「資産現金化だけ解決すれば関係正常化」=韓国大統領
尹錫悦(いん・しゃくえつ)韓国大統領が韓国紙『朝鮮日報』に対し、「徴用問題、とくに日本企業に対する現金化問題だけが解決されれば、両国首脳相互訪問を通じて多方面にわたる韓日関係正常化に扉を開くことができると思う」と述べたそうです。事実ならとんでもない認識です。日韓諸懸案はべつに自称元徴用工問題に限られるものではないからです。
目次
自称元徴用工判決から5年
早いもので、自称元徴用工判決問題が発生してから、今年10月で5年が経過します。
これ自体、昨日の『韓国への譲歩が無意味である理由を鈴置論考で確認する』でも確認したとおり、その本質は「韓国の日本に対する二重の不法行為」――、つまり韓国側が「①ウソや捏造、歪曲などに基づき」、「②法的な根拠のないこと(たとえば謝罪や賠償)を要求している」問題だと位置付けることができます。
つまり、この問題をきれいに解決するためには、韓国がウソをつくことを直ちに止めるとともに、法をきちんと守り、そのうえで自分たちが日本に与えた損害を賠償し、謝罪しなければなりません。逆に、それ以外の解決方法は、もはやあり得ないのです。
このあたり、日本では岸田文雄・現首相の昨年10月3日の第210回国会の所信表明演説が、あたかも韓国に対して譲歩するかのような文言であることについては、大変に気になる点でもあります。
菅義偉総理の2020年10月26日の第203回国会の所信表明演説と比べると、「(韓国に)適切な対応を強く求めていく」という文言がスッポリと抜け落ち、代わって「韓国政府と緊密に意思疎通」という表現がシレッと付け加わっているからです。
岸田首相の対韓外交姿勢は「(菅総理や故・安倍晋三総理の頃の)従来の日本政府の姿勢と比べ、何もブレていない」、などと強弁する人もいないわけではありませんが、正直、そのような理解には無理があります。岸田首相の対韓外交姿勢は前任者らのそれと比べ、明らかに弱腰になっているからです。
日本の譲歩が「あり得ない」理由
日韓諸懸案はあまりにも複雑で多岐にわたり過ぎている
もっとも、著者自身がこの問題を巡って、「日本政府が韓国に対し、妙な譲歩をしたりしない」という意味で、非常に楽観的になる理由はいくつかありますが、その最たるものは、韓国が発生させた諸懸案があまりにも複雑すぎ、多岐にわたり過ぎていることにあります。
あらためて、韓国が日本に対して発生させている無法行為・違法行為などをリストアップしておくと、これが強烈です(図表1)。
図表1 韓国の日本に対する無法行為の一覧(※引用・転載歓迎)
(【出所】著者作成)
この図表自体、「日韓関係が『悪化』したのは文在寅(ウェン・ツァイイン)政権のせいだ」、などと主張する人たちのために作ったようなものです。
これで見て明らかなとおり、諸懸案は文在寅(ぶん・ざいいん)政権時代に発生したものが多いのかもしれませんが、実際にはそれ以前、すなわち朴槿恵(ぼく・きんけい)、李明博(り・めいはく)の各政権時代、あるいはそれ以前に発生したものなども含まれています。
(※余談ですが、「韓国で保守政権が誕生すれば、日韓諸懸案も解決するに違いない」、などとシンプルに考えていた人もいますが、こうした認識自体が大間違いであることは、朴槿恵、李明博の両元大統領が「保守派」とされていたことを思い出していただければ、すぐに理解できるでしょう。)
「日本が譲歩すれば良いじゃないか」
そして、これらの諸懸案の多くも、基本的には先ほど指摘した「二重の不法行為」の問題と似たような構造にあります。要するに、どれも韓国の日本に対する一方的な不法行為であり、謝罪したうえで賠償しなければならないのは、むしろ韓国の側である、という事実です。
日韓関係が本格的に「改善」されるためには、まずは韓国自身がすべての行いを真摯に反省しなければなりませんし、それができない以上は、韓国が望む「韓日関係改善」など、遠い未来の話です。そして、こうした状態が長続きすれば、いずれ日韓関係は破綻するでしょう。
ただし、こんなことを述べると、「日韓関係の破綻を防ぐのならば、日本が国際法の原理原則を捻じ曲げて韓国に譲歩すれば良いじゃないか」、などと言い出す人が必ず出てきます。これが当ウェブサイトでいうところの、いわゆる「3つの落としどころ」の②です。
日韓諸懸案を巡る「3つの落としどころ」
- ①韓国が国際法などを誠実に守る方向に舵を切ることで、日韓関係の破綻を回避する
- ②日本が国際法などの原理原則を捻じ曲げて譲歩することで、日韓関係の破綻を回避する
- ③韓国が国際法などを守らず、日本も韓国に譲歩しない結果、日韓関係が破綻する
(【出所】著者作成)
「3つの落としどころ」の②は、「国際法や国際謝意の常識に照らし、日本が100%正しく、韓国が100%間違っている」ということを踏まえたうえで、それでも「日本が今度ばかりはちょっとだけ韓国に譲歩し、日韓関係の破綻を回避する」、といった考え方のことです。
日本政府はこれまでずいぶんとこの②の選択肢を取ってきましたし、安倍総理の差し金で外相時代の岸田首相が2015年12月に韓国に出掛けて行って取り交わした日韓慰安婦合意など、日本政府がこの②の選択肢を選んだという、典型的な事例でしょう。
(※ただし、『慰安婦は「これ以上相手にしない」ことも有効な対処法』などを含め、これまでも論じてきたとおり、この慰安婦合意については、「日本にとって100%悪いものだった」とまでは言い切れません。その意味で、物事の見方は多面的であるべきでしょう。)
また、こうした「日本が譲歩する」式の解決法を韓国側も願っているフシがあります。「自分たちが100%悪い」ということを理解・認識しつつも、「それでも日本が韓国に対し譲歩してほしい」とする韓国政府元高官の発言(『韓国元高官「日本が100%正しいが譲歩してほしい」』等参照)など、その典型例でしょう。
「日本の譲歩」は年々難しくなっている
もっとも、こうした「日本が譲歩する」式の解決、年を経るごとに難しくなってきていることもまた事実です。
そもそも世論を作るのが、新聞社・テレビ局など、限られた数のオールドメディアの特権だった時代はネットの出現とともに終わりを告げ、官庁が記者クラブを通じて支配しているオールドメディアの社会的影響力は、日を経るごとに低下しているからです。
また、昨年の「1兆円増税」騒動でも明らかになった通り、岸田首相やその取り巻き(あるいは「オヤジに叱られた」とされる例の長男など)程度の政治力では、国民世論を突破するどころか、自民党を押し切ることすらできません。
以前の『慰安婦合意で振り返る「岩盤支持層を敵に回すリスク」』でも取り上げましたが、安倍晋三総理でさえ、あの慰安婦合意に対しては官邸に対し、抗議の声が殺到していたことに困惑していた、などと報じられているのです(※もっとも、報じたメディアが朝日新聞であるという点には注意は必要ですが…)。
あの安倍総理ですら「国民の厳しい声にたじろいだ」という報道が事実なのだとしたら、岸田首相が自称元徴用工問題で韓国に変な譲歩をしたときには、政権が持たないでしょう。国民の失望と落胆、そして怒りの声は、当時の比ではないと想像されるからです。
なにせ、2015年にも「韓日歴史問題(※当時は自称元慰安婦問題)を財団方式で解決する」などと韓国に騙されていながら、自称元徴用工問題で再び「財団方式で解決」などと積極的に騙されに行くのだとしたら、国民の怒りが韓国に対してではなく、宏池会と外務省に向かうことは、まず間違いありません。
新聞・テレビの情報支配力は弱まる一方
しかも、2015年当時と比べ、現在では新聞の発行部数もテレビの視聴時間もますます減っています。
年初の『数字で見る新聞業界の現状と未来』でも取り上げたとおり、1年前と比べ、新聞の発行部数は朝刊が207万部減って3033万部に、夕刊が67万部減って645万部になりましたが、こうした部数の減少は加速していくことが見込まれます(※これについては時間があれば近日中に再度議論したいと思っています)。
また、総務省『令和4年版情報通信白書』などによれば、近年、インターネットの利用時間が徐々に増える一方で、テレビの利用時間については、どの年代でも一様に減っていることが確認できます。
もともとテレビ視聴者は高齢層に偏り、若年層に行くほどテレビを見ないという傾向がみられたのですが、どの年代でもテレビ視聴時間が減り、ネット利用時間が上昇するなかで、2021年にはちょうど全年代でテレビ視聴時間をネット利用時間が上回りました(図表2。なお、以下のデータはいずれも平日のもの)。
図表2 全世代・メディアの平均利用時間(平日、単位:分)
(【出所】総務省『令和4年版情報通信白書』図表3-8-1-3のデータを著者が加工)
この調子でいけば、早ければ今年の調査で、遅くとも2~3年後の調査で、ネット利用時間はテレビ、新聞、ラジオのすべてを合わせたものを上回るのはほぼ確実です。
裏を返して言えば、2015年当時だと安倍総理の政治力に加え、官僚機構がガッチリ抑え込んでいる新聞、テレビに世論支配力があったことで辛うじて国民の反発を免れることができたのですが、現在では岸田首相の政治力の問題もさることながら、新聞、テレビの世論支配力は急速に失われているのです。
おそらく、岸田首相を中心とする「宏池会政権」が対韓譲歩を強行しようとしたとしても、昨年の「10兆円増税」と同様、岸田首相らが抑え込まれておしまいでしょう(あるいは岸田首相には解散総選挙に踏み切るという選択肢もありますが、たかが日韓関係ごときで解散総選挙をするとも考え辛いところです)。
よって、日韓諸懸案を巡っては、日本の側で「政治的なデッドロック状況」を動かせない以上、少なくとも岸田政権のうちに妙な譲歩が図られる可能性については、(十分な警戒が必要とはいえども)さほどは高くないと考えておいて良いのかもしれません。
韓国大統領の驚異的な認識
尹錫悦氏の朝鮮日報インタビュー記事
ただし、韓国政府側は、そうは考えていないようです。
韓国メディア『朝鮮日報』に昨日、尹錫悦(いん・しゃくえつ)韓国大統領とのインタビューが掲載されていましたが、そのなかで日韓関係についても言及があったのです。
尹大統領「中国と経済・文化で創出することが多い/日本とは首脳間の定期相互訪問で扉を開く」【※韓国語】
――― 2023.01.02 03:00付 朝鮮日報より
ここで紹介しておきたいやり取りは、2箇所あります。ひとつめは、これです。
(朝鮮日報)「強制徴用など韓日間懸案がまだ解決していない。」
(尹錫悦氏)「私たちはもちろん、日本も、過去とてもよかった韓日関係に戻ろうとしている。日本は徴用と慰安婦合意に対して相変わらず強硬な立場だが、いまや日本国内の雰囲気も、強制徴用と関連した自国企業に対する現金化問題だけ解決すれば問題が解決すると判断しているようだ。だからいま、各界の意見を聞き、この問題を解決しようとしている。肯定的に見ている」(下線部は引用者による加工)。
なかなかに、強烈な認識です。
資産現金化問題とは、自称元徴用工側が日本企業の「在韓資産」(といっても三菱重工については知的財産権、日本製鉄については合弁会社株式)を差し押さえていて、「売却するぞ、売却するぞ」と脅している問題のことでしょう。
正直、知的財産権だの、非上場株式だのといった資産自体、換金の前提となる「資産評価」が大変に難しいことでも知られていますが、こうした換金が著しく困難な資産(『自称元徴用工が「加害企業に代償を支払わせる」と宣言』等参照)をどうやって売却するつもりなのか、見てみたい気もします。
)もっとも、正直言えば、これも永遠に完成しない「資産売却チャーハン」のようなものなのかもしれませんが…。
また、この「資産売却チャーハン」問題が解決すれば「問題解決」、とはなりませんし、1965年の日韓請求権協定に根底から違反する判決を下しておきながら、判決はそのままで「解決でござい」などと宣言すること自体、日本に対して「極めて無礼」(『「河野太郎、キレる!」新たな河野談話と日韓関係』等参照)です。
「現金化問題さえ解決されれば韓日関係正常化」
こうしたなかで、もうひとつ取り上げておきたいのが、これです。
(朝鮮日報)「韓日首脳の相互訪問は可能か?」
(尹錫悦氏)「徴用問題、とくに日本企業に対する現金化問題だけが解決されれば、両国首脳相互訪問を通じて多方面にわたる韓日関係正常化に扉を開くことができると思う」(※下線部は引用者による加工)。
これも、年初から驚く発言と言わざるを得ません。
尹錫悦氏自身に状況を「上奏」しているのが誰なのかは知りませんが、尹錫悦氏のなかでは自称元徴用工問題が「現金化問題」にすり替わっているようにも見受けられるからです。
というよりも、山積する課題のうちのほんの一分野である自称元徴用工問題の、さらにそのごく一部分である「資産現金化問題」だけ解決したら、それで日韓関係がすべてうまくいくという認識自体、とんでもない勘違いです(誰か忠告しなかったのでしょうか?)。
こう見えても尹錫悦氏、長年、検事として法の世界に携わってきた方だそうですが、自称元徴用工判決自体が国際法(というよりもサンフランシスコ講和条約による戦後秩序そのもの)を破壊しようとする行動であるという点に、まさか気付いていらっしゃらないのでしょうか?
謎というほかありません。
日本の対韓譲歩は「無意味」
もっとも、朝鮮日報の記事のなかで、日本が占める割合がさほど多くないというのも興味深い点です。記事タイトルでもわかるとおり、韓国にとっては日本との関係よりも、中国との関係、米国との関係の方が、はるかに重要なのかもしれません。
というよりも、昨日の『韓国への譲歩が無意味である理由を鈴置論考で確認する』でも確認したとおり、日本が韓国に「譲歩」したとして、それで日本に何らかのメリットがあるというものでもありません。現在の韓国の行動原理は、米中両国との「均衡外交」にあるからです。
このように考えていくならば、「資産売却」という「永遠に完成しないチャーハン」を眺めつつ、とりあえずは目先の「日韓・日米韓連携」を着実に実施し、長い目で見て「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)という安倍総理の遺産を完成させることを目指すのが、日本にとっては適切な戦略です。
ちなみにこのFOIPに、現在のところ、韓国の姿はありません(図表3)。
図表3 FOIP
(【出所】防衛白書)
このFOIPの姿が次回の防衛白書でどう変わるのかは気になるところですが、韓国はFOIPに参加するより前に、まずは2018年12月に自国の海軍駆逐艦が日本の海自P1哨戒機に対し、何を行ったのかを全世界に対し明らかにするところから始めるべきではないでしょうか。
(逆に、火器管制レーダー照射事件について韓国が罪を認めず開き直り続けている状況で、このFOIPに韓国が付け加えられるようだと、岸田政権を見限る保守層が増えることもまた間違いないと思います。岸田さん、わかっていますね?)
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
知恵は提供してもらうもの。
問題は解決してもらうもの。
難癖を一部でも追認させることが唯一の無理筋打開(不法国家認定回避)手段。
賠償請求のための司法手続が不要になる “義援金化” での解決が彼らの望み。
おはようございます。
早朝からの記事更新をありがとうございます。
韓国の御都合解釈には呆れるばかりです。
これは、韓国の歴史教育との整合性を取ると、このような解釈をするしかないのではないでしょか?。日本には目茶苦茶と思われる解釈でも、韓国ではこれでも日本に譲歩した解決案と認識していると思います。
日本と韓国との歴史認識を協議しても、韓国側に都合が悪くなると
「韓国への愛はないのか!。」
で紛糾するのは、皆様、御存知の韓国の伝統芸です。
日本国が譲歩しない限りは日韓関係は現状維持という、日本国にとって都合のいいことです。
日本側の岸田政権には現状維持の姿勢を堅持して欲しいのですが、不安を感じるのは、何が原因なのでしょうか?。
もしかしてですが、韓国の尹大統領と日本の朝日新聞などは、「資産現金化問題だけを解決すれば、他は日本が韓国に譲歩する」と思いたいのではないでしょうか。
引きこもり中年 さん
同じく、自称元徴用工問題で日本の譲歩なしに韓国が譲歩すれば、他の問題では日本が譲歩するってのが尹大統領の見解なんじゃないかと。
でも、そうなるといわゆる日本軍慰安婦問題では韓国の嘘捏造歪曲まみれの「正しい歴史認識」を日本側が一部分でも良いから受け入れる、追加の謝罪などを行う譲歩の余地があるっていう見解でしょうから、いや実に韓国だなぁ…と。
やっぱ韓国人の代表は韓国人なんですね。
その中でも今韓国が一番欲しいであろう譲歩はホワイト国復帰だと思われますが、
これに関してはそもそも管轄の省庁が異なりますし復帰は絶望的でしょうね。
岸田首相が調整できる力もないでしょうし
お疲れさまです。
証拠の無い裁判での有罪の事実を、日本はうやむやにしてはいけないとおもいます。
証拠がないのに日本は、韓国では「犯罪者」として最高院で確定しております。
そんな国と一時的な国交断絶は理解できますが、まとまな国交関係を結ぶのは、日本国民に対する「犯罪」と言っていいと私はおもいます。
そこは、はっきりさせていただきたく希望いたします。
いわゆる”徴用工問題”を、当面脇に置いて、出来るところから協力して行こうという、「歴史問題論」「棚上げ論」を、日本政府が許容しなかったということでしょうね。徴用工問題が解決しない限り、日韓関係は一歩も進展しないことを、ユンソンニョル大統領が理解したということだと思います(いわゆる”グランドパッケージ”は放棄したんでしょう)。
その徴用工問題ですが、中央日報の社説とか見ると、まだ併存的債務引受方式だの、日本政府と被告企業の謝罪表明だの、日本企業の基金参加だの、ウリナラ夢物語から覚めていないようです。
まあ徴用工問題ですら当面解決しそうにもありませんから、それが解決した後どうするかは、今あわてて議論しなくても良いかな、と思います。
①「ゼロ対100」理論(どこかの素晴らしい自称会計士が唱えている用語ではありますが)はもはや通用しない②韓国政府もかっては日韓基本協定で解決したと認めていた③未解決のままでは韓国の国益毀損の方が大きい、という至極真っ当な議論が、韓国民の多数派になるには、まだまだ時間がかかりそうです。
明けましておめでとうございます。本年も記事を楽しみに読ませていただき、勉強させていただきたいなと思っています。
大統領発言が勝手なものであればいいのですが、外務省や鑑定などの態度を見てのものなら怖いですね。
「いまや日本国内の雰囲気も、強制徴用と関連した自国企業に対する現金化問題だけ解決すれば問題が解決すると判断しているようだ。」(尹錫悦大統領)
日本政府が言うところの「現金化問題の解決」とは、『将来も含めて、自称元徴用工問題で日本企業が損害を受けることが無いことを法的に確定すること』を意味します。
しかし、自称元徴用工裁判の原告数は延べ1000人超、被告日本企業は計115社にのぼっている状況で、自称元徴用工を含む韓国の国民に『将来も含めて、自称元徴用工問題で日本企業が損害を受けることが無いことを法的に確定すること』を許容する寛容な精神があるとは到底考えられません。
「現金化問題の解決」が本当に実現できれば、奇跡と言っても過言では無いと思います。
サイト主さんの「韓国が日本に対して発生させている無法行為・違法行為などをリストアップした」図表1は強烈ですね。前にもお見かけしたと思いますが、良くまとめられてます。
講和条約発効前の李承晩による李ラインと竹島不法占拠、自称慰安婦問題及び解決を反故にする韓国政府、偽徴用工訴訟の韓国内での勝訴・日本企業財産の差押え、李大統領による竹島上陸と天皇侮辱発言、朴槿恵のスキャンダル絡みで産経記者逮捕勾留、文大統領の反日侮日行為ーーでもこれは氷山の一角です。まだまだ、数えきれないほどの日本へのヘイト行為、犯罪行為をやらかしてます。日本の取るべき対韓姿勢と関わり方については、私も史実を元に、400字詰め原稿用紙100ページの論考を書けます(^^)V。それほど腹立たしい。
尹大統領は「日本も、強制徴用と関連した自国企業に対する現金化問題だけ解決すれば問題が解決すると判断している」・・・?何か、凄いボタンの掛け違いをしてますねー。ボタン無いの?いや頭ん中のネジ、飛んでませんか?
日本政府、日本企業が賠償することは、1円も有りません。逆にインフラ整備などで10兆円ぐらい請求したいぐらいだ。何にしろ韓国との関係は限りなく薄くする。民間交流も勾留になるから、やらない!君たちは人間じゃない!「ひとでなし」だ!
これ、韓国大統領の「これ以上は無理なんだよ!これでご褒美ちょうだいよ!」と言う
”悲鳴”じゃないですかね?
現金化を”なんとかする”だけでも韓国大統領にはとてつもなく危険なリスク。
他の問題を解決するなんて到底出来っこない。
案外今の大統領も先々代のパククネみたいな末路に到るかも知れませんね。
先代のムンジェインはどうにかこうにか、まだ生き残っているみたいですが……
韓国は民間大手マスコミどころか、政府すら平気でウソをつくので
そちらの発言を根拠に
日本側が否定も肯定もしてないからと言って
日本政府や岸田を叩くのは良くないかと思います
むろん手放しで日本政府を信用するわけではないですが
韓国は韓国憲法・教育・社会・政治・経済のどこを切り取っても日本の敵国です。
敵国の情報攪乱作戦くらいの目線で対応すべきかと 思っています。
もし仮に現金化を解決しても輸出管理はそのままなので後頭部を殴られたといわれそう。
でも、その心配は杞憂です。
現金化さえ、絶対に解決不可能だからです。
解決する方法は、軍事クーデターで全権掌握しかありません。
ニセ徴用工が全員死んでも、その子孫が騒ぐのでこの問題は永久機関となってます。
つまり、日本が譲歩しなければ日韓関係は永久にこのままです。
コイツは春から縁起がいい。
逆だ
現金化すれば断交して正常化する
っていうかまず竹島返せ
かなり穿った見方であることを予めお断りしておきますが、韓国政府の致命的な錯誤は、自称徴用工問題などが「カネの問題」だと思い込んでいるからなのではないかと思います。要するに、「日本はカネを払いたくないから、(不当に)ゴネているのだ。ならば、カネを払わずに済むようにしてやれば万事解決するに違いない」という発想です。さらにそこから、「カネを払わずに済むようにしてやるのだから、日本は我が国に感謝し、その他のことについては譲歩するはずだ(しなければならない)」となります。つまり、日本政府が一歩も譲らないのは、原理原則に関わる問題だからだという認識が決定的に欠落しているのです。
韓国政府がこのように考えてしまう理由は、大きく分けて2つあります。
一つ目は、自分たちが目先の損得だけにしか着目せず、目先の些細な損をも嫌うという原理で動いているため、日本もそうであるに違いないという思い込みです。韓国には「泣く子は餅を一つ余分に貰える」という俚諺があるそうですが、彼らの目には日本の姿勢がそのように映っているのでしょう。だから、餅を一つ与えれば(カネを払わなくて済むようにしてやれば)なだめられるに違いないと思っているのです。なお、彼らは時々「カネの問題じゃない。真摯な謝罪が必要なのだ」という戯言を吐きますが、もちろん大嘘です。「もっと謝罪を」というのは「もっとカネ寄越せ」を取り繕っているに過ぎません。
そしてもう一つは、彼らは自分たちの(韓国式)原理原則に固執し、国民感情とやらをやたらと強調しますが、他国のそれを一切省みることはなく、存在することすら理解できないらしいということです。そもそも、「対等」とか「信用」という概念が非常に乏しい、もしくは全くないため、それらの概念を「カネ」か「序列」の問題に読み替えないと理解できず、それゆえの齟齬が生じても認識できません。そのため、彼らとしては「大いに譲歩しているつもり」であっても、他国から見れば頓珍漢なことを言っているようにしか受け取ってもらえません。
まあ、この辺は朝鮮式朱子学というイデオロギー一色に染まり切った後遺症にも見えますが、結局のところ、彼ら自身に自覚がないため、たとえ指摘されても反発するだけでしょうし、自分たちは不当に「差別」されているという思い込みから抜け出すことはできないでしょう。
以上はあくまでも「穿った見方」です。ただ、このように考えると、彼らの数々の「不思議な発言」がなぜ出てくるのか見えてきます。
え?対処法? 「どうせ大したことは言ってないから放っておけ」というのが一番無難ですが、彼らは「ジャイアンに泣きつく」ことにだけは長けてますので、きちんと根回しをしておくことが肝要です。そして、彼らに諸問題が日本としての原理原則に関わることだということを理解させるのが理想的なのですが、おそらく無理だと思われるので、さしあたりは塩対応し続けるよりないでしょう。その上で、向こうの自滅を待つくらいかもしれません。
龍様の見方は大正解です。
もうそれしかないという完璧な答えです。
何故日本は朝鮮を併合したのか。
あの中国が出来るのに、2000年間ずっと属国のまま併合しなかったのは、きちんとした理由があるのです。
あのドラゴンがまたいで通る地域があの半島です。
日本の解決しなければならない病のせいです。
そう考えると、今の資産売却さえしなければそのまま放っとくというのは ベターなんだと思いますね。
龍さんの書く内容は「穿った見方」どころか、とても腑に落ちます。
歴史学者の岡田英弘氏の『歴史とは何か』に以下の記述があります。
「日本人にしてみれば、韓国人はなんとわけのわからないことを言う、ということになる。韓国人にしてみれば、日本人は嘘つきで忘れっぽい、狡猾だ、となる。金を払わないためにはどんな嘘でもつく、というふうに解釈する。」
韓国が常に持ち出す”歴史を忘れた民族に未来はない”という、この歴史認識とか何か。
「日韓併合条約は非合法で、日本は朝鮮を併合したことがない、というのが絶対の前提条件である。ああいうものは現実には存在しなかった、というふうに認めなければいけない。」「そうでないと、今の大韓民国の国民のアイデンティティが守れないからなのだ」
と、岡田氏は言います。
韓国は日本が36年間支配したことを非常に悪く言いますが、モンゴルによる百年間の領有(済州島などは馬の放牧地にされた)は記述しないし、漢による直接統治時代は、あれは満州のことだ、とします。遠い時代のことだし相手ももういないから、という事情もありますが、結局は現代の韓国の成り立ちが原因です。
私は2015年の日韓合意(というより韓国の合意不履行)から韓国の行動に疑問を持ち出した新参なので、オールドメディアとはいえマスゴミの影響力(隠蔽力?)は強かったな、と思います。
その点でも故・安部氏の死は惜しまれます。惑わされてはいけないのでしょうが、応募工問題が日韓の懸念事項としてニュースで取り上げられる度に、国際的に”日本にも非があるのではないか。未解決の問題では”と宣伝されている気分になるからです。
日頃、新宿会計士様やコメントにあるように一国民として、しっかり日本政府の対応を見守っていきたいと思います。
龍 様、
>そもそも、「対等」とか「信用」という概念が非常に乏しい、
>もしくは全くないため、それらの概念を「カネ」か「序列」の
>問題に読み替えないと理解できず、それゆえの齟齬が生じても
>認識できません。そのため、彼らとしては「大いに譲歩しているつもり」
>であっても、他国から見れば頓珍漢なことを言っているようにしか
>受け取ってもらえません。
全く同感です。
全ての人々が「対等」である社会が恙なく運営される為には「約束を守る」と、「信用し、信用される」事が必須であると思います。
翻って、韓国のように全ての人々が上下関係に組み入れられている社会では「相手を無理やり従属させる」か「相手に無理やり従属させられる」で十分であり、「約束を守る」や、「信用される、信用する」の必要性も彼らの理解の範疇を超えているでしょうね。
>資産現金化だけ解決すれば関係正常化
そもそものトンデモ判決が出た時に、国際法の何たるかを説明せず(そ説明する義務が無いと言えば無い)、「現金化がレッドライン」なんて言ってしまうからです。
じゃ、現金化さえしなければいいのか、って思いますわね。
尤も、韓国政府が肩代わり(財団も含めて)して支払いますというのは、基本協定の趣旨に添ってると言えなくもありません。
日本の参加だの謝罪だの徒言わなければ、どんどんやって下さい。
但し、金が貰えるとなると、同様の訴訟がどんどん出て来て、片っ端から勝訴していきますから、肩代わりのカネが続きますかねエww
代位弁済でも財団作りでも、所詮は韓国国内の問題ですから、日本が口を挟むような問題ではありません。お好きにどうぞとしか言えませんね。ただし、その際に「それでは問題が全く解決などしていないことを理解してますか?」と念を押さねばなりません。
おそらくですが、自称徴用工問題をカネの問題だと思い込んでいる韓国政府は絶句するだけでしょうな。大変な苦労をしたにもかかわらず、それは単に無駄な努力でしかなかったことを突きつけられるわけですから。
頭の悪い日本の外交筋にもわかるように、どうすればお互いが納得し、意思統一できるか三段論法あるいは3段スケジュールを書いておきます。
①この問題は両国にとって重要な案件で、いい加減な解決はできないということを確認する。
②いいかげんな解決はできないから、時間をかけて解決しなければならないことを確認する。
③次に話し合う日程を確認し、①の問題を話し合う。
このようにやりなさい。いいね。
韓国&韓国人は
「大事な問題だ」
「だから一括解決(グランドバーゲン)」
というメンタルですから、そういう言い方をしても通じないかと。
何回か騙されてからようやくスイッチが入るのが日本人のよくあるパターンなのですが、なんだか昔の力道山みたいですな。
韓国ウォッチングしてると、早送りしたくなる展開ですわ。(笑)
>「資産現金化だけ解決すれば関係正常化」=韓国大統領
なに世迷い言を言ってるんでしょうかね。相手があって関係正常化ですから、日本がこれで納得すると思っているのでしょうか?
まあいつものとおり「解決」する医師がないですからね。関係正常化を合意した次の日に、裏切ってまた徴用工問題を持ち出すのが目に見えます。約束破りはいつものこと。
かの国の大統領は、たとえ誰がなろうとも、
しょせんこの程度の人物なのですね。
日韓の全ての問題について日本は一切譲歩をしてはいけませんね。
0対100で勝ちましょう。徹底的にフルボッコですね。
韓国の案は
「で、慰安婦財団で問題は解決しましたか?あれを解決というのなら、日本は受け入れられません。」
ですよね。
多分日本政府の答えも同じだと思います。
「現金化問題だけ」解決すれば日本は意のまま
と2度も言ってるのがいろいろコワいなー。
外務省と話が付いているのなら外務省がク○だし、
願望飛ばし発言なら日本外務省扱い易しとばかにされてんぞw
中国、ロシア、韓国などの対外報道の内容を見てると
頭おかしいことばかり言ってますよね。
中露はわかってて言ってる部分もある感じですが
韓国に関しては本気で言ってる気がします。
まぁ、みんなキ〇ガイのならず者国家ですけどね。
筆者氏が「落としどころ」として挙げているうち、
『②日本が国際法などの原理原則を捻じ曲げて譲歩することで、日韓関係の破綻を回避する』
これは絶対にあり得ません。
日本がそれをしたなら、国際条約における自らの立場を否定するに等しい行為です。
なぜか。
・日本に対しては国際条約を守らなくても良いという前例となる。
・日本が他国の国際条約違反行為を許容するなら、それ自体が国際条約から逸脱した行動となり、
日本は条約相手国に対して国際法を遵守する(はず)という保証は失われる。
・日本が韓国以外の国家と結んだ条約、たとえば日米安全保障条約の信頼性をさえ損なう。
ザックリ言えば、国際条約の相手としての日本という国家の信頼性を失ってしまうから。
韓国側が仕掛ける数々のルール違反行為をいちいち見ているとイチイチ腹が立ちますが、
その土俵に上がってはいけないと思います。
本質は、個別の事案以前に、そもそも韓国という国家がルールを守らないだけでなく、
日本に対してルール違反に乗れと要求していることにあります。
ルール遵守する側の日本は、韓国を放置するだけに留まらず、ルールを守らせるか、
ルール適用の対象から除外するよう行動する義務があるように思います。
そのためには、違反に対して権利を一時的に停止したり罰則を適用するなどしなくてはなりませんが、
ルール違反に対する当然の対応を、ここぞとばかり違法だ不法だと言い募ってくる相手です。
自分はルールを守らず、ルールに従った手続きを違法という相手にどう対処すべきか。
日本として取りうる対応は、
約束を守らない相手とは、今後一切何の約束もしない。
これに尽きると思います。
重要なのは韓国ではなくて、韓国以外の国が日本の振る舞いをどう見るか、日本がどう見られるか。
日本はいま国連安保理理事国です。
自国が締結した国際条約を疎かにするような行動は許されません。