香港の混乱を私たち日本人はどう見守るべきか

現在、香港社会を揺るがせている「逃亡犯条例」の改正案を巡っては、昨日、キャリー・ラム行政長官が改正案を完全に撤回する方針を発表しました。おそらく来週、香港で開かれる「一帯一路会議」や、来月の中国の「70回目の国慶節」を控え、中国共産党が事態収拾を最大の目的に切り替えたものと考えられます。ただ、香港政庁の中途半端な方針にデモ隊側は反発を強めており、混乱はまだ続く可能性が高そうです。こうしたなか、「自由・民主主義」を謳歌する私たち日本人は、この問題をどう受け止めるべきなのでしょうか。

逃亡犯条例の撤回

香港で犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを可能とする、いわゆる「逃亡犯条例」と、これを巡る香港社会の混乱については、当ウェブサイトでも『香港で今、何が起きているのか 「明るい北朝鮮」という悪夢』『香港の自由を守るために、私たち日本には何ができるのか』などで話題として取り上げました。

香港で今、何が起きているのか

この「逃亡犯条例」を巡り、香港政庁は昨日、改正案を完全に撤回する方針を表明したようです。

Hong Kong leader Carrie Lam announces formal withdrawal of the extradition bill and sets up a platform to look into key causes of protest crisis(2019/09/04 14:04付 サウスチャイナモーニングポスト=SCMP=より)

香港の英字紙『サウスチャイナモーニングポスト』によると、林鄭月娥(りんてい・げつが、キャリー・ラム)行政長官は4日、記者会見に応じ、抗議活動などの混乱を収拾させるために、このこの条例改正案を正式に撤回する方針を表明したそうです。

また、およそ3ヵ月に及んだ香港での混乱に対し、事態の真相を究明するための調査委員会を立ち上げるとともに、デモ隊側が要求する項目の1つである、「社会不安の根本原因」についても解決策を提案する方針だ、と述べたのだとか。

おそらく、このタイミングで香港政庁側が逃亡条例案の撤回に追い込まれた背景としては、

  • ①中国が重要視する、今年で70回目となる「国慶節」(10月1日の建国記念日)に向けて、香港の政情不安をとりあえず鎮める、
  • ②9月11日から12日にかけて香港で開かれる、中国にとっての威信を掛けた「一帯一路会議」を無事に開催する、

という狙いが見え隠れします。

【参考】香港の1000ドル紙幣

(【出所】香港金融管理局(HKMA)ウェブサイト)

【コラム】香港ドルについて

香港では中国本土とは別の通貨「香港ドル」(HKD)が用いられており、香港ドルは1米ドル=7.8香港ドルを中心とする上下0.05香港ドルのレンジ相場制を採用している。昨日時点で1香港ドル≒13.5円程度。また、香港では民間銀行である香港上海匯豐銀行有限公司(HSBC)、香港渣打銀行(スタンダード・チャータード銀行)、中国銀行香港分行の3行が紙幣を発行している。これらの銀行は1米ドルをHKMAに預託することで7.8香港ドル分の紙幣を発行する権利を得ている。なお、20ドル、50ドル、100ドル、500ドル、1000ドルという5種類の券種があり、それぞれの券種を3行が発行しているのに加え、HKMAが10ドル紙幣を発行しているため、香港には16種類の紙幣がある。ただし、どの銀行が発行している紙幣であっても、まったく同じ香港ドルとして使用可能。さらに、香港ドルはマカオでも事実上、そのまま流通しており、流通量はマカオ独自の通貨・パタカよりも香港ドルの方が多いほどである。(文責:新宿会計士)

デモ隊の反発は鎮まらず

ただ、今回の決定でデモ隊側が納得しているというわけではなさそうです。

香港ではこの夏、逃亡犯条例を巡って、連日のように若者を含めた香港市民の激しい抗議行動が生じていて、空港が閉鎖されるなどの混乱が生じたほか、次のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)記事によれば、警官が8月25日にデモ隊に対し発砲をするなどの混乱も生じたようです。

Water Cannons and a Gun Shot: Hong Kong Protest Violence Intensifies(米国夏時間2019/08/25(日) 21:25付=日本時間2019/08/26(月) 10:25付 WSJより)

こうしたなか、キャリー・ラム長官が逃亡犯条例の撤回を打ち出したことだけを見れば、香港市民側の勝利です。

ただ、デモ隊側が要求していた警察側の発砲などの事実に関する調査委員会の設置は見送られるとしたため、デモ隊側はこれに反発。マスクを被った2人の活動家らが報道陣の前で香港政庁を批判する会見を行った模様です。

Hong Kong protesters dismiss formal withdrawal of extradition bill as ‘band-aid on rotting flesh’(2019/09/04 17:04付 SCMPより)

このため、香港政庁側が条例案を撤回しただけでは抗議行動を止めるに至らないという状況です。

中国のサラミスライスを甘く見るな

おそらく今回の香港デモを巡る混乱は、「言論の自由が完全に認められている社会」において、人々の不満をどう抑え込むかのノウハウがなかった中国共産党の不手際、という側面が強いように思えてなりません。

中国本土では中国共産党が言論の自由を認めておらず、実際、中国本土ではツイッターなどの西側世界の自由な言論サイトにアクセスすることはできません。このため、いまのところは、中国共産党は人々の不満を抑え込むことに成功しています(あくまでも「今のところは」、ですが…)。

しかし、香港に関しては、残念ながら中国本土と異なり、中国共産党としても、言論の自由を認めざるを得ません。なぜなら、香港に対しても言論の自由に制限を加え始めるならば、そのことによって「香港の自由」を好む外国企業などが一斉に撤収してしまうかもしれないからです。

香港では旧英国植民地時代の法制度が、1997年の返還から50年間は維持されることとされており、このことが香港の国際的地位を裏付けている格好です。

ただし、香港返還から22年が経過した現在、返還時の約束だった民主化(いわゆる「港人治港」)はいっさい実現していないばかりか、中国共産党による香港への締め付けが徐々に強まっていることも事実です。

たとえば、昨年は香港、マカオ、中国本土を海上で結ぶ、「世界最長の海上橋」とされる「港珠澳大橋」が開通しましたが、これによって香港の中国への物理的な一体化がさらに進みつつあります。

また、次の日経電子版の記事によれば、広州と香港を結ぶ「広深港高速鉄道」で、中国側の出入境管理施設が香港・西九龍駅に設置され、これに伴い「中国当局は香港域内でも身柄の拘束など警察権の行使が可能」になるとも指摘されています。

中国、香港域内に警察権 新高速鉄道の駅で出入境管理(2017/7/25 23:33付 日本経済新聞電子版より)

「サラミスライス」、つまり、サラミを薄くそぎ落とすように、相手の権利を侵害していくやり方は、まさに中国がその元祖のようなものですが、少しずつ香港の自治が浸食され、中国化が進んでいく様子は、「サラミスライス」そのものです。

おそらく今回も、デモが一段落すれば、中国共産党はいずれ再び逃亡犯条例(あるいはそれに類する条例)を香港に押し付けようとしていくでしょうし、このままだと香港が完全に中国化するのも時間の問題ではないかと思います。

最後は香港自身の問題

ところで、私自身も個人的には、若いころ(大学生、あるいは独身のころ)、頻繁に格安航空券を求めては、海外旅行をしていたクチです。そして、こうした格安航空券のハブになっているのが、韓国の仁川(じんせん)国際空港と並び、香港国際空港だったのです。

個人的には香港の雰囲気が好きであるという理由で、頻繁に香港経由便を使っていたため、結果的に香港には過去に何度も渡航したことがあります(※ちなみに仁川国際空港については、過去にパリ旅行をした際、往路と復路の合計2回しか使ったことがありません)。

こうしたなか、香港では行きつけのマッサージ屋もあって、マスターの日本語が上手だという理由もあり、何度も通ううちに香港市民の生活ぶりや思想などを根掘り葉掘り聞いたのですが、やはり、香港人の間では自分たちが何者なのか、アイデンティティが揺れている様子がうかがわれました。

香港の人々は、自分たちが「中国人」なのか、それとも「(中国人ではなく)香港人」なのか、迷っているのです。

実際、香港の人口は700万人少々とされていますが、最近だと大陸から多くの中国人が移民としてやって来ていて、マッサージ屋のマスターによれば、香港人の間では「自分たちが中国に飲み込まれてしまう」という、漠たる不安感を持っているのだとか。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

個人的な(そしてまことに勝手な)希望を言えば、中国共産党こそまっさきに滅んでほしいと思いますが、それについては私たち日本国民としてはどうにもできない話です。そこで、最近では、香港にしろ台湾にしろ、せめて中国から独立してしまえばよいのに、と思うこともあります。

ここでいう「中国的な考え方」(共産主義、軍国主義、人治主義、独裁主義など)が良いか悪いかはあえて問いませんが、「中国的な考え方」が「日本的な考え方」(あるいは自由民主主義、法治主義的な考え方)と相容れないことだけは確かでしょう。

香港は英国の、台湾は日本の統治を受けていたという事情も手伝い、両地域ともに中国共産党の直接的な支配を受けなかった期間が長く、「非中国的な考え方」が定着していますので、仮に彼らが独立国となれば、日本とも仲良くできる可能性が高いと思います。

少なくとも「自由で開かれたインド太平洋」を実現するうえで、台湾や香港が仲間になってくれるのならば、私たち日本にとってはこれ以上心強いことはありません。

しかし、その大前提として、結局のところ、香港人(あるいは台湾人)自身が、自分たちを何者だと位置づけているのかについて、彼らの中でコンセンサスを作ることが必要です。

もし彼らが香港人、あるいは台湾人であることよりも、「中国人」であることを選ぶのならば、私たち日本が彼らの独立を助けるとしても、それは要らぬおせっかいになる可能性が高いからです。

ただ、少なくとも日本国内の反米軍基地運動などをやっている怪しげな市民団体と比べて、香港のデモ隊は真摯かつ必死に自由と民主主義を渇望しています。こうした香港人の声については、自由・民主主義社会に生きる私たち日本人としては、尊重し、支援、連帯すべきものでもあります。

その意味で、個人的には香港人の決意のほどを見守りたいと思うのです。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 理系初老 より:

    常に早起きであるということも、新宿会計士様を愛読する者が多い理由の一つではないかと思っています。深夜に寝ても早朝に目がさめ、寝だめなどできなくなった初老の身には、ただただありがたく。

    (少なくとも10年前までは)その教育制度ゆえ、香港人は日本人より頭が良いことを実務経験に基づき信じておりますので、日本人は、「香港の次は台湾、その次は沖縄」を肝に銘じて中国に対抗しなければなりません。以下、私見妄言をお許し下さい。

    日本にとっての最重要課題は、「韓国と中国の絆を断つ」ことだと思います。
    理由は簡単です。韓国の為政者は皆バカだし、たいしたことのない国であるのに対し、中国の多くの為政者はバカではなく、たいした国だからです。
    香港政庁が昨日、改正案を完全に撤回する方針を表明したことこそ、中国がバカではないことの証左ではないでしょうか。

    旭日旗・レーダー照射・陛下侮辱・オリンピックボイコット・戦犯等の韓国のウソと煽動に基づく理不尽な反日に、再び中国が賛同するようなことがあってはなりません。
    ですので、「米中が貿易戦争をやっており日本を敵に回したくない今こそ、韓国と中国の絆を完全に断たねばならない」と私は思っています。

    失礼しました。

    1. だんな より:

      理系初老さま
      中国の指導者は優秀で、韓国の指導者が無能だと言う事は、同意します。
      中韓の絆の意味が、理解出来ません。
      文大統領は、三不の誓いを立ててますので、中国に逆らう事は無く、中韓関係は、中国が上の状態で固定化されたと思っていると思います。
      中国が、韓国の反日に相乗りする事は、現在の日中関係から可能性が低いと思います。
      数年前に一緒に反日していたのは、韓国を取り込む前だったので、韓国に対する「餌」としての反日だと思います。
      既に取り込んだ韓国に、中国が餌を与える事は無いでしょう。だから、中国が旭日旗やオリンピックボイコットで、韓国と同調する事は、無いと思います。
      だけど、中韓の絆は、もう切れることは無いと思います。

      1. 墺を見倣え より:

        > 既に取り込んだ韓国に、中国が餌を与える事は無いでしょう。

        確かに、中国人が、パラリンピックのメダルを見て火病を発症する事はないでしょう。

        しかし、「餌」じゃなければ、十分有り得るのでは?

        例えば、安倍総理の靖国参拝とか。(中曽根の大チョンボの後遺症なんだが)

        戦犯の霊抜神事してから参拝するという手がありそうに思うのだが。

        元々、靖国神社は、戦場で御亡くなりになった方、戦場で受けた傷や病原菌等が元で御亡くなりになった方が対象で、戦犯の様に戦場とは無関係に御亡くなりになった方は対象外の筈なんだが。例えば、乃木希典氏は自殺なので合祀されていない。

    2. unagimo3 より:

      理系初老 様

      細かい事を言うようで申し訳ありませんが、中国と韓国には所謂 ”絆”といえるような
      ものはありません。
      中国から見れば韓国ごときは同盟の相手ですらありません。昔から朝鮮人のしつけ方
      (基本的にたたいて教える)を会得しており、擒縦自在に扱います。中国に任せたほうが
      よいと思います。
      しかしその中国も韓国の先端技術を吸収するまでは得意の羈縻政策で微笑み政策を採りますが、
      完了すれば中国化の犠牲になるのではないでしょうか ?
      日本はまだ韓国に対するカードは切っていません。( 銀行与信の収縮、visa管理、
      輸出管理 etc ) 日米サイドにとどめようとすればするほど、付け上がります。
      こうもり国家ですので当てにせず否韓三原則を堅持して冷遇を徹底するのが一番だと思います。

      むしろ最近のトランプ氏の北に対するミサイルの容認の姿勢が不気味です。ある日突然トランプ氏が
      北を電撃訪問があるのではないかと思うのです。 

  2. だんな より:

    新宿会計士さま
    ある意味どうしようもない韓国より、デモが起こり始めた頃から香港についての議論が、有ればと思っていました。
    香港も、有る意味どうしようも無く、中国大陸と地続きのため、戦車で侵攻すれば、中国軍が制圧する事を止める事は、現実的に不可能です。また、香港は明らかに中国の一部として、国際社会に認知されており、国内問題で内政干渉だと言い張る事も可能です。
    また、香港経済は中国との結び付きが強く、実態は中国経済の一部であると思います。
    現状の台湾は戦闘行為無しに、中国が制圧する事が出来ない点と、大きく違いがあります。
    会計士さんの言う通り中国共産党が、無くなるのか、唯一の解決法で、存在する限り、香港が完全に中国に呑み込まれる事になるのは、時間の問題だと思います。
    中国は、香港以外にもウイグル問題を抱えており、それもまた大きな人権問題です。
    中国は、体裁を気にしますので、香港、ウイグルが、国際社会で取り上げられること自体は、ストレスになります。
    国際社会が、その対応を非難する事は、弱いながらも一定の効果があると思われます。
    しかしながら、国際社会の核となる国連は、中国が常任理事国であるため、制裁等を行うことが出来ず、役に立ちません。また中国は、世界第2の経済大国でもあるために、経済制裁出来る国も、限られています。
    日本マスコミは、香港に関して、ほぼリアルな報道がされていますが、それは香港の活動家が、上手く活動している成果だと思います。
    現時点では、香港の活動家が世界のマスコミとSNSを上手く使って、法案取消の譲歩を引き出しました。
    活動は、引き続き行われるようです。
    残念ながら、応援しながら見守って行くしか思い付きません。何か、良いアイデアが出てと良いと思います。

  3. 一国民 より:

    香港の人たち、特に若者・学生はよく闘っていると思います。
    何しろあの中国共産党が相手なのですから。
    しかしながら、一国二制度、これが実質的に維持されるようにもっていくことは至難の業だと思います。
    これから巧妙な切り崩し工作に直面することになるでしょう。
    頼るのは、世界の声、応援し続けるてくれるといっただけではないでしょうか。
    南沙諸島や尖閣諸島の実効支配に向けた動きは言うに及ばず、オーストラリアや中東・アフリカ、南米と要所要所に拠点を築き楔を打ち込んでいっています、ついでに札借金漬けなどにもして。
    成熟した自由民主主義社会のヨーロッパでさえ、中国マネーに魅入られ、様々な工作にも乗っかってしまっているありさまです。
    このあからさまな覇権主義に対抗する手段があるのか?
    何しろ13,4億の人口を擁し、共産党独裁の下で、徹底した人材育成、愛国教育を施すとともに、そのための関連法令も着々整備、海外移住の中華系住民に対しても祖国への忠誠と有事の際の行動を強いているような国です。優秀な人材が世界中に散らばり、高い技術力や豊富なマネーを背景に活動しています。
    米国の弱体化が明白になれば、沖縄(中国が琉球という名称を与えた)までも自国領、維新のどさくさに紛れて日本が奪い取ったと主張して、奪い返し(?)にくることでしょう。
    中国の覇権が確立すれば、その価値観が世界自由に敷衍していくことになります。
    他民族にとっては暗い社会の到来ということにもなりかねません。
    中国の野望、危険性に世界中が気づき、それなりの対策がとられることを望むばかりです。

  4. 匿名 より:

    気になるまとめを目にしましたので一応ご報告まで。

    【続報】香港より「正式な撤回はされてない、騙されないでください。逃亡犯条例の全面撤回命令では無い」
    https://www.moeruasia.net/archives/49651296.html

    きさらぎむくろ@香港デモ応援@うつ病再発@Kisaragimukuro
    正式な撤回ではなく、撤回の提案を立法会に送るだけです。立法会での審議内で「変更」及び「撤回命令の撤回」も可能です。だからメディアの皆さん、騙されないようにしてください。香港政府の宣言はあくまで、全面撤回を立法会に提案、逃亡犯条例の全面撤回命令では無いです。いつでも復唱な可能性あり

    周庭 Agnes Chow Ting✔@chowtingagnes
    来年の夏に現在の立法会議員の任期が切れます。その時までに、可決されなければ自動的に草案が失効になります。

    でも、まだ廃案にはなっていません。
    一年もの間に何が起こるかわからないです。

    誤解してしまうような報道はやめていただきたいです。
    https://this.kiji.is/514791986123228257?c=39550187727945729
    香港政府、廃案受け入れを表明 共同通信社
    ※引用者注 周庭さんのツイートと共同の記事は今年の6月21日のものです。

  5. 阿野煮鱒 より:

    台湾には独自の軍事力があり、台湾関係法を基に米国の加勢を得ることもできますが、香港の場合そうした武力の後押しがありません。

    だからこそ香港はデモに必死にならざるを得ないのでしょう。しかし、もしも香港人が中華人民共和国からの独立を決意したとして、それを実現させるための仕組みを思いつきません。独自の軍がないので、人民解放軍に制圧されたらひとたまりもありません。覚悟を決めるだけでなく、米国を始めとする国際社会の明確な支持と、武力による保護が無い限り、独立は困難です。

    一方の台湾は、自国の中に迷いがあり、一向に意思統一ができません。上述の通り、台湾関係法という事実上の米台軍事同盟があるわけですから、それを背景に「独立」を果たすことは困難だとは思いません。しかしながら「一つの中国」にこだわる勢力が一定数いて、台湾を中国に繋ぎ止めています。

    アジアには面倒くさい地域が多いですね。戦後は終わっていないということでしょうか。

    1. だんな より:

      阿野煮鱒さま
      日本が面倒を見て、経済成長に寄与した国が、震源地ですね。お人好し過ぎたんでしょうね。
      子供にみんなお友達と教育する国ですからね。
      自由や平等は、難しいですね。

  6. チキンサラダ より:

    私が住んでいるサンフランシスコ・ベイエリアは人種のるつぼ(サラダボウルの方が正確な表現とも言われます)で、世界各地の人間が集まっているのですが、日本人と馴染みやすいのはダントツで台湾人です。そしてその次が香港人、それに韓国人、中国本土の人が続きます。

    民主主義の価値を知る香港が中国本土に飲み込まれてしまうことは、日本にとっても決してプラスにはならないでしょう。

    かといって、日本政府が表立って香港のデモの支援をするわけにもいきません。自然な形で香港の自主独立が保たれるようになるのが理想ですが、現実の政治はきっとそう甘くはないでしょうね。
    香港のデモの背後には少なからずアメリカの情報機関がいるでしょうし、中国政府も狡猾かつ執念深い策で独立派をサラミスライスしていくでしょう。

    今後香港の地位がどうなるかは私の会社の戦略にも関わってくることなので、注目しています。

  7. 理系初老 より:

    だんな様

    レス本当ににありがとうございました。虎ノ門ニュースから戻ってまいりました。おっしゃっていることはごもっともであり、以下反論ではありません。ただ、「中韓の絆」について改めて補足説明させて下さい。

    中国共産党は間隙をついていつでも領土をうばいにくる狡猾な者であり、「反日を放棄した訳ではなく、将来それが利益となるならすぐに反日に戻る可能性がある」ということを言いたかったのです。それが証拠に、南京の反日施設はそのままですし、反日プロパガンダTVが消えたとも聞きませんし、NHK国際TVは突然真っ暗になりますし、あいかわらずミサイル照準を横須賀等にあわせ、爆撃機や軍艦を日本周辺に送り続けているのです。

    それゆえ、韓国にとって「中韓の絆」とは宗主国様に対するオモネリと妄想に基づく精神病にすぎませんが、中国にとっての「中韓の絆」とは、いつでも韓国を属国として利用できるように飼いならしておくということであり、恐ろしい事に、日米と韓国の断絶という中国・北朝鮮の宿願は実現しつつあります(日本はその後のこともしっかり考えて対処できればそれで良い、今さら韓国と仲良くするのは百害あって一利なしと思っています)。

    ですので、米中貿易戦争で中国が日本を敵にできないというのはほんの一瞬の出来事と思うくらいの覚悟で、油断せず、今のうちにこそ、中国に、「旭日旗排斥や皇族侮辱や(自称)慰安婦・強制労働像の不当性」を公的に正式に認めさせて欲しい、という願いを書かせて頂きました。

    失礼いたしました。

    1. だんな より:

      理系初老さま
      こちらこそ、書き方に失礼が、有りましたらお詫びします。
      中国と朝鮮は、「法の支配」を尊重しませんので、何を約束させても無駄だと思います。
      旭日旗や慰安婦には、関心も無いのではと思います。
      中国は、いざとなったら日本を征服してしまえば、全て好き勝手に出来ます。
      彼らは頭が良いので、韓国と違って損得勘定で動きます。
      日本を中国から守るには、色々な意味で「中国が日本を攻めると損をする」状態を維持することが必要だと思います。

  8. 国防動員法 より:

    TVを見ていると、香港のデモに対して「暴力は何も生まない」と発言しているコメンテーターがいました。

    「暴力は何も生まない」と言えるのは、暴力を振るう側の人間です。

    中国共産党のような暴力組織によって様々なモノを奪われた経験のある人間が言えることではありません。

    中国共産党による暴力の被害者となって人生が破綻しないようにするために香港の彼らは戦っているのに、その人生を守るための戦いを暴力と呼び、「暴力は何も生まない。話し合うべきだ」などと公共の電波で堂々と喋っているのを聞くと、背筋が凍りつきます。

    日本の左派は、「九条を守れ。軍事費を減らせ。中国・韓国・北朝鮮は絶対に日本に侵攻しない。だから、中韓朝による日本侵攻を考えるのは無駄だ」の一辺倒です。

    中国・韓国・北朝鮮が絶対に日本に侵攻しない、その根拠を絶対に説明してくれません。

    日本の左派には、もうそろそろ、中国・韓国・北朝鮮が侵攻してきたら日本がどうすべきか、侵攻にどう備えるべきか、説明してほしいものです。

  9. 心配性のおばさん より:

    >「サラミスライス」、つまり、サラミを薄くそぎ落とすように、相手の権利を侵害していくやり方は、まさに中国がその元祖のようなものですが、少しずつ香港の自治が浸食され、中国化が進んでいく様子は、「サラミスライス」そのものです。

    習近平氏の底は知れていますが、香港市民が相手にするのは、建国以来、狡猾なことでは有名な中国共産党です。持久戦になります。その為には、中国内陸のウイグル、チベット、モンゴル自治区に運動を拡げる路線を目指すべきかと思うのです。
    そうやって、アメリカやイギリス、中東、アジアなど世界を巻き込んでいく。善意や理想だけでは、中国共産党とは戦えません。同じことは、韓国には「NO!NO!」ですが、あなたがたには、今、必須の方法です。

  10. ひろた より:

    世代が違う(笑)
    私もソウル経由でパリに行ったことありますよ。
    まだ仁川ができる前のことですけど。
    香港トランジットはベトナムとか日本から直行便がない時代だし、自分はタイ経由が多かったです。
    今は亡きサベナベルギー航空とかほんとボロかった。
    さて、香港の友人は悲壮。
    おまえはおまえが良いと思う香港を記録してくれ。と。
    危ないから今年はもう来るな!と。
    政府系観光関連団体はもう宣伝し始めてますけど。

    人と金が流入してしまうともうどうしようもないです。
    キャリーラムだって最初は中国政府へのゴマすりで法案を通すつもりだったようです。辞任したくても中国政府の許可がなければ辞任もできません。

    香港の若者の投稿を紹介します。
    “台湾人よ、今の香港人の戦いをよく見ておけ!こうなったらもう遅い。”

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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
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