米・イラン緊張に見る、軍事制裁と経済制裁の関係
昨日の『イランが米軍施設にミサイル発射』と『イランのミサイル発射・続報とウクライナの航空機墜落』で相次いで取り上げた、イランによる米軍施設に対するミサイル攻撃について、ドナルド・J・トランプ米大統領が軍事的緊張の高まりを防ぎつつも、イランに対する新たな経済制裁を適用するとの考え方を示したそうです。具体的にどのような経済制裁が適用されるのかはわかりませんが、ただ、一連の動きを眺めていると、わが国にもさまざまな示唆があるように思えてなりません。それは、「軍事制裁と経済制裁の関係」です。
続報に乏しいウクライナ航空機墜落事故
イランが駐イラク米軍施設に対しミサイルを発射し、そのうちいくつかが着弾したらしい、という話題については、昨日の『イランが米軍施設にミサイル発射』と『イランのミサイル発射・続報とウクライナの航空機墜落』で相次いで取り上げました。
とくにテヘランの国際空港を離陸した直後のウクライナの航空機が墜落した件については、なぜか「墜落の瞬間」とされる動画が「偶然撮影されていたらしい」というほかは、続報らしい続報もありません。
動画:イランでウクライナ機墜落、乗客乗員176人全員死亡 墜落の瞬間映像か(2020年1月8日 15:52付 AFPBBニュースより)
航空機の墜落事故がミサイル攻撃とまったく関係がないのかどうか、動画が偶然撮影されたものなのか、といった事情についてはよくわかりませんし、だいいち、イラン当局がブラックボックスをボーイング社などに引き渡すことを拒否しているとの報道もあり(下記参照)、真相究明は難航しそうです。
イランのボーイング737墜落事故、エンジン火災原因か(2020/1/9 2:34付 日本経済新聞電子版より)
WSJ「トランプ氏が沈静化図る」
ただ、米メディアWSJは日本時間の今朝、米国が事態の鎮静化を図り始めたと報じています。
U.S. and Iran Back Away From Open Conflict(米国時間2020/01/08(水) 18:55付=日本時間2020/01/09(木) 08:55付 WSJより)
これによるとドナルド・J・トランプ大統領は水曜日、イランのミサイル発射後初めてテレビに出演して10分ほど演説し、「イランはスタンドダウン(※)しているように見える」などと述べたそうです(※ stand down とは、軍事用語では「解隊する」、「警備態勢を解く」などの意味があるそうです)。
ミサイル攻撃を受けておきながら「スタンドダウン」もなにもないと思ってしまいますが、これについてトランプ氏の説明は、「イランによるミサイル攻撃では米国やその同盟国に人的被害が生じなかったこと」を理由に、事態の鎮静化が図られている、というものだとか。
なんだか意味がよくわかりませんが、トランプ氏が(表面上は)事態のエスカレーションを望んでいないという姿勢を示したことは間違いないでしょう(※それがトランプ氏の本心かどうかは別として)。
もっとも、WSJによると、トランプ氏は米軍が殺害したカセム・ソレイマニ氏については引き続き「冷徹なテロリストだ」などと批判し、同氏を排除したことが正しかったとする見方を維持したそうであり、米・イラン開戦の可能性が完全に消えたと見るのは適切ではないでしょう。
実際、WSJはトランプ氏のテレビ出演直後、イラク当局は同国首都・バグダッドで米大使館を含めた外国公館などが集まる「グリーンゾーン」に2発のロケット弾が着弾し、人的被害こそなかったものの、犯人はわかっていない、などとも報じています。
追加経済制裁も
そのうえで、トランプ氏は引き続きイランの核武装を許さないという姿勢を明確にするとともに、イランに対する新たな経済制裁を導入する考えも示したそうです(該当する記述は次の箇所です)。
“He vowed to maintain efforts to prevent Iran from obtaining nuclear weapons and said new sanctions would be imposed against Iran.”
もっとも、トランプ政権が具体的にいかなる経済制裁をイランに対して適用するのかについては現時点において明らかであはりませんが、トランプ政権は「2015年イラン核合意」を2018年5月に離脱した際に、すでにイランに対する「最大限の圧力」と称して、いくつかの経済制裁を再開しています。
(なお、イランに対する具体的な経済制裁とその影響については、『公益財団法人中東調査会』が設置する『中東かわら版』というウェブサイトに昨年11月1日付で掲載された『№126 イラン:米国による経済制裁への対応』という記事がわかりやすいと思います。)
№126 イラン:米国による経済制裁への対応(2019/11/01付 『中東かわら版』より)
それはともかくとして、WSJが報じた「イランへの追加制裁」とは、おそらくはイランからの禁輸対象物や資産凍結措対象者の拡大などが考えられますが、個人的にはこれに加えて、「セカンダリー・サンクション」、つまり、
「イランと取引しようとしている国や企業に対してさらなる追加説明資料の提出を求める」
といったことも考えられると思います。
経済制裁は現代流の「形を変えた戦争」
さて、イラン情勢を巡って、軍事衝突が避けられるのかどうか、緊張関係がどうなるのかについて、予断をもって決めつけることは妥当ではありません。ただ、軍事衝突に至らなくても、「一触即発」状態が続く可能性は非常に高いと見るべきでしょう。
こうしたなか、最近、個人的に感じているのが、「経済制裁とは、形を変えた戦争ではないか」、という仮説です。
もちろん、一般的な認識では、「戦争」とは武器を持って相手国と物理的に戦うことを意味することが多いのですが、ただ、それと同時に戦争の究極的な目的は、軍事力をもって相手国の国力を削ぎ、無理やり相手国の行動を変えさせるということにあると思います。
このように考えると、経済制裁の目的も、「ヒト、モノ、カネ、情報の流れを制限することで相手国を経済的に締め上げ、相手国の国力を削ぎ、無理やり相手国の行動を変えさせる」という意味では、戦争とほとんど同じではないかと思う次第です。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
個人的には、一連の米・イランの緊張を眺めていて感じたのですが、さすがにわが国には
- 相手国の要人をドローンで殺害する
- 報復措置として相手国の施設をミサイルで攻撃する
といったことはできないにせよ、相手国を経済的に締め上げるということは十分に可能です。
もちろん、憲法改正が大切だというのはそのとおりですが、残念ながらわが国では、立憲民主党を中心とする特定野党が憲法議論を妨害しており、さらには「改憲勢力」が衆参両院で3分の2を占めているという状況にはないため、改憲への道のりは遠いと言わざるを得ません。
このように考えていけば、憲法改正に先立って日本が自国の安全を確保するためには、「ヒト、モノ、カネ、情報」という流れから、相手国に対して経済制裁の発動を容易にするような包括的な法整備を急ぐことではないかと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
ウクライナの飛行機ということは、ロシアが絡んでるのでしょうか。
まあ、陰謀論といえばそれまでですが。
昼休で詳しいことは書けませんので手短に。
ウクライナ機の話は海外では,ものすごく報道されていますよ。(例:下記URL)
ロイターとワシントンポストの報告を含む記事です。どちらも,ミサイルではなくエンジンのトラブルであろう,と報道しています。他のニュースによると,ミサイルが原因なら,機体はもっと広範囲に散乱するそうです。ブラックボックスは,ボイスレコーダーが破損していることで,まだイランが保有しているようです。
イラン情勢も,ゴーン氏の記者会見も報道されています。イランの件は,トランプ氏のイラン核合意離脱を非難する論調も多いです。今回の件はイランよりトランプ氏が悪者扱いされている感じですか。
https://www.thesun.co.uk/news/10694922/iran-plane-crash-ukrainian-airline-black-box/
https://www.washingtonpost.com/world/ukrainian-passenger-plane-with-180-crashes-in-iran/2020/01/07/7e214eb4-31cc-11ea-91fd-82d4e04a3fac_story.html
G7の中でもトランプ氏に腹を立てている国は多く,経済制裁も同調が得られるかどうか。
10日7:30時点での追伸ですが,トランプ氏とカナダのトルドー首相がイランのミサイルによるウクライナ機撃墜を発表に,日本にメディアの多くはその方向に傾いているように見えます。でも,ドイツのZDFはもっと中立的で,トランプ発言とイランの発言を完全に同じウエイトで報道しています。事実は調査を待たないと分かりませんが,トランプ発言が欧州では簡単には信用されないところが面白いと思いました。
湾岸戦争のとき,イラクが大量破壊兵器を保有しているとのアメリカの情報で有志連合が結成されたのですが,終戦後,大量兵器は発見されず,そのころから,アメリカの発言が簡単には信用されなくなったかな,と思います。
記事更新ありがとうございます。こちらも昼休ゆえ手短てすが、経済制裁がかたちを変えた戦争、というのはそのとおりと思います。戦争も経済も外交の一手段と言うべきですか…いずれにしてもこじれて絡まった紐のような関係を腕っぷしで解決するか、紐以外のところから締め上げて相手の手を離させるかでしょうか。
更新、ありがとうございます。
トランプ大統領は明らかにメディアの動向に疑念を持っていて、他国との戦争開戦に際して、メディアが一方的に『トランプ大統領が暴走して、アメリカや世界を戦争に巻き込んだ』と、レッテルを貼られることを心配しているのかも知れません。
2017年、北朝鮮との緊張が高まったおりには、トランプ大統領はまず北朝鮮との緊張緩和に動き、その後に痺れを切らしたメディア側が多くの専門家に『如何に北朝鮮が危険な国家であるか』をしゃべらせました。
『戦争をしたい』という本音があるのはむしろ、メディア側であって、戦争扇動の罪をトランプ大統領に擦りつけたいでしょう。
今回のイランとの緊張の高まりも、トランプ大統領やホワイトハウスはまず、イランとの緊張緩和に動くでしょう。これで、『トランプ大統領は戦争狂』という批判をかわすわけです。
その後には、各メディアが『イランが如何に危険な国家であるか』を力説するようになるでしょう。
そこからがイラン情勢の本番となると、自分は見込んでおります。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
もし、一国の経済を完全に破壊することができれば、そこから内戦まで
発展する危険性があるので、対外戦争よりも恐ろしい結果になり得るので
はないでしょうか。もっとも、その前に対外戦争に活路を求めることにな
りそうですが。
日本の中では、軍事力を否定したくて、軍事制裁より経済制裁の方を評
価する向きもありますが、軍事制裁でも経済制裁でも、相手の行動を変え
させるために、相手を苦しめることでは同じではないでしょうか。
駄文にて失礼しました。
>経済制裁とは、形を変えた戦争ではないか
戦争を、「武力を手段とする」政治勢力間の闘争に限定すれば、経済制裁は戦争とは言えないでしょう。他方、戦争を「あらゆる手段をもってする」と定義する場合、経済制裁も、某国がしきりと仕掛けてくる歴史戦も立派な戦争ということになります。
因みに、戦争論で有名なクラウゼヴィッツは、「戦争とは他の手段(暴力)を持って行う政策の一部、つまり戦争行為は政治目的を達成するための手段である。」と言っており、戦争を、武力を用いるものに限定しています。また古代中国の孫子では、「戦わずして勝つのが最上の勝利」のようなことを言っていますので、この場合は、経済制裁のような武力以外の手段も戦争の一部に含まれていると解釈できそうです。
いずれ、武力に限定した戦争においても、経済制裁に似た兵糧攻め(≒経済封鎖)戦術があり、経済制裁との境界がハッキリしないというのも確かですね。
記憶が定かではありませんが、北などは、自国への経済制裁は実質的な宣戦布告だと解すると述べたことがあるように記憶しています。
我が国が他国に対して何らかの理由で経済制裁を行うにしても、よほどの戦略性を持ってやらなければ、必ず脆弱な部分を突かれ手痛い逆襲に遭うことでしょう。
自称徴用工訴訟事案で、我が国企業の差し押さえられた資産が現金化された場合には、報復措置をとると報じられていて、政府も十分慎重に対応策を検討していることと思いますが、予期せぬ事態に対処できるのか疑問もあります。ハード・ソフト問わず非対称戦の時代になっていますので。
いずれにしても、物理的な打撃力、即応力の裏付けがないとなめられてしまいます。
この点は、何としても充実していかなければならないと思います。
太平洋戦争が経済制裁から始まっているのは常識だと思ったのですが・・・。
真珠湾で始まったと考えてるのはお馬鹿なヤンキーだけでしょう。
トランプを今まで見ていて思ったのですが、言うことは威勢が良いけれど、実際には小心者で大きな決定的な決断ができない人物という評価です。
トランプは未だに一つもリアルに軍隊を侵攻させる戦争を始めていません。
せいぜいがまともな反撃を受けないとわかっているピンポンダッシュ程度。
たぶんもともとビジネスマンであったトランプにとっては、経済制裁が戦争に相当する感覚なんだと思います。
自称平和主義者のオバマが非正規戦のドローンによる最悪の爆弾魔であったのとは対照的に、口だけのトランプは逆に平和主義者のような振る舞いをするようです。
金正恩とたぶん気が合うんでしょうw>口撃が好き
りょうちんさま
太平洋戦争が、日本に対する経済制裁から始まった認識は同じです。
古い考えだと思いますが、経済制裁は戦争の前段階で、戦争とは区別されると考えています(だから憲法9条にはセーフ)。
日本は、経済制裁まで行かず(韓国を除く)に、経済力を利用した外交をして欲しいと思います。
狭義の戦争は武力行使による紛争解決手段。広義の戦争であれば、比喩的表現に近いと思いますが対話以外の手段をなんでも「~戦争」という言い方をしますね。
米中貿易戦争とか。
そういえば、日韓貿易戦争という言い方は見かけないなぁ、と思って検索してみたら、いくつかの記事が引っかかりました。いえいえ、日本は終始対話を求めていましたよ。輸出管理も国際的な取り決めに沿っています。旧ホワイト国から外して優遇処置を無くしただけで経済的圧力と言えるものは全くありません。あるのは韓国からの一方的な迷惑行為です。
そう考えると、「戦争」と言う言葉がちょっと安易に使われ過ぎている印象も受けますね。
個人的には、広義の意味で戦争と言う言葉を使うとしても、「相互利益を背景にした対話による解決方法」と対になる概念として、「軍事力を背景にした高圧的な解決方法」という意味分けが合っていると思います。単に経済制裁と言っても色々ありますので。
日本は軍事力を背景に交渉することはまずないので、日本が経済制裁してもそれは戦争ではなく正しく制裁だと考えます。
戦争の定義とは、「一方あるいは双方の政治的意思達成を目的とした武力行使」です。武力行使が伴わなければ戦争とは呼べないかもしれません。
しかし、武力行使自体が目的ではありません。意思達成が本来の目的です。
意思達成のための手段は、武力行使以外にもあります。
究極的には外交全てが意思達成のための手段です。
外交は飴と鞭を使い分けます。外交の鞭の1つが経済制裁であり、1つが戦争です。国際的な枠組みの中で規制する事も1つの鞭でしょう。
経済制裁と戦争は手段が異なりますが、外交上は同じ分類になるかと思います。
混沌とした状況の中で今後事態がどういう方向に向かうか五里霧中と言ったところかと思いますが,投稿されている皆さん,概ねアメリカとイランの全面衝突なんてことにはならないとみておられるようですね.双方の軍事力,経済力を勘案すればまあ当然の見方とは思いますが,私はさらに今回の革命防衛隊司令官の爆殺とそれへのミサイル報復(事前に予測されたもので多分人的被害ゼロ?)が,アメリカとイラン,ロウハニ大統領を初めとする穏健派勢力との間の出来レースなんじゃないかとの憶測(妄想?)を抱いています.もちろん確たる根拠なんかありはしませんが.
イランについては政教一致国家で,宗教的熱情がその行動原理としばしば言われますが,一方で利にさといペルシア商人の国でもあります.アメリカ,イスラエルを悪魔と敵視するばかりか,サウジ,エジプトなどのスンニ派国家と反目を強め,一部地域では代理戦争状態にまで至っている.その上,核開発疑惑で国際的な経済制裁を喰らって,経済発展の見通しなど全く立たない現状をなんとかしなくてはという焦燥感は,イラン国内で相当にまで募っているはずです.革命防衛隊という武力で国内を押さえつけている強硬派宗教勢力ですが,シーア派の弧などと囃される対外的な勢力伸長にしても,イラク,シリア,レバノン,イエメンなど,要するに破綻国家を増やしているばかりで,自らの経済的利益の結びつくようなものではないでしょう.こんな自国に役立つどころか,立場を危うくすることばかりやっている勢力を指導している人物を,自らの手を汚さずにアメリカの手を借りて排除できれば誠に好都合と,政権の枢要な立場にあって国の行く末を冷静に考えている勢力が考えたとしても,あながち不思議ではないような気がするのですが.
安倍首相のイラン訪問と,間を置かずに来日したロウハニ大統領.只の表敬訪問などとは考えられない時期の出来事ですが,一体何の目的で何が話されたのか,詳細は一切表に出てきていません.いくら何でもロウハニ師とトランプ大統領が安倍首相の仲立ちで,こんな話をまとめたなんてことはないとは思いますが.
イランの内情には昏いのですが、革命防衛隊と言うのが、文革時代の中国における紅衛兵で、ソレイマニが4人組みたいな存在であったと仮定すれば、その排除を望みながら口にできないでいた人々も多かったでしょう。ホメイニのイラン革命から40年以上経ち、革命に対する熱気も薄れ、イラン国民の間に物質的豊かさを求める底流が生まれていてもおかしくはないですからね。
ですから、この結果はイランの鄧小平(中国の文革を終わらせた、もしいれば)にとって願ったりかなったりの結果であったでしょう。ですから、伊江太さまの仮説は、現実味があり荒唐無稽とは言えないですね。ただ、ソレイマニが、いかに国家に害をなす存在だったにしても、イランの鄧小平は、その除去に外国、しかも敵国の手を借りようとするでしょうか?その気があれば、国内の力だけでやる方法はあったと思います。
ただ、話としては、とにかく面白いです。
はぐれ鳥様
たしかに仰るとおり,他人のふんどしで相撲を取るというのはあまり格好がいい話ではないですね.ただ鄧小平が陰で四人組の追放なんかを操れたのは解放軍を抑えた上でのことだったと思います.イランの現状でラフサンジャニ師,ロウハニ師のような穏健派とされる人物が大統領職にあるのは,国民の大多数の支持があってのこと.軍,秘密警察の実権はイスラム指導者で最高権力者たるハメネイ師が握っており,その手足になって動く革命名防衛隊に軍事予算が優先的に回され,世俗的な感覚を持つ人間が多い国軍が力を持てないようにしているというはなしを聞いたことがあります.そうした状態では自力で強硬派の排除,クーデターの実行は難しい気がします.
イランのテロリストへの米軍のミサイル攻撃は、アメリカだけでなくイラン政府の厄介者除去でもありアメリカとイランの協力で為し遂げられた。
ト
ランプ大統領は、イランの報復があっても本格戦争にもっていかないと思っていたが、
ま
さかイラン首脳部とあそこまで調整済みとは、アメリカには本当に優秀なスパイがいるんですね。
トランプ大統領『アメリカ人や米軍基地を攻撃したら絶大な?報復をする』
ミサイル攻撃されたが軍事報復しないと発表。
イ
ラン軍がミサイル攻撃したところは、米軍はいたが米軍基地ではなかったんですって。
攻
撃されたのは、イラク軍基地であり前もって連絡を受けて死傷者がでぬよう米兵は安全なところに避難していた。
と
いうんじゃこの一連のミサイル騒動は、イラク首脳部とアメリカのできレース…ですね。
同感です。スレイマニ司令官の殺害で最も利を得た人物はロウハニ大統領だと思います。スレイマニ氏の葬儀の映像を見る限りですが、イラン国民からの支持人気人望を感じます。彼が次期大統領となると宗教家の上に軍人がくる構図になる訳で、軍事独裁の暴走の芽を早めに摘み取ったのだと思います。
ここまでの情報を総合すると、米・イラン穏健派政権の
出来レースとしか見えないですよね。
近いうちにハメネイ師もお亡くなりになるのかな?
もう高齢だし、いつ亡くなってもおかしくないですしね。
シェールオイルの動向が気になっています。
イラン→ホルムズ海峡→原油ヤベー、といつもの流れですが、米さん自身は困らないし、日本がどの程度困るのかと考えたときに大規模輸出体制確立の話が思い起こされます。オールドメディアが米さんの供給能力を話題にしてた記憶がないので、都合の悪い話なのかもしれません。いざ海峡が封鎖されてみたら困ったのは朝鮮だけ、とかあり得るんじゃないでしょうか。あと南沙諸島攻略にも関わってくる話なので、今後も注視していこうと思っちょります。
やはり経済制裁というのは単独で嫌がらせするようなものではなく、嫌な言い方をすれば村八分なんだと思います。世界に冠たる大朝鮮様から青チームのみんなが村八分に遭うのが今から怖い。その次は濃い目のお茶が一杯怖い。
どうも、アメリカ=イラン穏健派のデキレースという意見が多いようで…
自分の認識では、アメリカとイランはそんなデキレースが出来るほどの関係ではないのですが…
アメリカ側にはアメリカ側の思惑、深謀遠慮があるのでしょう。
アメリカには200年に渡る不動の開戦手続きというものがあります。アラモ砦、メイン号爆沈、真珠湾(すべてリメンバーです)、トンキン湾事件、サダム・フセインのクウェート侵攻…
(テヘランの米大使館で52人が人質になったことも、リメンバーを言い始めています)
とにかく、相手側に先に手を出させる。相手が先に手を出すように追い込むか、または誘導する。そのための方法としては、経済制裁が最も有効でしょう。
相手国が我慢できずに先に手を出したなら、『揺るぎない正義』を大上段に振りかざして、相手国を完膚なきにまで叩く。これで最終的に世界の覇権を手に入れました。
相手国側に先に手を出させるためには、アメリカ側が弱気であり、基地を十分に警戒しておらず、優柔不断であるとの態度を一時的に見せる。あえて、です。そして、相手国の油断と暴走を誘導し、暴発を待つ。
トランプ大統領が米軍基地を攻撃されても、『イランはstand down』と述べたのは、アメリカが戦争に弱気であるとの姿を一時的に見せたわけでしょう。そして、イラン側の増上、暴走、暴発を待つ。
つまり、トランプ大統領のコメントも『アメリカという国家』としては織り込み済みである、と自分は考えております。
皆さま、アメリカという国家やトランプ大統領を舐め過ぎではありませんか?
かつての真珠湾やインパール作戦のように、日本も再び足を掬われることになりますぞ…
またまたキナ臭いニュースが来ましたね。
◆カナダ首相「墜落原因はイランの地対空ミサイル」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200110-00050135-yom-int
カナダのトルドー首相が9日、オタワで記者会見を開き、テヘラン近郊
で8日にウクライナ国際航空の旅客機が墜落した原因について、
「イランの地対空ミサイルに撃墜されたとみられる」と指摘したそうです。
アメリカは、イランの民間機を撃墜した黒歴史があるので、あんまり声高に非難できないんですよねw
トランプはすっかり忘れているので空気を読まずにポロリ。
周囲が慌てて火消しして回る構図なのでしょう。
でもって、カナダに衛星情報なんかを流して迂回して非難させると。
読者コメを眺めていると色々と興味深いです。
特にトランプ氏への印象・評価が、極めて交戦的だったり小心者だったり。
個人的にはバランスの取れた優秀な人物だと思っているので意外です。
米国は、主要国内で一番武力行使という手段を選択しやすい国家です(国家間の力関係や国力的に)。
一方で行使による他国への影響度も高く、武力行使のさじ加減が難しいということでもあります。
抑制的すぎてもやりすぎても国際秩序が乱れます(前者は中国の台頭など、後者は他国の武力行使のハードル低下)。
そういう意味で、今回のイランとの一連の経緯は個人的にとても高く評価しています。
一部でご指摘ありますが、イランからの反撃についてはプロレス的な行為だったのは間違いないでしょう。攻撃規模に対してあまりにも被害が軽微すぎるので。
イラン側の配慮があったのは間違いなく(もしこれが国家間で調整済みであったならさらに一段評価をあげる要素です)、それを受け追加の武力行使をしないと選択したのは極めて抑制的です。
(本来ミサイルという武力行使に対しては反撃するほうが大義名分も明らかで楽です。後先なにも考えなければですが)
殺すべき対象は殺し、一方で容易な武力行使は抑制的。ある意味冷酷でとてもバランスの取れた対応です。
何もしないのも、無制限にやるのもどっちも簡単なんですよ、後先考えなければ。それでいいならだれでもできます。
でもそうではなかった。そこはしっかり評価すべきだと思います。
政府或いは国家と言う物は国民の生命・財産を守る事が存在意義です。
トランプ氏も米民間人・軍人に死傷者が出たことに目を瞑っている訳には行かず、その報復でテロの親玉に斬首作戦を仕掛けるのは至極当たり前のことです。
これに対してイランがミサイル攻撃で米兵80人(?)に殺すことも又当たり前です。
これ以降は米は経済制裁に戻るようですが、経済で締め上げるのも砲弾で殴りつけることも、作戦の裏表でどちらが平和的でどちらが人道的だなんて議論はあまり意味が無いと思います。
翻って日本国政府はどうでしょう?私は国民の生命・財産を守る気概はあると信じます。
従って差し押さえ資産を売却などされれば、ミサイル攻撃・斬首作戦に匹敵する作戦が発動されるものと思いっています。
憲法上の制約がある(とも思えませんが)らしいので、当面は経済的締め付けになるのでしょうが、その場合は遠慮なくフッ化水素の「輸出制限」をやれば良いと思います。