米シンクタンク部長「韓国はクアッドに参加すべきだ」
クアッドが「価値同盟」であるという事実を理解していないCSIS部長
またしても、米国から「韓国はクアッドに入れ」とする論説が出てきたようです。米戦略国際問題研究所(CSIS)の韓国部長であるビクター・チャ氏が執筆した「クアッド入りを拒否したのは文在寅政権だ」とする論考が、韓国メディア『朝鮮日報』(日本語版)に掲載されていました。言外に、尹錫悦氏に対し「クアッド入りをコミットせよ」と迫っている主張でもあります。
目次
FOIPとは?
FOIPは安倍・菅両総理の置き土産
昨年の『外交青書:基本的価値の共有相手は韓国ではなく台湾だ』でも議論したとおり、「自由で開かれたインド太平洋」、あるいは英語の “a Free and Open Indo-Pacific” 、さらにそれを略した「FOIP」は、いまや日本の外交の基軸となりました。
FOIPとは、わかりやすくいえば、「自由、民主主義、法の支配、基本的人権の尊重」といった「基本的価値」を共有する国同士で連携し、インド洋や太平洋を自由で開かれた地域にしていきましょう、という考え方のことです。
そして、このFOIPを提唱した人物こそ、安倍晋三総理その人であり、安倍総理の「置き土産」であるFOIPを日本外交の基軸に据えた人物が、菅義偉総理です(『菅総理辞職:日本にとって価値ある384日が終わった』等参照)。
その意味で、安倍、菅両総理は、日本外交に非常に大きな遺産を残したという言い方をしても良いのではないでしょうか。
FOIPには韓国は入っていない
さらには、日本政府がこのFOIPを巡って、連携しようとしている相手国を眺めていくと、日本にほど近い4ヵ国(中国、ロシア、北朝鮮、韓国)が明示的に除外されている一方で、米国、カナダ、豪州、ニュージーランド、インド、ASEAN、欧州、英国などがこれに含まれていることがわかります(図表)。
図表 FOIP
(【出所】防衛白書)
また、図表では台湾は含まれていませんが、暗黙の裡に台湾はFOIPのパートナーに含まれていると考えて良いでしょう。令和3年版の外交青書では台湾のことを「基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人である」(同P55)と明記したからです。
いずれにせよ、日本外交は現在、近隣国重視型から決別し、「法と約束を重視する諸国」を重視する方向へと変化した、というわけです。
クアッドとFOIPの関係
クアッドはFOIPにコミットする国の協議体
ところで、このFOIPの実現に、とくに強くコミットしている4ヵ国の協議体が、日米豪印「クアッド」(QUAD)です。この “QUAD” 自体はラテン語に由来する「4」を意味する単語ですので、「クアッド」といえば日米豪印4ヵ国のことを意味します。
ということは、もしも将来、日米豪印以外にこの協議の枠組みに参加する国が出現し、たとえば5ヵ国の枠組みになれば、「クインテット」「ペンタ」「イツツ」など、「5」を意味する単語に置き換えられるのが筋ではないかと思います。
あるいは逆に、日米豪印4ヵ国のうち1ヵ国がこの枠組みから抜け、たとえば3ヵ国の枠組みになれば、「トリプル」、「ミッツ」など、「3」を意味する単語に変わるか、それとも「AUKUS」の例に倣って、それに参加している国の頭文字で呼ばれるようになるのかもしれません。
インドは基本的価値を共有しているのか?
この点、あくまでも個人的な印象ですが、インドが日米豪などと基本的価値を共有している国なのかと問われれば、そこはやはり微妙な気がします。
これに加えて今月初頭、国連総会でロシアのウクライナからの無条件撤退を求める決議案が141ヵ国の賛同で可決された際、インドが棄権したのも記憶に新しい点です(『国連総会、ロシアにウクライナからの無条件撤退を要求』等参照)。
このように考えていくと、この「クアッド」の枠組みが将来的に「インド太平洋版NATO」に発展するかどうかもよくわかりません。
さらには、FOIPの「言い出しっぺ」であるはずの日本では、菅総理の後継者である岸田文雄首相がこのFOIPにどこまでコミットしているのかが見えてきません。
それどころか、自称元徴用工問題を含めた諸懸案を抱える韓国との関係についても、(それらの原因を作ったのが一方的に韓国の側であるにも関わらず)「関係改善のためにともに協力していきたい」などと失言したことに関しては、本当に不安にならざるを得ません。
FOIPの意義は内部牽制にあり
もっとも、当ウェブサイトなりに言わせていただくならば、日米豪印「クアッド」の仕組みの本当の意味は、「対中牽制」にあるのではありません。日米豪印4ヵ国同士の「内部牽制」にあります(『近隣国重視から価値重視へ:菅総理が日本外交を変えた』等参照)。
この「内部牽制」とは、もともとは会計学(監査論)の用語で、わかりやすくいえば、「組織内部、ないしは目的を同じくする複数の人が、お互いに役割を分担するなかでお互いの不正や誤謬を発見しやすくする仕組み」のことです。
当たり前の話ですが、日本にとって、経済的にも軍事的にも、最も大切な相手国は米国ですし、米国から見て日本の地位は(とくに近年)非常に高くなっていることは間違いありませんが、いくら日米両国が経済大国であったとしても、やはり日米2ヵ国だけだと、どうしてもできることに限界があります。
また、日米関係では、ときとして米国が日本に対して「無茶振り」をしてくることもありましたし、実際、理不尽な要求を突き付けられたこともあります。2015年12月の日韓慰安婦合意など、その典型例でしょう。現状の日米同盟がややもすれば片務的なものである以上、力関係が偏ってしまうのもやむを得ません。
ところが、ここにもう1ヵ国、さらにもう1ヵ国、と、「仲間」が入ってくれば、いったい何が生じるでしょうか。
もしも日米両国関係に、日本と米国以外の第三国が介在し、第三者的な目で「今回は日本が悪いぞ」、「今回は米国が悪いぞ」、などと「口添え」してくれれば、それだけで関係がかなり円滑になります。
そもそも豪州は、人口では米国よりも圧倒的に少ないにせよ、米国と同じ英語圏で南半球の先進国でもありますし、インドは米国を遥かに上回る人口と経済成長ポテンシャルを有しているアジアの大国です。この2ヵ国が日米関係に「口添え」するようになれば、日本としても米国としても心強くなります。
抜け駆けができなくなる
なにより、目的を同じくする4ヵ国が集まることで、一種の「抜け駆け」、すなわち「米国が勝手に中国と和解(?)する」などといった行動を防ぐ効果も期待できます。
すなわち、自由、民主主義、法の支配、人権尊重などの近代主権国家としての普遍的な価値を愛する4ヵ国がガッチリと手を組むことで、これらの4ヵ国が、中国などの無法国家による人権侵害、違法な海洋進出などを「絶対に許さないぞ」とする共通の目標で結束することができるのです。
さらには、先行して日米豪印クアッドが強く結束すれば、同じ価値観を持つ国(とくに英国やフランス、カナダやニュージーランド、台湾など)が日米豪印の行動に同調しやすくなります(※ただし、大変残念なことに、今回のロシアによるウクライナ侵攻に対し、「クアッド」が政治的メッセージを発することはできませんでしたが…)。
いずれにせよ、日本が大々的にFOIPを提唱し、クアッドまで成立してしまった以上、かりに岸田首相、林芳正外相が「日本はクアッドから距離を置こう」、「FOIP重視型から近隣国重視型に戻そう」にと思ったとしても、現在の自民党政治の建付け上は、岸田、林両氏らの独断でそれができるものでもありません。
現政権の煮え切らない姿勢がいつまでも続くと悲観すべきではありません(※岸田首相のスタンスが良い方向に変わり、FOIPに改めて強くコミットするようになるのか、2年半後の自民党総裁選で岸田首相が落選するのかは知りませんが…)。
いずれにせよ、個人的には日本のFOIPに対するコミットを巡って、若干の不安もないではないのですが、「内部牽制」の考え方からは、現時点で過度に悲観的になるべきではないと思います。
尹錫悦政権とクアッド論
尹錫悦政権発足に向けた日韓関係改善論
さて、その一方で、私たちの隣国・韓国では、「保守派」(?)とされている尹錫悦(いん・しゃくえつ)氏が大統領選を制しました。「左派」とされる李在明(り・ざいめい)氏とは僅差での勝利でしたが、勝利は勝利です。
そして、先週の『架空の「日韓諸懸案の一括妥結」論で振り返る日韓関係』では、おそらく日本のメディアから出て来るであろう「日韓関係改善論」を予想した架空のパロディ論説を予想して執筆してみたのですが、これが我ながら上出来でした。
実名を挙げることは控えますが、某新聞が当ウェブサイトの「予想パロディ論説」とほとんどそっくりな社説を出してきたのです。その社説を読み、思わず乾いた笑いが出たことは、ここだけの話です。
重要な論点は韓国がクアッド入りするかどうか
ただ、尹錫悦政権の最初の試金石が何なのかを巡っては、『李朝末期と類似?鈴置論考「親米大統領でも離米従中」』でも取り上げたとおり、じつは、すでに大変優れた論説が出てきています。
日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏が、選挙結果が明らかになった直後、ウェブ評論サイト『デイリー新潮』に寄稿したのが、次の記事です。
「親米大統領」誕生でも韓国は「離米従中」 李朝末期にどんどん似てきた
3月9日投開票の韓国大統領選で、野党第1党で保守「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前検事総長が当選した。焦点は親米路線に戻るかだ。韓国観察者の鈴置高史氏は「容易ではない」と見切ったうえ「韓国は李朝末の混乱期にどんどん似てきた」と言う。<<…続きを読む>>
―――2022年03月10日付 デリイー新潮『鈴置高史 半島を読む』より
記事タイトルにある「離米従中」とは、「韓国が米国から離れ、中国につき従う方向にある」とする、鈴置氏がかねてより指摘してきた重要なポイントですが、この鈴置論考でも、「尹錫悦氏が大統領に当選したところで『離米従中』というトレンドは変わらない」という点が指摘されています。
ただ、ここで注目したいのは、「クアッド」です。鈴置氏は開口一番、こう述べているのです。
「米国側に戻るか、を計る最大のポイントはQuadに参加するかである。Quadは対中包囲を念頭に置いた『日米豪印』の4カ国の枠組みだ。中国に気兼ねする文在寅(ムン・ジェイン)政権は、米国に誘われてもQuadに入らなかった」。
この点は、おそらく米国もかなり注目しているものと考えられます。
以前より、米国は「日米韓3ヵ国の連携が必要だ」などと主張し続けており(※とくに国務省あたりがそうでしょう)、2015年の慰安婦合意も、米国から見たら「歴史問題を言い訳に日米韓3ヵ国連携に後ろ向きな韓国の言い訳を潰す」という目的があったと考えられます。
ただ、これに関する韓国国内の言い分を見ていると、最近、どうも「米国やその他のクアッド諸国が韓国に対し参加を要請していなかった」、といった言い訳が出てきているようです。
ビクター・チャ氏「クアッド入りを拒否したのは文在寅大統領」
これに関し、米戦略国際問題研究所(CSIS)の韓国部長であるビクター・チャ氏が執筆した文章が、韓国メディア『朝鮮日報』(日本語版)に掲載されていました。
【寄稿】米国が韓国にクアッド参加を要請しなかっただって?(上)
―――2022/03/13 05:42付 朝鮮日報日本語版より
【寄稿】米国が韓国にクアッド参加を要請しなかっただって?(下)
―――2022/03/13 05:20付 朝鮮日報日本語版より
(※朝鮮日報の場合、記事が公表されてから数日経過すると読めなくなってしまうようですので、原文を読む場合は早めにお願いします。)
この記事、クアッドのベースとなるFOIPを提唱したのが日本であるという事実が伏せられているなど、若干の事実誤認(というか歪曲)が見られます。
ただ、そうした点をとりあえず脇に置くと、なかなか興味深いものがあります。
ビクター・チャ氏の言い分を要約すると、「韓国がクアッドに参加していないのは、米国が韓国にクアッド参加を要請しなかったからではなく、文在寅(ぶん・ざいいん)政権が米国の要請に応じなかったからだ」、というものだからです。
「読者はアジアの主要民主国家である韓国がクアッドに加わらなかった事実をよく知っているだろう。これは文在寅(ムン・ジェイン)政権が正式に説明した内容とは違い、自ら選択した結果だ」。
これは、いったいどういうことでしょうか。
「クアッド=FOIP」を理解していないビクター・チャ氏
実際、ビクター・チャ氏が1月26日、米誌『フォーリン・ポリシー』への寄稿で、「バイデン政権の複数の関係者が昨年、クアッドの最初の首脳会議前に韓国に参加を打診したが拒否された」と述べたところ、韓国国内は大騒ぎとなり、韓国大統領府関係者が次のように述べたのだそうです。
「政府の立場に変わりはない。クアッド参加要請を公式に受けたことはない」。
これについてビクターチャ氏は、次のように一蹴します。
「文在寅政権のこれら一連の発言は真実を隠そうとするものだ」。
そのうえでビクター・チャ氏は、論理的に考えて、米国にとって「最も近い軍事同盟国」であり、「ワクチン・メモリーチップ生産国」でもある韓国を、米国がわざわざ排除することがない、といった点を指摘したうえで、米国が韓国をクアッドから排除しなかったことは「間違いない」、などと改めて指摘している、というわけです。
このあたり、「米国が日米豪印4ヵ国の首脳会談に、韓国を招聘した」とするビクター・チャ氏の説明は合理的であり、説得力もあります。
というよりも、ビクター・チャ氏が、こんな文章をわざわざこのタイミングで、韓国最大手の保守メディアのひとつである朝鮮日報に寄稿したことの意味の方が重要でしょう。これについては、ビクター・チャ氏の論考が、次の文章で唐突に終わっていることが参考になります。
「韓国のクアッド不参加はバイデン大統領ではなく文大統領の決定であり、韓国国民の一般的な感情とは懸け離れているということだ」。
思わず、「はて、そうでしょうかね?」と聞き返したくなる唐突な結論ですが、要するに、「韓国国民は一般的にクアッド参加を求める感情を持っている」、「文在寅政権がその韓国国民の感情に反し、クアッド不参加を決めた」、という主張です。
言い換えれば、尹錫悦氏に対し、大統領就任直後に「クアッドに入る」と表明すべきである、とする牽制のようなものでしょう。
このあたり、同じCSISでもエドワード・ルトワック氏のように、韓国が長い目で見て米国から離れ、中国に寄っていくという点を予想している論者もいるのですが、ビクター・チャ氏はこれとは逆に、「韓国国民の一般的な感情は、クアッドを歓迎している」とい述べているのは興味深い点です。
あるいは、クアッドはその土台にあるFOIPの考え方を共有する国でなければならないという点を、米国、あるいはジョー・バイデン大統領自身が理解していないのではないかと思しき点は大いなる懸念材料ですが、この点を理解していないのはビクター・チャ氏もまったく同じ、ということなのかもしれません。
尹錫悦政権発足のリスク
いずれにせよ、よっぽどのことがない限りは、尹錫悦政権は5月に発足します。
そして、尹錫悦氏自身、選挙中の討論会で、日米中朝4か国の首脳と「どのような順番で首脳会談を行うつもりか」という共通質問に対し、「最初が米国、2番目が日本」と答えた人物でもあります(『尹錫悦氏「米国の次に日本を訪問」発言をどう考えるか』等参照)。
本当にそうなった場合は、「韓国が手を差し伸べたのだから、日本も韓国に譲歩すべき」といった論調が、日本の一部メディアでも出て来ると思われますが、その前にじっくり見ておかねばならないのは、尹錫悦氏が「クアッド」にコミットするかどうかです。
その一方で、「韓国のクアッド入り」という論点は、「尹錫悦氏が韓国の対中傾斜を止めることができるかどうか」、という論点でもあります。
もっと言えば、尹錫悦氏があとさき考えず、ワシントンで「韓国はクアッドに参加する」などと発言してしまい、その後、中国から有形無形のさまざまな制裁を喰らい、却って日米豪印の結束が乱される、といった展開は、十分に考えられます。
もちろん、米国の独断で日米豪印クアッドの枠組みを拡大することができるというものでもありませんが…。
これに加えて、「韓国はクアッド入りをコミットした」「だから日本は日韓関係悪化の状況を改善するよう、韓国に譲歩しろ」といった圧力が米国からかかって来るというのは、あまり考えたくないものの、十分にあり得るシナリオだと考える次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
(いいとこどり=食い逃げ根性)
クアッドの輪に加わり国際協力の名のもとの実益だけを享受したい韓国。
FOIPにはコミットせず、一介の傍観者として漁夫の利を得たい韓国。
*彼らにとっての「クアッドとFOIP」は似て非なるものなのかと。
米国:韓国はFOIPに参加しろ!
韓国:諸国からクアッドへの参加要請は無い。
↑残念なことに、論点が食い違ってるような気がします。
食い逃げ防止のために前払いしてもらいましょう(笑)
ん・・・?!
デハデハ~…。彼奴らが、しでかした過去の数々の食い逃げの代金も、倍額以上+利子付で、払って貰いやしょ~!
アメリカ、韓国に対してロシア制裁への消極的対応によって制裁除外国リストから外してるんだから、既に韓国をもう見捨ててていると思う。
そんな国のために日本に圧力をかけるとも思えませんが。
韓国は制裁除外リストに後で入らなかったっけ?
アメリカの韓国に対する対応が甘くないという点が気になってるんですよ。
韓国による、これまでの制裁などへの消極的姿勢はアメリカに対する信頼感を大いに損ねてきた。
それはもはや、韓国の地政学的価値を考慮しても目に余るものである。
故に、特別扱いをすることなく、冷淡に除外リストからも外すようになった。
こんな可能性がこの一件から考えられた訳です。
この推測通り、アメリカにとって韓国がもはや信用ならないし特別扱いするにも値しないなら、もはや日本に対してアメリカが韓国のために圧力かける可能性も低そうだなと。
日本に圧力かけても韓国の態度が変わらない。無駄だった様も散々見てきたでしょうし。
明らかに韓国が西側陣営のアキレス腱になってます。
中国も韓国も、切り崩すなら韓国と見定めてねらっています。
日本は時に積極的なところを見せつつ、うまく先頭集団の若干後方に紛れ込んで目立たないように出来てます。なかなかの好位置。
アメリカは韓国への切り崩し工作が成功し、西側諸国の結束が乱れるのを恐れているのでしょう。ビクター・チャさんを通じて警告しているものとお思われます。
韓国は、言うこと聞くからなんかくれ、とアメリカに言いそうです。ただそれをアメリカが聞くことはもうない。それをやっても中国ロシアも同じことをすれば靡くので意味がないのです。アメリカが求めているのは自ら対決する覚悟。
もし韓国が自ら動けないなら、西側陣営からの切り離しもあり得るかもしれません。
ビクター・チャ氏は、元々親韓派ですので、韓国がクアッドに加盟する事が、韓国の為になる。
文大統領は、嘘をついていたので、新大統領は加盟の方向に進むべきと主張するのは、不思議な事では無く、アメリカは望んでいると思います。
新大統領はその為に、中朝工作勢力を抑える事が課題となり、中国との約束を破る事による制裁を覚悟しなければなりませんが、まあ無理でしょう。
同様に対日関係改善も、「日本が悪いニダ」勢力を抑える事は出来ないでしょう。
結果として文大統領より支持率の低い少数与党の新大統領が誕生する事になり、国内の政情は不安定かする様に思います。
単にチャ氏は尹新大統領(多分)に対して、踏み絵を示しているだけでしょう。「対中包囲網に参加する心算があるのか?」と問うているだけです。そして、言外に「部分的参加とか言って食い逃げするのは許さない」と言っているようにも見えます。
韓国が美味しい所取りを狙っているのは清々しいほどに明白ですが、いかにバイデン大統領が〇ケ老人であろうとも、これ以上韓国のつまみ食いを許容するとは思えません。もし許容するならば、日本としては、そんなナイーブ極まりない国をどこまで恃みにできるものなのか、真剣に考える必要がありそうです。
おそらく多くの方もそう考えているでしょうが、日本にとって一番面倒な事態とは、尹新大統領(になるんじゃないかな)がQUADに全面的にコミットすることを約束し、その方向で動いてきた場合です。日本としては拒絶するわけにもいかず、その過程でいろいろと不愉快な事態が起きかねません。
もっとも、尹新大統領(予定は未定)がQUADに全面的にコミットすると表明してくる可能性はあまり高くないだろうと思ってます。せいぜい部分的に参加を表明するのが関の山でしょう。従北左派である巨大野党は反発するでしょうし、与党内ですら怪しいものです。韓米同盟の修復には賛成するでしょうが、中国を敵に回しかねないような行動には出られないでしょう。
現在、アメリカにとって同盟国であるはずの韓国が、対中国という局面で何の役割も果たしていない、それどころか情報漏洩疑惑など、利敵行為すら行っている可能性があることは、アメリカも十分認識しているはずです(お願いだからそうだと言ってくれ)。よって、非左派政権になっても韓国が対中包囲網に加わろうとはしなかった場合、さて、アメリカはどうするでしょうかね。一応、朝鮮半島問題があると言えばあるので、アメリカの側から同盟を破棄するようなことはしないだろうとは思いますが。
クアッドに韓国を組み入れることには反対です。「鎖の強さは最も弱い環によって決まる」という格言にもあるように、クアッドの弱体化につながりかねません。韓国が、本当に親米路線に立ち戻ったかを試すのなら、三不政策の放棄・非継承を表明するかどうか、で測るべきと考えます。また5年後には左派が政権を奪回するかもしれませんし、永続性にも疑問があります。韓国民は、実態よりも自分の見たい姿を現実と認識しますので、”米中対立のバランサー論”や”高まった国際地位に照らし米中選択不要論”により魅かれると思いますので、保守政権になってもまだまだ紆余曲折は続くでしょう。日韓関係の改善は当面進まないと思われますので、その間は日米韓の強化に努めましょう。
このビクター・チャという人物、米国で生れ育ち、教育を受けたと言っても、やっぱり韓国人は韓国人なんですね。すでにある現実に立脚して、そこから採るべき方策を模索しようというのではなく、あらかじめ頭の中につくり上げた「あるべき姿」に沿って、現実を動かそうとする。またそれが可能だと考える。
疑似保守政権が生まれたからといって、今更韓国にFOIP陣営入りせよなんてアドバイスしてみたところで無意味でしょう。もう手遅れ。とっくに文在寅が中国に服従の誓いをしてしまったのですから。中国はいくら逃げ口上を弄してみたところで、絶~対に見逃してはくれないでしょう。
FOIP陣営に秋波を送りつつ、従来通りの二股コウモリ外交を続けていれば、当面の風圧は避けられる(かな?)。米国を中心とするサプライチェーンの再構築、中国封じ込めの輪から、じわりじわりと閉め出されていけば、次第に寒さは身に凍みていくことでしょうが、その場、その場の感覚でなら、中国発の暴風に比べればはるかにマイルド。チャ氏のアドバイスなんかに従うより、現実の中国への恐怖を優先するのは、まず確実だと思わないのでしょうか。
日本は「自由で開かれたインド太平洋」の価値観を前面に推し出したい。
アメリカは「インド太平洋戦略」の軍事的側面を前面に推し出したい。
FOIPとバイデン政権が策定したインド太平洋戦略の間の相違点が、ビクター・チャ氏のこの論説の内容に表れているのではないでしょうか?
ビクター・チャ氏がコリアン系であることはこの論説の内容には関係がなく、アメリカを代表してアメリカの意思を韓国(とりわけ保守派の代表者たち)に伝えていると考えることはできないのでしょうか?
FOIPとインド太平洋戦略にはいくつかの相違点があります。とりわけ、朝鮮半島の完全な非核化という目標を掲げ、日本、韓国、2つの国を明示して、同盟国間の連携と抑止力の強化を推進する。こうしたことを力説していることも相違点のひとつです。
ビクター・チャ氏にとっては「FOIP=クアッド」ではないことは当然のことであって、「インド太平洋戦略=クアッド」であることを踏まえた上でこの論説を出してきている。
こう理解することはできないのでしょうか?
韓国が旭日旗をハーケンクロイツであると喧伝し、韓国の観艦式においては大統領府自らが軍旗の掲揚に様々な制限を打ち出しました。ために、旭日旗を掲げた自衛艦が観艦式に参加することも取り止めました。旭日旗を掲げた自衛艦が韓国の軍艦と肩を並べて航行するなどあり得ない状況です。
火器管制レーダー照射事件においても関係者の処罰と謝罪がありませんから、背後から韓国軍にいつレーダー照射されるのか、全くわからない状況が続いています。
日韓間では物品役務相互提供協定(ACSA)の締結は韓国側のキャンセルに何度もあい、未締結のままです。
米韓合同軍事演習は北朝鮮の反発の前に年々規模を縮小し、完全に有名無実化してしまっています。
クアッドへの加入は各国間の合同軍事演習の積み重ねやGSOMIA、ACSAなどの基盤の上に成り立っていることをビクター・チャ氏が知らないとも思えません。日韓間で様々な問題が立ち上がっていたことを知らないとも思えません。
これらの問題を解決するために、韓国国防部が首を縦に振ることが、どれほど難しい状況であるかを知らないとも思えません。
これらの解決は尹新政権が進めることであって、アメリカの責任ではないことを訴えたいのかもしれません。
解決が間に合わないことも大いにあるでしょう。恐らく、ここには日本の懸念や意思などを介在させるつもりはないのでしょう。
その上で、韓国に「最後のチャンス」を投げかけているのだと解釈しています。
「結束」という言葉がキーワードですね。
広島で例えるなら、三本の矢を束ねることを「結束」と言い、「団結」とは言いません。
「結束」が緩み、中の矢が抜け落ちてしまうことは許されない状況に入ってきています。
「万国の労働者よ、団結せよ」や「世界人民大団結」といったスローガンを、「結束」というスローガンで包囲しにかかっているように思えます。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(そう言っておかないと、韓国に逆切れされた時に面倒なので)
結局のところ、韓国の最高権力者は習近平国家主席なので、だれが韓国の大統領になっても、韓国のクアッド入りは、あり得ないのではないでしょうか。
駄文にて失礼しました。
(1)朝鮮日報に、CSISの韓国部長であるビクター・チャ氏が、「筆者は1月26日に米誌・・・への寄稿で『バイデン政権の複数の関係者が昨年、クアッドの最初の首脳会議前に韓国に参加を打診したが拒否された』と明らかにした」・・と紹介されています。
(2)しかし一方、昨年12月7日に総合ニュースのアーミテージ元米国務副長官の発言記事では、「(韓国は)、トランプ前米国政権によってクワッドに参加するように迫られた」とありますが、「バイデン政権は、4カ国のグループ化を拡大する計画はないと述べている」と、報道されています。それは、ホワイトハウスのアジア・カート・キャンベルコーディネーターが、「現時点ではクワッドを拡大する計画はありません・・」と述べているからです。
https://en.yna.co.kr/view/AEN20211207004300325
(1)と(2)の記事の整合性をとるには、どう考えればいいのでしょうか。
昨年12月7日から今年の1月26日の間で、クアッドに関するバイデン政権の思惑が変わったのでしょうか?そのようなニュースは聞こえてきませんが。
縁起悪いです。
負けの法則に関わりたくないなぁ…
微妙な立ち位置のインドに加えて韓国を入れると、クワッドでの調整は大変難しくなると思います。
下手をすると機能不全に陥りかねません。
これは中国を利するだけです。
ビクター・チャ氏は、韓国のクアッド参加が中国包囲網の弱体化に繋がることを理解しているのでしょうかね?
バイデン大統領も分かっているのかどうか怪しいですけど。
>2年半後の自民党総裁選で岸田首相が落選するのかは知りませんが
岸田政権が2年半も続いたら,日本は外交も経済もボロボロになるのはまず確実ですね.
日本がボロボロにならないためには,参院選で明確に敗北して責任を問う形で降板させないと.
政策ではなく首相の座という地位に執着している岸田さんは抵抗するでしょうが.
「FOIPは『基本的価値』を共有する諸国家の同盟」というのは、視点を変えて表現すれば、「FOIPは『民族の自尊心を守り抜く覚悟』を共有する諸国家の同盟」と言えると思います。
韓国の国民に欠けているのは、『基本的価値』というよりも、ベトナム国民やウクライナ国民のように「命を賭してでも民族の自尊心を守り抜く覚悟」だと思います。
例えば、韓国初代大統領の李承晩は、北朝鮮の電撃的侵攻を受け、ソウル市民を置き去りにし、漢江に架かる橋を爆破して、真っ先に遁走しました。また、朝鮮戦争で、韓国兵で構成された部隊は、中国兵部隊の攻撃を受けると、米国から供与された最新式兵器を放棄して我先に逃走しました。
最近でも、「自称元徴用工判決」や「自称元日本軍性奴隷判決」が、真に「朝鮮民族の自尊心」を具体化するものであるならば、差し押さえた日本企業の財産を現金化して「民族の自尊心を守り抜く覚悟」を世界に示して然るべきだと思います。
仮に、韓国新大統領の尹錫悦氏が「民族の自尊心を守り抜く覚悟」を持っていたとしても、国民の大多数が「民族の自尊心を守り抜く覚悟」を持っていない以上、FOIPに参加することは困難だと思います。
以下14日の大使SNSより。
>>>光栄なことに、「自由で開かれたインド太平洋」構想の生みの親である安倍元首相にお目にかかりました。ここ日本だけでなく、インド太平洋全体の平和と繁栄の礎である日米同盟への鉄壁の支持に感謝いたします。>>>
安倍さんと駐日大使は、韓国のために日本は配慮せよというタワゴトを封じてくれると期待しています。次期首相は高市さん、次期外相は安倍さんでしょう。
すみません。エマニュエル駐日米国大使でした。あちら系マスゴミの評判が悪い=良い政治家だと思います。
まーたビクターチャか
この人はほんと自国のためでなく血の祖国のために生きてるね
よく知らんけどさ。
シンクタンクの部長って、それ一人で国の方針を決定できる、んな影響力のある肩書きを持った存在なの?
無影響とは言わないけど、たかが部長一人の意見がまんま国の行動に採用されるんか? とか考えると首をかしげる。
部長ってイメージに引っ張られているだけかも知れんけど。
あと、韓国はどのみち、迫られても世論が割れて何も決められないし、良いとこ取りしか選択しない国だから、参加すると宣言できないし。
万一、しても信頼に足る姿勢を見せろと言われてそんな態度も中国気にして踏み絵が踏めないから、どのみち参加できないと思う。
日本関係なく、韓国内の事情で参加は無いので日本にアメリカが圧力というのは、そもそも筋違いな話になるんじゃねえかと。