との、お約束の馴れ合いも大事かもしれませんけどね。

      • 野暮とかじゃなくて敬意をこめて首相経験者を総理と呼ぶのは一般社会常識ですよ。知らないって怖いね。

    • 定期的に指摘される本件…
      とゆらさんには、以前以下のトピックにてコメントをしたことがありますね。
      https://shinjukuacc.com/20220818-01/

      サイト主殿の「総理」表記に係る私的考察については繰り返しませんが、日頃から「客観的事実」と「主観的意見」について述べられ、書籍も執筆されるサイト主殿が、あえて客観的事実と異なる肩書きを記載し続けることに違和感はありますね(慣れてはきましたが)。

      さらに、嫌なら見なきゃいいだけとか、ここはサイト主のブログですよ、などの書き込みがあったりするのも何だかな、という感じです。
      前回は、「このサイトについて」にでも、なぜこのように表記するのかを付記しては?との意見を述べましたが、新たに読者となられる方に向けても、そのあたりを説明しておいていただきたいと思いますね。

    • 元総理に対して、敬意を込めて総理と呼ぶのは習慣としてありますよ。

      • >元総理に対して、敬意を込めて総理と呼ぶのは習慣としてありますよ。

        ホントこれ。知らないって怖いよね。自分の常識だけが正しいと思い込むって凄いとおもう。

        尤も「安倍総理」「菅総理」「麻生総理」と言いながら「野田元首相」「岸田現首相」って使い分けているってことは、個々のブログ主さんにとって、敬意をこめている相手とそうじゃない相手がいるってことだね。

  • 今回の鈴置さんの寄稿には「韓国は日本企業の資産の中で敢えて現金化し難いものを選んで差し押さえている」という指摘が入れられるなど、新宿会計士さんが指摘されてきた点が効果的に織り込まれていて、どうやら鈴置さんも丁寧に新宿会計士さんの論考をお読みになって大いに参考としておられるであろうとお見受けしました。
    本ブログと鈴置さんの論考、このふたつを交互に見ている我々にとっては、このように論理的整合性のある質の高い意見に、現政権中枢がきちんと目を通してほしいと願わずにいられません

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