新潟県知事選の本当の敗北者はマスゴミ

昨日、『【昼刊】新潟県知事選の与党系候補の勝利に想う』で申し上げたとおり、日曜日に行われた新潟県知事選は、自民党にとっては「辛勝」であり、油断すると野党に負けていたかもしれないと私は考えています。しかし、もう少し掘り下げて考えていくと、今回の選挙には、もう1つ、違った側面があると思います。それは、「脱マスコミ」です。

新潟県知事選をもう少し考えてみる

安倍政権にイエス、野党にノーの審判下る

日曜日に行われた新潟県知事選で、与党が支援する候補が勝利した話題については、昨日、『【昼刊】新潟県知事選の与党系候補の勝利に想う』のなかで、速報的に紹介しましたが、この話題についてはもう少し突っ込んで考えてみたいと思います。

この選挙は、米山隆一前知事が援助交際疑惑で辞任したことを受けて行われたもので、日本共産党や立憲民主党など野党5党が支援する池田千賀子候補を下し、自民党などが支援する花角英世(はなずみ・ひでよ)候補が勝利したものです。

今回の知事選については、私自身はそれほど注目していませんでした。しかし、「しんぶん赤旗」や日本共産党などは、今回の新潟県知事選挙を「安倍政権に対する審判」と勝手に位置付けていたようです(どうでも良いですが、地方選の結果で国政を議論する強引さには、思わず呆れます)。

いずれにせよ、野党側が今回の知事選を勝手に「安倍政権への審判」と位置付け、その選挙戦で与党側が勝利した以上、これについては「安倍政権にイエス、野党にノー」の審判が下された、と申し上げても、それほどおかしな話ではないでしょう。

反日野党の結束を警戒すべき

ただ、昨日も申しあげましたが、花角候補の得票数は546,670票に過ぎず、これに対して池田候補の得票数は509,568票で、両者の得票差は37,102票に過ぎません。すなわち、かなりきわどい接戦を制した格好で、自民党などが「圧勝した」とは、到底いえない状況です。

しかも、立憲民主党や国民民主党などの野党勢力が、よりにもよって、日本共産党と結託しているということです。このこと自体は軽く見るべきではありません。なぜなら、野党が日本共産党との選挙協力を進めれば、それなりに議席を上積みすることが出来てしまうからです。

もちろん、新潟県の事例を日本全国に当てはめて考えるのは軽率です。都道府県によっては、九州のように自民党が圧倒的に強い地域もあれば、それとは逆に、北海道のように旧民主党系が非常に強い地域もあるからです。

新潟県の場合も、前回(2017年10月22日)の衆院選では、6つの小選挙区のうち4つを、旧民主党・旧民進党の出身者が制していて、自民党が苦戦しているという、珍しい県の1つです(図表)。

図表 2017年10月22日の衆院選における新潟県の小選挙区当選者
小選挙区当選者(敬称略)選挙時の所属
1区西村智奈美立憲民主党
2区鷲尾英一郎無所属
3区黒岩宇洋無所属
4区菊田真紀子無所属
5区泉田裕彦自由民主党
6区高鳥修一自由民主党

(【出所】新潟県HPより著者作成。なお、比例復活議員はここに含めていない)

(ただし、鷲尾英一郎、黒岩宇洋、菊田真紀子の各氏は、それぞれ、現在も国民民主党、立憲民主党のいずれにも所属しておらず、旧民主党・民進党出身者が多い「無所属の会」に所属しているか、それとも無所属となっているかのいずれかです。)

時代は少しずつ変わる

私は、「旧民主党系の候補者が勝利を収めたからその県が異常だ」、「自民党が勝利する都道府県が正常だ」、などと申し上げるつもりは、いっさいありません。しかし、あくまでも一般論として、次のような連想が働きます。

  • 大手マス・メディア(とくに全国紙、全国ネットテレビ局)はやたらと自民党の政治家に厳しく、その反面、旧民主党・民進党系の政治家には優しい(不祥事を起こしてもマス・メディアが守ってくれる)(ただし、地方紙の場合はその都道府県により論調が異なる)
  • インターネットではなく、マス・メディアの報道に接している人は、若年層よりも高齢者層の方が多い
  • 高齢者の比率が高い県の場合、そうでない県と比べ、投票行動において、大手マス・メディアや地方紙の報道の影響を受けやすい

もちろん、高齢層が比較的少ないはずの東京都や神奈川県、大阪府のような都市部の小選挙区で、旧民主党・民進党系の候補者が当選している事実などを踏まえると、かかる連想は非常に不正確であり、乱暴です。選挙情勢の分析は、そう単純化できるものではありません。

しかし、『RSFランキング最新版と倒産に向かうマスゴミ』でも紹介しましたが、民主党への政権交代をもたらした2009年8月の衆議院総選挙の投票行動については、新聞・テレビの報道を信じた人が民主党に投票するという傾向が、くっきりと出ていたことも事実です。

このように考えていくと、選挙で投票先を判断するための情報を、「マス・メディア(とくに新聞・テレビ)から入手する人」と「インターネットから入手する人」の比率が変わってくれば、人々の投票行動も大きく変わっていくのではないか、という仮説が成立するのです。

「もりかけ」にうんざり

ところで、先ほど「高齢者は新聞、テレビを盲信する」「若者はインターネットを活用する」という「連想」を紹介しましたが、この連想は、正しくありません。なぜならば、最近は高齢者層でも、インターネットを活用する人が増えているようであるからです。

「増えているようである」と申し上げた理由は、実際に当ウェブサイトを訪問して下さる方に、中・高年層の方が多いのではないかと、私自身が実感しているからです。当ウェブサイトに対し、コメントやメールで、

新聞・テレビとまったく違う論調で驚いた

といったご意見を頂戴することが増えているのですが、こうした読者の皆様のご意見を読んでいくと、「新聞・テレビは高齢者」、「インターネットは若者」、といった単純な図式ではないことに気付いたのです。

そして、もう1つ、私が実感していることがあります。それは、マス・メディア(とくに新聞・テレビ)が「もりかけ問題」などをひたすら追いかけ続けているためでしょうか、人々の新聞離れ、テレビ離れが加速しつつある、という印象です。

以前、『埼玉県民様から:「日本の広告費2017」を読む』のなかで、新聞・テレビに対する広告支出が減少する一方、インターネットに対する広告支出が急増している、という話題を紹介しました。おそらく、2018年はさらにこうした傾向が加速するでしょう。

旧民主党系・民進党系の候補者が強かったはずの新潟県で、辛勝だったとはいえ、自民党が支援した候補者が知事選を制したこと自体が、少しずつ、インターネットを通じて新聞・テレビの「洗脳」が効果を失い、世の中が良くなっている証拠であるように思えます。

くどいようですが、「自民党なら良い」、「旧民主党・民進党なら悪い」、という、単純なものではありません。しかし、あそこまで酷いマス・メディアの安倍政権に対するネガティブ・キャンペーンにも関わらず、新潟県の有権者が自民党の支援する候補者を選んだという事実については、重視すべきだと思います。

「もりかけ問題」とは、

安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を悪用し、友人が経営している学校法人に違法な便宜を図った疑惑

のことですが、最近ではようやく、当ウェブサイトが1年以上前から指摘してきた、

マス・メディアによる印象操作を通じた倒閣運動である

という事実が広まってきました。つまり、国民が選挙で選んだ安倍政権を、国民から民主的に選ばれていないマス・メディアが倒そうとしているという意味で、クーデターそのものであり、絶対に許されません。倒れるべきは朝日新聞社を筆頭とするマス・メディア各社であって、安倍政権ではありません。

そのくらい、現在のマス・メディアの偏向報道は酷いのです。その意味で、「国民の敵」とは、マス・メディアそのものでしょう。そして、今回の新潟県民の選択は、たんに自民党が勝利したという単純なものではなく、有権者の側からマス・メディアそのものに対して「ノー」を突きつけたものだったと言えるのかもしれません。

その意味で、今回の勝利は「自民党の勝利・野党の敗北」ではなく、「国民の勝利・マスコミの敗北」、と理解する方が良いと思うのです。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 埼玉県民 より:

    毎日の更新ありがとうございます。
    新潟は東京新聞,中日新聞と記事提携している新潟日報が50%近い世帯普及率があり、
    圧倒的なシェアを持っています。
    https://adv.yomiuri.co.jp/download/PDF/mediakit/general/mediadata2018/prefectures.pdf
    https://ja.m.wikipedia.org/wiki/新潟日報
    直近の沖縄の地方選を見ても、地方紙のラストワンマイルの支配力は衰えています。
    ファクトではなく、倒閣プロパガンダの捏造情報を掲載し続けると、
    どんどんばれて行き愛想つかされて、反日東スポ扱いされます。
    最近、30年以上毎月購読していた文芸春秋の購入をやめました。
    有田ヨシフの友人のパヨクが社長になってから、編集方針が
    穏健保守から、倒閣プロパガンダに偏ってきて読むに耐えなくなったからです。
    大幅に部数も落ちて、部長レベルのクーデターが起きたことは、
    私が大好きだった文芸春秋のDNAを持つ編集者達の良心の現れと思います。
    同じように、昔は穏健保守番組だった時事放談は、中国と北からお土産をもらって
    楽しい記念写真をいっぱい撮られた売国政治家のオンパレードです。
    内容は聞くに耐えませんが、誰が工作員かチェックするのに役立ちます。

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