米国政府が韓国を「深刻な勘違い」「強い懸念」と批判

韓国政府、本気で書簡を本当に日本に伝達へ』の続きです。先ほどの記事では、ポンペオ米国務長官が韓国に対し「失望した」と述べた、とする話題を紹介したのですが、これに「続報」があります。それは、米国務省関係者が匿名で「文在寅政権は深刻な勘違いをしている」と述べた、とする話題と、米国防総省のイーストバーン報道官が「強い懸念」と発言した、とする話題を、追補しておきたいと思います(本日は三々五々、同じテーマの記事を続けざまに掲載してしまい、申し訳ございません)。

ポンペオ氏の発言は弱いが…

またしても「日韓包括的軍事情報保護協定(日韓GSOMIA)破棄」に関する話題です。

先ほどの『韓国政府、本気で書簡を本当に日本に伝達へ』で、マイク・ポンペオ米国務長官のインタビュー記事で、同氏が「韓国の今回の決定には失望(being disappointed)した」、「日韓両国は引き続き対話を続けてほしい」、などと述べたとする話題を紹介しました。

Secretary of State Michael R. Pompeo And Canadian Foreign Minister Chrystia Freeland At a Press Availability(2019/08/22付 米国務省HPより)

韓国政府、本気で書簡を本当に日本に伝達へ

いちおう、ポンペオ氏としては「失望」という言葉で韓国に対する困惑を表現しているようです(※その一方で「日韓両国が」関係改善の努力をすべきである、などと述べている点については、個人的には今ひとつすっきりしません)。

ただ、ポンペオ氏の「失望」という単語は、表現としては強くありません。韓国政府の今回の決定を本気で咎めるつもりなら、もっと強く、「決定の撤回を求める」などと述べるべきです。

米国務省関係者「文在寅政権は深刻な勘違い」

これについて不思議に思っていたのですが、韓国メディア『聯合ニュース』(英語版)に、こんな記事を発見しました。

(5th LD) U.S. expresses ‘strong concern,’ ‘disappointment’ at termination of Seoul-Tokyo intel pact(2019/08/23 08:04付 聯合ニュース英語版より)

聯合ニュースは先ほどのポンペオ氏の発言を部分的に引用しながら、この「失望」という下りを紹介しているのですが、ポイントは次のくだりです。

The State Department’s frustrations did not stop there. / “The United States has repeatedly made clear to the Moon administration that this decision would have a negative effect on U.S. security interests and those of our allies,” a State Department spokesperson told Yonhap News Agency, referring to South Korean President Moon Jae-in. / “The decision reflects a serious misapprehension on the part of the Moon Administration regarding the serious security challenges we face in Northeast Asia,” added the spokesperson.(※下線部は引用者による加工。以下同じ)

これは、国務省の(匿名の)関係者が聯合ニュースに対し、文在寅(ぶん・ざいいん)政権の決定に強い不満を述べた下りですが、下線部を意訳すると、次のとおりです。

  • 米国政府は文在寅政権に対し、(GSOMIA破棄の)決定は米国の安全保障上の利益と同盟国に対してマイナスの効果をもたらすと繰り返し警告してきた。
  • 今回の決定は北東アジアの安全保障に生じている深刻な状況について、文在寅政権が深刻な勘違いをしている証拠だ。

実に強い批判ですね。

ペンタゴン報道官は「強い懸念」

不思議なことに、この「深刻な勘違い(serious misapprehension)」の下りは、同じ『聯合ニュース』の日本語版の記事では報じられていません。

米国務長官 韓日軍事協定終了に「失望」=対話促す(2019.08.23 08:28付 聯合ニュース日本語版より)

なぜ日本語版でこの下りを割愛したのかはわかりません(もしかすると米国政府が韓国政府に対して強い不快感を抱いているという証拠を隠すためなのでしょうか?)。

それはさておき、ポンペオ氏の発言は「日韓双方に対話を促す」というものでしたが、こちらの国務省関係者の発言は、そこからかなり軌道修正され、明らかに韓国に対する困惑と、強い怒りが見て取れるのです。

一方、先ほどの聯合ニュース英語版の記事によると、米国防総省のデーブ・イーストバーン報道官(中佐)も

The Department of Defense expresses our strong concern and disappointment that the Moon Administration has withheld its renewal.

と述べています。ここでは “strong concern” 、つまり「強い懸念」という表現が用いられていますが、要するに韓国を強く批判した格好です。

これに加え、米国の国営放送局「ボイス・オブ・アメリカ」のウェブ版では、日本の安倍晋三総理大臣による「韓国の決定が日韓双方の相互信頼を傷つけた」と述べた、とする発言を引用しています。

Abe: Seoul’s Ending of Intelligence Deal Damages Mutual Trust(2019/08/23 01:03付 VOAより)

VOAの記事は、いちおうは日韓双方に中立的に見えるものの、記事のタイトルで「韓国の側が信頼を傷つけた」という印象が付きます。その意味でも、やはり安倍総理が「日韓関係の信頼を傷つけたのは韓国の側だ」とハッキリ宣言したことは非常に良いことでしょう。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

さて、先ほどの『聯合ニュース』の報道だと、本日午後にも駐韓日本大使館の担当者に「日韓GSOMIA終了」の旨を明記した文書を手渡すことになっているそうですが、現時点で関連した報道がまだ確認できませんが、これについては、時間があれば後ほど触れたいと思います。

参考:いまこそ読みたい、名著『米韓同盟消滅

読者コメント一覧

  1. タナカ珈琲 より:

    皆様お疲れのご様子……
    昨日の日韓GSOMIA破棄……
    おかげさまで初めて1番乗り…
    此方にも投稿して下さい…

  2. 名無しさん より:

    アメリカは11月のGSOMIAの効力失効までの間に再調印をするよう動くんじゃないでしょうか。
    裏の外交ルートでは日本側にホワイト国への再編入を願い出る可能性はある気はしますが、日本の輸出入管理の政策ですから、なかなか難しそうです。
    万が一、ホワイト国再編入をアメリカ側が支持するような動きがあれば日本側は米国に対して対米貿易に関して優遇を求めるくらいはしてくれたらと思います。

    1. 馬関っ子 より:

      はじめての投稿です
      月刊 Will9月号を読みました。
      G20大阪での舞台裏について取材されたジャーナリストさんの記事が有りました。

      アメリカ政府の随行者の方を取材し、日本に対してかなりご立腹をされていた、と。米国曰く
      「日本が韓国に輸出した戦略物質が、イランや北朝鮮に流れている。裏で糸を引くのは中国だろう。イランと米国、北朝鮮と米国を戦争させたいのだろう。日本は何をしているのか。自分達の国が戦略物室を輸出するのなら最後まで管理するべきだろう。その為に必要なら戦力を持つべき」だと。

      最初米国は日本を疑った(戦略物質作ってる所なんて限られるよね)。
      でも北朝鮮と拉致問題を抱える日本ではない…次はイスラエルが疑われた。でも、これも違う(イランと敵対してるし)…と。そして、韓国にたどり着く。
      安倍総理は、トランプ大統領の意思を伝えるためと戦略物質横流しを確認しに、イランに訪問した(がタンカー攻撃でウヤムヤに)。

      それでも煮え切らない日本の態度に、米国は日本のお尻を叩く。
      そして、G20で、安倍総理は、トランプ大統領に「輸出管理を直ぐやります」と伝えたそうな…んで、翌日決行。

      アメリカのイライラがG20前のトランプ大統領の「日米安保破棄」発言かと。「オメーらも軍を編成し、戦略物質を管理しろ。我々に面倒をかけるな」だったのかなぁーと。
      だから、米国が韓国をホワイトリストに戻せ、なんて圧力はないと思います。日本のお尻叩いたの米国だし…
      この随行者の方も韓国を「もはや同盟国とは言えない…」と言っていたそうです。

      中国は、イランや北朝鮮を扇動し、自分達から米国の敵意を避けたかったのかも。でも、米国は香港で復習したかな…

      長くてすみません。

  3. 匿名 より:

    日韓GSOMIAが終了したことをふまえ、騒ぐのもよいですが、先ずは目先のこととして情報に関しては「友好国なし、情報は全部自国で集める」という発想で、防衛省の情報本部や内閣情報調査室に予算をもう少しつけてなにもかも自前でやる体制を即座につくるべきかと。残念ながら厳然たる事実として現時点では北朝鮮の情報に限っていえば質・量ともに韓国の方が持っています。

    あくまで情報に限っての話です。
    まあ、リアルに徹している国の担当はもうとっくに動きだしているのでしょうが。

  4. ラスタ より:

    私は英語読解能力がさほどないのですが、ポンペオ氏発言とされる最初の一行は、
    「さすがに怒るでしかし」という横山やすし的恫喝、キレるでおんどりゃー、と言っているように感じますが、誤読でしょうか。

    1. ラスタ より:

      いや違うか。
      記事元のポンペオ発言引用主による「米国務省のムカつきはこれに留まらなかった」という差し込みですね。
      上のコメント撤回します。

  5. 匿名 より:

    かなり長くなりますが、
    Korea Never News の最新記事。
    コメントに「いいね」の付いた投稿のGoogle翻訳です。
    一部意味不明な箇所がありますが、ご容赦下さい。

    GOSMIA破棄に米国は非常に失望だが、中国は非常に歓迎。なおさらキム・ジョンウン “は”喜んでいるはず….南北軍事合意に安保一線と北へ貢献してGOSMIA破棄で北潜水艦、ミサイル発射情報、哨戒機収集軍事情報など、日本として収集可能な軍事情報も放棄して、次は韓米同盟破棄手順かと言う疑問が湧く。

    ムン・ジェインは、韓日軍事保護協定が金豚にミプボことかと思って破棄したものである。彼は韓国と国民より金豚を先に考えから。ムン・ジェインは、残念ながら、今回の韓日軍事保護協定破棄がどのよう韓国に損害を負わせるか知らない!まず、日米韓安保協力をケムにより、米国は再び韓国を見るようになり、韓米同盟はすでに破られた。ムン・ジェインは、すぐにこの協定の破棄が大きな間違いであったことを認識するだろう。韓国と国民は今風前の灯の危機にさらされました!国民は今ムン・ジェインを低下させるために、ろうそく集会をする時になった!前回のろうそく集会の主催者は、再びキャンドル集会をして、韓国と国民を生かそう!

    この国は本当に一度も行ったことがない不思議な国になってきている。
    一体頭の中で何を考えているのかを嘆かないことができない。
    国民の大多数がGOSMIA破棄に反対する中で突然拙速に協定を破棄するということは、国家の安全保障を人質に祖国を求めるペテンではないかと疑うようになる。
    当初から運動圏出身者にこの国を任せた愚かな国民の選択が徐々にこの国を災害に近づけている。

    以上です。

  6. カニ太郎 より:

    円が急騰しています。
    米中貿易交渉が決裂したからでしょう。
    中国は米国に追加関税を課し、米国は中国に報復関税を課した。
    トランプは米国企業に中国撤退を訴えています、強制力はありませんが、米国の衰退が始まっていると見ます。

    今、世界は大きく動いています。
    英国は欧州連合から撤退するでしょう。
    韓国は日米韓同盟から離脱しそうです、Korexitと言えるでしょう。

    今回のGSOMIA破棄は、米国が韓国を引き留められなかったということです。
    言い方を変えれば、中国が米国に韓国政策で勝った、とも言えます。
    今回の米中貿易交渉でも、中国はトランプに屈しなかった、ゆえに韓国も中国を選んだとも言える。

    GSOMIAの米国の反応を見ていると、政府要人の言葉は「失望した」など弱いものだ。
    韓国を焦土に出来るパワーが感じられない。
    よほど中国と揉めるのが嫌なのだろう。

    私の好きな壇蜜こと美人政治評論家三浦瑠璃さんは「21世紀は違う世紀なのだ。戦後の常識も、20世紀の常識も通用しない」と言っていた。
    そして今回多くの評論家やジャーナリストは韓国GSOMIA破棄を予想できなかった、いや予想をはずした。
    それはエスパー国防長官やポンペイオの言葉を信じすぎたからだろう。
    それは、フェイクニュースじゃないとすると、米国の力の衰え、中国の影響力の伸びを、評論家やジャーナリストが分析できなかったということだ。

    100年続いてきた米国のパワーが衰退し、朝鮮半島を維持できなくなってきているということがわかってないということだろう。
    朝鮮半島だけなら良いが、日本すら米国には維持するパワーがないのかもしれない。
    日米安保を見直すと言っていた件はどうなったのだろう。

    米国経済は既に衰退期に入ってきた、FRBはドルの利下げを示唆してる。

    再び米国が金融緩和に舵を切るとなると、もう株なんてFRBが維持してるようなものといえるだろう、日本株は日銀が維持してるようなものだし、欧州株はECBが買い支えているようなものだ。

    つまり、政府が全部管理する中国と変わらないのだ。
    ウォール街は社会主義だということだ。
    つまり、それは株価に対する信用崩壊だから、株価は底無しに下落するだろう。

    それはまさに三浦瑠璃さんの言う、戦後の常識も20世紀の常識も通用しない世界、になるのだろう。

    この秋、世界は危ない。
    次回の対中追加関税が付加されるのが10/1だ、フランスG7も9/24だ、日米通商協議の結果発表もその頃だ、消費増税が10/1だし、ブレグジットが10/30が期限だ、絶対なにか起きそうだ。

    1. タナカ珈琲 より:

      と言う事は、FXでドルを売って、……或いは、株の空売りをしてその利益で、
      冬の有馬記念で勝負して……、

      以下、独り言
      カニさんの小倉記念の解説はくろ〜との競馬予想でした。
      深い洞察力…、文章に説得力がありますよ。

      連単1000倍程のオッズを教えて下さい…
      私の好みは先行逃げ切りです……
      ダービーのタニノハローモア、
      菊花賞の名前忘れた、確か福永洋一…白帽2番

  7. ななし より:

    >VOAの記事は、いちおうは日韓双方に中立的に見える

    中立っちゃあ中立なのでしょうが2日続けて「セイドレイ」「強制労働」「植民地被害」をブッ込まれちゃあ、常々おっしゃる通り「マイナス50」ですよねえ。

    VOA
    ・朝鮮語(半島向け宣伝工作)「文政権は勘違いしている」
    ・英語(全世界向け宣伝工作)日韓葛藤の名を借りて「セイドレイ」「強制労働」「植民地被害」の既成事実化。
    ・日本語(日本向け宣伝工作)(今はやってない)

    まあ、悪いのは一に韓国、二に日本外交なのだから仕方がない。
    これからは「日本は加害者!」を持ち出したところで取引材料にならないどころか「マイナス50」になると思い知らせるような外交をしていただきたい(持ち出すのは中韓くらいですが)。

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