「無差別攻撃」の一方ウクライナがEU加盟を正式申請
ウクライナがEU加盟を申請したようです。ロシアのウクライナ侵攻の狙いのひとつがウクライナの親欧州化を防ぐことにあったのだとすれば、これはロシアにとって、とんでもない皮肉といえるかもしれません。高いコストを負担してウクライナに侵攻した結果、国際社会に加えてそのウクライナそのものをロシアの敵対国に変えてしまった形となるからです。
第2の都市・ハルキウに無差別攻撃
ウクライナ情勢を巡っては、連日のようにさまざまな報道が流れてきていますが、そのなかでもとくに気になるのは、ウクライナ第2の都市であるハルキウに対する「無差別攻撃」でしょう。
英メディア『ガーディアン』や中東メディア『アルジャジーラ』などの報道によれば、ロシア軍がハルキウの一般市民の居住地区に対し爆撃を実施し、民間人に複数の犠牲が出ている、などとしています。
Rockets kill civilians in Kharkiv as Moscow ‘adapts its tactics’
―――2022/02/28 16.34 GMT付 The Guardianより
Several killed as Russian rockets pound Ukraine’s Kharkiv
―――2022/02/28付 ALJAZEERA英語版より
また、日本時間の昨日深夜頃には、ロシア・ウクライナ両国が停戦に向け、交渉を行った、などとする報道もあったのですが、同じく『アルジャジーラ』によれば、5時間に及ぶ協議に具体的な成果はなく、停戦協議は次回に持ち越しとなったようです。
No breakthrough at Ukraine talks as Russian assault continues
―――2022/02/28付 ALJAZEERA英語版より
永世中立国であるスイスがロシア制裁に踏み切る
こうしたなか、政治的な側面としても気になる動きがいくつか出て来ました。
まずは、「永世中立国」だったはずのスイスが、対露制裁に踏み切った、とする話題です。
永世中立国スイスがEUの対ロ制裁導入、過去の方針転換
―――2022年3月1日1:04付 ロイターより
ロイターによれば、スイス政府は28日、欧州連合(EU)が23日と25日に発動した制裁措置を導入し、ウクライナ侵攻に関与したロシア人の資産を凍結する、などと発表したそうです(※ただし、外貨準備の凍結などの措置は発表していないようですが…)。
これについてロイターは、「(永世中立国である)スイスの伝統から大きく逸脱する動き」と評しています。
このあたり、当ウェブサイトでは今朝の『数字で読む:欧米金融制裁がもたらす「ルーブル不安」』でも「スイスは経済制裁に参加しない」ということを当然の前提としていただけに、個人的には大変に驚く動きでもあります。
もちろん、世界の外貨準備高に占めるスイスフランの割合は非常に低いのですが、ただ、「あのスイスですら対露制裁に参加した」という事実は、ロシアがますます国際的に孤立しつつあるという状況を物語っているのかもしれません。
ウクライナのEU加盟
また、これに加えて、ウクライナがEU加盟を正式に申請した、とする話題も出て来ました。
ウクライナ大統領、EU加盟を正式申請
―――2022年3月1日2:19付 ロイターより
ロイターによると、ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、EU加盟を正式に申請する文書に署名するとともに、「特別措置の下で、ウクライナが直ちにEUに加盟できるよう要請」した、などとしています。
じつは、EU側は欧州委員会のフォンデアライエン委員長が先日より、ウクライナのEU参加を望む、などとする立場を示しており、次のCNNの記事によれば、現地時間の27日のテレビインタビューで、「EUはウクライナの参加を望む」と発言していたそうです。
欧州委員長、EUはウクライナに参加望むと発言
―――2022.02.28 11:15 JST付 CNNより
もちろん、EU加盟のためにはさまざまな手続がありますが、それでもEUとウクライナ双方のトップが「ウクライナのEU加盟」で見解が公式に一致したというのは、大変に重要な事実です。
報道等によれば、ロシアがウクライナに軍事侵攻した動機のひとつが、ウクライナのNATO加盟を防ぎ、ウクライナを「中立化」するためにある、というものですが、現実にウクライナがEU入りする可能性が出てきたというのは、ロシアの軍事侵攻がウクライナを西側に近づけた、ということでもあります。
プーチン政権の失敗?
この点、EUとNATOは同一組織ではありませんし、フィンランドやスウェーデンなどのようにEU加盟国でなりながらNATOに加盟していない国や、トルコのようにEU非加盟国であってもNATOに加盟しているケースはあります。
しかし、少なくともEU加盟国になってしまえば、これまで「親露」「親欧」で揺れ動いて来たウクライナの「欧州化」の動きが、さらに決定的なものとなるでしょう。
少し意地悪な言い方ですが、ロシアのウラジミル・プーチン大統領にとっては、この戦争は高いコストを負担したにも関わらず、逆効果をもたらした可能性がある、ということです。
ロシアはウクライナ侵攻により、戦費だけでなく、金融システムがSWIFTから部分的に排除され、米ドルなどの外貨準備が凍結され、永世中立国だったはずのスイスですら対露制裁に踏み切るなど、国際社会からの孤立と経済締め上げという多大なコストを負担しています。
その結果、ウクライナが名実ともにロシアと「敵対」する関係になってしまったのだとすれば、これは本当に皮肉な話です。
いずれにせよ、ロシアがサッと軍を撤収することができるかどうか、それとも振り上げたこぶしを下ろすに下ろせず、このままズルズルと泥沼化するのかに関しては、国際政治的な視点からも、非常に興味深いと思う次第です(※そのまえにプーチン政権の危機がやってくるかもしれませんが…)。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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スウェーデンも国是を変更してウクライナに武器供与するそうです。フィンランドとともにNATO加盟を言い始めています。
ドイツは原発、石炭火力運転延長、輸入ルートの多角化、国防費13兆円に増額だそうです。
「だってロシアが」といえばいろいろひっくり返せる状況をプーチンが作りました。
プーチンは民主国家の脆弱性を突いて籠絡してためた貯金を今、使い果たしてるんだなと思います。
今後はロシア、ベラルーシは悪の枢軸でしょうし、それを支持する中国も同一視されるでしょう。
意志が揃ったときの民主国家は強いと思います。
壁崩壊時以来のダイナミックさを感じています。
英訳付きゼレンスキー大統領声明はこちらで視れます。オリジナルはもっと長いです。
https://www.youtube.com/watch?v=JNT6ZYkWCcE
ロシア兵に呼びかけるとき大統領はロシア語に切り替えています。彼の表情に注目しましょう。
オリジナルは「УНИАН ウクライナ独立通信社」で観れるようです。
https://www.youtube.com/c/unian/videos
Guardian サイトの動画はさすが投稿直後からたちまちのうちに視聴カウントが上昇していましたね。
> この点、EUとNATOは同一組織ではありませんし、フィンランドやスウェーデンなどのようにEU加盟国でなりながらNATOに加盟していない国や、トルコのようにEU非加盟国であってもNATOに加盟しているケースはあります。
とは言え、NATOに加盟してないEU加盟国は、NATOと協力関係にある国(スウェーデン、フィンランド、アイルランド、オーストリア)か、英国軍の影響下にある国(マルタ、南キプロス)です。NATOと協力関係にない中欧、東欧諸国はNATO加盟を少し先に求められますから、同じくNATOとの関係が薄いウクライナもNATO加盟国になる、または加盟国に準ずる協力を求められるでしょう。ゼレンスキー大統領もそれをわかっていてEU加盟を申請したと考えられます。
EU加盟には申請から10〜20年かかりますので、その間にNATO加盟、シェンゲン協定加入交渉も行うでしょう。シェンゲン協定に加盟国すると国境が開放されますので、EUとしてはまたロシアがウクライナを攻めてきた時の盾としてNATO加盟を求めるでしょう。シェンゲン協定に加盟させなければウクライナ西部国境の開放はなされませんのでこれをロシアへの盾に使う事もできますが、ルーマニアとブルガリアがシェンゲン協定加入の予定である事を考えると考えにくいです。
1ヶ月もしないうちにウクライナはロシアへ併合されると考えてましたが、ウクライナが予想以上に検討してますね。どこまでやれるかわかりませんが、もしかしたらウクライナがロシア軍を東へ追い出せるかもしれません。
ただ、ウクライナが譲歩をしないのであれば(する理由もないし)プーチンとしてはウクライナを併合するまで戦争を続けるしかありません。22年前に「強いロシアを取り戻す」と宣言し、10年ほど前に長年の夢である「ソ連復活」を掲げた以上、ウクライナさえ手にできないのならたちまち失脚してしまいます。
果たしてどうなる事やら。
余談ですが、プーチンはパーキンソン症、またはパーキンソン症候群の疾患に罹っているように思えます。
プーチンの最初の大統領就任式の時に気づいたのですが、彼は歩くときの手の振り方が左右でアンバランスなのです。最近はそれがかなりひどくなってきていて、足を引きずるようになっています。
パーキンソン病であるなら、判断力にも影響が出る可能性があるということでしょうかね。
プーチンの精神状態への疑念が出ていますが、発信者がルビオだったりするもんでとりあえず保留していました。
もしパーキンソン病であるとすれば、以前元ジェネラリスト様が仰っていた通り、プーチンには残されている時間が少ないという見立ては正しいのかもしれませんね。
残された時間の認識と、判断力の低下の両方かもしれませんね。
専門家の中には、戦術核が使われるのでは
ないか危惧する方がおられるようですね。
病気で判断力が低下していないか心配です。
ウクライナみたいなお荷物国に加盟されても困るから
「加盟にはウクライナ側の準備が必要」と言って、EU有利な法整備させた上で加盟棚上げにすると思われる
後でトルコみたいに反発される落ちでは
それは、ロシアの国民病であるアルコール中毒の症状だと思われる
うらじみるぷちん氏、清盛入道の晩年をなぞる??
民間人を攻撃しても尚、ロシアの肩を持つ馬鹿は何なんだ。
プーチンの病気説、寿命説はそれなりに説得力を感じるものの、
確かめる方法がないから横に置いておくとして……
少なくとも、ロシアは”賭けに負けた”感がありますね。
ここから逆転勝利でウクライナ占領に成功したとしても、
待っているのは既に発動した制裁による経済危機。
全然旨味を生み出さないどころか金食い虫になる占領政策なんぞ
やっていられるのかどうか?
欧米も日本もあまり速いとは言えないものの、金銭面での締め付け自体は行った。
「どうせ口だけで何もしてこないからヘーキヘーキ」「ウクライナなんぞ速攻で占領できる」
もしロシアが上記のつもりだったのなら、やはり”賭けに負けた”のでしょう。
まだ侵攻開始から1週間なので、「賭けに敗けた」と断じるのは早計だと思います。プーチン氏が思い描いたであろうベストシナリオからは外れているように見えますが、まだまだ帰趨は予断を許さない状況であるように思います。まずもって、プーチン氏は希望的観測に縋ってコトを起こすような人物には思えません(*)。
(*) 病気その他で判断力が低下しているのかもという話は、そうかもしれないし、
そうではないかもしれないとしか言えません。むしろ、彼が利害得失を計算
できないような状態だったとしたら、その方がよほど危険であると思います。
いずれにしても、事態収拾までに時間が掛かれば掛かるほど、ロシアにとって状況が悪化するのは明らかなので、いかなる手段を用いようとも、なるべく早期に状況を収拾しようとするでしょう。いくつかの点でロシア側の想定を超えていたのかもしれないと思われる点はありますが、現時点でプーチン氏に「焦り」があるかどうか、まだ明らかとは言えないと思います。
ヨーロッパにおける超国家機構、集団安全保障は、設立経緯などからしても単純な話ではなく、EUに加盟しているけどNATOには加盟していない国、NATOには加盟しているけどEUには加盟していない国、どちらにも加盟していないけどシェンゲン協定には参加している国、どちらにも加盟しているけどシェンゲン協定には参加していない国など、各国それぞれの思惑や戦略により、ほとんど順列組み合わせの状況です。さらには、すべてのヨーロッパ諸国+旧ソ連構成国が加盟するOSCEなんてのもあります(OSCEになぜモンゴルが加盟しているかは不明)。
ウクライナがEU加盟の意向を示し、EU側も歓迎の意を示していますが、それが政治的軍事的にどのような有効性を持ちうるのか、これも現時点では何とも言えません。ただ、今回のウクライナ侵攻により、難民問題などで空中分解の危機さえ囁かれていたEUの結束を、少なくとも一時的には高めることには繋がったとは言えるかもしれません。喉元過ぎたらどうなるかまではわかりませんが。
ピカソがゲルニカ描いた頃は無差別爆撃自体が非人道的虐殺だった。
太平洋戦争当時のアメリカによる都市爆撃は間違いなく虐殺であり、究極的に軍事目標ですらなく最も広く大量に殺戮する知的と高度をオッペンハイマーらの科学者が具申して投下知的が決まった核は人体実験以外のなにものでも無かったが「平和」をもたらした「正義」だと言う前提で成立しているのが現在の国連。
正義も平和も期待してはいけないものなのかも知れない。
人類史上、全ての「平和」な時期は「戦前」でしかないので虚しくなる。
全ての「戦後」は「戦前」と同義語である…悲しい。
知的じゃなくて地点です。
知的じゃなくてすいません。
三平
ほんっとうに気をつけて下さいねEUも…
ウクライナからの加盟申請かな?
ってよくみたら文さんからの申請だったりしたら大変なんですからもぅ〜