本日の「小ネタ」です。今朝の『韓国政府の軽率な行動により、ビザ免除復活が困難に?』でも触れたとおり、韓国政府が日本国民に対する入国ビザ免除措置を停止した行為については、事実上の「対抗措置」であるという証拠が、またひとつ出て来ました。
先週の『経済効果から見た入国拒否:「対抗措置」はあるのか?』などでも報告したとおり、日本政府は先週、中国、韓国、香港、マカオのパスポート保持者らに対し、すべてのビザの効力を中断し、あわせて日本入国に際して2週間の隔離を「要請」(※「命令」、ではありません)する措置を講じました。
この措置のうち「隔離要請」を巡っては、その対象が中国人、韓国人などだけでなく、中韓などから入国した日本人をも対象にしている点で、特定国籍者を差別する目的ではなく、純粋な防疫上の目的であるということは明白でしょう。
実際、次の時事通信の記事によると、これについて当事国である中国は、日本の「入国制限強化」に対し、「自国や外国の人々の健康、地域や世界の公衆衛生の安全を守るため」の措置だとして「理解を示した」のだそうです。
中国、日本の入国制限強化に理解(2020/3/6 17:47付 共同通信より)
つまり、中国自身がこの扱いを「不当なものではない」と認めたわけです。
しかし、『韓国政府の軽率な行動により、ビザ免除復活が困難に?』でも触れたとおり、韓国政府は軽率にも日本国民に対し、この日本政府の措置をほぼコピーしたような措置を講じました。
具体的には、日本国民に対する短期ビザ免除措置を停止し、韓国に入国する日本国民に対してビザ取得を義務付けたほか、日本から入国する外国人に対しては「特別な入国手続」を実施する、と述べたのです。
当ウェブサイトではこれについて、実質的な「対抗措置」(しかもかなり拙劣な措置)だと見ているのですが、こうした見方を裏付ける記事が出て来ました。
韓国メディア『中央日報』(日本語版)の次の報道によれば、韓国政府外交部高官は8日、韓国政府が導入した日本人に対する入国制限を巡って「日本側の措置によって撤回可能」などと述べたのだそうです。
韓経:韓国政府「日本人入国制限、日本側の措置によって撤回可能」(2020.03.09 07:20付 中央日報日本語版より)
正直、この発言がすべてでしょう。
わかりやすくいえば、「韓国政府の入国ビザ免除措置停止をやめてほしければ、政治的な判断として日本政府は韓国人に対する入国制限を撤回せよ」とする主張ですね。
ただ、少なくとも日本側の措置は防疫上の観点に基づくものであり、「政治的な配慮」が皆無だと決めつけるつもりはありませんが、少なくとも撤回の判断は防疫上の観点でなされるべきであり、「政治的な判断によって撤回する」べきものではないことは明らかです。
中央日報は、次のようにも述べています。
「外交部は日本政府の今回の措置が急いで作られたものと把握しているという。特に昨年7月に電撃的に行われた日本の輸出報復措置と同じように関連官庁よりは首相官邸主導の下で日本国内の政治状況と関連づけて行われたものと分析すると伝えられた。」
「昨年7月の輸出報復措置」とは、もちろん、日本政府が昨年7月に発表した対韓輸出管理強化・適正化措置のことですが、これを「輸出報復」だの、「貿易規制」だのと本気で考えているのだとしたら、韓国政府の論理的・科学的思考態度の欠如については、救いようがない気がしますね。
しかも、現在、韓国に対して何らかの入国制限を課している国は、いまや106ヵ国・地域に増えているのだそうです。
韓国からの入国制限 106カ国・地域に増加(2020.03.09 11:57付 聯合ニュース日本語版より)
この106ヵ国の中で、なぜ韓国政府は日本に対して「のみ」このような報復措置を講じたのか、韓国政府は説明が付くとでも思っているのでしょうか。疑問は尽きないところです。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、当ウェブサイトではこれまで、「ヒト・モノ・カネ」という側面から経済(あるいは経済制裁)を議論して来ました(『総論:経済制裁について考えてみる』等参照)。
経済活動は「ヒト・モノ・カネ(・情報)」の流れが基本であり、ある国との経済関係が崩壊するときには、たいていの場合、その前兆として、「ヒト・モノ・カネ」の流れが停滞するものだと思います。
日本の対韓輸出管理強化が「モノ」だとすれば、今回の両国の措置が「ヒト」でしょうか。ということは、残りは「カネ」の流れに何らかの制限が掛かれば、日韓関係には大きな転機が訪れるのかもしれませんね。
View Comments (40)
今更ながら、韓国に敵国認定されてるんですね。
政治的判断って認識には、呆れます。
が、今回も日本に分がありますね。
いつの間に、外交上手になったのやら。
外務大臣の前任者と現任者が、かなり遣り手なんですね。
また、斜め上の文政権は外交カードにするんですかね?
バイクおやじさま
日本はずっと前から、韓国に敵国認定されています。
まだ、気付いていない日本人が、多いと思います。
だんな様、
>日本はずっと前から、韓国に敵国認定されています。
その通りですね。
それも比喩などではなく、文字通り軍事的な意味での敵国として日本は韓国から認定されています。
韓国空軍と韓国海軍の導入している装備は対北朝鮮では不要な兵器が非常に多い。
しかしそれらの対北戦用としては無駄に見える装備は、対日戦を考えると必要とされるものばかりです。
典型的の事例で言えば、世宗大王級イージス艦や多数の潜水艦、F-15K戦闘爆撃機や弾道ミサイルの射程の800 kmへの延長(アメリカに繰り返し強く要求して最終的に射程延長要求を通した)です。
弾道ミサイルの800 kmの射程とは韓国本土(竹島や鬱陵島を含まず)から発射してギリギリ東京までは届かない距離ですが、裏を返せば少しでも射程制限を超えるズルをしていれば東京までが韓国軍による弾道ミサイルの先制攻撃で破壊されるということです。
言い換えれば、韓国軍の中でも特に空軍と海軍とは北朝鮮との戦争のための準備でなく日本との戦争に向けて着々と軍備を整えて来ているのが実情です。
殆どの日本のマスコミは決してこの韓国軍の現実を報道したことはありませんが、日本が少しでも軍事的な隙を見せれば、韓国は喜んで日本、例えば対馬を侵略し自国領土にするのは確実です。それを実施できる軍備を整えることが何十年も前からの韓国の軍備調達方針を支配してきた基本理念だと言って間違いではない。
日本国民は韓国が日本に対する侵略戦争を必死になって準備し続けて来ているという現実を知らねばなりません。
バイクおやじ様、貴兄が思っているであろう以上に韓国は本気で日本を敵国と看做して、日本に対する侵略戦争を何十年も前から着々と準備を進めているのです。今は日本にも韓国にもアメリカ軍がいるので韓国も対日軍事侵略を発動するのは不可能ですが。
800kmは、説得力がございました。
反日教育からみても、まともな国とはおもえません。
朝日や共産党の考えだと、日本が弱ったとき、たぶんやられるとおもいました。
日本が弱ってないときは、補償、賠償、慰謝料、見舞金、と攻撃してくるでしょう。
そして反日が彼らの生き甲斐であるのが、怖いところです。
もし現在の日本政府の韓国人に対するビザ免除停止措置が継続している状態で韓国が経済崩壊し始めたら、韓国の経済難民は何処に行けるのでしょうかね?
他人事ながら心配です。
韓国政府のプライド、沽券に関わるということだと思いますが、被害妄想政権化している部分もあるのかもしれませんね。
とにかく反日・貶日は国是ですから。
文在寅大統領の更なる国政平壌運転を期待しているニダ。🐧
かの国の国是が「反日」とはよく言われますが、いやむしろ「日本人を笑かすこと」が国家目標のような気がします。「笑わせて腹筋崩壊」「笑わせて呼吸困難」そうやって憎き日帝を倒すのです。日本に勝算があるようには思えません。一億玉砕笑い死にそうです。
匿名さま
連発連射で口辺に笑み浮かぶところ覆い隠すこと能わずの状況。ぜひとも小生から座布団3枚お受け取りください。
「笑かしピエロ政権」「笑わせて腹筋崩壊」「笑わせて呼吸困難」「一億玉砕笑い死にそう」
彼の国と国民にしてみれば、
この状況は念願のNo JAPANが捗ってWin-winなおハナシじゃないの!
と思うのですが…
とりあえず近々連中のLCCが文字どおりトぶところが観測できそうですナ
予測、夢想、或いは妄想、願望ですが、
世界100か国以上からの韓国忌避→世界の孤児または嫌われ者。
韓国人の日本入国禁止→不法滞在者強制送還→民団と総連崩壊。
ウォン暴落→日本助けず、金融封鎖→韓国崩壊。
韓国は併合前の古代朝鮮国へと復帰。
今回のビザ免除停止が引金となった。
「(相互主義について)緩和措置は日本に追随し、厳格化は先んじなければならない」・・そんな前提のもとに、「私たちならこうするから相手もそうに違いない」とのフィルターを通して下した決断は事実誤認だらけで自らを苦しめる結果ばかりを招いている。
きっとGsomiaの破棄表明も「言われると悔しいから先に言ってやった」くらいの認識だったと思うんですけど、あの始末でした。
そんな風に考えると禁輸に先んじての不買運動や入国制限に先んじての旅行自粛だったのかな?・・ってことになってしまうのですが・・。
今回の入国規制も事実誤認に基づくものであるが故に「独り相撲で、かつ勇み足」な感は否めないんですよね。
カーボンコピーなのに事実という名の下敷き無しに切られた納品書には未来がありません。(2枚目以降が使い物にならないので・・。
カズさま
>カーボンコピーなのに事実という名の下敷き無し
こここそ使い物にならない劣化コピー国の本質を指しているかのようです。
>GSOMIAの破棄表明も「悔しいから先に言ってやった」
事実彼らはそう発言していました。
破棄を脅してくるに違いないから(自分ならそうするから相手もそうに違いない=現実認識歪曲フィルター性能炸裂)先に破棄表明してやったサマミロ報じてました。
「最近彼が冷たいの。ワタシ捨てられるかも。鉄塔から飛び降りて死んでやる」
今度は6時間前になっても降りてこない。
はにわファクトリー さま
>GSOMIAの破棄表明も「悔しいから先に言ってやった」
事実そのような発言があったのですね。
*鉄塔にのぼる過程で、自ら梯子を外したり蹴飛ばしたりしてるのですから帰還ルートは限られています。
*自力生還のためには、決死のバンジーの果てに伸びきったゴムををちょん切るくらいのミラクルな機転が求められるのかもですね・・。
*彼らはまるで、正解のない無理ゲーの創造主のようです。
カズさま
>鉄塔にのぼる過程で、自ら梯子を外したり蹴飛ばしたり
不肖はにわは若い男が太陽の塔に何日も籠城した事件をリアルでTVで見て知っている世代です。子供心に愚かしいオトナはこの世にいるとしっかり学んだものです。
GSOMIA破棄するする脅迫はまったく同じ構図でした。するする脅迫事件においては多くのひとびとが、きっとアイキャンフライの掛け声とともに彼が宙に身を投げる様子がこの目で見れるとどきどきわくわくして待ち構えたものでした。しかし6時間前に男が自ら鉄塔から降りてきたため全世界スケールのどっちらけに終わりました。ピエロの才能があります。
今回のケースでは自国の経済産業に直接ダメージが及ぶ悪手のうち一番エスカレートしたのを投げつけて来ました。エスカレーションアップもダウンも余地なし。退くに退けなくなってまたもや自ら選択余地を減らしています。暴走暴発の危険は高まったのではないでしょうか。
はにわファクトリー 様
>退くに退けなくなってまたもや自ら選択余地を減らしています。
確かにその通りだと思います。
彼らの政策選択の優先順位が「国益ではなくて日本を貶めること」にある限り、何ら変わることは無いのでしょうね。
以前に会計士様も「無くても致命傷ではないもの」として洗濯機に例えたことがあるのですが、まさしく彼らは「BAD選択機」もしくは「BAT選択機」なのかもしれません。
更新ありがとうございます。
ここまで言われたんなら、日本も受けて立つしかないですね。3月末日、日本政府発表、、、『4月1日以後については、日本国政府より追って沙汰する』(爆笑)。
何のことはない。輸出管理の適正化やGSOMIA破棄の騒ぎのときから思っていたのですが、我が国はかの国に
制裁をするまでもないと。下手に我が国が制裁を下せば、国際社会での立場は我が国の方が強いので、「弱い者いじめ」と受け取られかねないし、そうなると我が国も感情的になってどっちもどっちと呆れられてしまいますから。我が国は、あくまで国際ルールにしたがって誠実に問題を解決する姿勢を堅持すればよいと思うのです。そして、ルール無視の無理難題を突き付けられても、「国際ルールを守れ。約束を守れ。話はそれからだ。」と言えばよいのです。無茶苦茶な要求を受け入れられないとかの国は、勝手にトンデモな行動をして自爆してくれるのだから世話はありません。その行動の結果として自分から信用を失っているのですから。ASEANや国連の会議で議題と関係なく我が国の輸出管理の問題を訴えて「それは二国間の問題でここに持ち出す話ではない。」と一蹴されたり、今回のコロナウィルス問題でも、各国が韓国からの入国制限に関して「(韓国のような)防疫能力がない国が過剰な反応をしている。」などど誠に失礼なことを言いましたからね。日本以外の国だって「何様のつもりだ!!」と思っているでしょうよ。二言目には、「外交欠礼だ、非礼だ」と喚き、批判されると「内政干渉だ!!」と噛みつくくせに、自分たちがそれをやり放題の自覚がないのですから、国際社会からそっぽを向かれるは当然だと思います。
> 国際社会での立場は我が国の方が強いので、「弱い者いじめ」と受け取られかねないし
国際社会を述べるのであれば、上記のような考え方は良くありません。
国際社会では弱い者いじめかどうかではなく、正しいかどうかで判断します。
アメリカや中国がこれだけ強国で制裁もバンバンするのも、それが正しいと
思うからです。当然反対意見も多いですが、日本のように韓国からあれだけ
言われたりやられたりしているのに黙っていると、日本は韓国の言うことを
認めているから何も言えないんだ、という判断になり、より立場は悪いです。
日本人の考えの根本に事なかれ的な平和主義がありますが、これは国際社会では
あまり受け入れられません。
>国際社会では弱い者いじめかどうかではなく、正しいかどうかで判断します。
正しいか否か、真実か否か、こんなのを気にするのは馬鹿が付くほどお人好しで真面目な日本人だけです。実際には国際社会における評価でも理屈という理性よりも感情や感覚の部分で判断するケースのほうが圧倒的に多い。
何故ならば、先進国と言えども理屈などロクに理解のできずさほど知的ではない一般大衆が圧倒的多数を占め、一般大衆は理屈よりも感情や感覚で判断して動くからだ。そして民主制を政治制度として採用している限り、感情が理性に優先する彼らが政治家を選ぶだからだ。言い換えれば、先進国であろうと、その政治家は自分を選んでくれた一般大衆の感情に従った行動や発言をしなければならない。さもなければ大衆によって拒否され政界から排除される。
正しいか否か、真実か否か、これらの判断が国際社会で通用するならば、慰安婦問題で日本は悪者にされたりしない。あるいは人種差別的な偏見が今でも欧米先進国に根強く残っていたりしない。
国際社会に対する幻想はいい加減に捨てたほうが良い。