利上げも利下げもできない韓国のジレンマとは?
当『新宿会計士の政治経済評論』は、「韓国専門サイト」ではありません。しかし、ここ数日、韓国に関する話題(慰安婦財団や徴用工判決)ばかりが続いてしまっていましたので、本日は少し毛色を変えて、金融政策について興味深い話題を紹介したいと思います。ただ、たまたまかもしれませんが、本日の記事は、またしても韓国に関する話題になってしまいました。
目次
「韓国専門サイト」じゃありません(笑)
最近、当『新宿会計士の政治経済評論』は、すっかり「韓国専門サイト」のようになってしまいました。
昨日は速報を含めて数本の記事を掲載したのですが、それらはすべて「慰安婦財団解散」というテーマで共通していましたし、それ以外にも、10月30日の「徴用工判決」の話題や、北朝鮮支援に関わる「セカンダリー・サンクション」の話題などがてんこ盛りとなっているからです。
ただ、当ウェブサイトは「政治経済評論」の名前どおり、もともとは金融規制の専門家という立場、中小企業の経営者という立場から、政治(とくに国内政治や外交)、経済(とくにマクロ経済や金融)などのテーマについて、ウェブ評論をするという目的で立ち上げたものです。
とくに、経済について議論するときには、マクロ経済学の知見がとても大切ですが、世の中の経済専門の新聞や雑誌などを読んでいると、「果たしてこの記事の著者はマクロ経済学の基礎を理解しているのだろうか?」と疑わしい代物に出会います。
たとえば、「日本の国の借金は1000兆円を超えていて、すぐにでも財政再建をしなければ、今すぐにでも財政破綻してしまう!」といったインチキ経済記事がその典型例です(※得てしてこうしたインチキ経済記事を書いている人は、大学教授や官僚経験者などに多い気がしますが…)。
参考記事
それはさておき、当ウェブサイトで取り上げる話題については、「読んで下さった方の知的好奇心を刺激するかどうか」という観点から選定しており、読者の皆様の反応を見ながら、テーマについては取捨選択を繰り返してきました。
そのような観点からテーマを選定した結果、今週はたまたま韓国に関する話題が重なったに過ぎません。その点についてはどうかご了解くださると幸いです。
金融政策
金融政策について考えるうえで好適な事例
ただ、当ウェブサイトでは、おもに「政治、外交、経済、金融」などの分野から「読んで下さった方の知的好奇心を刺激する」ようなテーマを取り上げており、このようなアンテナに引っかかったのが、韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)に掲載された、この話題です。
「外国人資金流出」心配増す韓銀…「30日、利上げの可能性は90%」(2018-11-21 15:34付 ハンギョレ新聞日本語版より)
なんと、本日も再び、韓国に関する話題です(笑)
ただし、本日の視点は少しだけ違っていて、「韓国という事例を使って、金融政策や通貨、さらには国そのものの設計について考えてみる」、という趣旨です。
ハンギョレ新聞によると、韓国の中央銀行にあたる韓国銀行は、今月30日の「金融通貨委員会」(日銀の政策決定会合のようなものでしょうか?)で、「基準金利」(政策金利のこと?)を0.25%引き上げるのではないかと予想されている、としています。
では、これのいったい何が問題なのでしょうか?
金融政策って何だ?
そのまえに、「金融政策」とは、いったい何でしょうか?
実は、現代の国際社会では、日本、米国、欧州、英国など、主要国の通貨は軒並み「管理通貨」と呼ばれています。これは、中央銀行であれば、金地金などの「裏付資産」なしに自国の通貨(おカネ)を発行することができる、という仕組みです。
ひと昔前だと、中央銀行が「金の延べ棒」を地下の大金庫に保管していて、基本的に発行できる通貨の量は自国が保有している「金の延べ棒」の制約を受けていたのですが(金本位制)、それだと地球上に存在する金塊以上におカネを発行することはできません。
経済活動が活発になれば、おカネのニーズ(資金需要)が出てきてしまいます。そして、経済活動が金塊の総量によって制約を受けるというのも変な話です。結局、現代社会の「金本位制度」は1971年の「ブレトン・ウッズ体制」の崩壊によって終焉を迎え、主要国は現在、管理通貨制度に移行しています。
そして、この「管理通貨」とは、裏付けとなるのは中央銀行の信用力(というよりもその国自体の信用力、通貨圏自体の信用力)です。これは日本であっても例外ではなく、日本円という通貨は日本という国の信用力を裏付けに発行されています。
(※余談ですが、「日本国の信用力を裏付けに発行されている」という意味では、日本国債と日本円はまったく同じです。よく日本国債のことを「信頼できない」とおっしゃる方もいるのですが、もしそう思うのならば、日本円の貯金を今すぐ全額私に寄付してください(笑))
おカネが増えれば景気が良くなる
ところで、経済に関する記事を読んでいると、「物価」という言葉がよく出て来ます。
これは読んで字のごとく、「モノやサービスの値段」のことですが、言い換えれば、「モノやサービスをおカネと交換するときの交換比率」のことです。そして、よく「物価が上がる/下がる」という言い方をしますが、これは、「カネの値段が下がる/上がる」という意味でもあります。
つまり、モノの値段が上がれば、おカネの相対的な価値が下がっている、という意味ですし、モノの値段が下がれば、おカネの相対的な価値が上がっている、という意味です。
世の中でモノの値段が下がる現象が「デフレーション」(デフレ)です。
デフレの問題点は、「将来モノの値段が下がる(と人々が信じる)」状況が生じ、人々がモノやサービスを「今買わずに将来買えば良い」と思うようになり、「買い控え」が発生し、それによって景気が悪化する、と考えるとわかりやすいでしょう(※やや正確ではありませんが…)。
また、「景気が良い、悪い」という表現をすることがありますが、これは、「おカネを借りてまで投資しようと思う人が減っている」、という状況でもあります。このため、世の中全体でおカネがだぶつく(預金量が増えて貸出量が増えない)、という現象が発生します。
たいていの場合、不景気とデフレは同時に発生しています(ときどき、インフレだけれども景気が悪いという「スタグフレーション」という現象も発生しますが、ここでは割愛します)。そして、デフレの最大の原因は、世の中のおカネの量が足りないことです。
ということは、デフレから脱却するためには、金利をぐんと下げるか、おカネを大量に供給すれば良いのです。これが「金融緩和」です。日銀が国債を買い入れている目的は、世の中におカネを供給し、世の中に流通するおカネの量(マネタリーベース)を増やすことで、人々がおカネを借りやすくすることにあるのです。
金融緩和の副作用
ただ、いつ、いかなる場合でも、「おカネを借りやすくする」ことが良いことではありません。
たとえば、景気が過熱しているときに、これを放置しておけばインフレがどんどん進んでしまいます。インフレが「悪性インフレ」になると、コントロールできなくなり、最悪の場合には、ジンバブエやベネズエラのように、貨幣経済破綻の危機に瀕することになるのです。
(※いや、「危機に瀕する」というのはすこし正確ではありませんね。ジンバブエやベネズエラの場合、貨幣経済が「破綻の危機に瀕している」のではなく、すでに貨幣制度そのものが崩壊し、経済もほぼ壊滅状態にある、という方が正確でしょう。)
ただ、ジンバブエやベネズエラのような極端な例でなくても、今年8月のように、トルコやアルゼンチンなどの通貨が暴落するようなケースもあります。つまり、外国人投資家がその国を信頼しなくなり、結果的にその国から資金が逃げ出してしまうのです。
そうならないために、普通の国では、インフレが加速しているような場合には、金利を引き上げたり、おカネの供給量を絞ったりすることが一般的です(金融引締め)。
利上げも利下げもできない
発展途上国の独自の事情:為替操作のニーズ
以上の「金融緩和」「金融引締め」は、別に特殊な話ではありません。
まともな経済学の教科書には「金融政策の仕組み」についてはきちんと書かれていますし(といっても、ときどきこのあたりの記述が怪しい解説書もありますが…)、日本などの先進国のケースだと、自国のインフレ率や失業率の状況だけを見て金融政策を決定するのが基本です。
ただ、ここで「発展途上国独自の事情」というものがあります。それは、「国際収支のトリレンマ」と呼ばれる鉄則です。詳しくは『【総論】金融政策の基本と「絶対逆らえないトリレンマ」』という記事に記載したとおりですが、簡単にいえば、金融政策と為替相場には密接な関連がある、ということです。
簡単にいえば、金利を上げれば外国からおカネが流れ込んできますし(自国通貨高)、金利を下げればおカネが外国に出ていきます(自国通貨安)。ただ、たとえば、日本の場合は為替相場については政策目標ではありません。あくまでも民間企業が自己責任で対応する話です。
ところが、韓国の場合は、許容できる為替相場のレンジが非常に狭く、為替相場が上がり過ぎれば自国企業の輸出競争力が下がりますし、為替相場が下がり過ぎれば外貨建てで借りた借金の負担が増えてしまいます。
つまり、韓国の場合は、どうも金融政策を決めるにあたって、自国にとっていちばん有利な為替相場となることを強く意識しているようなのです。
資金流出という「恐怖」
もう1つ、韓国などの発展途上国が恐れているのは、「資金流出」です。
いや、もう少し厳密な言い方をすれば、韓国が恐れているのは、外国から外貨で借り入れているおカネを返せなくなる状態です。『外貨準備統計巡る韓国のウソと通貨スワップ、そして通貨制裁』で議論したとおり、いったん通貨危機が発生すると、1000億ドルを超える資金不足が発生する可能性があるのです。
さまざまな状況証拠から、韓国の外貨準備高は(当局発表の)4000億ドルではなく、多くて2000億ドル、下手すると500~1000億ドルではないかと考えられます。これだと、実質的な外貨建債務(2600億ドル)には到底足りませんし、いつ通貨危機が発生しても不思議ではありません。
そして、米国が利上げに踏み切るなか、韓国を含めた新興市場諸国から資金が引き揚げられる流れが生じていますが、ここに北朝鮮核開発問題での韓国に対する制裁措置が加えられれば、「第3次通貨危機」が韓国を襲うことも考えられるからです。
米国の政策金利との関連性
以上の話を踏まえ、改めて、冒頭で紹介したハンギョレ新聞の記事を読んでみましょう。
韓国銀行は今月末の政策決定会合で、0.25%の利上げに踏み切る確率が非常に高いと見られているようなのですが、その理由としては「資本流出」(原文では「外国人投資資金離脱」)に対する懸念が広まっている、としています。
「今月30日、韓国銀行金融通貨委員会が全体会議を開き、基準金利を調整するかどうかを決める予定だが、基準金利決定の重要な変数である「外国人投資資金流出」の懸念と関連した韓銀の判断に関心が集まっている。」
この「外国人投資資金流出」とは聞きなれない単語ですが、韓国という国は、外国から、ざっくりと300兆ウォン(1ドル=1100ウォンと仮定すれば2742億ドル相当額、1円=100ウォンと仮定すれば30兆円)ほどカネを借りています。
韓国が国を挙げて外国から借りている金額(2018年6月末)
- 外債(外貨建て債券、長短含む)…139兆1240億ウォン
- その他の外国債権債務…162兆4930億ウォン
(【出所】韓国銀行)
この額は、私が以前の記事で指摘したものとほぼ同じです。
この額が一気に韓国から流出するという可能性はそこまで高くはありませんが、それでも、米国の中央銀行に当たるFRBが利上げに踏み切る中で、どうしても韓国が外国からおカネを借りるコストがジリジリと上昇してくるのです。
ハンギョレ新聞によると、韓国銀行の関係者は
「金利引き上げが景気に良くないとしても、0.25%の利上げが沈滞を招きはしない反面、外国人資本の流出は万が一起きれば深刻な問題になる」
と述べているのだそうですが、韓国が外国からカネを借りている経済構造である以上、国内景気と無関係に利上げをしなければならないという事情も仕方がないのかもしれません。
家計債務負担への影響
ただ、ハンギョレ新聞の記事が無視している影響が、もう1つあります。
それは、家計債務負担の急増です。
私が韓国銀行のECOSから入手した最新の「資金循環統計」(Flow of Funds)によれば、家計が銀行などから借りている借入金は2018年6月末時点で1630兆2040億ウォン(約163兆円)であり、韓国のGDP(2016年で約1.4兆ドル)と比べてもあまり変わらない水準です。
おそらく、韓国の個人が平均的に巨額の債務を抱えているというわけではなく、一部の個人事業主が事業資金として借金をしているということだと思うのですが、それにしても非常に大きな額です。
このまま韓国銀行が利上げを行うと、家計債務負担にかなりの悪影響が生じかねません。
おりしも現在の韓国では、文在寅(ぶん・ざいいん)政権による「最低賃金制度引き上げ」などの労働政策の失敗により、失業率がじわりと上昇している状況にあります。
要するに、韓国の場合は利上げをすれば家計債務負担と失業率に悪影響を与え、利下げをすれば資金流出のリスクにさらされる国なのです。
利上げも利下げもできない韓国という国を見ていると、つくづく大変だと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
毎回の記事の提供ありがとうございます。
で、主記事とは直接関連しないけれど、しっかりと用日しているサムライ債。
【公社債発行銘柄一覧】
http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/hakkou/youkou/ichiran.html
更新ありがとうございます。
本文途中、「1円=100ウォンと仮定」となっているようです。
恐らく「10ウォン」が正しいかと。
単なる誤記ですね。
換算は1円=10ウォンになってます。
う~ん、わかりやすい。いつもながら好奇心を刺激されます。自分では理解できていても、いろんな第三者にきちんと伝わるように表現するのは簡単ではありません。言葉を選び、筋立てを工夫し、余計な主張を抑制してと。それに会計氏さんの文章は品があります。ホント感心します。特にハンギョレの記事の扱い方、前ふりでタイトルとリンクを出して、一呼吸おいてから内容の紹介と解説。このテクニックは憎いです。最近ますます腕を上げましたねw
今後も期待していますよ。
ブログ主さま、「韓国の個人が平均的に巨額の債務を抱えているというわけではなく」と否定されますが、否定ではなく、全くその通りなはずです。でなければ、韓国の個人事業主は軒並み倒産しているでしょう。かの国民は借金に異常にハードルが低く、借りたもんがちで返す必要はないと考える割合が非常に多いようで徳政令の乱発されるゆえんだと思います。財産内訳では不動産割合が異常に多く、それを担保に不動産を増やすのが当たり前で、このあたりは楽韓ブログさんも度々、指摘しているところだと思います。普通の家庭ですら、借家に入居するためには、チョンセという異常な仕組みのために、数千万の借金をして入居しなければなりません。家主は預かった大金を不動産投資や海外投資でいくら不良資産化しているか分からない異常な事態。嫌韓気味ですがhttp://naominanami.blog.fc2.com/のブログ主さんが、いつも詳細に解説してくれています。韓国が定期的に通貨危機に陥るのは、かの国の国民性が深く関わっているからとしか言えないと思うところです。
おはようございます。
最終章で、個人事業主債務の話がありましたが、家計債務に含まれないと思ってました。
私は、技術系の人間で、この分野に詳しくなく、そう思ったのは、
愛読している中央日報の2011年12月19日に
「 事実上の個人向け融資となる自営業者への融資がますます増加している。銀行は自営業者向け融資を中小企業向け融資に分類している」です。古い話で申し訳ありません。
韓国で、個人的な債務は、韓国GDPを完全に超えていると今でも考えています。
まあ、日本には関係のない事ですね。失礼しました。
「利上げしないと外国人投資家に逃げられる」と心配する一方で、反日邁進にはますます拍車がかかるのが分からない。日本企業に対する訴訟まで国を挙げて起こそうとしておきながら、日本だけはいつものように撤退せずに助けてくれるはずと思っているのでしょうか。ずいぶん舐められたもんですね日本人も。
社会のルールが、車は右側通行、徳政令があるから借金しないやつはバカ、みんながみな嘘つきなら、その社会ではそのルールで生きるしかない。半島自体が精神疾患病棟なら、中にいるのはそれにふさわしい人種だけ。いや、精神疾患の人を揶揄するつもりも差別感情もありません。ごく近い身内に同病者がいますので、むしろ憐憫と同情の念しかないのです。生きるのが辛いだろうなあと。
皆様の仰る通りで、韓国人は借金に関する心理的な負担を日本人の様に感じないのです。韓国はカード社会です。なんでもカード決済で、通りにあるみすぼらしい屋台でもカード決済です。従って各個人が何枚ものカードを持っており、使えなくなったカードも沢山所持しております。ただし、カードのおかげで消費意欲が大幅に高まり、逆に返せなくなるといった「カード大乱」なるものも過去には起きました。
以前にも書きましたが、とにかく見栄を張る国民性なので、家でも車でも新しく大きいものを無理して求めます。日本人の様に合理的に考えたり、身の丈に合ったものという考え方はありません。小生の住む小さな町でもポルシェやランボルギーニから降りてくるTシャツ、短パンのにーちゃんをよく見ます(て言うか、ポルシェやランボルギーニを違法路駐するなと思います)。BMWやアウディーは当たり前で、普通よりちょい上のステータスに見られるようです。韓国は車がないと彼女ができません。女性に男として扱ってもらうためには車は必須アイテムなんです。韓国でも学生の借金が問題になっていますが、それはほぼ車のために借金を背負っていると思ってもいいです。
結婚をすると親が借金を背負って子供にマンションを買い与えます。子供は短い間暮らした後、そのマンションを担保に別のマンションを購入します。新たに買ったマンションをチョンセとういう方式で人に貸し出し、受け取った金を運用してその差益を得ます。これは、経済がずっと高度成長すれば成り立つ図式なんですが、現在の様に低金利だとチョンセではなくウォルセという方式が主流になります。ウォルセとは日本の賃貸方式の様に敷金と毎月の家賃を支払う方法です(チョンセは家賃は払いません)。チョンセもウォルセも不動産が決める時価総額により変化します。小生が来た頃にはチョンセは売買価格の50~70%程度でしたが現在は80%以上です。少ない額では低金利により運用益が少ないため、チョンセ価格を上げています。ウォルセはさらに酷いと聞いています(小生ウォルセには済んだことがないので詳細は韓国人の口頭による不確かな情報しかありません)。
韓国は各家庭や個人が多くの借金が抱えているのは事実です。それは、マンションや車といった資産になっています。しかし、車は消費財であり、マンションは日本人も経験したように、いつ暴落するか分かりません。韓国の金融業界もそこは分かっているはずですが、他に資産になるようなものがないのです。小生の予想では来年の春あたりに徳政令の話が出てくると思っております。
駄文にて失礼します
「楽韓」さんによれば、韓国の個人資産は90%が不動産なのだそうですね。
不動産を現金で買える人はそれほど多くないでしょうから、ローンを抱えていると見て間違いないのでしょう。
ブログ主の9月27日の記事では、日本でも家計負債の60%が住宅ローンのようです。
(合計負債300兆円のうち180兆円)
問題は、韓国の家計資産が負債をどれだけ上回るかですね。
日本のように負債の5倍ほど純資産があれば、徳政令など無用のはず。
したがって、韓国在住日本人様のお話のように、
韓国は負債だらけの家庭が少なくないと見ます。
どこかで見かけた題名ですが、韓国に生まれなくて良かった。
< 韓国在住日本人様
< コメント拝見しました。チョンセとかウォルセとか、新婚さんは次々とマンションを渡り歩くのですね。忙しいご苦労なこった(笑)。転居するだけでも幾らかの費用は掛かります。日本人なら『ここで取り敢えず落ち着こう。駅近だし』とか良い点を見つけて自分らに納得させて、転居はまた先に、と思い留ませる事ができますよね。やっぱ、見栄っ張りなんだな~。ポルシェやランボルギーニの路駐もイミフです。私なら民間駐車場でも高級スーパーの駐車場でも嫌です(笑)。常に個人専用の地下式ガレージとか雨も当たらない所で無いと(笑)。
< それとマンションの話はよく聞きますが。戸建住宅には関心が低いのか、高額すぎるのか、私が画像で最近見たのは、前朴大統領私邸だけです。それとカード社会。日本は大国の割に現金支払いが多いと思います。私も現金派です。ポイントは付けて貰いますが(笑)。一度引き落とし日に残高が足りなくて、トラブルになったので、あまり使いたくないんです(カード会社の横柄な事!私はゴールドカードだったのに 涙)。
< さてハンギョレが0.25%金利を引き上げると報道してます。【韓国の家計が銀行などから借りている借入金は2018年6月末時点で1630兆2040億ウォン(約163兆円)であり、韓国のGDP(2016年で約1.4兆ドル)と比べてもあまり変わらない水準です。】(会計士さんコメントより抜粋)。凄い借りっぷり。
< 金利引き上げが景気に良くないとしても、0.25%の利上げが沈滞を招きはしない反面、外国人資本の流出が十分考えられますネ。さあ~困ったな韓国。にっちもさっちも行きませんが(大笑)。日本はギャラリーとして、見物させて頂きます。早よ潰れてぇッ。
めがねのおやじ 様
レス有難うございます。
韓国の家庭が渡り歩くのは、学習環境のためでもあります。進学率の良い学校があるとみなそこに移ろうとします。どんなにボロなアパートでも人気が出てくると当然価格が高騰します。あまりに価値が出てくると建て替えや修理すら住民が許さないそうで狂気の沙汰です(崩壊と考えてないんです)。また、人より高い階に住みたいという欲求があり、戸建てはあまり人気がありません。と言うか、ソウルで戸建ては財閥の親戚でもない限りはぼ不可能です。もちろん田舎に行けばそれなりの土地はありますが、韓国人が田舎で暮らすと言うことは負け組認定なんです。サムソンはソウルの近くの水原市に研究所がありますが、昔それを太田市とか釜山市に移すことになると研究員が会社を辞めました。田舎に行くことは耐えられないそうです。さすがに最近は次の職場がないので辞める人も少ないとは思います。ある韓国人に聞くと「田舎に行くのは島流しと一緒」と宣わっておりました。確かに子供の教育はソウルの方が良いのかもしれませんが、それにしても日本人とはなんと相容れない考え方だろうと思います。小生はソウルには絶対に住みたくありません。
駄文にて失礼します
韓国在住日本人様
以前の投稿で韓国の住宅(賃貸)状況に触れられていましたと記憶していますが、今回は持家所有を含めより詳しいお話が読めてとても参考になりました。
日本でも関東では部屋を借りる際に礼金と称される金員が必要であったり、関西では敷引きという習慣があったりと、理屈では説明しにくい制度がまだ残っています。
ちなみに礼金は戦後の劣悪な住宅環境の中で、貸手有利の中で生じた仕組みと言われているようですが、韓国の賃貸住宅事情も朝鮮戦争の戦禍の影響などがあるのでしょうか・・・
それはそうと、今回の主題は韓国の民間と政府の借金に関してかと思いますが、借金にもその性質により、また貸主や利率等条件により良し悪しがあるのではと思います。住居を購入するために銀行から借りるローンと、遊興の為に消費者金融から借りるクレジットは全く違うもの、しかし韓国ではそれらを混同してというより区別することなく行っているような印象を持ちました。
翻って日本では、財務省の国家の借金論です。もちろん国家が遊興のため、例えば国家元首を喜ばせるための娯楽施設建設のために借金をするようなことは論外ですが、将来への有効な投資であれば積極的に行うべきで、詳しく論じられる知識を持ち合わせてはいませんが、有効需要説では先の娯楽施設建設でも、資本主義社会であれば一定の経済波及効果が期待できるのではないでしょうか?
しかし、いずれにしても韓国社会はどん詰まりの状況にあるようで、今後が興味深くてなりません。
日本としては起こりうる状況に確実な備えをする必要があります。トランプ大統領が直面している南米からの移民(難民)の流入は、わが国に今すぐにでも起きるかも知れないことなのです。差し当たり、韓国から我が国への人の流入を制限する準備を怠ってはならないでしょう。
< 韓国在住日本人様
< へ〜日本人とは全然異なる考え方ですね。日本人から見たら京城自体が『島流し』(付近在住なのに失礼な言い方ですみません)みたいに感じ、大田でも釜山でも良かろうに、と思いますが(笑)。
< 『まずは京城を目指せ』と言われるだけあって国内の富がすべて京城に集中してるんでしょう。日本なら各地方の主要大都市があり、県庁所在都市があり、小都市と言えども『田舎やなあ〜』と言いながらも、そこを全否定するような意味ではありませんよね。
< 高い階に住みたいとか有名校の区域とか、目的がよこしまな考え方の人が多いように聞こえます(笑)。日本でも一部、居ますが。
脇から失礼いたします。
私も製造業の技術者ゆえ、田舎町の工場に勤めておりました。海にも山にも近く自然に親しめ、県庁所在地まで車で30分程度のため美術館通いができ、子育てには大変に恵まれた環境でした。
しかし思春期を過ぎた子供には田舎暮らしは刺激が足らず、都会を志向するようになったのは当然の成り行きでした。かつての自分もそうでしたし。このようにそれぞれの人が最善の環境を求めて移り住む自由があるのは良いことだと思います。それが内発的動機ではなく、見栄や外聞を気にしての移動であれば、それは不自由な暮らしですね。
韓国の金利政策について(感じたままのコメントです)
*****
「上げても地獄、下げても地獄・・・」
普通に考えて、外貨流出及び家計破綻の防衛のためには、政策金利を上げ、市中金利を抑制するしかないと思います。(かつ、通貨の流通量を減らさず、株価・不動産価格の維持です)
例えば、
公定歩合は、仕方がないので上げましょう。
金融機関に、貸付金利の抑制命令を出しましょう。
クレジット会社には、利ざや差額補填のための補助金を出しましょう。
銀行は、利ざや確保のため、資金調達先を中央銀行から円建債(低利だから)などにシフトしましょう。
かつ、円売りウォン買いで、通貨防衛を実現しましょう。
もしも円建債の引受手が無き場合には、「ふるさと(祖国)応援ファンド」を設立し、在日の同胞に出資を募りましょう。
*****
ですが、数年後には、
中央銀行の信用力の低下
公定歩合10%
カード会社への補助金増大
外貨建債券償還に伴う通貨自爆(ウォン売り)
景気停滞・雇用減退・物価上昇
家計負債残高の限界超え
・・・と、目先のことしか考えない政策では、公定歩合はどんどん高くなり、家計負債はどんどん大きくなり、気づく間もなく、国の経済は「ドーンドン」と爆発して終わってしまうものなのかもしれません。
政府は、いいところ取りの「ダブルスタンダード政策」など提言せずに、根っこのところ「雇用(家計負債の改善)」に注力すべきでは、ないのでしょうか?
*****
・・・とも思いましたが、残念ながら、「借金とは返済すべき性質のものではない」との、悪しき慣習が、個人レベルで排除されない限り、それも難しいのかもしれません。
家計負債と個人事業者負債の合計が、韓国GDPを軽く上まっている中で、昨日、韓国中銀が0.25%利上げしましたね。
私は、日本の過去の金融政策を振りかえり、韓国でも資産の大部分である不動産が、バブル炸裂の直前と見ます。
一般韓国人の借金利息が増え、資産価値の目減りが目前の状況なので、韓国政府に適切な対応が出来るか、期待して事態の推移を見守りたいと思います。