韓国政府、本気で書簡を本当に日本に伝達へ

昨日から当ウェブサイトで連続して取り上げている「日韓GSOMIA破棄」に関し、現段階で報告しておきたい内容をまとめています。どうも韓国政府は本日午後にも、日本大使館関係者を呼び、日韓GSOMIA終了の旨を明記した文書を手渡すのだそうです。一方、マイク・ポンペオ米国務長官の発言は、「日韓両国に対して」努力を促しているようにも見えるのですが、どちらかといえば韓国に対する「強い困惑」を見て取れるのです。

GSOMIA破棄の「リスクシナリオ」

韓国政府が日韓間の「包括的軍事情報保護協定」(GSOMIA)の「終了」を発表したのは、昨日夕方6時20分過ぎのことです。

これ以降、当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』には、史上最多のごアクセスをいただき、『【速報】日韓GSOMIA破棄、日韓新時代へ』には、記事公表直後時間に100件近いコメントが殺到するなど、皆さまの関心の高さがうかがわれました。

ただ、その後に公表した『日韓GSOMIA破棄と「南ベトナム・シナリオ」』のなかで、「破棄するする詐欺」、つまり、「日韓GSOMIAを破棄するよ」と発表しておきながら、わざと通告を見送る、というリスクがあるのではないかと申し上げました。

要するに、日本政府に対して「もしホワイト国除外を取りやめるならば、いまならまだ日韓GSOMIA破棄の意思決定を撤回するのに間に合うぞ」と脅し、日本の「ホワイト国削除」について撤回させる、といったリスクシナリオです。

冷静に考えたら、韓国をいわゆる「ホワイト国」リストから除外するための政令改正は8月2日時点で完了していますし、すでに天皇陛下の御裁可を頂き、公布まで終わっているわけですから、28日の政令改正の施行を停止するということは不可能です。

ただ、「素人集団である文在寅政権」のやることですから、こうした浅はかな考え方で「今からでも日本を揺さぶることができる」と勘違いしている可能性は否定できないな、と、昨日の時点では考えていたのです。

「本気でそれをやるか!」

ところが、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に掲載された次の記事によれば、このリスクは杞憂だったようです。

韓日軍事情報協定終了「公式書簡」 きょう午後日本に伝達(2019.08.23 11:46付 聯合ニュース日本語版より)

とても短い記事ですが、韓国政府外交部が本日午後にも日本大使館関係者を呼び、「GSOMIA終了決定を通知する公式書簡」を手渡すのだそうです。

「破棄するする詐欺」と申し上げてしまいましたが、まさか韓国政府がそこまで断行する勇気を持っていたことに驚くとともに、ある意味で敬服(?)してしまいました。

外務省のウェブサイトに掲載されている日韓GSOMIAの原文(正式名称は『秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定』)によると、「外交上の経路を通じて書面により通知」すれば、日韓GSOMIAは本当に今年の11月23日に終わってしまいます。

(参考)日韓GSOMIA第21条第3項

この協定は、一年間効力を有し、一方の締約国政府が他方の締約国政府に対しこの協定を終了させる意思を九十日前に外交上の経路を通じて書面により通告しない限り、その効力は、毎年自動的に延長される。

どうも韓国は本気で自分の国の存在意義に終止符を打つつもりであるようです。

ポンペオ国務長官の発言

さて、米国の反応についてももう1つ確認しておきましょう。

マイク・ポンペオ米国務長官は現在、カナダを訪問中ですが、記者会見で日韓GSOMIA終了について発言しているようです。

Secretary of State Michael R. Pompeo And Canadian Foreign Minister Chrystia Freeland At a Press Availability(2019/08/22付 米国務省HPより)

少し長いのですが、該当する箇所を引用し、とくに気になった点に下線を付しておきましょう(質問者はワシントンポストのジョン・ハドソン記者です)。

QUESTION: (略) I wanted to ask about South Korea’s decision to stop an agreement to share military intelligence with Japan.  Is the U.S. making efforts to bring the two allies together?(略)

SECRETARY POMPEO:  So John, thanks for the question. (略) On your second question, I actually spoke with my South Korean counterpart this morning.  We’re disappointed to see the decision that the South Koreans made about that information-sharing agreement.  We’re urging each of the two countries to continue to engage, to continue to have dialogue.  She was with the Japanese foreign minister yesterday, I believe, our time.  They were working to put this back together.

There is no doubt that the shared interests of Japan and South Korea are important, and they’re important to the United States of America, and we hope each of those two countries can begin to put that relationship back in exactly the right place.  I have experienced it from my time here as the Secretary of State.  It’s absolutely valuable not only to the work you mentioned in the context of North Korea, but important in the work we do all around the world.  They are both great partners and friends of the United States, and we are hopeful they can make progress together.

ポンペオ氏の発言は、簡単にいえば、「韓国の今回の決定には失望(being disappointed)した」、「日韓両国は引き続き対話を続けてほしい」、「正しくあるべき場所(exactly the right place)に戻す努力を行ってほしい」というものです。

個人的には、「日韓GSOMIA破棄」という愚行は韓国が決断したものであり、その軌道修正を日韓両国に対して要求するのは間違いではないかと思いますが、ただ、ポンペオ氏は韓国に対し、ハッキリと「失望した」とも述べています。

前後の文章と合せるならば、「彼女(=康京和(こう・きょうわ)外交部長官)と今朝も話したばかりなのに、どうして破棄するのか」という苛立ちが見て取れますし、米国なりの困惑が示されているという言い方もできるでしょう。

米韓同盟破棄とその次に来るもの

ただし、現在の状況でただちに米韓同盟が破棄されることが決まった、というわけではありません。

ポンペオ氏の先ほどの発言からも明らかなとおり、米国は(少なくとも表面上は)「日韓両国」に対し、対話を続けるように要求していますし、このことは「北朝鮮の非核化を達成するためには日米韓3ヵ国連携を継続すべきだ」、という意思表示と見ることもできるでしょう。

ただ、2015年12月の「日韓慰安婦合意」を含め、あれだけ日米が一生懸命、韓国を「日米韓3ヵ国連携」の枠組みに留めようと努力してきたにもかかわらず、それらの努力が韓国側によって水の泡にされてしまったことについては、そろそろ米国としても「無駄な努力」という言葉を学ぶべきでしょう。

また、日本としても、明治期の日清・日露戦争期を含めたこれまでの歴史を通じて、「韓国との間ではどんなに外交努力をしても意味がない」ということを学んでいるはずですし、そのことをもっと米国側に効果的に伝える努力をすべきでしょう。

こうしたなか、自然に考えていくと、韓国政府がこのまま軌道修正しなければ、韓国の末路は「南ベトナム・シナリオ」または「ベネズエラ・シナリオ」でしょう。

なぜなら、いかなる名目があるにせよ、米国にとっても都合がよいはずの協定である日韓GSOMIAを韓国自身の決断で破棄したわけですし、そのことは、韓国が米国を公然と裏切ったということでもあるからです。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

いずれにせよ、本日は時間があれば、のちほど、「日韓GSOMIAが正式に破棄されることが決まった」という話題を掲載することになろうかと思います。

読者コメント一覧

  1. りょうちん より:

    書留郵便にしなかった分、日韓の関係は進歩しているんじゃないでしょうか。

  2. 匿名 より:

    中国ですら懸念を表明しておりますが…
    いったいどうするつもりなんでしょうか。
    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190823-00000035-cnippou-kr

    1. おでん より:

      (本音は別として)
      社交辞令だとしても、王毅外相が日韓仲良くと言った次の日にこの決定。
      結果的に韓国は、王毅外相の面子をつぶしたことになる。
      中国の高官は、「面子」にはうるさいと思うが、
      どうするんでしょうね。
      中国の本音は別にあると思いますが。

  3. てんもう より:

    初めてコメントします。
    いつも見させて頂いてますが、素早い対応や、一次データに基づく冷静な分析は見習わないかんなと思います。ただ、本業は大丈夫かな?ちゅうのは下世話な心配ですが。失礼!
    今回の韓国の判断はまさに文在寅の本心かと思います。彼の頭の中は北朝鮮だけでしょう。案外、今の彼の立場を維持することより優先度が高いかもしれません。いつか彼はかなり邪悪な人間かも知れないと言ってみえましたが、そう思います。ATMを始めとする国内の反日勢力など無視して、防衛戦の南下対応が急務と思います。

  4. 匿名 より:

    なんか韓国のやりたいことが頭に浮かんでしまうんですが・・・w
    外交部庁舎内の閑散とした部屋に日本大使館関係者を呼び出し書簡を渡す。
    その背後の壁には「GSOMIA終了伝達式(?)」という張り紙が・・・
    あくまで空想なのですが

  5. 匿名 より:

    今回の一連の流れは、右派系左派系メディアを問わず見ていると全て繋がっているように見えてきます。アメリカは韓国の行動をコントロールしているようにしか思えません。
    北朝鮮に加え、中国、米国、日本その他全ての主だった国が今回の件で動いているような感じがします。
    北朝鮮の中距離ミサイルの発射、アメリカの必要のない中距離ミサイルのテストと発表などなど、おかしいと思われる行動が今までにいくつもあります。
    米国は、韓国にいる親北の本当の黒幕を探しているとか聞きます。
    ムンさんは、表の顔なので知らされていないのでしょうね最後はトカゲのしっぽ切りでしょう。

  6. 匿名 より:

    そういえば昔野田政権が送った書簡を韓国が受取拒否したなあw

  7. URC より:

    これでまさか、書簡を渡す瞬間に「何で止めないんだっ!?」とか言ってきませんよね?
    もしも、それやったら、関係者がみんな目が点になりますけど。

  8. カズ より:

    安全保障に関連した協定の一方的な解消は、明らかな友好関係後退の意思表示です。
    (一般国への格下げに留まらず、敵対レベルとも認識すべき言動です。)

    これを受け、日本政府は苦渋?の選択を迫られることになると思うのです。が、

    日本国民の安全確保のための厳格な入国審査の実施。
    自由陣営の安全確保のための厳格な貿易管理の実施。
    資本流通の健全確保のための厳格な金融指導の実施。
    国際ロビー活動対策のための明確な情報発信の徹底。

    これらは主権国家としての自衛的名分による措置であり、実施に際して何らためらう要素はありません。
    (当たり前のことだから当たり前にするだけのことですものね)

    緊急性を要するものは速やかに、そうでないものも着実な進捗での実施を望みたいです。

    *そして、何よりも在韓邦人の安全確保を第一に考えて欲しいと思います。

  9. スガドン より:

    11月23日まで有効なんですねGSOMIA。
    11月23日までに新GSOMIAを締結できれば空白期間は生じないと。まだまだアクロバティックな展開がありそうな予感がムンムン(笑)

  10. 門外漢 より:

    鈴置氏によると、韓国軍にクーデターは期待できない、のだそうです。
    ムン氏独走態勢と言う事なんでしょうか?

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