インタビューを読んでも見えてこない泉健太氏の国家観
立憲民主党の泉健太氏に対する長文のインタビュー記事が、『Yahoo!ニュース』に掲載されていました。ただ、大変失礼ながら、その長文記事を読んでも、野党共闘をどうするつもりなのかを筆頭に、憲法問題をどうするのか、現在の国家的な課題をどう考えているのか、なにより泉氏がいったいどんな国づくりを目指しているのか、すなわち泉氏の「国家観」について、皆目見当がつかない、というのが実情に近いでしょう。
目次
立憲民主党は何を目指しているのかわからない
立憲民主党の迷走が止まりません。
当ウェブサイトでも最近、『ジャーナリスト「立憲民主党を離党した議員の共通点」』や『泉代表提唱の野党調整進まず…各党冷ややか=時事通信』などで同党の現状について取り上げていますが、端的にいえば、立憲民主党が「何を目指しているのかわからない」(ジャーナリストの宮原健太氏)、に尽きるでしょう。
最近、岸田文雄・現首相のさまざまな失策(無意味な対韓譲歩や対財務省譲歩など)、自民党による政権公約にないLGBT法の制定など、「岩盤保守層」が自民党に失望する機会が増えていることは間違いありません。
これに加えて例の「洋上発電」汚職疑惑(※火中の秋本真利衆院議員は自民党を離党済み)に加え、「エッフェル塔議員」や「ブライダル議員」のように、どうも自民党内には規律の緩みが非常に目立ちます。
ただ、こうした岩盤保守層が、仮に自民党に失望したとして、立憲民主党に投票する可能性がどこまであるのかは微妙です。
(ちゃんとした統計ではありませんが)SNSやネット掲示板、ニューズサイトの読者コメントなどで確認する限りは、「自民党にはもう投票しない」とする失望意見は、岩盤保守層に属すると思しき人からも次々と提起されているのですが、それと同時に彼らから「立憲民主党に投票する」とする意思表明は見られないのです。
これは、なかなかに興味深い現象です。
泉健太代表に対する長文インタビュー記事
こうしたなかで、『Yahoo!ニュース』には昨日、同サイトオリジナルの記事として、ジャーナリストの森健氏が執筆した、立憲民主党の泉健太代表に対する、こんなインタビュー記事が掲載されていました。
立憲・泉健太代表「今の時代、基礎票なんてないんです」 苦悩の野党第1党、転落から「上っている段階」
―――2023/08/17 10:05付 Yahoo!ニュースより
森氏は開口一番、こう述べます。
「野党第1党である立憲民主党の代表・泉健太氏に批判が相次いでいる。解散総選挙の可能性がささやかれるなか、党の方向性が判然としないためだ」。
この、「党の方向性がわからない」という指摘は、多くの人から出て来ていますが、これはいったいどういうことでしょうか。
森氏は「▼前回衆院選で日本共産党との候補の一本化を行ったことが、逆に議席を減らす要因になったとの見方もある、▼党内からは野党候補の一本化を求める声、擁立候補数が不十分との批判もある、▼有権者からは立民がどのような社会をつくろうとしているのかが伝わらない」――と問題提起します。
こうした問題意識に立ち、森氏は泉氏に対して「代表に就任して以来の1年9ヵ月の感想」を皮切りに、次々と質問に斬り込んでいくのですが、結果的に全部で6ページにわたる長文記事となったものの、正直に申し上げればやはり「泉氏が何を目指しているのか」がいまひとつ見えてきません。
泉さん、「現実」は見えていますか?
全文を知りたい方は是非とも原文を読んでいただきたいのですが、泉氏の発言のなかには、どうも現実が見えていないのではないかと懸念されるようなものも目立ちます。
「(立民に対する支持が)回復するには一定期間かかるとは思いました。復活してきてはいるが、今もその時期は続いていると思います」。
「連合との関係は全然悪くない。非常にいいです。協力も取り付けられていて、推薦も出ています。<中略>『基礎票』の考え方は古いと私は思います。<中略>いまの時代、基礎票なんてものはないんです。<中略>候補者が地域で訴えて、賛同、信頼を得られるようにしていかないと小選挙区は勝てないんです」。
「(昨年の参院選で改選23議席から17議席へ減らしたことについて)それでも議席として野党第1党です。民主党から民進党になり、いったんゼロまで壊れたあと、旧立憲民主党、旧国民民主党が生まれてという過程を経て、いまに至っている。そこまで下がったところから上っている段階なんです」。
…。
これら以外にも、ほかにも首をかしげてしまう発言は多々あるのですが、とりあえず現在の立憲民主党がメディアなどの支持率調査で、ときとして第3政党であるはずの日本維新の会よりも低い支持率を叩き出しているケースがあるという事実を、なかば意図的に無視しているように見えてなりません。
もしこれが、「現在の私たち立憲民主党に対する支持率は低迷している」、「その原因をしっかりと分析し、有権者からの信頼を回復するように努めたい」、などと述べていれば、これを読んだ読者からの共感は得られていたかもしれません。
しかし、さすがにこの現状認識は、「逆効果」ではないでしょうか。
どんな国を作るのか?野党共闘は?国家観は?
ちなみに立憲民主党が「どこに行こうとしているのかわからない」という指摘は各所から出ているのですが、その理由は、森氏が「取り戻すという『立憲民主党らしさ』とは何でしょうか」と問いかけたことに対する、泉氏のこんな答えからも見えてきます。
「まず人を大事にする。やはり自民党政権のなかでたいへん格差が広がった。それによって元気を出せない国民が増えた。それが日本の衰退にもつながっている。では、どうするか。まず若い世代の生活支援、つまり賃上げ。次に地方の経済が回る仕組みをつくる。具体的には環境エネルギー分野や観光分野に力を入れるということだと思います」。
なんだかおっしゃっていることが、あまり具体的ではありません。
そもそも自民党・安倍晋三政権時代を通じた金融緩和の効果で、現在、有効求人倍率が各都道府県で軒並み1倍を超えていて、失業率がOECD諸国のなかでも極端に低いなかで、「格差の是正」が有権者に刺さるのかどうか――。
むしろ、国民負担率が増えて来るなかで、財務省の増税原理主義をどう抑え込んでいくかが重要ではないでしょうか?
その意味では、「増税原理主義」の宏池会に支配されている現在の自民党政権を批判するなら、「無意味な増税を繰り返したこと」を批判した方が良いのに、なぜか減税に言及しないのは不思議です(このあたり、ガソリン減税などを頻繁に主張する国民民主党の玉木雄一郎代表とは対照的です)。
また、これに関して野党共闘の行き先がどうなるのかについても、やはり見えてきません。
森氏が日本共産党などとの候補一本化、選挙調整について水を向けると、泉氏はこう答えます。
「安易に他に頼るなってこと。自分たちで獲得していかないと」。
「(国民の玉木代表は『立憲が共産と組むなら国民は一緒に調整はしないという姿勢」を取っていることに関して)別に何も思わないです。それは玉木さんの考え方」。
なんだか、肝心なところに関してははぐらかされているように思えてなりません。
というよりも、たとえば憲法について水を向けられても、次の通り、結局何をどうしたいのかがまったく見えてきません。
「(私は)いわゆる改憲派でもないですが、護憲派ではない。変える必要があれば変えます。でも、中身を聞いてもいないのに憲法改正と言うつもりもない。改憲そのものが目的ではないということです」。
結局のところ、泉氏が立憲民主党のリーダーとして、この政党をどこに引っ張って行こうとしているのかが、なによりもし立憲民主党が政権与党となったときに泉健太「首相」がどんな国づくりをするのかという「国家観」が、まったく見えてこないのです。
枝野幸男氏の時代から見えていた、不思議な公約
このあたり、「野党第1党」ということは、ひと昔前であれば「有権者が自民党にNOを突き付けたら、いつでも政権を担い得る政党」であったはずです。
前回、そもそも2021年の衆議院議員総選挙で立憲民主党が獲得したのは、定数465議席中、たった96議席であり、これに対して自民党は261議席(※選挙後の追加公認2議席を含む)で、これだとそもそも立憲民主党が政権を獲得するのは不可能ではあります。
しかし、「最大野党」としての矜持(きょうじ)があるのならば、自分たちが政権を目指し、政権を獲得した際にはどんな国にするのか、という「ビジョン」が必要でしょう。
そういえば、枝野幸男・前代表時代の立憲民主党が、政権を獲得したら実現するであろう公約の事実上の第1弾として発表したものが、どう考えても喫緊の課題とは思えないような代物だったこと(『発表しない方がマシだった?立憲民主党の政権「公約」』)を思い出します。
「枝野幸男内閣」が初閣議で直ちに決定する7項目
- 2021年度補正予算の編成
- 新型コロナウイルス感染症対策司令塔の設置
- 2022年度予算編成の見直し
- 日本学術会議人事で任命拒否された6名の任命
- ウィシュマさん死亡事案における監視カメラ映像ならびに関係資料の公開
- 「赤木ファイル」関連文書の開示
- 森友・加計・『桜』問題真相解明チームの設置
(【出所】2021/09/07付立憲民主党ウェブサイト『枝野代表が「政権発足後、初閣議で直ちに決定する事項」7項目を発表 福山幹事長会見』)
立憲民主党より「第二自民党」
大変失礼ながら、衆議院の所属議員数が10議席に過ぎない国民民主党の方が、政策提言という観点からは、立憲民主党よりも遥かに存在感があります(※ただし、当ウェブサイトとして国民民主党を公式に支持するというものではありませんのでご注意ください)。
また、日本維新の会を巡っては、馬場伸幸代表が以前、自党を「第二自民党」に例えて、一部メディアなどからは批判を浴びましたが(『「第二自民党」…悪いものでない』等参照)、これも一部の有権者の立場からすれば、むしろ歓迎すべき発言といえるかもしれません。
というのも、自民党がこの数十年、政権与党として君臨し続けているのは、結局、政権担当能力があるのがこの政党だけだからです。
冒頭でも触れたとおり、最近だと、自民党に対しては「岩盤保守層」とされる層からも批判が高まっていることは事実ですが、こうしたなか、「自民党のコピー」でも良いので、政権担当能力がある政党がもう1つ日本に存在すれば、それだけで自民党に対する牽制にはなり得ます。
すなわち、自民党のように、まずは常識が通じる人が集まり、「右」、「左」に関わらず、現在の日本にとって必要な政策を自民党並みに粛々と研究し、そうした観点から自民党にまともな質問を投げかけることができるのだとすれば、維新が「第二自民党」、国民民主党が「第三自民党」でも構いません。
もちろん、維新や国民が躍進することが、そのまま日本にとって望ましいことであるという保証はありませんが、少なくとも国会で怪文書片手に大臣を追及したり、「うな丼を食べたこと」を問題視したりするような議員が落選し、国会から姿を消すことは、間違いなく日本の国益につながります。
非常に残念ながら、泉氏の発言からは、少なくとも立憲民主党が「日本からなくなった方が良い政党である」とする感想を払拭するだけの積極的な評価ポイントが見当たらない、というのが実情に近いのかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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>いわゆる改憲派でもないですが、護憲派ではない。変える必要があれば変えます。
それ改憲派。
まー小池百合子に蹴られた連中が選挙互助会として立ち上げた政党に後から抱きつきに行った中のひとりが泉健太というプロ議員()なんでしょーから
オトクイ(だったハズにもカカワラズ宮崎某には負けっぱレベル)のとおりいっぺんみみざわりよさげなふわっとしたタワゴトも最早選挙民のニーズにはリーチできないオワコン政治屋といった風情
ただキニナルのは国民民主前原誠司がナニヤラ不穏な…
立憲民主党には期待するものが、なにもない。泉健太の国家観?いや立憲民主党の国家観が見えない。代案を示さず「批判」と「非難」しかないこの党はいづれ社会党の道を歩むのだろう。だから、泉の国家観なぞ今更ただすこと等無駄な努力というものだ。政権の暴走をストップできない野党。不幸は国民に降りかかる。
期待するモノが無いどころか一分一秒でも早くこの世から消えて欲しい政党。それが立件民主党。まあ他にも共産党とかれいわ新撰組とか参政党とかもこれに準じますが。
>国家観?
そりゃ無理だ。もともと「何でも反対党」
自民無くしては、国会質疑もできぬ党。
まずは、アンチ自民からの脱却ですね。
見せ場は、政策で・・。
>維新が「第二自民党」、国民民主党が「第三自民党」でも構いません。
前原氏が国民民主の代表になったら「第二立憲民主党」爆誕だと思います。
泉氏は人の話を聞くけどどれかを捨てるって回路が無いんじゃないですかね。
皆にいい顔をして「何でもやります」と言った結果があの姿なのでは。
責任ある立場に立ってしまった自分がない人。既視感あります。
まあ実は、国会議員の7~8割はこのタイプなんじゃないかと、最近は思うようになりました。
立件脱糞党に望むことはただ一つ。
中央および地方の構成員一人残らず議員辞職し、以後日本の政治に一切関わろうとしないこと。
これは共産・社民・れ新にもいえることだが。
自民党に反対することで成り立ってきた戦後の左翼さんたちですから、みんなで話し合ってよりよい社会を作っていこうなんていう芸当は到底できません。
この何でも反対という病が自民党に対してだけでなく、立憲民主党内でも発症して、党の意見をまとめることが出来なくなってしまったのではないかと思います。
泉代表の物言いがはっきりしないのは、何か具体的な発言をすれば、必ず党内から批判が出るからです。
最早金縛り状態ですね。
日本共産党や立憲民主党が日本から亡くなっても国民は大して困らないと思いますが、流石に自民党が無くなったら一大事だと思いますね。立憲民主党が何故支持率が低いのか?党首自ら謙虚に考え反省し数多き正すべくところを正す姿勢が無いとあきませんね。具体性のない言葉で繕っている場合ではありませんよ。まあ、今更どうでもよいことですけれども。自民党もウカウカしていたら本当にあきませんね。
<自民党に送る言葉>
祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
実力も無いのに「野党第一党」と驕ってるのが立憲民主党。
立憲民主党は「地球市民」「世界市民」の為に働こうとしている、にいっぴょ…うーん、やっぱ「何も考えていない」ですかね。
先日も書きましたが、やはり泉代表は
「代表なんかやりたくない、さっさと別の誰かに押し付けたい」
「何を言っても何をやっても叩かれるんだから、何もしたくない」
が本音としか思えないなあ……多分、今の立憲の幹部連中は大半がそうだと思うけど。
>なんだかおっしゃっていることが、あまり具体的ではありません。
政党を自分たちが行いたい政策を共有する政策集団でなく次も選挙に当選したい互助会としか使わないから当然の状況でしょう。
ヒトラーが我が闘争で書いた『選挙期間だけ蝶になる議会に棲む地虫』の群れなのです(笑)。
泉健太
すごい小物。選挙(京都3区)では、目が合えば選挙カーから降りてきて、子供とでも握手する。自らの生活と保身のために議員にしがみついているように見える。少なくとも国家運営に係わる仕事ができる人とは思えない。確実に沈むとふんで民主→国民民主へ。沈むと思いきや看板のすげ替えで復活と踏んで国民民主→居心地の良さそうな立憲民主へ戻る。
でもまた立憲民主が沈みそう。泥船の代表になったのは、全国に名を広めたいという打算が大きかったのでは?心中では、代表として名を全国に売った看板を引っ提げて、また国民民主に戻りたいと思っているはず。国民民主の前原は立憲民主が沈むことを前提に、泉と残党を国民民主に入れたがっている。