日中関係のほどよい距離感 キーワードは戦略的互恵関係
日本政府は今月中旬に中国・北京で開かれる日中ハイレベル経済対話に、閣僚を6人も派遣するそうです。これについて間接的に報じた韓国メディア『中央日報』の報道ぶりもどこか悔しげに見えますが、そもそも論として日本が中国と関係を改善することについては、その方向性にもよりますが、非常に良い話だと思います。日本も長い間、中国との付き合い方を試行錯誤し、ようやく「理想的な日中関係」に至りつつあるのかもしれません。日中両国があまり深い関係になり過ぎないように注意しなければならないことは間違いないにしても、日中は断交するわけにはいかないのですから、「ほどよい距離感」を探っていかねばなりません。
目次
日本の6閣僚が訪中へ
これは久しぶりに良いニュースです。
韓国メディア『中央日報』(日本語版)によると、日本のメディアは5日、「今月中旬に中国・北京で開かれる日中ハイレベル経済対話に日本政府が6人の閣僚を派遣する予定だ」と報じたのだそうです。
中国に閣僚6人を派遣する日本、「最悪の韓日関係」の中で日中は着々と改善(2019年04月05日13時11分付 中央日報日本語版より)
記事にある「5日付の日本メディアの報道」とは、おそらく、読売新聞の『日中経済対話、6閣僚訪中へ…関係改善を反映』(※ただし、読者会員限定)のことだと思いますが、ここでは読売ではなく中央日報の記事をもとに、概要を紹介したいと思います(※日本語表現については整えています)。
- 日本側では河野太郎外相を団長として、世耕弘成経済産業相、石井啓一国土交通相、吉川貴盛農林水産相、原田義昭環境相、片山さつき規制改革相の6閣僚が参加し、中国側では王毅国務委員兼外交部長などが出席する
- 2007年12月に始まった日中経済対話は今まで4回開催されたが、一度に6人の閣僚が参加するのは2010年以降初めてのことで、大勢の閣僚が訪中する理由は両国関係が順調に改善されていることを強調する狙いもある
(※余談ですが、この話題を紹介する中央日報の記事がどこか悔しそうに見えるのは私だけではないと思います。)
2010年(第3回)といえば、日本は「悪夢のような」民主党政権の時代でした。「保守政権」であるはずの安倍政権下で、民主党政権時代と同じ6人もの閣僚が中国との経済対話に参加するのは、意外な気がします。
利害と価値
国益:2つの目的
ただ、私自身はこのニュースを非常に好感しています。
というのも、「戦略的互恵関係」を強く意識させるものだからです。
この「戦略的互恵関係」について考える前に、1つ、重要な前提を確認しておきましょう。
古今東西、どんな国家にも、「絶対に達成しなければならない目標」が、2つあります。それは、「国民が安全に暮らせること」と、「国民がお腹いっぱいメシを食べること」です。専門用語で、前者を「(軍事的)安全保障」、後者を「経済的利益」と呼び、この2つをひっくるめて「国益」と呼びます。
- 国益とは:2つの目的(安全保障と経済的利益)の最大化
- 安全保障:国民が安全に暮らしていけること
- 経済的利益:国民が豊かに暮らしていけること
どんな国であっても、国益(つまり、この2つの目的)を達成しなければ、結局は滅亡してしまいます。
現在の日本は、ジンバブエ、ベネズエラ、北朝鮮などと異なり、少なくとも健康的な人間が普通に働いていれば、最低限の文明的な暮らしを営むことができますし、現在のところ、日本の国土が外国の軍隊によって蹂躙されているという事実はありません。
その意味で、現代の日本は非常に恵まれた状況にあると言えますが、この状況が永遠に続くと考えない方が良いでしょう。
(※余談ですが、経済的側面でいえば、財務省が画策している消費税の増税が今年10月に実現すれば、日本の経済成長は間違いなく大きく損なわれますし、軍事的側面から見ても、財務省の緊縮財政主義が国防を損ねるということになっては元も子もありません。)
いずれにせよ、「国益の追求」は古今東西あらゆる国に当てはまるものであり、日本も国家である以上、その鉄則から逃れることはできません。
人間関係は「利害」と「価値」
この「国益」を追求するためには、たとえ嫌な国であっても、お付き合いしなければなりません。
たとえば、ロシアは日本の固有の領土である千島列島や樺太を不法占拠して居座り続けていますし、「サハリン2」プロジェクトのように、日本企業との約束を勝手に反故にしている、まことにけしからん国です(2014年にはウクライナ領のクリミア半島を併合したことで、国際的に強い非難を浴びています)。
ただ、ロシアはこんな不快な国ではありますが、それでも、地政学的には中国に対する相互牽制上、ロシアとの関係を無視するわけにはいきませんし、ロシアは資源大国でもあります。
また、中国は日本固有の領土である尖閣諸島に対する領有権を主張しているほか、海域における日本の権益を侵犯したり、日本の首相が靖国神社に参拝すると文句を付けてきたりする、極めて不快な国です。
しかし、中国はロシアとの相互牽制上、無視できない国でもありますし、また、北朝鮮や韓国に対する圧力を加えるうえでは、中国との関係をうまく利用する方が良いという側面もあります。
人間関係に例えてみれば、たとえイヤな人間であったとしても、職場の上司とはうまく付き合って行かなければならないのと同様、日本にとって不快な国であっても、国益を最大化するために必要ならば、イヤな国ともうまく付き合って行かなければならないのです。
ただし、外交の世界で「利害関係」というと生々しすぎるので、一般に「利害関係」ではなく「戦略的利益」と呼びます。
ただし、人間というものは、パンのみのために生きるわけではありませんし、人間関係でいえば、ウマが合う人とは利害関係を越えてうまく付き合えるという側面がありますが、実は、国と国との関係にもまったく同じことがいえます。
たとえば、日本は自由主義、民主主義、資本主義、平和主義、法治主義、人権尊重などの価値観を大切にしている国ですが、まったく同じ価値観を持っている国とは仲良くできます。その典型例は、アメリカ合衆国や欧州連合(EU)加盟各国でしょう。
また、日本には悠久の歴史を持つ皇室があり、天皇陛下は国民から深く敬愛されているのですが、日本と同じく君主を戴く立憲民主主義国家である英国とは、基本的な価値に加え、皇室・王室を戴くという点でよく似ており、その意味では国民レベルで非常に深く共感できる相手国でもあります。
つまり、国同士が仲良くするという意味では、
- 戦略的利益:国益のためにその国と仲良くしなければならない場合
- 基本的価値:国益を度外視しても、その国と共感できるものが存在する場合
という、2つの要因があるのです。
中国との関係は「価値」ではなく「利益」
そこで、キーワードが1つ浮上します。
それは、「戦略的互恵関係」です。
「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明(2008/05/07付 外務省HPより)
日中両国は、今から11年前の2008年5月に、当時の福田康夫首相と胡錦濤国家主席の間で、「戦略的互恵関係の包括的推進」で合意しました。これは、ごくわかりやすくいえば、「国益が合致する分野では協力しましょう」という宣言です。
考えてみればよくわかりますが、日本と中国は基本的な価値をただ1つも共有していません(図表)。
図表 日中は価値を共有するか?
項目 | 日本 | 中国 |
---|---|---|
政治体制 | 立憲民主主義国 | 共産党一党独裁 |
言論の自由 | 自由主義 | 全体主義 |
戦争に対するスタンス | 積極的平和主義 | 積極的侵略主義 |
社会正義 | 法治主義 | 人治主義 |
人権 | 人権尊重 | 人権無視 |
(【出所】著者作成)
基本的なところで共感できない国と、仲良くできるはずなどありませんが、それと同時に、日本の国益を考えるならば、中国とは「断交」するわけにもいきません。中国にとっても事情は同じであり、日本と基本的な価値を共有していない一方、日本と断交してしまうと、中国にとって(とくに経済面で)困ってしまいます。
だからこそ、日中双方は基本的価値に踏み込まず、表面的かつ利害関係だけのお付き合いを行うのが正しいのです。
そういえば先日、日本の新元号に対して中国の外務省報道官が「特段コメントしない」と述べた、という話題を紹介しましたが(『新元号巡り韓国メディアが起源主張? 中国の反応は対照的』参照)、これなどはまさに理想的な日中関係といえるでしょう。
もし日中両国が基本的価値を共有している国であれば、同じ漢字文化圏として、中国からは「新元号に対する祝賀」くらいの反応があっても良いと思いますが、そもそも論として基本的価値を共有していない以上、「ノーコメント」というコメントこそが、理想的な反応だといえるのです。
中国以外にも成り立つ軸
価値と利益の共有尺度
こうした「価値と利益」の関係は、あらゆる国について成り立ちます。
たとえば、世界には日本にとって「価値を共有している国」、「利益を共有している国」がありますが、この2つの評価軸を持っていれば、どの国と仲良くして、どの国と疎遠にするか、あるいはどのような関係を構築すべきかについて、判断しやすくなります(図表2)。
図表2 価値と利益の共有尺度
価値を共有する | 価値共有しない | |
---|---|---|
利益を共有する | ①基本的価値と戦略的利益をともに共有する国 | ②基本的価値を共有しないが戦略的利益を共有する国 |
利益共有しない | ③基本的価値を共有するが戦略的利益を共有しない国 | ④基本的価値、戦略的利益をともに共有しない国 |
(【出所】著者作成)
①基本的価値と戦略的利益をともに共有する国
例:米国、英国、豪州、カナダ、ニュージーランド、フランス、台湾、インド、ASEAN諸国の多く
②基本的価値を共有しないが戦略的利益を共有する国
例:ASEAN諸国の一部(ベトナムなど)、中国、ロシア
③基本的価値を共有するが戦略的利益を共有しない国
例:ドイツ、イタリア、ギリシャ
④基本的価値、戦略的利益をともに共有しない国
例:韓国、北朝鮮
どの国と仲良くするか?
ただし、図表2で示した「価値と利益の共有」という点については、残念ながら、全世界の国と成立するわけではありません。全世界のすべての国と等距離でお付き合いするわけにはいかないのです。
では、先ほどの図表2に示した①~④の象限において、どの国と仲良くすべきでしょうか?
優先順位を付けるならば、まさに①、②、③、④でしょう。
日本が一番大切にすべき国は①の「基本的価値と戦略的利益を共有している相手国」であり、具体的には米国を筆頭に、英国、豪州、カナダ、NZなどの海洋諸国や、インド・太平洋に利害を持っている民主主義国家(フランス、台湾、インドなど)です。
一方、日本が極力、距離を置くべき相手国は、④の象限(具体的には韓国と北朝鮮)です。いや、「距離を置く」というよりも「管理する」、というべきでしょうか。
これに対し、②と③については、日本の国益を最大化するために必要な範囲で、最低限のお付き合いをする(あるいは距離を置く)、というのが正解でしょう。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、2012年12月に第二次安倍政権が成立してから、すでに6年3ヵ月が経過しました。
私自身、安倍政権に100%満足しているわけではありませんが、基本的には長期政権は外交上のポジションを高める役割があります。実際、中国が日本との間での「戦略的互恵関係」の追求に舵を切ったことも、日本にとっては非常に良い変化です。
もちろん、相手が中国のことですから、気を抜いたら日本を出し抜こうとして来るに違いありませんし、台湾海峡の安全は日本にとっても看過できない問題点です。
表面上は中国との関係を良好にしながらも、水面下ではチベットやウイグル、香港などの独立派を支援する、台湾やインドとの関係を強化する、といった対応が重要でしょう。つまり、日中関係とは、テーブル上でにこやかに握手しながら、テーブルの下では相手の足を蹴っ飛ばすくらいでちょうど良いのです。
おりしも日中間では、昨年、日本にとって非常に大きな恩恵がある「日中為替スワップ」協定が締結されました(『日中スワップと日印スワップ、性質も目的もまったくの別物』参照)。
(どうでも良いのですが、これについて冒頭の中央日報は相変わらず「日中為替スワップ」ではなく、「日中通貨スワップ」と誤報を続けているようです。)
中国も日本に対し、程永華(てい・えいか)現駐日大使の後任として、同じく「日本通」の人材である孔鉉佑(こう・げんゆう)外交部副部長を大使として派遣してくるようですし、中国政府なりに「日本に対する配慮が反映されている」(中央日報)のは間違いないといえるでしょう。
日中関係を巡っては、油断は大敵ではありますが、それでも「戦略的互恵関係」を追求するために、閣僚を6人も派遣するという日本政府の今回の判断については、とりあえずは歓迎しつつも静観したいと思います。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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おはようございます。日々の更新ありがとうございます。
主文に同感いたします。
尖閣諸島を巡る対立、珊瑚乱獲問題、レアアース輸出規制などで険悪だった日中関係は、ここ数年は一定の距離感を保ったまま沈静化しています。(尖閣問題は好転の兆しはありませんが。)
日本が中国と一衣帯水の関係を築くことで、米中の覇権争いに巻き込まれ、中国と共に沈むというシナリオはあり得ません。主に経済分野での交流を円滑に保ちつつ、政治・軍事的には別の陣営であることを相互が認識している関係が、現実的に最適です。
ともすると、無批判無前提にどこの国とも仲良くしたがる日本人ですが、ようやく条件付きで仲良くなった振りができるようになりつつあると信じたいものです、
まず、己の利益を優先するために表向きはチベットやウイグルの熾烈な弾圧、虐殺、陵辱には非難どころか言及しないなんて、極めて情けなくて卑怯だと思いますよ?日本がそんな国になっていいんですか?
それに戦略的互恵関係だなんて、オバマ政権支持者ですかね?ここの筆者の方は朝鮮を叩くのは威勢が良くても、その後ろに控える中共の危険性には追求が奮わないみたいですね。グローバリストの感性を感じます。
中国人に弱み握られてますか?あるいはその関係者の方ですか?面白いブログであっただけにこの投稿内容は非常に残念です。NHKと同じことしてますよ?
当たり前ですが、インターネット上のコンテンツもまた、無料匿名であれ閲覧数が多ければ世論形成の道具になると改めて思いました。
> 己の利益を優先するために表向きはチベットやウイグルの熾烈な弾圧、虐殺、陵辱には非難どころか言及しないなんて、極めて情けなくて卑怯だと思いますよ?
それは仰る通りですね。現在の日本政府の姿勢は、チベットやウィグルの人々の人権よりも、日本の国益優先だと思います。
ところで現在、熾烈な覇権争いを続けている米中関係は、日中関係よりも遙かに剣呑ですが、チベットやウイグルの熾烈な弾圧、虐殺、陵辱に対して、それを前面に押し出して対立していますか? NHKと同じですか?
イギリスはどうですか? ドイツはどんな態度ですか?
なぜ前面に出す必要があるんです?言わなければならないことを言うだけでしょう。それに他国がどうしてるかなど関係ありますかね?
おと人権問題という言い方では何が起きているのかよく伝わらないと思いますが。中国人に配慮した表現ですね。
これはちょっと純朴すぎる意見だと思うが。チベット・ウイグル問題は多分西側社会で認識されているような重大な人権侵害、ないしはジェノサイド的レベルのものだとは思うが、情報の出所はおもに亡命組織が現地の連絡者からえたとしているもの。色がついてないと断言はできないし、正確なところを知ろうとジャーナリストが潜入を試みるなんて、IS支配地に行くのと同程度にやばい。つまり、証拠を巡っての言い争いになれば、南京30万人大虐殺だの、従軍慰安婦20万人強制連行だのと、大して変わらないレベルの話になってしまう。すねに傷をもつのは百も承知の上で、とりあえずは暴かずにおくというのは大人の対応。相手だってこの頃南京事件の話はあまり持ち出さなくなったしね。日米豪印の対中牽制が狙いの太平洋インド洋戦略を明確な形にした上で、融和的姿勢を見せるのは、リスク管理上必要な一戦術ということなんでしょう。相手も日本を籠絡できるなんて甘い認識は持てないだろうし、国際社会からも、例えばイタリアがやらかしたように、チャイナマネーに膝を屈したなんて悪評を立てられることはないと思うよ。
匿名さんへ
ジャイアンとツネオで、
対応が変わるのは当然だろ
ジャイアンには、包囲網で対応するしか無い
ってだけのコトじゃん
議論がしたいなら、aaaでイイからHN付けな
スネ夫では・・・。
あとジャイアンなら母ちゃんを呼んでくるか、映画版を待つという手が。
りょうちんさんへ
>映画版を待つ
wwwwwwwwwwwwwww
中国には5千年(たかが韓国の半分ですがww)に亘って培ってきた商人国家としての価値感と合理性があります。
これは手強い駆け引きはするものの、契約などと言う概念は現在の欧米流に繋がるものを持っていると言うことです。
従ってビジネスパートナーとして付き合う分には何の違和感も無いと思います。職人国家である日本としては遣り難い相手ですが、理屈は通ります。
共産主義と言う変なものさえコントロールしてやれば、日中間も是は是、非は非とした関係が構築できる筈で、国際的にもその大きさに見合う役割を果たしてくれると思います。
この点、理屈の通じない半島の2国家とは違います。
日中友好から戦略的互恵関係に移行し、今後中国の経済圏に巻き込まれないよう距離間を保つこと重要との考え方に賛同します。
人権の問題に関する提起ですが、深く付き合うつもりであれば、非難する必要がありますが、深く付き合うつもりがなければ、非難は不要と考えます。人権を軽視する国家はアフリカ諸国に多数存在しますが、いちいち避難などしていません。その程度の国と割り切り国際世論に合わせ声を上げる程度で十分と考えます。
>基本的には長期政権は外交上のポジションを高める役割があります。
APEC
https://www.youtube.com/watch?v=P_3s6evF0KI
G20
https://www.youtube.com/watch?v=cHbBoEoGDlU
日本のリーダーがこういう風にムンムンみたいになるのは二度と嫌ですね
でもムンムンはそのまま頑張れ。積弊反動愚民に負けるな
うるせえ愚民はKCIA(死に体)がキミの家に来るぞ
先日、日中ハイレベル経済対話に先立つ次官級協議が行われましたが、そちらを見てみると今度の閣僚対話の目的が見えてくるのではないでしょうか?
https://tenttytt.hatenablog.com/entry/2019/04/06/141252
中国について、価値観を共有しない相手と断定するのではなく
国際社会で活動するにふさわしい国家になってもらうため、最低限の国際慣行を中国に身に付けて貰おうとしているのではないかと。
鬼首取乃介さんへ
>最低限の国際慣行を中国に身に付けて貰おう
無駄
福沢翁が100年前に無理だと看破した
鞍馬天狗 様
国家の本質が変わらなくても、表面上国際慣行を守るメリットが生じるなら、それを理解は出来ますよ。守るかはともかく。
まして本質が変わらない国が相手だからこそ、「守らせるよう交渉すること」「守らないときは交渉を前向きにしないこと(を各省庁に守らせること)」は日本政府にとって重要なのではないかと。
「最低限の国際慣行を守らせる」なんて、そうした行為の積み重ねの上、幸運に生じるものです。
鬼首取乃介さんへ
>表面上国際慣行を守るメリットが生じるなら、
つまりは、
約束を守らなくてもディメリットを感じなければ
直ぐに約束を反故にする輩ってコト
立場が変われば直ぐ、メカゴジラ並の手のひら返し
福沢翁が言ってるのは、そういうコト
鬼首取乃介様
>価値観を共有しない相手と断定するのではなく…、中国に身に付けて貰おうとしている云々
の下り。文章前半部分には同意するが、後半部はなんだか日本が教え導いてやるみたいなニュアンスが感じられて、ちょっとオイオイと言いたくなる。かの国には「君子和而不同小人同而不和」の言葉があるが、和して同じちゃう傾向が強い日本人に比べて、良質部分はものすごく多様多彩。こちらが教えを請いたいくらいインテリジェンスの高い人も大勢いる。先日来の日本の改元に関わる中国ネットの盛り上がり、その質の高さ(一部ではあるが)を見ると、文化の基盤を根こそぎ破壊し尽くした文革の後遺症から、中国はようやく抜け出したんだなと感じさせられた。少し前、京都、奈良を旅行した多くの中国人が「我々が失ってしまった大唐長安の文化がここにある」等のコメントを付けて、本国に写真を送っている、という記事があった。精日なんて非難され、中国政府から危険視されるに至っているこうした人たちが、急速に増殖中とのことだから、日本人との価値観の共有は将来十分に可能じゃないかと力づけられる。中国人というのはピンからキリまで格差の大きさたるや、また半端なものじゃないんだが、いつまでも反日暴動をやった連中や、旅の恥はかき捨て的振る舞いで顰蹙を買う海外旅行者なんかが中国人の平均像と決めつけ続けていると、判断を誤ることになると思う。
中国ウォッチャーと称する人達の多くは、共産党指導部内の権力争いだの、国内の言論、人権抑制とセットになった軍備拡大、海外膨張政策だのと、同而不和の部分にばかり焦点を当てがちだが、こんなやり方はやがて壁に突き当たる。そのとき、良質部分が国内で十分大きな勢力にまで育っている可能性も排除できないし、日本人としては頭から中国人を否定するより、そうした人たちを力づけていくのが得策じゃないだろうか?
ところでかの隣国は大学進学率70%を誇ってるんだが、こちらの方は知的水準がどんどん低下する一方というのはなんでだろうね(これは蛇足)。
鞍馬天狗 様
伊江太 様
返信遅くなり申し訳有りません。
私は鞍馬天狗さんのように、結局掌返しをするのは目に見えてるのだから、中国政府に国際慣行を身に付けるよう働きかけをしても無意味とは思えませんし、
伊江太さんのように、中国国民や企業レベルでのインテリジェンスは侮りがたいとはいえ、
中国政府に封殺されたり、逆に国家権力やOECD非加盟という特性を利用する輩に変節せず、
彼らが中国という国を真っ当に動かしえるだけの力を持つためには、国外からの働きかけなんて期待するほど効果はない、とも思ってません。
……ただし、元々自分の考えは
「日本の国益のためには、中国に表面的・一時的にでも国際慣行に従わせるよう働きかけをすべき」という事ではなく、
「次官級協議の前回からの変化を見ると、表面的・一時的にせよ、まずは中国政府に対して国際慣行に従う態度を
『日本政府が求めているように見える』」ということなので。
個人的にはむしろ、前回からの変化の理由とか、
前回の頃の方が総理の対中姿勢硬めだったのに、閣僚級経済会合では前のめりだったのは何故なのか、とか
そういった辺りが興味の対象だったりします。
実際には何も改善などしていない日中関係。困ったときにいつも利用されるお人よし日本。
日本も苦しいのでしょう。
もしも、もしもですが、第三次世界大戦があったならば、日本は中共とロシアの両面から攻められる可能性が強い。こうなれば日本は、第二次世界大戦時のフランス、オランダ、ベルギーなどの運命をたどることになるでしょう。
いかにアメリカの助けがあったとしても、限界があります。イギリスもダンケルクからほうほうの体で撤退したように、アメリカも態勢が整うまで撤退する可能性が無いとは言いきれません。
アメリカがロシアを執拗に責める以上、リスクヘッジをしておかなくてはならないと思います。
中共も全世界のメディアからナチスのように言われて苦しい。舵取りを間違うと、全世界から攻めこまれる。
そこで、日本だけでも味方につけることができたならば、と考えるのは当然でしょう。また、当然のことをできるシナ人もなかなか油断ができないものです。
同じテーブルについてにこやかに握手をするのもいいのだが、その下では向う脛をコツコツと執拗にけられ続けています。そのうちポキッと折れてしまうかも知れませんね
実効支配の情勢変更を狙い、最近尖閣での領海侵入がエスカレートしてきている。
3-3-2フォーメーション → 3-4-2フォーメーションに
3=3回/月
4=4隻のCHN海警艦船
2=2時間
日本の海保も同じフォーメーションで対応しなければならず、スクランブルの頻度も増して自衛隊とともに少ないリーソースの中でやりくりしている。
オバマ政権下では「尖閣諸島を含む施政下の日本領土は、日米安保条約の対象である」との発言のみであったが、2017年にトランプ政権下で安保5条に尖閣諸島を明記された。但し、日本の施政下から外れた場合はその限りではない、しかも安保5条の発動には米国議会の承認が必要です。
もし、領海侵犯が常態化し、スクランブルもかけられずに制空権も取られてしまったなら、米軍は日本の施政権が及んでいないとの判断のもと米軍のバックアップが得られれない可能性が高くなります。
北京の中共は、絡めても含め謀略戦が得意です。沖縄の自主独立を資金面や工作員を送り込んだりして画策しているようです。
毎日楽しく拝読しております。
6人もの閣僚の訪中について、私は少々懸念しております。
米中貿易戦争が佳境に入ってきています。アメリカは今後の世界覇権を絶対に中国に渡せないため、自国の経済にかなりのダメージを被ると分かっていても、この戦争に勝つために、知的財産権問題や貿易不均衡問題で譲歩せず、結果、貿易交渉は決裂に近い形で決着し、対中関税を維持することになると思います(知的財産権問題では中国も譲歩は出来ないと思っていますので。)。ま、上記の私の結果予測はともかく、そんな状況で、日本がアメリカの主敵である中国に6人もの閣僚を送り込むと、アメリカからはどう見られるでしょうか?とんでもない裏切り行為と見られていなければいいのですが。
私は何もアメリカ追随を支持しているわけではありません。現在の日本の主敵は、尖閣・沖縄を侵略しつつある中国一国であって、中国に戦わずに勝利するにはアメリカと距離が開きかねない行動を起こすのは得策ではないと思っているだけです。そして、中国を国際的に孤立させる方向に徐々に持っていくことが肝要と考えています。
今、日本に対して侵略しつつある国は、実は中国一国のみです。ロシアとは領土問題があり決して気を許してはならない相手ではありますが、現状北方領土を実効支配していて満足しています。それ以上日本に対して侵略する意図は現在のところありません。であれば、日本はアメリカのほか、ロシアを当面の味方に付ければ、中国は北東アジアで事実上孤立します。沖縄はおろか尖閣にすら手を付けられなくなるでしょう。これは、フランスの戦略家ルトワック氏の主張です。また、国際関係ジャーナリストの北野幸伯氏も同様に主張されています。ちなみに、北方領土問題について、北野氏は棚上げが上策との主張です。
こうして中国を孤立させ、経済的な破壊を促進していけば、いずれ共産党独裁政権は倒される、との見通しを抱いているようです。なお、北野氏は韓国についても言及されています。「腹が立つ国だが、少なくとも表面的には同盟関係を維持しないと、日本破滅を狙う習近平の思う壺である。」とのこと。私も概ね北野氏の主張に賛同します。
というわけで、私は今回の閣僚の大量訪中には懸念を抱いています。
埼玉県在住のTOM
埼玉県在住のTOMさんへ
逆に、
米国の腹が座ってない様に見えるんだよね
米国が日本にハッキリと、怒って見せれば
良いだけなんじゃないんかな?
米国が本気だとなれば、日本国内の媚中派
なんか簡単に一掃出来るし
マスゴミも政治家もメカゴジラ並に手のひら返し
になると思うけど
最近安保理改革とか常任理事国入り工作はやっていないようだけど 激動の時代こそいい機会だと思う。もちろんコクレンとか安保理などに対する「信仰」は持っていないが悪用するにはいい機関ではある。(日本以外はみんな悪用してるよね)そもそもチャイナの常任理事国入などもドサクサ紛れだからね。見習うべきだ。チャイナとの関係改善が進んでいると言ってるのなら「安保理入りを応援してくれ」と言う無茶振りくらいやってくれよ 河野君。
中国は「戦略的利益を共有するかとが可能」、韓国は「価値も利益も共有できない」という点は完全同意です。
イタリアの位置についはどうかと思いますが。。
なお「戦略的利益を共有する」については、「戦略的利益を共有する、もしくは損失を合理的に回避することが困難」、という表現に替えても良いように思います。
韓国、北朝鮮との関係を踏まえると。。
なお安倍首相は貴殿の説に沿って外交を行っている、もしくは行おうとしているものと思われます。
韓国については当初は「基本的価値を共有し、戦略的利益も共有する」と勘違いしていたようですが、昨今ようやく親韓傾向の強かった安倍首相も目覚めたのでしょう。
また中国のチベット等に対する人権うんぬんという主張を他の方がされていますが、国益を追求する政治家である限り、その人権問題が日本国にとって影響があるか否かで判断すべきであり、
その点で、北朝鮮の拉致問題や韓国の日本に対する一方的な言いがかりといった、日本人に対する人権問題をより問題視するべきでしょう。
また尖閣諸島については現状日本が実行支配していますが、竹島は韓国が米軍(つまり実質国連)の意向を無視して当時の日本人島民を殺害し一方的に占領したという点で、中国よりはるかに敵対的であると言えるでしょう。
中国は好き嫌いは別にして強大な国であり、日本として敵対するのは得策ではありません。
特に経済的には相互補完関係にあるのは事実であり、従って経済界は中国融和政策を望んでいます。
またアメリカに対する牽制という意味でも、上手く中国とつかず離れずの関係を維持するには有益でしょう。
当然ながら、アメリカと敵対しないよう上手い外交が必要でしょうが。。