短期決戦に失敗のロシア、英防衛省は兵站の問題を指摘

もうすぐロシアのウクライナ侵攻から1週間が経過しますが、西側諸国の報道から判断する限り、戦線は膠着しています。そして、膠着すればするほど、ロシアには戦争のコストがずっしりと響いてきます。こうしたなか、国際金融協会(IIF)が、「ロシアへの追加制裁もあり得る」などとするレポートを公表しています。また、英国防衛省はロシアが兵站面で大きな問題を抱えている可能性を指摘しています。ロシアにとっては「短期決戦」のあてが外れてしまった、ということでしょうか。

意外なウクライナ健闘

開戦前「ウクライナはすぐに降伏する」

早いもので、日本時間の2月24日に発生したロシアによるウクライナへの侵攻から、もうすぐ1週間が経過します。

わが国のメディアなどのなかには当初、「もしもロシアが本格的にウクライナに侵攻したら、ウクライナの首都・キーウは一両日で陥落し、ロシアは数日でウクライナ全土を掌握する」、「ゼレンスキー政権は排除され、親露政権が樹立される」、などとする解説も見られました。

こうしたドサクサに紛れ、『憲法第9条では外国からの侵略を防ぐことなどできない』などでも紹介したとおり、「憲法9条信者」の人たちは、「憲法第9条は他国への侵略ができないようにするための条項だ」、などとする、とんでもない詭弁を語っていたも印象的です。

また、2019年4月のウクライナ大統領選を制したウォロディミル・ゼレンスキー大統領を巡っても、正直、西側諸国では、「しょせんは政治経験のない元コメディアン」、「どうせ戦争が始まったら逃げ出すに違いない」、などと内心冷ややかに見ている人も多かったのではないでしょうか。

ウクライナの善戦、ロシアの苦戦

しかし、現実には、(少なくとも本稿執筆時点において)首都・キーウは陥落していませんし、それどころかロシアはその他の主要都市の掌握にも苦慮している状況にあり、これに加えてゼレンスキー大統領も毎日のようにウクライナ国民に対してメッセージを発信しています。

こうした状況もあってか、漏れ伝わる報道で見る限り、総じてウクライナ国民の士気は高く、さらにはウクライナの『キーウ・インディペンデント』紙の調査でも、ゼレンスキー政権の支持率は90%を超え、7割の人が「勝利を信じている」と答えたとされています。

もちろん、「ロシアは悪」、「ウクライナは善」、といった単純な話ではありませんが、それと同時に、少なくとも西側諸国では、このような(やや単純化した)図式が支持を集めていることは事実でしょうし、こうした図式を創り出してしまった時点で、「情報戦」としてはウクライナの勝利といえるのかもしれません。

なにより、ウクライナの「善戦」(あるいはそのイメージ)のためでしょうか、西側諸国からのウクライナに対する武器の供与などのさまざまな支援に加え、数次にわたる対ロシア経済制裁などの「援護射撃」が充実してきたように思えます。

経済制裁の影響

西側諸国の空気が変わった!

著者自身の主観に基づけば、西側諸国には当初、ともすれば「諦め」にも近い空気が蔓延していたフシもあるのですが、ウクライナが国を挙げて自国を守ろうと必死に努力しているという姿が伝わるにつれ、やがてはウクライナに対する共感とともに、ロシアへの強力な措置が次々と打ち出されてきたのです。

そのなかでもとくに、欧米諸国が日本時間の日曜日の朝、ロシアの特定金融機関のSWIFTからの排除、ロシアの外貨準備の凍結といった措置で合意したことは、国際社会のロシア制裁に対する空気がガラッと変わった証拠ではないでしょうか。

そして、こうした金融制裁措置は、さっそく、非常に大きな「成果」をあげているようです。『数字で読む:欧米金融制裁がもたらす「ルーブル不安」』でも報告したとおり、欧米諸国の金融制裁を受けて、ロシアの経済・金融システムは、月曜日からさっそく大きな混乱に陥っているからです。

これに加えて永世中立国だったはずのスイスが対露制裁に追随すると発表したことや、欧州連合(EU)がウクライナのEU加盟を支持したことなどの動き(『「無差別攻撃」の一方ウクライナがEU加盟を正式申請』等参照)を見ると、まさに西側諸国がウクライナ支援に本腰を入れている様子がうかがえます。

ロシアにとっては戦費、ロシアの兵力の犠牲といった損害に加え、金融システム・経済の大混乱といった具合に、大変に大きなコストを支払わされてしまった格好です。

国際金融協会「追加制裁もあり得る」

こうしたなか、国際金融協会(IIF)が28日付で、興味深いレポートを公表しています。

Russia Sanctions: Climbing the Escalation Ladder

―――2022/02/28付 IIFウェブサイトより

IIFのこのレポートの導入部分では、次のような趣旨のことが指摘されています。

  • 西側諸国による対露制裁は近年の歴史のなかで最も厳しいものであるが、制裁はさらに強化する余地があるし、米国を含めた各国は、必要ならば、制裁をさらに強化するだろう
  • これらの制裁措置には「▼ロシアの銀行セクターに対し適用されているエネルギー輸送分野への例外措置の解除、▼ユーロ建て取引からのロシアの排除、▼ロシアの既発債の流通停止措置」――などが含まれ得る

そのうえで、ロシアをSWIFTNetから除外する制裁措置を講じたことは、ロシアの企業や銀行にとっては資金を国外とやり取りする際の能力に大きな影響を生じさせることで、輸出入だけでなく、対外債務の支払や対外投資などの分野にも深刻な影響を与えると指摘(同P9)。

また、外貨準備の凍結措置によって、ロシアが制裁逃れのために外貨準備を使う、といったことが難しくなっているとしつつも、SWIFTNetからの除外措置は中国が運営する決済システムにロシアが参加する可能性を高めている(同P9)、などとしています。

なお、「中露が決済システムで結びつくのではないか」とする視点、手前味噌ではありますが、じつは『欧米、共同声明で「ロシアのSWIFT排除」など発表』なども含め、当ウェブサイトではすでに何度となく触れてきた論点でもあります。

IIFのエコノミストの方々が当ウェブサイトをご覧になっているというのならば、とても嬉しいのですが(笑)、おそらく実態はそうではなく、国際金融の世界を見ている人はみな同じような懸念を抱く、というのが実情ではないかと思う次第です。

西側諸国にも制裁の影響は出て来るが…

ただし、このIIFのレポートでは、西側諸国による経済制裁がロシア経済の成長率を多き引き下げる効果をもたらすとしつつも、ロシアによる石油などの資源の輸出を困難にすることを通じ、結果的にはロシアだけでなく、世界経済全体の成長の重しになる可能性がある(同イントロダクション部分)、などとしています。

このあたりは経済制裁の特徴そのものです。

すなわち、経済制裁は相手国との間の「ヒト、モノ、カネ、情報」の流れなどに制限を加えることを通じ、相手国に経済的打撃を与えることを狙った措置ではありますが、それは同時に、経済制裁を課す側にも経済的打撃をもたらし得るからです。

結局のところ、ロシアが受けるマイナス影響と、ロシア以外の国が受けるマイナス影響を比べ、ロシアが受けるマイナス影響の方が大きいという判断があるからこそ、西側諸国が対露経済制裁に踏み切った、ということなのではないかと思う次第です。

そして、ロシア経済はただでさえ、2014年のクリミア半島・セバストポリ市併合以来の経済制裁で疲弊してきたのですが、ロシアに対する金融制裁が長引けば、ロシアは対外債務のデフォルト、通貨暴落による悪性インフレなどに見舞われ、経済成長もマイナスに陥ってしまうかもしれません。

戦況は膠着

ウクライナ大統領、民間人へのロシアの攻撃を「戦争犯罪」

さて、戦況に関しては、あいかわらず膠着状況が続いているようです。

とくに、ウクライナ第2の都市・ハルキウでロシア軍による人口密集地への攻撃の結果、子供3人を含めた民間人9名が亡くなるという事態が生じたとして、ウクライナ側がロシアを非難しています。

ロシア軍、ウクライナ主要都市の市街地に激しい爆撃 「戦争犯罪」とゼレンスキー氏

―――2022/03/01付 BBC NEWS JAPANより

もちろん、これはウクライナ側の発表ですので、ロシアにはロシアの言い分もあるのかもしれません。

ただ、ここで重要なことは、西側諸国で何が報じられているかという点であり、こうした報道が続けば続くほど、西側諸国でのロシアに対する敵愾心が煽られる可能性が高い、という点ではないかと思う次第です。

英国防衛省のインテリジェンス・アップデート

こうしたなか、英国の防衛省は日本時間の昨日夕方、『インテリジェンス・アップデート』と題した文章をツイッターに投稿しています。

これによると、次のような趣旨のことが書かれています。

  • ロシアのキーウに向けた進軍は過去24日間でほとんど進捗していないが、補給面で大きな問題が生じているため、という可能性が高い
  • ロシア軍はキーウに加え、ハルキウやチェルニヒウ近郊での砲撃を増やしているが、都市の人口密集地帯近辺での重火器の使用は民間人死傷者の発生リスクを高めている
  • ロシア軍はウクライナでの制空権を確保することができておらず、したがって、自軍への損害を減らすために夜間の行動を増やしている

…。

こうした英軍のインテリジェンスをどこまで信頼するかという問題はありますが、実際、CNNは昨日、米衛星運用会社マクサー・テクノロジーズが新たな衛星画像の分析の結果、キーウ近郊のロシア軍の車列が40マイル(≒64キロ)以上だと発表した、と報じています。

キエフ近郊のロシア軍車列、長さ64キロ以上と判明 衛星画像

―――2022.03.01 10:40 JST付 CNNより

余談ですが、著者自身は軍事の専門家ではありませんが、長い車列は格好の標的ではないかと思えてなりません。

こうした衛星画像などとあわせて考えるに、どうもロシアは現在、「短期決着」というアテが外れ、戦線膠着により苦慮している、という可能性が出て来ます(※といっても、そう判断する材料が、英軍の情報であったり、英米メディアの報道であったりしますが…)。

どこに転んでもロシアには不利?

この点、『ウクライナの抵抗は想定以上?ロシアに3つの落とし所』でも指摘したとおり、今回のウクライナ戦争を巡っては、ロシアには次の3つの落としどころが考えられます。

ロシアにとっての3つの落としどころ
  • ①ロシア軍がウクライナの現政権の排除に成功する
  • ②休戦協定が結ばれ、ロシア軍が撤退する
  • ③戦線が膠着し、ウクライナが「アフガン化」する

(【出所】著者作成)

もちろん、これからロシアが「挽回」し、一気にキーウをはじめとする主要都市を陥落させ、ゼレンスキー政権の除去に成功するという可能性もありますが、もしそうなったとしても、国際社会の対露経済・金融制裁が直ちに撤回される可能性は低いでしょう。

また、今後、両国での停戦協定が成立するなどし、ロシア軍が撤収する可能性もありますが、その停戦条項などによっては、ロシア国内でプーチン政権に対する不満が一挙に高まるなど、今度は国内政治が不安定化するかもしれません。

さらに、ロシアがいつまで経ってもウクライナを制圧することができず、このままズルズルと長期化すれば、戦費負担やロシアの兵力の損害がかさむだけでなく、国際的な金融制裁がどんどんと効いてくるでしょう。

いずれにせよ、今回の戦争については、長引けば長引くほど、ロシアにとっては不利となることは間違いありません。

ロシアが振り上げた拳をどう下ろすのか(あるいは下ろさないのか)については、しばらく注目する価値がある論点のひとつでしょう。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. 月長石 より:

    経済制裁の効果が早速出てきたようですね。
    ノルド・ストリーム2が破産しました。
    100人ちょっといた従業員は全員解雇だそうです。
    https://www.newsweek.com/nord-stream-2-pipeline-owner-files-bankruptcy-releases-workforce-1683820

    反日で知られた元ドイツ首相のシュレーダーさんが、つい数週間前に取締役に就任されてましたが、首になるのかしら。
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR04EC00U2A200C2000000/
    この人には全然同情しませんが。

    1. 理系初老 より:

      横から失礼いたします。別の方の別のウクライナ関連記事のコメントにも、媚中露であった独をそんなに褒めたたえるのもいかがなものかという意見があり、私も賛同いたします。
      ただ、日本は、武器輸出に踏み切り、防衛費をGDPの2%にするという独のしたたかさを見習うべきだと思います。というか、独は、日本がいまだになれていない「普通の国」にとうの昔からなれていたのだと思いました。

      1. 月長石 より:

        件のシュレーダーさんですが、プーチン氏から距離を置くことを拒否したため、
        オフィスのスタッフ『全員』が辞職したそうです。
        https://twitter.com/MichaelBroecker/status/1498547863957164032

        話は少しそれますが(主人からのタレコミ)著名なロシアの指揮者 Valery Gergiev氏のコンサートが中止になりました。Gergiev氏はプーチン氏の親しい友人だそうで、今回のウクライナ事態についてメッセージを求められたのに対して期限までに無回答だったため、来る4月初旬に予定されていたパリフィルハーモニーとの舞台がキャンセルになりました。
        https://www.francetvinfo.fr/culture/musique/classique/ukraine-la-philharmonie-de-paris-annule-a-son-tour-des-concerts-du-chef-d-orchestre-valery-gergiev-repute-proche-de-vladimir-poutine_4986165.html

        いろいろなところでプーチン氏(とロシア)外しが、急速に進んでいます。

      2. ちょろんぼ より:

        理系初老様

        独国が「いわゆる普通の国」になれたのは、1956年に禁止された
        からです。 日本も「あちらが教」にならって、独国で共産党が禁止
        されているから、日本も共産党を廃止すべきですよね。
        後は共産党の片割れである立憲・社民・れいわをどうするかです。
        そうすれば、日本も「普通の国」になれます。
        独国が羨ましく思えるのは、日本の夜盗が全て露・中共・何とか半島の
        指示下にあるのに対し、独国では他国の為に行動する夜盗の存在が
        感じられない事です。
        但し、独国の共産党のシンパは党名を隠して環境関連等に移行して
        見えるのです。

        1. とある福岡市民 より:

          ちょろんぼ 様

          > 独国が「いわゆる普通の国」になれたのは、1956年に禁止された
          からです。

           これは明らかな事実誤認です。

           ドイツ共産党が1956年に禁止されたのは、ドイツ共産党の主張や組織体制が西ドイツの目指す民主主義政体を否定するものであると連邦憲法裁判所が判断したからです。連邦憲法裁判所が禁止した政党は他にネオナチのドイツ社会主義帝国党があり、ドイツ共産党は「国家体制の転覆を図る組織」としてネオナチと同じと判断されたということです。
           しかしこれは西ドイツが普通の国になった、普通の国だから共産党を禁止したのではありません。むしろドイツは言論の自由がない異常な国なのです。異常な国だから結党の自由に背く事ができたのです。
           
           確かに共産党が禁止されている国はドイツ以外もあります。しかしアメリカ共産党、フランス共産党、英国共産党は今も存在していますので、共産党の禁止が普通の国であるというのは明確な誤りです。
           また、ドイツ共産党は「緑の党」になって環境保護活動に行ったものの他、「左翼党」と看板を変えてます。左翼党は連邦議会第3党になった事もあり、旧東ドイツの州では与党になっているところもあります。左翼党はロシアや中国共産党、そして日本共産党との繋がりも深く、その売国度合いは立件共産党に勝るとも劣りません。

           売国政党の存在を嘆くのは構いませんが、断片的な情報で欧米を過度に美化し、日本をくさすのはおかしな事です。

    2. ベル より:

      wikipediaを見てみたらシュレーダー氏は
      25歳年下のキム・ソヨンという韓国人女性と5度目の結婚をしているようです。

      1. がみ より:

        なぜか韓国の文大統領はアジア版ノルドストリームと言われる、ロシア発北朝鮮経由で韓国に天然ガスパイプラインを引く計画を強力に推進する声明を昨日出しています…

        あ〜あ…

      2. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

        5度も結婚するとは凄い

  2. 禹 範坤 より:

    ロシアは鎧袖一触を目論んでたかな?
    ロシアのソ連回帰を目標にしてたにしては、あまりにせっかちすぎるし
    そんな事が出来る時代でもないのに
    嵩む戦費にロシア経済がどこまで耐えられるか?
    それはウクライナ支配で取り戻せるものなのか?
    割が合わない気がするんだが?
    疑問は尽きない

  3. 同業者 より:

    キエフに向かうあの長い車列を見ると、「いざ桶狭間」と血沸き肉躍るのが日本人男性。
    あの狭い道では退却もままなりませんから、車列に砲弾を撃ち込めば大壊乱となるでしょうね。

    スイスも制裁に動くということですから、ロシアではクーデターが起きるかもしれません。
    彼らの資産のほとんどは海外にあるのですから。

    1. 匿名 より:

      三國志好きだと、夷陵の戦いでしょうか。
      劉備が陸遜に敗れた。
      軍事におけるタブーの1つなんでしょうか。

    2. ちょろんぼ より:

      同業者様

      あの車列がキエフに向かう車列だとして(ウクライナから逃げる避難民車列の可能性
      もあり)、あそこまで渋滞するのは問題です。 
      湾岸戦争時、イラク軍が米軍のA-10攻撃機に全滅された例からすると、
      未だロシア空軍のエアカバーが一応はできている状況だと思われます。 
      一旦エアカバーが外れると砲兵やヘリ・攻撃機の餌食まっしぐらです。

      1. がみ より:

        私…64キロメートルの装甲車ってニュースの見出しですごい装甲車想像してしまいました。

      2. 同業者 より:

        わたし、あの車列は偽装退却ならぬ偽装行軍かもしれないと見ています。
        実際の企図よりも大規模な侵攻と見せかけて、ウクライナ政府を脅し上げているのではないかと。

        近距離で直接照準せずとも、命中精度は落ちますが、遠距離からの間接照準でも砲撃できます。壊乱させるには十分かと。

        A-10って、あの図体の割に軽快なんですよね。
        富士山上空をひらりひらりと舞っているのを何度か見たことがあります。

      3. HNわすれた より:

        タンクの燃料は何日OKなのでしょうか? 燃料が尽きてそのままにされ、兵士は飢えの為はい出て補足され、戦争は終息。 その64キロの車列は観光名所になる、という事態を想像してにやにやしています。

        1. がみ より:

          ウクライナ側が勝利したら、毎年この車列でキエフに詣でるように強制するとか…
          全部自腹なら疲弊するでしょ…

          …参勤交代

  4. 月長石 より:

    もう1件、破産のニュースが出てきました。
    https://www.rfi.fr/en/european-subsidiary-of-russia-s-sberbank-to-enter-bankruptcy
    ロシア貯蓄銀行の欧州子会社が破産したそうです。

    経済制裁の効き目は即効性がないと言っている分析記事も見かけましたが、
    素人目にも今の所、結構効いているように思えます。

  5. 元ジェネラリスト より:

    >SWIFTからの排除、ロシアの外貨準備の凍結といった措置で合意したことは、国際社会のロシア制裁に対する空気がガラッと変わった証拠ではないでしょうか。

    私もSWIFT制裁の実現の流れが見えたときに、ターニングポイントを感じました。そういう世論が起きて、各国政府がその世論を意識して動く流れができ始めたと思いました。心に火をつけたのはロシアの狼藉で、開戦理由の粗雑さもそれを加速させたと思います。「こんなひどい話があるか」と。
    予定調和モードが終わり、何が起こるかわからないモードに入ったと思いました。

    プーチンは核による威嚇も始めています。戦術核くらいは使うかもとは思います。彼が態勢を取る指示を出した部隊は戦略核部隊で、米国によると目に見えた部隊の動きは無いそうです。今のところは口八丁のようです。
    プーチンが核による威嚇をしても、それを受けてどうするかを決めるのはウクライナの人々であり、NATOの加盟国の人々であり、彼らがそれに対抗する意思を持つ限りは、応援したい気持ちです。

    ロシアの複数の銀行がCIPSに加盟したとの報道が中国の新聞であったそうです。
    https://twitter.com/MongolianAlan/status/1498575352901554176?s=20&t=EkOZ1_kI8RRrUo58F8UgFg

    民間企業は死活問題でしょうから、すぐに動き始めるのでしょうね。

  6. 元ジェネラリスト より:

    上でノルドストリーム2破産のニュースも紹介されていましたが、損切り関連で。

    シェル ロシアの石油・天然ガス開発事業「サハリン2」から撤退
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220301/k10013506441000.html

    シェルが撤退だそうです。三井物産と三菱商事が出資しています。

    ドイツはロシアのエネルギーに依存しない方向に舵を切るようですから、エネルギーもデカップリングの対象になると思います。
    今後は欧米は今までとは打って変わって当たり前のように迫ってくるかもしれません。

    三井三菱は「政府と相談して」決めるそうです。
    岸田氏のご決断の場面があるということだと思います。
    私は原発再稼働加速と石炭火力が解だと思います。

    「殿、ご決断を!」

    1. sey g より:

      元ジェネラリスト様

      これだけ電気料金が高くなると、原発再稼働で料金が下がれば、支持率も上がると思うのです。
      原発に拒否感を持っていても、電気料金が下がって文句を言うことは無いと思います。
      それでも文句をいうのは、活動家なんで無視してもOKですし、今後の参院選に影響するのは原発より電気料金だと思います。

    2. ちょろんぼ より:

      元ジェネラリスト様

      独国がロシアのエネルギー依存脱却化は、非常に難しい問題です。
      エネルギーのLNGに頼る比率が50%程度で、原発全廃・自然エネルギーだけ
      というのは、国の運営に非常に支障をきたしますし、直ぐには
      エネルギー転換はできません。但し二酸化炭素問題を嘘だと認めれば
      石炭火力が未だ使用できる状態だと思いますが、電力不足は否めません。

      1. 元ジェネラリスト より:

        おっしゃるとおり難しさはあると思いますが、コストをかけてでも転換する方向に舵を切る意思表示をしています。

        https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-germany-energy-idJPKBN2KX0E3
        https://www.bbc.com/japanese/60551920

        頭が固いドイツ人(主観です)は、決めればきちんとやるんじゃないでしょうか。

        また、背に腹は代えられないので、二酸化炭素には多少目をつぶる世界になっていくのではないでしょうか(期待)。

        1. HNわすれた より:

          皆様

          グレタちゃんの意向も聞くべきではないでしょうか?

      2. 元ジェネラリスト より:

        追伸です。
        時間スケールの混じったコメントをしたと思いましたので。

        おっしゃる通り、エネルギー転換ややるとしても時間がかかります。ドイツも決定したわけではないし、実際どこまでやるかもわかりません。
        一方でサハリン2をどうするかは直近の問題で、日本のエネルギー政策の転換の議論なしには簡単に「やめた」とは言えないとも思います。
        私が注目する点としては、日本がエネルギー政策を再検討するかどうか、というところでしょうか。

        ただ、もともとエネルギーの逼迫はウクライナ危機の前から顕在化しつつあったし、「ロシアのせいで」といえば色々ひっくり返せる時代に入りましたので、大きな流れは変わってくる気がしています。

  7. りょうちん より:

    今、ウクライナでは畑で燃料切れで立ち往生したロシア製戦車が採れる状態らしく、その場で燃やすと1000ドルの賞金を出す企業が出たとかw。
    田舎の外来種駆除みたいだな。

    1. マーク より:

      だから農業用トラクターで装甲車両を牽引
      している動画がネット上に出ているんですかね。

      一方ロシア側も徴発したトラクターで車両を回収してたりするようです。

  8. はにわファクトリー より:

    当方の目に触れている投稿動画では、農業トラクターが放置された戦車をけん引して取り除いています。「あ、ドロボーがっ。勝手に持って行ってる」というのもみました。

  9. 晩酌大好き より:

    64kmのロシアの軍隊が、反転し、モスクワに向かって進攻すると
    いうような事は有り得ないのでしょうか。

  10. はにわファクトリー より:

    ロシアの有名富豪が所有するプライベートジェット機の動静を監視するプログラムを使って twitter で随時報告しているかたがいるそうです。情報源は航空機データ公開サイトらしいです。
    形勢不利とみて富豪の誰かが逃げ出すところ、逃げ出す先を世界に晒すのが目的です。

  11. ちょろんぼ より:

    兵站に問題が生じない又は生じないであろう軍隊は、地球上で
    米軍だけです。 他の国は米軍の支援をあてにしている状況です。
    日本? 兵站?・ロジ? 何それオイシイの?状態です。
    資金不足で第二次大戦当時と同様に弾丸が無ければ拳を使え精神のままです。

  12. しきしま より:

    「何かおっ始める」としたら中国の方だと思っていたので、ロシアが出てきたのは意外でした。

    プーチンは老いてボケたようにも思えますね。
    このネット時代に昔のKGB風のやり方が通用すると考えていたのが誤算と思います。
    また、クリミア半島併呑の成功経験が判断を誤らせたとも思います。
    ロシアは「このやり方でいいんだ」と思い込みましたが、西側は「やっぱりロシアは油断ならない」と警戒を強めました。
    もう一つ、ここ数年中国がワガママ独裁国家ぶりを堂々とアピールして(今年に入ってからだと五輪の謎判定とか)、「やっぱり共産国をのさばらせてはいけない」という雰囲気が盛り上がってきたところにロシアのこの暴挙ですから、空気読めていないにも程があります。

  13. 宇宙戦士バルディオス より:

    『【独自】「首都5日以内陥落の可能性高い」 アメリカ国防総省が分析』
    https://www.fnn.jp/articles/-/323460
    >ロシア軍による攻勢が強まる中、アメリカの国防総省は「5日以内に首都・キエフが陥落する可能性が高い」と分析を示していることがわかった。
    >また、「経済制裁によるロシアのプーチン大統領へのダメージは限定的」としていて、今後の情勢に厳しい見方を示している。
     いよいよ正念場か。陥落前にウクライナ政府はキーウを放棄し、遷都して戦争を継続する態勢を整えなければならないだろう。

    1. りょうちん より:

      ペンタゴンの予測ってフラグにしか思えませんw。

  14. カズ より:

    >短期決戦

    傭兵で構成され、トップが逃げたアフガン政府軍とは士気が違ったのでしょうね。

    >振り上げた拳をどう下ろすのか

    ロシアの国営通信が勝ち名乗りの予定稿も晒しちゃうし・・。

  15. M1A2 より:

     ロシアがゼレンスキー政権を排除して、親ロシア派政権を樹立させたとしても、そんな傀儡政権を欧米が認めるわけがないので、ロシアに対する経済制裁は続くだろうから、ロシア経済の長期低迷は避けられそうにない。
    仮に停戦交渉が合意に至って、ロシア軍がウクライナから撤退したとしても、ウクライナ国民の反ロシア感情は残るし、それが結果的にロシアが最も望まないであろうウクライナのNATO加盟の流れを加速させる。
    これプーチン詰んでないかい?
    ロシアが武力をチラつかせて周辺国を脅せば脅すほど、ロシアに対する警戒心を強めてロシアから離れさせるだけだって事に気付かないのか?
    プーチンはイソップ童話の「北風と太陽」って知らないのかなぁ。
    ベラルーシみたいに最初からロシアの下僕になりたがる国の方が珍しい。
    おや?そういえば日本のすぐ近くにも、中国の威嚇に対してすぐに屈服する属国根性丸出しの国があったような気もするが、これらの国の共通点とは何なのだろうか?

    1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

      ベラルーシは昔からロシアの配下だから
      今さら配下辞めても、今より幸せになる可能性薄そう
      北朝鮮がクーデターで金王朝倒して「今日から西側になります」と宣言しても、あまり信用されないだろうし

  16. 普通の日本人 より:

    中国は今回の出来事で何を教訓にするのか
    ・制圧に時間がかかれば西側(自由民主主義国家)から制裁がかかる。
    ・内部から崩壊するように導くのがただしい。
    結果
    ・強力な武器より時間(数十年)を掛けてトロイの木馬方式に敵国内に圧倒的な数量の味方を作り、一瞬のうちに相手を征服する。
    ※東日本大震災の新潟中国領事館で行政が支援しようとしたら内部への立ち入りを禁止された。
    中国は不信社会(裏切りと嘘の文化)な為組織・国の信用が無い(その為金信望者)となり個人繋がりを大切にする。(信用しても信頼するな)
    日本も中国の侵略には注意しすぎることは無い
    日中戦争は既に中盤にさしかかっている

  17. 匿名 より:

    インテリジェンス・アップデートの箇所にある「キーウに向けた進軍は過去24日間でほとんど・・・」は「過去24時間で・・・」じゃないでしょうか?目下の状況で気にすべき差ではないかもしれませんが・・・

  18. 宇宙戦士バルディオス より:

    『米高官「ロシア軍に戦闘せず降伏する部隊も」』
    https://news.yahoo.co.jp/articles/5e26234b07bafcf62a880825fc43b7c98794d365
    >一方で、首都キエフへの進軍については「ほとんど前進が見られない」と強調。ウクライナ軍の応戦やロシア軍の燃料不足に加え食糧不足も障害になっていて、ロシア側が軍の再編成や戦略の見直しを行っている可能性があるとしています。
    >また、国防総省の高官は、ロシア軍の中に「戦闘をせずに降伏した部隊が出てきている」との分析を明らかにしました。理由として「多くの兵士が若者で、きちんと訓練を受けていない。一部の部隊では兵士の士気が下がっている」ことを挙げています。
     目下の戦局で言えそうなのは、西側から供与された対戦車火器の威力の大きさと、これに対してロシア軍が無策なこと。
     対戦車ミサイル・ジャベリンが打ち放しで素人でも比較的容易に使えるという事がでかいだろうが、本来なら諸兵科協同が上手く行っていれば事前に潰せないこともない。簡単に言えば、ウクライナ側の防御陣地に空爆と砲兵射撃を加えれば事前に制圧できるはずなのである。それができないのは、まず第一に携帯地対空ミサイル・スティンガーの威力で航空戦力が威力を発揮できないことと、第二に歩兵・戦車と砲兵の連携が上手く行っていないことがあるように思える。理由としては、訓練不足が考えられる。尤も問題点の第一は、ウクライナ全土を制圧するには、ロシア軍の兵力が不足だったことにあるのだろうが。

    1. りょうちん より:

      MANPADSは供与が決まったという報道がつい最近ありましたが現状、届いてはいないのでは。
      アフガンの時に闇市場に流れて痛い目を見たので、供与には慎重になっていたはず。

      おそらく空港の確保に失敗したのが効いていると思われ。

  19. 宇宙戦士バルディオス より:

    『住宅地攻撃でウクライナ死者増加、ロシア軍作戦に混乱との見方も』
    https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-idJPKBN2KZ02S
    >米ウィルソンセンターでロシア軍の専門家であるマイケル・コフマン氏は、「ロシア軍の作戦を見ると、兵たんと通信に多大な問題を抱えている。作戦は全体が混乱しているように見える」とツイートした。

    『「ロシア兵の士気が低下してる兆候が…」米の最新分析』
    https://news.yahoo.co.jp/articles/87b5e4629179ad41029e250dc20abb14949a2ac2
    >こうした中、アメリカ国防総省の高官は1日、最新の分析を明らかにし、ウクライナ側の予想以上の抵抗で、「ロシア兵の士気が低下している兆候が確認できる」などと指摘しました。「多くが徴兵で、十分な訓練を受けておらず、戦闘への参加を知らなかった兵士もいる」としています。
     前線部隊の訓練・経験不足、情報・兵站の混乱、空地・諸兵科協同の不十分、高級統帥のヘタレ、とまぁロシア軍苦戦の原因はこんなところか。昔の赤軍なら、参謀総長代理級のエース将官を現地に送り込んで、現地の統一指揮権を掌握させただろうに。

    1. りょうちん より:

      昔の赤軍なら政治将校と督戦部隊、懲罰大隊も忘れずにw

    2. はにわファクトリー より:

      部隊が携行している戦闘糧食の消費期限が2015年だと報じる動画があります。放棄された未開封パッケージを開けると確かに2015年なのです。製造は何年前だったのでしょう。占領地域のスーパーから食料を強奪している様子をセキュリティーカメラで生放送されている戦隊が、期限が古かったからと言って捨てて進軍したとは思えません。

      1. りょうちん より:

        サープラスショップで米軍のMREが期限2020年ものとかが売られてて、「コレクション用」と銘打っていますが、マニアは平気で実食する模様。

  20. 通行人 より:

    いろんな人が指摘をしていますが、今回の事態「インターネットが変えた戦争」
    として、歴史に残ると思います。

    古代の兵法書「孫子」にも「兵は詭道」(戦争とは嘘を使うものである)と
    あるとおり、ロシア側は偽情報を使って有利に事を進めようとしましたが、
    SNSや西側の諜報機関の情報によって、嘘がばらされてしまいます。

    また、今回西側の諜報機関が現地のSNS等からの情報も収集し、正確な
    状況とロシア側の思惑を公開しているため、ロシア軍側は「ネタバレを
    された状態」になってしまい、使える作戦の幅が狭まっていると思われます

    ロシア政府としては隠したい、「ロシア軍の被害」も自国内にネットを
    通じて流れてしまうため、反戦世論の封じ込めにも苦労していそうです。

    クリミア併合の際には、地域をネットから遮断して、電撃戦を成功させ、
    世界をあっと言わせたプーチン大統領ですが、今回は一国全体をネット
    から遮断できなかったため、思わぬ苦戦を強いられている、と見ています。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告