順調に無法国家と化す韓国 このままだと国交の維持も困難に

まったく事前の予想通り、韓国側は、『「仲裁委員任命期限」が近づく まずは観光ビザから始めよう』などでも取り上げた「仲裁手続」には応じないようです。もともと無法国家のような判決を出して来たのは韓国の側ですが、それに対し、紳士的かつ誠実に話し合いで解決しようと正面から向き合ってきたのが日本という国です。まだ仲裁手続がすべて破綻したわけではなく、「第3項に基づく第三国仲裁」という手段は残されているのですが、それに対しても韓国が応じるとは思えません。ただ、「韓国は無法国家である」という事実が日本国民の間で徐々に周知徹底されるのだとしたら、決して悪い話ではありません。

やっぱり無視された「第2項措置」

「仲裁委員任命期限」が近づく まずは観光ビザから始めよう』などでも取り上げた「日韓請求権協定第3条第2項に基づく仲裁手続」を巡って、結局、「韓国側の仲裁委員任命期限」と報道された18日までに、韓国側は仲裁委員の任命を行いませんでした(※)。

「仲裁委員任命期限」が近づく まずは観光ビザから始めよう

(※もっとも、以前から当ウェブサイトでお伝えしている通り、日韓請求権協定の解釈上、日本政府が仲裁手続の付託を韓国に通告した5月20日を含まずに、そこから30日と考えるならば、仲裁委員の任命期限は昨日ではなく、本日・6月19日です。)

日韓請求権協定第3条の流れを簡単に示すと、

  • ①日韓両国で紛争が起これば、まずは外交の経路を通じて解決してください。
  • ②①で解決できなければ、まず30日以内に両国が1人ずつ委員を選び、その2人の委員が次の30日以内に日韓以外の第三国からもう1人委員を選び、その3人で仲裁委員会を組織して議論してください。
  • ③②の期間内に片方の国が期限内に仲裁委員を選ばなかった場合や、第三国をどこにするか合意できなかったときは、仲裁委員会の人選自体、第三国にお願いし、30日以内に選んでもらいましょう。
  • ④出た結論には従いましょう

というものです(その詳しい記載内容については『資料:「日韓請求権協定第3条」の原文と解説』に掲載したとおりですので、本稿では繰り返しません)。

資料:「日韓請求権協定第3条」の原文と解説

清々しいほどの無視

これまでのところで、日本政府は1月9日に第1項の外交的協議を申し入れたにも関わらず、そこから半年近く経過した現時点に至るまで無視され続けていますし、韓国政府は第2項の仲裁手続についても、今のところは無視する構えを見せています。

日本が要請の徴用問題巡る仲裁委設置 きょう期限も立場示さず=韓国政府(2019.06.18 17:04付 聯合ニュース日本語版より)
徴用仲裁委員任命期限が終了、日本「大阪G20まで立場決めるべき」(2019年06月18日16時11分付 中央日報日本語版より)

このあたりについて、当ウェブサイトでは今年1月の時点で「韓国政府はどうせ(仲裁手続に)応じない」と予想しましたが(『大切なことは日韓関係崩壊の「回避」でなく「影響の最小化」』)、あまりにも当ウェブサイトの予想どおりだったため、私などは、思わず拍子抜けしてしまったほどです。

大切なことは日韓関係崩壊の「回避」でなく「影響の最小化」

韓国という国は、基本的には「食い逃げ外交」の国ですし(『韓国の「食い逃げ外交」、そろそろ年貢の納めどき』参照)、「ウソツキ詐欺国家」(『ウソツキ瀬戸際外交を続ける詐欺国家・韓国とどう対峙するか』参照)でもあります。

いちおう現時点においても、「日韓請求権協定上の問題解決方法」としては、日本政府には③の方法が残されています。ただ、③の手続を韓国側に申し入れたとしても、今回と同様、無視されてたなざらしにされるのが関の山でしょう。

このままだと間違いなく、「韓国は敵国だ」の世論が根付く

ただ、私自身は今回、韓国側が仲裁手続に応じていないこと自体、日本にとっては非常に良い傾向だと考えています。なぜなら、今回の手続は韓国と国際社会に対してだけでなく、日本社会に対するアピールとしても、非常に優秀な出来事だからです。

日本人の側では日に日に韓国擁護者が減っており、この期に及んでいまだに「日韓首脳は条件なしに会うべきだ」などと主張しているメディアや記者は、朝日新聞や朝日新聞出身者などに限られています(『朝日新聞が日韓首脳会談を要求したこと自体が答えになっている』等参照)。

朝日新聞が日韓首脳会談を要求したこと自体が答えになっている

韓国にとっては「資産」でも日本にとっては「負債」です

しかし、韓国の外国を舐め腐った態度があまりにも酷すぎるがため、もはやこうした「朝日新聞マジック」も、日本国内では徐々に通用しなくなり始めているのではないでしょうか。

なぜなら、「日本がどれだけ紳士的に、国際条約に基づく話し合いや仲裁を持ちかけても、結局のところ韓国側はそれを受け入れてくれない」という事実を、1つずつ、着実に積み重ねているからです。どんな温厚な日本人であっても、さすがにこれは韓国の側が悪いと思うでしょう。

また、どんなボンクラ経営者であっても、さすがに韓国では日本企業が法律の保護が受けられないという点もわかって来るでしょうから、日本企業は対韓投資を控え、現金ビジネスに切り替えるとともに、日本の金融機関は韓国の発行した債券の取得を徐々に買わなくなるのではないでしょうか。

そして、このままでいけば、日本社会では「韓国制裁やむなし」「日韓断交やむなし」という雰囲気が醸成されてくるのも時間の問題だと思います。

本件については本日以降も、経済制裁と絡めて議論していく価値がありそうです。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 金 子勝 より:

    根本的に、付き合う価値が有るか無いかの検討が必要かと

  2. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    韓国は、日本に対して絶対乙になってはいけないそうですから、馬耳東風(憎っくきと内心逆ギレしながら)でやり過ごすつもりでしょう。また日本に対してはそれが通じると(笑)。危険思想です。

    ICJにまで至って、出頭(笑)しないなら、オワリ。断!になってビザ措置短縮以上の制裁発動。

    しかし鈴置先生のハナシなら、米国が攻撃の手段を確立したとか。駐留米軍使わず、民間人帰国させて、日本在米軍、グアム、海上戦闘力で賄えると。

    確かに潜水艦、海上艦艇から戦術小型核を使えば北朝鮮は壊滅するでしょう。いやいやそうではない、との反論もあるでしょうが、広島・長崎+α級の核なら、広範囲に被害が渡らず、ピンポイントで10カ所でも狙える。そうなると北朝鮮はズタボロだ。

    あ、ハナシがズレましたが、徴用工はとにかく日本が突きまくるスタンスで国際社会に訴えて欲しい。

  3. 心配性のおばさん より:

    韓国のために言い訳をしてあげるとすれば、それどころじゃない。のかもしれない。
    まあ、あちこちであがるトラブルの火に右往左往しているだけなんですけどね。

    事ここに至っては、日韓問題を修復したところで、韓国崩壊を止められない。
    韓国崩壊(経済崩壊、米韓同盟解消)は文在寅政権の歓迎するところだと思いますが、文在寅たちは、その後をどうするのか、多分、何も考えていない。
    韓国経済界は生きた心地もないのでは?
    彼らには華僑のように故国の栄衰を潜り抜けながら、世界中に根を張って来たような逞しさはありません。
    財閥といっても、所詮、国家予算を投入された半国営企業です。
    文在寅政権を恨みながら、ずぶずぶと国と一緒に沈んでいく。

    米中経済戦争の中で、這い上がる岸辺もないでしょう。(日本には入れません。絶対に。いい加減諦めないと、気付かないふりして踏みつぶしますよ。)

  4. 匿名 より:

    韓国政府は最高裁の判決を尊重すると言ってきたわけで、日本の仲裁委の設置要請に応じると韓国政府が司法の判断に介入することを意味するから、無理でしょうね。

    万一応じる際のウルトラH級の韓国政府の言い訳には興味がありますが。

  5. 匿名 より:

    ③の段階に入ったようですね。

    >政府、第三国の仲裁委要請
    https://this.kiji.is/513891546797376609?c=39546741839462401

    1. 新宿会計士 より:

      匿名のコメント主様

      ご教示ありがとうございます。
      わざわざ日本政府が韓国政府に要請(というか通告)するとは思っていませんでしたが、こういう形で示してくださるとわかりやすくて良いですね。

      引き続き当ウェブサイトのご愛読ならびにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

      1. 匿名 より:

        ご丁寧に返信ありがとうございます。
        日経にも詳しく載っておりました。
        ご参考までに。

        >韓国に第三国仲裁へ手続き要求 元徴用工問題で外務省

        https://r.nikkei.com/article/DGXMZO46285800Z10C19A6EAF000?s=0

  6. 小心者 より:

    文政権は「韓国のため」ではなく、「自らの理想のため」に動いている気がします。大統領ともなれば両者はイコールでなければいけないとは思いますが、文大統領は決してそうではなく、彼の理想は北朝鮮の思想で、その為に韓国を北朝鮮に売ろうとしている様にも見えます。その意味ではとても優秀なのだと思います。
    ところで、習近平氏が北朝鮮の金正恩氏に会いに行くという話ですが、とても急に感じました。とても忙しく、香港デモなどで国内も結構大変な習近平氏がこんなに急にスケジュール立てるなど少し不自然な気がします。
    少し前にロシアのプーチン大統領が習近平氏に会ってますし、トランプ大統領の国賓来日・安倍首相のイラン訪問などここ最近世界状況がとても動いている気がします。
    私見ですが、米朝開戦が近いのでは無いのでしょうか?何らかの話し合いがG20で行われるのでは無いでしょうか?
    アメリカ大使が韓国に日本と和解しろと言った様です。ですが韓国は仲裁委員会に応じないなど態度を変えません。アメリカはG20までに米中どちらに付くか明らかにしろと言っているのでは無いですか?
    北朝鮮の核がイランに流れているという話を聞きます。安倍首相はイランに行って話したのは「北朝鮮から核を買うな」という説得だったのでは無いかと思うのです。アメリカは北朝鮮に本気だから巻き添いになるのを避けろという事だと思うのです。北朝鮮は東アジアの一紛争で終わりますが、イランは中東を巻き込み、エネルギー関係で世界に影響大です。
    アメリカ軍がソウル以南に南下が終了した頃(秋頃?)始まるのでは無いか危惧しています。
    因みに、アメリカは韓国軍を信用していないと思います。数年アメリカに居住していたのですが、朝鮮戦争を戦った退役軍人にお会いしたことがありました。「韓国軍は負けている時は味方を残して逃げる。勝っている時はこちらの制止を振り切って突撃していく。」だから韓国が北朝鮮に攻撃されても自動的に米軍は介入しないようにしたんだよ、という話を聞きました。米韓同盟を知っていた私は驚いた記憶があります。
    長くなって申し訳ありません。
    出来れば日本周辺始め世界が平和であって欲しいとは思いますが、最近不穏要素が多い気がして不安です。

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