韓国外交の失敗と韓国社会の崩壊を徹底的に議論してみる
韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)大統領が訪米しましたが、ドナルド・トランプ米大統領は文在寅氏の目の前で、「米朝首脳会談は見送るかもしれない」と言い放ち、文在寅氏のメンツは丸つぶれとなりました。これは明らかな韓国外交の失敗です。ただ、どうも私には、韓国外交が失敗した理由が文在寅氏1人にあるのではなく、歴代韓国政府が続けてきた反日教育にあるとしか思えないのです。
目次
哀れなピエロの国
一昨日の『【夕刊】米WSJ、珍しく韓国大統領訪米を取り上げたが…』と昨日の『【速報】トランプ大統領「米朝首脳会談延期もあり得る」』の2本の記事は、実は「セットで読んでいただきたいもの」です。
韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)は米国を訪問し、現地時間の21日(月)の夜(日本時間の火曜日早朝)、ドナルド・トランプ米大統領と会談を行いました。これについては、文在寅氏が米国に到着したときの様子から、米国のメディアが大々的に取り上げています。
米国のメディアは、普段だと韓国の大統領が訪米してもニュースでまったく取り上げず、無視することが一般的です。しかし、今回はWSJなどの米国メディアが文在寅氏の訪米を大きく取り上げたこともあり、韓国のメディアからは不思議な高揚感まで漂ってきていました。
この不思議な高揚感の正体とは、いわば、「米朝両国の首脳会談の機会を提供したのはわが韓国だ」、「米朝首脳会談が開かれない可能性が高まっているから、韓国が『仲裁役』を買って出ている」、という、「謎の運転席理論」です。
ところが、こうした韓国側の高揚感は、木端微塵に吹き飛ばされます。というのも、トランプ大統領自身が、「北朝鮮との首脳会談自体、実現する可能性はフィフティ・フィフティだ」と述べ、韓国側の期待を完全に破壊したからです。
何のことはない、韓国は最初から「運転席」になど座っていなかっただけのことです。そして、このトランプ氏の発言により、「韓国は最初から運転席になど座っていなかったこと」を、韓国国民は全員、嫌というほど見せつけられたに違いありません。
もちろん、ここは現実が見えていない韓国人のことです。「私たち韓国こそが運転席に座っている」という幻想を感じていたいという気持ちが勝るならば、トランプ氏の発言も「見なかったこと」にする可能性は十分にあります。
しかし、私の目には、どうも韓国人が「二股外交」のとても高いツケを、近いうちに支払わされるのではないかとしか見えないのです。
韓国にとっての「幸せ」
国家の2つの目標とは?
さて、当たり前の話ですが、およそ古今東西のありとあらゆる「国家」には、究極的には、たった2つしか目標がありません。それは「国民を飢えさせないこと」と、「国民の生命と安全を守ること」です。もう少し専門的な用語でいえば、「安全保障」と「経済発展」です。
たとえば、常に命の危険にさらされているような状態だと、まともに経済活動を営むことなどできませんし、そもそも生活が成り立ちません。外国が軍事侵攻して来たら、その国は武器を取って立ち向かわなければ独立を維持することなどできません。
しかし、仮に外国が攻めてこなくても、国自体が貧しく、国民が食うや食わずの状態になっていたとしても、生活は成り立ちません。人間が人間らしく文化的に生きるためには、ちゃんと国民のための食糧や工業製品が行き渡る仕組みを整えなければなりません。
この2つができてこそ、初めて「国家」なのです。
日本の場合は、戦後70年あまりで、確かに経済発展には大成功しました。これは日本政府の通商産業政策が良かったからなのか、それとももとから日本人が優秀で勤勉だったからなのかは、諸説あるかもしれません。しかし、事実として現代の日本では、そこそこ努力していれば、そこそこ生活していけます。
しかし、国防については、日本は間違いなく、疎かにしてきました。たとえば、ポツダム宣言受諾「後」、日本が事実上、ほとんど無抵抗の状態に置かれているのを見計らい、ソ連(現・ロシア)が日本領だった南樺太や千島に攻め込み、その全域が占領されてしまいました。
また、韓国は日本領の竹島を不法占拠していますし、その不法占拠の過程で、韓国側の仕掛けた戦闘行為で日本人の尊い命が奪われています。同じ朝鮮民族の国・北朝鮮は日本に対して、無辜の日本人を日本領土内で誘拐し、北朝鮮に連行するという犯罪まで働いています。
余談ですが、私は日本国民の1人として、1日でも早く、日本がまともに自力で国防できるようになってほしいと思っていますし、そのために、当ウェブサイトとしても、改憲議論を民間側から盛り立てていくことに微力を尽くしたいと考えているのです。
韓国にこれを当てはめると?
さて、この「国家の2つの目標」、国家であればありとあらゆる国に成立します。当然、韓国にとっても、この2つの目標は非常に重要です。
さて、独立直後の韓国は、どういう状態だったのでしょうか?
韓国(大韓民国)は1948年に米国の軍政から独立しました。大日本帝国の統治下で交通インフラや産業基盤などはしっかりとしていたものの、工業地帯や大規模な発電所は38度線の北部に取り残されており、北朝鮮側は韓国側に対する送電をしばしば停止するなどの嫌がらせをしていました。
また、大日本帝国時代には「日本の一地方」として栄えていたのですが、その後、1950年に朝鮮戦争が勃発。当時の大統領・李承晩(り・しょうばん)は国民を捨てて真っ先に逃げ出し、首都・京城(ソウル)は北朝鮮に奪われ、国連軍に奪還され、戦線が南北を行ったり来たりします。
この朝鮮戦争を通じて国土は荒廃してしまいます。
それだけではありません。米軍が主体の国連軍によって国を回復してもらったものの、李承晩政権下で韓国は経済が停滞。独裁体制下で民主化運動は弾圧され、「日帝」の遺産で豊かな北朝鮮と比べ、韓国はぼほ世界の最貧国という状況になってしまいます。
しかし、1965年に日韓国交正常化が行われ、あわせて韓国軍が米軍に協力する形でベトナム戦争に参戦したことで、貴重な外貨が朝鮮半島にもたらされ、韓国経済は息を吹き返すことになります。そして、日本からの莫大な技術移転等により、いつしか韓国は経済面で北朝鮮を凌駕。
さらには経済開発協力機構(OECD)に加盟するなど、(実態はともかく)名目上は「先進国」入りし、東南アジア諸国などを見下しています。
この事例からわかるとおり、韓国にとっての課題は、純粋に次の2つです。
- 米国との軍事協力を維持し、北朝鮮などから国土を防衛すること
- 日本との経済協力を維持し、国民経済をいっそう発展させること
地政学的に見て、「武力で現状を変更しようとすることをいとわない国」が、韓国の北部に3つあります。言うまでもなく、北朝鮮、中国、ロシアの3ヵ国です。韓国のような小国であれば、米軍の守りがなければあっという間に消滅してしまいます。
また、1965年以降の日本からの莫大な経済支援と技術移転により、韓国の主要な産業規格は「日本仕様」となっています。日本からの資本財の輸入が止まれば、その瞬間、韓国の産業は活動を停止することになりかねません。
韓国は何をすべきだったのか?
言い換えれば、韓国は軍事面では米国と、経済面では日本と、密接に協力していかなければならない国なのです。そして、日米両国のバックアップがあってこそ、安全保障と経済発展という、「国家としての基本的な2つの目的」が効率的に機能するのです。
したがって、私が韓国の大統領だったとすれば、まずは日米両国(とりわけ日本)との関係を何よりも最優先にするでしょう。とくに安全保障上は、米国との軍事協力を密接にしつつ、間接的な同盟国である日本とも信頼関係を醸成し、可能であれば日韓軍事同盟まで締結すべきでした。
そして、国内の産業、軍事基盤を固めたうえで、まずは「北朝鮮との統一」という「民族の悲願」を達成する作業に取り掛かるのです。具体的には、韓国が急激に経済発展した1980年代、ソ連が崩壊した直後の1990年代こそが、南北統一の最大のチャンスだったのです。
そのためには、北朝鮮がいかに極悪非道な国家であるかを全世界に対して宣伝し、「日本人拉致問題」を抱える日本とも積極的に協力し、米国の力も借りて、まだ経済的には弱小国だった中国やロシアに圧力を掛け、金王朝を倒して北朝鮮を統一すべきでした。
統一費用については、当時アジア最大の経済大国だった日本から、有償・無償の支援を引き出して賄うこともできたでしょうし、統一後の旧北朝鮮には、まだ日本統治時代のインフラも現役で機能しているだけでなく、同じ朝鮮語を話す、勤勉(?)で安価な労働力もたくさん存在していたはずです。
つまり、1965年の日韓国交正常化以降、韓国が「国として当たり前のこと」をやっていれば、いまごろは朝鮮半島に人口7000万人の「大韓民国」という統一国家が出現していたはずなのです。
上記をまとめると、
- 韓国が最も大切にすべき友好国=米国、日本
- 韓国にとっての最大の仮想敵国=北朝鮮
- 韓国が十分に警戒すべき相手国=中国、ロシア
ということです。この構図を絶対に忘れないでください。
韓国が実際にやってきたこと
徹底した反日
では、実際に韓国がなしてきたことは、いったい何だったのでしょうか?
端的にいえば、「まったく軍事的な脅威をもたらさない日本を敵視し、現実の軍事的脅威である中国や北朝鮮に近寄る」という「コウモリ外交」です。また、その過程で、韓国を守ってくれている米国を苛立たせましたし、米国に対しては「恩知らず」としか形容できないような所業もあったようです。
そして、これらのうち、最も罪深いものは、「徹底した反日」です。
朝鮮半島は、1910年の日韓併合以前は「古代と何ひとつ変わらないような、地を這う生活」をしていました。それを、日韓併合後、日本が朝鮮半島を「大日本帝国の一地方」に位置付け、莫大なインフラ投資を行い、わずか35年の統治で一挙に近代国家に作り上げたのです。
日本は朝鮮に、道路、鉄道、港湾、上下水道、学校、病院などの物理的インフラはもちろん、教育、通貨・法制度、その他、ありとあらゆる「文明」をもたらしたのです。私自身も日本人の1人として、「韓国・朝鮮人は、それこそ日本に対し、ヒトコトくらいは礼を言うべきだ」、と言ってやりたい気持ちもあります。
もちろん、私たち日本人の側から、「日本は朝鮮半島に良いことをしてやったから感謝しろ」、と強要することは間違っています。それに、相手はすでに立派な独立国を持っており、その相手国が自国民に対し、どのような教育を施すのもその国の自由です。
ただ、だからといってウソ・捏造を教え込んで良い、というものではありません。朝日新聞社が捏造した「従軍慰安婦問題」をはじめ、現在の韓国では、日本がいかに極悪非道な国だったかを国民に繰り返し刷り込んでおり、その結果、韓国では「日本は過去に韓国に悪いことをした」と信じられています。
それだけではありません。韓国はそのウソを、全世界に広めようとしているのです。つまり、韓国とは恩知らずであるどころか、日本を逆恨みし、日本を貶めようとしている国なのです。
日本はそんな韓国と、実に我慢強く付き合い続けて来ました。しかし、『【昼刊】外務省、遅まきながらも韓国を「単なる隣国」に格下げ』でも紹介しましたが、現在の安倍政権は、もはや韓国を「価値・利益を共有する国」とはみなしていません。
また、『【再】日本人ビジネスマンの8割「韓国不要」ほか』や『2017年版「外交に関する世論調査」を読む』などでも紹介したとおり、いまや一般の日本国民の間では、韓国に対する友好意識よりも、不信感の方が強いのが実情です。
米国を怒らせた対中外交
ただ、韓国は日本を敵に回したとしても、米韓同盟の相手国である米国を大切にしているならば、まだ話はわかります。なぜなら、国家の目的は「安全保障」と「経済発展」だからです。
繰り返しになりますが、韓国の場合、「安全保障」は米国との同盟関係であり、「経済発展」は日本との友好関係です。仮に日本との友好関係を損ねたとすれば、中・長期的には経済発展が阻害されますが、米国との関係が良好であれば、少なくとも「安全保障」には影響は出ません。
また、米国は日本と同盟関係にあるため、米韓関係が非常に良好であれば、日本との関係を多少損ねたとしても問題ありません。なぜなら、韓国が困ったときには、米国から日本に対して「韓国に配慮しろ」と圧力を掛けてもらうこともできます。
実際、米国はオバマ前政権時代、日本に対して随分と韓国への配慮を迫ってきましたし、朝日新聞社が捏造したウソの事件である「従軍慰安婦問題」を巡っても、日本に対して「日本が折れろ」とばかりに、慰安婦合意を強要してきたという経緯があります。
そして、韓国が決定的に愚かなのは、韓国にとって最重要である同盟国・米国を、わざわざ敵に回すような外交をしてしまったことです。そのきっかけが、外交面、経済面での中国への傾斜です。まず、外交面では、1992年に中韓両国が国交正常化して以来、両国の交流は拡大・深化していきます。
たとえば、故・金泳三(きん・えいさん)元大統領は、1995年に江沢民(こう・たくみん)中国国家主席(当時)の前で、日本を「ポルジャンモリ」と罵りました。これは、朝鮮語の単語で、目上の人間が目下の人間を叱りつけるときの罵倒語だと伝えられていますが、「中国の威を借りて日本を叱る」という構図は、すでに中韓国交正常化から3年目で出現しているのです。
また、自他ともに認める「保守派」だったはずの李明博(り・めいはく)元大統領も、輸出面での対中シフトを進めました。そのためでしょうか、現在の韓国は、経済のざっくり10%が中国への輸出で占められています(2015年のデータでは、GDP約1.4兆ドルであるのに対し、対中輸出高は1400億ドル)。
さらに、朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領の時代には、経済だけでなく政治的にも中国に接近し、日米両国がいまだに参加していない「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」にいち早く参加を決めたほか、2015年9月の「天安門パレード」に西側諸国唯一の首脳として参加したりしました。
2015年10月に朴槿恵氏が訪米したところ、当時のオバマ大統領は朴槿恵氏と30分しか面談しなかったほどです。あの温厚なオバマ氏が激怒するくらいですから、米国の韓国に対する怒りの激しさは、相当のものだったとみて良いでしょう。
北朝鮮に骨抜きにされた韓国
では、1992年の中韓国交正常化以降、中国と距離を置こうとした大統領はいなかったのでしょうか?
実は、いるにはいました。しかし、彼らがやったことといえば、中国と距離を置くだけでなく、絶対に仲良くしてはならない国――北朝鮮――に接近したことです。その人物とは、金大中(きん・だいちゅう)、盧武鉉(ろ・ぶげん)の両元大統領(いずれも故人)、そして文在寅大統領です。
この3人の大統領には、共通点があります。いずれも左派であること。いずれも南北首脳会談を実現したこと。そして、いずれも北朝鮮と強いつながりを持っていること、です。いや、それらの前に、「大韓民国」の大統領になってはならない人物であった、という共通点があったのかもしれません。
韓国は1988年に軍政が終了して民政移管され、大統領が普通選挙で選ばれるようになりました。このこと自体は、一般論としていえば素晴らしい話です。特に米国や欧州連合(EU)あたりは、「民主主義こそ最高の政治体制だ」と絶賛しているほどです。
しかし、民主主義には1つ、どうしようもない欠点があります。それは、「一般大衆が判断を誤れば、んでもない政権が誕生してしまう」、という点です。ちなみに日本も韓国を笑えません。2009年8月の総選挙で、有能な麻生太郎政権にNOを突きつけ、無能な民主党政権を誕生させてしまったからです。
しかも、日本の場合は民主党政権を3年3ヵ月で終わらせることができましたが(そのわずか3年3ヵ月で日本はめちゃめちゃになりましたが)、韓国の場合、1998年の金大中政権発足以来、親北派政権が実に10年も続いたのです。これで韓国社会がガタガタにならないはずがありません。
要するに、現在の韓国社会は、北朝鮮の手によって思想洗脳され、、はやドロドロに溶かされ、完全に骨抜きにされていると考えて間違いないでしょう。
韓国に待つ将来
自分で将来を決めることはできない
以前から当ウェブサイトでは、「朝鮮半島の将来」という大人気コンテンツ・シリーズを掲載しています(最新版は『史上3回目の南北首脳会談と朝鮮半島6つのシナリオ』、仮定版は『緊急更新「朝鮮半島の6つのシナリオ」仮定版』で読めますので、機会があれば是非、ご参照ください)。
ただ、これらのシナリオ・シリーズは、いずれも「朝鮮半島の」シナリオです。「韓国の」シナリオ、ではありません。なぜ私がいままで「韓国の」シナリオを更新していないかといえば、もはや韓国は自分で自分の将来を決めることはできず、「韓国だけの将来」を議論しても意味がないからです。
朝鮮半島の将来を主体的に決める国は、5つしかありません。それは、中国、北朝鮮、米国、ロシア、そして日本です。つまり、朝鮮半島に密接な利害を持つ6ヵ国のうち、韓国自身は「蚊帳の外」にあるのです。
その理由は簡単です。韓国は日本と米国を怒らせ、中国と北朝鮮の軍門に下ったからです。また、韓国とロシアの関係は明確ではありませんが、少なくともロシアが北朝鮮問題を巡って、北朝鮮に味方をすることはあっても、韓国に味方をすることは絶対にないでしょう。
コウモリ国家の自業自得
韓国がどうしてこういう状況になってしまったのかといえば、「李明博元大統領が~」、「朴槿恵前大統領が~」、「文在寅現大統領が~」、それぞれやってはならないことをしでかしたからだ、といった分析を見掛けることがあります。もちろん、これはある意味で間違ってはいませんが、原因分析としては不十分です。
正しい分析を申し上げるならば、これは「コウモリ国家の自業自得」、です。
そもそも、韓国が1948年にアメリカから独立させてもらったときに、韓国は「国としてのアイデンティティ」を持つことに失敗したのが大きな敗因といえます。本来、韓国は日帝の公正な統治に感謝しなければならなかったのに、李承晩は国民に「反日」を植え付けて国家統合を図るという、間違った選択をしたのです。
ただ、朴正煕(ぼく・せいき)政権時代に、こうした歪みをただすチャンスが訪れました。その最大のチャンスこそ、実は1965年だったのです。そのとき韓国は、「日本は過去をすべて清算した。よってこれからは日本と手を取り合い、ともに未来に向けて発展していく」と宣言し、反日教育を撤回すべきでした。
それなのに、朴正煕はこうした歪みをわざと放置。日韓国交正常化後も、韓国は日本から巨額の経済支援をむしり取りながら日本をバカにするという、人間として非常に恥ずかしい態度を取りつづけたのです。まさに「恩知らず」とは韓国のためにある言葉です。
ただ、そうした恩知らずな態度が、結局、1992年の中韓国交正常化後に、「米国をないがしろにして中国に急接近する」という、国として絶対にやってはならない行為につながり、さらには1998年以降の韓国は、「最大の敵国」であるはずの北朝鮮に巨額の経済支援を与えるという致命的ミスをしでかしました。
米国から見れば、米国にとっての大事な同盟国である日本との関係が悪化すること自体、非常に厄介な話でしたし、米国にとっての仮想敵国である中国に接近し過ぎるのは、決して気分が良いものではありません。さらに、東アジア最後の原始的独裁国家である北朝鮮に支援を与えるのは、論外です。
あっちふらふら、こっちふらふらで軸足が定まらない韓国に、米国や日本が愛想を尽かすのは、ある意味で当然過ぎる話なのでしょう。
日本への教訓
ところで、なぜ私は延々と韓国に関するお話を執筆しているのでしょうか?
それは、別に私が韓国をバカにして溜飲を下げるためではありません。韓国は日本の隣国ですし、一衣帯水の関係にあります。本当であれば、隣国同士、仲良くした方が良いに決まっています。それに私自身、日韓ハーフですし、私が朝鮮民族をバカにしたとしたら、それは自分で自分を貶めているのと同じです。
その目的は、ずばり、「日本への教訓を引き出すため」です。別に韓国をバカにして楽しむためではありません。というよりも、本当に韓国のことを考え、「本来なら韓国はこうすべきだった」と彼らの立場になってアドバイスをするつもりで記事を執筆すれば、結果的にそれは日本のためになる、ということです。
おさらいです。
- 古今東西、「国家」には常に「安全保障」「経済発展」という2つの目的がある
- どんな国もこの2つの目的と無縁でいることはできない。
- 韓国の場合、「安全保障」は米国と、「経済発展」は日本と、それぞれ良好な関係を築き上げることで達成される
- 米国との関係を良好にするためには、中国や北朝鮮とあまり深い関係になってはならない
- 日本との関係を良好にするためには、過去の歴史を糾弾するのではなく、むしろ感謝すべきである
- そのための障壁となっている中国との深い関係、北朝鮮とのコネクション、反日教育などは、ただちに是正しなければならない
私が「日本がくみ取るべき教訓」として申し上げられるのは、ここまでです。
ここから先については議論しても意味がありません。どうせ韓国が反日教育などやめられるわけがありませんし、GDPの10%にも達してしまっている中国との深い経済関係を断ち切ることできませんし、大統領自身を含め北の下僕となってしまった今、北朝鮮とのコネクションを清算することも不可能でしょう。
韓国が将来、中国の属国になるのか、北朝鮮に吸収されてしまうのか、統一朝鮮となったうえで中華属国化するのかはわかりません(これは別の論点です)。しかし、わかっていることは、日本、米国との関係が、間違いなく今よりも疎遠になっていく、ということです。
日本がくみ取るべき教訓とは、「国家の2つの目標」をしっかり見据え、経済、軍事を「車の両輪」としてしっかりと社会を運営していくことに尽きると思うのです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
< 毎日の更新ありがとうございます。
< 仰る通りWSJはじめ米メディアだけでなく、韓国のメディアは米韓首脳会談の何日も前からセンセーショナルな見出しでウキウキした昂揚感のある記事が毎日何本も出てました。でもトランプ大統領から『会談はフイフティフイフティだ』と言われて文は固まる(笑)。韓国民の反応が是非知りたいところですが、案外トランプのせいにするか、『やはり文大統領は運転席だ』と言うのか、【Mの嫌Kブログ】あたりで日本語訳して貰いたい期待があります(他のブログ名を入れましてすみません)。
< 今更、ですが韓国の大統領って歴代ロクな人いませんね。李承晩はじめ朴正煕から文在寅まで、いずれも日本を貶めて日本から経済的援助をせしめる、国民に嘘の反日教育を徹底させる。これで経済面のバックアップを取ってきました。こと日本に関しては保守系も革新系(より酷いが)も関係ありません。日本は悪い奴】がベースに組み立てられてます。そこから逸脱した親日意見は『親日』で切り捨てられ、外も歩けません。韓国より本来劣っているはずの日本人の言うことなど、まともには聞かない。いつも上から見下ろした物言い。今の8歳ぐらいから上の層は確実に『反日』です。もう、考えを親日やら普通の隣人にするのは無理です。根本的な教育を韓国で莫大な予算を付けて貰わないと、できない事です。私個人としては、日本のスグ側にやっかいな奴が居るのは良くないですが、地政学的に無理だから、この際、大人しくして貰ってればいいです。北と手打ちしても、中、米が絡むと主権争いで今は負けるでしょう。 以上。
李承晩は日韓併合時代を日本国内で日本の恩恵を体験していませんでした。
それが初代大統領になったのがそもそもの間違い。
ああ…。
韓国初代大統領 イ=スンマンねえ…。
アメリカへは、日本国籍を持つ朝鮮半島出身の日本国民(国際法上、その当時、朝鮮半島は併合により、大日本帝国(日本国)の一地方扱いだっため)として、
日本国のパスポートで、アメリカへ留学し、
そこで、反日活動に勤しんでいたからねえ!
何やってんだか?
で、戦後、初代大統領を選定するにあたり、
アメリカの眼に留まったのが、このイ=スンマンってわけ!
英語も流暢に喋れたし、反日・反共主義者だしね!
PS:
あの朝鮮戦争時に、北の進軍を恐れおののいて、半島南端のプサンまで、尻尾まいて逃げ出したヤツだし、
さらには、日本に亡命させて、そこで、韓国亡命政府を作らせろ!と、アメリカ(GHQ・マッカーサー元帥)に要求したりなんかも…。
>さらには、日本に亡命させて、そこで、韓国亡命政府を作らせろ!と、アメリカ(GHQ・マッカーサー元帥)に要求したりなんかも…。
なにしろ、「九州をよこせ」とまで言い放ったそうですからねw
スターリンでも北海道をよこせとか遠慮して言うぞ。
まあ、「お前ら俺らが死ぬ気で闘ってんのに何逃げているんだ」とマッカーサーに怒られ、帝国陸軍の薫陶を受けた偉大な白将軍には敗北主義者と罵られ、実現はしなかったのですが、そのはらいせが李承晩ラインですからねえ。
本筋と違いますがお願いがひとつ。
ニュースなどで対GDP比で貿易依存度や財閥の寄与度が出てきます。
たしかに統計の数字としてはあっていますが個人的には誤解を招きやすい表現と考えています。
GDPは一国の付加価値の総計。
一方は貿易額です。
もし、比率で影響度を示したいならば
貿易額から算出した付加価値で全体と比べたほうがいいのにそうなっていません。
金融の専門家で少々畑が違うかもしれませんが
別の機会にスワップの説明のときのように貿易の影響度の説明をしていただければうれしいです。
例として韓国の十大財閥はGDP比八割、
えっ、残りは二割しかないの?と誤解を招く。
中国への輸出額がGDP比10%、大きいのか小さいのか。
ある国では100%をこえているけどなぜだ、みたいな感じです。
とゆら 様
いつもコメントありがとうございます。また、記事につきご指摘を賜り、大変ありがとうございます。
さて、きちんと定義すると、GDPは
「消費+投資+政府支出+輸出-輸入」
で定義されます(ほかにも細かい項目がありますが、それらについては割愛します)。
このため、「GDPと輸出が統計の数値としては同一の尺度で比較可能である」という点についてはご理解ください。
そして、輸出依存度は「輸出÷GDP」、輸入依存度は「輸入÷GDP」、貿易依存度は「(輸出+輸入)÷GDP」で定義されるため、本文中で「対中輸出額がGDPに占める割合は10%だ」と申し上げた点については輸出依存度を念頭においた議論です。そして、この議論では「輸入」がカウントされていません。その理由は、純輸出(輸出-輸入)にしてしまった場合、経済へのインパクトが見えなくなってしまうからです。
ただし、厳密に議論するならば、輸出だけでなく輸入についても加味すべきであることは間違いありません。その意味では、「対中貿易の絶対値」(輸出+輸入)とGDPを比べるという手法も面白く、この場合は韓国の対中依存度はさらに大きくなります。
なお、民間企業の売上高とGDPを比較する手法については、ご指摘どおり、きわめて議論が不正確になります。なぜなら、GDPはSNAベースでの統計上の概念であり、売上高はIFRSなど会計基準上の概念であり、両者はそもそも基準も利用目的も異っているからです。
引き続き当ウェブサイトのご愛読ならびにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
新宿会計士様
ご丁寧に回答いただきありがとうございます。
大変わかりやすいです。
と、同時にもっと経済の勉強をしなくちゃと反省しています。
韓国はシンガポール、ドイツとともに外需に頼っている国です。
国際法を守りもっと国のイメージをよくすれば普通の国として過ごせるのにと思っています。
ありがとうございました。
今の韓国の国体の崩壊は、そもそも超反日で無能だった李承晩を初代大統領に据えた米国の戦略ミスであるのかもしれません。せっかく5万人以上もの米兵の命を喪いながらなんとか確保した土地。それが今や当時の敵で更にパワーアップした中国共産党の影響下に入りつつある。いったいあの際の犠牲は何だったのか?米国の怒りが解ります。だけど、そんな米国が韓国を甘やかして日本牽制のためにその理不尽なる反日を暗黙のうちに認めて来たことも厳然たる事実。今後仮に南北統一を果たした場合には、世界第2位の経済大国・中華人民共和国に支援を求めて欲しい。彼の国こそが統一朝鮮の後見人ですので。日本は改憲して自衛力を大々的に向上させる必要がありますね。ある意味、今進む一連の動きは日本自身の独り立ちへの大いなるチャンスなのかもしれません。