東アジア版トルコ目指す獅子身中の虫・韓国=鈴置論考
鈴置高史氏は韓国を「獅子身中の虫」にたとえ、「東アジア版のトルコ」を目指しているとする仮説を提示しました。長文ながらも大変読みやすく、そして非常に説得力が高い分析です。ただ、お叱りを覚悟で申し上げるならば、個人的には「東アジア版のトルコ」ではなく、「東アジア版のベラルーシ」を見てみたかったな、という気がしないではありません。
目次
米国の同盟国としての韓国
尹錫悦政権でも日韓関係の基調は変わらない
「韓国で尹錫悦(ユン・ソギョル)政権が発足した。5年ぶりとなる保守政権だ」――。
日韓を問わず、韓国の尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権について報じるメディアの記事を読むと、だいたいこんな文章で始まります。そして、たいていの記事がその続きで、「文在寅(ムン・ジェイン)政権下で悪化した韓日関係にも修復の期待がかかる」、などと主張しています。
この手の主張、韓国メディアではそれこそ一時、毎日のように見られましたし、韓国の朴振(ぼく・しん)外交部長官が訪日するという報道(たとえば『竹島不法調査受け、日本政府は韓国外相来日を拒否せよ』等参照)でも、やはり文在寅(ぶん・ざいいん)政権下で「悪化」した日韓関係改善への期待が示されています。
この点、文在寅政権下で日韓関係がさらに「悪化」(?)したことは間違いありません。ただ、当ウェブサイトでは「事実関係」を何よりも重視しており、こうした立場からは、日韓関係「悪化」の全責任を文在寅氏になすりつける態度はいただけません。
たとえば、『【総論】韓国の日本に対する「二重の不法行為」と責任』でも詳述したとおり、現実には「保守政権」であるとされていたはずの、李明博(り・めいはく)、朴槿恵(ぼく・きんけい)両政権下においても、今日にまで続く諸懸案の源流は、いくつもいくつも発生している、という事実を無視するのはいかがなものかと思います。
これに加えて、現実に韓国側から日韓諸懸案を巡る解決策がほとんど出てきていない、という事実については見過ごせません。尹錫悦政権が発足してそろそろ1ヵ月が経ちますが、尹錫悦氏自身、スピード感をもって仕事をしているようには見えないのです。
いずれにせよ、当ウェブサイトの見立ては、「尹錫悦政権下でも日韓関係が劇的に変わることはない」、とするもので一貫しているつもりです。
対日外交だけではない、対米外交も同じ
ただ、こうした見立てを敷衍(ふえん)するならば、韓国が新政権下で文在寅外交を完全に転換する可能性もまた、非常に低い、という意味でもあります。
そのことがよくわかるのが、『「均衡外交だけが韓国の新しい千年を開く」=韓国紙』でも取り上げた、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に掲載された、「韓国は米国だけでなくロシアとも関係を深めるべき」とする記事でしょう。
記事のリンクを再掲しておきます。
【コラム】沿岸国の呪いを解くには…韓国、米露両国と関係増進すべき(1)
―――2022.05.30 13:50付 中央日報日本語版より
【コラム】沿岸国の呪いを解くには…韓国、米露両国と関係増進すべき(2)
―――2022.05.30 13:50付 中央日報日本語版より
この記事、中央日報にしてはやたらと長文であるだけでなく、議論がとっ散らかっていて、文章の途中でいったい何が言いたいのかわからないくだりなども出てくる、ある意味では難解な代物ではあります。
完全な勘違いに立脚した議論
ただ、我慢して何とか精読し、著者の方が言いたい内容を汲み取るならば、「米国の同盟国であっても米国と完全に歩調を合わせているわけではない」、「だから韓国も自らの判断でロシアとの関係を構築すべきだ」、といったものが、主張の要諦であろうと思われます。
なかでもとくに重要な主張が、次のようなものだと思います(※日本語表現については意味が通じるよう、原文を修正している箇所があります)。
- ドイツでは石油、天然ガスなどの対ロシア依存度が50%を超えており、そのドイツを含む欧州連合(EU)諸国のロシア制裁とエネルギー輸入の中段措置は長く続かないだろう
- 米国は友邦の対ロシア制裁にも例外を黙認している
- 米国の同盟国イスラエルは対ロシア経済制裁に参加せず、ミサイル防衛用のアイアンドームと情報用ペガサスに対するウクライナの輸出要請も拒否した
- インドは対ロシア制裁どころか、ロシア産石油の輸入を倍に増やした
- インドネシアは米国の反対にもかかわらず、ロシアのプーチン大統領をG20首脳会議に招請した
- 日本は対ロシア経済制裁に積極的に参加しているものの、石油・天然ガス開発事業であるサハリン1・2プロジェクトなど、自国のエネルギー安全保障関連事業については放棄しないという点を明確にしている
…。
そのうえで、この著者の方は、「均衡外交だけが韓国の新しい千年を開く」として、「現在のウクライナ戦争で再編されるかもしれない国際秩序がいつか北東アジアの地政学的生態系の復元に決定的な障害にならないよう世論を喚起し、賢明な対外政策を進めていく必要がある」、と主張します。
記事のタイトルや文脈から判断する限り、この方のおっしゃる「賢明な対外政策」とは、米国に全面的に従うのではなく、ロシア、あるいは中国とのバランス外交を展開すべきである、とするものなのでしょう。
記事の間違いが翌日に証明されるというスタイル
このあたり、先日の繰り返しになりますが、この記事に根本的な欠陥があるとしたら、「方向性」という議論を完全に見落としている点です。
まず、西側諸国の対露制裁に全世界が賛同しているわけではない、という点に関してはそのとおりですし、ロシアに対する厳しい制裁を主導するEUでさえ、ロシア産のエネルギーの輸入をすぐにストップすることができなかったのも事実です。
ただ、G7などがロシアに対する厳しい制裁を課している理由のひとつは、ロシアが国際法を踏みにじったからであり、今回のロシアの暴挙を許せば、地球上のそこここで国際法が破られる前例を作ることになりかねないという危機感にあるのです(おそらくその最大の脅威を感じているのは台湾でしょう)。
だからこそ、G7を中心とする西側諸国は、ロシアによるウクライナ侵略という暴挙を可能な限り全力で止めなければなりません。
この点、ウクライナがNATO非加盟国であり、ロシアが国連安保理常任理事国・核保有国・資源国であるという事実を踏まえるならば、西側がロシアに軍事侵攻できないのは止むを得ません。しかし、西側諸国が現在可能なあらゆる手段を講じているという事実を、この中央日報の記事はあまりにも軽視し過ぎです。
とくに、この論考では「欧州連合(EU)諸国のロシア制裁は長く続かない」などと決めつけていますが、はたしてそれは正しいのでしょうか。その答えは、このコラム記事が出た翌日に出てきました。
EU leaders agree to ban export of Russian oil to the bloc – EU’s Michel
―――2022/05/31 07:16 GMT+9付 ロイターより
EU agrees on partial embargo on Russian oil, cutting Sberbank off SWIFT
―――2022/05/31 09:01付 タス通信英語版より
ロイターによると、欧州理事会のシャルル・ミシェル議長は月曜日、欧州連合(EU)各国がロシア産の原油の輸入を禁止する方向で原則合意したと述べたそうです。
これに加えてタス通信の記事によると、これまでSWIFTNetから切断されていなかった、ロシア最大手のズベルバンクについても、今後はSWIFTNetからの切断措置が講じられるそうです。
「EUによる対ロシア制裁は長続きしない」と断言した中央日報の記事が出てきた翌日に、こんな話題が出て来ること自体、韓国の「識者」がいかに西側諸国の動向を読めていなかという証拠でしょう。
「韓国=獅子身中の虫」論
さて、先ほどのコラム記事自体、中央日報としての社説ではありません。あくまでも外部者の意見として、中央日報が寄稿を受け入れた格好です。
しかし、いかに外部者の意見であったとしても、社是と根底から頃なる議論をわざわざ掲載するはずはありませんので、この記事の意見自体、ある程度は中央日報の社内の考え方を代弁したものと考えて良いでしょう。
いや、もっと視野を広げるならば、中央日報だけでなく、韓国社会全体で、「米国の同盟国」という現在の立場を利用しつつも、中国やロシアなどと仲良くしていこうとする姿勢が見られます。これが後述する「獅子身中の虫」論です。
このことを、もう何年も前から強く主張してきた人物がいます。日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏です。
その鈴置氏の偉業は、何といっても韓国・朝鮮半島を観察する際に、「中韓関係」と「米韓関係」という視点を追加したことにあります。
私たち日本人の目からすれば、やはり日韓関係が非常に目立ちますし、日韓関係自体が重要だと思う人が多いのも間違いありません。しかし、日韓関係自体はしょぜん、日米関係の従属変数のひとつに過ぎません。
このあたり、韓国が米国をテコとして日韓関係を自国に有利な形に持って行こうとしてきたことは間違いありませんが、それと同時に見落としてはならないことは、米国が中国を明確な「敵」に位置付けたことにより、こうした手国の戦略自体が破綻したことです。
このことは、鈴置論考を10年来読み続けていたら、勘の良い人なら気付くはずです。
「獅子身中の虫」論
鈴置氏「東アジアのトルコを目指す韓国」
ただ、韓国が「米中二股外交」を繰り広げてきた事実を米国が問題視していることに、韓国自身が気付いていないフシがありますし、日本の一部の政治家や外務省関係者のなかにも、このことを意識していない人がいるのは困った話だと思います。
だからこそ、基本的に鈴置論考は「日本人必読だ」、というのが当ウェブサイトとしての意見なのですが、その「必読論考」がまたひとつ出てきました。
「東アジアのトルコ」になりたい韓国、「獅子身中の虫」作戦で中国におべっか
米国回帰を謳う尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権。だが、韓国観察者の鈴置高史氏は「それは口だけで米中二股外交に変化はない」と見切る。証拠はIPEF(インド太平洋経済枠組み)である。<<…続きを読む>>
―――2022年05月31日付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より
6000文字ほどの論考です。
先ほど紹介した中央日報の記事よりも少し長いですが、読みやすさでいえば、こちらの鈴置論考の方が圧勝しています。というのも、文章の方から私たち読者に語り掛けて来るからです。
今回のテーマは、米国が主導する「IPEF」、つまり「インド太平洋経済フレームワーク」です。
このIPEFに尹錫悦大統領自身が「参加する」と表明したことで、さっそく中国が強く反発し、『環球時報』(英語版)が韓国を強く牽制する記事を相次いで出し、韓国メディアからも中国の報復を警戒する意見が掲載された、などとするやり取りが詳述されています。
いつもながら豊富な証拠と平易な(しかしハイレベルな)解説、本当に度肝を抜かれることばかりです。本当にどこまで広く資料をかき集めているのかといつも驚かされますし、それらの資料をひとつの論点に集約する力量は、まさに超一流のジャーナリストのなせる業と言わざるを得ないのです。
優れた韓国観察者は、優れた中国観察者でもあった!
ちなみに、個人的には鈴置氏のことを「韓国観察者」と称すべきではない、と考えています。その理由は、鈴置氏が韓国だけでなく、中国、米国などさまざまな国の反応を鋭くえぐり取る能力を持っているからです。たとえば、こんな具合です。
「――中国は怒っているでしょうね。
鈴置:『怒る』というよりも『恐怖』でしょう。中国は経済的な自立を目指し、半導体などハイテク産業を育成中です。IPEFの発足により、この計画が頓挫する可能性が高まった。中国からすれば、首にかけられたロープがこれから締まっていくのです」。
「少し前までなら『仮想敵だからと言って商売まで止めはすまい』とタカをくくっていられました。でも、ロシアがウクライナに侵攻した瞬間、西側は直ちに半導体などの対ロ輸出を止めました。西側の国は米国が掲げた『自由と民主主義を守る』との旗印の下に結束したのです。この団結ぶりは予想外だったでしょう」。
この部分だけでも良いので、国会議員の全員、そして外務省の全職員に、是非とも読ませたいと思ってしまいます。ここを踏まえておかなければ、さまざまな潮流を読み誤ります。IPEFに13ヵ国が参集したのも、「ウクライナ効果」だったからです。
まさに、鈴置氏は「優れた中国観察者」でもあるのです。
韓国「獅子身中の虫」作戦
それはさておき、鈴置論考の本領は、記事のタイトルにもある「獅子身中の虫作戦」、という表現です。
韓国自身がIPEFに参加すると述べてしまった手前、引っ込みがつかなくなっているなか、鈴置氏は韓国政府がIPEFを無効化する小陰謀を凝らしている、と指摘します。それが、中韓FTAの深化です。
「中韓FTAは2015年12月に発効、2017年12月からはFTAをさらに深化するための交渉に入りました。当初はサービス貿易や投資の自由化に関し話し合っていましたが、ここに来て商品の供給を円滑にするための交渉を始めた、というのです」。
では、その目的は一体なにでしょうか。鈴置氏はこんな趣旨のことを指摘します。
- 中国の台湾侵攻などで中国と西側の対立が深まれば、米国はIPEF加盟国に対し対中半導体供給を絞るよう命じるだろう
- その際、「商品の円滑な供給を約束した韓中FTAがあるので、米国の要求には応じられない」とはねのける仕組みを韓国は作り始めた
いわば、「獅子身中の虫作戦」、というわけです。
それだけではありません。
韓国がいち早くIPEFへの参加を決めたのは、「IPEFに創業メンバーとして入ることで発言権を確保し、対中包囲網の色合いを薄める」、という狙いがある、というのです。
「この作戦について複数の新聞がさりげなく報じていることから見て、政府高官が匿名を条件にメディアにレクチャーしたと思われます。韓国人特有の対中恐怖心により、IPEF加入への反対が盛り上がるのを政府は防止したかったと思われます」。
そして、こうした韓国の動きに対し、環球時報英語版が5月26日付の “China, South Korea to embrace larger devt; hope Seoul ‘does what it says’: ambassador” のなかで、次のような記載で応じました。
“South Korea stressed that it will join the IPEF based on principles of openness, transparency and inclusiveness, and we hopes it could do what it says, Xing noted”.
鈴置氏によると、この記述は、「尹錫悦大統領の参加表明発言を引用し『開放性・包容性・透明性の原則に基づいてIPEFを推進する』と約束した以上、それが実行されることを望む、と念を押した」ものだとしていますが、こうやって畳みかけるテクニック自体、「宗主国」としての中国の本領のようなものでしょう。
東アジア版トルコ
ここでもうひとつでてくるのが、タイトルにもあった「東アジア版トルコ」です。鈴置氏は「獅子身中の虫」としてIPEFに飛び込むという「せこい手」を使う韓国について、こうも指摘します。
「韓国はトルコに似ています。トルコは、フィンランドとスエーデンがNATO(北大西洋条約機構)加盟を希望すると難色を示しました。既存の加盟国の全会一致が必要条件ですから、トルコが決定権を握った形です。『クルド人テロリストを両国が匿っているから』との名分を掲げていますが、NATO拡大の阻止に動くことでロシアにいい顔をしたい、というのがトルコの本音でしょう」。
なかなかに興味深い視点です。
そういえば、「トルコ」という国名で思い出すのは、トルコと韓国が通貨スワップを締結しているという事実と、トルコが中国から通貨スワップで人民元を引き出した国である、という事実です。
前者は『トルコと韓国が「ローカル通貨建てのスワップ」を締結』で触れたとおりですが、その後、トルコの通貨・リラが暴落し、韓国にとっての通貨スワップの価値が半減してしまったという「オチ」もついています。また、後者については『トルコが中国との通貨スワップを実行し人民元を引出す』などでも触れたとおりです。
自称専門家さん、韓国のクアッド参加は断られましたよ
ちなみに5月のジョー・バイデン米大統領の訪韓時には、韓国が「日米豪印クアッド」の枠組みに入るという話は出てきませんでしたが、これに関しても、じつは鈴置氏の以前からの見立て通りでもあります。
鈴置氏は今回の論考でも、韓国が「獅子身中の虫」になろうとしていることを米国が見抜いているからこそ、クアッドに参加させない、という見方を示しています。
「鈴置:十分に知っているからこそ、Quadに入れないのでしょう。もし加入させれば、中国と呼応して内側からQuadを揺さぶるのが明らかだからです。韓国は中国とは敵対しない『準メンバー』などというムシのいい資格で潜り込もうとしましたが、米国ははっきりと拒絶しました」。
鈴置氏がその証拠として用いているのは、当ウェブサイトでもこれまでしばしば引用してきた、ホワイトハウスのジェニファー・サキ報道官の5月2日の会見 “Press Briefing by Press Secretary Jen Psaki, May 2, 2022” です。
“There are many ways that we engage with South Korea. It’s an incredibly important partnership, relationship. But the Quad will remain the Quad. We will continue to engage with South Korea through a range of mechanisms and — and continue to work on our — the strength of our relationship.”
これに関する鈴置氏の見立てがまた秀逸です。
「『韓国との関係改善を急ぐ』と表明している岸田文雄首相も、5月24日に東京で開いたQuad首脳会議の冒頭挨拶で『地域諸国と歩む』として『ASEAN(東南アジア諸国連合)、南アジア、太平洋島嶼(とうしょ)国』を挙げましたが、韓国は無視しました。『韓国を入れるつもりはないから、甘い顔をするな』とのお達しが米国から来ていたのかもしれません」。
これは、いったいどういうことでしょうか。
鈴置氏はこう続けます。
「『Quad入りを日本が邪魔したら、米国に怒られるぞ』といった情報を韓国政府が流しては日本政府にQuadの扉を開かせようとしていたからです。それを真に受け『大変だ。米国に怒られる!』と言って回った日本の専門家もいたほどです」。
…。
まるで「韓国はこちら側に戻ったぞ」、「このチャンスを生かすために日本は譲歩しなければならない」、などと叫ぶ人たちを牽制しているかの記述に見えるのですが、気のせいでしょうか?また、その自称「専門家」とはもしかして、韓国が約束を破ってきたという事実を無視する、某新聞社の編集委員あたりでしょうか。
日本がどうかかわるのか
裏切りの結果は通貨でお仕置き?
さて、鈴置氏の言う「韓国=獅子身中の虫」仮説が正しければ、早晩、韓国は何らかの形で米国を「裏切る」でしょう。これに対し、米国は一体どう対処するつもりなのか気になりますが、鈴置氏は次のように述べます。
「鈴置:日本と組んで半導体素材の供給を絞る手があります。また、韓国が通貨危機に陥った際にドルを貸さない、といった手口も有効です。これも日本と歩調を合わせる必要がありますが」。
米国が韓国と通貨スワップ(Bilateral Currency Swap Agreement)や為替スワップ(Foreign Exchange Liquidity Swap Agreement)を締結する可能性が皆無に近い点については、当ウェブサイトでも『なぜ米国は韓国と通貨・為替スワップを締結しないのか』などで詳述したとおりです。
ただ、米国との通貨スワップの可能性の芽がないなら、おそらく韓国は日本との通貨スワップ締結を模索するでしょう。
こうしたなかで、日本が韓国との通貨スワップを再開する可能性も、同様に、極めて低いです。2015年の慰安婦合意で含まれた「日本大使館前の慰安婦像問題の解決」が実現していないどころか、2016年には日本総領事館前に新たな慰安婦像まで設置されたからです。
国と国との約束を反故にされた状態を韓国が解決することなしに、日本が韓国と通貨スワップを再開するのは、極めて困難でしょう。いわば、裏切りの結果は「通貨でのおしおき」という形で出て来るかもしれません。
韓国のベラルーシ化を見てみたい?
さて、今回の鈴置論考、末尾はなかなかピリリと風味が効いた記述が含まれています。
「尹錫政権は『親米』を謳いますが、『従中』に変わりはない。『東アジアのトルコ』にお灸を据えるのか。2022年3月の大統領選挙で文在寅氏以上の反米政治家、李在明(イ・ジェミョン)氏が当選していれば、韓国は『ベラルーシ』になっていた。それと比べればましなので、とりあえずは見逃すのか――。米国の判断がカギとなります」。
…。
敢えてお叱りを覚悟で申し上げるなら、「李在明(り・ざいめい)大統領」が実現し、韓国が「ベラルーシ」化するシナリオについて、見てみたかったという気もします。なかば「怖いもの見たさ」ではありますが…。
しかし、現実にはトルコであれ、ベラルーシであれ、韓国が米国にとって信頼がおけない相手国であるという意味では同じでしょう。いや、むしろ「ベラルーシ化」の方が、米国の目から見て、いっそのことスッキリしていたのかもしれない、などと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
トルコが決定権を握ったとは見事な喝破です。エルドアン大統領はロシア衰退は必至とみてオスマン帝国復興を夢見ているのかも知れません。未完の An-225 二号機竣工をゼレンスキー大統領に開戦前に持ちかけていたという記事も目にしました。遼寧は元はウクライナの未成艦でもありました。繰り出す手だてを持つトルコほど韓国が老獪とは思えませんが、トルコからはほんとうに目が離せなくなっています。イスタンブール記者にはがんばって欲しいものです。
韓国のベラルーシ化もですが、オーストリア化をもう一度観てみたいですね。
まぁ、韓国は米中戦争で中国が負けたら「脅されたから仕方なくなんだ!私は悪くない!中国が悪い!」と自己弁護するでしょうけど。
「商品の円滑な供給を約束した韓中FTAがあるので、米国の要求には応じられない」という名分は、使えるかどうかと通るかどうかは別問題なんですよね。
韓国が中国に対し「使う」と述べた場合、中国にしたら「使ったけど通らなかった、供給出来ません」なんて結果になるようでは受け入れられない訳で、韓国は日米に対しその名分で通す、というか押し通す事が前提な訳で。
確か《日本人の「できません」韓国人の「できます」中国人の「できました」は、信じるな》ってジョークがあるのですが、まさに此れだなぁと。
身中の害虫。
やはり韓国の保守派大統領誕生は厄介ですね。
表立って反日してくる文と違って、周りに良い顔を見せつつ裏では反日する、これに呼応する日本国内の連中も多い。
まだ大統領が保守派なだけで中身は左派だらけだから、まだ見極めが必要という声が多いのは安心かな。
何故か水が漏れると思ってたら
開きっぱなしの蛇口が付いてた
韓国はどこへ行くのか、ですが、私は①歴史的経緯から反中意識は韓国民に根強いこと(半面、恐中でもありますが)②政治・経済体制は、民主主義・資本主義であること③日米・西側陣営が、中国・専制陣営に勝利する可能性が高いこと(勝ち馬に乗る気質あり)、から、ブルーチームに入るのだろう(その一員である)と、考えています。ただ、隣に金正恩というプーチンより何をしでかすか分からない危険人物を抱えている割には、危機意識が希薄で、もどかしく思っている次第です。このような国ですから、クアッドというような主要国・コアメンバーに入れる必要は、ありません。またIPEFのような広く薄く参加国を募りたい時には、”賑やかし”メンバーとして、歓迎すればいいのではないでしょうか(ベトナムやフィリッピンと比べれば、さほど韓国だけが二股と非難される筋合いではない)。それよりも、IPEFの中身を、具体的メリットをどう構築していくか、日米外交当局の腕の見せ所なのではないでしょうか。
フィンランド、スウェーデン両国のNATO加盟にトルコが難色を示している理由としては、確かに鈴置さんが指摘するようなロシアへの「忖度」もあるかとは思いますが、どちらかといえば、一種のゴネ得を目論んでいるためではないかと考えています。
トルコは長年にわたってEU加盟を目指してきましたが、EUからはずっとぶらかされてきました。細かな宗派の違いはあれど基本的にキリスト教を文化的基盤とするEU諸国としては、世俗国家を謳ってはいるもののイスラム教を文化的基盤とするトルコはちょっとねという思惑はわからんでもありませんが、トルコとしては大いに不満だったでしょう。ならば、ここで一つゴネておいて、飴玉を引き出すチャンスと捉えても不思議ではありません。結局のところ、EU諸国としては、トルコの「譲歩」を引き出すために、何らかの飴玉を与えざるを得ない状況になりつつあると思います。
そのように考えると、韓国が「トルコ化」を目指しているのではないかという見立ては、過大評価なのではないかと思います。韓国がそこまで考えるほどしたたかであるようには到底思えないからです。韓国が求めているのは、ひたすら甘やかしてくれ、甘い汁を吸わせてくれるような「親分」だけであり、その場その場の目先の損得だけであると見ているからです。従って、どの陣営から見ても「獅子身中の虫」になる得るという、とても困った存在にしかならないと考えるべきだと思います。
尹錫悦政権が前政権とは異なる外交方針で臨もうとしているのは確かでしょうが、韓国人の特性や国内事情を考えると、そう簡単に大胆な方向転換を為し得るのかはわかりません。さしあたり、THAAD運用正常化を実施できるかどうかが最初の試金石になると思います。それすらもできないようでは、その先を期待することなどできません。
龍様
ロシアに恩をうるというのもあるとは思いますが、私もメインはごね得狙いの条件闘争だと思います。フィンランドとスウェーデンのNATO加盟は既にEU内では既定路線で、これに反対し続ければトルコもEU内で孤立します。どこかの時点で折り合うと見ています。
韓国についてはひたすら目先の損得だけ見ているというのはその通りと思います。
韓国が自国の国益を最大化するにはどうしたら良いのかを考えた結果がそれで、日米とは価値基準が異なる以上その判断が正しいとか間違いだとか言ったところで意味はない。そういう国とどう付き合うのかが日米が考えるべきこと。
それよりも、
Q)Are you willing to get involved militarily to defend Taiwan if it comes to that?
A)Yes. That’s the commitment we made.
このやり取りを横で聞いていて無反応だったひとがこれからどうするつもりなのかの方が日本にとってよほど重要。
トルコには、自らに大国化の意思があると思います。欧露の仲裁をしようとするのもその一環と思います。他に対抗馬もいませんけど。
北欧2国のNATO加盟にミソをつけたのは、今の有利な立場を利用した思いつきだと思います。事前には賛成していたそうですし。
韓国には表面的なプライドはあっても、大国化を目指した行動は出てきません。政権を維持するためにロシアの言いなりになる選択をしたルカシェンコ(ベラルーシ)のほうが合ってると思います。今の大統領でもそうでしょう。
中韓FTAの獅子身中の虫説は初見でした。露骨すぎですね。
新大統領にその意図があるかはわかりませんが、結果的にその機能を果たしていきそうな気がします。w
南国はトルコになり得ません。
トルコが何故EUに加盟できあにかといえば、単なるアジア差別です。
NATOに入っているのは、黒海問題を抱えているからです。
(ボスポラス海峡に軍艦を通させない為)
更にトルコは技術大国であります。
翻って南国は自称技術大国であり、軍事大国ですが
戦車の一つも完成させる事ができません。
(エンジン・トランスミッションが造れないし、5cmの段差も
乗り越えできません)
又、南国は中共の配下であり、自由主義国同盟に入るのは、
中共の指示により、その組織を内側から破壊する事が目的です。
地政学的な場所にいると思っているから、米国が見捨てられない
と思っているだけです。
>>5cmの段差も乗り越えできません
こういう下らない嘘を書くのは止めたら?
お疲れさまです。
川添恵子さんのユーチューブ動画をみました。
中国の収容所で身体検査として連れていかれて、二度と戻ってこない。臓器移植の病院には、火葬場があるそうです。
ヨーロッパは、本気でこの非人道的行為に反対するとおっしゃってました。
どちらにつくかです。
獅子身中の虫には獅子身中の虫なりの人生があって、それなりの必然性で、虫なりの選択で、自己の生存戦略のつもりで、獅子身中へと、その宿主を殺す存在へと成長していくんだな、と。その際、虫なりの能力と知恵を駆使して偽装したり誇大広告したり、他を悪者にあげつらったり、なんなら宿主に麻痺毒を仕込んだりしながら生きてゆく、と。そう言う事を考えてしまいました。
獅子身中の虫とは、日本社会に深く浸透し、新聞・出版・放送・エンタメ産業のみならず著名企業の経営層に食い込み自己利益伸長のため宿主を弱め攪乱しようとする集団のこととも言っていますね。
獅子「親中」の虫ですね。わかります。
韓中FTAとかなんの意味もないような。それに意味があるのは、自国で完結した素材と部品がある場合のみ。素材も部品も他国だよりなら、IPEFで締め上げられて終わり。おまけに一企業の一本足打法なら、国ごと締め上げられてしまう。正直、なぜ加入したのかよくわからない。反中をうすめるためともいうがそんなお題目のために致命的なもの加入するのだろうか?以前と比べたらまた一段と頸がしまっている。政権運営に以前よりも危うさを感じる。お隣の国だけでなく、日本も、進出企業がどう対応するのか、もうまったなしの喫緊の問題となってくるだろう。
そもそもトルコをNATOに加盟させた時点で欧州各国(特にドイツ)あほあほだったとは思います。
利害関係も歴史や宗教に基づく思想も根本的に違う異質な国なのに。
やはりグローバルスタンダードは絶対にたどり着けないパラダイス思考でした。
人類がとてつもない時間と犠牲を払って築いたのが、お互い相容れない人種・宗教・言語・文化の境目としての国境であり国家だったと思います。
その相容れない国同士が生活必需品の取引の為の共通合意として生まれたのが貨幣の概念と貨幣経済かと。
その唯一の合意をロシアのプーチンが破壊しようとしており、現行の貨幣経済では自由に我を通せない事に不満な破綻ないし破綻寸前だったロシア・中華人民共和国・北朝鮮等が牙を剥いたという側面も今次戦争の原因の一つかと。
現行貨幣経済に不満を持つBRICSやトルコが軒並み反目を回っている現状。
今の体制での貨幣経済が完璧な物だとはまるで思いませんが、現状変更の手段が「戦争」だと言うのはいただけません。
あっ財政破綻寸前の国がまだあった!
韓国だ…
韓国がトルコと同列に語るのはトルコに対しての侮辱ですからやめましょう。
今次戦争が始まる前に、ロシアの尖兵ベラルーシが先ずEUを恫喝しました。
その時に用いた戦法がポーランドへの難民押し付けです。
ベラルーシが北朝鮮と考えると、ベラルーシが駆使した難民爆弾こそが韓国なのではないでしょうか?
それくらいの位置付けだと考えております。
なんにしろ、当方はロシア・ウクライナ紛争は既に第三次世界大戦であると認識しております。
実弾が金属塊ではなく、エネルギーと食糧と貨幣価値になっているだけです。
がみ様
>そもそもトルコをNATOに加盟させた時点で欧州各国(特にドイツ)あほあほだったとは思います。
このコメントはちょっと事実誤認があると思います。
NATOに加入した当時のトルコは、イスラム教の政治への影響を極力排する世俗主義を標榜し、また冷戦下において明確に西側陣営に属していた国家です。冷戦初期の頃、トルコ国内には核を搭載した中距離ミサイルを配備した米軍基地があり、一朝事あればモスクワに核を打ち込む西側最前線の位置づけがなされていたわけで、NATO陣営に組み入れたのは至極当然のことだった思います。
トルコが世俗主義を貫いておれば、欧州諸国がEU加盟を拒む理由は見いだしにくかったと思います。自らの人種差別意識を認めることになるのは、やはりバツが悪いでしょうから。エイドリアン政権が登場する以前から、トルコのイスラムへの傾斜が徐々に目立つようになっていったのが、トルコは欧州とは異質だと見方が拡がった大きな理由でしょう。政教分離が欧州政治の原理原則であるというのが本心からのものであるのなら、ギリシャやブルガリア、ルーマニアといった国々が、トルコとどこが違うんだと問いただされたら、実際のところうまい説明などできなかったはずです。
EU域内の自由移動を可能にした場合、テロの増加が懸念されることが、NATOには留めておかねばならないものの、EUには入れたくないという、まことに身勝手ではあっても、切実なEUの本音なのでしょう。
トルコがEU加盟を申請したのは1984年のことですので、トルコがイスラムに傾斜しだすよりもだいぶ前のことです。むしろ、いつまでもぐずぐずと加盟交渉すらまともに開始してくれないEUにトルコが失望し、イスラム傾斜に拍車がかかったとすら言えるかもしれないと思います。
参考: https://eu-info.jp/law/en6.html
また、NATOは元々が対ソ軍事同盟でしたから、冷戦期には、黒海の出口を抑え、かつソ連要部を南方から中距離弾の射程に捉えられるトルコを加盟させたのは、ある意味当然とも言えます。問題があるとすれば、冷戦が終結し、本来の存在意義を失ったNATOをそのままに存続させたことにあるでしょう。まあ、今となっては、対ロシアという以前とは異なる意味での存在意義も見え始めましたが、元々は東西冷戦の残骸であり、ゆえにその当時の構造を引きずっているのです。
> NATOは元々が対ソ軍事同盟でしたから
> 問題があるとすれば、冷戦が終結し、本来の存在意義を失ったNATOをそのままに存続させたことにあるでしょう。
不勉強ですね。以前も説明したのに理解できないのですか?
NATOの存在意義は「ソ連から欧州を守る」だけではありません。「加盟国間の相互防衛相互監視」「ドイツから周辺国を守る」「周辺国からドイツを守る」事も欠かせない、重要な存在意義です。ソ連が解体された後も意義は失われていません。
存続させた事も、何の問題もありません。戦争の絶えない欧州で70年も平和が保たれたのはNATOが機能しており、有効であったからに他なりません。NATOを欧州における最高傑作の一つと評する声もあるほどです。
以前、龍様はNATOを解体してアメリカを排除した集団安全保障体制を欧州各国が作れなかった事を無能呼ばわりしてましたが、欧州各国の事情も鑑みず自説に妄執し、NATOの存続や拡大を支持した欧州各国の国民の意思を無能呼ばわりする龍様こそ、本当の無能ではないかと言わざるを得ません。そのような愚かしい言い草はNATOのような集団安全保障体制でさえもアジアで構築できず、冷戦後も日米同盟を継続している我々日本人にもブーメランとして跳ね返ってくるというのに。
本当に問題なのは、NATOの存在意義を米ソ冷戦の文脈でしか学んでいない龍様の浅い理解、他者から誤りを指摘されても自分の勉強不足を認めず自説に固執する龍様の頑固さと愚かさです。
残念ですが、お説には同意できません。軍事同盟の主目的と副目的をごっちゃにしているようにしか見えず、また、NATOとEUとの関係についても、歴史的経緯を無視した議論であるようにしか見えません。
再度繰り返しますが、NATOは冷戦終了とともにWTOと同時に解体、少なくとも改組すべきでした。その上で、改めてアメリカとの軍事的連携関係を構築するべきだったと考えます。とある福岡市民様が盛んに強調されるドイツの封じ込めも、その枠内で十分機能させることができたはずです。1990年代以降のNATOは、単にありものを流用したに過ぎません。そのほうが実効的な枠組みを作るのに楽だったというのはわかりますが、それと引き換えにヨーロッパの集団安全保障は独立性を半ば失いました。ド=ゴール将軍が存命だったら、さぞかし嘆いたことでしょう。
> NATOの存在意義を米ソ冷戦の文脈でしか学んでいない
NATOが冷戦の産物であることを懸命に否定する根拠はなんですか?
米ソ冷戦への対応だけが目的ではなかったとしても、冷戦を契機としていることは明らかでしょう。ドイツ封じ込めが主目的だったとしたら、フランスが一時NATO軍事機構から外れたことをどう説明しますか? フランスこそ真っ先にドイツ封じ込めを考えるでしょうに。
> 軍事同盟の主目的と副目的をごっちゃにしているようにしか見えず、また、NATOとEUとの関係についても、歴史的経緯を無視した議論であるようにしか見えません。
何を言っているのですか?
今はEUではなくNATOの話をしているのです。EUの話を持ち出してごっちゃにして話をそらさないで下さい。
NATO設立の歴史的経緯及び主目的はソ連対策だけでなく、ドイツ対策もあります。その歴史的経緯を一から勉強し直しましょう。
> NATOは冷戦終了とともにWTOと同時に解体、少なくとも改組すべきでした。その上で、改めてアメリカとの軍事的連携関係を構築するべきだったと考えます。
なぜ解体すべきなのですか?
そもそも解体すべきか否かを決める資格があるのは欧州各国の国民です。外野である龍様はその資格さえありません。
確かに冷戦後はNATOを解体してEU軍を創る構想がありましたが、結局は頓挫しています。超国家組織に国軍の指揮権を譲渡する事をどの国も嫌がった事(当時は脱退してましたが、フランスのようにそれが憲法違反になる国もあります)、NATOがちゃんと機能しているのに別組織を創るのは無駄であり、かつまともに機能する保証がない事が理由です。
だから欧州各国政府はNATOを存続させ、旧東欧諸国政府も加盟する事を選択しました。それら政府を支持したのは欧州各国の国民です。自由民主主義を掲げる国の国民ならば、その国民の民意を尊重するべきではありませんか?
どうも龍様はロシアの核を恐れるあまり、ロシアとプーチンへの忖度を重視し過ぎて、ソビエトロシアに苦しめられた旧東欧諸国の国民の意思を軽んじる傾向があるようですね。
もしロシア人や中国人が、「米日同盟は冷戦の産物であり、冷戦終了とともに解体すべき」「米日同盟はロシアと中国にとって脅威になる。アジアの平和のため、日本は中立化、非武装化するべき」と言ったら、龍様は賛成するのですか?
龍様のウクライナや旧東欧諸国に対する態度はこれと何も違いません。
> ドイツの封じ込めも、その枠内で十分機能させることができたはずです。
> ド=ゴール将軍が存命だったら、さぞかし嘆いたことでしょう。
その枠組みと位置づけられていた欧州統合軍構想を潰したのがド・ゴールだったというのを知らないのですか?
ド・ゴールは欧州が協力して集団安全保障体制を創るより、フランスを単独で米ソと渡り合える国にする事を目指していました。龍様がド・ゴールをそのように誤解している事をド・ゴールが知ったら激怒しますよ。
欧州各国はアメリカ抜きの集団安全保障体制を創る事に失敗しました。失敗した以上、「ドイツの封じ込めも、その枠内で十分機能させることができたはず」なんて主張は単なる妄想に過ぎません。
だからこそNATOを欧州の集団安全保障の基軸に据えたのです。それがうまくいって70年も平和を保てたのですから、立派ではありませんか。
アジア版NATOどころか、韓国でさえ日米韓の軍事協力体制に繋ぎ止められなかった日本とは比較にできぬ程の偉業です。我々日本人にNATOの存在意義や、その維持に尽力した欧米各国の人々を批判する資格はありません。
> NATOが冷戦の産物であることを懸命に否定する根拠はなんですか?
冷戦の産物である事を否定した事は一度もありません。目的が冷戦「だけ」ではないと言ってます。
冷戦「だけ」の産物なら冷戦終了と共に存在意義を失うでしょうが、NATOの設立背景には19世紀後半からの欧州史、特に対独関係史の理解が必要です。その理解が足りないままNATO解体を主張しても意味がありません。
NATOは冷戦を契機に作られたのは事実ですが、ソ連対策だけのためにあった組織ではありません。ソ連崩壊後も、加盟国間の相互防衛相互監視という目的は今も健在であり、存続こそすれ解体する合理的理由がありません。何よりも、戦争の絶えないヨーロッパにおいて40年以上も戦争を防ぐ偉大な実績を残しました。
> > フランスが一時NATO軍事機構から外れたことをどう説明しますか? フランスこそ真っ先にドイツ封じ込めを考えるでしょうに。
さては欧州の現代史を知りませんね?そんな人がNATO解体論を唱えるなど空虚空論もいいところ。ちゃんちゃらおかしい話です。
フランスがNATOに出たり入ったりしたのはフランスの時の政権によって方針が大きく変わった事に尽きます。
NATO創立を主導したのはアメリカとイギリスで、フランスはNATOに対して否定的でした。だから左派は欧州統合軍構想を立ち上げてNATOに代わる組織にしようと計画し、ド・ゴールら右派は核武装をして欧州統合軍構想やNATOに頼らずとも米ソと対等に渡り合おうとしたのです。
結局はどちらもうまくいかず、NATOに再加盟しましたが。
ドイツ封じ込めについてはフランス国内に様々な意見が対立し、国として統一した方針を打ち出せませんでした。
ドイツ封じ込めにはイギリスの協力が必要ですが、ド・ゴールは「アングロサクソンを征服する」と公言してはばからない人です。イギリスとの協力に前向きだった左派と否定的だったド・ゴール派の対立が激しくて収拾つかなくなり、結局はNATOの在独アメリカ軍にその役割を担ってもらうしかなくなったのです。この時の混乱が第四共和政崩壊の伏線となりました。
龍様はなぜNATOに否定的なのでしょうか?
NATOに親でも殺されたのでしょうか?それとも欧州の防衛は欧州で、などと青臭い正義感でもあるのですか?
後者であるのならそんな無意味なものはとっとと捨てましょう。それは日米同盟の否定、引いては日本が中共に吸収される事を正当化する根拠になりかねませんから。
相変わらず「とある福岡市民」さんの切れ味が良すぎる。「龍」氏とかいうしったかぶりの自称論客、見事に撃沈。
あいかわらずのシツコさですね(失笑)
医者とか言っていましたが、本業で努力して「金持ち」になれよ(笑)
匿名のコメント主様
あなた様がかなり以前に別のハンドルネームを使用して、このコメント主様と議論を行った事実については、当ウェブサイト側として把握しております。そのうえで、匿名を含めて複数のハンドル名を使い分けて相手を罵倒する行為は、当ウェブサイトでは明らかなルール違反です。お控えください。(警告1回目です。)
とある福岡市民さんのファンです。普段偉そうにああだこうだとご高説を垂れる不勉強な輩をバッサバッサ斬っていく姿が爽快過ぎて…。
それにしても過去に論破されて逆恨みって、ホンット恥ずかしいですね。新宿会計士さん、その匿名のハンドル名開示しちゃえば?
>>そもそもトルコをNATOに加盟させた時点で欧州各国(特にドイツ)あほあほだった
トルコのNATO加盟は1952年、ドイツ(西ドイツ)の加盟は1955年。
ドイツがあなたに
>>あほあほ
呼ばわりされる理由はないでしょうね。
誤解が多々あるようで口汚い匿名まで沸いてまいりましたね。
原点は1900年代のことなんか基準にしておりませんで、時の政権がイスラムと距離があったかないかでもなくって近視眼的なことではなく、オスマントルコの末裔をヨーロッパが嬉々として受け入れた顛末ですが?
他人を誹謗するなら「匿名」とか卑怯な事しないでせめてアカウントネームでも使ったら?
だれのなんの意見かもわからない逃げ場所先に用意しとくのって、他の匿名全員に自分の責任を負わせるへたれがする事ですよ?
意見らしい意見でもないですし、無難にいきてきたんでしょうね。
他人の陰に隠れて。
口汚いのはあんただよ、がみさん。
中身に反論できず、匿名ってことにかみつくことしかできないヘタレ。それがあんた。
他国をあほあほと誹謗中傷した結果、自分の無知と偏見が露呈してカウンター食らうのは草。ダサすぎ。
あなたは氷河期世代さんの別名かな?
>トルコのNATO加盟は1952年、ドイツ(西ドイツ)の加盟は1955年。
これ中身あって反論どうこうするものなの?
カウンター?
はぁ?
匿名の卑怯もの相手するのめんどくさい。
きちんと反論できないで人をくさすあんたの方が卑怯だよ。
欧州各国やドイツよりあんたの方がよっぽどあほあほって思われてるよ。
そんなことも分からんのか。どうしようもないな。
草でもはやせば?
反論する対象の論が貴方の文言には存在しないから意見書いてみてくださいね。
匿名さん
まあ冗談ですが、管理人様も鈴置氏も
獅子と虫の両方のプライドを傷つけた事に謝罪が必要でしょう(笑)。