立民・岡田幹事長が維新・馬場代表に対し発言撤回要求

日本維新の会の馬場伸幸代表がインターネット番組で立憲民主党に対し、「いても何も良くならない」と批判したことなどを受け、岡田克也幹事長は25日、記者会見で発言撤回を要求。あわせて次期選挙に向けた候補者調整についても難しいとの認識を示したそうです。ただ、いわゆる「小西問題」を通じ、もともと維新・立憲の信頼関係を壊したのは立憲民主党の側だったはず。どうも話が逆転してしまっています。

維新・馬場代表の「第二自民党」発言

馬場代表「維新は第二自民党で良い」発言の真意を探る』では、日本維新の会の馬場伸幸代表がインターネット番組に出演し、最大野党・立憲民主党を「いても何も良くならない」と批判したうえで、自党のことを「第二自民党で良い」などと発言した、とする話題を取り上げました。

この発言に関し、個人的にはツイッターやヤフコメなど、ネット上の反応を眺めていたのですが、この発言に関してはたしかに「野党のくせに自民党を目指すとは、とんでもない!」といった批判もある一方で、少なくないユーザーからは肯定的な反応も見られているようです。

自民党を「政権担当能力のある政党」、最大野党である立憲民主党を「経験担当能力のない政党」と見ている人にとっては、馬場氏の「第二自民党で良い」発言は、「維新も政権担当能力を持つことを目指すという意思表明だ」、と受け止めているようです。

野党利権と立憲民主党

この点、多くの有権者の目から見て、立憲民主党に政権担当能力があるのかどうかは極めて疑問でしょう。

立憲民主党の前身の民進党の、そのまたさらに前身の民主党は、2009年の総選挙で圧勝し、政権を奪取したのですが、政権担当能力があまりにも低くて崩壊しました。残念ながら政権を担当し得る人材がほとんどいなかったからです。

現在でも立憲民主党の国会質疑を眺めていると、基本的には揚げ足取りが中心です。なかには大臣が「お昼ご飯にうな丼を食べた」と発言しただけで、その大臣の更迭を要求したという事例すらあります(『自分に甘いメディアと野党:次は「うな丼大臣」問題視』等参照)。

結局のところ、立憲民主党は社会党から続く「最大野党利権」を受け継いでいるだけの政党であり、「最大野党で居続けること」が存在意義(raison d’être)なのでしょう(なお、最大野党利権は『立憲民主党議員らが韓国野党議員と処理水放出反対表明』等でも詳しく議論しています)。

こうした考えからすれば、馬場氏の立憲民主党に対する「いてもなにも良くならない」などとする舌鋒鋭い批判には、それなりの批判もあるにせよ、共感する人もまた多いのでしょう。

立憲・岡田幹事長が「強く反発」

ところが、この馬場氏の発言に対し、立憲民主党の岡田克也幹事長が「強く反発」したそうです。

立憲存在しても「日本は何も良くならない」論、岡田幹事長は猛反発 「馬場発言」に切れた堪忍袋

―――2023年07月25日17時55分付 J-CASTニュースより

J-CASTニュースなどの報道によると、岡田氏は25日の記者会見で、馬場氏の発言を「恥ずかしい話だ」と批判。

これまでは「同じ野党だから、あんまりギクシャクしたくないない」という気持ちから「なるべくムキになって反論しないようにはしてきた」が、「ついに堪忍袋の緒が切れた」格好だとして、立憲民主党に関する発言を含めて「撤回を求めた」のだそうです。記事に掲載されていた岡田氏の発言は、こんな具合です。

我々は大人なので…。馬場さんのいろんな発言、統一地方選の間もありました、そういうものは、なるべくムキになって反論しないようにはしてきました。同じ野党だから、あんまりギクシャクしたくないな、という気持ちもありました。ただ、公党のトップとして度が過ぎているとは思いますね。特に『ないほうがいい』とかね、そりゃ、共産党の小池さんがおっしゃるのも、もっともだと思います。別に共産党だから言っているわけではなくて、我々だって言われたら猛然と反発しますよ」。

「我々は大人なので」、ですか。

それにしては「うな丼発言」だの、「小西問題」だの、立憲民主党議員の言動は子供じみていますが…。

ちなみに「共産党の小池さんがおっしゃるのも」、とあるくだりについては、馬場氏が日本共産党を「日本からなくなったらいい政党」などと述べたことに対し、同党の小池昭書記局長が24日の会見で、「断じて許すわけにはいかない」などと反発したことをさしているのだそうです。

岡田氏の「我々は大人なので」にしても、小池氏の「断じて許すわけにもいかない」にしても、正直、普段の彼らの言動に照らし、多くの有権者の心に響くものではないでしょう。

候補者調整が難しい?話が逆!

ただ、このJ-CASTニュースの報道記事の中で、それ以上に興味深いのは、選挙協力を巡り、次期衆院選に向けた候補者調整について「現時点では難しい」との考えを示した、とする部分かもしれません。

何度も申し上げているように、自民党が増えてもいいんだ、立憲をつぶすんだと、そういう非常に無礼なことを公然と言う党首がいる党とは、なかなか候補者調整とか、そういう話にはならない」。

これは、話が逆でしょう。

岡田氏が本気でこれを述べているのだとしたら、記憶力に少し問題があるのかもしれません。いわゆる「小西問題」などを巡って、両党の信頼関係を破壊したうえで共闘を凍結に追い込む原因を作ったのは、立憲民主党の側だからです(『維新・馬場代表、立憲民主に「小西氏追及チーム」提案』等参照)。

もしも候補者調整がうまくいかなければ、次期衆院選では多くの選挙区で維新、立憲両党の候補者がバッティングします。現在の状況だけで見れば、維新、立憲が「共倒れ」となり、自民党を利するという可能性も濃厚ですが、いわゆる「ボーダー選挙区」では選挙情勢を混乱させるという展開も考えられます。

なにより、『数字で予測する衆院選:大量移籍で維新躍進が可能に?』などを含め、当ウェブサイトではこれまで何度となく報告してきたとおり、数値の上では、「ボーダー選挙区」を中心に立憲民主党から日本維新の会への大量移籍が発生すれば、立憲民主党の議席は激減する可能性だってあります。

こうしたなかで「候補者調整ができない」などと発言すること自体、岡田氏自身、自党の置かれている状況を正確に理解していない証拠なのかもしれません。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. Masuo より:

    立憲共産の、自分たちは自民党に無くなれだのアベは許さないだの言っといて、自分が言われるのは許せない、いつもの「おまゆう」2枚舌は平常運転ですね。

    それよりも気になるのは、こういう発言を見る限り、立憲民主党も共産党も、自民党でさえも、マスコミに踊らされて今国民が何を考えて何を求めているのか、まったく理解してないどころか、勘違い甚だしいのではないかと思ってしまいました。(あえて知らないふりをしているのか・・・)

    今一番国民の声を拾っているのは、国民民主、維新、参政党ではないかと思います。
    あくまで主観ですが。

    維新の馬場さんには、メディアのスクラムネガティブキャンペーンが発動したとしても、負けないで欲しいと思います。

  2. さより より:

    >>同じ野党だから、あんまりギクシャクしたくないな、という気持ちもありました。

     政権党でなければ、一応、「野党」ということにはなります。
    が、野党だからみんな「同じ」という構図を頭の中で作れてしまう、この単純さは何と言ったらいいのか?

    白でなければ黒しか無い、という白黒思考。
    1でなければ0しか無い。
    味方でなければみんな敵。
    これらは、二者択一思考で、うつ病になる原因思考とも言われているようです。
    そりゃまあ、世界はこんなに広いのに、「世の中の物事は2つしか無い」と頑なに思い込んでしまう思考法ですから、狭い思考世界からは先ず持って抜け出せなくなるでしょう。

    いやはや、こんな考え方をしているのであれば、頭はガチンガチンに硬くなりますし、視野は狭くなるどころか、同じものしか見えなる視野狭窄症になりますし、極め付けは、全く成長や変化が無くなります。
    この、頭が硬い、視野狭窄、成長変化無し、は、今の立民と野党(維新を除く)を表現するの
    にぴったりなのに、書いていてびっくりしました。

    これで、何が、どこが、革新?政党なんでしょうか?
    毎日、ものを考えないで、昨日と同じことを言っている自分にも気が付かない、いやはや、もう言う言葉も出てきません・・・。

    1. さより より:

      >>この、頭が硬い、視野狭窄、成長変化無し、は、今の立民と野党(維新を除く)を表現するのにぴったりなのに、書いていてびっくりしました。

       上に書きました、頭が硬い、視野狭窄、成長変化無し、の3重症があるので、維新の馬場さんは、「いてもなにも良くならない」政党と言ったのだと思いますが、本当は、「いない方が良い」と言いたかったのではないか、と思います。
      馬場さんは、良く分かっているので、期待が持てそうです。

      ただ、露中毒のS、ガムクチャのI、歌男のN、も、自党に「いない方が良い」と認識して頂きたいものです。

      1. はるちゃん より:

        >ただ、露中毒のS、ガムクチャのI、歌男のN、も、自党に「いない方が良い」と認識して頂きたいものです。

        この3名の方たちは、維新が候補者集めに苦労していた時に維新の議員になった方達ですね。
        馬場さんは今のところ、維新の将来を担う議員と取り敢えず頭数として確保しておく議員両方が必要だと思っているのでしょう。
        ただ、最近の藤田幹事長の発言によると、議員の募集に応募してくる人のレベルと数が大変良くなってきたとのことです。
        次回の選挙では野党第一党が目標だと思いますが、いづれは印象の悪い問題議員の入れ替えは必須だと思います。

  3. 朝日新聞縮小団 より:

    自分たちは何を言っても正しい主張だし問題無い。
    しかし他者がそれを言うのは許さない。
    毎度のダブスタですね。

    ちょうど話題になったことで例を出しますが、小西問題時、渦中の小西は、高市早苗氏に対して、万死に値するなどとほざきました。
    これは個人に対する最大限の愚弄です。
    万回死刑にならないと償えない罪人であるとレッテルを貼ったのですから。

    他党の発言にここまで目くじらを立てるのであれば、身内の同様の、いやもっと酷い発言を真っ先に直させるべきでしょう。
    しかし小西らが発言を撤回し、謝罪したような話は聞こえてきません。
    彼らは、韓国の共に民主党と行動を共にするように、朝鮮式の、自分がやればロマンス、他人がやれば不倫という生き様も共にしているようです。

    このような程度の低い輩が国会議員をやっているというのは日本の不幸以外の何者でもありません。
    馬場氏や維新の会自体には賛同出来ないことも多々ありますが、今回の氏の立民や共産などの特定野党に対する言葉には賛同の意を表します。

  4. 匿名 より:

    さっさと自民の力を削ぎ、立憲共産を潰しましょう!
    維新、国民頑張れ!

  5. 伊江太 より:

    >ただ、公党のトップとして度が過ぎているとは思いますね。特に『ないほうがいい』とかね、
    >我々だって言われたら猛然と反発しますよ

    これじゃ、アタマにきた~!以外のメッセージは全く伝わらないでしょう。
    ファクトチェックも、背景情報の付与も何にもない。

    自党議員が、コミュニティノート砲の前に、次々討ち死にしているにはなぜか、
    少しは頭を冷やして、分析してみたら(笑)。

    1. KY より:

      >これじゃ、アタマにきた~!以外のメッセージは全く伝わらないでしょう

       自己を客観的に分析出来ない自称野党第一党の泡沫政党が、何処ぞの偏平足よろしく「大激怒!」ですか。
       幹事長が「何故維新の支持率が上昇していのか理解できない」なんて公の場で平気で口にする程ですから。

  6. カズ より:

    何でも反対党が政権を執ったときに何をしたのか?

    成す術もなく円高を放置した。
    バラマキ政策連発で国債増刷。
    事業仕分でワクチン開発中止。
    危機管理及び外交能力の欠如。
    ・・。

    政権担当したいならせめて是々非々であって欲しい。
    「何でも非々」なんて思考放棄と変わりないのだから。
    立憲共産は「お去るさん」でいいのかもですね・・。

    ・・・・・
    民主党政権の検証― 迷走の3年を総括 ―(参議院自由民主党)
    https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/067_01.pdf

    ↑読めば読むほどに悪夢です。

  7. 農民 より:

     民主主義国家でも、居なくなった方が良い政党はありえて、実際に居て、別に問題発言とは思いません。むしろ居なくなったほうが良いくせに存在できる境遇の幸せを噛み締めなさいな。

     どうあれ、多数の国民が「居なくなったほうが良い政党なんて無い!問題発言だ!!」というのならば維新には票が入らず、逆に多数が「まぁそうよね」という受け止めをしたら維新が躍進するでしょう。民主的に要らないと言われたらどうするのかしら?

  8. たろうちゃん より:

    自分達は大人かぁ?良く言うわ!野党間の選挙協力を優先した?自分らの看板では戦えないだけだろう?揚げ足取りの立憲民主と共産党は社会党の道にまっしぐらでないのかな。こんな人物の実家で働く多くの人々が気の毒になってきた。ま、おれには関係ないけどな!

  9. 元雑用係 より:

    党同士で批判し合うのは結構なことですよね。野党同士だからといって仲良くしなきゃならない理由なんかなくて。よっぽど健全ですしわかりやすいです。

    実際に共産党をぶっ潰すかどうかを決めるのは国民であって維新じゃないんですよね。立憲共産は馬場氏の挑発なんか相手にしなくてよくて、国民に切々と語り続ければいいだけなんですけど。
    よほど余裕がないんでしょうな。

    発言の撤回を求めて、馬場氏が応じる訳もなく。
    「言われたまま黙ってると負けたと思われる反論しなきゃ!」
    なのかどうかわかりませんが、野党同士が衆目の前で批判し合ういい環境ができたと思います。

    馬場氏「釣れたでー!」

    1. 元雑用係 より:

      こういうのが続いた結果、投票率も上がったりして。

  10. クロワッサン より:

    >岡田氏が本気でこれを述べているのだとしたら、記憶力に少し問題があるのかもしれません。いわゆる「小西問題」などを巡って、両党の信頼関係を破壊したうえで共闘を凍結に追い込む原因を作ったのは、立憲民主党の側だからです(『維新・馬場代表、立憲民主に「小西氏追及チーム」提案』等参照)。

    岡田氏は本気で述べているのだろうし、この点では立憲民主党は韓国と一緒ですね。

    加害者なのにスルスル〜っと被害者ポジションに回り込んで被害者面するところ。

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