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鈴置論考で読む「不毛な先進国論争」の果てにあるもの

先日の『鈴置論考が解く、韓国が「輸出規制撤回」を求める理由』では、韓国観察者である鈴置高史氏の論考を参考にしながら、韓国が日本に対し、何かと理解に苦しむ行動を取ってくる理由が、じつは彼らなりの「先進国意識」にあるのではないか、という仮説を立てました。そして、この見立てが正しいのではないかという証拠が、いくつも出て来ています。本稿ではその具体的な証拠をいくつか紹介するとともに、昨日公表された最新版の鈴置論考も参考にしつつ、私たち日本国民が韓国について研究することの意味を考えてみたいと思います。

先進国論争

以前の『鈴置論考が解く、韓国が「輸出規制撤回」を求める理由』では、日本政府が昨年7月に打ち出した、いわゆる外為法に基づく韓国に対する輸出管理の厳格化措置を巡り、韓国が執拗にその白紙撤回を求める理由は、彼らなりの「先進国意識にある」、という仮説を紹介しました。

その手がかりとなるのが、『デイリー新潮』に掲載された次の論考です。

韓国は「防疫の模範」が裏目でクラスター、それでも「世界を先導」という自己暗示

韓国を新型肺炎の第2波が襲う。「世界を先導する防疫模範国」の自信は揺らぐのか。韓国観察者の鈴置高史氏が読む。<<…続きを読む>>
―――2020年5月19日付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より

リンク先記事を執筆したのは日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏で、5月11日付の『「防疫で世界を先導」と胸を張る文在寅、「反面教師に」と冷ややかな安倍晋三』という記事に続き、「K防疫」を話題に取り上げた格好です。

この「K防疫」とは、韓国が自画自賛する、例の武漢コロナウィルスを巡る韓国なりの防疫のことで、「自分の国が世界をリードする先進国になった」という象徴なのだ、というのが鈴置氏の見立てです。

鈴置:『ITの駆使』を含め、韓国の防疫法が世界でもっとも優れたものであり、世界が学んでいる――との誇りを韓国人が持つに至ったからです。/5月10日の就任3周年特別演説で、文在寅大統領が『我々は防疫で世界を先導する国になっています。K防疫は世界標準になったのです』と国民に呼びかけました。

非常に言葉は悪いのですが、こうやって自画自賛するのは、韓国の悪い癖だと思います。

もちろん、自分たちで努力した結果を自負するのは自然な国民感情の発露であり、それ自体が悪いことではありません。しかし、韓国の場合、「自分たちは素晴らしい」という発想が、そのまま「日本(や米国)は劣っている」という、根拠を欠いた思い上がりにつながりがちなのです。

当ウェブサイトなりの見立てでは、結局、韓国が日本に対して輸出管理の厳格化・適正化措置を「不当な輸出『規制』だ」と決めつけて白紙撤回を求めるのも、「日韓GSOMIA(※)を破棄するぞ」と息巻くのも、こうした根拠のない思い上がりのなせる業ではないかと思うのです。

(※「日韓GSOMIA」とは『秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定』のこと。また、GSOMIAと輸出管理を巡っては下記記事などもご参照ください。)

鈴置論考を裏付ける調査結果

さて、この「先進国意識」、べつに根拠のない話ではありません。

鈴置論考から約1週間経過した28日、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に、こんな記事が掲載されていました。

【コラム】先進国の幻想を越え、ヘル朝鮮を破る思考の共和国を追求すべき=韓国

新型コロナウイルス感染症が全世界に広がった。いわゆる先進国まで苦戦している中、韓国は防疫に比較的成功している。<<…続きを読む>>
―――2020.05.28 14:24付 中央日報日本語版より

記事冒頭にある、「新型コロナで先進国が苦戦していて、韓国は比較的成功している」という記述自体が非常に怪しいものだという気がするという点はさておき、この手の「韓国は先進国の仲間入りしたぞ」とでも言いたいかの主張は、たしかに最近の韓国メディアの報道ではよく目にするのです。

個人的に非常に注目したいと思ったのは、次のような記述です(※日本語表現は整えています)。

KBS(韓国放送公社)がコロナ後に変わった韓国社会の認識を調査したところ、回答者の83.5%が韓国は先進国と答えた。わずか1年前まで57.4%が韓国には希望がない『ヘル朝鮮』と回答していた点を考えると、驚くような数字だ」。

いかがでしょうか。鈴置論考「そのまんま」ではないでしょうか。

口が悪い人に言わせれば、

ほほぅ、韓国では先進国であるかどうかは世論調査で決まるんですか?

という皮肉のひとつでも言ってやりたい気持ちになるのかもしれませんが、いずれにせよ、文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領の「K防疫」により、韓国国民の気分が不思議と高揚していることは間違いなさそうです。

閑話休題:なぜ議論がつまらないのか

少しだけ脱線しておきます。

先ほど紹介した中央日報の記事、文字数が3000文字にも及ぶ長文ですが、お世辞にも読みやすくはありません。やたらと哲学的・抽象的な表現がたくさん出て来ているわりに、議論がとっ散らかっていて、主題が非常にぼやけているからです(韓国人が執筆する記事にはありがちですが…)。

とくに、末尾にある

実際、思考は沈潜でなく冒険であり、それこそが低劣から飛躍できる人間の特権だ。他人の手段として動員されることを拒否し、刺激に単純に反応することを越えて惰性に流されず、考えの冒険に喜んで飛び込む人々が作る場が、まさに思考の共和国だ。

という文章を読むと、絶望的な気持ちになってしまいます。

では、なぜこの中央日報の記事は私たち読者の心に響かないのでしょうか。

その理由は、おそらく、地に足がついていないからです。

たとえば、韓国社会における性的少数者への差別的な認識、頻繁に発生する労災事故、過去100年における朝鮮半島の歴史など、議論はあっちに行き、こっちに行き、挙句の果てには「思考の共和国」という言葉に辿り着くのですが、そもそも思考訓練ができていないのはこの記事の執筆者その人でしょう。

また、いろんな話を例に挙げているわりに、最近韓国で話題の尹美香(いん・びこう)元挺対協代表と自称元慰安婦の対決などの現実のさまざまな社会問題についてもまったく言及がありません。

いや、それどころか、「ヘル朝鮮」という言葉が出て来ているわりには、現実のコロナ問題や雇用不安、輸出の急減、利下げなどの経済の諸課題には、ただの1行も触れられていませんし、南北問題、米中対立問題など「差し迫った現実の問題」にまったく目が向いていないのも不思議です。

ためしに、この中央日報の記事を、鈴置論考と直接読み比べてみてください。

なぜ鈴置論考が面白くて、なぜ韓国メディアの記事がおもしろくないのか、具体的によくわかっていただけると思います。

私たちは昔の朝鮮王国の「両班の論争」を知り得る立場にはありませんが、おそらくご自身が知っているであろう難しい言葉を可能な限り動員して、なにやら高尚な議論をしているかに装う(しかし現実はまったく見えていない)という点で、「あぁ、朝鮮王国はこうやって滅んだのかな?」と疑問に感じる次第です。

最新の鈴置論考

さて、寄り道はこのくらいにして、本論に戻りましょう。

デイリー新潮に昨日、鈴置論考の最新版が掲載されています。

韓国で巨大クラスターが続々発生 「文在寅が威張るたびに感染爆発」と顔をしかめる人も…

韓国の首都圏で新型肺炎の集団感染が発生した。極めて大型のクラスター(感染者の集団)で、それも複数だ。韓国観察者の鈴置高史氏が背景を読む。<<…続きを読む>>
―――2020年5月29日付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より

リンク先記事、4000文字少々で、先ほど紹介した中央日報の記事よりも長いのですが、ご安心ください。読みやすさでは格段の違いがあります。前回の鈴置論考と比べれば短めですが、読みやすさもさることながら、読みながら知的好奇心が刺激されるのを痛感していただけると思います。

内容については全文を引用するつもりはありません。各自リンク先でご確認ください。

それよりも、本稿で紹介したい鈴置論考のポイントは、韓国で再びコロナの感染者数が増え始めたことで、それを利用して保守側が政権に「反抗」の機会をうかがっている、ということでしょう。

というよりも、あくまでも当ウェブサイトなりの理解に基づけば、鈴置氏は一貫して同じことを主張しています。それは、「K防疫」なるものが、じつは文在寅政権によって作られたものであり、韓国国民が「韓国は防疫に成功した」と「洗脳」されているに過ぎないのではないか、という問題意識です。

このあたり、現実に韓国で4~5月は新規感染者が抑制的に推移していたことは事実なので、「K防疫はウソだ」と現時点で断言できる材料はありませんし、鈴置論考もこのあたりは非常に慎重に書き進められています。

ただ、どうも韓国で「第2波」が到来しつつあるのではないか、あるいはそもそも「第1波」が収まっていなかったのではないか、といった疑問点は払拭し切れません(※このあたり、医学的見地から専門的な研究が進められるのには時間が必要だと思いますが…)。

文在寅政権対保守派

さて、朝鮮半島の歴史を調べている人であれば、みな、同じことを考えると思います。それは、果てることのない派閥闘争です。これに関連し、鈴置論考のなかでとくに興味深い部分を拾っておきましょう。

――では、感染拡大は文在寅攻撃のチャンスに……。
鈴置:拡大の規模によると思います。『韓国は「防疫の模範」が裏目でクラスター、それでも「世界を先導」という自己暗示』でも説明しましたが、多くの韓国人が『世界1の防疫模範国になった』『日本を抜いて先進国入りした』と洗脳されています。『文在寅政権の失敗』とは『先進国入りに失敗』を意味します。保守はよほどタイミングを見極めて政権攻撃しないと、『先進国入りした』と大喜びしている国民から反発を買ってしまうのです。

…。

いかがでしょうか。

やはり保守の側から、「感染拡大」が文在寅政権攻撃のチャンスが生まれるかもしれない、といった思考が出ているようなのです。ただし、タイミングを間違えればむしろ保守が国民の側から反発を喰らう、という注意つきですが…。

では、その具体的な時期は、いつなのでしょうか。

鈴置:もう少し先、といった感じです。まだ、感染爆発という状況には至っておらず、韓国人も『世界から尊敬されている』と依然、信じているからです。ただ、朝鮮日報が『布石』的な記事を載せています。イ・テドン東京特派員が書いた『「他人の模範」から「反面教師」に』(5月18日、韓国語版)です。

この記事、気になりますね。

ここでは鈴置氏の要約をそのまま紹介しましょう。

  • 韓国が感染を上手に抑え込んだために、日本では「韓国を見習え」との声が高まった。しかし最近、「韓国は反面教師だ」との評価に急変した
  • 自治体と一部の若者の油断によって梨泰院で集団感染が発生し、感染者が二桁になったからだ。いろいろと注目を集める「K防疫」。こんなお手本になるのはうれしくない

納得の鈴置論考、安倍発言の真意は「韓国は反面教師」』でも報告したとおり、「韓国は反面教師だ(と安倍総理が述べた)」と最初に指摘した人物のひとりこそ、じつは鈴置氏その人なのですが(笑)、憎き日本の声を政権攻撃に転用しようとするあたり、さすが韓国メディアだと思います。

いずれにせよ、韓国で今後、感染者の増大が、ソウル首都圏における「感染爆発」につながっていくのかどうかについては、見極めも必要でしょうし、目が離せない論点のひとつであることは間違いないと思います。

どうして韓国を研究しなければならないのか

さて、「韓国における感染爆発」については、私たちの国・日本も冷笑していられるものではありません。

日本ではいちおう、緊急事態宣言が5月25日付で解除されたものの、東京都では昨日、新規感染者数が22人発生し、4日間連続で「2桁」となっているようです(図表)。

図表 東京都の新規感染者

(【出所】東京都『都内の最新感染動向』より著者作成)

もちろん、行動制限の緩和/引締めから実際に感染が拡大/収束するまでに若干のタイムラグもあるため、「5月25日に緊急事態宣言が解除されたから、東京都で感染者が増え始めた」という短絡的なものではないと思いますが、いずれにせよ、感染拡大の動向は気になるところではあります。

ただ、それと同時に、今回の「K防疫」に限らず、私たちが韓国について学習・研究しなければならない理由は、「反面教師」という点にあるのではないでしょうか。

たとえば、『普段は日本を批判する韓国、中国にはダンマリ決め込む』でも述べましたが韓国という国は、自国に対して脅威をもたらさない国を苛立たせることに関しては天災的な才能を発揮する一方、自国に直接的な脅威をもたらす国に対しては毅然と立ち向かうことをしない国です。

また、以前の『日韓通貨スワップこそ、日本の半導体産業を潰した犯人』などでも触れたとおり、日本が韓国に対して「良かれ」と思ってやったことが、巡り巡って日本自身の国益を破壊する結果につながった、といったことは歴史上、枚挙にいとまがありません。

その意味では、日本の周辺にあるウソツキ国家群(たとえば中国、北朝鮮、ロシアなど)を制し、日本をより良い国にしていくためには、韓国という「一番身近なウソツキ国家」のことをよく調べ、研究することが必要ではないでしょうか。

その意味では、鈴置論考はまさに、現在に生きる私たちのためというよりは、「未来の日本人のために」生きていく日本の宝物ではないかと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (65)

  • > 自国に対して脅威をもたらさない国を苛立たせることに関しては天災的な才能を発揮する

    そのとおりなんですが、例のバルブの関税は、WTO敗訴でも継続する意向らしいです。
    そうなれば日本は対抗関税をかけることができるということですが、ここで手痛い制裁第一弾がぶっ放されるでしょうか。
    どこか間違っていますか。

  • 【日中関係について】

     昔は・・・・・・・・現在は
    「日中友好」→ 「戦略的互恵関係」に変わる

    → 本当は嫌いだが、お互いの利益のため殴り合いはしない。

    そして、「日中友好」という言葉は使われないなりました。

    【日韓関係について】

    昔は、同じ資本主義国家として、中共などの共産国家と戦う仲間
    という位置づけで、韓国を重視していました。

    しかし、今は・・・・

    韓国の仮想敵国は、日本となり
    同胞の北朝鮮とともに、戦う相手は日本であると「反日」で同盟

    「日韓友好」という言葉も使われなくなりました。

    今の日本にとって韓国は、中国ほど利益のある国ではない。

                        → どうデモよい国。

    韓国は、GDP12位となり、もはや、日本とは対等な関係になったと
    日本を見下すようになりました。さらに、もはや経済的にも利用価値は
    ないとバカにするようになりました。

    今後の関係は、あらゆる面で敵対する関係に。

    日本に対抗するために北朝鮮と連帯し、北の核で日本を攻撃することを
    夢みる朝鮮人。あわよくば、米国から原子力潜水艦を手に入れ、日本の
    首都である東京を北の核で、ミサイル攻撃により奇襲することを夢見る朝鮮人。
     (朝鮮人は、自分が敵から攻撃されることを何よりも恐れる臆病な
      民族です。ですから、自分の身が安全であり、ミサイルのような
      飛び道具で日本を攻撃することを好みます。)

    文在寅政権が執拗に繰り広げる理解不能な「反日」の終着点はここにあります。

    •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
      (こう書かないと、自分で自分を勘違いしそうなので)

      匿名希望の平民様へ
      >日本に対抗するために北朝鮮と連帯し、北の核で日本を攻撃することを
      夢みる朝鮮人。あわよくば、米国から原子力潜水艦を手に入れ、日本の
      首都である東京を北の核で、ミサイル攻撃により奇襲することを夢見る朝鮮人。

       前にもコメントしましたが、日本の憲法9条信者のことを考えれば、韓
      国のことを笑えないのではないでしょうか。もし東京が核攻撃されること
      になれば、9条信者は自身の都合のために、(相手は誰になるかは分かり
      ませんが)人を攻撃しだすのではないでしょうか。

       蛇足ですが、(どうやって判別するかは分かりませんが)投票権は「ど
      んなに都合が悪くなっても、自身の前の言動を覚えている人」だけに与え
      た方が、よいような気がしてきした。

       駄文にて失礼しました。

  • 一事が万事。
    少し昔の話で、どこかネットで見ました。
    統一協会の合同結婚式。

    韓国人障害者と日本の普通の女性との、マッチング。

    これが、反日教育、韓国人の本当だと感じました。

  • 朝鮮半島に直接関与し、対米戦に至った愚を繰り返すことはない

  •  OECD加盟の時点で先進国論争は決着したのだからあとは自己研鑽に努めていただければ結構。自画自賛に他国が付いてくるかどうかは自己研鑽の成果にかかっていて、今のところさしたる成果はない、と。根拠のない自信は自信ではなく過信という、を地で行く虚飾国家。

     K防疫の正体は、スマホの位置情報、クレジットカードの利用履歴、防犯カメラ映像を当局が駆使し、発見したクラスター及びその周辺の施設も含めて利用者をリストし全数PCR検査をするという中国も真っ青の監視社会的手法で、既に3月頃には欧州メディアで自由主義とは相容れない危険なものだと指摘されていたはず。

     いくら自画自賛しても他国の評価が付いて所以。

     ダイプリに始まる日本モデルの検証が進めば日本の取組こそ今後の防疫にとって有効な知見となるはずです。

    • まあ、「先進国の仲間入り」というより、「独裁国家の仲間入り」がしっくりきますね。

    • 少し気になったのですが

      >OECD加盟の時点で先進国論争は決着した

      これはどういう意味なのでしょうか。
      OECDの加盟国は、明らかに1960年代までの加盟国(支援する側)と90年代以降の加盟国(支援される側)に差があるという意味でしょうか?

  • YESマンやWEBの諸記事をとりまとめただけの投稿は面白くないので,私見に満ちた分析をしてみたいと思います。
    以前,日本の昭和のビジネスモデルが「人海戦術」で,それが日本人の貧富の格差拡大を押さえたかわりに,IT化を遅らせてしまった,という話を書きました。韓国の経済発展は,その日本モデルを反面教師としてきた傾向も見られます。海外から高度人材を破格の待遇で引き抜いて,その力で生産技術を高め,日本より安い人件費を利用して,日本製に近い性能の製品を安価に大量生産できた。その結果として,韓国人の雇用に関しては,能力の差により,大変大きな賃金格差が生じてしまいました。人海戦術を避けて,IT化,機械化をとことん追求したので,国家全体としては大企業主導で急成長できたが,儒教的価値観も手伝って,国民の中に目に見える序列を形成してしまいました。その,取り残された国民が7割以上のマジョリティーになり,彼らの不満やコンプレックスが文在寅政権を後押しし,反日の形で爆発した。
    IT化のみに関して言えば,日本は間違いなく後進国で,中国,台湾,韓国などに,まったく太刀打ちできません。前にも書いたように,ITは「100人のIT土方より1人の天才プログラマー」の世界ですから,どうしても貧富の差を拡大させる仕組みになっています。
    それから,別の論点で「アメリカを取るか中国を取るか」の問題です。日本はアメリカの衛星国ですので,アメリカと運命共同体で,他の選択肢はありません。アメリカ派対北朝鮮派(=中国派)の国内世論の分裂でコウモリ外交を続けてきたのが韓国です。文在寅政権は後者です。昨日も書いたように,欧米v.s.中国の経済戦争は前者が勝つとは限りません(軍事なら前者ですが)。文在寅氏は後者に賭けているのかもしれません。

    • 自分も愛読者様の主張におおむね同意します。IT化なんかはまさにその通りで、今の日本にはIT化についていく能力も土壌も無いと感じます。一律10万円給付ですら申請できない一般人と効率化できない自治体が多発しています。
      反面、少数の天才が多数を率いる西洋型民主主義では、深刻な社会格差を生み、持続性に問題があることが証明されました。韓国社会の問題は極めて根深く、コリアンウォッチャーから見ても(特に少子高齢化が)解決不能で、社会が持続不可能になりつつあることを示しています。
      あと米中対立ですが、西側諸国の一員として立った上で、中国側と特に感情面での対立、向こうの面子を潰すやり方は絶対に避けるべきだと考えます。日本の右側の人は西側が負ける可能性を考えていない人が多すぎる。負けた際に勝ち馬に乗れればベストですが、そうでなくとも独立維持できるだけの関係性を築いておくべきでしょう。

      •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
        (こう書かないと、自分で自分を勘違いしそうなので)

         まんなっか様へ
        >IT化なんかはまさにその通りで、今の日本にはIT化についていく能力も土壌も無いと感じます。

         日本がIT化が遅れている一因は、(日本マスゴミ村を含む)中間管理職
        のオジサンが、「ついていけない人が一人でもいれば、IT化をすすめるべ
        きではない」と言って、大反対してIT化を止めているからではないでしょ
        うか。何やら、江戸時代を思い出すのは私だけでしょうか。(そういう私
        も、その立場になれば、大反対するかもしれません)

         蛇足ですが、身内だけで「わが国は先進国だ」と盛り上がるのはともか
        く、他の国に先進国と認められるかどうかが、重要なのではないでしょう
        か。

         駄文にて失礼しました。

        • 今回のコロナ騒動で、日本の行政システムの非合理性には唖然とさせられた。
          日本がもう先進国でも何でも無いのだと思い知らされ、寂寥感さえ覚えたよ。
          たかがマスクや給付金を配る事ですら馬鹿みたいに遅く、下らないミスが相次ぐ。
          この点ではコロナで甚大な被害を出した欧米諸国、比較的被害の少なかった
          アジアの主要国と比べても劣っている。
          「巧遅は拙速に如かず」という言葉があるが、今の日本は何から何まで拙遅。
          ここ20~30年の日本の経済的な停滞と相対的な地位の低下は、日本人自体の
          オワコン化(日本人の気質や国民性が現代の事情に合っていない)のに加えて、
          ただでさえ保守的で、変化のリスクを現状維持のリスクより過大に見積もる性分に
          高齢化が拍車をかけたのが大きいのかもしれない。

  • 色々と考えましたが
    「朝鮮半島の議論は、昔から基本的に不毛」
    で、おしまいにします。

  • 精神勝利してホルホルからのアイゴーはお約束。
    韓国の様式美なのでしょう。

    ヘル朝鮮からの脱却を喜んでいるようですが、経済破綻間近・武漢肺炎の複数の大型クラスター発生など、不都合な現実は見たくないのでしょうね。今回は出生率の低下も伴っているようだし、再び「減る朝鮮」がすぐ訪れるでしょう。
    自ら願い出た併合を逆恨みしているようですから、李氏朝鮮時代に戻ればよいのです。
    生活水準も、生息数も。

    日本は、せっかく反面教師が近くで騒いでいるのですから、決して同じことはせず、相手にもせず、武漢肺炎対策も経済対策も、自らなすべきことを粛々と進めましょう。

  • 稀に引用する仏語に
    「法灯明自灯明」てのがあるニダ。🐧
    韓国は先進国への法灯明を自分で持つ事も出来ず、主に「日米」に照らして貰っていながら、灯明を持つ「日米」を後から訳の判らない「チョッカイ」を出し続けて来たニダ。🐧

    その輩が、「ウリはもう先進国ニダ」と言っているのだから、「法灯明」は必要ないニダ。🐧
    後は「破滅への自灯明」で足元を照らして逝けば良いニダ。🐧

    ウリは、海を隔てた「神聖国家」から眺めているニダ。🐧

  • >非常に言葉は悪いのですが、こうやって自画自賛するのは、韓国の悪い癖だと思います。

    青瓦台や韓国与党のみならず、自画自賛が左も右も無関係に「オール韓国メディア」に及んでいるのがすごいですね.本当に残念な人たちです.

    一方日本のメディアに目を向けると、政府や与党の自画自賛は当然、特に左系メディアですと他メディアの「日本スゴイ」報道にさえ一々目くじらを立てて過剰なまでに日本人を委縮させるようなネガティブ論をブチ込んで来ます.
    私はそれも彼らの言う「多様性」の表れとして、一応日本には表現の自由が保たれている証拠だと前向きに見ているわけですが、一言言うならばそのような「日本スゴイ」に難癖をつける傾向の強いメディアほど、隣国の自画自賛に無批判でむしろ「K防疫は世界で絶賛」などと尻馬に乗っている始末なのが分かりやすい構図だと見ています.

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