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「伝家の宝刀」の欠陥 韓国に対する経済制裁を整理する

「日韓・日米韓連携」という虚構はすでに実質破綻状態にありますし、この期に及んでそれを真面目に信じている人が日本社会で多数派を占めているとは思いたくありません。ただ、昨日の『名著『米韓同盟消滅』でレーダー照射問題を読み解いてみる』でも申し上げましたが、「日米韓連携」を「誰が最初に壊すか」を巡っては、非常に重要な責任の押し付け合いが発生しているようにも思えてなりません。このように考えていけば、日本が「最初に3ヵ国協力の破綻を宣告する」というリスクを取るとは思えません。また、私は「ヒト、モノ、カネ」の遮断は確かに有効だと思うものの、現状では少し手が出しづらいという側面もあるのではないか思います。

責任の押し付け合い

昨年12月20日に発生したとされる韓国海軍による火器管制レーダー照射事件を巡り、防衛省は今週月曜日に『最終見解』を公表。依然として韓国は「真相究明」から逃げ回っている状況にあり、不完全燃焼気味ではあるものの、いちおうは「決着」(?)を見た格好です。

ただ、防衛省は「日韓・日米韓の防衛協力継続に向けて真摯に努力する」などと述べていますが、私などは「この期に及んで日韓協力などあり得ないだろうに」と思ってしまったクチです。

ただ、この点についてはその後、冷静に考えてみれば、「米韓同盟や日米韓連携の終焉について、日米韓3ヵ国がそれぞれ、誰が言い出すかというババ抜きのようなゲームを繰り広げている」という状況にあるのだと思うようになりました。

これについての詳細は、日本を代表する「韓国観察者」である鈴置高史氏が『日経ビジネスオンライン』(現『日経ビジネス電子版』)に寄稿した記事や『米韓同盟消滅』(新潮新書)を手掛かりにした論考を掲載しています(『名著『米韓同盟消滅』でレーダー照射問題を読み解いてみる』参照)。

また、これに関連して昨日コメント欄で「阿頼耶識」様から、「誰が責任を取るかが重要だ」との趣旨のご指摘も頂きました。まったくそのとおりでしょう(※阿頼耶識様、鋭いご指摘、大変ありがとうございました)。

いずれにせよ、私は鈴置氏が『米韓同盟消滅』(新潮新書)で提唱する「米韓同盟消滅」が既定路線だと考えているのですが、問題は「それがいつなのか」、という点に他ならないと思います。

韓国に対する制裁とは?

対韓制裁論の高まり

一方、最近では一部の政治家、メディア、ジャーナリストらが、「韓国に対する制裁」について議論しているようです。

たとえば、『韓国側の主張に呆れるが、「月内に制裁発動」の可能性は低い』のなかでも紹介した、産経系メディア『zakzak』に掲載された次の記事(※執筆者はジャーナリストの加賀孝英氏)では、首相官邸関係者が「今月中に韓国が事実を認めなければ、制裁措置の発動を決断する」と述べたのだとか。

米、新アジア戦略から“無法国家”韓国を排除へ 日米情報当局「韓国は完全に北朝鮮側だ。もはや同盟国ではない」(2019.1.22付 zakzakより)

また、昨日の読売新聞には、22日の自民党・国防部会で、出席した議員から「韓国に制裁を加えるべきだ」、「国会で韓国に対する非難決議をするべきだ」、といった強硬論が相次いだ、という情報も出ています。

韓国に「制裁、非難決議を」…防衛協力に影響も(2019年01月23日 08時49分付 読売オンラインより)

さらには、この読売の記事では

日本政府関係者によると、照射問題の余波で、春ごろに予定している海自護衛艦の韓国・釜山への入港を見送ることも検討している

という下りも出て来ますが、広い意味ではこれも「制裁」といえなくはないでしょう。

具体的な「制裁」の中身は?

ただ、この「制裁」という言葉が先走っていることは事実ですが、その具体的な中身についてはよくわかりません。加賀孝英氏が『zakzak』に寄稿した記事に出て来る「制裁措置」として、具体的には

  • 韓国人の入国ビザの厳格化
  • 長嶺安政駐韓日本大使の帰国
  • 日本からの部品・素材提供の停止

などが挙げられていますが、仮にこれらの措置が「検討されている」としても、駐韓大使の一時帰国措置は朝鮮半島有事の際の邦人保護に支障を来す可能性もありますし、入国ビザを厳格化すれば、安倍政権が掲げる「観光客目標」に水を差すことにもつながりません。

また、日本からの部品・素材の提供が有効であるという点は私も認めます。しかし、フッ酸のように「外為法」などの法律に記載されていれば供給停止措置を取りやすいのですが、そうでない品目については、部品・素材提供の停止は法的に困難です。

さらに、最近だと日中韓などの「三角貿易」も多いらしく、韓国への素材の提供を禁止したとしても、第三国(たとえば中国)を経由して素材が韓国に流れ、禁輸措置が無効にされてしまう、ということは十分に考えられます。

制裁は伝家の宝刀だが…

かくいう当ウェブサイトでは昨年から「もし韓国に経済制裁を加えるならば、どのような制裁があり得るか」という点を、経済的な側面と法的な側面から議論してきました。具体的には、昨年12月に執筆した次の2つの記事で詳細について触れたつもりです。

2018/12/05 08:00 『日本が本気で経済制裁すれば、数字の上では韓国経済崩壊か?』
2018/12/04 08:00 『韓国に対する経済制裁、考えられる5つのパターンとその可能性』

ごく簡単にいえば、現時点で韓国に対して取り得る措置は、大きく分けて次の5つではないかと考えています。

  • ①国連国際法委員会採択文書に基づく韓国への不法行為責任の追及
  • ②観光ビザ免除プログラム凍結によるヒトの入国の制限
  • ③外為法に基づくモノの輸出の凍結
  • ④外為法に基づくカネの支払いの凍結
  • ⑤上記②~④などを「北朝鮮向け国連安保理決議に基づく韓国へのセカンダリー・サンクション」として実行する

といっても、①については「国連国際法委員会が韓国への経済制裁を認めている」、という意味ではありません。あくまでも、「ある国が他の国に何らかの不法行為責任を追及する時には、国連国際法委員会が定めた基準を守らなければならない」というだけの話であり、正直、あまり実効性があるとも思えません。

一方、②~④については、日本政府が国会の決議等なしで、行政措置だけで実行できる制裁措置ばかりですし、別にこれらの措置を講じたとしても、多くの場合、理由を明らかにする必要はありません。

いわば、これが「伝家の宝刀」です。

スマートな「制裁」

伝家の宝刀の欠点

ただし、これらの措置を取った場合、日本政府はやはり説明を求められる可能性が非常に高いですし、「旭日旗騒動」「徴用工判決」「慰安婦合意破棄」「レーダー照射」等に対する制裁だとすれば、そのことについても措置の妥当性について、いちいち国会などに説明しなければなりません。

なにより、やり方にもよりますが、いったん韓国に対する「経済制裁」を発動した場合には、それにより韓国側に対策を取られてしまうという可能性もあります。

たとえば、「ヒト・モノ・カネの遮断」という選択肢のうち、「③モノの遮断」という部分については、日本が外為法などを駆使して、韓国産業にとっての基幹素材などの輸出を止めるという考え方ですが、この場合にしたって、中国など第三国を使った迂回貿易という戦法を取られてしまえば機能しません。

参考になるのは、レアアース禁輸事件です。

2010年に尖閣諸島沖合で発生した中国漁船侵入事件で、中国はレアアース類の日本への輸出を禁止するという対抗措置を取りました。しかし、日本企業はただちにレアアース類の調達先を中国以外にシフトしたため、結果的に中国が自分で自分のクビを絞めた格好となりました。

また、「②人の遮断」という部分については、たとえば韓国人に対する観光ビザ免除措置の凍結・廃止などが考えられますが、これも一度発動してしまえば、それ以上、制裁措置を強めることは困難でしょうし、韓国人観光客の日本入国が激減することになるでしょう。

(もっとも、観光ビザ免除措置による滞在可能期間を現行の90日から15日程度に短縮し、就労・就学ビザの発給を停止するくらいであれば、日本の観光業に対する大した打撃なしに、韓国への制裁として機能するとは思いますが…。)

要するに、「伝家の宝刀」には「一度発動すると、それっきりになる場合が多い」、「効果が強すぎると逆効果になることもある」、といった短所があるのです。

セカンダリー・サンクションを活用しては?

要するに、こうした「伝家の宝刀」も「抜き方」と「抜くタイミング」が非常に重要だ、ということです。

では、いったいどうすれば良いのでしょうか?

私は、法的枠組みとして②~④の措置を使っても良いと思いますが、その名目としては、「⑤北朝鮮制裁」を使うのが手っ取り早いと考えています。

なぜならば、⑤については「韓国に対する制裁」ではなく、「北朝鮮を締め上げることを目的とした制裁」です。これだと、名目上は「韓国が北朝鮮を支援しているので、間接的に北朝鮮に制裁する目的で韓国を制裁する」という言い分が立ちやすくなります。

何より、国際社会が日本に対して理解を示しやすい名目でもありますし、また、諸外国が日本に追随して、韓国に対するセカンダリー・サンクションを続々と実施してくれるかもしれません。

そうなれば、北朝鮮の「瀬取り」の監視に加えて、「北朝鮮を支援すればこうなるぞ」という意味で、ちょうど良い実例を全世界の不法国家に対して見せつけることも可能です。

とくに、フッ化水素(フッ酸)などのように、外為法上、「軍事転用可能」として明確な禁止措置が講じられているものについては、「最終仕向地を明示したうえで輸出許可を出す」、といった運営をしても良いのではないかと思います。

危機の際に「わざと助けない」という選択肢

ただ、韓国に対する制裁は、別にこの①~⑤だけではありません。

たとえば、「危機の際にわざと助けない」というのも、1つの選択肢です。具体的には、通貨危機が発生した場合に、日本や米国が韓国に対して支援を行わず、事実上の国家破綻に追い込む、という戦法が考えられます。

韓国は外貨準備高が公式には4000億ドル以上だと公表していますが、その割に、米国のTICレポートなどの関連する統計と突合していくと、1000億円~2000億円レベルで「行方不明額」が生じてしまっています。

私自身、韓国の外貨準備高については、どう考えても多くて2000億ドル、下手すると500~1000億ドルていどしかないのではないか、という疑念を抱いています(『総論:外貨準備の虚実 韓国の外貨準備の額は信頼できるのか』あたりをご参照ください)。

また、昨日の韓国メディア『中央日報』の報道によれば、韓国政府は日本が主導する環太平洋パートナーシップ(CPTPP)への加盟を検討し始めるそうです。

韓国政府、日本主導のCPTPP加盟検討に着手…「自動車、情報保護法はどうするか」(1)(2019年01月23日17時36分付 中央日報日本語版より)

あれだけ約束を破っておいて、また、日本に危害を加えておいて、日本が主導するCPTPPへの加盟を求めるというのも厚かましい話ですが、日本は韓国がCPTPPへの加盟を求めて来たときに、それを門前払いするというのも、形を変えた制裁と言えなくはありません。

制裁発動の「時期」

さて、私自身、韓国に対してはいずれ何らかの形で厳しい制裁措置を発動しなければならない時期が訪れると考えていますが、その具体的な時期については、少し検討が必要だと思います。

もちろん、レーダー照射事件だの、昨日の「低空威嚇飛行」事件だの、韓国が日本に対してさまざまな不法行為や不快な行為を仕掛けて来ていることは事実です。

このため、「レーダー照射の事実を認めさせるために経済制裁をする」というのは、1つの考え方としては非常に合理的なものだと思います(※日本政府にそれができるかどうかは別として)。

ただ、どんなカードでも、切るとしたら「一番良いタイミング」を目指すべきです。

先ほど引用した産経系メディア『zakzak』によれば、「今月中に経済制裁に踏み切る(かもしれない)」という話が紹介されていましたが、「レーダー照射の事実を認めさせるため」だとすれば、今月末が経済制裁として一番良いタイミングであるかどうかは微妙です。

むしろ、2月末に米朝首脳会談が行われる(かもしれない)というなかで、米国政府には、「日米韓の結束(?)が崩れそうになっている」という材料を北朝鮮に見せたくないと考えているでしょうし、3月1日の「100年目の独立節」と重なると、韓国側では激高し過ぎるかもしれません。

また、日本政府は「徴用工判決」を巡る措置で、時間稼ぎをしているようにも見受けられますが(『協議申入は日本政府の「時間稼ぎ」?そしてその真の狙いとは』参照)、4月中旬以降、日韓請求権協定に基づく仲裁手続が失敗したのを見届けてから経済制裁するというのも1つの考え方でしょう。

私個人的に一番「経済制裁の効果」が高いのは、米朝会談後、かつ、「100年目の独立節」である3月1日以降のタイミングか、それとも国際仲裁手続の失敗を見届けた4月中旬のタイミングで行われる可能性があると思うのです。

新宿会計士:

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  • 6月のG20で、大統領が着陸・駐機する空港を成田空港にして、大阪まで新幹線の普通車に乗せてやりましょう。また宿泊施設も国賓待遇は拒否しましょう。儀典も省略しましよう。

    天皇陛下の即位式典は招待状を送るのを止めましょう。

    国民が不快な思いを避けるためです。

    2020年のオリンピックも選手村は、エアコン故障させましょう。

    • 主催国としてG20への招待状を送らないわけには行かないが、天皇即位式典には招待状なんて送る義理はないだろう。

      • いや、すべてにおいてインビテーションは不要だ。それが日本の答えだということさ。

  • 文大統領はもはや対日、対米関係において、
    各省庁や部下に対して「強く対抗しろ」「うまくやれ」と言うくらいで
    「具体的」な指示は出していないのでは。

    韓国国務総理、外交部、国防部、
    いずれも将来を見据えた戦略がまったく見えてこない。
    どう動いていいのかわかっていないので混沌としている様。

    文大統領は「決断しないことを決断した」とみられる。
    なぜか。
    決断すると責任が発生するから。

    韓国内は「爆弾回しゲーム」
    日米韓では「ババ抜き」

    今のカオスな状態という湯舟での我慢比べ大会が始まった。

  • >むしろ、2月末に米朝首脳会談が行われる(かもしれない)というなかで、米国政府には、「日米韓の結束(?)が崩れそうになっている」という材料を北朝鮮に見せたくないと考えているでしょうし、

    ここ、非常に重要ですね。

    アメリカにとって、在韓米軍の将来的な撤退は既に選択肢の1つでもあるにも関わらず、現在進行形では日米韓の結束が崩壊している印象は、表面上だけでも取り繕いたい。

    これは何を意味するかと言えば、在韓米軍撤退をエースのカードとして最大限の効果を持たせて、北朝鮮に確実な非核化を飲ませるカードとして使いたい。そのため、カードが今でも最強の手札であると印象づけるため、日米韓の軍事協力は機能していると表面上だけでも取り繕いたいのだと思います。

    また、日米韓の連携を保つためには、今までであれば何かあれば間に入って、日本に泣いてくれで通していたのが、今回、アメリカは関与したがっていません。これは在韓米軍の将来的な撤退を選択肢に入れていることを示唆しますが、その一方で、積極的に日本の肩を持つこともしないのは、上記の理由からなのだと感じます。

    制裁を科すにしても、おっしゃる通り、その時期を誤ってはいけません。情勢は安定しているわけではなく、刻々と変化していくことに留意する必要があります。

    私は陰謀論厨ですので、レーダー照射事件の途中から、2月末の米朝会談に向け、北朝鮮が在韓米軍撤収のカードを弱体させるために、文寅在に指令を出し、日米韓の連携に致命的な亀裂を入れる作戦に変わったに一票です(笑)

    ※実際には、まずは手順として在韓米軍縮小がカードとして用いられるので、在韓米軍撤退=在韓米軍縮小と読み替えても結構です。

    • なるほど、条件闘争のため、相手方カードの価値を下げる作戦ですか。

      こうなると米軍の北攻撃力を増強したり、日本の憲法改正も圧迫カードになりますね。

      韓国が動かない・後退するなら、日米で韓国を巻き込むのも作戦になりますね。

      瀬取り監視作戦以外にも韓国が反対しずらい軍事作戦で引きずり回して圧迫し3カ国協調を見せるのも良いかと思いますね。

    • それにしても、ちょっと論点をずらしてしまいますが、北朝鮮の金正恩にとって、在韓米軍撤退のメリットと核放棄のデメリットを比較した場合、核放棄のデメリットの方が大きいのではないでしょうか。金正恩が核を保有する究極の目的が金一族の保身とすると、在韓米軍が撤退したところで、金一族の地位が保証されるとまで言えず、たとえば中国からの脅威は消えません。米軍撤退していない現在でも、すでに実質的には南北和平に向かっています。核放棄はせずに、米軍撤退より先に南北和平を実質的に進め、南北あげての嫌がらせで米軍撤退を促す、核放棄しないことにより中国からの脅威にも対抗する、というのが朝鮮半島の策略かもしれないと考えると、米軍撤退というカードがどの程度有力なのか疑問がわいてしまい、このあたり頭の整理がまだつかず、自分なりに考えているところです。。。

      〉新宿会計士様 いつも知的好奇心を刺激する記事をたくさん更新し、このような知的なプラットフォームを維持してくださり、ありがとうございます。

      • すみません、投稿した後に気づいたのですが、ひろさん始め他の方がこの件にコメントされていました。勉強させて頂きます。

      • まず北朝鮮は本当の意味での核放棄をしません。する訳がないw北朝鮮がするのは飽くまでも将来破ることを前提とした口約束に過ぎません。あの民族が真摯に約束を守った試しがない。闘病中さんと同じく私も全く彼らが核放棄するとは思いません。

        アメリカはそこも見越しているので、一貫して検証可能で完全なる非核化を迫っています。

        それに対し、今までもそうでしたが、北朝鮮は核兵器を隠し持ちながら、段階的に非核化をしてるように見せかけ、在韓米軍を撤退に追い込むことを狙い続けることになるだろうと予想します。

        日本人の我々からすれば、隠し持った核がバレてしまえば、アメリカに武力行使をさせる名分を与えてしまうわけですから、実に愚かに映ります。しかし、彼らはそうではない。

        あの民族は、人を騙しゆすり集り計略を図ることで生き延びてきた民族です。アメリカに核を隠し持っていることがバレれた時のことは危惧しません。理解不能ですが、そういう習性の民族なのです。それよりも、相手を欺き蹴落とすことで、全てを得ようとし、身の丈に合わない野望を抱きます。この辺の民族性は、中国にも同様のことが言えますね。

        北朝鮮はもう随分昔から『朝鮮半島』の非核化を提案しています。これは言い換えれば、在韓米軍の撤退のことを意味します。喉元に敵の強力な基地があり、至近距離に戦術核があるのは脅威ですので、カードとしては、依然として強力なものだと思いますよ。

        取り留めもなく書いてみましたが、考えるヒントになりますかね?

        • 1つ一番肝心なことを書き忘れていました。

          去年、文寅在は和平ムードを作り、年内の終戦宣言に拘っていましたが、終戦宣言をするのはアメリカ抜きでは無理なのです。だから、南北和平に向かうにしても、限界があるのです。

          仰る様に、終戦宣言をすれば、アメリカが韓国に軍を置く名分はなくなります。アメリカ軍が韓国に滞在する目的は、対北朝鮮の1点のみというのが現在の韓国政府の立場です。THAA問題で中国から圧力がかかった時、三不の誓いを立て、THAADは対北朝鮮用だと韓国政府が表明していることからも、窺い知ることができますね。

          アメリカが終戦宣言に応じないなら、じゃあ日米韓の協力体制を壊して実質的に機能しないようにさせ、アメリカに在韓米軍撤退カードを安く切らせよう!という意味でのレーダー照射問題と捉えることもできると思いますよ。

        • 匿名様
          解説をいただき、ありがとうございます。終戦宣言はアメリカ抜きでは無理、など、わかっていませんでした。頭が整理されてきました。大変勉強になりました。

  • おはようございます。
    低空飛行威嚇の件、韓国が調子付いていますが、ちょっと違和感があります。これまでは安保関係だけはここまで崩れることはなかったはず。米軍の調整が効いていない(韓国政府が暴走している)あるいは調整すらしていない可能性が高いですね。日韓外相会談もいつもの河野節は聞けませんでしたし、やはり岩屋防衛大臣の訪米以降日本が自重している気がします。米韓では韓国の駐留費負担の件で合意ができていませんし、米朝会談での在韓米軍縮小が取引材料になる、その対策を日本で始めている、という気がしていけません。いまの日本政府は制裁どころの話ではないかもしれません。

    • あと、在韓米軍撤退は可能性低いと思います。これは半島の問題ではなく、対中国でのカードの一つ。現段階では縮小はしても撤退までのカードは使わないでしょう。中国の喉元にレーダー基地は置いておきたいでしょうし。
      中国については台湾関係の動きがきな臭くなりそうですから、米国は経済制裁を維持しながら北朝鮮に譲歩を見せ、北朝鮮にボールを預けた状態で交渉を膠着状態にして他の懸案に資源を回したい、そんな気がします。そして一番米国に有利な譲歩が在韓米軍縮小。特に陸軍の。さらにこれで韓国の保守派が反発して文政権が不安定になればさらに米国に有利。
      韓国に直接的な制裁はあまり効果ないと思います。かえって日本憎しで団結してしまいかねない。TPPを含めた経済対話を一切行わないとか、GSOMIA破棄とか国民に直接的な影響がない部分で制裁して、内部対立をあおった方が効果的と思います。

  • >日米韓3ヵ国がそれぞれ、誰が言い出すかというババ抜きのようなゲームを繰り広げている

    仰る通りだと思います。
    つまり日米韓同盟なんていうものの必要性を3者とも感じていないと言う事ですね。
    ただし上で匿名さんが書かれているように、米としては対北カードとしてまだ持っていたいと言う事でしょう。
    これも米朝交渉の成り行きで、核廃棄と引き換えに米韓同盟破棄=赤化黙認ということになるのでしょうが、日本はそれまで「日米韓間の連携は重要だ」くらい言いながら放置すればよいのです。

    G20にはキム君が来ることになるのでしょうか?

  • 実際に制裁処置を行使する前に、一つ簡単にできることがあります。

    それは、韓国に進出している邦人企業を、メディアでちゃんと紹介することです。
    日頃、韓国に対して、どんなに勇ましいことを叫んでいる評論家でも、
    こと、個別の企業名を出すとなると、急に言葉が慎重になります。

    スポンサーに気を使っているのです。
    下手をすれば損害賠償問題になりますし、
    干されるかもしれません。
    韓国問題の元凶はそこにあります。

    例えば、どの金融機関が最も韓国に融資しているのか?
    どの邦人企業が韓国で最も利益を上げているのか?
    これぐらいなら、報じても問題ないはずです。
    後は情報の受け手が勝手に判断してくれますから(笑)

    たったそれだけでいいのです。
    正確に、日本人に広く知らしめるだけで、
    今の日本の雰囲気なら、
    その企業にとって大きなイメージダウンはなるであろう事は容易に想像つきます。

    • 勝手に続きますが(笑)

      実は一つの疑問に、ちょっと踏み込んで見ようと思います。
      『何故、邦人企業はソブリンリスク満載の韓国から撤退しないのか?』についてです。

      確かな答えがある訳じゃありませんが、先日フォーブ・スジャパンで著名な投資家ジム・ロジャースがこんなことを言っています。
      『私は2016年頃から、「次に『買い』な国は北朝鮮だ」と主張してきた・・・』
      なんと今年の1/18のフォーブス・ジャパンです。

      詳しくはフォーブスを読んでいただきたいのですが、まあこの人、日本の嫌韓勢力が聞いたら、真っ赤になって怒りそうなことを、平気で述べてます(笑)

      まあ投資家なんて山師ですから、半分も信じちゃならないのですが、同じ判断をしてる日本人投資家も、たぶん数多くいるでしょう。
      そして残念なことに、そんな人たちに限って有り余る投機資金を持っている現実(笑)

      日本の機関投資家、大企業ですが、彼等は10年前ならインド、20年前なら中国、30年前なら韓国投資に熱心でした。
      今の北朝鮮は宝の山な訳です。

      北朝鮮に投資できる環境が整った場合、まず有利なのは韓国に橋頭堡としての事業を展開してる企業です。そう今まさに経済制裁を実施できる立場にいる企業です。
      邦人企業で目鼻の効く経営者や投資家はその事を見抜いています。
      そして同時に、彼等は少しでもライバルが減ってくれることを祈っているわけです。
      嫌韓の風潮はそんな中で生まれて育っています。
      彼等が煽っては、消しているのです。
      何故なら過度な嫌韓風潮は彼らにとって、痛し痒し、だからです。

      日本の世論が韓国への経済制裁に傾いたら、ライバル企業が地政学リスクを感じ、撤退してくれるかもしれない、もしそうなれば嬉しい、かといって、自分のところへは飛び火して欲しくない。
      誠に勝手な言い分ですが、それが彼等、韓国に投資してる資本家の正論、本音でしょう。

      まさにマッチポンプ(笑)で動いているわけです、朝鮮半島は(笑)

      • カニ太郎様が紹介なさっているジム・ロジャース氏のインタビューを読んできました。
        これを読むと、文大統領は本気で半島統一を目指していると確信します。

        ジム・ロジャース氏によると金正恩は新しい考え方の指導者で、北朝鮮国民は非常に勤勉な国民性。
        これと韓国の経営能力や資本が合わさると投資にたいへん有望な国になるということです。
        安い労働力と若い女性という人的資源も魅力、だということです。

        北朝鮮が開国すれば、ということですので、文大統領はここを本気で目指し、韓国と北朝鮮の繁栄を夢見ているのでしょう。
        統一のために日米が邪魔なので半島から出て行ってもらいたいのだと思います。

        このインタビューの中に韓国への言及がほとんどなかったということは北主導の統一ということいいんでしょうね。

        韓国の国民はそれでいいんでしょうかね。
        特に文大統領の支持者が多い韓国の20代女性はいいんでしょうかね?
        政府は北朝鮮から女性を引っ張ってくるつもりですよ。

        半島統一の話をすると「じゃあ日本が儲かるやないか」という意見を持っている人もいます。
        韓国の挑発はもちろん腹が立ちますが、理不尽な部分は政府に論破してもらいつつ、冷静に見守ってみるのもいいかもしれません。

      • 参加させていただく価値が 取り戻せた コメントだと思います

        面白すぎます

        表面の些事に かまけるエネルギーは ほどほどが良いように 思えます
        私は 安倍政権には 期待していますが・・・

    • 面白い。おおいに賛成。

      でも、メディア自体がその構造に組み込まれているので、
      少なくとも大手メディアは絶対やらないし出来ない企画かな(笑)

      やるなら個人でインターネット発信とかかなあ。
      どれだけ情報拡散するか。

      イオンとか東レの話って
      どのくらい一般に認知されてるんだろう?

  • 韓国軍が北朝鮮船舶と共に他国EEZにいた、
    という点をもっとクローズアップすればいいのに。
    韓国が一番希釈したいのは、この問題のはず。

  • 韓国のクレームは当初日本から言った内容の丸写しである、これは日本からのクレームを希薄化させる常套手段であり、韓国の反論パターンだ。ある意味、効いていたんだな。韓国は嘘はまかり通ると思っているね。なら、日本は証拠を出せと言えば、世界から韓国と同類だとみられるから淡々と反論していればいい。問題は今後の措置であり、やはり制裁なき対応は日本の政治資本を毀損させるリスクがある。国民の失望だね。ではどうしたらいいか。民間にヒアリングをかけたらいいだろう。経済的な影響波及を調査するとの名目で十分だ。お上の胸の内を忖度するのが民間の悪いところなんだが、今回ばかりは忖度以上に率先して韓国との関係断絶に走るどろうよ。なぜなら本当に不測の事態が起こるやもしれんからな。民間企業にとっては普通のリスクヘッジを準備しておくということだ。さて、これで韓国にはどう響いていくか。ある意味、いざ時ようのシミュレーションになるわな。いい機会じゃないの。やってみな、いろいろと。これは霞ヶ関の仕事だわな。

  • いつも知的好奇心を刺激する記事の配信有り難うございます。

    韓国への制裁は北朝鮮に援助したことによって発動で構わないのですが、この時の名目を国連決議の違反でなく、国連敵国条項に合致したことによって発動させるべきです。

    侵略行為を意図する事に国際社会が「敗戦国として韓国を制裁」する形に日本が持って行く事で韓国が日本に上位の立場でない事を明確に突きつけるのです。

    実際に敵国条項の制定時は韓国は米軍占領の日本の一部ですので名目は立つはずです。

    韓国人は戦前に衆議院議員となっていますし、軍人で将官も出ています。
    大佐止まりの欧米植民地出身の軍人とは違ったのです。

    韓国を日本同様の敗戦国に落とす。

    現状では韓国への有効な制裁ではないでしょうか。

    以上です。駄文失礼しました。

    • 補則ですが、当然実施は日本以外からになりますが、実施しないでも国連敵国条項に基づく制裁を検討を公表するだけでも韓国の立場を落とせますので、十二分に彼らのプライドへの制裁の効果があると思います。

      トランプ大統領のツイッター辺りで検討を公表して欲しいものです(笑)。

      駄文失礼しました。

  • 私のコメントに賛同ありがとうございました。
    そして、とても残念なことに(?)誰が責任を負うのかは韓国に決まってしまったようです。

    鄭景斗韓国国防相は韓国記者団に「使える手段をすべて利用して警告し、一定の範囲内に入った場合は自衛権的措置を取ることを日本側と合意し、実行すべきではないか」と語ったそうです。
    この言葉の意味を少し紐解くと、すべて利用して警告する使える手段とはすなわち火器管制レーダーの照射が含まれます。
    これは諸外国でも敵性、あるいは所属不明の艦船・航空機などが無線に応答しない場合の最後通牒として使用されます。
    時間を前後してレーダー照射問題を宣言通りの警告で、間違った物ではないとしたいのでしょう。

    次に一定の範囲内についてですが、それを日韓で協議して決めるつもりとしても、日本はレーダー照射問題で説明・反論が二転三転し信用出来ない。話し合いの出来ない国と弾じて協議を打ち切ったわけですから、話し合いになどなりません。
    韓国側が一方的に決めることになれば、韓国国防省が23日に自衛隊機が離於島付近で低空飛行を行ったと発表したように基準が曖昧に。韓国の都合に良い距離となります。
    実際、23日に韓国国防省が発表した高度はおよそ高度60~70mで距離540mとしていますが、韓国メディア「月刊朝鮮」の記者が2013年7月10日に、韓国軍所属P-3哨戒機へ搭乗取材した記事によると、「目視識別のために高度を100mまで下げた」「外国の艦艇監視のため高度60mで接近飛行する」とあります。
    これをそのまま鄭景斗韓国国防相の発言の一定の距離とするなら、韓国軍機は高度60mで接近飛行しても危険飛行ではないが、自衛隊機が同高度を取れば危険な飛行として警告するとなります。

    そして最後に自衛権的措置とは、日本の自衛隊のように専守防衛ではない自衛です。
    危険を感じたら、やられる前にやれ。という物です。

    つまりこれは火器管制レーダーを照射してロックオンし、いつでも撃墜できる状態を維持し。
    韓国軍の都合に合わせた任意の距離に入ったならば、自衛のために撃墜する。との事です。

    責任を負いたくない。
    ババ抜きのジョーカーを引きたくないと考えて居るならば韓国には国際社会の常識的にそれが何を意味するのか理解している方が居ないのかも知れません。
    何故なら、これは開戦の宣言となりえる文言だからです。
    もしも、本当にこれを日本側に通達してきた場合、自覚的にか無自覚的にかはわかりませんが、ババ抜きのジョーカーを引くのは韓国で決定するのでしょう。

    • そういえば

      >離於島付近で

      なんですが、韓国の防空識別圏(KADIZ)であり、中国も自国の防衛識別圏であると主張している空域ですね。
      この空域をフライトプラン無しで飛ぶ軍用機には、スクランブルをかける「義務」が生じますが、韓国の戦闘機が出動した形跡がないところみると

      1. そもそもP3-Cの飛行を認識できていなかった
      2.「友軍」である韓国軍にはP3-Cのフライトプランは提出していた
      3.海自のP3-Cであることは認識していたので無視していた

      どれでしょうw
      ちなみに海上監視のための高度150mは、艦船にとっては高い距離でも航空機にとっては低空飛行であり、地上設置レーダーでは認識できていなかったでしょう。(スクランブルをさせる目的の示威飛行の爆撃機はわざと高高度を飛んでいます)
      防空識別圏は、公空であり、別にここを他国の航空機が飛んだところで攻撃など許されません。
      ただ単に「お前は我が国の領空に近づいているからこっちくんな」と言えるだけです。

      • 当日の韓国側(ソ・ウク作戦本部長)の発表では「わたしたち海軍艦艇を明確に識別した状況にもかかわらず」と発言しています。
        識別可能な状態にあった筈ではなく明確に識別していると断言出来るのですから、無線でやりとりがあったのは確かでしょうね。
        そこは日本側の発言でも同じく無線で交信しているとの事なので問題ではないと思います。

        韓国側が離於島付近問題で主張しているのは「友軍だと認識しながら挑発や威嚇と取れる飛行をした」なので、韓国軍の基準的な飛行である「目視識別のために高度を100mまで下げた」「外国の艦艇監視のため高度60mで接近飛行する」より危険で挑発的な威嚇飛行だったかどうかが問題なのです。
        すべてを有耶無耶に開戦宣言とも取れる通達を行う前に、是非ともコラ画像や自軍の哨戒機を使った自演動画ではない証拠画像なり動画なりを提示して欲しいですね。

        ――――――――

        ここからは、りょうちんさんへの返答ではないのですが。
        そう言えばババ抜きではジョーカーを引いても負けではありませんでしたね。
        ジョーカーは韓国の手の中にあり、なんとしても日本に引かせたいと考えて居る状況でした。
        開戦の宣言となりかねない通告をババ抜きに例えると、
        韓国がジョーカーを引いたのではなく
        韓国の手にあったジョーカーを日本に投げつけた。となるのでしょうか。。
        なんともシュールな光景です。

        • 開戦宣言か。それに等しいわな。さて、これを米はどう裁くかね。勿論、日米韓の連携なんぞもう崩壊しとるけとな。そのトリガーを引いたのは韓国であるのか日本なのかというババ抜きの段階か?いや、とうにネクストステージに行っとるよなぁ。ともあれ日本こら経済的制裁の大義名分の蓄積はウナギ登りなんだが、つぎは親韓企業、政治家の粛清が始まるのかもな。今年に入ってから中国との関係改善を疑問に思っていたんだが、このためにあったのかもと思うよ。あとロシアな。包囲網はそれなりにある。半島への他国の興味は北の地下資源しかないからな。まったくご愁傷様だよ。

        • うっかりと、韓国の主張のせいで、高度150m以下の飛行は威嚇的な低空飛行だという認識にされてしまいそうですが、軍用機は別に高度60mでもなんら違法性はありません。
          また自衛隊の資料にもある様に、上空や進路を横切ったり、攻撃のシミュレーションが無い限り威嚇的とも言えません。
          高度に拘ると韓国の手口にうかうかとのってしまうかもしれませんね。

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