ホワイト国除外に不満があるなら韓国は欧米に文句を
日韓両国政府は3月に、輸出管理体制を巡る日韓対話を開催するそうです。ただ、これについては一部メディアがこれから勘違いするのではないかと思うのですが、そもそも論として「日韓協議」ではありませんし、自然に考えて、性急に日本が韓国を「(旧)ホワイト国」に戻すとも考えられません。なぜなら、そもそも論として韓国は欧州連合(EU)や米国からの輸出管理上の「(旧)ホワイト国」に相当する優遇対象国ではないからです。
目次
コロナより桜の野党とメディア
ここ数日、どうしても話題の中心は「コロナウィルス騒動」であり、また、実際に日本政府もコロナ対策で忙殺されているフシがあります。
これに加えて、特定野党や特定マスメディアはこの期に及んで「コロナより桜が大事」とばかり、国政の需要課題を放り出して、一生懸命に「桜を見る会」騒動や、それに関連する「領収書騒動」を追いかけていたようです。
正直、「領収書騒動」についてはあまりにもレベルが低すぎ、当ウェブサイトとしては取り上げたくないのですが、これを一発で吹き飛ばす良記事が産経ニュースに掲載されていましたので、興味がある方は次の記事をご一読下さい。それで十分だと思います。
ANAホテル領収書 桜夕食会の宛名は「上様」 首相答弁と一致(2020.2.21 17:55付 産経ニュースより)
日韓関係の懸案は何も解決していない
ただ、コロナウィルス騒動の裏で、日韓関係を巡る懸案については、基本的には何ひとつとして解決していません。
とくに、韓国が日本に対して仕掛けてきたさまざまな不法行為や、その他日韓関係を悪化させている要因は非常に多く、文在寅(ぶん・ざいいん)政権下で発生したものだけに限定して列挙しても、次のようなものがあります。
- ①旭日旗騒動(2018年9月頃~)
- ②自称元徴用工判決問題(2018年10月30日、11月29日)
- ③レーダー照射事件(2018年12月20日)
- ④天皇陛下侮辱事件(昨年2月頃)
- ⑤日本による韓国向けの輸出管理適正化措置(昨年7月1日発表)
- ⑥慰安婦財団解散問題(昨年7月頃)
- ⑦日韓請求権協定無視(昨年7月19日)
- ⑧日韓GSOMIA破棄通告(昨年8月22日)
- ⑨対日WTO提訴(昨年9月11日)
このうち⑤については日本側が講じた措置ですが、『輸出管理の「緩和」を「対韓譲歩」と勘違いする人たち』などでも考察したとおり、日本政府がこの措置を講じるきっかけを作ったのは韓国ですので、やはり究極的には韓国の行動がすべての原因であるといえます。
勝手に結び付けないでください
とくに、韓国におけるコロナウィルス・パニックが激化する直前、『コロナウィルスと選挙対策で日韓GSOMIA破棄?』などでも報告したとおり、どうも韓国では現在、次のようなストーリーが勝手に作り上げられているようなのです。
- ①2018年10月の大法院(※日本の最高裁に相当)による強制徴用工(※自称元徴用工のこと)に関する判決を皮切りに、韓日関係が悪化している。
- ②日本政府は2019年7月に、この強制徴用問題を巡る報復として、韓国を(旧)ホワイト国から除外するとともに、半導体材料などの3品目の輸出を制限することなどを柱とした輸出規制を発動した。
- ③韓国ではこの日本の不当な措置に対する反発が生じ、市民の間では「ノージャパン」運動などが自然発生し、韓国人の日本旅行が激減したほか、日本の対韓輸出全体にも急ブレーキが掛かった。
- ④韓国政府はこれにさらに対抗するために、2019年8月、韓日GSOMIAの終了を日本政府に通告した。
- ⑤その後、日本が韓国を(旧)ホワイト国から除外した措置を復元することに関する協議を行うことで韓日両国が合意したため、韓国はこの韓日GSOMIAの終了通告の効力を一時的に中断する措置を取った。
①から⑤までを眺めていると、さまざまな事実誤認、曲解、妄想の類いが多数含まれているのですが、それでも現在の韓国では、日本の「輸出『規制』」を撤回させるために、自称元徴用工判決を巡って差し押さえられている日本企業の資産の売却や、日韓GSOMIAの破棄などが議論されているようです。
そもそも韓国が(旧)ホワイト国に戻るためには
さて、当ウェブサイトでは『総論 対韓輸出管理適正化と韓国の異常な反応のまとめ』や『輸出管理の「緩和」を「対韓譲歩」と勘違いする人たち』などを含め、過去に何度も指摘してきたとおり、日本政府の措置は何らかの報復、対抗措置ではありませんし、そもそも輸出「規制」ですらありません。
そもそも論として日本政府が昨年7月1日に発表したのは、外為法第48条にいう安全保障上の輸出管理の運用見直しであり、時期的に見ても、内容的に見ても、韓国に対する貿易報復、経済制裁とはとうてい呼べない代物です。
というよりも、日本としては韓国を「(旧)ホワイト国」リスト(現在でいう「グループA」リスト)国に戻すためには、まず韓国の輸出管理体制が「(旧)ホワイト国」にふさわしいといえるくらいにしっかりしているということを確認しなければなりません。
そのためには、日韓両国の輸出管理当局同士が定期的に会合を持たなければならないのですが、韓国は2016年以降、昨年12月に至るまで、じつに3年半もの間、日本からの会合の呼びかけを無視し続けたという実績があります(『輸出管理と日韓政策対話巡る韓国メディアの捏造が酷い』等参照)。
そんな国を、そう簡単に「(旧)ホワイト国」リストに戻せるとは思えません。
ただし、そんな韓国に、手っ取り早く日本から「(旧)ホワイト国」にふさわしい待遇を得るための方法がひとつあります。それは、日本と交渉するのではなく、いっそのこと、欧州連合(EU)と米国から、日本の「(旧)ホワイト国」に等しい待遇を勝ち取れば良いのです。
(ま、無理だと思いますが…。)
輸出規制でも協議でもありません
さて、輸出管理適正化措置を巡り、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に昨日、こんな記事が掲載されていました。
輸出管理巡る韓日政策対話 3月10日にソウルで=3カ月ぶり(2020.02.21 17:45付 聯合ニュース日本語版より)
この記事を読んで、少しだけ感心した点があります。
それは、これまでしつこく「輸出『規制』」と誤記し続けていた聯合ニュースが、今回の記事では(おそらく個人的記憶では初めて)輸出管理という正しい用語を使ったうえで、「政策対話」と表現しています。これこそが、先ほど説明した、「輸出管理の状況に関する対話」です。
いや、試験に例えていえば、日本は「(旧)ホワイト国リスト」に韓国を加えるかどうかを判断する試験委員であり、韓国はこの試験を受ける受験生です。「対話」とは聞こえは良いのですが、現実には一方的に、日本政府担当官が韓国政府担当官の技能をチェックする場だと見る方が正しいでしょう。
もし韓国が日本から「(旧)ホワイト国」リストに戻してもらいたいと思うのならば、当然、こうした会合を地道に継続し、日本政府という「試験委員」を満足させなければなりません。なぜなら韓国は「受験生」だからです。
また、メディアによってはこの場を「日韓『協議』」などと呼称しているケースもありますが、これは「協議」ではありません。あくまでも「対話」です(というよりも、試験の採点にあたり、点数を受験生と「協議」する試験委員などいません)。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
もっとも、聯合ニュースによれば、日本政府の昨年の措置を説明した部分で、
「日本政府は昨年7月に半導体・ディスプレー材料であるフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの3品目の韓国への輸出規制を強化し、」(※下線は引用者による加工)
と、やっぱり「輸出『規制』」という誤った用語を用いていますし、韓国政府が講じた対抗策についても、
「日本が維持を求めていた韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了も決めた」
などと記載していますが、べつに日韓GSOMIAについては「維持を求めている」のは米国政府であって、日本政府ではありません。また、
「約3年半ぶりに開かれた前回の政策対話では、10時間以上にわたり会議が行われたものの、明確な結論を出すには至らなかった。」
などとありますが、なにせ3年半も対話から逃げ回っていた韓国ですから、その場で「明確な結論」など出るはずがありません(うがった見方ですが、会議が10時間に及んだのも、韓国側担当官が輸出管理に関する基本的な認識すら持っていなかったからではないでしょうか)。
その意味では、初歩的な認識ミスが非常に多い記事でもあります。
(旧)ホワイト国に戻るのか
さて、非常に当たり前の話ですが、輸出管理は各国が自国の責任と裁量において実施しなければならない政策であり、これは日本も例外ではありません。
輸出管理体制が「ザル」な国を「グループA」などに指定してしまえば、日本産の軍事転用可能な戦略物資が、その国からとめどなく、北朝鮮やイランなどの「ならず者国家」やテロリストなどの手に渡ってしまうかもしれません。
だからこそ、「貴国をグループAに指定した場合、戦略物資が『ならず者国家』やテロリストらの手に渡らないよう、しっかりと輸出管理してくれていますよね?」という確認が必要なのですが、こうしたノウハウないし態度は一朝一夕で身に着くものでもありません。
逆に言えば、私たち日本国民の立場としては、韓国がEUや米国から輸出管理上の最優遇対象国に指定されていない状況で、韓国を「グループA」に復帰する、などと日本政府が発表したら、不安になってしまいます。
なぜなら、いい加減な国を「グループA」に指定すれば、日本自身がEUや米国の輸出管理上の最優遇対象国から外されてしまう可能性すらあるからです。
この点、先ほども少しだけ申し上げましたが、いちばん手っ取り早いのは、韓国が欧州連合(EU)や米国から最優遇対象国の地位を獲得することであり、そうすれば、日本としても安心して韓国を「グループA」に復帰させることができます。
韓国は欧米諸国から輸出管理上の最優遇対象国の地位を得ていませんし、現在漏れ伝わる情報などに照らして、韓国が欧米諸国からそのような地位を獲得するのは難しそうですが、なぜそのことについて欧米諸国に対し、WTOに提訴する、などと言わないのかが不思議でなりません。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
なお、本件については正直、日本政府の情報発信が足りません。
一部メディアがしつこく「輸出『規制』」だ、「貿易報復」だなどと書きたてていることについては、もっと強い調子で否定しなければなりません。とくに世耕弘成前経産相と比べ、梶山弘志経産相の情報発信は物足りないと思います。
だからこそ、基本的な部分で輸出管理について誤認する人が多いのではないかと思う次第であり、この点、日本政府の情報発信の改善を期待したいところです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
売ってしまい破棄してしまったら
もはやカードは残されてませんから
いつまでも切り札のふりを続けるsかないでしょう
前者のカードはババですし、後者はカードですらないというか、そのテーブルに日本はいないような気が。
懸案があるというのにファンタジーに付き合わされる日本の当局者に同情します。
ハンギョレの表題も「韓日輸出管理政策対話、3月再開」ですね。
経産省のHPで、事実の確認が出来ました。
https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200221007/20200221007.html
以下引用します。
経済産業省は、2月21日、大韓民国ソウル特別市において、韓国産業通商資源部との間で局長級の準備会合を開催しました。その結果、第8回輸出管理政策対話を3月10日にソウルで開催することで合意しました。
同政策対話において、両者は両国の輸出管理制度・運用についての更なる改善状況をアップデートすることも含め、懸案の解決に資するべく、議論を進めることとしています。
引用ここまで。
開催されるかどうかも分かりませんでしたが、開催するようです。
日本側の目的は、「更なる改善状況をアップデートする」という事だと思います。
これを機に、日本が譲歩するという記事が、韓国側から出て来るでしょうね。
早速来ましたね
中央日報です。
韓日、来月10日に輸出規制局長級協議開催…3カ月ぶり
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200222-00000002-cnippou-kr
以下引用します。
今月22日で3カ月目を迎える。これについて崔宰誠(チェ・ジェソン)共に民主党議員は21日、国会政論館で日本の輸出規制の撤回を求める記者会見を開き、「日本が変化を見せなければ、休止していたGSOMIA問題は再び葛藤を高まらせかねない」と主張した。終了猶予決定は「暫定措置」であり、輸出規制の議論が進展しなければGSOMIAが終了する可能性があるという点を改めて強調したものと解釈される。
引用ここまで。
飽き飽きしたパターンですが、GSOMIA破棄を絡めて、同じ主張を繰り返しているようです。
一つ覚えですね。
野党に限りませんが、ダメな政治の表出ですよ。
間違ったら、修正するのが、どんな分野でも真理です。
車を運転している時に予想外の先行車の原則や飛び出しには、フィードバックされたブレーキをかけなければ大きな事故になります。間に合わなくてもブレーキを踏まなくては被害が大きくなります。
戦争をする場合も、間違った前提が崩れても、同じ作戦に固執すれば無駄な資源を費やしたり、被害が増えます。
今回のコロナウィルスでも、ダイアモンドプリンセス号の隔離は大失敗であったのは確定ですが、その誤りを認めないから、今後も間違い続ける。(ダイアモンドプリンセス号から降りた乗客を”解放”という愚行。他の国は新たに隔離し直し)
他所のスレで、「中国からの渡航を遮断すべき」で喧々諤々やっていましたが、正確には「中国からの渡航を遮断すべきタイミングを逸した」というのが正解でしょう。
野党も、「もりかけ」より筋の悪い失敗した「桜を見る会」作戦に固執する馬鹿です。
こんなやつらが再び政権を握った日には、また恐ろしい政治を繰り返してくれるでしょう。
なんでコロナウィルス関連でもっと与党を責めてくれないんですかねえ。
「なんで中国からの渡航を遮断しなかったんだ」とか「ダイアモンドプリンセス号の検疫は失敗ですよね」とか攻め方はいくらでもあるでしょうに。
まあそれ自体には大した意味はなくても、それじゃあ法律を改正しましょうという機運が生まれるかもしれない。
あ、間違ったエントリに投稿してしましましたw
(間違いをすぐにフィードバックする実例・・・)
まあ内容的にはいいか・・・。
りょうちん先生
同意します
日本の政治家、役人の一番ダメなところ
間違いを認めない、修正ができない遅い
今大事なこと、「君子豹変」
本来の正しい意味で
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/kotowaza27
りょうちん様へ
≫なんでコロナウィルス関連でもっと与党を責めてくれないんですかねえ。
それは、野党の究極の本音が安倍政権を『守る』ところにあるからでしょう。(ニヤリ…)
野党の支持者は、桜を見る会は筋が悪いから、コロナウイルスで安倍政権に打撃を与えることができることに気がついています。なのに、野党議員は国会でコロナウイルスを持ち出さない。
特定野党やメディアは、野党の支持者までも含めて、日本国民のすべてを騙し続けているのでしょう…
輸出管理体制に問題があり、さらには、戦略物資の横流しをするような国をホワイト国にしてはならないです。会計士様ご指摘のように韓国は欧米ではホワイト国として扱われていません。
韓国産業通商資源部は自国の輸出管理体制のレベルが低く国際的な基準を満たしていないのでホワイト国から除外されていることを理解していると思います。しかし、韓国のマスコミや文政権あたりは理解していないのでしょう。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
完全なる妄想ですが、韓国は「新型コロナウイルスで苦しんでいる韓国
を、欧米はホワイト国認定すべきだ」と言い出すのではないでしょうか。
妄想にて失礼いたしました。
更新ありがとうございます。
日韓が京城で3月10日に、輸出管理について対話ですか。無駄だと思うがな〜(笑)。相手は『日本が不当な輸出規制を辞めなければ、GSOMIAも破棄する』なんて言うバカ殿様ですよ。
多分、当日前後には『輸出規制緩和』と言う見出しや発言が、韓国側から相次ぐでしょう。それでも日本が輸出について問題点を提出し、100点満点の答えなら様子を見てグループAに戻すでしょうが、ま、可能性は0%ですね。
南朝鮮は約束事を守らないのが国是ですから(笑)。加えて新コロナウイルスで、既に国内は不穏な空気が流れている。ウイルスは終息メド立たないわ対日輸出で負けるわとなると、暴動が起きそうです。プチ愉しみ(笑)。
GSOMIA破棄騒動の時、日本からの提案が「局長級会合」だけでなくもう少し具体的な提案がアメリカの手前有ったのでは無いかと勘ぐっています、其の提案の解釈がが日韓間でズレているのでは無いか又はどちらかが前提を覆しているのではと思います。
「規則」を作る能力が無い彼らは、GSOMIA破棄と引き換えに規制撤廃などと叫ぶ事で、腹は立つが取り敢えず満足してると思います。
このホワイト国の話はメンツに拘る韓国らしい話です。「管理」を「規制」と解釈している時点で話は噛み合わないと思いますよね。日本側も前提が噛み合わない中、しかもソウルくんだりまで行って何をこれ以上話すのか、疑問です。交渉の場で論点をずらしながら引き出していくテクニックは向こうのほうが上でしょう。向こうのペースにのまれないことを願うばかりです。逆に拘っている部分を逆手に取って難題をふっかけるぐらいのしたたかさで対応しないと。ただで話を聴いたらいけませんね。
韓国は、昨年7月に実施された日本の輸出管理適正化措置が自由貿易原則に違反すると主張し、WTOに提訴しました。
つまり、韓国は、韓国大法院判決が国際法に違反しない適法な判決で、これを尊重する韓国政府の姿勢も三権分立の原則から適法であるとして、韓国大法院判決に対する日本の報復措置(輸出規制)そのものが国際法に違法するとは主張していません。仮に、韓国がそのように主張するのであれば、国際司法裁判所(ICJ)に提訴するはずですし、(韓国はICJ訴訟で応訴義務のない国ですが)日本はこれを受けて立つでしょう。また、日韓請求権協定第3条による日本の仲裁手続き要請も、当然、受け入れていたでしょう。
裏を返せば、韓国は、大法院判決が国際法に違反しないという自信が無いということを白状していることになります。
また、日本の輸出管理適正化措置が継続している状態で、日本企業の差押財産を競売・現金化した場合、日本から対抗措置としてフッ化水素など3品目全てを完全に輸出禁止にされると、韓国の半導体産業が壊滅的打撃を受けるため、日本に輸出規制(?)の撤回を求めてWTOに提訴したのだと思います。
つまり、日本の輸出管理適正化措置は、日本政府が予期しなかった効果(予期していたかもしれませんが)を産んでいるということだと思います。
逆に日本はEUや米国から最優遇対象国なのに韓国はなぜ優遇しないのかと先に言われちゃう状況ですからね。
元々日本がごり押しでグループAにねじ込んだのですから幕引きも日本の責任でで行わなければいけないでしょう。
クネ政権時まで辛うじて維持されていたグループA国の義務をドブに叩き込んで大っぴらに悪用し始めたのですから。